特許第6233030号(P6233030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233030
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】リモコン
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20171113BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20171113BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H05K5/06 A
   H05K7/14 F
   H01H9/04 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-2603(P2014-2603)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-133356(P2015-133356A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100107445
【弁理士】
【氏名又は名称】小根田 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】福島 慶彦
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−328611(JP,A)
【文献】 特開平10−154895(JP,A)
【文献】 特開2008−135904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/06
H05K 7/14
H01H 9/04
H04Q 9/00
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が前面ケースと後面ケースとの間に挟まれた状態で収容されたリモコンにおいて、
前記基板は、前記前面ケースの表示窓部に臨む位置であって、一部を基板の端縁からはみ出した状態となる位置に配置された表示部を備え、
前記前面ケースと前記後面ケースとはそれぞれ相対向する側に突出するリブを備え、
前記前面ケースのリブは前記表示部の周囲を取り囲むように形成される一方、前記後面ケースのリブは前記表示部の前記基板からはみ出したはみ出し部分を取り囲むように形成され、かつ、前記前面ケースのリブは前記表示部の周囲の基板と、前記後面ケースのリブとの双方と当接して、前記表示部を内部に収容するための密閉空間が区画形成されるように構成されている、
ことを特徴とするリモコン。
【請求項2】
請求項1に記載のリモコンであって、
前記後面ケースのリブは先端面に段差部を備え、この段差部を挟んで一側の先端面が前記基板の後面と当接する一方、他側の先端面が前記前面ケースのリブと当接するように構成されている、リモコン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリモコンであって、
前記後面ケースのリブは前記はみ出し部分を取り囲むように環状に形成されている、リモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンに関し、特にリモコン内部に収容されたLCD等により構成された表示部に対し埃・ゴミ等の異物(以下「埃等」と略す)が付着するような事態の発生を防止するための技術に係る。
【背景技術】
【0002】
リモコンの内部には、通常、LCD等により構成された表示部が収容されている。このような表示部の表面に対し、外部から侵入した埃等が付着すると、見栄えが悪くなり外観性を損なうおそれがあることから、従来、表示部に対する防塵対策が提案されている。特に、壁面への取り付け時には壁面への孔明け工事等により埃等が空気中に充満することがあり、防塵対策が必要となる。
特許文献1(同文献の図1図2参照)では、表示窓として透明スクリーンが嵌め込まれた筐体で表示部を覆うようにした電子機器において、表示部を囲むガイド壁を筐体側から突出させるようにし、かつ、そのガイド壁と表示部との隙間を埋めるように窓枠状の弾性部材を介装させることが提案されている。特許文献2(同文献の図5参照)の表示装置においては、基板に表示部を設置するためのフレームの先端面を、透明スクリーンが嵌め込まれた筐体の裏面に対しシールパッキンを介して当接させることが提案されている。又、特許文献3(同文献の図5参照)のリモコン装置では、表示部が設けられたケース側と、このケースの前面を覆うカバー側との双方からリブを相対向して突出させ、双方からのリブを内外方向に重なり合うように被せることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2581022号公報
【特許文献2】特許第2500641号公報
【特許文献3】特開2008−185294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リモコンに内蔵される表示部の防塵対策として、表示部を囲んで密閉空間を区画形成するようにする場合、表示部が設置された基板の側に区画壁を突出形成するにしても、あるいは、表示部が設置された基板を覆うカバーの側に区画壁を突出形成するにしても、表示部が設置される側(例えば基板側)は表示部のサイズよりも周囲に大きく拡がっている必要がある。例えば図9の検討案のように、基板100に設置された表示部101の周囲を囲む区画壁102をカバー103から突出させ、この区画壁102の先端面を基板100に当接させることで、表示部101を密閉空間104内に収容させるようにするためには、区画壁102の先端面が当接する対象の基板100が表示部101よりも大きく周囲に拡がっていることが前提となる。
一方、リモコンのコスト削減やコンパクト化の実現のために基板のサイズをより小さくすることが検討されており、表示部の一部が基板の端縁よりも外側にはみ出してしまうケースも想定され、そうなると前記の区画壁による密閉空間の形成が不能となる。つまり、基板の小型化を図ることによりリモコンの小型化やコストの削減を実現しようとすると、前記の防塵対策を採ることが不能となる事態を招くことになる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リモコンの小型化のために基板から表示部の一部がはみ出すことになったとしても、密閉空間の形成による防塵対策を適切に実現し得るリモコンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、基板が前面ケースと後面ケースとの間に挟まれた状態で収容されたリモコンを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記基板として、前記前面ケースの表示窓部に臨む位置であって、一部を基板の端縁からはみ出した状態となる位置に配置された表示部を備えるものとする。そして、前記前面ケースと前記後面ケースとにそれぞれ相対向する側に突出するリブを備える。前記前面ケースのリブを、前記表示部の周囲を取り囲むように形成する一方、前記後面ケースのリブを、前記表示部の前記基板からはみ出したはみ出し部分を取り囲むように形成し、かつ、前記前面ケースのリブを、前記表示部の周囲の基板と、前記後面ケースのリブとの双方と当接させるようにして、前記表示部を内部に収容する密閉空間が区画形成される構成とする(請求項1)。
【0007】
本発明の場合、前面ケースのリブにより、はみ出し部分を含む表示部の全周が取り囲まれる一方、後面ケースのリブにより、表示部のはみ出し部分が取り囲まれ、しかも、前面ケースのリブが、表示部の周囲の基板と、後面ケースのリブとの双方と当接されるため、表示部を内部に収容するための密閉空間が区画形成されることになる。表示部が密閉空間内に収容されることになるため、リモコンの内部に前面ケースや後面ケースの隙間や開口を通して外部から埃等が侵入し易い環境下に置かれたとしても、密閉空間内にその埃等が侵入することが阻止され、表示部に埃等が付着することが確実に阻止される。もちろん、埃等の他に水滴等の侵入も阻止される。
【0008】
又、本発明のリモコンにおいて、後面ケースのリブの先端面に段差部を備えることとし、この段差部を挟んで一側の先端面が基板の後面と当接する一方、他側の先端面が前面ケースのリブと当接する構成とすることができる(請求項2)。このようにすることにより、段差部を挟んで他側のリブの先端面と、基板の前面とを面一にすることが可能となり、この面一にされて連続する当接面に対し、前面ケースのリブが当接されることにより、密閉空間が確実に区画形成されることになる。なお、逆に、前面ケースのリブの先端面に段差部を設けるようにすることができる。
【0009】
さらに、本発明のリモコンにおいて、後面ケースのリブとしてはみ出し部分を取り囲むように環状に形成することができる(請求項3)。このようにすることにより、はみ出し部分を最小限の範囲で環状に取り囲むようにすることが可能となり、密閉空間をなるべく最小容積になるようにして、密閉の効果(防塵効果)をより高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
以上、説明したように、本発明のリモコンによれば、前面ケースのリブにより、はみ出し部分を含む表示部の全周を取り囲む一方、後面ケースのリブにより、表示部のはみ出し部分を取り囲み、しかも、前面ケースのリブを、表示部の周囲の基板と、後面ケースのリブとの双方と当接させるようにしているため、表示部を内部に収容するための密閉空間を区画形成することができるようになる。表示部を密閉空間内に収容することができるため、リモコンの内部に前面ケースや後面ケースの隙間や開口を通して外部から埃等が侵入し易い環境下にリモコンが置かれたとしても、密閉空間内にその埃等が侵入することを阻止することができ、表示部に埃等が付着することを確実に阻止することができる。
【0011】
又、請求項2のリモコンによれば、後面ケースのリブの先端面に段差部を備え、この段差部を挟んで一側の先端面を基板の後面と当接させる一方、他側の先端面を前面ケースのリブと当接させる構成とすることにより、段差部を挟んで他側のリブの先端面と、基板の前面とを面一にすることができ、この面一にされて連続する当接面に対し、前面ケースのリブを当接させることにより、密閉空間を確実に区画形成することができるようになる。
【0012】
さらに、請求項3のリモコンによれば、後面ケースのリブとしてはみ出し部分を取り囲むように環状に形成することにより、はみ出し部分を容易に最小限の範囲で環状に取り囲むようにすることができ、密閉空間をなるべく最小容積になるようにして、密閉の効果(防塵効果)をより高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るリモコンの全体斜視図である。
図2】開閉蓋を開けた状態の図1対応図である。
図3図2のリモコンから表示カバー、ボタン本体、絶縁シートを外した状態の分解斜視図である。
図4】リモコンの主要構成部材についての分解斜視図である。
図5図4のA部拡大図である。
図6図4のA部に基板が装着された状態の図5対応図である。
図7図6のB−B線矢視図である。
図8図4のC−C線において破断した部分拡大断面図である。
図9】課題を導くための検討案に係る部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るリモコンの模式図である。このリモコンは、例えば給湯装置を遠隔操作するために用いられる他、給湯装置以外の装置を遠隔操作するためにも用いることができる。このリモコンは、内部に制御用の基板やLCD等により構成された表示部が収容された後述のケース本体に対し、カバー本体2が前面側から被されて構成されたものである。カバー本体2にはボタン本体3、表示部カバー4や、絶縁シート5等が組み付けられている(図3も併せて参照)。前記のカバー本体2や後述のケース本体により筐体が主要構成され、これらは例えば合成樹脂成形により形成することができる。本実施形態のリモコンは、図1図3に図示した状態の姿勢で壁面に取り付けられて使用されるようになっている。以下、上下、左右、前後という用語は、壁面に取り付けられた状態の姿勢について用いる。
【0016】
まず、前面側の外観を構成するカバー本体2について説明する。すなわち、カバー本体2の下端縁位置には開閉蓋21が回転可能に付設され、回転操作することで通常の閉状態(図1の状態)と、開状態(図2の状態)とに変換操作可能となっている。そして、カバー本体2の下半部には開閉蓋21により覆われる個別操作部22が設けられている。個別操作部22には、所定配置で複数の可動部221,221,…(図3参照)が形成され、この前面に対し絶縁シート5が貼着又は接着されている。各可動部221は所定形状のスリット溝により中心部分が片持ち梁形式に支持されて前後方向に可撓(弾性変形可能)とされ、その中心部分の背後位置に基板上の各種スイッチが位置するようにされている。又、絶縁シート5には所定の可動部221,221,…に対応する位置に各種操作ボタン表示51,51,…(図2参照)が印刷され、その印刷された各種操作ボタン表示51,51,…の部分を前側から後側に押圧操作することで、前記可動部221が押されて後側に凹み、対応するスイッチの切換が行われるようになっている。各種操作ボタン表示51,51,…としては、例えば給湯装置用のリモコンの場合であると、給湯温度の昇温側・降温側の温度調整用に「給湯温度」、「音量」、「ふろ予約」、「時計あわせ」「エネルギー表示」等の表示が付される。
【0017】
又、カバー本体2(図3参照)の上下方向の中間部には左右方向に複数(図例では4つ)のボタン操作部23が設けられ、上半部には表示部を前方に露出させるための表示窓部24が設けられ、この表示窓部24に対し透明部を有する表示部カバー4が嵌め込まれるようになっている。表示窓部24の開口を通して内部の表示部7が前方に向けて臨むように配設され、表示窓部24の開口を表示部カバー4が密封するようになっている。この表示部カバー4はカバー本体2に含まれるもの、つまりカバー本体2の表示窓部24に付随して表示窓部を構成するものであり、互いに別体に構成することなく、互いに一体に構成することもできる。一方、ボタン操作部23は、所定数の可動部25と、ボタン本体3(図2参照)を保持・固定するための保持部26とを備えて構成されている。可動部25は、中心伝達部が左右からのアーム部により片持ち梁形式に支持され、中心伝達部が後側に押されると、アーム部が弾性変形により撓むことにより、中心伝達部が後側に対し移動可能となっている。又、保持部26は、ボタン本体3の連結片32を没入させて収容し得るように連結片32に対応する形状に凹まされた凹所により構成されている。そして、前記連結片32の位置決め孔321に装入し得るように前方に突出する凸部261,261,…が設けられている。
【0018】
ボタン本体3は、所定数(図例では4つ)の操作ボタン31,31,…が左右方向に僅かな隙間を挟んで並んだ状態で一体化されたものである。すなわち、各操作ボタン31は、互いに切り離されて独立してはいるものの、各操作ボタン31から上に延びて全ての操作ボタン31,31,…を互いに連結する連結片32により一体に連結されている。そして、各操作ボタン31は前面には、給湯装置用のリモコンの場合であると、例えば「運転 入/切」、「呼出」、「追いだき」、「ふろ自動」という主要操作に係る表示が付されている。
【0019】
そして、ボタン本体3(図3参照)の連結片32の位置決め孔321,321,…に凸部261,261,…が装入された状態で連結片32が保持部26に嵌め込まれ、嵌め込まれた状態で前記表示部カバー4が表示窓部24に嵌め込まれると、ボタン本体3は表示部カバー4により連結片32の部分で固定された片持ち梁状態で保持され、各操作ボタン31はその後面側(背面側)で可動部の中心伝達部に当接した状態となる。一方、可動部25の中心伝達部の後面側は、基板上に設置された図外のスイッチと前後方向に僅かな寸法だけ離れた状態に位置するようになっている。以上より、操作ボタン31の前面が使用者により押し操作されると後側に撓み、その押し操作力が中心伝達部を介してスイッチを押し付けて切換が可能になる。
【0020】
次に、図4を参照しつつ説明すると、リモコンは、制御用の基板6が後面側(背面側)のケース本体1と、前面側のカバー本体2との間に挟まれた状態で収容されて組み付けられたものである。つまり、ケース本体1が後面ケースを、カバー本体2が前面ケースを、それぞれ構成するものである。基板6の前面の上端側位置には表示部7がその一部(はみ出し部分)71をはみ出させた状態で設置されている。つまり、表示部7のはみ出し部分71に相当する部分の基板をカットすることができ、カットすることにより基板6の全体サイズについて小型化が図られている。基板6には詳細な図示を省略するが各種スイッチを含む電装部61が実装されている。図中の符号62はマイクやスピーカを含む音声に係る電装部品を設置するための切欠である。そして、カバー本体2の後面側(裏面側)には、表示窓部24の周囲からリブ241,241,242,243が後面側に突出するように形成されている。これらのリブ241,241,242,243は、カバー本体2が基板6に重ねられて組み付けられることで前記表示部7の周囲を取り囲んで表示部7を密閉空間内に収容し得るようになっている。すなわち、左右両側位置で上下方向に延びるリブ241,241と、下側位置で左右方向に延びるリブ242と、上側位置で左右方向に延びるリブ243とで表示部7を取り囲むように構成されている。なお、上側位置のリブ243は部分的に途切れてカバー本体2の周壁20が表示部7を取り囲んで密封する役割を担っている。本来は、リブ241,241,242,243を無端に構成し表示部7の全周を囲むようにすればよいが、合成樹脂成形上の型抜きのためにカバー本体2の周壁20側のリブ243のみ部分的に途切れるようにされている。レイアウト上、表示窓部24を周壁20から離してより下側に設定する場合には、表示窓部24の全周を無端に囲むようにリブを形成することができる。
【0021】
ケース本体1には四隅のそれぞれに係止孔を兼ねる基板6の支持部11が設けられている。支持部11は、リモコンの取り付け場所である壁面に設置された取付板に設けられた係止爪を背面側から係合可能に受け入れてリモコンを保持する役割と、前面側が基板6を支持して所定位置に保持するためのスペーサや位置決め等の役割とを果たすとともに、後述の如くリブ12,13と共に密閉空間Sを区画形成するためのリブの一部の役割をも果たすようになっている。特に、上側の左右両側位置にある支持部11,11には上下方向の所定位置に段差部111(図5図6参照)がそれぞれ形成されており、この段差部111に基板6の上端縁を突き当てることで基板6の上下方向位置の位置決めがなされる一方、突き当てた状態で段差部111から下側の支持面112に当接させることでカバー本体2に対する連続した当接面が構成されることになる。すなわち、段差部111(図7も併せて参照)は基板6の厚みに相当する段差量に設定され、下側支持面112に基板6の後面(背面)を当接させることで、基板6の前面(図7では右側の面)と段差部111から上側の支持面113とが面一になって、カバー本体2の上下方向に延びるリブ241(図4も併せて参照)と連続して当接し得る当接面が形成されることになる。
【0022】
又、ケース本体1には、上側の左右両側位置にある支持部11,11の上側位置で左右両側の支持部11,11を結ぶリブ12と、下側位置で左右両側の支持部11,11を結ぶリブ13とがそれぞれ所定量だけ前方に突出するように形成されている。下側位置のリブ13は各支持部11の下側支持面112と同じレベル位置まで、上側のリブ12は各支持部11の上側支持面113と同じレベル位置まで、それぞれ突出するように突出量が設定されている。これにより、下側のリブ13は下側支持面112と共に基板6の後面に当接して基板6を支持する一方、上側のリブ12は上側支持面113と共に基板6の前面と面一に延びてカバー本体2のリブ243と当接し得るようになっている。なお、上側のリブ12もカバー本体2のリブ243と対応して部分的に途切れたり上方に延びる凸リブ121,…を備えたりしており、カバー本体2の周壁20と協働して表示部7を密閉し得るようになっている。
【0023】
以上の構成により、表示部7がその一部を上側にはみ出した状態で基板6に設置されている場合であっても、ケース本体1とカバー本体2との間に挟まれた状態で組み付けられると、図8に示すように表示部7は密閉空間S内に収容されることになる。すなわち、基板6はその上端縁側の後面がケース本体1のリブ13の先端面や左右両側の支持部11,11の各下側支持面112(図5図7参照)と当接して保持される。この状態で表示部7は、左右両側位置においてカバー本体2のリブ241,241(図7参照)が基板6の前面と各支持部11の上側支持面113と当接して区画され、下側位置においてカバー本体2(図8参照)のリブ242が基板6の前面(図8では上面)と当接して区画され、上側位置においてカバー本体2のリブ243とケース本体1のリブ12とが先端面同士で当接して区画され、以上により、表示部7は密閉空間S内に収容されることになる。これにより、リモコンの内部にケース本体1やカバー本体2の隙間や開口を通して外部から埃等が侵入し易い環境下に置かれたとしても、密閉空間S内にその埃等が侵入することは阻止され、表示部7に埃等が付着することを確実に阻止することができる。
【0024】
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、上側の支持部11に段差部111を設けることで基板6の前面と上側支持面113とが面一になるようにしたが、これに限らず、段差部111を設けることなく、カバー本体2の側のリブ(前記実施形態のリブ241)の先端面に基板6の厚みに対応する段差量を有する段差部を設けるようにしてもよい。
又、ケース本体1の側では上側のリブ12と、左右両側の支持部11,11と、下側のリブ13とで、はみ出し部分71を最小限の範囲で環状に取り囲むように形成し、密閉空間Sをなるべく最小容積になるようにしているが、これに限らず、下側のリブ13は必須ではなく、これを省略してもよい。すなわち、下側のリブ13の代わりに基板6の後面(背面)を適当に支持するものがあればよく、密閉空間Sを区画形成するための遮蔽壁を別途形成するようにすればよい。
【符号の説明】
【0025】
1 ケース本体(後面ケース)
2 カバー本体(前面ケース)
4 表示部カバー(表示窓部)
6 基板
7 表示部
11 支持部(後面ケースのリブ)
12 リブ(後面ケースのリブ)
13 リブ(後面ケースのリブ)
24 表示窓部
71 はみ出し部分
111 段差部
112 下側支持面(一側の先端面)
113 上側支持面(他側の先端面)
241,242,243 リブ(前面ケースのリブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9