(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の撮像画素のカラーフィルタの前記位相差検出画素と隣接する方向の幅は、前記第2の撮像画素のカラーフィルタに比べて、前記カラーフィルタのプロセスばらつきの平均値に標準偏差の3倍を加算した値以上短い
ように構成された
請求項1に記載の固体撮像素子。
前記第1の撮像画素の遮光膜の前記位相差検出画素と隣接する側の前記位相差検出画素と隣接する方向の幅は、前記第2の撮像画素の遮光膜に比べて、前記カラーフィルタのプロセスばらつきの平均値に標準偏差の3倍を加算した値以上長い
ように構成された
請求項4に記載の固体撮像素子。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施の形態>
(固体撮像素子の一実施の形態の構成例)
図1は、本技術を適用した固体撮像素子の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0026】
図1の固体撮像素子41は、図示せぬ半導体基板上に、タイミング制御部42、垂直走査回路43、画素アレイ部44、定電流源回路部45、参照信号生成部46、カラムAD変換部47、水平走査回路48、水平出力線49、および出力回路50が設けられることにより構成される。
【0027】
タイミング制御部42は、所定の周波数のマスタクロックに基づいて、所定の動作に必要なクロック信号やタイミング信号を垂直走査回路43および水平走査回路48に供給する。例えば、タイミング制御部42は、画素51のシャッタ動作や読み出し動作のタイミング信号を垂直走査回路43および水平走査回路48に供給する。また、図示は省略されているが、タイミング制御部42は、所定の動作に必要なクロック信号やタイミング信号を、参照信号生成部46、カラムAD変換部47などにも供給する。
【0028】
垂直走査回路43は、画素アレイ部44の垂直方向に並ぶ各画素51に、順次、所定のタイミングで、画素信号の出力を制御する信号を供給する。
【0029】
画素アレイ部44には、複数の画素51が2次元アレイ状(行列状)に配置されている。
【0030】
2次元アレイ状に配置されている複数の画素51は、水平信号線52により、行単位で垂直走査回路43と接続されている。換言すれば、画素アレイ部44内の同一行に配置されている複数の画素51は、同じ一本の水平信号線52で、垂直走査回路43と接続されている。なお、
図1では、水平信号線52について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。
【0031】
また、2次元アレイ状に配置されている複数の画素51は、垂直信号線53により、列単位で水平走査回路48と接続されている。換言すれば、画素アレイ部44内の同一列に配置されている複数の画素51は、同じ一本の垂直信号線53で、水平走査回路48と接続されている。
【0032】
画素アレイ部44内の各画素51は、水平信号線52を介して垂直走査回路43から供給される信号に従って、内部に蓄積された電荷に応じた画素信号を、垂直信号線53に出力する。画素51は、撮像用の画素または位相差検出用の画素として機能する。画素51の詳細な構成については、
図2等を参照して後述する。
【0033】
定電流源回路部45は複数の負荷MOS54を有し、一本の垂直信号線53に一つの負荷MOS54が接続されている。負荷MOS54は、ゲートにバイアス電圧が印加され、ソースが接地されており、垂直信号線53を介して接続される画素51内のトランジスタとソースフォロワ回路を構成する。
【0034】
参照信号生成部46は、DAC(Digital to Analog Converter)46aを有して構成されており、タイミング制御部42からのクロック信号に応じて、ランプ(RAMP)波形の基準信号を生成して、カラムAD変換部47に供給する。
【0035】
カラムAD変換部47には、画素アレイ部44の列ごとに一つとなる複数のADC(Analog-Digital Converter)55を有している。したがって、一本の垂直信号線53には、複数の画素51と、一個の負荷MOS54及びADC55が接続されている。
【0036】
ADC55は、同列の画素51から垂直信号線53を介して供給される画素信号を、CDS(Correlated Double Sampling;相関2重サンプリング)処理し、さらにAD変換処理する。
【0037】
ADC55それぞれは、AD変換後の画素データを一時的に記憶し、水平走査回路48の制御に従って、水平出力線49に出力する。
【0038】
水平走査回路48は、複数のADC55に記憶されている画素データを、順次、所定のタイミングで水平出力線49に出力させる。
【0039】
水平出力線49は出力回路(アンプ回路)50と接続されており、各ADC55から出力されたAD変換後の画素データは、水平出力線49を介して出力回路50から、固体撮像素子
41の外部へ出力される。出力回路50(信号処理部)は、例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正などの各種のデジタル信号処理が行われる場合もある。
【0040】
以上のように構成される固体撮像素子41は、CDS処理とAD変換処理を行うADC55が垂直列ごとに配置されたカラムAD方式と呼ばれるCMOSイメージセンサである。
【0041】
(画素の第1の構成例)
図2は、画素51の第1の構成例の等価回路を示している。
【0042】
画素51は、光電変換素子としてのフォトダイオード61、転送トランジスタ62、FD(フローティング拡散領域)63、リセットトランジスタ64、増幅トランジスタ65、及び選択トランジスタ66を有する。
【0043】
フォトダイオード61は、受光量に応じた電荷(信号電荷)を生成し、蓄積する光電変換部である。フォトダイオード61は、アノード端子が接地されているとともに、カソード端子が転送トランジスタ62を介して、FD63に接続されている。
【0044】
転送トランジスタ62は、転送信号TXによりオンされたとき、フォトダイオード61で生成された電荷を読み出し、FD63に転送する。
【0045】
FD63は、フォトダイオード61から読み出された電荷を保持する。リセットトランジスタ64は、リセット信号RSTによりオンされたとき、FD63に蓄積されている電荷が定電圧源VDDに排出されることで、FD63の電位をリセットする。
【0046】
増幅トランジスタ65は、FD63の電位に応じた画素信号を出力する。すなわち、増幅トランジスタ65は定電流源としての負荷MOS54とソースフォロワ回路を構成し、FD63に蓄積されている電荷に応じたレベルを示す画素信号が、増幅トランジスタ65から選択トランジスタ66を介してADC55に出力される。
【0047】
選択トランジスタ66は、選択信号SELにより画素51が選択されたときオンされ、画素51の画素信号を、垂直信号線53を介してADC55に出力する。転送信号TX、リセット信号RST、および選択信号SELは、水平信号線52(
図1)を介して垂直走査回路43から供給される。
【0048】
(画素アレイ部の第1の構造例)
図3は、画素アレイ部44の第1の構造例を示す図である。
【0049】
図3において、
図3Aは、画素アレイ部44の第1の構造例を示す上面概略図であり、
図3Bは、
図3A中のA-A´断面図である。なお、
図3では、画素アレイ部44のうちの5×6の画素51のフォトダイオード61の領域についてのみ図示している。これらのことは、後述する
図4、
図7、
図8、
図10乃至
図18、および
図20乃至
図26においても同様である。また、
図3Aでは、オンチップレンズは図示していない。このことは、後述する
図4、
図7乃至
図18、および
図20乃至
図27においても同様である。
【0050】
図3Aに示すように、画素アレイ部44の各画素51は、基本的に、ベイヤ配列の撮像用の画素となっており、一部の撮像用の画素が、位相差検出用の画素に置換されている。なお、以下では、画素51のうちの位相差検出用の画素を特に区別する場合、位相差検出画素81という。
【0051】
位相差検出画素81のフォトダイオード61は、オプティカルブラック領域81aと白色(W)の光を撮像する開口領域81bとにより構成される。開口領域81bによる撮像の結果得られる画素信号に対応する画像データは、図示せぬ外部の装置において位相差の検出に用いられる。検出された位相差は、合焦判定などに用いられる。
【0052】
また、以下では、画素51のうちの位相差検出画素81のオプティカルブラック領域81aが配置される側と反対の側、即ち開口領域81bが配置される側(
図3B中右側)に隣接する撮像用の画素を特に区別する場合、第1の撮像画素82という。さらに、画素51のうちの第1の撮像画素82以外の撮像用の画素を特に区別する場合、第2の撮像画素83という。
【0053】
図3Bに示すように、各画素51のフォトダイオード61には、透明膜90が形成される。透明膜90上の形成物は、画素51の種類によって異なる。
【0054】
具体的には、位相差検出画素81の透明膜90上のオプティカルブラック領域81aの全面と開口領域81bのうちの他の画素51との境界部分に対応する領域には、それぞれ、遮光膜91a、遮光膜91bが形成される。また、遮光膜91aおよび遮光膜91bが形成された位相差検出画素81の透明膜90を覆うように、オンチップレンズ92が形成される。
【0055】
このオンチップレンズ92は、外部からの光を位相差検出画素81のフォトダイオード61に集光する機能だけでなく、白色のカラーフィルタとしても機能する。ここでは、オンチップレンズ92は、白色のカラーフィルタとしても機能するが、オンチップレンズ92の他に白色のカラーフィルタが設けられるようにしてもよい。
【0056】
第1の撮像画素82の透明膜90上の他の画素51との境界部分には、遮光膜93が形成される。遮光膜93が形成された第1の撮像画素82の透明膜90上には、さらに、赤色,緑色,または青色(
図3Bでは赤色)のカラーフィルタ94が形成される。また、遮光膜93およびカラーフィルタ94が形成された第1の撮像画素82の透明膜90を覆うように、オンチップレンズ95が形成される。オンチップレンズ95は、外部からの光を第1の撮像画素82のフォトダイオード61に集光する。
【0057】
第2の撮像画素83の透明膜90上の他の画素51との境界部分には、遮光膜96が形成される。遮光膜96が形成された第2の撮像画素83の透明膜90上には、さらに、赤色,緑色,または青色(
図3Bでは赤色または緑色)のカラーフィルタ97が形成される。また、遮光膜96およびカラーフィルタ97が形成された第2の撮像画素83の透明膜90を覆うように、オンチップレンズ98が形成される。オンチップレンズ98は、外部からの光を第2の撮像画素83のフォトダイオード61に集光する。
【0058】
固体撮像素子41では、カラーフィルタ94の面積がカラーフィルタ97の面積より小さい。具体的には、第1の撮像画素82のカラーフィルタ94の位相差検出画素81と第1の撮像画素82との隣接方向である水平方向の幅L1が、第2の撮像画素83のカラーフィルタ97の幅L1´に比べて短い。幅L1と幅L1´の差分は、例えば、カラーフィルタ94のプロセスばらつきの平均値に標準偏差σの3倍を加算した値(以下、ばらつき値という)以上にすることができる。
【0059】
カラーフィルタ94のプロセスばらつきは、カラーフィルタ94(97)のリソ工程(フォトリソグラフィ)に起因し、リソ工程を行う装置、リソ工程に用いる光源の波長などに依存する。例えば、リソ工程の光源としてi線を用いる場合、ばらつき値は、数十nmから百数十nm程度となる。リソ工程の光源としては、i線のほか、KrFやArFなどがある。
【0060】
また、
図3Aに示すように、第1の撮像画素82のカラーフィルタ94は、垂直方向に並ぶ第2の撮像画素83(例えば、
図3Aの赤色の第1の撮像画素82の下の緑色の第2の撮像画素83)のカラーフィルタ97と、位相差検出画素81と隣接する側と反対の側(
図3Bでは右側)の位置が同一である。
【0061】
さらに、
図3Bに示すように、遮光膜93の面積は、遮光膜96の面積より大きい。具体的には、第1の撮像画素82の遮光膜93のうちの位相差検出画素81と隣接する側の水平方向の幅L2は、第2の撮像画素83の遮光膜96の幅L2´に比べて長い。幅L2と幅L2´の差分は、例えば、ばらつき値以上にすることができる。
【0062】
このように、遮光膜93の面積が遮光膜96の面積より大きいので、カラーフィルタ94の面積がカラーフィルタ97の面積より小さいことにより、カラーフィルタ94を介さない光が第1の撮像画素82のフォトダイオード61に入射されることを防止することができる。
【0063】
また、上述したように、カラーフィルタ94の面積はカラーフィルタ97に比べて小さい。従って、
図4に示すように、赤色のカラーフィルタ94およびカラーフィルタ97がプロセスばらつきにより図中左下方向にずれた場合であっても、カラーフィルタ94を介した光が開口領域81bに入射することを防止することができる。
【0064】
即ち、
図4Aは、赤色のカラーフィルタ94およびカラーフィルタ97がプロセスばらつきにより図中左下方向にずれた場合の
図3の画素アレイ部44の上面概略図であり、
図4Bは、
図4A中のA-A´断面図である。
【0065】
赤色のカラーフィルタ97がプロセスばらつきにより
図4A中左下方向にずれた場合、
図4Bに示すように、赤色のカラーフィルタ97は、隣接する緑色のカラーフィルタ97の遮光膜96が形成されていない領域上にも形成される。従って、緑色の第2の撮像画素83のフォトダイオード61には、緑色のカラーフィルタ97を介した光だけでなく、赤色のカラーフィルタ97と緑色のカラーフィルタ97を介した光も入射する。
【0066】
しかしながら、第2の撮像画素83の遮光膜96が形成されていない領域の面積は大きいため、赤色のカラーフィルタ97と緑色のカラーフィルタ97の両方を介することによる第2の撮像画素83の感度の低下の影響は少ない。また、赤色のカラーフィルタ97と緑色のカラーフィルタ97の両方を介して入射する光の量は少ないため、混色の影響も少ない。
【0067】
一方、カラーフィルタ94の幅L1は、カラーフィルタ97の幅L1´に比べて小さいため、赤色のカラーフィルタ94は、
図4A中左下方向に移動しても、遮光膜91bが形成されていない領域上には形成されない。従って、赤色のカラーフィルタ94によってオンチップレンズ92を介した光が妨げられずにそのまま開口領域81bに入射するため、感度の低下が抑制される。また、赤色のカラーフィルタ94を介した光が、開口領域81bには入射されず、混色が抑制される。
【0068】
ここで、開口領域81bの面積は、第2の撮像画素83の遮光膜96が形成されない領域に比べて小さい。従って、ただ単に各画素51のカラーフィルタの面積を小さくした場合、位相差検出画素81の感度が低下し、位相差検出精度が悪化する。よって、固体撮像素子41では、第1の撮像画素82のカラーフィルタ94の面積のみを小さくする。これにより、位相差検出画素81の感度を低下させることなく、位相差検出画素81における混色を抑制することができる。
【0069】
また、位相差検出画素81のカラーフィルタの色は白色である。従って、オンチップレンズ92と赤色のカラーフィルタ94の両方を介した光がフォトダイオード61に到達する場合、フォトダイオード61に到達する光の量は、赤色のカラーフィルタ97と緑色のカラーフィルタ97の両方を介して到達する場合に比べて大きく、混色の影響が大きい。従って、位相差検出画素81における混色の抑制による効果は大きい。
【0070】
なお、上述したように、遮光膜93の面積は、遮光膜96に比べて大きいので、第1の撮像画素82の感度は、第2の撮像画素83に比べて低下する。従って、出力回路50は、第1の撮像画素82により得られる画素データに対して、例えば、オンチップレンズ95とオンチップレンズ98により集光される光が同一である場合に第1の撮像画素82と第2の撮像画素83の画素データが同一となるようにゲインを乗算する(ゲイン補正を行う)。
【0071】
また、位相差検出画素81の透明膜90上の遮光膜が形成されない領域では、光が乱反射し、その光の一部が第1の撮像画素82に入射される。その結果、第1の撮像画素82において混色が発生する。従って、出力回路50は、第1の撮像画素82の画素データに対して混色補正を行う。
【0072】
図4では、プロセスばらつきにより赤色のカラーフィルタ94および97がずれた場合について説明したが、緑色や青色のカラーフィルタ94および97がずれた場合についても同様に、位相差検出画素81における感度の低下と混色を抑制することができる。
【0073】
(遮光膜の形状の例)
図5は、
図3の画素アレイ部44における遮光膜91aおよび91b,93、並びに96の形状の例を示す上面概略図である。なお、
図5は、
図3AのA−A´の位置の5×1の画素の遮光膜を表している。
【0074】
図5Aに示すように、
図3の画素アレイ部44の位相差検出画素81の遮光膜91aおよび91bは、例えば、遮光膜が形成されない開口部101が長方形になるように形成される。また、遮光膜93は、遮光膜が形成されない開口部102が長方形になるように形成され、遮光膜96は、遮光膜が形成されない開口部103の形状が正方形になるように形成される。
【0075】
なお、
図5Bに示すように、開口部101および開口部102の形状が楕円形になり、開口部103の形状が円形になるように、遮光膜91aおよび91b,93、並びに96が形成されるようにしてもよい。開口部101乃至103の形状は、勿論、
図5Aや
図5Bの形状に限定されず、台形や三角形などであってもよい。
【0076】
(画素アレイ部の製造方法)
図6は、
図3の画素アレイ部44のうちのフォトダイオード61の領域の製造方法を説明する図である。
【0077】
図6Aに示すように、まず、図示せぬ導波路を有するフォトダイオード61が半導体基板に形成される。次に、
図6Bに示すように、透過率の高い、SiO
2膜、SiN膜、TIOx膜などの無機膜が、透明膜90として、フォトダイオード61上に形成される。なお、透明膜90は、有機膜であってもよい。例えば、カラーフィルタ94(97)やオンチップレンズ92(95,98)の有機材料、シロキサンなどであってもよい。
【0078】
次に、
図6Cに示すように、フォトリソグラフィとドライエッチにより、透明膜90上に遮光膜91aおよび91b、93、並びに96が形成される。
【0079】
そして、
図6Dに示すように、フォトリソグラフィとドライエッチにより、透明膜90上に緑色のカラーフィルタ94および97が形成される。次に、
図6Eに示すように、フォトリソグラフィとドライエッチにより、透明膜90上に赤色のカラーフィルタ94および97が形成され、その後青色のカラーフィルタ94および97が形成される。最後に、
図6Fに示すように、各画素51の透明膜90を覆うようにオンチップレンズ92,95,98が形成される。
【0080】
以上のように、固体撮像素子41は、第1の撮像画素82のカラーフィルタ94の面積を第2の撮像画素83のカラーフィルタ97の面積より小さくする。従って、カラーフィルタ94のプロセスばらつきにより、カラーフィルタ94がずれた場合の位相差検出用の画素における混色や感度低下を抑制することができる。
【0081】
これに対して、遮光膜91bの他の画素51との隣接方向の幅を広くすることにより混色を抑制することもできる。しかしながら、この場合、開口部101が狭くなるため、感度が低下する。位相差検出画素81の開口部101は、第1の撮像画素82や第2の撮像画素83に比べて小さいため、感度の低下の影響は大きく、例えば、暗所の撮影時に位相差を検出することができなくなる場合がある。
【0082】
なお、上述した説明では、位相差検出画素81の開口領域81bが配置される側に隣接する画素51を第1の撮像画素82としたが、位相差検出画素81と垂直方向に隣接する画素51を第1の撮像画素82にすることができる。
【0083】
この場合、第1の撮像画素82のカラーフィルタ94の位相差検出画素81と隣接しない側の位置が、水平方向に並ぶ第2の撮像画素83と同一であるように、カラーフィルタ94が配置される。そして、第1の撮像画素82のカラーフィルタ94の位相差検出画素81と隣接する方向の幅は、カラーフィルタ97に比べて小さい。これにより、位相差検出画素81と垂直方向に隣接する第1の撮像画素82のカラーフィルタ94のプロセスばらつきによる位相差検出画素81の感度の低下および混色を抑制することができる。
【0084】
また、位相差検出画素81の開口領域81bが配置される側に隣接する画素51と、位相差検出画素81と垂直方向に隣接する画素51の両方を、第1の撮像画素82にすることもできる。
【0085】
(画素アレイ部の第2の構造例)
図7は、画素アレイ部44の第2の構造例を示す図である。
【0086】
図7に示す構成のうち、
図3の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0087】
図7の画素アレイ部44の構成は、遮光膜91bの代わりに遮光膜111が設けられる点が
図3の構成と異なる。
図7の画素アレイ部44は、遮光膜91bより面積の大きい遮光膜111を設けることにより、第1の撮像画素82における混色を抑制する。
【0088】
具体的には、遮光膜111は、位相差検出画素81の透明膜90上の開口領域81bのうちの他の画素51との境界部分に対応する領域に形成される。遮光膜111の面積は、遮光膜91bより大きい。遮光膜111の水平方向の幅は、遮光膜96の位相差検出画素81と隣接する側の水平方向の幅に比べて大きい。
【0089】
遮光膜111は、位相差検出画素81の透明膜90上の遮光膜が形成されない領域において乱反射された光を遮光し、その光が第1の撮像画素82のフォトダイオード61に入射することを防止する。その結果、第1の撮像画素82における混色を抑制することができる。
【0090】
(画素アレイ部の第3の構造例)
図8は、画素アレイ部44の第3の構造例を示す概略上面図である。
【0091】
図8に示す構成のうち、
図3の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0092】
図8の画素アレイ部44の構成は、オプティカルブラック領域81a、開口領域81b、カラーフィルタ94、遮光膜93の代わりに、オプティカルブラック領域111a、開口領域111b、カラーフィルタ112、遮光膜112aが設けられる点が、
図3の構成と異なる。
図8の画素アレイ部44では、開口領域111bの上から見た形状が正方形であり、位相差検出画素81と水平方向および垂直方向に隣接する画素51が第1の撮像画素82となる。
【0093】
具体的には、開口領域111bは、位相差検出画素81のフォトダイオード61の領域を4分割した1つの領域であり、オプティカルブラック領域111aは、残りの3つの領域である。
【0094】
位相差検出画素81と水平方向に隣接する第1の撮像画素82のカラーフィルタ112の垂直方向の位置は、その位相差検出画素81の開口領域111bと異なっている。即ち、開口領域111bがフォトダイオード61の右上または左上の領域である場合、カラーフィルタ112は、第1の撮像画素82のフォトダイオード61の下側に配置される。また、開口領域111bがフォトダイオード61の右下または左下の領域である場合、カラーフィルタ112は、第1の撮像画素82のフォトダイオード61の上側に配置される。
【0095】
また、位相差検出画素81と垂直方向に隣接する第1の撮像画素82のカラーフィルタ112の水平方向の位置は、その位相差検出画素81の開口領域111bと異なっている。即ち、開口領域111bがフォトダイオード61の右上または右下の領域である場合、カラーフィルタ112は、第1の撮像画素82のフォトダイオード61の左側に配置される。また、開口領域111bがフォトダイオード61の左上または左下の領域である場合、カラーフィルタ112は、第1の撮像画素82のフォトダイオード61の右側に配置される。
【0096】
カラーフィルタ112の位相差検出画素81と隣接する方向の幅は、第2の撮像画素83のカラーフィルタ94に比べて短くなっている。また、カラーフィルタ112は、位相差検出画素81と隣接する方向に垂直な方向に並ぶ第2の撮像画素83のカラーフィルタ94と、位相差検出画素81と隣接する側と反対の側の位置が同一である。
【0097】
なお、
図8の例では、垂直方向に並ぶ開口領域111bの垂直方向の位置が同一であり、水平方向の位置が異なるようにしたが、
図9に示すように、垂直方向に並ぶ開口領域111bの水平方向の位置が同一であり、垂直方向の位置が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、
図9に示すように、水平方向に並ぶ開口領域111bの垂直方向の位置が同一であり、水平方向の位置が異なるようにされる。このようにすることにより、位相差検出画素81の画素信号を用いて水平方向と垂直方向の位相差を検出することができる。
【0098】
(画素アレイ部の第4の構造例)
図10は、画素アレイ部44の第4の構造例を示す図である。
【0099】
図10に示す構成のうち、
図3の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0100】
図10の画素アレイ部44の構成は、位相差検出画素81にカラーフィルタ121が設けられる点が
図3の構成と異なる。
図10の画素アレイ部44は、位相差検出画素81を位相差検出用の画素としてだけでなく、撮像用の画素としても用いる。
【0101】
具体的には、カラーフィルタ121は、遮光膜91aおよび遮光膜91bが形成された開口領域81bに対応する透明膜90上に形成される。
図10の例では、カラーフィルタ121の色は緑色(G)である。これにより、位相差検出画素81の画素データは、位相差検出に用いるだけでなく、緑色の撮像用の画素の画素データとしても用いることができる。
【0102】
なお、開口部101は、開口部102や開口部103に比べて小さいため、位相差検出画素81の感度は、第1の撮像画素82や第2の撮像画素83に比べて低い。従って、位相差検出画素81により得られる画素データがそのまま緑色の撮像用の画素の画素データとして用いられる場合、暗所の撮影時に画素データが精度良く得られない場合がある。よって、出力回路50は、位相差検出画素81により得られる画素データに対して、例えば、オンチップレンズ92とオンチップレンズ98により集光される光が同一である場合に位相差検出画素81と第2の撮像画素83の画素データが同一となるようにゲインを乗算してもよい(ゲイン補正を行ってもよい)。
【0103】
また、
図10では、カラーフィルタ121の色は、緑色であるようにしたが、赤色や青色であってもよい。
【0104】
(画素アレイ部の第5の構造例)
図11は、画素アレイ部44の第5の構造例を示す図である。
【0105】
図11に示す構成のうち、
図3の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0106】
図11の画素アレイ部44の構成は、遮光膜96(91a,91b,93)の下に絶縁膜141と遮光膜142が設けられる点が、
図3の構成と異なる。
【0107】
絶縁膜141は、遮光膜142を覆うように設けられる。遮光膜142は、画素51の境界の遮光膜96(91a,91b,93)の下に、透明膜90とフォトダイオード61を貫通するように設けられる。従って、遮光膜142と遮光膜96(91a,91b,93)は、絶縁膜141を介して接続している。
【0108】
なお、
図12に示すように、遮光膜142はフォトダイオード61のみを貫通するように設けられ、遮光膜142と遮光膜96(91a,91b,93)は分断されるようにしてもよい。また、遮光膜142は設けられなくてもよい。
【0109】
(画素アレイ部の第6の構造例)
図13は、画素アレイ部44の第6の構造例を示す図である。
【0110】
図13に示す構成のうち、
図3の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0111】
図13の画素アレイ部44の構成は、遮光膜96(91a,91b,93)の下に遮光膜161または162が設けられる点が、
図3の構成と異なる。
【0112】
遮光膜161は、第2の撮像画素83の間の境界、および、第2の撮像画素83と位相差検出画素81の間の境界に、透明膜90とフォトダイオード61を貫通するように設けられる。一方、遮光膜162は、位相差検出画素81と第1の撮像画素82の間の境界に、透明膜90とフォトダイオード61を貫通するように設けられる。
【0113】
また、遮光膜162の水平方向の幅L12は、遮光膜161の水平方向の幅L11に比べて大きい。具体的には、
図13の例では、遮光膜91bの下の遮光膜162の水平方向の幅は、遮光膜96(91a,93)の下の遮光膜161の水平方向の幅と同一であるが、遮光膜93の下の遮光膜162の水平方向の幅は、遮光膜96(91a,93)の下の遮光膜161の水平方向の幅より大きい。
【0114】
なお、
図14に示すように、遮光膜93の下の遮光膜162の水平方向の幅は、遮光膜96(91a,93)の下の遮光膜161の水平方向の幅と同一であるが、遮光膜91bの下の遮光膜162の水平方向の幅が、遮光膜96(91a,93)の下の遮光膜161の水平方向の幅より大きいことにより、遮光膜162の水平方向の幅L12は、遮光膜161の水平方向の幅L11に比べて大きくなるようにしてもよい。また、遮光膜161(162)は、絶縁膜で覆われてもよい。
【0115】
また、上述した説明では、画素アレイ部44の各画素51の配列がベイヤ配列である場合について説明したが、画素アレイ部44の各画素51の配列は、ベイヤ配列に限定されない。例えば、画素アレイ部44の各画素51の配列は、2×2の画素51ごとに同一の色が割り当てられる配列(以下、2×2画素配列という)であってもよい。
【0116】
(画素アレイ部の第7の構造例)
図15は、各画素51の配列が2×2画素配列である場合の画素アレイ部44の第1の構造例を示す図である。
【0117】
図15に示す構成のうち、
図3や
図11の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0118】
図15Aに示すように、各画素51の配列が2×2画素配列である場合、例えば、2×2の緑色の画素51のうちの1つの画素51が、位相差検出と撮像の両方に用いられる位相差検出画素181に置換される。また、位相差検出画素181に隣接する緑色の画素が、第1の撮像画素182とされる。さらに、
図15の例では、緑色の画素51のうちの位相差検出画素181と第1の撮像画素182以外の画素51、並びに、赤色および青色の画素51が、第2の撮像画素183とされる。
【0119】
位相差検出画素181、第1の撮像画素182、および第2の撮像画素183の構成は、隣接する同一の色の画素51どうしでカラーフィルタ191を共有する点、および、第2の撮像画素183どうしの境界には絶縁膜141、遮光膜142、および遮光膜96が設けられない点を除いて、
図11の位相差検出画素81、第1の撮像画素82、第2の撮像画素83の構成と同一である。
【0120】
従って、第1の撮像画素182の遮光膜93の面積は、第2の撮像画素183の遮光膜96の面積より大きい。よって、位相差検出画素181と第1の撮像画素182との混色を抑制し、S/N比を向上させることができる。その結果、固体撮像素子の感度の低下を抑制することができる。
【0121】
位相差検出画素181と第1の撮像画素182の境界には、遮光膜142が設けられるので、位相差検出画素181において第1の撮像画素182に対応する光が受光され、混色が発生することを抑制することができる。
【0122】
なお、
図15の例では、位相差検出画素181は、位相差検出と撮像の両方に用いられたが、
図16に示すように、位相差検出にのみ用いられるようにしてもよい。この場合、位相差検出画素181には、カラーフィルタ191は設けられない。即ち、位相差検出画素181は、白色の光を撮像する。
【0123】
また、
図16の例では、緑色の画素51が位相差検出画素181にされたが、
図17に示すように、赤色の画素51が位相差検出画素181にされるようにしてもよい。この場合、位相差検出画素181に隣接する赤色の画素51が、第1の撮像画素182とされる。同様に、
図15の例において、赤色の画素51が位相差検出画素181にされるようにしてもよい。
【0124】
また、
図18に示すように、2×2の緑色の画素51のうちの垂直方向に並ぶ2つの画素51が、位相差検出と撮像の両方に用いられる位相差検出画素181に置換されるようにしてもよい。この場合、残りの2つの緑色の画素51が第1の撮像画素182にされる。
【0125】
(画素間の電気配線の例)
図19は、各画素51の配列が2×2画素配列である場合の画素51間の電気配線の例を示す図である。
【0126】
なお、
図19では、緑色の画素51について説明するが、赤色および青色の画素51についても同様である。
【0127】
図19Aに示すように、緑色の2×2の画素51が全て第2の撮像画素183である場合、第2の撮像画素183のそれぞれは電気配線201により互いに接続される。
【0128】
一方、画素アレイ部44の構造が
図15や
図16の構造である場合、
図19Bや
図19Cに示すように、第1の撮像画素182と第2の撮像画素183は電気配線202により互いに接続されるが、位相差検出画素181には独立して電気配線203が設けられる。
【0129】
また、画素アレイ部44の構造が
図18の構造である場合や、
図18において位相差検出画素181が位相差検出にのみ用いられる構造である場合、
図19Dや
図19Eに示すように、第1の撮像画素182どうし、および、位相差検出画素181どうしが、それぞれ、電気配線204,205により互いに接続される。
【0130】
以上のように、電気配線は、位相差検出画素181と位相差検出画素181以外との間で分けられる。
【0131】
なお、
図15乃至
図18の例では、画素51ごとにオンチップレンズが設けられるようにしたが、オンチップレンズは、隣接する同一の色の画素51の間で共有されるようにしてもよい。
【0132】
この場合、
図15の場合と同様に、2×2の緑色の画素51のうちの1つの画素51が、位相差検出と撮像の両方に用いられる位相差検出画素181に置換されるとき、
図20に示すように、例えば、2×2の同一の色の画素51においてオンチップレンズ211が共有される。
【0133】
また、
図16の場合と同様に、位相差検出画素181が位相差検出にのみ用いられる場合、例えば、
図21に示すように、2×2の同一の色または白色の画素51においてオンチップレンズ211が共有される。
【0134】
さらに、
図17の場合と同様に、赤色の画素51が位相差検出画素181にされる場合、例えば、
図22に示すように、2×2の同一の色の画素51においてオンチップレンズ211が共有される。また、2×2の赤色または白色の画素51のうちの3つの赤色の画素51において、オンチップレンズ212が共有される。位相差検出画素181は、単独でオンチップレンズ92を有する。
【0135】
また、
図18の場合と同様に、2×2の緑色の画素51のうちの垂直方向に並ぶ2つの画素51が、位相差検出と撮像の両方に用いられる位相差検出画素181に置換される場合、例えば、
図23に示すように、2×2の同一の色の画素51のうちの水平方向に隣接する2つの画素51において、オンチップレンズ213が共有される。
【0136】
さらに、2×2の緑色の画素51のうちの垂直方向に並ぶ2つの画素51が、位相差検出にのみ用いられる位相差検出画素181に置換される場合、例えば、
図24に示すように、2×2の同一の色の第2の撮像画素183のうちの水平方向に隣接する2つの第2の撮像画素183において、オンチップレンズ213が共有される。また、2つの位相差検出画素181と第1の撮像画素182からなる2×2の緑色の画素51は、それぞれ単独でオンチップレンズ92(95)を有する。
【0137】
なお、この場合、
図25に示すように、例えば、2×2の同一の色または白色の画素51のうちの水平方向に隣接する2つの画素51において、オンチップレンズ213が共有されるようにしてもよい。上述したオンチップレンズの共有化は一例であり、オンチップレンズが共有される画素51の組み合わせは、上述した例に限定されない。
【0138】
また、画素アレイ部44の各画素51の配列は、
図26に示すように、緑色、赤色、青色、白色が市松配置された配列であってもよい。この場合、位相差検出画素81は、位相差検出と撮像の両方に用いられる。なお、
図15乃至
図18および
図26の遮光膜142は設けられなくてもよい。
【0139】
また、画素アレイ部44の各画素51の配列は、
図27に示すように、配列方向を通常の配列方向に対して45度回転させたクリアビット配列であってもよい。この場合、位相差検出画素181の上下左右の画素51が同一の色となるため、位相差検出画素181における混色は非常に少ない。
【0140】
(画素の第2の構成例)
図28は、画素51の第2の構成の等価回路を示している。
【0141】
図28の画素51は、電子式のグローバルシャッタ機能を実現する画素である。なお、
図28において、
図2と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0142】
第2の構成の画素51は、上述した第1の構成の画素51と比較すると、転送トランジスタ62とFD63との間に、電荷を転送するもう一つの転送トランジスタ231と、FD63に電荷を転送する前に一時的に電荷を保持するメモリ部(MEM)232をさらに備える。以下では、転送トランジスタ62を第1転送トランジスタ62と称し、転送トランジスタ231を第2転送トランジスタ231と称する。
【0143】
また、第2の構成の画素51では、フォトダイオード61に、不要な電荷を排出するための排出トランジスタ233が新たに接続されている。
【0144】
図28の画素51の動作について簡単に説明する。
【0145】
まず、露光開始前に、Highレベルの排出信号OFGが排出トランジスタ233に供給されることにより排出トランジスタ233がオンされ、フォトダイオード61に蓄積されている電荷が定電圧源VDDに排出され、フォトダイオード61がリセットされる。
【0146】
フォトダイオード61のリセット後、排出トランジスタ233が、Lowレベルの排出信号OFGによりオフされると、全画素で露光が開始される。
【0147】
予め定められた所定の露光時間が経過すると、画素アレイ部44の全画素において、第1の転送信号TX1により第1転送トランジスタ62がオンされ、フォトダイオード61に蓄積されていた電荷が、メモリ部232に転送される。
【0148】
第1転送トランジスタ62がオフされた後、各画素51のメモリ部232に保持されている電荷が、行単位に、順次、ADC55に読み出される。読み出し動作は、上述した第1の構成と同様であり、読出し行の画素51の第2転送トランジスタ231が第2の転送信号TX2によりオンされ、メモリ部232に保持されている電荷が、FD63に転送される。そして、選択トランジスタ66が選択信号SELによりオンされことで、FD63に蓄積されている電荷に応じたレベルを示す信号が、増幅トランジスタ65から選択トランジスタ66を介してADC55に出力される。
【0149】
(固体撮像素子の各部の配置例)
図29は、固体撮像素子41の各部の配置例を示す図である。
【0150】
固体撮像素子41の画素アレイ部44、制御回路251、およびロジック回路252は、例えば、
図29A乃至
図29Cに示す第1乃至第3の配置のいずれかで半導体基板に設けられる。制御回路251は、例えば、タイミング制御部42、垂直走査回路43、定電流源回路部45、参照信号生成部46、カラムAD変換部47、および水平走査回路48からなる回路である。ロジック回路252は、例えば、出力回路50からなる回路である。
【0151】
図29Aに示すように、第1の配置では、画素アレイ部44、制御回路251、およびロジック回路252の全てが1つの半導体基板261に配置される。
【0152】
また、
図29Bに示すように、第2の配置では、積層される2つの半導体基板262と半導体基板263のうちの一方に画素アレイ部44と制御回路251が配置され、他方にロジック回路252が配置される。
図29Bの例では、画素アレイ部44と制御回路251は半導体基板262に配置され、ロジック回路252は半導体基板263に配置されている。
【0153】
図29Cに示すように、第3の配置では、積層される2つの半導体基板264と半導体基板265のうちの一方に画素アレイ部44が配置され、他方に制御回路251とロジック回路252が配置される。
図29Cの例では、画素アレイ部44は半導体基板264に配置され、制御回路251とロジック回路252は半導体基板265に配置されている。
【0154】
なお、上述した説明では、固体撮像素子41の半導体基板の層数は、1または2であったが、2以上であってもよい。
【0155】
また、固体撮像素子41において、各位相差検出画素81の遮光膜91aおよび91b(111)のサイズは、その位相差検出画素81の画素アレイ部44内の位置が中央から周辺に向かうにつれて段階的に変化するようにしてもよい。即ち、遮光膜91aおよび91b(111)のサイズを像高ごとに段階的に変化させるようにしてもよい。また、白色のカラーフィルタとして機能するオンチップレンズ92のサイズについても同様に、像高ごとに、段階的に変化させるようにしてもよい。
【0156】
このように、遮光膜91aおよび91b(111)並びにオンチップレンズ92のサイズを像高ごとに段階的に変化させ、瞳補正を行うことにより、混色特性や色シェーディング特性をより向上させることができる。
【0157】
なお、第1の撮像画素82の遮光膜93、第2の撮像画素83の遮光膜96、カラーフィルタ94、並びにカラーフィルタ97のサイズについても同様に、像高ごとに、段階的に変化させるようにしてもよい。
【0158】
<第2実施の形態の構成例>
(電子機器の一実施の形態の構成例)
図30は、本開示を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0159】
図30の撮像装置900は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等である。撮像装置900は、レンズ群901、固体撮像素子902、DSP回路903、フレームメモリ904、表示部905、記録部906、操作部907、および電源部908からなる。DSP回路903、フレームメモリ904、表示部905、記録部906、操作部907、および電源部908は、バスライン909を介して相互に接続されている。
【0160】
レンズ群901は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで固体撮像素子902の撮像面上に結像する。固体撮像素子902は、上述した固体撮像素子41からなる。固体撮像素子902は、レンズ群901によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号としてDSP回路903に供給する。
【0161】
DSP回路903は、固体撮像素子902から供給される画素信号に対して所定の画像処理を行い、画像処理後の画像信号をフレーム単位でフレームメモリ904に供給し、一時的に記憶させる。
【0162】
表示部905は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、フレームメモリ904に一時的に記憶されたフレーム単位の画素信号に基づいて、画像を表示する。
【0163】
記録部906は、DVD(Digital Versatile Dis
c)、フラッシュメモリ等からなり、フレームメモリ904に一時的に記憶されたフレーム単位の画素信号を読み出し、記録する。
【0164】
操作部907は、ユーザによる操作の下に、撮像装置900が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源部908は、電源を、DSP回路903、フレームメモリ904、表示部905、記録部906、および操作部907に対して適宜供給する。
【0165】
本技術を適用する電子機器は、画像取込部(光電変換部)に固体撮像装置を用いる電子機器であればよく、撮像装置900のほか、撮像機能を有する携帯端末装置、画像読取部に固体撮像装置を用いる複写機などがある。
【0166】
なお、固体撮像素子41はワンチップとして形成された形態であってもよいし、光学部等を含めてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
【0167】
本技術は、裏面照射型のCMOSセンサにも、表面照射型のCMOSセンサにも適用することができる。
【0168】
また、本技術は、特に高精細な固体撮像素子において有用である。即ち、高精細な固体撮像素子では、カラーフィルタ94のプロセスばらつきの大きさが開口領域81bの大きさに対して大きい。例えば、画素51のサイズが1.0μm×1.0μmである場合、ばらつき値が数十nmから百数十nm程度であるとすると、ばらつき値は、画素51のサイズの数%から数十%の割合を占める。従って、カラーフィルタ94のプロセスばらつきによる位相差検出画素81の混色や感度低下の影響が大きく、本技術による効果は大きい。
【0169】
さらに、上述した説明では、カラーフィルタ94、カラーフィルタ97、およびカラーフィルタ121の色は、赤色、緑色、または青色のいずれかであったが、白色、シアン、マジェンダなどの色であってもよい。
【0170】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0171】
また、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0172】
例えば、光電変換素子として、フォトダイオードではなく、有機光電変換膜であってもよい。また、カラーフィルタの代わりに、有機光電変換膜が用いられてもよい。この有機光電変換膜の詳細は、本出願人が先に出願した特開2011−29337号に記載されている。