特許第6233077号(P6233077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6233077ボイラの伝熱管支持構造及び該伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233077
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ボイラの伝熱管支持構造及び該伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラ
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/20 20060101AFI20171113BHJP
   F22B 1/18 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F22B37/20 B
   F22B1/18 K
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-21883(P2014-21883)
(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公開番号】特開2015-148391(P2015-148391A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2016年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】特許業務法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 昌之
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−238707(JP,A)
【文献】 特開2013−57468(JP,A)
【文献】 特開2001−108203(JP,A)
【文献】 特開2000−18501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/20
F22B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが流通するケーシングの内部に上下方向へ延びる伝熱管を前記ケーシングの幅方向並びに排ガス流通方向へ複数配設し、前記ケーシングの幅方向並びに排ガス流通方向へ配設される複数の伝熱管を管束支持部材で束ねて伝熱ユニットとし、該伝熱ユニットが排ガス流通方向へ複数配設されるよう構成したボイラの伝熱管支持構造であって、
前記管束支持部材の両幅端部に、排ガス流通方向へ延びるロッドを貫通せしめ、該ロッドの両端部を管束支持部材に固定し、
複数の前記伝熱ユニットの隣接箇所における前記管束支持部材のロッドが貫通する部分に、前記伝熱ユニット間での伝熱管の伸び差を吸収する上下方向間隙を形成したことを特徴とするボイラの伝熱管支持構造。
【請求項2】
互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材の幅を変えることにより、該互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材の間に前記ケーシングの幅方向における段差部を形成し、該段差部に、前記互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材の間でのケーシングの幅方向変位を規制するブラケットを設けた請求項1記載のボイラの伝熱管支持構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラの伝熱管支持構造及び該伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、発電プラントにおいては、天然ガスや軽油等を燃料として駆動されるガスタービンからの排ガスの熱をボイラとしての排熱回収ボイラで回収して蒸気を発生させ、該排熱回収ボイラで発生させた蒸気により蒸気タービンを駆動して発電することが行われている。
【0003】
前記排熱回収ボイラは、排ガスが流通するケーシングの内部に上下方向へ延びる伝熱管を前記ケーシングの幅方向並びに排ガス流通方向へ複数配設し、過熱器、再熱器、蒸発器、節炭器といった伝熱ユニットを構成してある。前記伝熱管は、その管径(例えば、外径でφ38.1mmやφ63.5mm)に対して長尺(例えば、20m)であって、上方から吊り下げられる構造となっているため、前記ガスタービンから排出される高速の排ガス流により振動が発生する。このため、排ガス流通方向へ複数配設される伝熱ユニット毎に、前記ケーシングの幅方向並びに排ガス流通方向へ配設される複数の伝熱管の上下方向所要箇所を管束支持部材で束ねることにより、振動を抑制することが行われている。
【0004】
尚、前述の如き管束支持部材を備えた排熱回収ボイラの伝熱管支持構造と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−18501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、ガスタービンは高出力・高効率化を図る目的から大型化されており、それに伴って排ガスの温度は高く、流速も増加する傾向にある。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている排ガス流通方向に隣接する管束支持部材は互いに当接させているだけであるため、前記排ガスの流速増加に伴う振動抑制に関し改善の余地が残されていた。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、排ガス流通方向に隣接する管束支持部材の間で生じる振動に伴う摩耗を抑制し得、安定運転を長時間継続し得るボイラの伝熱管支持構造及び該伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排ガスが流通するケーシングの内部に上下方向へ延びる伝熱管を前記ケーシングの幅方向並びに排ガス流通方向へ複数配設し、前記ケーシングの幅方向並びに排ガス流通方向へ配設される複数の伝熱管を管束支持部材で束ねて伝熱ユニットとし、該伝熱ユニットが排ガス流通方向へ複数配設されるよう構成したボイラの伝熱管支持構造であって、
前記管束支持部材の両幅端部に、排ガス流通方向へ延びるロッドを貫通せしめ、該ロッドの両端部を管束支持部材に固定し、
複数の前記伝熱ユニットの隣接箇所における前記管束支持部材のロッドが貫通する部分に、前記伝熱ユニット間での伝熱管の伸び差を吸収する上下方向間隙を形成したことを特徴とするボイラの伝熱管支持構造にかかるものである。
【0010】
前記ボイラの伝熱管支持構造においては、互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材の幅を変えることにより、該互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材の間に前記ケーシングの幅方向における段差部を形成し、該段差部に、前記互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材の間でのケーシングの幅方向変位を規制するブラケットを設けることが好ましい。
【0011】
又、本発明は、前記伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラにかかるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のボイラの伝熱管支持構造及び該伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラによれば、排ガス流通方向に隣接する管束支持部材の間で生じる振動に伴う摩耗を抑制し得、安定運転を長時間継続し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第一実施例を示す側面図である。
図2】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第一実施例を示す要部平面図であって、図1のII−II矢視相当図である。
図3】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第一実施例を示す要部側面図であって、図2のIII−III矢視相当図である。
図4】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第一実施例におけるロッドが貫通する管束支持部材の貫通孔を示す要部斜視図である。
図5】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第一実施例におけるリンクプレートを示す要部側面図であって、図2のV−V矢視相当図である。
図6】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第二実施例を示す要部拡大平面図である。
図7】本発明のボイラの伝熱管支持構造の第二実施例におけるロッドが貫通する管束支持部材の貫通孔及びブラケットを示す要部正断面図であって、図6のVII−VII矢視相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1図5は本発明のボイラの伝熱管支持構造の第一実施例であって、ガスタービン(図示せず)からの排ガスが流通するケーシング1の内部に、排ガス流通方向上流側から順次、伝熱ユニットとしての三次過熱器2、再熱器3、再熱器4が配設されているボイラとしての排熱回収ボイラの例を示したものである。
【0016】
前記三次過熱器2は、図2及び図3に示す如く、上下方向へ延び外周面にスパイラルフィン2aが取り付けられた伝熱管2bをケーシング1の幅方向へ所要間隔をあけて複数配設すると共に、その排ガス流通方向下流側に、ケーシング1の幅方向へ同様の間隔をあけて複数配設した伝熱管2bを、該伝熱管2bが前記排ガス流通方向上流側に位置する伝熱管2bの間に位置するよう配置してある。前記三次過熱器2の伝熱管2bの上下方向所要箇所を束ねる管束支持部材5は、上流側板材5cと、下流側板材5fと、連結板材5gとを備えている。前記上流側板材5cは、ケーシング1の幅方向へ延び且つ上下に所要間隔をあけたフランジ部5aの排ガス流通方向上流端をウェブ部5bでつないだ溝形鋼のような形状のステンレス製の板材である。前記下流側板材5fは、ケーシング1の幅方向へ延び且つ上下に所要間隔をあけたフランジ部5dの排ガス流通方向下流端をウェブ部5eでつないだ溝形鋼のような形状のステンレス製の板材である。前記連結板材5gは、前記上流側板材5cの上下のフランジ部5aの下流側端部と前記下流側板材5fの上下のフランジ部5dの上流側端部とをつなぐステンレス製の板材である。前記上流側板材5cと下流側板材5fと連結板材5gにはそれぞれ、前記スパイラルフィン2aが取り付けられた伝熱管2bが貫通する円弧状の切欠部5hを形成し、該切欠部5hには、前記スパイラルフィン2aの外周に圧着される断面半円弧状のスリーブ5iを固着してある。尚、前記上流側板材5c及び連結板材5gの切欠部5hの近傍位置には、前記スリーブ5iに設けたスリット(図示せず)を貫通して前記伝熱管2bのスパイラルフィン2a上に掛止されるクリップ部材(図示せず)を固着してある。
【0017】
前記三次過熱器2の下流側に位置する再熱器3は、図2及び図3に示す如く、上下方向へ延び外周面にスパイラルフィン3aが取り付けられた伝熱管3bをケーシング1の幅方向へ所要間隔をあけて複数配置すると共に、その排ガス流通方向下流側に、ケーシング1の幅方向へ同様の間隔をあけて複数配設した伝熱管3bを、該伝熱管3bが前記排ガス流通方向上流側に位置する伝熱管3bの間に位置するよう配置してある。因みに、前記伝熱管3bは、前記三次過熱器2の伝熱管3bより大径となっている。前記再熱器3の伝熱管3bの上下方向所要箇所を束ねる管束支持部材6は、上流側板材6cと、下流側板材6fと、連結板材6gとを備えている。前記上流側板材6cは、ケーシング1の幅方向へ延び且つ上下に所要間隔をあけたフランジ部6aの排ガス流通方向上流端をウェブ部6bでつないだ溝形鋼のような形状のステンレス製の板材である。前記下流側板材6fは、ケーシング1の幅方向へ延び且つ上下に所要間隔をあけたフランジ部6dの排ガス流通方向下流端をウェブ部6eでつないだ溝形鋼のような形状のステンレス製の板材である。前記連結板材6gは、前記上流側板材6cの上下のフランジ部6aの下流側端部と前記下流側板材6fの上下のフランジ部6dの上流側端部とをつなぐステンレス製の板材である。前記上流側板材6cと下流側板材6fと連結板材6gにはそれぞれ、前記スパイラルフィン3aが取り付けられた伝熱管3bが貫通する円弧状の切欠部6hを形成し、該切欠部6hには、前記スパイラルフィン3aの外周に圧着される断面半円弧状のスリーブ6iを固着してある。尚、前記上流側板材6c及び下流側板材6fの切欠部6hの近傍位置には、前記スリーブ6iに設けたスリット(図示せず)を貫通して前記伝熱管3bのスパイラルフィン3a上に掛止されるクリップ部材(図示せず)を固着してある。
【0018】
前記再熱器3の下流側に位置する再熱器4は、図2及び図3に示す如く、上下方向へ延び外周面にスパイラルフィン4aが取り付けられた伝熱管4bをケーシング1の幅方向へ所要間隔をあけて複数配置すると共に、その排ガス流通方向下流側に、ケーシング1の幅方向へ同様の間隔をあけて複数配設した伝熱管4bを、該伝熱管4bが前記排ガス流通方向上流側に位置する伝熱管4bの間に位置するよう配置してある。因みに、前記伝熱管4bは、前記再熱器3の伝熱管4bと同径となっている。前記再熱器4の伝熱管4bの上下方向所要箇所を束ねる管束支持部材7は、上流側板材7cと、下流側板材7fと、連結板材7gとを備えている。前記上流側板材7cは、ケーシング1の幅方向へ延び且つ上下に所要間隔をあけたフランジ部7aの排ガス流通方向上流端をウェブ部7bでつないだ溝形鋼のような形状のステンレス製の板材である。前記下流側板材7fは、ケーシング1の幅方向へ延び且つ上下に所要間隔をあけたフランジ部7dの排ガス流通方向下流端をウェブ部7eでつないだ溝形鋼のような形状のステンレス製の板材である。前記連結板材7gは、前記上流側板材7cの上下のフランジ部7aの下流側端部と前記下流側板材7fの上下のフランジ部7dの上流側端部とをつなぐステンレス製の板材である。前記上流側板材7cと下流側板材7fと連結板材7gにはそれぞれ、前記スパイラルフィン4aが取り付けられた伝熱管4bが貫通する円弧状の切欠部7hを形成し、該切欠部7hには、前記スパイラルフィン4aの外周に圧着される断面半円弧状のスリーブ7iを固着してある。尚、前記連結板材7g及び下流側板材7fの切欠部7hの近傍位置には、前記スリーブ7iに設けたスリット(図示せず)を貫通して前記伝熱管4bのスパイラルフィン4a上に掛止されるクリップ部材(図示せず)を固着してある。
【0019】
そして、本第一実施例の場合、図2及び図3に示す如く、前記管束支持部材5,7の両幅端部(図2にはケーシング1の幅方向一端部のみを図示している)に、排ガス流通方向へ延びるロッド8を貫通せしめ、該ロッド8の両端部を管束支持部材5,7に固定してある。複数の前記伝熱ユニットの隣接箇所、即ち三次過熱器2及び再熱器3の隣接箇所と該再熱器3及び再熱器4の隣接箇所における前記管束支持部材5,7のロッド8が貫通する部分には、前記伝熱ユニット間、即ち三次過熱器2と再熱器3と再熱器4との間での伝熱管2b,3b,4bの伸び差を吸収する上下方向間隙Sを形成してある。前記ロッド8は、管束支持部材5,7の両幅端部に貫通させた状態で、その両端部にワッシャのような固定金具9を嵌装し、三次過熱器2と再熱器3と再熱器4との排ガス流通方向の長さに合わせて前記固定金具9の位置を調節し、該固定金具9をロッド8に溶接して固着するようにしてある。前記上下方向間隙Sは、図4に示す如く、ロッド8が貫通する下流側板材5fの貫通孔10と上流側板材7cの貫通孔11をそれぞれ、上下方向へ延び且つ断面が角丸長方形となる、いわゆる長孔とすることによって形成してある。
【0020】
又、互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材5,6,7の幅を変える、即ち、本第一実施例では、図4に示す如く、前記三次過熱器2と再熱器4との間に挟まれる再熱器3の管束支持部材6の幅を短くすることにより、該互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の管束支持部材5,6,7の間に前記ケーシング1の幅方向における段差部12を形成してある。該段差部12には、前記互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の管束支持部材5,6,7の間でのケーシング1の幅方向変位を規制するブラケット13,14(図2及び図3参照)を設けてある。該ブラケット13は、図2及び図3に示す如く、三次過熱器2の下流側板材5fのウェブ部5eに、再熱器3の管束支持部材6の幅端面に当接する規制板13aと、該規制板13aを支える補助板13bとを溶接して固着することにより構成してある。前記ブラケット14は、再熱器4の上流側板材7cのウェブ部7bに、再熱器3の管束支持部材6の幅端面に当接する規制板14aと、該規制板14aを支える補助板14bとを溶接して固着することにより構成してある。
【0021】
一方、図2及び図5に示す如く、前記三次過熱器2の上流側板材5cの両幅端部(図2にはケーシング1の幅方向一端部のみを図示している)に、ピン孔15aが穿設された固定板15を溶接して固着すると共に、前記再熱器4の下流側板材7fの両幅端部(図2にはケーシング1の幅方向一端部のみを図示している)に、ピン孔16aが穿設された固定板16を溶接して固着し、前記固定板15,16に掛け渡すようにリンクプレート17を配設してある。該リンクプレート17は、その両端部に穿設されたピン孔17aと前記固定板15,16のピン孔15a,16aにピン18を挿入し、該ピン18の一端部にワッシャのような固定金具19を嵌装し、該固定金具19をピン18に溶接して固着するようにしてある。更に、前記三次過熱器2の連結板材5gに穿設されたワイヤ孔20とリンクプレート17に穿設されたワイヤ孔21に脱落防止ワイヤ22を通し、該脱落防止ワイヤ22の両端を溶接して固着するようにしてある。前記再熱器4の連結板材7gに穿設されたワイヤ孔23とリンクプレート17に穿設されたワイヤ孔24に脱落防止ワイヤ25を通し、該脱落防止ワイヤ25の両端を溶接して固着するようにしてある。これにより、前記三次過熱器2の管束支持部材5と再熱器4の管束支持部材7は、排ガス流通方向へ延びるリンクプレート17によって補助的に連結してある。
【0022】
次に、上記第一実施例の作用を説明する。
【0023】
近年、ガスタービンは高出力・高効率化を図る目的から大型化されており、それに伴って排ガスの温度は高く、流速も増加する傾向にあるが、本第一実施例では、特許文献1に開示されている排ガス流通方向に隣接する管束支持部材のように互いに当接させているだけではなく、管束支持部材5,7の両幅端部に、排ガス流通方向へ延びるロッド8を貫通せしめ、該ロッド8の両端部を管束支持部材5,7に固定してあるため、前記排ガスの流速増加に伴う伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の振動を抑制することが可能となる。
【0024】
しかも、前記ロッド8は、管束支持部材5,7の両幅端部に貫通させた状態で、その両端部にワッシャのような固定金具9を嵌装し、前記三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の排ガス流通方向の長さに合わせて前記固定金具9の位置を調節し、該固定金具9をロッド8に溶接して固着するようにしてある。これにより、現地での据付が容易に行えると共に、前記三次過熱器2と再熱器3と再熱器4との間の遊びを最小限に抑えることが可能となる。
【0025】
又、複数の前記伝熱ユニットの隣接箇所、即ち三次過熱器2及び再熱器3の隣接箇所と該再熱器3及び再熱器4の隣接箇所における前記管束支持部材5,7のロッド8が貫通する部分には、図4に示す如く、ロッド8が貫通する下流側板材5fの貫通孔10と上流側板材7cの貫通孔11をそれぞれ、上下方向へ延び且つ断面が角丸長方形となる、いわゆる長孔とすることによって上下方向間隙Sを形成してある。このため、前記伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3と再熱器4との間で伝熱管2b,3b,4bに伸び差が生じても、それを前記上下方向間隙Sによって吸収することが可能となり、前記管束支持部材5,7とロッド8との間に大きな負荷が作用せず、該管束支持部材5,7或いはロッド8が変形したり破損したりすることが避けられる。
【0026】
更に又、図4に示す如く、前記三次過熱器2と再熱器4との間に挟まれる再熱器3の管束支持部材6の幅を短くすることにより、該互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の管束支持部材5,6,7の間に前記ケーシング1の幅方向における段差部12を形成し、該段差部12に、三次過熱器2の下流側板材5fのウェブ部5eから張り出すブラケット13と、再熱器4の上流側板材7cのウェブ部7bから張り出すブラケット14とを設けてある。このため、該ブラケット13,14が再熱器3の管束支持部材6の幅端面に当接することにより、互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の管束支持部材5,6,7の間でのケーシング1の幅方向変位が規制され、がたつきが抑えられる。
【0027】
一方、前記三次過熱器2の管束支持部材5と再熱器4の管束支持部材7は、図2及び図5に示す如く、排ガス流通方向へ延びるリンクプレート17によって補助的に連結してあるため、前記三次過熱器2と再熱器3と再熱器4の振動をより確実に抑制することが可能となる。又、脱落防止ワイヤ22,25によりリンクプレート17は、三次過熱器2の連結板材5gと再熱器4の連結板材7gに括り付けられているため、脱落する心配はない。
【0028】
こうして、排ガス流通方向に隣接する管束支持部材5,6,7の間で生じる振動に伴う摩耗を抑制し得、安定運転を長時間継続し得る。
【0029】
図6及び図7は本発明のボイラの伝熱管支持構造の第二実施例であって、図中、図1図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、伝熱ユニットとして三次過熱器2と再熱器3とが配設されたボイラとしての排熱回収ボイラの例を示している。
【0030】
本第二実施例の場合、図6及び図7に示す如く、前記管束支持部材5,6の両幅端部に、排ガス流通方向へ延びるロッド8を貫通せしめ、該ロッド8の両端部を管束支持部材5,6に固定し、複数の前記伝熱ユニットの隣接箇所、即ち三次過熱器2及び再熱器3の隣接箇所における前記管束支持部材5,6のロッド8が貫通する部分に、前記伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3との間での伝熱管2b,3bの伸び差を吸収する上下方向間隙Sを形成してある。前記ロッド8は、管束支持部材5,6の両幅端部に貫通させた状態で、その両端部にワッシャのような固定金具9を嵌装し、三次過熱器2と再熱器3との排ガス流通方向の長さに合わせて前記固定金具9の位置を調節し、該固定金具9をロッド8に溶接して固着するようにしてある。前記上下方向間隙Sは、図7に示す如く、ロッド8が貫通する下流側板材5fの貫通孔10と上流側板材6cの貫通孔11´をそれぞれ、上下方向へ延び且つ断面が角丸長方形となる、いわゆる長孔とすることによって形成してある。
【0031】
又、互いに隣接する伝熱ユニットの管束支持部材5,6の幅を変える、即ち、本第二実施例では、図6に示す如く、前記再熱器3の管束支持部材6の幅を長くすることにより、該互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3の管束支持部材5,6の間に前記ケーシング1の幅方向における段差部12´を形成してある。該段差部12´には、前記互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3の管束支持部材5,6の間でのケーシング1の幅方向変位を規制するブラケット14´(図6及び図7参照)を設けてある。該ブラケット14´は、再熱器3の上流側板材6cのウェブ部6bに、三次過熱器2の管束支持部材5の幅端面に当接する規制板14a´と、該規制板14a´を支える補助板14b´とを溶接して固着することにより構成してある。
【0032】
次に、上記第二実施例の作用を説明する。
【0033】
本第二実施例では、特許文献1に開示されている排ガス流通方向に隣接する管束支持部材のように互いに当接させているだけではなく、管束支持部材5,6の両幅端部に、排ガス流通方向へ延びるロッド8を貫通せしめ、該ロッド8の両端部を管束支持部材5,6に固定してあるため、高出力・高効率化を図る目的から大型化されているガスタービンの排ガスの流速増加に伴う伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3の振動を抑制することが可能となる。
【0034】
しかも、前記ロッド8は、管束支持部材5,6の両幅端部に貫通させた状態で、その両端部にワッシャのような固定金具9を嵌装し、前記三次過熱器2と再熱器3の排ガス流通方向の長さに合わせて前記固定金具9の位置を調節し、該固定金具9をロッド8に溶接して固着するようにしてある。これにより、現地での据付が容易に行えると共に、前記三次過熱器2と再熱器3との間の遊びを最小限に抑えることが可能となる。
【0035】
又、複数の前記伝熱ユニットの隣接箇所、即ち三次過熱器2及び再熱器3の隣接箇所における前記管束支持部材5,6のロッド8が貫通する部分には、図7に示す如く、ロッド8が貫通する下流側板材5fの貫通孔10と上流側板材6cの貫通孔11´をそれぞれ、上下方向へ延び且つ断面が角丸長方形となる、いわゆる長孔とすることによって上下方向間隙Sを形成してある。このため、前記伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3との間で伝熱管2b,3bに伸び差が生じても、それを前記上下方向間隙Sによって吸収することが可能となり、前記管束支持部材5,6とロッド8との間に大きな負荷が作用せず、該管束支持部材5,6或いはロッド8が変形したり破損したりすることが避けられる。
【0036】
更に又、図6に示す如く、前記再熱器3の管束支持部材6の幅を長くすることにより、該互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3の管束支持部材5,6の間に前記ケーシング1の幅方向における段差部12´を形成し、該段差部12´に、再熱器3の上流側板材6cのウェブ部6bから張り出すブラケット14´を設けてある。このため、該ブラケット14´が三次過熱器2の管束支持部材5の幅端面に当接することにより、互いに隣接する伝熱ユニットとしての三次過熱器2と再熱器3の管束支持部材5,6の間でのケーシング1の幅方向変位が規制され、がたつきが抑えられる。
【0037】
こうして、第二実施例においても、第一実施例と同様、排ガス流通方向に隣接する管束支持部材5,6の間で生じる振動に伴う摩耗を抑制し得、安定運転を長時間継続し得る。
【0038】
又、上記第一実施例並びに第二実施例の伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラによれば、安定運転を長時間継続し得ることから、ボイラ全体の信頼性を高めることができる。
【0039】
尚、本発明のボイラの伝熱管支持構造及び該伝熱管支持構造を備えた排熱回収ボイラは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、伝熱ユニットが排ガス流通方向へ四個以上配設されるものにも適用可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
1 ケーシング
2 三次過熱器(伝熱ユニット)
2b 伝熱管
3 再熱器(伝熱ユニット)
3b 伝熱管
4 再熱器(伝熱ユニット)
4b 伝熱管
5 管束支持部材
6 管束支持部材
7 管束支持部材
8 ロッド
12 段差部
13 ブラケット
14 ブラケット
S 上下方向間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7