【文献】
土井 健司,プレゼンテーション発表時のコメント収集に焦点をあてたアノテーションシステムCollabStickyの開発と評価,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム論文集 情報処理学会シンポジウムシリーズ Vol.2007 No.1 [CD−ROM] IPSJ Symposium Series,日本,社団法人情報処理学会,2007年 7月 4日,第2007巻,第159-164ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、会議の場等においてプロジェクターを使用して資料を投影する場合、当該資料のデータを事前に用意しておく必要がある。例えば、資料のデータを事前に共有サーバに格納したり、プロジェクターを制御するコンピュータにデータを電子メールで送信したりする必要がある。しかしながら、プロジェクターを使用するときに共有サーバにアクセスするための設定が煩雑であったり、電子メールでデータを送信するのに手間がかかったりするおそれがある。また、投影対象のデータが格納されたコンピュータを会議に持ち込んでプロジェクターに接続する場合、ケーブルの接続に時間を要し、投影するための設定に手間がかかるおそれがある、また、プロジェクターに接続されたコンピュータの操作者と資料の説明者とが別々の場合、資料の説明者が、ページ変更等の指示を操作者にその都度行う必要がある。このように、プロジェクターによって資料を投影してその操作を行うことが容易ではない場合がある。また、プロジェクターを使用する場面以外においても、ある装置に格納されたデータを他の装置にて操作する場合、その操作のための設定や準備等に手間がかかり、その操作を行うことが容易ではないことがある。
【0007】
本発明の目的は、データに対する操作を他の装置にて簡便に行わせることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、
処理の対象とし
てデータが指定された場合
、前記処理に関する操作を
命令するためのユーザインターフェースに関する情報を、前記データに対応付けられた他の装置に送信する送信手段と、前記他の装置から送信されたデータの識別子と指定された前記データの識別子とが一致する場合、前記他の装置に対して、前記ユーザインターフェースを介した前記データに対する操作を許可する許可手段と、を含む情報処理装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、
処理の対象とし
てデータが指定された場合
、前記処理に関する操作を
命令するためのユーザインターフェースに関する情報を、前記データに対応付けられた利用者に対応する他の装置に送信する送信手段と、前記他の装置から送信されたデータの識別子と指定された前記データの識別子とが一致する場合、前記他の装置に対して、前記ユーザインターフェースを介した前記データに対する操作を許可する許可手段と、を含む情報処理装置である。
【0010】
請求項3に係る発明は、
処理の対象とし
てデータが指定された場合
、前記処理に関する操作を
命令するためのユーザインターフェースに関する情報を、前記データの識別子に対応付けられた利用者に対応する他の装置に送信する送信手段と、前記他の装置から送信されたデータの識別子と指定された前記データの識別子とが一致する場合、前記他の装置に対して、前記ユーザインターフェースを介した前記データに対する操作を許可する許可手段と、を含む情報処理装置である。
【0011】
請求項4に係る発明は、直接接続の通信経路を介して受信した前記データ
を記憶手段に記憶させる管理手段を更に
含み、前記
送信手段は、前記
ユーザインターフェースに関する情報を前記通信経路を介して前記他の装置に送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項
5に係る発明は、前記ユーザインターフェースに関する情報は、前記識別子を含み、前記他の装置が、前記識別子に対応する装置に該当する場合、前記他の装置にて前記ユーザインターフェースが表示され、前記他の装置が、前記識別子に対応する装置に該当しない場合、前記他の装置にて前記ユーザインターフェースは表示されない、ことを特徴とする請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項
6に係る発明は、前記ユーザインターフェースに関する情報は、前記識別子を含み、前記他の装置が、前記識別子に対応する装置に該当する場合、前記他の装置にて前記ユーザインターフェースが表示され、前記他の装置が、前記識別子に対応する装置に該当せず、かつ、前記ユーザインターフェースに関する情報を既に記憶している場合、前記他の装置から前記ユーザインターフェースに関する情報が削除される、ことを特徴とする請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項
7に係る発明は、前記データは画像データであり、
前記処理は前記画像データの表示処理であり、前記表示処理の対象として前記画像データが指定された場合、前記
送信手段は前記表示処理
のための前記ユーザインターフェースに関する情報を前記他の装置に送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項
8に係る発明は、前記画像データの表示処理中に、前記表示処理の対象となる別の画像データを受け付けて記憶手段に記憶させる手段を更に
含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項
9に係る発明は、コンピュータを、
処理の対象とし
てデータが指定された場合
、前記処理に関する操作を
命令するためのユーザインターフェースに関する情報を、前記データに対応付けられた他の装置に送信する送信手段、前記他の装置から送信されたデータの識別子と指定された前記データの識別子とが一致する場合、前記他の装置に対して、前記ユーザインターフェースを介した前記データに対する操作を許可する許可手段、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1,2,3,
5,
6,
9に係る発明によると、データに対する操作を他の装置にて簡便に行わせることができる。
【0017】
請求項4に係る発明によると、データの受信及び
ユーザインターフェースの送信が簡便に行われる。
【0019】
請求項
7に係る発明によると、画像データの表示処理に対する操作を他の装置にて簡便に行わせることができる。
【0020】
請求項
8に係る発明によると、別の画像データを表示処理する段階になって当該別の画像データを受け付ける場合と比べて、表示処理に要する時間が短縮される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に、本発明の実施形態に係る情報処理装置の一例を示す。本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、画像を投影するプロジェクター30に接続されており、当該投影の制御を行う。また、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bが、ネットワークNを介して相互に直接接続されており、相互にデータを送受信する。例えば、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bは、ピアツーピア(Peer to Peer)の方式により接続されて相互にデータの送受信を行う。なお、
図1には、端末装置40A,40Bが図示されているが、1つの端末装置のみ又は3つ以上の端末装置が、ネットワークNを介して情報処理装置10に直接接続されていてもよい。このように、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bが相互に直接接続されているため、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bは、共有のデータ記憶部に対するアクセスが許可されている。
【0023】
情報処理装置10は、データ記憶部12と、管理部14と、制御部16と、送受信部18と、ユーザインターフェース部(UI部)20と、を含む。
【0024】
データ記憶部12は、端末装置40A,40Bから送信されたデータを記憶する。例えば、データ記憶部12には、プロジェクター30の投影対象となる画像データが記憶される。端末装置40A,40Bから送信されたデータは、データ記憶部12において、端末装置40A,40Bからのアクセスが許可されたデータ格納領域(共有領域)に記憶される。これにより、端末装置40A,40Bは、データ記憶部12の共有領域に記憶されているデータへのアクセスが許可される。例えば、投影対象となる画像データが、端末装置40A,40Bから情報処理装置10に送信されてデータ記憶部12の共有領域に記憶される。
【0025】
各画像データには、画像データ自体を識別するためのデータ識別情報が付帯されており、また、ユーザ識別情報及びデバイス識別情報のうち少なくとも1つが付帯されている。ユーザ識別情報は、画像データの提供者を識別するための情報(例えば氏名やユーザID)である。デバイス識別情報は、データ提供者の所有する(又はデータ提供者のアカウントが設定された)端末装置を識別するための情報(例えばデバイス名称やデバイスID)である。
図2(a)に、画像データの構造の一例を示す。画像データは、画像の内容自体を示す内容データと、ユーザ識別情報(又は/及びデバイス識別情報)と、データ識別情報と、を含む。
【0026】
また、データ記憶部12には、端末装置40A,40Bにてプロジェクター30の操作を行うためのリモコンユーザインターフェース(リモコンUI)を示すリモコンUI情報が記憶されている。このリモコンUIは、プロジェクター30によって投影された画像のページ送り等の命令を、端末装置40A,40Bにて行うためのUIである。
図2(b)に、リモコンUI情報の構造を示す。リモコンUI情報には、当該リモコンUI情報を識別するためのリモコンUI情報IDと、ユーザ識別情報(又は/及びデバイス識別情報)と、リモコンUIの操作対象となる画像データのデータ識別情報と、リモコンUIにて操作が許容されている命令のセットと、命令情報(コマンド)と、を含む。
【0027】
管理部14は、データ記憶部12の共有領域を管理し、端末装置40A,40Bから送信されたデータをデータ記憶部12の共有領域に記憶させる。
【0028】
制御部16は、情報処理装置10と端末装置40A,40Bとの間における命令やデータの送受信を制御する。また、制御部16は、プロジェクター30を制御することで、投影対象の画像データをプロジェクター30に投影させる。例えば、制御部16は、プロジェクター30の操作に関する命令を受け、当該命令に従ってプロジェクター30を制御する。
【0029】
また、制御部16は、データ記憶部12に記憶されている画像データがプロジェクター30の投影対象として指定された場合、当該画像データに付帯されているユーザ識別情報(又はデバイス識別情報)に対応する端末装置にてプロジェクター30の操作を行うための操作処理を実行する。例えば、制御部16は、リモコンUI情報を当該端末装置に送信するよう送受信部18を制御する。
【0030】
送受信部18は、ネットワークNを介して命令やデータを送受信する。例えば、送受信部18は、端末装置40A,40Bから画像データやプロジェクター30の操作に関する命令を受信し、リモコンUI情報を端末装置40A,40Bに送信する。
【0031】
ユーザインターフェース部(UI部)20は、表示部と操作部とを備え、画像データを表示し、ユーザによる操作を受け付ける。
【0032】
次に、端末装置40A,40Bについて説明する。端末装置40A,40Bは、データ記憶部42と、送受信部44と、ユーザインターフェース部(UI部)46と、制御部48と、を含む。端末装置40A,40Bは、例えばパーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末装置であってもよい。
【0033】
データ記憶部42は各種のデータを記憶する。例えば、データ記憶部42は、プロジェクター30の投影対象となる画像データを記憶する。送受信部44は、命令やデータを送受信する。ユーザインターフェース部(UI部)46は、表示部と操作部とを備え、リモコンUI情報や画像データを表示し、ユーザによる操作を受け付ける。制御部48は各部を制御する。
【0034】
各端末装置40A,40Bには、各端末装置40A,40Bのユーザ(各端末装置の保有者、又は、各端末装置にてアカウントが設定されたユーザ)を識別するためのユーザ識別情報が対応付けられている。また、各端末装置40A,40Bには、自身の装置を識別するためのデバイス識別情報が対応付けられている。ユーザ識別情報及びデバイス識別情報は、例えばデータ記憶部42に記憶されている。
【0035】
次に、
図3に示すフローチャートを参照して、情報処理装置10の動作の一例について説明する。例えば、会議においてプロジェクター30が使用されるものとし、会議の進行役が情報処理装置10を操作し、端末装置40Aのユーザが画像データを提供してプロジェクター30を使用するものとする。以下では、端末装置40Aのユーザを、「データ提供者」と称することとする。
【0036】
まず、端末装置40Aのユーザ(データ提供者)は、端末装置40AのUI部46を操作することで、端末装置40Aに記憶されているデータの中から投影対象となる画像データAを選択し、当該画像データAに、データ提供者のユーザ識別情報を付帯させる(S01)。そして、データ提供者が画像データAの送信を指示すると、送受信部44は、画像データAを情報処理装置10に送信する(S02)。情報処理装置10の送受信部18は端末装置40Aから画像データAを受信し、管理部14は画像データAをデータ記憶部12の共有領域に記憶させる(S03)。例えば
図2(a)に示すように、ユーザ識別情報が付帯された画像データAが、データ記憶部12に記憶される。なお、画像データAに、端末装置40Aを識別するためのデバイス識別情報が付帯されてもよい。
【0037】
そして、会議の進行役が情報処理装置10のUI部20を操作することで、画像データAをプロジェクター30の投影対象として指定すると(S04)、送受信部18は、制御部16の制御の下、リモコンUI情報を送信する(S05)。一方、制御部16は、プロジェクター30を制御することで、画像データAをプロジェクター30に投影させる(S06)。
【0038】
ここで、リモコンUI情報の送信処理について詳しく説明する。例えば
図2(b)に示すように、制御部16は、リモコンUI情報IDと、画像データAに付帯されているユーザ識別情報(端末装置40Aのユーザを識別するためのユーザ識別情報)と、画像データAのデータ識別情報と、命令セットと、を含むリモコンUI情報を生成し、送受信部18は、当該リモコンUI情報を送信する。このとき、送受信部18は、一例としてブロードキャスト方式に従って、ネットワークNに接続されているすべての端末装置40A,40BにリモコンUI情報を送信する。なお、端末装置40Aを識別するためのデバイス識別情報が画像データAに付帯されている場合、制御部16は、当該デバイス識別情報をリモコンUI情報に含めてもよい。
【0039】
そして、リモコンUI情報を受信した端末装置が、当該リモコンUI情報に含まれるユーザ識別情報に対応する端末装置の場合(S07,Yes)、当該端末装置の制御部48はリモコンUI情報に基づくリモコンUIをUI部46に表示させる(S08)。この点について詳しく説明する。各端末装置40A,40Bの制御部48は、情報処理装置10から送信されたリモコンUI情報に含まれるユーザ識別情報と、自身の端末装置のデータ記憶部42に記憶されているユーザ識別情報と、を比較し、両ユーザ識別情報が一致する場合、リモコンUI情報に基づくリモコンUIをUI部46に表示させる(S08)。例えば、リモコンUI情報には、端末装置40Aのユーザを識別するためのユーザ識別情報が含まれているため、端末装置40Aが、ユーザ識別情報に対応する端末装置に該当する。この場合、端末装置40Aの制御部48は、リモコンUI情報に基づくリモコンUIをUI部46に表示させる。一方、端末装置40Bは、リモコンUI情報に含まれるユーザ識別情報に対応する端末装置に該当しないため(S07,No)、リモコンUIの表示処理を行わない(S09)。なお、ユーザ識別情報の代わりにデバイス識別情報を使用し、リモコンUI情報に含まれるデバイス識別情報に対応する端末装置が、リモコンUI情報に基づくリモコンUIをUI部46に表示させてもよい。
【0040】
なお、情報処理装置10の送受信部18は、すべての端末装置40A,40BにリモコンUI情報を送信せずに、画像データAに付帯されているユーザ識別情報に対応する端末装置40AのみにリモコンUI情報を送信してもよい。この点について詳しく説明する。まず、送受信部18は、ブロードキャスト方式に従って、画像データAに付帯されているユーザ識別情報を、ネットワークNに接続されているすべての端末装置40A,40Bに送信する。この場合、ユーザ識別情報を受信した端末装置が、当該ユーザ識別情報に対応する端末装置の場合、対応する旨を示す情報を情報処理装置10に送信し、情報処理装置10は、対応する旨の情報を送信した端末装置にリモコンUI情報を送信する。具体例を挙げて説明すると、画像データAに付帯されているユーザ識別情報は端末装置40Aのユーザを示しているため、当該ユーザ識別情報を受信した端末装置40Aは、当該ユーザ識別情報に対応する端末装置であることを示す情報を情報処理装置10に送信する。そして、情報処理装置10の送受信部18は、リモコンUI情報を端末装置40Aに送信する。一方、端末装置40Bは、ユーザ識別情報に対応する端末装置に該当しないため、情報処理装置10の送受信部18は、リモコンUI情報を端末装置40Bには送信しない。このように、情報処理装置10の送受信部18は、まず、画像データAに付帯されているデータ識別情報をすべての端末装置40A,40Bに送信し、次に、当該データ識別情報に対応する端末装置40Aから、対応する旨の情報を受信した場合に、端末装置40AにリモコンUI情報を送信してもよい。
【0041】
また、別の例として、情報処理装置10の送受信部18は、制御部16の制御の下、各デバイス識別情報と各端末装置との対応付けに従って、画像データAに付帯されているデバイス識別情報に対応付けられた端末装置に、リモコンUI情報を送信してもよい。
【0042】
以上のようにしてリモコンUIが端末装置40AのUI部46に表示されると、端末装置40Aのユーザ(データ提供者)は、UI部46に表示されたリモコンUIを用いて、プロジェクター30の操作に関する命令を指示する(S10)。例えば、データ提供者は、プロジェクター30によって投影された画像のページ送り等の命令を、リモコンUIを用いて行う。
【0043】
プロジェクター30の操作に関する命令がリモコンUIを介して与えられると、端末装置40Aの送受信部44は、制御部48の制御の下、当該命令を示す命令情報を情報処理装置10に送信する(S11)。例えば
図2(b)に示すように、制御部48は、リモコンUI情報に命令情報を含め、送受信部44は、当該リモコンUI情報を情報処理装置10に送信してもよい。
【0044】
情報処理装置10の送受信部18は、端末装置40Aから命令情報を受信し(S12)、情報処理装置10の制御部16は、当該命令情報が示す命令に従って、プロジェクター30の動作を制御する。例えば、データ提供者によってページ送りが指示された場合、制御部16は、その指示に従って、プロジェクター30によって投影されている画像のページ送りを行う。
【0045】
以上のように、画像データがプロジェクター30による投影対象に指定された場合に、画像データに付与されたユーザ識別情報に基づいてデータ提供者の端末装置を特定し、データ提供者の端末装置にリモコンUI情報を提供することで、端末装置からプロジェクター30の操作が許可される。これにより、データ提供者は、進行役(情報処理装置10のユーザ)に対して、プロジェクター30の操作を指示しなくて済むので、情報処理装置10以外の端末装置40A,40Bにて、プロジェクター30の操作が簡便に行われる。
【0046】
また、データ記憶部12の共有領域に画像データを格納し、情報処理装置10のUI部20を用いて投影対象の画像データを指定すれば、当該画像データに対応する端末装置40A,40BにリモコンUI情報が送信されてプロジェクター30の操作が許可されるので、端末装置40A,40Bをプロジェクター30に接続しなくても、端末装置40A,40Bにてプロジェクター30の操作が簡便に行われる。例えば、端末装置40Aによってプロジェクター30を使用した後に、別の端末装置40Bにてプロジェクター30を使用する場合であっても、ケーブルの取り外し及び接続を行う必要がないので、プロジェクター30を使用するための作業負担が軽減し、また、作業時間が短縮される。
【0047】
また、会議の直前や会議中に、投影対象の資料を追加したい場合には、データ記憶部12の共有領域に画像データを格納すれば、投影対象の画像データとして指定され得るため、投影対象の画像データの追加が容易となる。
【0048】
また、リモコンUI情報又はユーザ識別情報を、ブロードキャスト方式に従って、ネットワークNに接続されているすべての端末装置に送信することで、例えば、複数の端末装置に同じユーザ識別情報が対応付けられている場合に、当該複数の端末装置にてリモコンUI情報が受信され、当該複数の端末装置にてプロジェクター30に対する操作が許可されることになる。例えば、データ提供者が、ノートPC(例えば端末装置40A)とスマートフォン(例えば端末装置40B)とを会議に持ち込み、それらをネットワークNに接続したとする。ノートPC及びスマートフォンには、同じユーザ識別情報が対応付けられている。この場合、ノートPC(端末装置40A)及びスマートフォン(端末装置40B)のいずれもがリモコンUI情報を受信し、いずれの端末装置においてもリモコンUIが表示されることになる。データ提供者は、いずれの端末装置からであってもプロジェクター30の操作が許可されることになる。例えば、投影対象の画像データがノートPC(端末装置40A)に記憶されており、ノートPCから情報処理装置10に投影対象の画像データが送信された場合であっても、データ提供者は、そのノートPCからではなく、スマートフォン(端末装置40B)からプロジェクター30の操作が許可される。このように、複数の端末装置からの操作が許可されるため、データ提供者の利便性が向上する。
【0049】
さらに、ブロードキャスト方式を採用することで、当初はネットワークNに接続されていなかったが、後からネットワークNに接続された端末装置にも、リモコンUI情報が提供され得る。例えば、当初はノートPC(例えば端末装置40A)のみがネットワークNに接続されており、後からスマートフォン(例えば端末装置40B)がネットワークNに接続された場合であっても、スマートフォンに対してリモコンUI情報が提供され得る。一例として、ノートPC(端末装置40A)から情報処理装置10に投影対象の画像データが送信された場合であっても、情報処理装置10によってリモコンUI情報が送信されるときに、スマートフォン(端末装置40B)がネットワークNに接続されていれば、当該スマートフォンにもリモコンUI情報が送信され得る。そして、ノートPCとスマートフォンとに、同じユーザ識別情報が付与されている場合には、上記と同様に、スマートフォンからでもプロジェクター30の操作が許可される。
【0050】
次に、変形例について説明する。変形例では、情報処理装置10のデータ記憶部12に、例えば、画像データの投影の順番を示すスケジュールデータが記憶されている。このスケジュールは、一例としてプレゼンテーションの進行表である。
図4に進行表の一例を示す。この進行表では、プレゼンテーション資料のタイトル(又はデータ名)と、ユーザ名(ユーザ識別情報)と、が対応付けられており、この進行表のデータがデータ記憶部12に記憶されている。また、プレゼン資料X,Y,Zのそれぞれのデータは、データ記憶部12に記憶されている。プレゼンテーション資料に対応付けられているユーザは、例えば、プレゼンテーション資料の提供者又は使用者である。なお、プレゼンテーション資料のタイトル(又はデータ名)が、固有の識別子の一例に相当する。そして、進行役がUI部20を操作することで、投影しようとするプレゼンテーション資料のタイトルを指定すると、制御部16は、データ記憶部12に記憶されている進行表のデータを参照することで、投影対象として指定されたタイトルに対応付けられたユーザを特定し、当該ユーザの端末装置にリモコンUI情報を送信するよう送受信部18を制御する。例えば、プレゼン資料Xが投影対象として指定された場合、制御部16は、プレゼン資料Xに対応付けられているユーザAの端末装置に、リモコンUI情報を送信するよう送受信部18を制御する。例えば、情報処理装置10は、上述したブロードキャスト方式に従って、リモコンUI情報を端末装置に送信する。この変形例においても、上記の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
【0051】
上述した実施形態及び変形例において、以下に説明する例が実施されてもよい。
【0052】
例えば、命令情報を含むリモコンUI情報が、端末装置40Aから情報処理装置10に送信された場合、情報処理装置10の制御部16は、次のような処理を行ってもよい。リモコンUI情報に含まれるデータ識別情報と、プロジェクター30の投影対象となっている画像データのデータ識別情報と、が一致する場合、制御部16は、端末装置40Aに対して、投影対象の画像データに対する操作を許可してもよい。すなわち、制御部16は、リモコンUI情報に含まれるデータ識別情報に基づき、操作対象の画像データを特定し、当該操作対象の画像データとプロジェクター30の投影対象となっている画像データとが一致する場合に、端末装置40Aに対して、プロジェクター30の操作を許可してもよい。操作対象の画像データと投影対象の画像データとの不一致が防止され、投影対象の画像データに対する誤操作が防止又は軽減される。別の例として、リモコンUI情報に含まれるユーザ識別情報(又はデバイス識別情報)と、プロジェクター30の投影対象となっている画像データに付帯されているユーザ識別情報(又はデバイス識別情報)と、が一致する場合に、制御部16は、端末装置40Aに対して、プロジェクター30の投影対象となっている画像データに対する操作を許可してもよい。
【0053】
また、ネットワークNには直接接続されていないが、ネットワークNに接続されている端末装置に接続された装置が、当該端末装置に送信されたリモコンUI情報を受信してリモコンUIを表示させてもよい。例えば、端末装置40AがネットワークNに接続されており、別の端末装置(例えばスマートフォン)がネットワークNには直接接続されていないが、端末装置40Aに、直接又は別の通信経路を介して接続されているとする。この場合、スマートフォンは、端末装置40Aが受信したリモコンUI情報を取得し、当該リモコンUI情報に基づくリモコンUIを表示してもよい。これにより、ネットワークNに直接接続されていない装置であっても、プロジェクター30の操作が許可される。
【0054】
また、端末装置40A,40Bは、プロジェクター30による投影中に、バックグラウンドで、別の投影対象となる画像データを情報処理装置10に送信してもよい。これにより、画像を投影する段階になって画像データを情報処理装置10に送信する場合と比べて、投影開始に要する時間が短縮される。
【0055】
また、端末装置40A,40Bは、投影対象となる画像データを複数のデータに分割し、分割後のデータを順次、情報処理装置10に送信してもよい。情報処理装置10の制御部16は、分割後のデータを受け、分割後のデータに基づく画像をプロジェクター30に投影させる。例えば、端末装置40A,40Bは、複数のページからなる画像データを、ページ毎の画像データに分割し、ページ毎の画像データを順次、情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部16は、ページ毎の画像データを受け、リモコンUIを利用して与えられた命令に従って、各ページの画像をプロジェクター30に投影させる。具体例を挙げて説明すると、情報処理装置10の制御部16は、1ページ目の画像データを端末装置から受信すると、当該1ページ目の画像をプロジェクター30に投影させ、その間に、2ページ目の画像データを端末装置から受信する。このように、投影対象の画像データを分割して送受信し、順次、投影することで、全データを送受信してから投影処理する場合と比べて、投影開始に要する時間が短縮される。
【0056】
また、ユーザが所属するグループを識別するためのグループ識別情報を、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bに対応付けることで、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bが、ユーザが所属するグループを相互に識別するようにしてもよい。例えば、情報処理装置10が、ユーザが所属するグループを識別するためのグループ識別情報を、情報処理装置10及び端末装置40A,40Bに対応付け、各グループを区別するようにしてもよい。これにより、各グループに属する装置が同じネットワークNに接続している場合であっても、各グループに属する装置は、同じグループに属する装置を認識することになる。そのため、同じネットワークNを利用して複数のグループがそれぞれ会議を行っている場合に、各装置は、自己が所属するグループを識別して自己の会議を識別するので、他のグループ(会議)からの介入が防止される。例えば、情報処理装置10は、同じグループに属する端末装置からのアクセスを許可し、別のグループに属する端末装置からのアクセスを禁止する。これにより、当該情報処理装置10のデータ記憶部12に格納されている投影対象の画像データについてのリモコンUI情報は、他のグループの端末装置に送信されることはないので、リモコン操作についてグループ間での干渉が防止される。
【0057】
また、端末装置40A,40Bに、リモコンUI情報を予め格納しておき、情報処理装置10は、投影対象の画像データに対応する端末装置40Aに、リモコンUI情報の使用許可を示す許可情報を送信し、許可情報を受けた端末装置40Aにて、リモコンUIの使用が許可されるようにしてもよい。これにより、許可情報を受けていない端末装置40Bでは、リモコンUIの使用が禁止され、使用許可を示す情報を受けた端末装置40Aのみで、リモコンUIの使用が許可される。
【0058】
また、端末装置40AによるリモコンUIの使用が終了した場合、リモコンUI情報が端末装置40Aから自動的に削除されるようにしてもよい。例えば、情報処理装置10にて、端末装置40Bから送信された画像データBが新たに投影対象として指定された場合、当該画像データBに対応付けられたユーザ識別情報、又は、当該ユーザ識別情報を含むリモコンUI情報が、ブロードキャスト方式に従って、情報処理装置10から端末装置40A,40Bに送信される。このとき、端末装置40Aは、画像データBに対応する端末装置ではないため、端末装置40Aの制御部48は、端末装置40Aに記憶されているリモコンUI情報を削除してもよい。これにより、画像データBが新たに投影対象として指定された場合、プロジェクター30の使用が終了した端末装置40AからリモコンUI情報が自動的に削除されるので、画像データBを提供した者のみが、リモコンUIの使用を許可される。このように、各端末装置40A,40Bは、自己が情報処理装置10から送信されたユーザ識別情報に対応しない端末装置の場合、リモコンUI情報を削除してもよい。リモコンUIが不要になった端末装置ではリモコンUI情報が削除されるので、リモコン操作について端末装置間での干渉が防止される。例えば、会議での発表者のみにリモコンUIの使用が許可され、リモコン操作について端末装置間での干渉が防止される。
【0059】
また、画像データの投影の順番を示すスケジュールを予め決定しておき、情報処理装置10は、そのスケジュールに従って投影対象の画像データを指定するとともに、当該画像データに対応する端末装置にリモコンUI情報を送信してもよい。
【0060】
また、情報処理装置10は、リモコンUI情報とともに投影対象の画像データAを端末装置40Aに送信し、端末装置40Aの制御部48は、リモコンUIをUI部46に表示させ、更に、投影対象の画像データAをUI部46に表示させてもよい。ユーザ(データ提供者)は端末装置40Aにて表示されている画像を参照しながら操作を行えばよいので、ユーザの利便性が向上する。このとき、端末装置40Aの制御部48は、リモコンUIに対する操作に応じて、UI部46に表示されている画像データAに基づく画像の切り替え等を行ってもよい。リモコンUIに対する操作に応じて、プロジェクター30によって投影されている画像が操作されるので、プロジェクター30によって投影されている画像に対する操作と、端末装置40Aにて表示されている画像に対する操作と、が連動することになる。これにより、ユーザの利便性が更に向上する。
【0061】
なお、情報処理装置10が、プロジェクター30に組み込まれていてもよい。この場合、プロジェクター30自体がネットワークNに接続され、端末装置40A,40Bから画像データを受信して画像を投影する。
【0062】
上述した情報処理装置10は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、情報処理装置10は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、管理部14、制御部16及び送受信部18のそれぞれの機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記憶媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。