(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0013】
[構成の説明]
1.光走査装置の構成について
本実施形態の光走査装置1は、反射部3と、支持部5と、一対の梁部材7と、一対の第1の駆動部9とを備えている(
図1参照)。
【0014】
反射部3は、さらに、外周部11と、内周部13と、一対の反射部内梁部材15と、第2の駆動部17とを備えている。
外周部11は矩形の枠であり、その枠内に、円板状の内周部13が配置されている。また、外周部11の上側と下側に、第2の駆動部17が配置されている。
【0015】
なお、本説明における上下左右は、
図1における上下左右を意味し、光走査装置1を使用する状態での上下左右とは必ずしも一致しない。
外周部11は、その外側の両端において、一対の梁部材7に接続している。梁部材7は棒状の部材である。一対の梁部材7は、内周部13の中心を通る一直線(以下、第1の軸18とする)上に配置されている。
【0016】
内周部13は、その一方の面全体にわたって、光ビームを反射させる反射面19を有している。反射面19は、厚さ1.0μmのアルミニウム薄膜である。内周部13は、縁に沿ってリブが設けられており、リブの内側は外周部11と比べて板厚が小さい。
【0017】
一対の反射部内梁部材15は、内周部13の両端において、内周部13と外周部11とを捩れ振動可能に接続する。反射部内梁部材15は棒状の部材である。反射部内梁部材15は、内周部13の中心を通り、上述した第1の軸18と直交する直線(以下、第2の軸21とする)上に配置されている。
【0018】
第2の駆動部17は、屈曲変形が可能な4つの駆動部材23,25,27,29から構成される。駆動部材23,25,27,29は同様の構造を有する。駆動部材23は、外周部11における左上部分と、上側の反射部内梁部材15における左側とを接続する。駆動部材25は、外周部11における右上部分と、上側の反射部内梁部材15における右側とを接続する。駆動部材27は、外周部11における右下部分と、下側の反射部内梁部材15における右側とを接続する。駆動部材29は、外周部11における左下部分と、下側の反射部内梁部材15における左側とを接続する。
【0019】
駆動部材23,25,27,29は、それぞれ、板状の基板上に形成された圧電薄膜から構成される。圧電薄膜は、絶縁膜、上部電極、PZT膜、及び下部電極を積層した構造を有する(詳細は後述する)。なお、PZTとは、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr
XTi
1-X)O
3であり、一例としてX=0.52とすることが考えられる。
【0020】
駆動部材23,25,27,29は、配線41により端子43に電気的に接続されている。端子43は支持部5上に形成されており、配線41は、後述する接続部9A、及び、後述する第1の駆動部9の内側の縁部を通り、端子43に至る。
【0021】
支持部5は、矩形の枠であり、その枠内に、反射部3、及び一対の第1の駆動部9が配置されている。支持部5は、その内側において、一対の突出部5A,5Bを有している。突出部5A,5Bは、反射部3を両側から挟むように配置されている。一対の梁部材7は、それぞれ、上述したとおり、一端において外周部11に接続しているが、その反対側の端部において、突出部5A,5Bに接続している。よって、突出部5A,5Bは、一対の梁部材7を介して反射部3を支持する。
【0022】
一対の第1の駆動部9は、反射部3の左右にそれぞれ1つずつ設けられている。2つの第1の駆動部9は同様の構造を有する。第1の駆動部9は、その下端9Cにおいて支持部5に接続するとともに、その上端9Dの側において、反射部3に接続している。さらに詳しくは、第1の駆動部9は、その上端9Dの側において、反射部3の方向に張り出す接続部9Aを備えており、その接続部9Aの先端を、反射部3における上端3Aに接続させている。
【0023】
第1の駆動部9は、板状の基板上に形成された2枚の圧電薄膜47,49から構成される。圧電薄膜47,49は、それぞれ、第1の駆動部9の下端9C側から上端9D側まで達している。圧電薄膜47,49の構造は、駆動部材23,25,27,29を構成する圧電薄膜と同様である。圧電薄膜47,49の間には、それらの長手方向に沿ったスリット(基板が切り欠かれた部分)51が形成されている。
【0024】
第1の駆動部9は、圧電薄膜47,49の屈曲動作により、屈曲変形可能である。その屈曲の方向は、第1の駆動部9における上端9D側の部分が、
図1の紙面の正面に向かって移動する方向である。
【0025】
また、圧電薄膜47,49は、それぞれ、配線53により端子55に電気的に接続されている。配線53、及び端子55はともに支持部5上に形成されている。
2.圧電薄膜の構成について
第1の駆動部9の外側に位置する圧電薄膜49は、基板49fと、Ti/SiO
2層49eと、下部電極49dと、PZT膜49cと、上部電極49bと、絶縁膜49aとが積層された構造を有している(
図2,3参照)。
【0026】
基板49fは、厚さ500μmのSi支持層49f−3と、厚さ1.5μmの埋め込みSiO
249f−2と、厚さ100μmのSi活性層49f−1とを有するSOI(Silicon on Insulator)基板として構成されている。
【0027】
そして、基板49fにおけるSi活性層49f−1の上には、Ti/SiO
2層49eが形成されていると共に、Ti/SiO
2層49eの上には、厚さ0.1μmのPt層として構成された下部電極49dが積層されている。
【0028】
また、PZT膜49cは、下部電極49d上に積層されており、厚さ1.0μmとなっている。PZT膜49cは、平面視すると略長方形となっており、長手方向が圧電薄膜49の長手方向に沿うように配されている。より詳しくは、PZT膜49cは、下部電極49dにおける長手方向の縁部、及び、上端9D側の短手方向の縁部から所定の距離を隔てた状態で、下部電極49d上に配されている。このため、下部電極49dの上面とPZT膜49cの上面には、段差が形成された状態となっている。
【0029】
また、PZT膜49cの上には、Au/Ti(厚さ0.1μm/0.03μm)の積層膜として構成された上部電極49bが配されている。上部電極49bもまた、平面視すると略長方形となっており、PZT膜49cの長手方向の縁部、及び、上端9D側の短手方向の縁部から所定の距離を隔てた状態で、PZT膜49c上に配されている。このため、上部電極49bの上面とPZT膜49cの上面には、段差が形成された状態となっている。
【0030】
また、下部電極49d、PZT膜49c、及び、上部電極49bは、下端9C側で配線53に接続されている。配線53もまた、圧電薄膜49と同様の構造を有している。すなわち、配線53は、基板上にTi/SiO
2層、下部電極、PZT膜、上部電極が積層された構造を有しており、配線53の下部電極は圧電薄膜49の下部電極49dに、上部電極は圧電薄膜49の上部電極49bに繋がっている。
【0031】
そして、絶縁膜49aは、SiO
2により構成されており、上部電極49bと、PZT膜49cと、下部電極49dとを覆った状態で配されている。
より詳しくは、絶縁膜49aは、上部電極49bの外縁(換言すれば、上部電極49bとPZT膜49cとの境界)、及び、上部電極49bの上面における外縁に沿った領域を覆った状態で配されている。また、上部電極49bの上面の中央部分(外縁から所定距離を隔てた領域)は、絶縁膜49aに覆われていない開口領域として構成されている。
【0032】
また、絶縁膜49aは、PZT膜49cの上面における上部電極49bに覆われていない部分と、PZT膜49cの側面と、PZT膜49cの外縁(換言すれば、下部電極49dとPZT膜49cとの境界)とを覆った状態となっている。
【0033】
また、絶縁膜49aは、配線53における圧電薄膜49との接続部分の上面(上部電極)を覆った状態で配されている。
また、圧電薄膜47もまた、上述した圧電薄膜49と同様の構成を有している。また、駆動部材23,25,27,29を構成する圧電薄膜及び配線41もまた、上述した圧電薄膜49及び配線53と同様の構成を有している。
【0034】
[製造方法について]
光走査装置1は、以下の方法で製造することができる。まず、厚さ500μmのSi支持層と、厚さ1.5μmの埋め込みSiO
2と、厚さ100μmのSi活性層が積層された構造を有するSOI基板を用意する。
【0035】
反射面19と、駆動部材23,25,27,29を構成する圧電薄膜と、第1の駆動部9を構成する圧電薄膜47,49と、配線41,53と、端子43,55とを、基板の片面に成膜する。
【0036】
具体的には、圧電薄膜は、以下のようにして成膜される。基板の自然酸化膜除去を行った後、熱酸化法により、基板に厚さ1.0μmのSiO
2の層を成膜する。その後、スパッタ法により該層の上に厚さ0.02μmのTiの密着層を成膜する。これにより、Ti/SiO
2層が形成される。
【0037】
次に、スパッタ法により、500℃で下部電極となる厚さ0.1μmのPt層を成膜すると共に、600℃で、下部電極の上に厚さ1.0μmのPZT膜を成膜する。なお、下地層49eの膜種を変更することで、単結晶のPZTの層をエピタキシャル成長しても良い。
【0038】
なお、PZT膜は、PZTにより構成されているが、PZTを含む材料や、PZTから生成された材料等により構成されていても良い。また、このような場合であっても、エピタキシャル成長により得られた単結晶のPZTを用いても良い。また、他の圧電素子によりPZT膜に相当する部位を構成しても良い。
【0039】
そして、蒸着法により、PZT膜の上にAu/Ti(厚さ0.1μm/0.03μm)からなる上部電極を成膜する。
次に、リソグラフィにより上部電極(Au/Ti)のパターニングを行う。この時、ヨウ素とヨウ化アンモニウム混合液によるウェットエッチングによりAuを加工すると共に、アンモニア過水によるウェットエッチングによりTiを加工する。その後、フッ硝酸のウェットエッチングによりPZT膜を加工する。
【0040】
次に、プラズマCVDにより、上部電極及びPZT膜を全て覆うと共に、下部電極を覆う0.9μmの絶縁層(SiO
2)を形成する。その後、フッ酸によるウェットエッチングにより、絶縁層に開口領域を形成する。
【0041】
なお、SiO
2以外にも、例えば、SiN、SiON、Al
2O
3、又は、ポリイミドにより絶縁層を構成しても良い。また、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3、又は、ポリイミドを含む材料により、絶縁層を構成しても良い。
【0042】
最後に、SOI基板をエッチングすることで、支持部5(突出部5A,5Bを含む),梁部材7,第1の駆動部9の配置領域,接続部9A,外周部11,反射部内梁部材15,内周部13(反射面19を除く)等を含む一体の部材を形成する。
【0043】
なお、上述した製造方法は、あくまでも一例であり、これ以外にも、様々な方法により光走査装置1を製造することができる。
[動作の説明]
図1に基づき、光走査装置1の動作について説明する。一対の端子55に、それぞれ第1駆動信号源101を接続し、60Hzの駆動信号S1を印加する。駆動信号S1により、第1の駆動部9における圧電薄膜47,49が屈曲し、接続部9Aが、
図1の紙面の正面に向かって移動する。反射部3の上端3Aは第1の駆動部9の接続部9Aに接続しているので、第1の駆動部9の上述した屈曲により、反射部3の上端3Aは、
図1における紙面における正面に向かって変位する。
【0044】
その結果、反射部3が、梁部材7(第1の軸18)を中心軸とする捩れ振動を行う。この振動は非共振振動である。
また、一対の端子43のうちの一方に、第2駆動信号源103を直接接続すると共に、他方の端子43に、位相反転回路105を介して第2駆動信号源103を接続する。この結果、一対の端子43のうちの一方には、30kHzの駆動信号S2が印加され、他方の端子43には、駆動信号S2とは逆位相の駆動信号S3が印加される。
【0045】
駆動信号S2、S3により、第2の駆動部17は、駆動部材23,29の左右方向の中央が上方に移動し、且つ、駆動部材25,27の左右方向の中央が下方に移動した状態と、駆動部材23,29の左右方向の中央が下方に移動し、且つ、駆動部材25,27の左右方向の中央が上方に移動した状態とに、交互に変位する。これにより、内周部13に、反射部内梁部材15(第2の軸21)を中心軸とする捩れ振動を行わせる。この振動は共振振動である。
【0046】
よって、反射部3の内周部13に設けられた反射面19は、第1の軸18、及び第2の軸21のそれぞれについて揺動可能であり、反射面19で反射した反射光を2次元に走査できる。
【0047】
[実験結果について]
絶縁膜49aにおける上部電極49bの上部に位置する縁部(開口領域との境界をなす縁部)を内側縁部とすると共に、下部電極49dの上部に位置する縁部(換言すれば、下部電極49dの外周をなす縁部)を外側縁部とする(
図2参照)。
【0048】
そして、圧電薄膜49における上部電極49bの外縁から内側縁部までの水平方向(換言すれば、PZT膜49cの上面に沿った方向)の距離をAとすると共に、上部電極49bの外縁から外側縁部までの水平方向の距離をBとする(
図3参照)。
【0049】
距離A,Bや絶縁膜49aの厚さに応じて、絶縁膜49aの耐電圧がどのように変化するか、実験により測定した。
表1は、距離Aが変化した場合における絶縁膜49aの耐電圧比(距離Aが0μmである場合(換言すれば、絶縁膜49aが存在しない場合)の耐電圧の測定値を1とした場合の耐電圧の測定値の比率)の測定結果を示している。なお、表1の測定では、距離Bは3.0μm、絶縁膜49aの厚さは3.0μmとなっている。
【0050】
【表1】
また、表2は、距離Bが変化した場合における絶縁膜49aの耐電圧比(距離Bが0μmである場合(換言すれば、絶縁膜49aが存在しない場合)の耐電圧の測定値を1とした場合の耐電圧の測定値の比率)の測定結果を示している。なお、表2の測定では、距離Aは3.0μm、絶縁膜49aの厚さは3.0μmとなっている。
【0051】
【表2】
また、表3は、圧電膜49aの厚さが変化した場合における絶縁膜49aの耐電圧比(厚さが0μmである場合(換言すれば、絶縁膜49aが存在しない場合)の耐電圧の測定値を1とした場合の耐電圧の測定値の比率)の測定結果を示している。なお、表3の測定では、距離A,Bはそれぞれ3.0μmとなっている。
【0052】
【表3】
実験結果より、距離Aが0.5μm以上になると耐電圧が向上し、距離Aが3.0μm以上になると耐電圧がさらに向上することがわかる。
【0053】
また、距離Bが0.5μm以上になると耐電圧が向上し、距離Aが3.0μm以上になると耐電圧がさらに向上することがわかる。
また、絶縁膜49aの厚さが0.1μm以上になると耐電圧が向上し、厚さが0.5μm以上3.0μm以下である場合には、耐電圧がさらに向上することがわかる。
【0054】
このため、距離Aを、0.5μm以上、さらに好適には、3.0μm以上としても良い。また、距離Bを、0.5μm以上、さらに好適には、3.0μm以上としても良い。また、厚さを、0.1μm以上、さらに好適には、0.5μm以上3.0μm以下としても良い。
【0055】
[効果]
上部電極49bと下部電極49dに電圧を印可すると、PZT膜49cにおける上部電極49bの下側の部分は、上方に膨らむように(上部電極49bを上方に持ち上げるように)屈曲する。
【0056】
しかし、本実施形態の圧電薄膜49によれば、上部電極49bの外縁(換言すれば、上部電極49bとPZT膜49c上面との境界)の周辺が絶縁膜49aにより覆われているため、PZT膜49cにおける上部電極49bの外縁付近の部分の変位が抑制される。このため、PZT膜49cに電圧を印可すると、PZT膜49cは、上部電極49bの中央部分を上方に持ち上げるように屈曲するようになり、PZT膜49cが変位する際に内部に生じる応力が全体に分散される(
図4参照)。
【0057】
したがって、PZT膜49cに高い電圧を印可して大きな変位を生じさせても、PZT膜49cに亀裂等が生じ難くなり、PZT膜49cの耐電圧が向上する。
また、本実施形態の圧電薄膜49によれば、上部電極49bの上面の中央部分は、絶縁膜49aに覆われていない。これにより、上部電極49bの中央部分の下方ではPZT膜49cの変位が妨げられず、圧電薄膜49全体を適度に変位させることができる。
【0058】
また、エピタキシャル成長により生成された単結晶のPZT膜49cは、多結晶PZT膜に比べ耐電圧が高いため、変位時の上部電極49bの外縁付近の応力が高くなる。そのため、外縁部分が起点となって絶縁破壊が生じ易くなる。このため、本実施形態のような絶縁膜49aを設け、PZT膜49cの耐電圧を向上させるのが好適である。
【0059】
[他の実施形態]
(1)本実施形態では、圧電薄膜49の絶縁膜49aは、上部電極49bの外縁を全て覆った状態で配されているが、絶縁膜49aは、外縁の一部を覆った状態で配されていても良い。
【0060】
また、本実施形態では、上部電極49bに1つの開口領域が形成されるように絶縁膜49aが配されているが、上部電極49bに複数の開口領域が形成されるように絶縁膜49aが配されていても良い。
【0061】
なお、このような場合においても、上部電極49bの外縁から、各開口領域に形成される内側縁部までの水平方向の距離を、3.0μm以上(或いは0.5μm以上)とすることが考えられる。
【0062】
また、絶縁膜49aは、上部電極49bを全て覆った状態で配されていても良い。また、絶縁膜49aは、上部電極49bを全て覆うと共に、上部電極49bの中央部分(その外縁から所定距離を隔てた領域)の上方に位置する部分の厚さを、他の部分よりも薄くしても良い。
【0063】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(2)また、本実施形態では、圧電薄膜49の絶縁膜49aは、外側縁部が全て下部電極49dに達した状態で配されている。
【0064】
しかしながら、絶縁膜49aは、外側縁部の全てがPZT膜49cの上面に位置する状態で配されていても良い(
図5参照)。さらに、このような場合においても、本実施形態と同様、上部電極49bの外縁から外側縁部までの水平方向の距離Bを、3.0μm以上(或いは0.5μm以上)としても良い。
【0065】
また、絶縁膜49aは、外側縁部が、下部電極49dとPZT膜49cの側面及び上面に位置する状態で配されていても良いし、外側縁部が、PZT膜49cの側面及び上面に位置する状態で配されていても良い。
【0066】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(3)また、本実施形態では、上部電極49bは、PZT膜49cの上面の中央部分に配されていると共に、PZT膜49cは、下部電極49dの中央部分に配されている。
【0067】
しかしながら、これに限らず、上部電極49bを、その外縁の一部がPZT膜49cの上面の縁部に接した状態で配置しても良い。また、PZT膜49cを、その外縁の全部又は一部が下部電極49dの縁部に接した状態で配置しても良い。
【0068】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(4)また、本実施形態の圧電薄膜49は、光走査装置1の圧電アクチュエータとして構成されているが、これに限らず、例えば、インクジェット式記録ヘッド等に用いられる圧電アクチュエータとして構成されていても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0069】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0070】
圧電薄膜49が圧電素子の一例に、Ti/SiO
2層49e及び基板49fが支持部の一例に、PZT膜49cが圧電膜の一例に相当する。