【実施例1】
【0014】
始めに、実施例1のテーブル10の構成について、
図1〜
図9を用いて説明する。本実施例のテーブル10は、
図1〜
図9に示すように、自動車のシート1に展開・収納可能に備えられた構成となっている。ここで、上記シート1は、着座者の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を有し、シートクッション3の左右両側部に上方側に立壁上に延びる支持台4を備えた構成となっている。上記各支持台4は、その上面部がアームレスト5となっており、着座者が肘掛けとして利用することができるようになっている。
【0015】
上述したテーブル10は、物載せとなるテーブル本体11と、テーブル本体11を上述したシート1の左側部に設けられた支持台4に対して動かせる状態に連結するテーブル移動装置10Mと、を備えた構成となっている。ここで、上記シート1の左側部に設けられた支持台4が本発明の「ベース」に相当する。具体的には、上述したテーブル移動装置10Mは、テーブル本体11を、支持台4の内部に収納した収納位置(
図4〜
図6に示す位置)と、着座者の前部に水平姿勢の状態に展開させた使用位置(
図1〜
図3に示す位置)と、の間で移動させることができるようになっている。
【0016】
上述したテーブル移動装置10Mは、
図1〜
図3に示すように、テーブル本体11を支持台4に対して支持する支持アーム12を備えた構成となっている。上述した支持アーム12は、
図3、
図6及び
図9に示すように、矩形状の平板部材によって構成されており、その一端側の縁部が上述した支持台4の内部において第1の回転軸12Aにより回転可能に連結され、他端側の縁部が第2の回転軸12Bによりテーブル本体11の底部に回転可能に連結された状態とされている。
【0017】
また、上述した支持アーム12は、
図1〜
図2に示すように、その先端側寄りの中間部箇所が、第3の回転軸12Cにより中折れ状に面外方向に回転できる状態とされた構成となっている。これにより、支持アーム12は、上述したテーブル本体11を支持台4の内部からシート内側上方に斜めの角度姿勢で引き出した後、上記第3の回転軸12Cまわりの中折れ回転によってテーブル本体11を水平姿勢の使用位置の状態に倒し込むことができる構成となっている。
【0018】
ここで、上述した第1の回転軸12Aは、
図2、
図5及び
図8に示すように、上述した支持台4の内部において、その軸方向がシート外側上方に斜めに延びる向きに設けられた状態とされている。また、第2の回転軸12Bは、上述した支持アーム12が中折れ回転する前の平板状態において、上述した第1の回転軸12Aと平行な状態となる向きに設けられた状態とされている。このような構成となっていることにより、支持アーム12は、支持台4に対してシート外側に斜めに傾けられた姿勢状態で、上述した第1の回転軸12Aを中心に、支持台4の内部に収められた収納位置(
図4〜
図6参照)と、支持台4のシート内側に張り出す形に引き出された展開位置(
図7〜
図9)と、の間で斜めに回転することができるように設けられた状態とされている。また、上述した支持アーム12は、上述した支持台4に対して、上述した支持台4の内部に収められた収納位置(
図4〜
図6参照)と、支持台4のシート内側の側面部に形成された開口部4Aからシート内側に張り出す形に引き出された展開位置(
図7〜
図9)と、の間の90度の角度範囲でのみ回転可能となるように、これらの間に設けられた図示しないストッパ構造によって回動範囲が規制された状態とされている。
【0019】
上述した支持アーム12は、
図4〜
図6に示すように、上述した支持台4の内部において、上述した第1の回転軸12Aと第2の回転軸12Bとが前後方向に真っ直ぐに並んだ状態として、その板長方向が前後方向に真っ直ぐに向けられた状態に収納されるようになっている。そして、上記支持アーム12は、上記支持台4内部の収納位置状態から、
図7〜
図9に示すように、第1の回転軸12Aを中心にシート内側前方に向かって90度回転して、その板長方向がシート内側上方に向かって斜めに真っ直ぐに向けられた状態に展開されるようになっている。この展開回転により、支持アーム12は、後にテーブル本体11を水平姿勢に落とし込む際の回転軸となる第3の回転軸12Cがアームレスト5より高い位置まで引き上げられた状態とされるようになっている。
【0020】
テーブル本体11は、
図1〜
図3に示すように、矩形状の平板部材によって構成されており、その裏面側の中間部に、上述した支持アーム12の第3の回転軸12Cのまわりに中折れ可能とされた先端部が一体的に連結された状態とされている。これにより、テーブル本体11は、上述した支持アーム12に対して、第3の回転軸12Cを中心に首振り運動することができる状態とされている。具体的には、テーブル本体11は、
図1〜
図2に示すように、上述した支持アーム12が支持台4の内部からシート内側上方に斜めに引き出された展開状態において、支持アーム12の上部に形状を重ねた斜めの傾斜位置と、上記傾斜位置から水平角度まで落とし込まれた使用位置と、の間で、支持アーム12に対して第3の回転軸12Cのまわりに首振り運動(起倒回転)することができる状態とされている。
【0021】
上述したテーブル本体11は、詳しくは、その水平姿勢の使用位置に展開された状態において横幅方向の中央部よりシート外側寄りの位置で支持アーム12の先端部と連結された構成となっている。これにより、テーブル本体11は、支持アーム12が上述した斜めの角度姿勢まで展開されることにより、自重によって自然と水平姿勢の使用位置まで落とし込まれるようになっている。また、上記設定により、テーブル本体11は、上記水平姿勢の使用位置に落とし込まれた状態においても、その自重作用によって、上述した傾斜位置へ跳ね上げられにくい状態に保たれやすい構成とされている。
【0022】
上述したテーブル本体11は、上記水平姿勢の使用位置の状態まで落とし込まれることにより、支持アーム12の第3の回転軸12Cまわりに中折れ回転する先端部の底面が支持アーム12の本体部に形成された係止部12Dに当たって、その落とし込み方向の回転が係止されるようになっている。上述したテーブル本体11は、
図7〜
図9に示すように、上述した支持アーム12に対して、第2の回転軸12Bを中心に、支持アーム12の先端部から支持アーム12の第2の回転軸12Bから第1の回転軸12Aに向かう方向とは反対方向に向かって板長方向が延びる回転位置と、
図4〜
図6に示すように、支持アーム12の先端部から支持アーム12の第2の回転軸12Bから第1の回転軸12Aに向かう方向に向かって板長方向が延びる回転位置と、の間の180度の角度範囲でのみ回転可能となるように、これらの間に設けられた図示しないストッパ構造によって回動範囲が規制された状態とされている。
【0023】
このような構成となっていることにより、テーブル本体11は、上述した支持アーム12が支持台4の内部で前後方向に板長方向を向けて収納された状態となる時には、この支持アーム12と互いの板形状を高さ方向に重ね合わせる形で、その板長方向を前後方向に向けた状態として支持台4の内部に収納されるようになっている。このとき、テーブル本体11は、上述した支持アーム12が支持台4の内部でシート外側に斜めに傾けられた姿勢状態で収納されるようになっていることにより、同じくシート外側に斜めに傾けられた状態として支持台4の内部に収納されるようになっている。これにより、テーブル本体11は、支持台4の内部でシート幅方向にコンパクトな姿勢状態で収納されるようになっている。
【0024】
そして、上記テーブル本体11が上述した支持台4の内部に収納されている状態から、使用者がテーブル本体11をシート内側に引き込むように操作することにより、
図7〜
図9に示すように、テーブル本体11自体が第2の回転軸12Bのまわりに支持アーム12に対してシート内側に回転していくと共に、この動きに連れられて支持アーム12が第1の回転軸12Aのまわりに支持台4に対してシート内側に回転する。これにより、支持アーム12が支持台4から第1の回転軸12Aを中心にシート内側に向かって斜め上がりに真っ直ぐに延びる形に90度回転すると共に、テーブル本体11が上記シート内側上方に斜めに向けられる支持アーム12の先端部からその延長方向(シート内側上方)に更に延びる形に第2の回転軸12Bを中心にシート内側に180度回転する。これにより、テーブル本体11が支持台4から支持アーム12を介してシート内側に大きく張り出す形に展開された状態となる。
【0025】
そして、上記テーブル本体11は、上記のように支持アーム12と共に支持台4からシート内側上方に斜めに張り出す位置まで展開されることにより、上述したように支持アーム12の中折れする第3の回転軸12Cがアームレスト5より高い位置まで引き上げられることに伴って、アームレスト5よりも高い位置まで持ち上げられた状態となる。そして、上記テーブル本体11は、上記支持台4からシート内側上方に斜めに張り出す展開位置に展開されることにより、自重によって支持アーム12の第3の回転軸12Cを中心に水平角度まで落とし込まれて係止された状態となる(
図1〜
図3参照)。
【0026】
以上をまとめると、本実施例のテーブル10は次のような構成となっている。すなわち、本実施例のテーブル10は、物載せとなるテーブル本体11と、テーブル本体11をベース(支持台4)に対して支持アーム12を介して動かせる状態に連結するテーブル移動装置10Mと、を有する。支持アーム12は、ベース(支持台4)に対して第1の回転軸12Aにより回転可能に連結されると共にテーブル本体11に対して第2の回転軸12Bにより回転可能に連結された状態とされ、その回転移動に伴ってテーブル本体11を所定の収納位置と展開位置との間で移動させるようになっている。テーブル本体11の展開移動及び収納移動は、支持アーム12のベース(支持台4)に対する第1の回転軸12Aまわりの回転と、テーブル本体11の支持アーム12に対する第2の回転軸12Bまわりの回転とが、互いに相反する方向に行われて、支持アーム12とテーブル本体11とを第2の回転軸12Bまわりに互いに屈伸運動させる態様で行われ、収納位置ではテーブル本体11とベース(支持台4)とが互いの成す角を閉じて形状を重ね合わせた収納状態となり、展開位置ではテーブル本体11と支持アーム12とが互いの成す角を開いた展開状態となる構成とされている。
【0027】
このような構成となっていることにより、テーブル本体11の収納状態では、テーブル本体11と支持アーム12とが互いの形状を重ねるため、収納スペースを嵩張らせないようにすることができる。なおかつ、テーブル本体11の展開状態では、支持アーム12とテーブル本体11とが互いの成す角を開くため、テーブル本体11をベース(支持台4)から遠くの位置まで展開移動させることができる。
【0028】
また、テーブル本体11がベース(支持台4)内に収納された状態では、第2の回転軸12Bがベース(支持台4)内の第1の回転軸12Aの後側に前後方向に並んで配置される構成とされている。このような構成となっていることにより、テーブル本体11は、ベース(支持台4)内の収納位置から支持アーム12を前側の第1の回転軸12Aのまわりにシート内側へ回転させながら、支持アーム12の後側の第2の回転軸12Bのまわりにシート内側へ回転する態様で展開される。したがって、テーブル本体11を着座者から遠い軌跡を通るように回転移動させることができながら、より前方側の位置に展開させることができる。
【0029】
また、テーブル本体11がベース(支持台4)内で外側下がりに傾斜した姿勢状態で収納され、シート幅方向の内側への展開移動により斜めに上がりながら展開される構成となっている。このような構成となっていることにより、支持アーム12を長くしてテーブル本体11をベース(支持台4)内の収納位置からより高い位置に展開させられるようにしても、テーブル本体11の収納スペースを嵩張らせないようにすることができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。
【0031】
例えば、テーブル本体は、ベースに対して、水平方向の回転のみによって所定の収納位置と展開位置との間で回転移動される構成であってもよい。また、上記実施例では、ベースが乗物用シートの側部箇所に設定され、テーブル本体がベース内に収納された位置からシート幅方向の内側に展開される構成とされ、テーブル本体がベース内に収納された状態では、第2の回転軸がベース内の第1の回転軸の後側に前後方向に並んで配置される構成とされたものを示したが、第2の回転軸が第1の回転軸の前側に前後方向に並んで配置される構成とされたものであってもよい。また、テーブル本体がベース内で内側下がりに傾斜した姿勢状態で収納され、シート幅方向の内側への展開移動により斜めに下がりながら展開される構成となっているものであってもよい。また、テーブル移動装置は、支持アームやテーブル本体が直角や180度の回転以外の回転角でテーブル本体を展開・収納させる構成であってもよい。