(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図6は薄型二次電池の外観を説明する斜視図である。図に示すように、シート状に形成された薄型二次電池41が多くの技術分野で利用されており、この薄型二次電池41は、扁平なケース43から一組の薄片状の電極端子45,47が一方向に突出した構造を備えている。
【0003】
また、従来の二次電池と同様に、
図6に示す薄型二次電池41も、工場生産されてから何回かの充放電試験の品質検査が行われた後、品質検査における合格品が半充電された状態で製品として出荷される。
【0004】
また、下記特許文献1に開示された薄型二次電池の充放電試験装置は、薄型二次電池の電極端子に接続するクリップ型接続端子群を垂架状に備えた充放電用ラックと、接続端子群に対向して配置され、各接続端子に接離する接触子群を支持する接触子支持体と、接触子支持体を所定方向に進退させ、対応する接続端子及び接触子を接離する支持体進退機構と、接触子群にそれぞれ接続する充放電電源とを備えたもので、充放電試験装置によって一度に多くの薄型二次電池の充放電試験が可能となっている。
【0005】
また、特許文献2には、底板に形成された多くの挿通穴に薄型二次電池の電極端子を夫々挿入して、多数の薄型二次電池を一定方向に収納、配置する電池収納容器と、前記電池収納容器の挿通穴から突出する各電極端子をチャックするチャック機構を備え、前記電池収納容器に多数の薄型二次電池を収納、配置した後、第1動作(昇降)機構によりチャック機構を電池収納容器に近づけ、その後、第2動作(昇降)機構によって各電極端子をチャック機構でチャックさせる薄型二次電池の充放電及び検査システムが開示されている。
【0006】
また、下記特許文献3には、一度に多くの薄型二次電池の充放電試験を行うに当たり、従来の煩わしい作業、即ち、クリップ型接続端子群への薄型二次電池の取付けや、多数の薄型二次電池を電池収納容器に収納、配置するといった作業を軽減し、併せて薄型二次電池(電極)に対する確実なチャックを可能とした薄型二次電池用充放電試験装置のチャック機構を提供することを目的とする発明が開示されている。
【0007】
特許文献3によれば、並列する複数の薄型二次電池を保持する電池収納体に結合可能な第1ガイド部と、前記第1ガイド部と連結されて弾性的に並列する複数のチャッキング部(以下適宜「チャック部」とも称する)とを備え、前記各チャッキング部は、前記電池収納体の対応する所定数の薄型二次電池と弾性的に位置合わせする第2ガイド部を有する薄型二次電池用充放電試験装置のチャック機構とすることにより、電池収納体側では並列させた薄型二次電池を挟持するだけで、後は電池収納体側をチャック機構に近づけることで、先ず、第1ガイド部によって電池収納体側の電池収容幅に応じたチャック機構のチャック幅が調整され、この後は、第2ガイド部によって、第1ガイド部と弾性的に連結するチャッキング部が、順次自動的、弾性的に薄型二次電池と位置合わせが行われる構造のため、結果的に作業負担を少なくしつつチャック精度が向上する利点を有することが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態で説明する通電チャッキング耐久試験装置は、量産ラインにおいて充放電試験対象となる現実の多数の二次電池の電極タブと同一構造、同一材質の試験電極タブを備える。試験電極タブは、現実の二次電池の電極タブよりもその大きさや形状(面積)が大きく板状に形成されており、一つの試験電極タブに対して多数回のチャッキング動作が可能であるように構成される。
【0018】
また、本実施形態で説明する通電チャッキング耐久試験装置は、チャッキング動作の後、所定時間だけ通電処理して接触箇所を少し発熱させた後、接触抵抗を測定して記録する。このようなチャッキング動作と通電発熱処理と接触抵抗の測定動作を、1セットとして、例えば大凡3万セット程度繰り返すことにより、現実の量産ラインにおける充放電試験装置に求められるチャッキング動作及び電気的導通確保の信頼性や耐久性を予め確認することができる。
【0019】
二次電池の電極タブは多様な保護被膜等でコーティングされることもあり、チャッキング及び電気的導通確保処理を遂行する場合には、チャッキング動作1回毎に、保護被膜等を打ち破って下層の導電層と接触することが必要となる。保護被膜の種類や形状や膜厚及び層構成、及び充放電装置側(チャッキングユニット側)のチャック電極の材質や形状等によっては、チャッキング動作を数万回繰り返すと、耐久性や信頼性に大きな差異が生じることも予想される。
【0020】
本実施形態で説明する通電チャッキング耐久試験装置においては、上述のような耐久性や信頼性、生じ得るリスク等を予めシミュレーションすることが可能であり、より適切な電極タブの被膜材料や膜厚・層構成を選定したり、より適切なチャック電極形状・材質へと変更する等の事前対策も可能となる。
【0021】
また、常に新しい被膜箇所へのチャッキング動作等を数万回繰り返すためには、相当な面積の試験電極タブが必要となるが、本実施形態で説明する通電チャッキング耐久試験装置においては、現実の二次電池の電極タブよりも相当に広い縦長長方形状の試験電極タブを複数備えている。この試験電極タブは、これを順次長手方向にずらしていく移動手段により、一枚で少なくとも80回のチャッキング動作が可能であるので、人的負荷を最小限に抑えて自動的に耐久・信頼性試験を遂行することができる。
【0022】
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態にかかる通電チャッキング耐久試験装置1000の構成概要を説明する斜視図である。
図1に示すように、通電チャッキング耐久試験装置1000は、チャッキングユニット1100と、筐体フレーム1200と、筐体フレーム1200に対してX方向及びZ方向に移動可能に取り付けられた試験電極タブ1300とを備える。
【0023】
また、通電チャッキング耐久試験装置1000は、試験電極タブ1300をX方向及びZ方向にそれぞれ移動させるための試験電極タブ移動手段1400,1500を備える。
図1においては、試験電極タブ移動手段1400がZ方向へ試験電極タブ1300を移動させ得るものとし、試験電極タブ移動手段1500がX方向へ試験電極タブ1300を移動させ得るものとして示している。
【0024】
チャッキングユニット1100の構造や機能等は後述するものとし、ここでは詳述しない。また、試験電極タブ移動手段1400,1500は、周知のX−Yステージ移動手段や数値制御(NC)によるステッピングモータ制御等を利用する構成としてもよいので、ここでは説明を省略する。
【0025】
また、試験電極タブ1300は、突出した板状に形成されておりその材質及び層構成は、現実の二次電池の電極タブと同一である。また、試験電極タブ1300は、複数枚が並行に並列配置された構成であるが、
図1においては8枚の電極タブが同一方向に突出して並列配置されているものとして示している。一方、試験電極タブ1300は、現実の二次電池のタブに比較して面積が相当に大きく形成されており、長手方向(Z方向)に少しずつずらす(試験電極タブ移動手段1400により移動させる)ことにより、上端から下端までの間で80回程度、常に新しい被膜コーティング箇所でチャッキング動作及び通電・抵抗測定処理が遂行できるものである。
【0026】
また、試験電極タブ1300は、試験電極タブ移動手段1500により、X方向にも少しずらす(移動させる)ことができ、1回X方向にずらせば計80×2=160回程度、2回X方向にずらせば計80×3=240回程度の、試験が可能となる。X方向にずらすことにより、試験電極タブ1300の奥行き方向の新しい被膜箇所にもチャッキング動作を可能とする。限られた資源で試験効率を可能な限り増大させるためには、一つの試験電極タブ1300で可能な限り多くの回数だけ、チャッキング動作及び通電測定処理を試験できることが好ましい。
【0027】
図1から理解できるように、仮に
図1に示されている試験電極タブ1300について新たにチャッキング動作可能な新規被膜コーティング箇所が無くなれば、オペレータが新たな試験電極タブ1300と交換することができる。また、この交換作業を自動的に遂行できるように、例えば不図示のY方向から新しい試験電極タブ1300が順次にコンベヤ等の搬送ラインを流れて送出されセッティングされる構成としてもよい。このようなワーク搬送装置は、各種の生産ラインや量産ラインにおいて既に種々のものが使用されており、広く公知の技術であるのでここでは詳述しない。
【0028】
また、
図1において、試験電極タブ1300は、8枚の突出した板状とされて、一度に電極タブ8枚を同時にチャッキングして通電可能とする。そして、タブ8枚一組を一カートリッジとして、カートリッジ交換できるものとしてもよい。また、試験電極タブ1300は、例えば450mm×70mmの大きさに形成してもよい。
【0029】
図2は、通電チャッキング耐久試験装置1000の回路構成等について概念的に説明するブロック図である。
図2に示すように、試験電極タブ1300は、試験電極タブ移動手段1500に対応するX軸モータ2500と、試験電極タブ移動手段1400に対応するZ軸モータ2400とにより、数ミリ単位で少しずつずらして移動させることが可能である。
【0030】
図2から理解できるように、このような移動制御は、パソコンPC2100から制御PLC2200及びアンプ2700を介した指令により精確に制御されるものとする。また、
図2において制御PLC2200は、AIR制御2600を制御し、試験電極タブ1300をエア吹き付け制御による強制空冷してもよい。なお、AIR制御2600は、0.35〜0.4MPaでレギュレータ2300を介して為されるものとする。
【0031】
また、制御PLC2200は、DVR2950を制御して、チャック部1110を介して試験電極タブ1300に定電流Iを流すことができる。電流Iを流した場合の、電圧は計測(1)2900で測定されて、接触抵抗が算出される。算出された接触抵抗は、制御PLC2200を介してPC2100へと保存されてもよい。
【0032】
なお、
図2においては、試験電極タブ1300の保護を目的とする保護センサ2800を備えている。保護センサ2800は、例えば接触抵抗が30mオーム以上になった場合に、電流供給等を停止させることができるものとする。
【0033】
図3は、試験電極タブ1300に対して、チャッキング部の正電極1111と負電極1112とで電気的なコンタクトを確保して、定電流(I)=34Aを流して電圧測定する状態を模式的に説明する図である。
図3において、正電極1111と負電極1112とは、試験電極タブ1300に施されている酸化膜等の各種コーティング層を打ち破って、それぞれ試験電極タブ1300と電気的に導通されるものとする。また、電圧の測定は、チャック1回につき通電30秒による発熱処理及び無通電30秒の後、測定してもよい。なお、上述した定電流(I)=34Aは一例であってこれに限定されるものではない。
【0034】
図3に示すように、チャッキングユニット1100が備える正電極1111と負電極1112とは、試験電極タブ1300を挟持するように両側から挟み込んで、その表面に施された保護膜や酸化膜の下層にある導電層と各々電気的な導通を確保する。このため、正電極1111と負電極1112とは、先端の尖った剣山状の接触部を備えるものとしてもよい。
【0035】
また、
図3において、正電極1111と負電極1112とは、1回のチャック毎にチャック箇所を1111(a1),1111(a2),1111(a3),・・と替えながら常に新しい箇所に対してチャッキング動作を順次遂行していく。また、好ましくは、試験電極タブ1300の奥行き方向である1111(b1),1111(b2),・・についても、チャッキング動作を順次遂行していく。このため、上述したように、試験電極タブ1300は、好ましくはXYZ各方向に移動可能な移動手段により懸架または保持されるものとする。但し、チャッキング動作の遂行順序は、上述した順番に限定されるものではなく、例えば1111(a1),1111(b1),1111(a2),1111(b2)・・・の順で遂行してもよい。
【0036】
また、
図3から理解できるように、第一の筐体フレーム1200(1)に配置されたZ軸方向の試験電極タブ移動手段1400には、移動フレーム1200(2)が固定されており、移動フレーム1200(2)にはX軸方向の試験電極タブ移動手段1500が配置されている。また、X軸方向の試験電極タブ移動手段1500に対して、試験電極タブ1300が固定されている。
【0037】
すなわち、Z軸方向の試験電極タブ移動手段1400が移動フレーム1200(2)をZ方向に移動させることにより試験電極タブ1300がZ方向に移動し、X軸方向の試験電極タブ移動手段1500により試験電極タブ1300がX方向に移動させることが可能となる。試験電極タブ移動手段1400,1500は、公知の各種アクチュエータ等を用いて構成することができる。
【0038】
上述の通電チャッキング耐久試験装置1000により、薄型二次電池の電極タブの評価及び充放電試験装置用コンタクトユニットの信頼性評価・耐久性評価を、現実の充放電試験に先立ち短時間で遂行することが可能となる。
【0039】
(第二の実施形態)
図4は、第二の実施形態にかかる通電チャッキング耐久試験装置4000の構成概要について説明する斜視図である。
図4に示すように、通電チャッキング耐久試験装置4000は、現時点でチャッキング試験されている試験電極タブ4300(1)の横に次にチャッキング試験される試験電極タブ4300(2)が待機している。
【0040】
すなわち、
図4に示す通電チャッキング耐久試験装置4000においては、試験電極タブ1300が順次に搬送されてくるので、カートリッジの取り替え作業を自動で遂行することができる。さらに、一カートリッジあたりの各四方にそれぞれ八枚のタブが突出されていることから、少なくとも80回×4面の回数だけチャッキング動作が可能である。
【0041】
このため、通電チャッキング耐久試験装置4000は、X方向へ試験電極タブ4300を移動させる試験電極タブ移動手段4500と、Z方向へ試験電極タブ4300を移動させる試験電極タブ移動手段4400と、不図示のY方向へ試験電極タブ4300を移動させる試験電極タブ移動手段4600とを備える。これらの試験電極タブ移動手段4400,4500,4600は、通電チャッキング耐久試験装置4000の筐体フレーム4200に設けられるものとできる。
【0042】
また、
図5は、チャック部1140の配列状態及び形状概要を説明する概念図である。
図5を用いて
図1等に示したチャッキングユニット1100のチャック箇所について説明する。
図5に示すように、チャック部1140は、二次電池の電極端子45,47に各々対応するように紙面上下に配置された一対のチャック部1140(1),1140(2),1140(3),1140(4)を備える。
【0043】
図5から理解できるように、上側の電極端子45をチャッキングする上側のチャック部1140(1)が4対のクリップ状の電極構造を有し、下側の電極端子47をチャッキングする下側のチャック部1140(1)が3対のクリップ状の電極構造を有する構成を例示している。
【0044】
また、
図5においては説明の便宜上、チャック部1140(1)乃至1140(4)のみを示しているが、チャッキングするべき二次電池を構成する薄型二次電池41の積層枚数に対応する個数(n個)までのチャック部1140(n)を備えるものとする。チャック部の形状は、二次電池の電極タブを両側から挟み込んで導通確保するものであれば限定されるものではなく、実施形態で例示した形状や構造に限定されるものではない。
【0045】
本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、二次電池の電極タブを模擬した板状の試験電極タブと、試験電極タブに対してチャッキング動作と通電動作とを複数箇所で遂行して電気的な導通確保動作の耐久信頼性試験を遂行するチャッキングユニットと、チャッキングユニットにチャッキングされる箇所を順次変更させるように、板状の試験電極タブを少なくとも一方向に移動させる試験電極タブ移動手段と、を備えることを特徴とする。
【0046】
これにより、現実の充放電試験装置に搭載されるチャッキングユニットの数万回に及ぶチャッキング動作及び電気的導通動作を事前にシミュレーションすることが可能となる。現実の量産ラインに配置された充放電試験装置は、24時間連続で量産された多数の二次電池の充放電試験を順次に遂行していくこととなるため、数ヶ月間以上に亘って連続稼働状態となることも少なくない。
【0047】
このような稼働環境においては、新しい二次電池に対して次々とチャッキング動作及びその後の通電試験を遂行するので、結果として数万回のチャッキング動作と通電とを連続的に遂行することとなる。一方、二次電池の電極タブには絶縁被膜等がコーティングされていることもあり、その材質や被膜厚さや積層数等は、二次電池の種類や電池メーカーによって種々異なる場合もある。
【0048】
チャッキング動作においては、このような絶縁被膜等を部分的に破壊穿孔して被膜下の導電性電極と電気的な導通を確保することになるが、チャッキング動作の回数が数万回程度にも及ぶと、被膜等の材質や層構成とチャッキング部の構造等との関係によって耐久性に差異が生じることとなり、電気的な導通を確保できなってくる場合も生じ得る。
【0049】
本発明により、事前にチャッキング動作と通電とのシミュレーションを遂行できるため、現実の二次電池のタブ電極に模擬した電極タブに対して、接触位置をずらして常に新しい被膜部分に対して数万回のチャッキング動作及び通電動作を遂行させて、チャッキング動作の耐久性及びチャッキング動作の信頼性を確認することが可能となる。
【0050】
これにより、仮に、あるタブ電極構造に対してチャッキング及び通電の耐久性が劣ることが判明した場合には、そのタブ電極構造に対する最適なチャック電極の材質や構造を新たに工夫・選択したり、メンテナンスの時期を早めに設定したりして、現実の充放電試験ラインにおける対応策を講じることが可能となる。
【0051】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、好ましくはチャッキング動作後に通電動作を遂行して、チャッキング箇所毎の接触抵抗を順次測定することを特徴とする。
【0052】
これにより、二次電池の電極タブに対する接触抵抗から、導通の適否を判断することが可能となる。さらに好ましくは、測定した接触抵抗を順次に記録し、オペレータがその推移を確認できるような表示モニターまたは印字機能を備えることが好ましい。チャッキングユニットのチャック部が劣化すれば、二次電池の電極タブに対して電気的な導通を適切に確保できなくなり接触抵抗が次第に増大するものとなる。
【0053】
また、二次電池の電極タブの被膜材質等が異なれば、他の被膜材質に対しては充分な耐久性を有するチャック部であっても、耐久性が劣り、当該異なる材質等の二次電池の電極タブに対して電気的な導通を適切に確保できなくなり、接触抵抗が次第に増大するものとなることが考えられる。
【0054】
この発明により、常に新しい被膜箇所の電極タブに対して数万回にも及ぶチャッキング動作及び通電動作に対する耐久性・信頼性を事前に試験して確認することが可能となるので、現実の充放電試験ラインにおける充放電試験時にはスムースな試験遂行が可能となり、適切な時期にメンテナンスを遂行することも可能となる。
【0055】
また、通電動作は、チャック1回について例えば34Aの電流を30秒間通電して軽く発熱させるとともに接触抵抗を測定するものとしてもよいし、30秒間通電の後さらに30秒間無通電状態として安定させてから接触抵抗を測定するものとしてもよい。
【0056】
また、一つの試験電極タブについて、チャッキングによる接触箇所を毎回変えて、例えば計80回のチャッキング動作を遂行させることとしてもよい。このような試験電極タブを100セット準備しておけば、例えば8000回程度のチャッキング動作の耐久試験が可能となる。
【0057】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、さらに好ましくは試験電極タブ移動手段が、チャッキングされる箇所が毎回新しい箇所となるように、試験電極タブを板状の面内において、第一の方向と第一の方向と垂直な第二の方向に移動させることを特徴とする。
【0058】
実施形態でも説明したように、本発明の通電チャッキング耐久試験装置において移動手段は、試験電極タブの少なくとも長手方向にチャック1回ごとに少しずつ位置をずらしてチャッキングできるように順次に試験電極タブを移動させて、例えば一つの試験電極タブで計80回のチャッキング動作を可能とする。
【0059】
耐久性・信頼性確認のためチャッキング動作が数万回にも及ぶため、この間の人的な介入や操作を可能な限り低減させて人的負荷を少なくすることが好ましい。本発明においては、板状の試験電極タブの面内において、長手方向とともに長手方向に垂直な奥行き方向にもチャッキングされる箇所を少しずらすことにより、新しい被膜箇所に対するチャッキング動作を一つの試験電極タブ当たり2倍〜3倍以上に増大させることも可能となる。
【0060】
これにより、試験電極タブの使用総数を低減させ得るだけではなく、次の試験電極タブを準備する人的負荷も少なくて済むので好ましいものとなる。
【0061】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、さらに好ましくは板状の試験電極タブが、導電性電極に絶縁層と保護膜とが被覆された層構成を備えることを特徴とする。これにより、現実の二次電池の電極タブと同様の条件下において、チャッキング動作及び通電の耐久・信頼性シミュレーションを、充放電試験ラインでの試験実施より事前に、確認することが可能となるので好ましい。
【0062】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、さらに好ましくは導電性電極がアルミニウム電極であり、絶縁層は酸化アルミニウム層であることを特徴とする。二次電池の現実の電極タブは、特にプラス側電極がアルミニウム電極に酸化アルミニウム被膜が設けられている場合が多い。このため、試験電極タブにおいても、導電性電極をアルミニウム電極とし、絶縁層は酸化アルミニウム層として、その層厚も同等とすることで、忠実かつ精緻なチャッキングシミュレーションが可能となるので好ましい。
【0063】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、さらに好ましくは通電動作に異常があった場合にオペレータに通知するための通知手段を備えることを特徴とする。通電動作に異常があった場合には、すなわち電気的な導通が適切に確保できていないこととなるので、速やかにオペレータに通知することが好ましい。
【0064】
典型的には、通電動作により測定した接触抵抗値が事前に設定した閾値よりも大きな値を示した場合に、オペレータに通知するものとできる。オペレータへの通知は、ブザーや警報音を発報するものでもよいし、表示モニターに異常状態であることを表示するものでもよいし、異常状態を印字出力するプリンターであってもよいし、パトライト(登録商標)を点等させる等してもよい。
【0065】
好ましくは、異常状態の前の通電結果を含めてその推移や経過状態をオペレータに、例えばグラフ表示等により、知らせるものであることが望まれる。接触抵抗の増大として現れる電気的導通確保の耐久劣化は、一般には突然出現するものではなく、時間の経過とともに次第に顕現化するものであるからである。
【0066】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、さらに好ましくは試験電極タブは、互いに垂直な少なくとも第一面と第二面とに設けられ、第一面に設けられた試験電極タブの通電チャッキング耐久試験が完了すれば、第二面に設けられた試験電極タブの通電チャッキング耐久試験を遂行することを特徴とする。
【0067】
これにより、一つの試験電極タブが最大4面においてチャッキング耐久試験を遂行されるものとできるので、例えば1面あたり80回のチャッキングとすれば最大320回のチャッキング動作を遂行させるものとできる。仮に、試験電極タブの長手方向とともに長手方向に垂直な奥行き方向にもチャッキングされる箇所を少しずらすものとすれば、新しい被膜箇所に対するチャッキング動作を一つの試験電極タブ当たり2倍〜3倍以上に増大させることも可能となるので、約1000回/試験電極タブ1個のチャッキング動作遂行も実現できるものとなる。
【0068】
これにより、試験電極タブの使用総数を低減させ得るだけではなく、次の試験電極タブを準備する人的負荷も少なくて済むので好ましいものとなる。また、このような試験電極タブを順次連続的に自動送出して交換できる構成としてもよい。
【0069】
また、本発明の通電チャッキング耐久試験装置は、さらに好ましくは複数の試験電極タブを備え、前記複数の試験電極タブを順次にチャッキング動作可能なように前記チャッキングユニットに送出する第二の移動手段を備えることを特徴とする。これにより、数万回にも及ぶチャッキング耐久試験を人的負担を極力低減させて、かつ連続的に遂行することが可能となる。
【0070】
上述の実施形態で例示した通電チャッキング耐久試験装置1000,4000等は、各実施形態での説明に限定されるものではなく、各実施形態で説明する技術思想の範囲内かつ自明な範囲内で、適宜その構成や動作及び動作方法等を変更することができる。また、説明の便宜上実施形態においては個別に説明しているが、実施形態の構成を適宜組み合わせて適用し、またその動作も適宜組み合わせてアレンジしてもよい。