(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示部により、物品の返品状況に応じた顧客の問題顧客度を選択させるための顧客識別情報を有する問題顧客度判断表と、返品された前記物品の状態を選択させるための状態選択表とを表示する工程と、
選択受付部により、前記問題顧客度判断表からの前記問題顧客度の選択と、前記状態選択表からの前記物品の状態の選択とを受け付ける工程と、
第1の情報送受信部により、情報管理サーバーとの間で情報の送受信を行い、前記選択受付部によって受け付けられた前記問題顧客度を示す問題顧客度情報と前記物品の状態を示す物品状態情報とを前記情報管理サーバーに送信する工程とを管理者端末を制御するためのコンピューターに実行させ、
第2の情報送受信部により、前記管理者端末及び顧客端末との間で情報の送受信を行い、前記問題顧客度情報と前記物品状態情報とを受信する工程と、
顧客管理部により、前記第2の情報送受信部が受信した前記問題顧客度情報の前記問題顧客度を、前記顧客データベースの前記顧客情報に対応する前記問題顧客度に加算して、前記顧客データベースの登録内容を更新する工程と、
顧客評価部により、前記問題顧客度の累積値に基づいて前記顧客の評価を行う工程と、
物品管理部により、前記物品状態情報に基づき前記物品の品質のランク分けを行い、前記物品状態情報に基づいて前記物品データベースの前記返品された物品の物品管理番号に該当する登録内容を更新する工程と、
物品決定部により、前記ランク分けされた物品の中から、前記顧客評価部による前記顧客の評価に対する物品を前記物品データベースから抽出して、前記顧客に提供すべき物品として決定する工程とを前記情報管理サーバーを制御するためのコンピューターに実行させる
ことを特徴とする物品提供プログラム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の物品提供システムの一実施形態を、
図1〜
図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明においての物品提供システムによる顧客に提供される物品は、衣類であるものとする。
【0020】
まず、
図1に示すように、物品提供システムは、EC(electronic commerce)サイトサーバー10、管理者端末40、顧客端末50を備えている。また、ECサイトサーバー10と顧客端末50とはインターネット60を介して接続されている。
【0021】
ECサイトサーバー10は、たとえば物品(本実施形態では衣類)の通信販売を運営するECサイトの管理者が管理するものであり、顧客に関する顧客情報が登録される顧客管理データベース(以下、顧客管理DBという)20と、物品に関する物品情報が登録される物品管理データベース(以下、物品管理DBという)30とを備えている。
【0022】
なお、顧客管理DB20には、顧客の購入履歴や顧客の評価などが登録されている。なお、顧客の識別は、後述の会員登録受付画面で住所、氏名、連絡先などが入力された際に発行される、顧客識別情報であるたとえばID番号によって行われる。また、物品管理DB30には、物品に関する種類別の価格情報や在庫情報、在庫毎の品質状態に応じてランク分けされた物品情報などが登録されている。これらの情報は、返品、修復、管理状況などで物品の品質が変化するたびに更新される。なお、物品の識別は、後述の物品管理番号を用いて行われる。
【0023】
管理者端末40は、ECサイトサーバー10の管理を行うものである。また、管理者端末40は、主に物品の返品状況に応じた顧客の問題顧客度の選択や、返品された物品の状態の選択などを行う際に用いられる。顧客端末50は、物品の購入を希望する顧客が使用するものである。顧客端末50としては、インターネット60上のECサイトを閲覧できるものであればよく、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯端末などを用いることがきる。
【0024】
次に、
図2を参照し、ECサイトサーバー10及び管理者端末40の詳細について説明する。まず、ECサイトサーバー10と管理者端末40とは、ネットワーク70を介して接続されている。ネットワーク70としては、LAN、無線LAN、インターネットなどの回線網を用いることができる。
【0025】
ECサイトサーバー10は、制御部11、I/F(インターフェース)12を備えている。制御部11は、図示しないROM内のプログラムに基づき、ECサイトサーバー10全体の動作を制御するものであり、通信管理部11a、顧客管理部11b、顧客評価部11c、物品管理部11d、物品決定部11e、メモリー11fを備えている。
【0026】
第2の情報送受信部である通信管理部11aは、I/F12を介して管理者端末40からのたとえば問題顧客度(Hard Customer Level、以下、HCLという)を示すHCL情報と物品の状態を示す物品状態情報とを受け付ける。また、通信管理部11aは、顧客端末50の要求に応じて物品のサイズや見本に関する画面(webページ)などを提供する。なお、その画面(webページ)には、会員登録受付画面や発注画面なども含まれている。
【0027】
顧客管理部11bは、会員登録受付画面で住所、氏名、連絡先などが入力されると、顧客識別情報であるID番号やパスワードを発行する。また、顧客管理部11bは、顧客の物品の購入状況に応じて顧客管理DB20の登録内容を更新する。顧客評価部11cは、管理者端末40からの問題顧客度(Hard Customer Level、以下、HCLという)の累積値に基づき顧客の評価を行う。なお、顧客評価部11cによって評価された内容は、顧客管理DB20に登録される。
【0028】
物品管理部11dは、管理者端末40からの物品の状態を示す物品状態情報などに基づき、物品管理DB30の登録内容を更新する。物品決定部11eは、顧客からの物品の購入の要望があると、後述の
図5に示す評価表の顧客HCL評価を参照し、顧客に提供すべき物品を決定する。メモリー11fには、管理者端末40からの物品の状態を示す物品状態情報などが記憶される。I/F12は、ネットワーク70を介して管理者端末40、顧客端末50との間でのデータの送受信を可能としている。
【0029】
一方、管理者端末40は、制御部41、操作部42、表示部43、I/F(インターフェース)44を備えている。制御部41は、図示しないROM内のプログラムに基づき、管理者端末40全体の動作を制御するものであり、通信管理部41a、操作受付部41b、メモリー41cを備えている。
【0030】
第1の情報送受信部である通信管理部41aは、I/F44を介してECサイトサーバー10の顧客評価部11cによる顧客の評価を示す情報や、顧客管理DB20及び物品管理DB30に登録されている各種情報を受け付ける。
【0031】
選択受付部である操作受付部41bは、操作部42による選択を受け付ける。メモリー41cには、通信管理部41aによって受け付けられた各種情報などが記憶される。操作部42は、HCLや物品状態などを選択する際に操作されるものであり、たとえばキーボードで構成されている。表示部43は、後述のHCL判断表や状態選択表などを表示する。I/F44は、ネットワーク70を介してECサイトサーバー10との間でのデータの送受信を可能としている。
【0032】
次に、
図3〜
図5を参照し、顧客の評価などを行う際の具体例について説明する。まず、顧客から返品された物品の状態は、たとえば、
図3に示す物品影響表のように分類することができる。すなわち、区分3aに示すように、返品された物品でも新品扱いで販売可能なものがある。これは、物品に対してのダメージが殆どない場合に相当する。
【0033】
これに対し、区分3bに示すように、要フルクリーニング、要色あせ修復、要シミ抜き、要におい抜き、要ほつれ修復とされるものがある。また、区分3cに示すように、穴空き又は破れとされるものがある。また、区分3dに示すように、廃棄又はアウトレット行きとされるものがある。
【0034】
なお、区分3bに示す、要フルクリーニング、要色あせ修復、要シミ抜き、要におい抜き、要ほつれ修復とされるものにおいて、それぞれの修復が可能であれば、区分3aに示す新品扱いで販売可能なものとすることが可能である。これに対し、区分3bに示す要フルクリーニング、要色あせ修復、要シミ抜き、要におい抜き、要ほつれ修復とされるものにおいて、それぞれの修復が不可能であれば、区分3dに示す廃棄又はアウトレット行きとされることもある。これらの判断は、ECサイトのスタッフによって行われるものとする。また、それぞれの区分3a〜3dは、物品のランク分けに用いることができる。
【0035】
ここで、管理者端末40による物品を返品した顧客のHCLの選択においては、たとえば
図4に示すHCL判断表が用いられる。また、管理者端末40による顧客のHCLの選択は、ECサイトのスタッフによって行われる。なお、
図4に示すHCL判断表は、あくまでも一例であり、状況に応じて適宜内容変更することが可能である。
【0036】
すなわち、HCL判断表には、ケースを示す項目4a、判断方法を示す項目4b、HCL値を示す項目4cが設けられている。また、HCL判断表には、チェックボックス4dが設けられており、マウスなどの操作により該当するチェックボックス4dにチェックを入れることができる。また、それぞれの項目4a〜4cは、たとえば(1)〜(5)に分けられている。なお、HCL値とは、上述した問題顧客度(Hard Customer Level)を示す値である。
【0037】
すなわち、ケースを示す項目4aは、例えば、下記の(1)〜(5)に示すようになっている。
(1)購入意欲はあり、把握しているメーカーを良く知っており、1品を購入したが、フィット等の問題で仕方なく返品した。
(2)購入意欲はあるが、サイズに不安があり、同じ物品で違うサイズを纏めて購入する顧客が、1品の購入を除き、返品した。
(3)購入意欲はあるが、サイズに不安があり、同じ物品で違うサイズを纏めて購入する顧客が、フィット等の問題で仕方なく全て返品した。
(4)始めから購入意欲はないが、サイズには不安なく、1物品を貸しレンタル感覚でアパレルEC物品を利用した顧客がレンタルの用を済ませ、1つの物品を返品した。
(5)始めから購入意欲はなく、サイズに不安があり、貸しレンタル感覚でアパレルEC物品を利用した顧客がレンタルの用を済ませ、全ての物品を返品した。
【0038】
また、判断方法を示す項目4b、例えば、下記の(1)〜(5)に示すようになっている。
(1)顧客の特定メーカーのリピーターであることの確認と、返品されてきた物品への悪影響度が少ない場合はこのケースと判断する。
(2)同じ物品のサイズ違いを返品している様子、返品されてきた物品への悪影響度が少ない場合はこのケースと判断する。
(3)同じ物品のサイズ違いを返品している様子と、全返品の返品具合と、返品されてきた物品への悪影響度が少ない場合はこのケースと判断する。
(4)返品されてきた物品への悪影響度が多い場合はこのケースと判断する。
(5)返品物品のうち、1つが悪影響度が多い場合はこのケースと判断する。
【0039】
また、HCL値を示す項目4cは、例えば、下記の(1)〜(5)に示すようになっている。
(1)0
(2)0.3
(3)0.4
(4)0.7
(5)1.2
【0040】
なお、上記(1)〜(5)におけるリスクとしては、物品の汚れや破れなどとなる。特に、(4)(5)については実際に物品を身にまとって外出しているため、物品の摩耗や汚れなどが激しくなるものと予想される。そのため、HCL値は(1)〜(3)に比べて高めに設定されている。また、上述したHCL値はあくまでも一例であり、適宜変更可能である。
【0041】
そして、管理者端末40による物品を返品した顧客のHCLの選択においては、上述したHCL判断表をディスプレイ(図示省略)に表示させ、ケースを示す項目4a及び判断方法を示す項目4bの内容を確認しつつ、上記の(1)〜(5)のいずれかを選ぶことになる。また、(1)〜(5)のいずれかの選択に際しては、該当するチェックボックス4dにマウスなどの操作によりチェックを入れることで、選択が完了する。なお、HCL判断表は、それぞれの顧客に対応しており、顧客識別情報であるID番号などを有している。
【0042】
以上のように、顧客からの物品の返品状況に応じて(1)〜(5)のいずれかが選択されると、該当する項目4cでのHCL値を示す情報がECサイトサーバー10に送信される。そして、ECサイトサーバー10の顧客管理部11bにより、顧客管理DB20の内容が更新される。この場合、管理者端末40からのHCL値が加算される。
【0043】
また、ECサイトサーバー10の顧客評価部11cによる顧客の評価は、
図5に示す評価表に従って行われる。すなわち、この評価表には、顧客HCL評価を示す項目5a、顧客の返品に関する行動を示す項目5b、仕様(補足説明)を示す項目5c、提供する購入品質レベル下限を示す項目5dが設けられている。
【0044】
ここで、顧客HCL評価を示す項目5aには、レベル5〜1の評価値が設けられている。これらのレベル5〜1は、上述した評価表の項目4cのHCL値の累積値によって決定されたものであり、説明の都合上、単にレベル5〜1までを示している。また、レベル5〜1を決定する際は、たとえば0〜1未満、1〜2未満、2〜3未満、3〜4未満、5以上とした閾値を設けておき、HCL値の累積値が0〜1未満であればレベル1とし、5以上であればレベル5とする。ここで、レベル5はHCL(問題顧客度)が最も高く、レベル1がHCL(問題顧客度)が最も低いことを示している。
【0045】
また、顧客の返品に関する行動を示す項目5bは、レベル5〜1のそれぞれの顧客の行動を示すものであり、例えば、次のようになっている。
(レベル5)
恣意的な返品の常習者
物品を販売不能にして返品した実績のある顧客
(レベル4)
恣意的な返品が見受けられるが、物品への悪影響は少ない顧客
(レベル3)
恣意的な返品が少々ある。
(レベル2)
恣意的な返品がない顧客(クーポン提供対象者)
(レベル1)
返品のない顧客(クーポン提供対象者)
【0046】
なお、レベル1、2でのクーポン提供対象者とは、サービスの一例としてクーポンを提供する顧客であることを示している。サービスについては、クーポンに限られるものではなく、粗品などのような他の品物であってもよい。
【0047】
また、仕様(補足説明)を示す項目5cは、例えば、次のようになっている。
・販売不能化の実績がレベル3以上の場合、このランクになる。
・このランクになると、返品のない購入実績を店が定めた閾値回数を連続で超えないとこ の評価のランクのままである。
【0048】
また、提供する購入品質レベル下限を示す項目5dは、顧客へのサービス内容を示すものであり、例えば、次のようになっている。
(レベル5)
企業が定めた最低限の品質レベル(返品されても品物・風評等の点で痛手でない物品を最有力者に提供)
(レベル4)
企業が定めた最低限の品質レベル(返品されても品物・風評等の点で痛手でない物品を最有力者に提供)
(レベル3〜1)
新品レベル(他の顧客と新品の取り合いになった場合は、HCL度数が低い顧客を優先して出荷履歴のない新品、新品扱いの物品の順で提供)
【0049】
なお、それぞれのレベル1〜5に対応する物品は、物品管理DB30にランク分けして登録されている。そして、顧客からの物品の購入の要望があると、ECサイトサーバー10の物品決定部11eが評価表を参照し、購入品質レベル下限を示す項目5dの内容に沿った物品を決定する。ここで決定された決定情報は、管理者端末40に送信される。よってECサイトのスタッフは、その決定情報の内容に沿った物品を顧客に提供する。
【0050】
なお、項目5aの顧客HCL評価の初期値はレベル1である。そして、たとえば顧客が物品を購入して、一切返品しなければその顧客の顧客HCL評価は高くなる。当然、返品すれば顧客HCL評価は低くなる。特に、レベル5の場合は、悪意があることから、悪意が改善されない限り、レベル5未満にはなれない。
【0051】
次に、
図6を参照し、管理者端末40による、
図4に示したHCL判断表に沿っての評価について説明する。なお、以下の説明においては、管理者端末40のディスプレイに
図4のHCL判断表が表示され、ECサイトのスタッフによってHCL判断表の(1)〜(5)のいずれかが選択されるものとする。この場合、(1)〜(5)に対応するチェックボックス4dにマウスなどの操作によりチェックが入れられる。また、HCL判断表には、顧客識別情報である顧客のID番号なども表示されているものとする。
【0052】
まず、HCL判断表のケースを示す項目4aのいずれかを選択するために、返品物品の評価が行われる(ステップS1)返品物品の評価の詳細については、後述する。そして、管理者端末40による顧客からの物品の返品状況の選択が行われる。この場合、ECサイトのスタッフは、ステップS1で行った返品物品の評価結果およびHCL判断表の内容を確認し、該当すると思われる(1)〜(5)に対応するチェックボックス4dにマウスなどの操作によりチェックを入れる。操作受付部41bは、チェックボックス4dへのチェックを受け付ける。これにより、返品ケース評価が行われる(ステップS2)。
【0053】
なお、HCL判断表のケースを示す項目4aにおいて、(1)〜(3)までが購入意欲のある顧客であり、(4)〜(5)までが購入意欲のない顧客とみなすことができる。また、判断方法を示す項目4bにおいて、(1)〜(3)までが返品されてきた物品への悪影響度が少ない場合であり、(4)が返品されてきた物品への悪影響度が多い場合であり、(5)が返品物品のうち、1つが悪影響度が多い場合である。よって、判断方法を示す項目4bの内容を参考にすることで、返品ケース評価を行うことができる。
【0054】
操作受付部41bがチェックボックス4dへのチェックを受け付けると、通信管理部41aがECサイトサーバー10側に操作受付部41bが受け付けたチェックを示す情報(返品ケースの番号)を送信する。ECサイトサーバー10の物品管理部11dは、後述の
図7に示す態選択表のチェック内容に基づき、物品管理DB30の内容を更新する(ステップS3)。また、ECサイトサーバー10の顧客管理部部11cは、HCL値を示す項目4cでの値を対応する顧客のHCL値に加算し、顧客管理DB20の内容を更新する(ステップS4)。
【0055】
以上のように、管理者端末40による顧客からの物品の返品状況の選択が完了すると、該当するHCL値を示す情報が通信管理部41aによりECサイトサーバー10に送信され、ECサイトサーバー10の顧客管理DB20の内容が更新される。
【0056】
次に、
図7を参照し、上述したステップS2での返品物品の評価の詳細について説明する。なお、返品された物品の状態のチェックを行う際、管理者端末40のディスプレイに
図7に示すような状態選択表が表示されるものとする。この状態選択表のたとえば右上には、たとえば物品管理番号と顧客のID番号が表示されている。
【0057】
また、状態選択表には、各種のチェック内容を示すチェック項目が設けられている。また、チェック項目には、チェックボックス8aが設けられている。また、状態選択表には、修復可能かどうかのチェックボックス8bと、最終判断のチェックボックス8cとが設けられている。そして、マウスの操作などによってそれぞれの該当するチェックボックス8a〜8cにチェックを入れることができる。
【0058】
まず、顧客から物品が返品されると、返品された物品の状態の目視確認によるチェックが行われる。ECサイトのスタッフは、目視確認の結果に基づき、状態選択表のチェックボックス8a〜8cにチェックを入れる。例えば、返品された物品が新品として販売可能、すなわち修復することなく販売可能の場合、ECサイトのスタッフは、チェックボックス8aの「新品扱いで販売可能」とチェックボックス8cの「新品扱いとする」にチェックを入れる。
【0059】
また、返品された物品にダメージがある場合、ECサイトのスタッフは、ダメージに該当するチェック項目のチェックボックス8a(「要フルクリーニング」、「要色あせ修復」、「要シミ抜き」、「要におい抜き」、「要ほつれ修復」、「穴空き、破れ」の1つまたは複数)にチェックを入れる。この場合、ECサイトのスタッフは、チェックボックス8aにチェックの入った項目について、修復可能かどうかを判断し、修復可能であれば該当するチェック項目のチェックボックス8bにチェックを入れる。さらに、ECサイトのスタッフは、最終判断(「廃棄」、「アウトレット行き」、または「新品扱いとする」)に該当するチェックボックス8cにチェックを入れる。
【0060】
なお、状態選択表へのチェックにおいては、ECサイトのスタッフの目視確認によって行われるが、これに限らず、たとえばゲームデバイスであるKinectによる布の状態観察による分析や、市販の匂いセンサーでの匂い検知を用いてもよい。
【0061】
以上のような返品された物品に対するチェックが完了すると、管理者端末40の操作受付部41bは、状態選択表へのチェックを受け付ける。管理者端末40の通信管理部41aは、捜査受付部41bが受け付けたチェックに該当する状態判断の情報をECサイトサーバー10に送信する。そして、ECサイトサーバー10の通信管理部11aは、管理端末40から送信された状態判断の情報を受信する。物品管理部11dが状態判断の情報に基づき、物品管理DB30の内容を更新する。この場合、物品管理番号に該当する内容が更新される。
【0062】
次に、
図8を参照し、ECサイトサーバー10側の処理について説明する。なお、以下に説明する処理は、顧客が物品の購入手続きを行った場合に実行される。まず、ECサイトサーバー10の顧客評価部11cが
図5に示した評価表の顧客HCL評価を参照する(ステップS20)。
【0063】
すなわち、顧客HCL評価は、上述したように、
図4に示したHCL判断表の項目4cに示すHCL値の累積値に応じて決定されたレベル5〜1のいずれかである。そして、ECサイトサーバー10の物品決定部11eが評価表の顧客HCL評価を示す項目5aのレベル5〜1のいずれかを参照し、顧客に提供する物品を決定する(ステップS21)。
【0064】
具体的には、物品決定部11eは、評価表の項目5aを参照して、顧客のHCL値に対応するレベルを判断する。物品決定部11eは、判断されたレベルに対する項目5dを参照して顧客に提供すべき物品が新品(出荷履歴のない物品または状態選択表で「新品扱い」にチェックが入った物品)かアウトレット品(状態選択表で「アウトレット行き」にチェックが入った物品)のいずれであるかを判断し、この判断結果に基づいて、物品管理DB30から、顧客に提供する物品を抽出する。上述したように、項目5aの顧客HCL評価において、レベル5〜3は問題顧客度が高く、レベル2〜1は問題顧客度が低いものとなっている。
【0065】
ここで、項目5aの顧客HCL評価がレベル5であれば、物品決定部11eが評価表の提供する購入品質レベル下限を示す項目5dの内容に従い、顧客に提供する物品を決定する。すなわち、レベル5に対するランク分けされた物品は、上述したように、企業が定めた最低限の品質レベル(返品されても品物・風評等の点で痛手でない物品を最有力者に提供)となっている。従って、物品決定部11eは、物品管理DB30から、アウトレット品を抽出する。
【0066】
また、項目5aの顧客HCL評価がレベル4であれば、物品決定部11eが評価表の提供する購入品質レベル下限を示す項目5dの内容に従い、顧客に提供する物品を決定する。すなわち、レベル4に対するランク分けされた物品は、上述したように、企業が定めた最低限の品質レベル(返品されても品物・風評等の点で痛手でない物品を最有力者に提供)となっている。従って、物品決定部11eは、物品管理DB30から、アウトレット品を抽出する。
【0067】
また、項目5aの顧客HCL評価がレベル3〜1であれば、物品決定部11eが評価表の提供する購入品質レベル下限を示す項目5dの内容に従い、顧客に提供する物品を決定する。すなわち、レベル3〜1に対するランク分けされた物品は、上述したように、新品レベル(他の顧客と新品の取り合いになった場合は、HCL度数が低い顧客を優先して出荷履歴のない新品、新品扱いの物品の順で提供)となっている。従って、物品決定部11eは、物品管理DB30から、新品を抽出する。
【0068】
そして、物品決定部11eによって物品が決定されると、この決定された物品の情報が管理者端末40に送信される。これにより、ECサイトのスタッフは、物品決定部11eによって決定された物品を顧客に提供することができる。
【0069】
このように、本実施形態では、管理者端末40側からHCL(問題顧客度)を示すHCL(問題顧客度)情報と物品の状態を示す物品状態情報とが送信され、情報管理サーバー(ECサイトサーバー10)側では、顧客管理部11bにより、HCL情報に基づいて顧客に関する顧客情報が登録される顧客データベース(顧客管理DB20)の登録内容が更新され、顧客評価部11cにより、HCL情報に基づいて顧客の評価が行われ、物品決定部11eにより、顧客評価部11cによる顧客の評価に基づき物品に関する物品情報が登録される物品管理DB30から顧客に提供すべき物品が決定される。
【0070】
なお、顧客評価部11cは、HCL値の累積値に基づき顧客の評価を行い、物品決定部11eは、顧客評価部11cによる顧客の評価に応じてランク分けされた物品のいずれかを決定する。
【0071】
これにより、物品決定部11eにより、顧客評価部11cによる顧客の評価に基づき物品管理DB30に登録されている顧客に提供すべき物品が決定されるので、返品された物品の状態を考慮しての顧客の見極めと、その顧客に提供すべきサービスの最適化を図ることができる。
【0072】
なお、本実施形態では、物品を衣類とした場合で説明したが、この例に限らず、靴や帽子などの他のアパレル物品であってもよいし、家電などの電化製品であってもよい。いずれにしても、通信販売が可能な物品であればよい。