(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記結露抑制部は、前記結露発生状況検知部の検知結果に応じて、前記画像形成処理を実行する画像形成プロセス速度が通常時より低下するように制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記画像形成システムでは、前段機において第1面にトナー像が形成された用紙が定着装置を通過する際、当該用紙に含まれる水分が定着装置による加熱で水蒸気となり、用紙搬送方向における定着装置の下流側に設けられた比較的温度の低い用紙搬送部材(例えば、搬送ガイド)に触れて結露が発生する場合があった。この場合、第1面にトナー像が形成された次以降の用紙の第2面が用紙搬送部材に触れることによって、当該用紙搬送部材に発生した結露による水滴が用紙の第2面に付着してしまう。そして、後段機において、水滴が付着した状態で用紙の第2面にトナー像を形成すると、画像不良が発生するという問題があった。
【0007】
なお、1台の画像形成装置で両面印刷を行う場合も同様の問題が発生することが考えられる。ただし、2台の画像形成装置で両面印刷を行う場合には、単位時間当たりに定着装置を通過する両面未定着の用紙の枚数が1台の画像形成装置で両面印刷を行う場合より多くなるため、上記定着装置で単位時間当たりに発生する水蒸気量も多くなる。それゆえ、用紙搬送部材に発生した結露に起因して画像不良が発生するという問題は、2台の画像形成装置で両面印刷を行う場合においてより顕著に生じる。
【0008】
本発明の目的は、両面印刷を行う場合において、用紙搬送部材に発生した結露に起因する画像不良の発生を防止することが可能な画像形成システムおよび画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成システムは、
直列に接続された2台の画像形成装置により、第1面および第2面を有する用紙に対して画像形成処理を実行する直列タンデム方式の画像形成システムであって、
トナー像を第1像担持体に形成し、当該第1像担持体に形成したトナー像を前記第1面に転写させることにより当該第1面にトナー像を形成する第1画像形成部と、
前記第1画像形成部により前記第1面に形成されたトナー像を定着する第1定着部と、を有する第1画像形成装置と、
前記第1定着部により前記第1面にトナー像が定着された後、トナー像を第2像担持体に形成し、当該第2像担持体に形成したトナー像を前記第2面に転写させることにより当該第2面にトナー像を形成する第2画像形成部と、
前記第2画像形成部により前記第2面に形成されたトナー像を定着する第2定着部と、を有する第2画像形成装置と、
前記第1定着部における定着の際、前記用紙から発生した水蒸気に起因して、用紙搬送方向における当該第1定着部の下流側に設けられた用紙搬送部材における結露の発生状況を検知する結露発生状況検知部と、
前記結露発生状況検知部の検知結果に応じて、前記用紙搬送部材における結露を抑制する結露抑制部と、
を備え
、
前記結露発生状況検知部は、前記第2像担持体の表面を撮像する撮像部を有し、前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記用紙搬送部材における結露の発生状況を間接的に検知することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、
第1面および第2面を有する用紙に対して画像形成処理を実行する画像形成装置であって、
トナー像を第1像担持体に形成し、当該第1像担持体に形成したトナー像を前記第1面に転写させることにより当該第1面にトナー像を形成する第1画像形成部と、
前記第1画像形成部により前記第1面に形成されたトナー像を定着する第1定着部と、
前記第1定着部により前記第1面にトナー像が定着された後、トナー像を第2像担持体に形成し、当該第2像担持体に形成したトナー像を前記第2面に転写させることにより当該第2面にトナー像を形成する第2画像形成部と、
前記第2画像形成部により前記第2面に形成されたトナー像を定着する第2定着部と、
前記第1定着部における定着の際、前記用紙から発生した水蒸気に起因して、用紙搬送方向における当該第1定着部の下流側に設けられた用紙搬送部材における結露の発生状況を検知する結露発生状況検知部と、
前記結露発生状況検知部の検知結果に応じて、前記用紙搬送部材における結露を抑制する結露抑制部と、
を備え
、
前記結露発生状況検知部は、前記第2像担持体の表面を撮像する撮像部を有し、前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記用紙搬送部材における結露の発生状況を間接的に検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、結露発生状況検知部の検知結果に応じて、用紙搬送部材における結露が抑制されるため、第1面(例えば、表面)にトナー像が形成された次以降の用紙の第2面(例えば、裏面)が用紙搬送部材に触れた際、上記結露による水滴が当該第2面に付着することを抑制することができる。その結果、用紙の第2面にトナー像を形成する際における画像不良の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[画像形成システム10の全体構成]
図1に示す画像形成システム10では、給紙トレイユニットPFU、第1画像形成装置100、第2画像形成装置200、後処理装置300等が順に接続されて構成される。第1画像形成装置100は反転機構R1を備え、第2画像形成装置200は反転機構R2を備える。後処理装置300は排紙トレイ310を備える。図中矢印は、用紙の搬送経路を示している。
図1に示す画像形成システム10のように2台以上の画像形成装置が直列に接続して構成されるシステムは、一般に、直列タンデム方式の画像形成システムと呼ばれる。
【0014】
画像形成システム10は、両面印刷を行う場合、給紙トレイユニットPFUから用紙を給紙し、第1画像形成装置100により用紙の第1面(表面)を印刷する。給紙トレイユニットPFUには、複数の給紙トレイが備えられている。各給紙トレイの用紙は、搬送ローラー、レジストローラーなどを備える搬送部によって第1画像形成装置100に向けて搬送される。その後、画像形成システム10は、反転機構R1により用紙を反転させて、用紙を第2画像形成装置200に搬送する。そして、画像形成システム10は、第2画像形成装置200により用紙の第2面(裏面)を印刷する。画像形成システム10は、用紙の裏面を印刷した後、反転機構R2により用紙を反転させ、反転させた用紙を後処理装置300に搬送する。画像形成システム10は、後処理が必要な場合は後処理装置300により用紙に対して、マルチ折り、中綴じ、平綴じ等の後処理を行う。最終的に、画像形成システム10は、両面印刷済み、または後処理済みの用紙を排紙トレイ310に排紙する。
【0015】
なお、画像形成システム10は、片面印刷する場合には、給紙トレイユニットPFUから用紙を給紙し、第1画像形成装置100で片面印刷し、第2画像形成装置200では搬送のみを行う。または、画像形成システム10は、給紙トレイユニットPFUから用紙を給紙し、第1画像形成装置100では印刷せずに搬送のみを行い、第2画像形成装置200で片面印刷する。前者のケースを代表して印刷処理の流れを詳細に説明すると、まず、画像形成システム10は、給紙トレイユニットPFUから用紙を給紙し、第1画像形成装置100により用紙の第1面を印刷する。その後、画像形成システム10は、用紙を第2画像形成装置200に搬送する。そして、画像形成システム10は、第2画像形成装置200により片面印刷済みの用紙を通紙する。画像形成システム10は、後処理が必要な場合は後処理装置300により片面印刷済みの用紙に対して後処理や反転等の処理を行う。最終的に、画像形成システム10は、片面印刷済みの用紙を排紙トレイ310に排紙する。
【0016】
[画像形成システム10の機能構成]
次に、画像形成システム10の機能構成について説明する。
図2に示すように、画像形成システム10は、第1画像形成装置100および第2画像形成装置200を備える。なお、
図2に示す画像形成システム10では、給紙トレイユニットPFUおよび後処理装置300の図示を省略している。
【0017】
第1画像形成装置100は、制御部101、原稿読み取り部110、操作表示部120、画像処理部130、画像形成部140(本発明の「第1画像形成部」として機能)、搬送部150、定着部160(本発明の「第1定着部」として機能)、通信部171および記憶部172等を備える。なお、制御部101は、本発明の「結露抑制部」としても機能する。
【0018】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備えている。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して第1画像形成装置100の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部172に格納されている各種データが参照される。記憶部172は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0019】
制御部101は、通信部171を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で、各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に画像を形成させる。通信部171は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
【0020】
本実施の形態では、制御部101は、通信部171を介して、第2画像形成装置200との間で各種データの送受信を行う。また、制御部101は、通信部171を介して、第2画像形成装置200の制御部201と連携し、第2画像形成装置200の動作についても制御する。
【0021】
原稿読み取り部110は、コンタクトガラス上に搬送された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーの受光面上に結像させ、原稿を読み取る。なお、コンタクトガラス上への原稿の搬送は、自動原稿給紙装置(ADF)により行われるが、手作業で原稿をコンタクトガラス上に載置する場合もある。
【0022】
操作表示部120は、タッチパネル式の画面を有する。ユーザーは、各種の指示および設定のための入力操作を、タッチパネル式の画面を介して行うことができる。
【0023】
画像処理部130は、アナログディジタル(A/D)変換処理を行う回路およびディジタル画像処理を行う回路を含む。画像処理部130は、原稿読み取り部110のCCDセンサーにより取得されたアナログ画像信号から、A/D変換処理によりディジタル画像データを生成して画像形成部140に出力する。
【0024】
画像形成部140は、画像処理部130により生成されたディジタル画像データに基づいてレーザー光を発光し、当該発光したレーザー光を感光体ドラムに照射することにより、感光体ドラム上に静電潜像を形成する(露光工程)。
【0025】
画像形成部140は、上記の露光工程に加え、露光工程前に行われる帯電工程、露光工程後に行われる現像工程、現像工程後の転写工程および転写工程後のクリーニング工程をそれぞれ実行するための構成を備えている。
【0026】
帯電工程では、画像形成部140は、帯電装置からのコロナ放電により、感光体ドラムの表面を一様に帯電させる。現像工程では、画像形成部140は、現像装置内の現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム上の静電潜像に付着させることにより、感光体ドラム上にトナー像を形成する。
【0027】
転写工程では、画像形成部140は、感光体ドラム上のトナー像を、複数の搬送ローラー対を有する搬送部150により搬送された用紙に転写する。クリーニング工程では、画像形成部140は、転写工程後の感光体ドラムに残留しているトナーを除去する。
【0028】
定着部160は、定着ニップ部に導入された用紙上のトナー像に熱および圧力を加えること(加熱定着)により、トナー像を用紙に定着させる(定着工程)。この結果、用紙上には定着トナー像が形成される。
【0029】
第2画像形成装置200は、制御部201、画像形成部210(本発明の「第2画像形成部」として機能)、搬送部220、定着部230(本発明の「第2定着部」として機能)、通信部241および記憶部242等を備えている。第2画像形成装置200における各部の処理については、第1画像形成装置100において説明した制御部101、画像形成部140、搬送部150、定着部160、通信部171および記憶部172の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0030】
[画像形成部140,210および定着部160,230の構成]
次に、
図3を参照し、第1画像形成装置100が備える画像形成部140および定着部160の構成、および、第2画像形成装置200が備える画像形成部210および定着部230の構成について説明する。
【0031】
第1画像形成装置100の画像形成部140は、感光体ドラム141(本発明の「第1像担持体」として機能)、帯電装置142、露光装置143、現像装置144、給紙トレイユニットPFUから給紙されて搬送部150により搬送された用紙Sに対して感光体ドラム141上に形成されたトナー像を転写する転写ベルト146、感光体ドラム141に残留しているトナーを除去するクリーニング装置147を備える。感光体ドラム141の回転方向(矢印方向)に沿って、帯電装置142、露光装置143、現像装置144、転写ベルト146、クリーニング装置147が設けられている。
【0032】
転写ベルト146は、従動ローラー148aおよび駆動ローラー148bの間に張架され、感光体ドラム141の下方で、転写ベルト146の表面が感光体ドラム141の外周面の一部と接触するように配置されている。すなわち、転写ベルト146と感光体ドラム141との間において、転写領域としての転写ニップNPが形成される。用紙Sは、転写ニップNPにおいて転写ベルト146により感光体ドラム141に押圧されながら搬送される。
【0033】
感光体ドラム141の外周面の一部と接触する転写ベルト146の内側には、転写ベルト146に対して転写電圧を印加可能な転写ローラー149が配置されている。
【0034】
転写ローラー149には、転写ベルト146に転写電圧を印加する電源としての電圧印可部(図示せず)が接続される。制御部101は、所定量の転写電流が転写ローラー149から転写ベルト146に流れるように、電圧印可部が印加すべき電圧を制御する。転写ベルト146に転写電圧が印加されることによって、感光体ドラム141に接触中の用紙Sの表面に、感光体ドラム141上のトナー像が転写される。
【0035】
また、転写ベルト146の用紙搬送方向の下流には、定着部160が設けられている。定着部160は、ハロゲンヒーター等の内蔵熱源により所定の加熱温度に維持させた定着ローラー161と、これに圧接させた加圧ローラー162とを備える。定着部160は、定着ローラー161と加圧ローラー162との間の定着ニップに用紙Sを導入して挟持搬送させることによって、定着ローラー161の熱で用紙Sの表面に形成された未定着トナー像を加熱定着させる。
【0036】
第2画像形成装置200の画像形成部210は、感光体ドラム211(本発明の「第2像担持体」として機能)、帯電装置212、露光装置213、現像装置214、反転機構R1により反転されて搬送部220により搬送された用紙Sに対して感光体ドラム211上に形成されたトナー像を転写する転写ベルト216、感光体ドラム211に残留しているトナーを除去するクリーニング装置217を備える。感光体ドラム211の回転方向(矢印方向)に沿って、帯電装置212、露光装置213、現像装置214、転写ベルト216、クリーニング装置217が設けられている。
【0037】
転写ベルト216は、従動ローラー218aおよび駆動ローラー218bの間に張架され、感光体ドラム211の下方で、転写ベルト216の表面が感光体ドラム211の外周面の一部と接触するように配置されている。すなわち、転写ベルト216と感光体ドラム211との間において、転写領域としての転写ニップNPが形成される。用紙Sは、転写ニップNPにおいて転写ベルト216により感光体ドラム211に押圧されながら搬送される。
【0038】
感光体ドラム211の外周面の一部と接触する転写ベルト216の内側には、転写ベルト216に対して転写電圧を印加可能な転写ローラー219が配置されている。
【0039】
転写ローラー219には、転写ベルト216に転写電圧を印加する電源としての電圧印可部(図示せず)が接続される。制御部201は、所定量の転写電流が転写ローラー219から転写ベルト216に流れるように、電圧印可部が印加すべき電圧を制御する。転写ベルト216に転写電圧が印加されることによって、感光体ドラム211に接触中の用紙Sの裏面に、感光体ドラム211上のトナー像が転写される。
【0040】
また、転写ベルト216の用紙搬送方向の下流には、定着部230が設けられている。定着部230は、ハロゲンヒーター等の内蔵熱源により所定の加熱温度に維持させた定着ローラー231と、これに圧接させた加圧ローラー232とを備える。定着部230は、定着ローラー231と加圧ローラー232との間の定着ニップ部に用紙Sを導入して挟持搬送させることによって、定着ローラー231の熱で用紙Sの裏面に形成された未定着トナー像を加熱定着させる。
【0041】
ところで、画像形成システム10において両面印刷が行われる場合、以下のような問題があった。すなわち、第1画像形成装置100において第1面にトナー像が形成された用紙Sが定着部160を通過する際、用紙Sに含まれる水分が定着部160による加熱で水蒸気となり、用紙搬送方向における定着部160の下流側に設けられた比較的温度の低い搬送ガイド175(本発明の「用紙搬送部材」として機能)に触れて結露が発生する場合があった。この場合、第1面にトナー像が形成された次以降の用紙Sの第2面が搬送ガイド175に触れることによって、搬送ガイド175に発生した結露による水滴が用紙Sの第2面に付着してしまう。そして、第2画像形成装置200において、水滴が付着した状態で用紙Sの第2面にトナー像を形成すると、画像不良が発生するという問題があった。
【0042】
そこで、本実施の形態では、第1画像形成装置100において湿度検知センサー180(本発明の「結露発生状況検知部」および「湿度検知部」として機能)が、用紙搬送方向における定着部160の下流側に設けられている。また、送風ファン190が、用紙搬送方向における定着部160の下流側、かつ、搬送ガイド175の下方に設けられている。また、給紙トレイユニットPFUが備える各給紙トレイPFUaの下部には、トレイヒーター192(本発明の「ヒーター」として機能)が設けられている。また、第2画像形成装置200において、感光体ドラム211の回転方向における帯電装置212の上流側、かつ、クリーニング装置217の下流側にはCCDカメラ250(本発明の「結露発生状況検知部」および「撮像部」として機能)が設けられている。
【0043】
湿度検知センサー180は、用紙搬送方向における定着部160の下流側付近の湿度を検知し、検知した湿度を示す湿度情報を制御部101に出力する。制御部101は、湿度検知センサー180から出力された湿度情報に基づいて、定着部160における定着の際、用紙Sから発生した水蒸気に起因して搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあるか否かについて判定する。制御部101は、湿度情報に示される湿度が所定湿度(例えば、80[%])以上である場合、定着部160の下流側付近の水蒸気量が飽和水蒸気量を超えて搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあると判定する。
【0044】
CCDカメラ250は、感光体ドラム211の表面を画像として撮像し、当該撮像した画像を表面画像情報として制御部201に出力する。制御部201は、通信部171,241を介して、CCDカメラ250から出力された表面画像情報を制御部101に送信する。制御部101は、制御部201から送信された表面画像情報に基づいて、定着部160における定着の際、用紙Sから発生した水蒸気に起因して搬送ガイド175に結露が発生したか否かについて判定する。搬送ガイド175に結露が発生した場合、当該結露による水滴が用紙Sの第2面に付着するため、第2画像形成装置200において用紙Sの第2面にトナー像を形成すると、当該水滴およびトナー像が感光体ドラム211の表面に汚れとして付着してしまう。すなわち、制御部101は、制御部201から送信された表面画像情報を参照し、感光体ドラム211の表面に汚れが付着しているか否かを確認することによって、搬送ガイド175に結露が発生したか否かについて判定する。
【0045】
送風ファン190は、制御部101に制御可能に接続され、その動作が制御部101により制御される。制御部101は、搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあると判定した場合、および搬送ガイド175に結露が発生したと判定した場合の少なくとも一方において、搬送ガイド175に向けて例えば1.0[m/s]の送風量で送風するように送風ファン190を制御する。これにより、搬送ガイド175に現在発生している結露量(結露により生成された水滴量)を低減させることができる。また、送風ファン190の送風によって用紙Sから今後発生した水蒸気が拡散し、当該水蒸気が搬送ガイド175に接触することが抑制される結果、搬送ガイド175に今後発生する結露量を低減することができる。
【0046】
トレイヒーター192は、制御部101に制御可能に接続され、その動作が制御部101により制御される。制御部101は、搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあると判定した場合、および搬送ガイド175に結露が発生したと判定した場合の少なくとも一方において、例えば60〜70[℃]まで昇温し、給紙トレイPFUaに収容されている用紙Sを加熱するようにトレイヒーター192を制御する。これにより、給紙トレイPFUaに収容されている用紙Sの含水率が低減し、ひいては定着部160における定着の際に用紙Sから発生する水蒸気の量が低減する結果、搬送ガイド175に今後発生する結露量を低減することができる。
【0047】
制御部101は、搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあると判定した場合、および搬送ガイド175に結露が発生したと判定した場合の少なくとも一方において、画像形成システム10において画像形成処理を実行する画像形成プロセス速度が通常時の第1画像形成プロセス速度(例えば、570[mm/s])より低下するように第1画像形成装置100および第2画像形成装置200の動作を制御する。これにより、単位時間当たりに定着部160を通過する用紙Sの枚数が低減し、ひいては定着部160における定着の際に用紙Sから発生する単位時間当たりの水蒸気の量が低減する結果、搬送ガイド175に今後発生する結露量を低減することができる。
【0048】
次に、
図4のフローチャートを参照し、画像形成システム10の動作例について説明する。
図4のフローチャート上の各処理は、画像形成システム10が起動して印刷ジョブが実行されている間、一定時間(例えば、5[秒])が経過する毎に実行される。
【0049】
まず、制御部101は、湿度検知センサー180から湿度情報を取得するとともに、CCDカメラ250から表面画像情報を取得する(ステップS100)。次に、制御部101は、取得した湿度情報により示される湿度が80[%]以上であるか否かについて判定する(ステップS120)。この判定の結果、湿度が80[%]以上でない場合(ステップS120、NO)、画像形成システム10は、
図4における処理を終了する。この場合、前回の処理(
図4のフローチャートにおける処理)において、トレイヒーター192の制御動作、送風ファン190の制御動作、画像形成プロセス速度の変更動作が行われていれば、それらの動作を停止する。つまり、トレイヒーター192の制御動作、送風ファン190の制御動作を停止し、画像形成プロセス速度を通常時(例えば、570[mm/s])に戻す。
【0050】
一方、湿度が80[%]以上である場合(ステップS120、YES)、制御部101は、CCDカメラ250から取得した表面画像情報を参照し、感光体ドラム211の表面に汚れが付着しているか否かについて判定する(ステップS140)。この判定の結果、感光体ドラム211の表面に汚れが付着していない場合(ステップS140、NO)、制御部101は、給紙トレイPFUaに収容されている用紙Sを加熱するようにトレイヒーター192を制御する(ステップS160)。ステップS160の処理が完了することによって、画像形成システム10は、
図4における処理を終了する。
【0051】
一方、感光体ドラム211の表面に汚れが付着している場合(ステップS140、YES)、制御部101は、取得した湿度情報により示される湿度が90[%]未満であるか否かについて判定する(ステップS180)。この判定の結果、湿度が90[%]未満でない場合(ステップS180、NO)、処理はステップS280に遷移する。
【0052】
一方、湿度が90[%]未満である場合(ステップS180、YES)、制御部101は、ステップS140において感光体ドラム211の表面に汚れが付着していると判定したのが1回目であるか否かについて判定する(ステップS200)。この判定の結果、1回目である場合(ステップS200、YES)、制御部101は、給紙トレイPFUaに収容されている用紙Sを加熱するようにトレイヒーター192を制御する(ステップS220)。また、制御部101は、搬送ガイド175に向けて送風するように送風ファン190を制御する(ステップS240)。また、制御部101は、画像形成プロセス速度が通常時の第1画像形成プロセス速度(例えば、570[mm/s])から第2画像形成プロセス速度(例えば、490[mm/s])まで低下するように第1画像形成装置100および第2画像形成装置200の動作を制御する(ステップS260)。ステップS260の処理が完了することによって、画像形成システム10は、
図4における処理を終了する。
【0053】
ステップS200の判定に戻り、感光体ドラム211の表面に汚れが付着していると判定したのが1回目でない場合(ステップS200、NO)、制御部101は、給紙トレイPFUaに収容されている用紙Sを加熱するようにトレイヒーター192を制御する(ステップS280)。また、制御部101は、搬送ガイド175に向けて送風するように送風ファン190を制御する(ステップS300)。また、制御部101は、画像形成プロセス速度が通常時の第1画像形成プロセス速度から、第2画像形成プロセス速度より遅い第3画像形成プロセス速度(例えば、330[mm/s])まで低下するように第1画像形成装置100および第2画像形成装置200の動作を制御する(ステップS320)。ステップS320の処理が完了することによって、画像形成システム10は、
図4における処理を終了する。
【0054】
なお、上記フローチャートにおいて、湿度検知センサー180の検知結果のみに基づいて、送風ファン190、トレイヒーター192および画像形成プロセス速度の何れか1つを制御しても良い。例えば、制御部101は、湿度検知センサー180により検知された湿度が80[%]以上、かつ、90[%]未満である場合、送風ファン190を制御する。または、トレイヒーター192を制御する。または、画像形成プロセス速度を第2画像形成プロセス速度に制御する。また、制御部101は、湿度検知センサー180により検知された湿度が90[%]以上である場合、画像形成プロセス速度を第3画像形成プロセス速度に制御する。
【0055】
また、上記フローチャートにおいて、湿度検知センサー180に検知された湿度が大きくなるにつれて、送風ファン190、トレイヒーター192および画像形成プロセス速度のうち制御する対象を段階的に増やしても良い。例えば、制御部101は、湿度検知センサー180により検知された湿度が80[%]以上、かつ、85[%]未満である場合、送風ファン190を制御する。また、湿度検知センサー180により検知された湿度が85[%]以上、かつ、90[%]未満である場合、送風ファン190およびトレイヒーター192を制御する。また、湿度検知センサー180により検知された湿度が90[%]以上、かつ、95[%]未満である場合、送風ファン190およびトレイヒーター192を制御するとともに、画像形成プロセス速度を第2画像形成プロセス速度に制御する。また、制御部101は、湿度検知センサー180により検知された湿度が95[%]以上である場合、送風ファン190およびトレイヒーター192を制御するとともに、画像形成プロセス速度を第3画像形成プロセス速度に制御する。
【0056】
また、上記フローチャートにおいて、CCDカメラ250の撮像結果のみに基づいて、送風ファン190、トレイヒーター192および画像形成プロセス速度の何れか1つを制御しても良い。例えば、制御部101は、感光体ドラム211の表面に汚れが付着していると判定した場合(1回目)、送風ファン190を制御する。または、トレイヒーター192を制御する。または、画像形成プロセス速度を第2画像形成プロセス速度に制御する。また、制御部101は、感光体ドラム211の表面に汚れが付着していると判定した場合(2回目以降)、画像形成プロセス速度を第3画像形成プロセス速度に制御する。
【0057】
また、上記フローチャートにおいて、CCDカメラ250の撮像結果のみに基づいて、送風ファン190、トレイヒーター192および画像形成プロセス速度の全てを制御しても良い。例えば、制御部101は、感光体ドラム211の表面に汚れが付着していると判定した場合(1回目)、送風ファン190およびトレイヒーター192を制御するとともに、画像形成プロセス速度を第2画像形成プロセス速度に制御する。また、制御部101は、感光体ドラム211の表面に汚れが付着していると判定した場合(2回目以降)、送風ファン190およびトレイヒーター192を制御するとともに、画像形成プロセス速度を第3画像形成プロセス速度に制御する。
【0058】
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、画像形成システム10は、用紙Sの第1面にトナー像を形成する画像形成部140と、画像形成部140により第1面に形成されたトナー像を定着する定着部160と、を有する第1画像形成装置100と、定着部160により第1面にトナー像が定着された後、第2面にトナー像を形成する画像形成部210と、画像形成部210により第2面に形成されたトナー像を定着する定着部230と、を有する第2画像形成装置200と、定着部160における定着の際、用紙Sから発生した水蒸気に起因して、用紙搬送方向における定着部160の下流側に設けられた用紙搬送部材(搬送ガイド175)における結露の発生状況を検知する結露発生状況検知部(湿度検知センサー180、CCDカメラ250)と、結露発生状況検知部の検知結果に応じて、搬送ガイド175における結露を抑制する結露抑制部(制御部101)とを備える。
【0059】
このように構成した本実施の形態によれば、結露発生状況検知部の検知結果に応じて、搬送ガイド175における結露が抑制されるため、第1面(表面)にトナー像が形成された次以降の用紙Sの第2面(裏面)が搬送ガイド175に触れた際、上記結露による水滴が当該第2面に付着することを抑制することができる。その結果、用紙Sの第2面にトナー像を形成する際における画像不良の発生を防止することができる。また、本実施の形態では、用紙搬送方向における定着部160の下流側付近の湿度が所定湿度(例えば、80[%])未満である場合、すなわち搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあると判定されるまで、画像形成プロセス速度は通常時のままで変更されない。すなわち、搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあると判定されるまで画像形成プロセス速度を維持することができ、高生産性を追及するプロダクションプリント機に対して画像形成システム10を適用する場合、特に好適である。
【0060】
なお、上記実施の形態では、2台の画像形成装置(第1画像形成装置100および第2画像形成装置200)で両面印刷を行う場合の構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。1台の画像形成装置で両面印刷を行う場合にも、搬送ガイド175に発生した結露に起因して用紙Sの第2面に画像不良が発生するという問題は生じるため、上記実施の形態の構成を同様に適用しても良い。
【0061】
また、上記実施の形態において、用紙搬送方向における定着部160の下流側付近において、搬送ガイド175の表面を画像として撮像するCCDカメラ250を設けても良い。定着部160における定着の際、用紙Sから発生した水蒸気に起因して搬送ガイド175に結露が発生した場合、当該結露による水滴が搬送ガイド175の表面に付着する。そのため、制御部101は、CCDカメラ250の撮像結果に基づいて搬送ガイド175の表面に水滴が付着しているか否かを確認することによって、感光体ドラム211の表面を撮像する場合と比べて、搬送ガイド175に結露が発生したか否かについて迅速かつ確実に判定することができる。
【0062】
また、上記実施の形態では、湿度検知センサー180の検知結果に基づいて、定着部160における定着の際、用紙Sから発生した水蒸気に起因して搬送ガイド175に結露が発生するおそれがあるか否かについて判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、用紙搬送方向における定着部160の下流側付近の温度を検知する温度検知センサーを設け、その温度検知センサーの検知結果に基づいて、搬送ガイド175に結露が発生する可能性について判定しても良い。より具体的には、温度検知センサーに検知された温度が高い場合には、定着部160の下流側付近の飽和水蒸気量が大きくなるため、搬送ガイド175に結露が発生する可能性が低いと判定する一方、温度が低い場合には、飽和水蒸気量が小さくなるため、搬送ガイド175に結露が発生する可能性が高いと判定する。
【0063】
また、上記実施の形態では、CCDカメラ250の撮像結果に基づいて搬送ガイド175に結露が発生したか否かについて判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、感光体ドラム211の表面に光を照射する照射部と、当該表面より反射した光を受光する受光部とを備え、感光体ドラム211の表面濃度を検知する表面濃度検知センサーにおける受光量の検知結果に基づいて、感光体ドラム211の表面に汚れが付着しているか否か、ひいては搬送ガイド175に結露が発生したか否かについて判定しても良い。
【0064】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。