(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232908
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】紙容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/74 20170101AFI20171113BHJP
B65D 5/20 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
B31B50/74
B65D5/20 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-212704(P2013-212704)
(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公開番号】特開2015-74479(P2015-74479A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛史
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−051654(JP,A)
【文献】
特開2002−292765(JP,A)
【文献】
特開2010−241458(JP,A)
【文献】
特開2003−052534(JP,A)
【文献】
特開平05−050536(JP,A)
【文献】
特開2001−293780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/00−50/99
B65D 5/00− 5/76
B65D 23/00−25/56
B32B 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面板と、底面板に連設された側面板とを有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体と、該紙製の本体の外面を覆う熱可塑性樹脂製の外面層と、該紙製の本体の内面を覆う熱可塑性樹脂製の内面層とを有し、前記外面層と内面層とは、前記側面板の上端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に容器のフランジ部を形成した紙容器の製造方法であって、
底面板と、底面板に連設された側面板とを少なくとも有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体を成形する工程と、
1枚の熱可塑性樹脂シートを加熱して、前記紙製の本体を収納可能な形状の外面層と、天地の向きを逆にした、前記紙製の本体内に収納可能な形状の内面層とを1組として同時に成型する工程と、
外面層の上に前記紙製の本体を載置し、この上に成型された内面層を折り返すことにより、外面層と、紙製の本体と、内面層の3層を重ね合わせて成形型内に載置し、容器のフランジ部を形成する工程とを含むことを特徴とする紙容器の製造方法。
【請求項2】
底面板と、底面板に連設された側面板と、側面板に連設された紙フランジ部を有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体と、該紙製の本体の外面を覆う熱可塑性樹脂製の外面層と、該紙製の本体の内面を覆う熱可塑性樹脂製の内面層とを有し、前記外面層と内面層とは、前記紙フランジ部の先端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に前記紙フランジ部と共に容器のフランジ部を形成した紙容器の製造方法であって、
底面板と、底面板に連設された側面板とを少なくとも有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体を成形する工程と、
1枚の熱可塑性樹脂シートを加熱して、前記紙製の本体を収納可能な形状の外面層と、天地の向きを逆にした、前記紙製の本体内に収納可能な形状の内面層とを1組として同時に成型する工程と、
外面層の上に前記紙製の本体を載置し、この上に成型された内面層を折り返すことにより、外面層と、紙製の本体と、内面層の3層を重ね合わせて成形型内に載置し、容器のフランジ部を形成する工程とを含むことを特徴とする紙容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙容器に関し、特に紙の表裏面並びに端面が合成樹脂層によって保護されたトレー状ないしはカップ状の紙容
器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレー状ないしはカップ状の紙容器は、店頭において食品類を盛り付けて販売するなどの、主に一時的に使用する用途に多用されている。これらの用途に用いられる紙トレーには、高度の保存性や耐久性が求められることがないため、容器の内面側に合成樹脂フィルム層を1層設けた厚紙を例えば
図10に示したようなブランク形状に打ち抜いて四隅の舌片(フラップ)(6)を接着して組み立てただけの簡単な構造のものが多かった。
【0003】
しかしこのような構造であると、容器の水密性において不安があるばかりでなく、紙の端面が容器の内側に露出しているため、水分や油分の多い内容物などでは、端面から浸み込んだ水や油がしみとなって外観的に好ましくないものとなる。また打抜きの際に生じる紙粉が、積み重ねた時に容器の内側に付着する可能性があるという衛生上の問題もあった。
【0004】
そこで、
図11に示したように、側面を構成する側面板(4)と側面板(4)の間を舌片とせずに、繋がったままにして、容器の外側に折り込むことで、容器の内側には紙の端面が一切露出しない構造とすることが行われている。
【0005】
しかし、
図11に示したような構造であると、水漏れの心配はないものの、コーナーの折込み部分では、厚紙が3枚も重なるため、側壁が厚くなり、容器としての体裁が悪いばかりでなく、積み重ねた時のスタック性が劣るという問題が生じる。また、容器内面の水密性は良好であるが、紙の表裏面にフィルム層を設けたとしても、フランジ部の端面には紙が露出することになるため、容器全体が水に浸漬されるような用途には用いることができなかった。
【0006】
特許文献1に記載された紙製トレー状容器の組立方法は、トレー状容器の水密性を確保するための他の方法を示したものである。特許文献1に記載された方法は、予め組み立てたトレー状紙容器の内面側に、真空成形法を用いてフィルム層を形成するものである。
【0007】
特許文献1に記載された紙製トレー状容器の組立方法によれば、紙製トレーが必要以上に厚くなることもなく、またトレーの形状に制約されずに、トレー内面に、一繋がりの防水層を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−138663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された方法によるトレー状紙容器においても、前記の紙粉の問題は依然として存在する。また紙の表面側に合成樹脂フィルム層を設けたとしても、フランジ部の端面には、紙が露出しており、レトルト殺菌処理などの容器全体に水がかかる処理を伴
う用途には使用することができなかった。
【0010】
一方、容器の内外部に露出する紙の端面をすべて保護する方法も種々提案されてはいるが、いずれも紙トレーのブランクを作成した後に端面処理を行わなければならないため、工程が非常に複雑になり、しかも容器形状を変更する場合の設備変更に膨大な手間がかかるため、規格形状の容器を継続して大量に生産する場合以外にはとても実用には適さないものであった。
【0011】
本発明の解決しようとする課題は、容器の内外面に紙の端面が一切露出しない構造を有し、レトルト殺菌処理が可能でありながら、比較的簡単な設備で製造することができるトレー状ないしはカップ状紙容
器の製造方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、底面板と、底面板に連設された側面板とを有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体と、該紙製の本体の外面を覆う熱可塑性樹脂製の外面層と、該紙製の本体の内面を覆う熱可塑性樹脂製の内面層とを有し、前記外面層と内面層とは、前記側面板の上端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に容器のフランジ部を形成した
紙容器の製造方法であって、
底面板と、底面板に連設された側面板とを少なくとも有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体を成形する工程と、
1枚の熱可塑性樹脂シートを加熱して、前記紙製の本体を収納可能な形状の外面層と、天地の向きを逆にした、前記紙製の本体内に収納可能な形状の内面層とを1組として同時に成型する工程と、
外面層の上に前記紙製の本体を載置し、この上に成型された内面層を折り返すことにより、外面層と、紙製の本体と、内面層の3層を重ね合わせて成形型内に載置し、容器のフランジ部を形成する工程とを含むことを特徴とする紙容器
の製造方法である。
【0013】
本発明
で製造される紙容器は、紙製の本体の外面と内面に熱可塑性樹脂層を有し、内外面の熱可塑性樹脂層は、開口部よりも延設されて熱融着されているため、紙層が外部に一切露出していない。このため、紙容器の表裏面に水がかかるような、例えばレトルト殺菌処理を伴う用途などにも用いることができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、底面板と、底面板に連設された側面板と、側面板に連設された紙フランジ部を有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体と、該紙製の本体の外面を覆う熱可塑性樹脂製の外面層と、該紙製の本体の内面を覆う熱可塑性樹脂製の内面層とを有し、前記外面層と内面層とは、前記紙フランジ部の先端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に前記紙フランジ部と共に容器のフランジ部を形成した
紙容器の製造方法であって、
底面板と、底面板に連設された側面板とを少なくとも有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体を成形する工程と、
1枚の熱可塑性樹脂シートを加熱して、前記紙製の本体を収納可能な形状の外面層と、天地の向きを逆にした、前記紙製の本体内に収納可能な形状の内面層とを1組として同時に成型する工程と、
外面層の上に前記紙製の本体を載置し、この上に成型された内面層を折り返すことにより、外面層と、紙製の本体と、内面層の3層を重ね合わせて成形型内に載置し、容器のフランジ部を形成する工程とを含むことを特徴とする紙容器
の製造方法である。
【0015】
削除。
【0016】
削除。
【0017】
削除。
【0018】
削除。
【0019】
削除。
【0020】
削除。
【0021】
削除。
【0022】
削除。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の発明
で製造される紙容器は、底面板と、底面板に連設された側面板とを有し、底面板よりも広い開口部を有する紙製の本体と、該紙製の本体の外面を覆う熱可塑性樹脂製の外面層と、該紙製の本体の内面を覆う熱可塑性樹脂製の内面層とを有するので、紙製の本体の外面と内面は熱可塑性樹脂層によって覆われており、しかも前記外面層と内面層とは、前記側面板の上端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に容器のフランジ部を形成しているので、紙の端面が一切露出しない構造となっている。
【0024】
このため、内容物を収納し、フランジ部に蓋体を熱シールした包装体は、全体が水に浸漬されるような用途すなわち、レトルト殺菌処理や熱水浸漬処理などに対する適性を付与することが可能である。
【0025】
請求項2に記載の発明
で製造される紙容器のように、紙製の本体が底面板と、底面板に連設された側面板と、側面板に連設された紙フランジ部を有し、外面層と内面層とが、紙フランジ部の先端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に紙フランジ部と共に容器のフランジ部を形成した場合には、請求項1に記載の発明
で製造される紙容器と同様の効果を有するのに加えて、容器のフランジ部の強度が高まるという効果を発揮する。
【0026】
削除。
【0027】
削除。
【0028】
削除。
【0029】
削除。
【0030】
削除。
【0031】
削除。
【0032】
削除。
【0033】
また、
本発明によれば、1枚の熱可塑性樹脂シートから外面層と内面層とを同時に成型することができるので、工程が少なくて済み、生産の効率が良い。
【0034】
削除。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明
の請求項1に係る発明で製造される紙容器の一実施態様を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した紙容器のA−A’断面を示した断面模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の請求項2に係る
発明で製造される紙容器の一実施態様を示した断面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器の一実施態様を示した断面模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器の一実施態様を示した断面模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器の一実施態様を示した断面模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器の一実施態様を示した断面模式図である。
【
図8】
図8は、本発明
の紙容器の製造方法
の一参考形態を示した説明図である。
【
図9】
図9は、本発明
の紙容器の製造方法を示した説明図である。
【
図10】
図10は、従来の紙容器の一例を示したブランク図である。
【
図11】
図11は、従来の紙容器の他の例を示したブランク図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下図面を参照しながら本発明に係る紙容
器の製造方法について詳細に説明する。
図1は、本発明
の請求項1で製造される紙容器の一実施態様を示した斜視図である。また
図2は、
図1に示した紙容器のA−A’断面を示した断面模式図である。
【0037】
本発明
の請求項1で製造される紙容器(1)は、底面板(3)と、底面板(3)に連設された側面板(4)とを有し、底面板(3)よりも広い開口部を有する紙製の本体(7)と、紙製の本体(7)の外面を覆う熱可塑性樹脂製の外面層(8)と、紙製の本体(7)の内面を覆う熱可塑性樹脂製の内面層(9)とを有し、外面層(8)と内面層(9)とは、側面板(4)の上端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に容器のフランジ部(10)を形成したことを特徴とする。
【0038】
本発明
の請求項1で製造される紙容器(1)は、紙製の本体(7)が熱可塑性樹脂製の外面層(8)と内面層(9)とによって覆われており、外面層と内面層とは側面板の上端部から延設されて熱融着されているので、紙が外部に露出することがない。従って本発明に係る紙容器(1)は、容器全体に水がかかるような用途にも対応することができる。例えば、図示しないが、内容物を収納した後、容器のフランジ部(10)に合成樹脂製の蓋材を熱シールした後、レトルト殺菌処理や熱水浸漬処理等を施すことにより、長期保存可能な容器とすることができる。
【0039】
紙製の本体(7)は、少なくとも底面板(3)と、底面板(3)に連設された側面板(4)とを有し、底面板(3)よりも広い開口部を有するトレー状ないしはカップ状の形状を有する。紙製の本体(7)は、
図3に示
す本発明の請求項2で製造される紙容器のように、側面板(4)に連設された紙フランジ部(5)を有していても良い。この場合には、外面層(8)と内面層(9)とは、紙フランジ部(5)の先端部から延設されて熱融着され、開口部周縁に紙フランジ部(5)と共に容器のフランジ部(10)を形成している。
【0040】
紙製の本体(7)が紙フランジ部(5)を有することにより、容器のフランジ部(10)の剛性が高まるので、外面層と内面層の厚さを薄くすることができる。
【0041】
紙製の本体(7)と外面層(8)、あるいは紙製の本体(7)と内面層(9)とは、全
面的に密着していても良いし、部分的に密着していても良いし、全く密着していなくても良い。
【0042】
全面的に密着している場合には、紙容器全体がしっかりした剛性の高いものとなるので、それぞれの材料の厚さを薄くすることができる。逆に全く密着していない場合には、それぞれの層ごとにある程度の剛性が必要となるので、相応の厚さが必要となる。
【0043】
図4は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器の一実施態様を示した断面模式図である。
図4に示した紙容器(1)は、紙製の本体(7)と外面層(8)の間、および紙製の本体(7)と内面層(9)の間に空気層(11)を形成したことを特徴とする。
【0044】
空気層(11)が存在することにより、紙容器(1)の断熱性が高まり、内容物が冷めにくくなると共に、手で持った時に熱くないという利点が生じる。空気層(11)は、
図5に示したように、部分的に形成されていても良い。この例では、内面層(9)に予め凹凸が形成されており、紙製の本体(7)と内面層(9)とは、部分的に熱融着され、熱融着されていない部分に空気層(11)が形成されている。
【0045】
図5の例では、紙容器の内面側にのみ空気層が形成されているが、外面側に形成しても良く、両面に設けても良い。このような構造をとることにより、容器の断熱性と剛性とをうまくバランスさせることができる。
【0046】
図6は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器(1)の一実施態様を示した断面模式図である。
図6に示した例では、紙製の本体(7)が段ボール紙製である。段ボール紙は、内部に空気層を含んでいるので、断熱性が高く、また剛性も高い。
【0047】
図7は、本発明の請求項
1に係る
発明で製造される紙容器(1)の一実施態様を示した断面模式図である。
図7に示した例では、底面板(3)と内面層(9)の間に金属板(12)が挿入されている。
図7に示した紙容器(1)は、誘導加熱方式の調理器具に載せて、内容物を直接加熱調理することができる。金属板(12)の挿入位置は、底面板(3)と外面層(8)の間でも良い。金属板(12)の材質としては、一般的な誘導加熱調理器具に共通して使用可能な軟鉄製の薄板または箔が適している。
【0048】
本発明
の請求項1または2に係る
発明で製造される紙容器(1)に使用する紙製の本体(7)の材質としては、特に制約はなく、各種の紙が使用可能である。例を挙げれば、段ボール、マニラボール紙、白ボール、チップボール等の板紙や、両面カード紙、裏白ボール紙、アイボリー紙、カートン原紙、カップ原紙等を用いることができる。
【0049】
本発明
の請求項1または2に係る
発明で製造される紙容器(1)の特徴として、紙製の本体(7)が外面層(8)と内面層(9)によって完全に覆われるため、通常では使用されない低質紙でも使用することができるという利点を有している。密度の低いポーラスな紙を用いた場合、紙の内部に空気を多く含むため紙容器(1)の断熱性が良好となる。
【0050】
外面層(8)及び内面層(9)の材料としては、熱成形可能なシート状の材料を使用することができる。シート状の材料は、単層でも複数の層からなる積層体でも良い。シート状の材料に用いられる材質としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂(A−PET)、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(Ny)、ポリスチレン系樹脂(
PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)等が挙げられる。これらの材質からなるフィルムを単層で、あるいは適宜組み合わせて積層体として用いることができる。
【0051】
外面層(8)及び内面層(9)の厚さとしては、材質や形状にもよるが、成形性、取扱い適性の点から、0.05mm以上、1mm以下、望ましくは、0.1mm以上、0.5mm以下である。
【0052】
次に、本発明に係る紙容器の製造方法について説明する。
図8は、本発明
の紙容器の製造方法
の一参考形態を示した説明図である。
図8(a)は、紙製の本体(7)のブランク(2)である。このブランク(2)を通常の製函機を用いて成形し、
図8(b)のように紙製の本体(7)を作成する。
【0053】
一方、
図8(c)、(d)に示したように、熱可塑性樹脂シート(16)を成形機にセットし、加熱装置(15)で加熱した後、外面層成形型(13)によって、紙製の本体(7)を収納可能な形状の外面層(8)を成形する。図は、一般的な真空成形装置を示したものであるが、成形方法としては、真空圧空成形法や、雄雌型による成形法でも良い。
【0054】
同様にして、
図8(e)、(f)に示したように、紙製の本体(7)内に収納可能な形状の内面層(9)を内面層成形型(14)によって成形する。次いで、
図8(g)に示したように、外面層(8)、紙製の本体(7)、内面層(9)の3層を重ねて熱溶着型(雌型)(17)と熱溶着型(雄型)(18)の間に挿入し、圧締して溶着することにより、容器のフランジ部を成形する。
【0055】
なお容器のフランジ部を成形すると同時に、上記3層を全面的にあるいは、部分的に熱溶着しても良い。成形方法としては、加熱型による熱圧着でも良いが、超音波を利用した超音波溶着法も利用できる。
【0056】
最終的に成形された容器のフランジ部を化粧断裁することにより、
図8(h)の紙容器(1)が得られる。
【0057】
図9は、本発明
の紙容器の製造方法を示した説明図である。紙製の本体(7)を作成する
図9(a)、(b)までは、同様であるが、この方法においては、
図9(c)、(d)に示したように、1枚の熱可塑性樹脂シート(16)を加熱して、紙製の本体(7)を収納可能な形状の外面層(8)と、天地の向きを逆にした、紙製の本体(7)内に収納可能な形状の内面層(9)とを1組として同時に成型する点が異なる。
【0058】
次に
図9(e)に示したように、外面層(8)の上に紙製の本体(7)を載置し、この上に成型された内面層(9)を折り返すことにより、外面層(8)と、紙製の本体(7)と、内面層(9)の3層を重ね合わせて成形型内に載置し、容器のフランジ部を形成する。
【0059】
なお容器のフランジ部を成形すると同時に、上記3層を全面的にあるいは、部分的に熱溶着しても良い。成形方法としては、加熱型による熱圧着でも良いが、超音波を利用した超音波溶着法も利用できる。
【0060】
図9(f)において最終的に得られる紙容器(1)は、
図8に示した方法によるものと同じであるが、この方法では、外面層(8)と内面層(9)を同時に成形するので、工程が少なくて済むという利点がある。
【0061】
反面、
図8に示した方法では、外面層(8)と内面層(9)の層構成を独立に設定できるのに対して、
図9に示した方法では、外面層(8)と内面層(9)とは、同一の材質となる。
【0062】
図8に示した方法も、
図9に示した方法もいずれも公知の比較的簡単な設備の組み合わせで実現でき、紙容器の形状を変更する段取り替えも容易にできるものである。
【符号の説明】
【0063】
1・・・紙容器
2・・・ブランク
3・・・底面板
4・・・側面板
5・・・紙フランジ部
6・・・フラップ
7・・・紙製の本体
8・・・外面層
9・・・内面層
10・・・容器のフランジ部
11・・・空気層
12・・・金属板
13・・・外面層成形型
14・・・内面層成形型
15・・・加熱装置
16・・・熱可塑性樹脂シート
17・・・熱融着型(雌型)
18・・・熱融着型(雄型)