特許第6233244号(P6233244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233244
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-172853(P2014-172853)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-48623(P2016-48623A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】大石 英史
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/015235(WO,A1)
【文献】 特開2013−175442(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/087959(WO,A1)
【文献】 特開2014−203754(JP,A)
【文献】 特開2015−5361(JP,A)
【文献】 特開2015−26523(JP,A)
【文献】 特開2015−106536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの並設方向の両側から前記複数の電池セルを挟持する一対のエンドプレートと、
前記一対のエンドプレートの少なくとも一方と電池セルとの間に挟持されるとともに前記電池セルの膨張に伴い弾性変形する弾性体と、
前記電池セルにおける端子が設けられた面に対向し、前記電池セルの並設方向に沿って並設されるとともに前記電池セルの膨張に伴って互いに前記並設方向に相対移動可能な第1のカバー部材及び第2のカバー部材を含むカバーと、
前記第1のカバー部材に固定される第1の電子部品と、
前記第2のカバー部材に固定される第2の電子部品と、
前記第1の電子部品と前記第2の電子部品とを電気的に接続する配線と、を備え、
前記配線は、前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材の前記並設方向への相対移動に対応して変形可能な撓み部を有しており、
前記カバーは、前記撓み部の姿勢を保持するように前記配線を支持する複数の支持部を有することを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記複数の支持部は、前記並設方向に対して交差する方向に互いにオフセット配置される第1の支持部及び第2の支持部を含み、
前記撓み部は、前記第1の支持部と前記第2の支持部との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1のカバー部材に前記第1の支持部が設けられるとともに、前記第2のカバー部材に前記第2の支持部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第1の支持部及び前記第2の支持部は、前記カバーの上面から立設する立設部を有しており、
前記配線は、前記第1の支持部の立設部に対して、前記カバーの上面における前記電池セルの並設方向と直交する方向の両端部である第1端部及び第2端部のうち、前記第1端部側に配策されるとともに、前記第2の支持部の立設部に対して、前記第2端部側に配策されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記複数の支持部は、
前記並設方向において前記第1の支持部に対して前記第2の支持部とは反対側に前記並設方向に沿って隣り合うように配置される第3の支持部と、
前記並設方向において前記第2の支持部に対して前記第1の支持部とは反対側に前記並設方向に沿って隣り合うように配置される第4の支持部とを含むことを特徴とする請求項
2〜請求項4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記複数の支持部に前記配線が支持されたときに前記配線に前記撓み部が設けられるように、前記配線の配策作業を補助する補助部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記補助部は、前記配線に設けられるとともに、各支持部に支持される位置を明示していることを特徴とする請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記補助部は、前記カバーに設けられるとともに、前記配線の配策経路を明示していることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並設された複数の電池セルを有する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、ケースを備え、そのケース内に電極組立体及び電解液が収容されている。電極組立体は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極とを絶縁するセパレータを有し、正極電極と負極電極との間にセパレータを介在した積層構造になっている。
【0003】
電池モジュールは、並設された複数の電池セルを有する。各電池セルは、電池セルの並設方向が、電極組立体における正極電極、負極電極及びセパレータの重なり方向である積層方向(以下、単に「電極組立体の積層方向」と記載する)と一致するように配列されている。また、電池モジュールは、複数の電池セルを電池セルの並設方向の両側から挟持する一対のエンドプレートを有する。さらに、電池モジュールには、例えば特許文献1に開示されているように、電池セルへの液体や埃の付着防止、電池セルの端子間のバスバー接続部分の絶縁及び保護等を目的として、電池セルのケースにおける端子が設けられた面を覆うカバーが設けられる場合がある。
【0004】
ところで、各電池セルは、使用していくにつれて膨張していく。具体的には、電池セルは充放電を繰り返すと、ケース内の電極組立体が、電極組立体の積層方向に膨張していく。この電極組立体の積層方向への膨張に伴って、ケースにおける電極組立体の積層方向に位置する側壁が押圧され、ケースが変形していく。このように、電池セルが膨張すると、一対のエンドプレートに荷重が加わってしまう虞がある。そこで、電池モジュールは、例えば、一対のエンドプレートの一方と電池セルとの間に挟持される弾性体を有する。これによれば、電池セルの使用に伴う電池セルの膨張が生じたときに、弾性体が弾性変形することによって、一対のエンドプレートに荷重が加わってしまうことが抑制される。
【0005】
また、カバーには、電池セルに設けられる接続部材が固定される場合がある。この場合、電池セルが膨張すると、接続部材が電池セルの並設方向に移動する。しかし、カバーが電池セルの並設方向に移動できないと、電池セルとカバーとの間で接続部材に応力が掛かり、接続部材が破損してしまう虞がある。そこで、電池モジュールは、弾性体と電池セルとの間に挟持されるとともにカバーに取り付けられる取付プレートを有する。これによれば、電池セルが膨張すると、接続部材、カバー及び取付プレートが一体となって電池セルの並設方向に移動する。これにより、電池セルとカバーとの間で接続部材に応力が掛かることが抑制され、接続部材が破損してしまうことが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−109152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、カバー上は、例えば、電池モジュール(電池セル)に異常等が生じた場合に放電の遮断等を行う監視ECUや電流センサ等の、複数の電子部品を搭載するスペースとして適している。複数の電子部品同士は、配線によって電気的に接続される。また、カバーは、電池セルの並設方向に沿って並設される第1のカバー部材及び第2のカバー部材を有する場合がある。そして、例えば、第1のカバー部材が接続部材と固定されるとともに取付プレートに取り付けられ、第2のカバー部材が一対のエンドプレートの他方に固定されている。このように、第1のカバー部材が第2のカバー部材に対して電池セルの並設方向に接離可能になっている場合がある。
【0008】
ここで、例えば、複数の電子部品の一つである第1の電子部品が、第1のカバー部材に固定されるとともに、複数の電子部品の一つである第2の電子部品が、第2のカバー部材に固定されているとする。第1の電子部品と第2の電子部品とを電気的に接続する配線は、第1のカバー部材と第2のカバー部材との間を跨ぐように延びている。
【0009】
このとき、電池セルが膨張して、接続部材、第1のカバー部材及び取付プレートが一体となって電池セルの並設方向に移動すると、第1のカバー部材が第2のカバー部材に対して離間することになる。すると、配線が、第1の電子部品と第2の電子部品との間で突っ張ってしまい、配線が断線してしまう虞がある。
【0010】
一方、第1のカバー部材が第2のカバー部材に対して離間しても、配線が第1の電子部品と第2の電子部品との間で突っ張ってしまうことが無いように、配線を予め十分に撓ませておくことが考えられる。しかし、配線を撓ませ過ぎると、配線がカバー上でバタつき易くなってしまい、配線の周りの電子部品等に配線が接触して配線が断線してしまう虞がある。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、配線が断線してしまうことを抑制することができる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する電池モジュールは、並設された複数の電池セルと、前記複数の電池セルの並設方向の両側から前記複数の電池セルを挟持する一対のエンドプレートと、前記一対のエンドプレートの少なくとも一方と電池セルとの間に挟持されるとともに前記電池セルの膨張に伴い弾性変形する弾性体と、前記電池セルにおける端子が設けられた面に対向し、前記電池セルの並設方向に沿って並設されるとともに前記電池セルの膨張に伴って互いに前記並設方向に相対移動可能な第1のカバー部材及び第2のカバー部材を含むカバーと、前記第1のカバー部材に固定される第1の電子部品と、前記第2のカバー部材に固定される第2の電子部品と、前記第1の電子部品と前記第2の電子部品とを電気的に接続する配線と、を備え、前記配線は、前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材の前記並設方向への相対移動に対応して変形可能な撓み部を有しており、前記カバーは、前記撓み部の姿勢を保持するように前記配線を支持する複数の支持部を有する。
【0013】
これによれば、配線に撓み部が無い場合に比べると、電池セルの膨張に伴って第1のカバー部材及び第2のカバー部材が互いに電池セルの並設方向に相対移動したときに、配線が第1の電子部品と第2の電子部品との間で突っ張ってしまうことを抑制することができる。また、配線は、複数の支持部によって撓み部の姿勢が保持されるように支持されているため、配線が支持部によって支持されていない場合に比べると、配線がカバー上でバタついてしまうことを抑制することができる。よって、配線が突っ張ったりバタついたりすることで、配線が断線してしまうことを抑制することができる。
【0014】
上記電池モジュールにおいて、前記複数の支持部は、前記並設方向に対して交差する方向に互いにオフセット配置される第1の支持部及び第2の支持部を含み、前記撓み部は、前記第1の支持部と前記第2の支持部との間に設けられていることが好ましい。これによれば、撓み部が形成し易くなり、配線の配策作業を容易なものとすることができる。
【0015】
上記電池モジュールにおいて、前記第1のカバー部材に前記第1の支持部が設けられるとともに、前記第2のカバー部材に前記第2の支持部が設けられていることが好ましい。
これによれば、電池セルの膨張に伴って第1のカバー部材及び第2のカバー部材が互いに電池セルの並設方向に相対移動したときに、配線と各支持部との間に摩擦力が生じて、配線が各支持部に対して摺動することができなかったとしても、配線が第1の電子部品と第2の電子部品との間で突っ張ってしまうことを抑制することができる。
【0016】
上記電池モジュールにおいて、前記第1の支持部及び前記第2の支持部は、前記カバーの上面から立設する立設部を有しており、前記配線は、前記第1の支持部の立設部に対して、前記カバーの上面における前記電池セルの並設方向と直交する方向の両端部である第1端部及び第2端部のうち、前記第1端部側に配策されるとともに、前記第2の支持部の立設部に対して、前記第2端部側に配策されていることが好ましい。
【0017】
これによれば、第1の支持部と第2の支持部とによって配線が支持され、配線が、第1の支持部の立設部に対して、第1端部側に配策されるとともに、第2の支持部の立設部に対して、第2端部側に配策されるため、配線が、第1端部及び第2端部のどちらに向けて移動しても、第1の支持部及び第2の支持部から脱落し難い。よって、配線がカバー上でバタついてしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0018】
上記電池モジュールにおいて、前記複数の支持部は、前記並設方向において前記第1の支持部に対して前記第2の支持部とは反対側に前記並設方向に沿って隣り合うように配置される第3の支持部と、前記並設方向において前記第2の支持部に対して前記第1の支持部とは反対側に前記並設方向に沿って隣り合うように配置される第4の支持部とを含むことが好ましい。
【0019】
これによれば、配線は、第1の支持部と第3の支持部との間で電池セルの並設方向に沿って延びるとともに、第1の支持部と第2の支持部との間で電池セルの並設方向に対して交差する方向に延び、さらに、第2の支持部と第4の支持部との間で電池セルの並設方向に沿って延びるように配策される。撓み部は、電池セルの並設方向に対して交差する方向に互いにオフセット配置された第1の支持部と第2の支持部との間で形成されている。よって、例えば、第1の支持部と第3の支持部との間や、第2の支持部と第4の支持部との間で撓み部を形成する場合に比べると、配線のバタつきを最小限に抑えながら撓み部を形成することができる。
【0020】
上記電池モジュールにおいて、前記複数の支持部に前記配線が支持されたときに前記配線に前記撓み部が設けられるように、前記配線の配策作業を補助する補助部を備えることが好ましい。これによれば、配線の配策作業を容易なものとすることができる。
【0021】
上記電池モジュールにおいて、前記補助部は、前記配線に設けられるとともに、各支持部に支持される位置を明示していることが好ましい。
これによれば、補助部によって明示された位置で各支持部によって配線を支持していくだけで、配線に撓み部を形成することができるため、配線の配策作業を容易なものとすることができる。
【0022】
上記電池モジュールにおいて、前記補助部は、前記カバーに設けられるとともに、前記配線の配策経路を明示していることが好ましい。
これによれば、補助部によって明示された配線の配策経路に沿って配線を配策していくだけで、配線に撓み部を形成することができるため、配線の配策作業を容易なものとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、配線が断線してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態における電池モジュールを示す斜視図。
図2】電池モジュールの断面図。
図3】(a)は電池セルの分解斜視図、(b)は電極組立体の分解斜視図。
図4】電池モジュールの分解斜視図。
図5】電池モジュールの分解斜視図。
図6】第1のカバー部材を示す斜視図。
図7】第2のカバー部材を示す斜視図。
図8】監視ECU、電流センサ及び配線を示す斜視図。
図9】弾性体が弾性変形する前の状態を示す電池モジュールの部分断面図。
図10】弾性体が弾性変形した状態を示す電池モジュールの部分断面図。
図11】第1のカバー部材が第2のカバー部材に対して離間する方向へ移動した状態を示す電池モジュールの上面図。
図12】別の実施形態における第1のカバー部材及び第2のカバー部材の一部分を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、電池モジュールを具体化した一実施形態を図1図11にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、電池モジュール10は、複数の電池セル11と、複数の伝熱プレート41とを有している。電池セル11及び伝熱プレート41は、電池ホルダ20に保持された状態で、交互に並設されている。複数の電池セル11及び伝熱プレート41は、電池セル11の並設方向の両側に設けられた一対のエンドプレートである第1のエンドプレート61及び第2のエンドプレート62によって挟持されている。以下の説明において、並設方向の両端の電池セル11のうち、一方を第1の電池セル11a、他方を第2の電池セル11bとして説明を行う。第1の電池セル11aは、第1のエンドプレート61と隣り合う電池セル11であり、第2の電池セル11bは、第2のエンドプレート62と隣り合う電池セル11である。
【0026】
図3(a)に示すように、電池セル11は、アルミニウム製のケース12を有し、ケース12には電極組立体13が収容されている。ケース12は、有底四角筒状のケース本体14と、ケース本体14の開口部を閉塞する矩形板状の蓋部材15とから構成されている。蓋部材15には、電池セル11同士を接続する接続部材(図示せず)が接続される端子16(正極端子及び負極端子)が設けられている。
【0027】
図3(b)に示すように、電極組立体13は、正極電極13aと負極電極13bとの間にセパレータ13cを介在して積層されてなる。正極電極13a及び負極電極13bは、金属箔に活物質が塗布されて構成される矩形状の活物質層13dと、金属箔の一端から突設されたタブ13eとからなる。なお、以下の説明において、正極電極13a、負極電極13b及びセパレータ13cの重なり方向を電極組立体13の積層方向とする。
【0028】
図2に示すように、電池セル11は、並設方向が電極組立体13の積層方向と一致するように複数並設されている。第1のエンドプレート61と第1の電池セル11aとの間には、平板状の弾性体31が挟持されている。弾性体31は、ゴムや、樹脂系のスポンジなどの弾性変形可能な材料からなる。また、弾性体31と第1の電池セル11aとの間には、平板状の取付プレート51が挟持されている。
【0029】
図4に示すように、電池ホルダ20は、矩形平板状の第1の被覆壁21を有している。第1の被覆壁21の長手方向両端には、第1の被覆壁21の厚み方向に延びる矩形平板状の第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23が設けられている。第1の被覆壁21、第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23に囲まれる領域は、電池セル11が収容される収容部Sとなる。
【0030】
第2の被覆壁22の長手方向第1端部22a(第1の被覆壁21が設けられる端部とは反対側の端部)と、第3の被覆壁23の長手方向第1端部23a(第1の被覆壁21が設けられる端部とは反対側の端部)には、各被覆壁22,23の短手方向第1端部22b、23bの間で延びる矩形平板状の第4の被覆壁24が設けられている。第4の被覆壁24は、厚み方向が被覆壁22,23の短手方向と一致し、長手方向が第2の被覆壁22と第3の被覆壁23の対向方向に一致する。そして、第4の被覆壁24の厚み方向及び長手方向に直交する方向が、第4の被覆壁24の短手方向となる。
【0031】
また、第4の被覆壁24の長手方向両端における第4の被覆壁24の短手方向の一端面上には、U字状をなすとともに、第4の被覆壁24の厚み方向に開口する端子収容部25がそれぞれ設けられており、各端子収容部25は、第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23に連設されている。
【0032】
第4の被覆壁24の短手方向の一端面上には、端子収容部25と隣り合って四角柱状の柱部材26が設けられている。柱部材26の軸は、被覆壁22,23の短手方向に延びている。柱部材26には、挿通孔26aが柱部材26の軸方向に貫通して設けられている。
【0033】
第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23の長手方向第1端部22a,23aには、各被覆壁22,23と連設され、各被覆壁22,23の長手方向に延びる矩形平板状の誘導部27が設けられている。また、第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23の長手方向第2端部22c,23cには、四角柱状の脚部28が設けられている。脚部28の軸は、被覆壁22,23の短手方向に延びている。脚部28には、挿通孔28aが脚部28の軸方向に貫通して設けられている。
【0034】
伝熱プレート41は、金属製の板材をL字状に屈曲させることで形成されている。伝熱プレート41は、矩形平板状の本体42と、本体42の長手方向一端から本体42の厚み方向に延びる屈曲部43とを有している。
【0035】
図5に示すように、取付プレート51は、矩形平板状の基部52を有している。基部52には、基部52の厚み方向の面に沿う方向に突出する突出部53,54が設けられている。具体的にいえば、基部52の短手方向の両端部の一方に二つの第1の突出部53が設けられ、他方に二つの第2の突出部54が設けられている。
【0036】
各第1の突出部53は、短手方向の端部の中央寄りに設けられており、基部52の長手方向において互いに間隔を空けて設けられている。各第1の突出部53には、厚み方向に貫通する第1の貫通孔55及び第2の貫通孔56が設けられている。第1の貫通孔55同士の間隔は、電池ホルダ20の柱部材26の挿通孔26a同士の間隔と同一間隔となっている。
【0037】
各第2の突出部54は、基部52の長手方向の両端部に設けられている。各第2の突出部54には、第3の貫通孔57が設けられている。第3の貫通孔57同士の間隔は、電池ホルダ20の脚部28の挿通孔28a同士の間隔と同一間隔となっている。
【0038】
第1のエンドプレート61は、矩形平板状のプレート基部63を有している。プレート基部63の短手方向の両端部からは、それぞれ、二つの第1のプレート突出部64と、二つの第2のプレート突出部65とが突出している。
【0039】
各第1のプレート突出部64には、厚み方向に貫通する第1のプレート貫通孔66が設けられている。第1のプレート貫通孔66同士の間隔は、電池ホルダ20の柱部材26の挿通孔26aの間隔と同一間隔となっている。各第2のプレート突出部65には、第2のプレート貫通孔67が設けられている。第2のプレート貫通孔67同士の間隔は、電池ホルダ20の脚部28の挿通孔28a同士の間隔と同一間隔となっている。
【0040】
図4に示すように、第2のエンドプレート62は、第1のエンドプレート61と同一形状である。このため、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。また、第2のエンドプレート62の各第1のプレート突出部64には、厚み方向に貫通する第3のプレート貫通孔68が設けられている。
【0041】
図2に示すように、電池セル11、伝熱プレート41、電池ホルダ20、取付プレート51及び弾性体31は、第1のエンドプレート61と第2のエンドプレート62とによって挟持されることで、一体化されている。第1のエンドプレート61の各プレート貫通孔66,67、電池ホルダ20の挿通孔26a,28a、取付プレート51の第1の貫通孔55、取付プレート51の第3の貫通孔57及び第2のエンドプレート62のプレート貫通孔66,67にはボルトBが挿通されている。ボルトBは、第1のエンドプレート61のプレート貫通孔66,67を貫通した位置でナットNに螺合されている。これにより、第1のエンドプレート61及び第2のエンドプレート62には、互いに近付く方向に荷重が作用し、これにより各部材が拘束されている。
【0042】
図1及び図2に示すように、電池モジュール10は、カバー70を有している。カバー70は、電池セル11のケース12における端子16が設けられた面(蓋部材15)と対向している。そして、カバー70は、ケース12における端子16が設けられた面を覆っている。カバー70は、電池ホルダ20の誘導部27間に配設されている。カバー70は、電池セル11の並設方向に沿って並設される第1のカバー部材71及び第2のカバー部材72を有している。
【0043】
図6に示すように、第1のカバー部材71は、矩形平板状の本体73を有している。本体73の長手方向の両端部には、本体73の厚み方向に立設する立設部74が設けられている。本体73には、厚み方向に貫通する貫通孔75が設けられている。貫通孔75は、本体73の一つの角部に寄って設けられている。本体73の厚み方向の面のうち立設部74が設けられた面には、平板状の固定板79が設けられている。固定板79は、貫通孔75の近傍に設けられている。固定板79には、インサート成形などによってナット80が埋設されている。
【0044】
本体73の厚み方向の面のうち、立設部74が設けられた面とは反対側の面には、四角柱状の固定部81が設けられている。固定部81は、短手方向の端部のうちの一方に二つ設けられている。固定部81は、本体73の長手方向に間隔を空けて設けられている。固定部81は、互いに対向する面とは反対側の面間の距離が、電池ホルダ20の柱部材26の互いに対向する面間の距離よりも短い。固定部81には、インサート成形などによってナット82が埋設されている。
【0045】
図7に示すように、第2のカバー部材72は、矩形平板状の本体76を有している。本体76の長手方向の両端部には、本体76の厚み方向に立設する立設部77が設けられている。本体76には、厚み方向に貫通する貫通孔78が設けられている。貫通孔78は、本体76の一つの角部に寄って設けられている。
【0046】
本体76の厚み方向の面のうち、立設部77が設けられた面とは反対側の面には、四角柱状の固定部83が設けられている。固定部83は、短手方向の端部のうちの一方に二つ設けられている。固定部83は、本体76の長手方向に間隔を空けて設けられている。固定部83には、インサート成形などによってナット84が埋設されている。各固定部83に埋設されたナット84同士の間隔(中心間距離)は、第2のエンドプレート62の第3のプレート貫通孔68同士の間隔と同一である。
【0047】
図1に示すように、第1のカバー部材71と第2のカバー部材72とは、貫通孔75,78が設けられた角が対角に位置するように配置されている。第1のカバー部材71は、第1のエンドプレート61寄りに位置し、第2のカバー部材72は、第2のエンドプレート62寄りに位置している。第1のカバー部材71の立設部74と、第2のカバー部材72の立設部77は、それぞれ、電池ホルダ20の誘導部27に沿って設けられている。第1のカバー部材71と第2のカバー部材72とは互いが固定されていないため、互いに電池セル11の並設方向に離間可能(相対移動可能)となっている。
【0048】
図1及び図2に示すように、第2のエンドプレート62の第3のプレート貫通孔68に挿通されたネジ59は、第2のカバー部材72の固定部83に埋設されたナット84に螺合されている。これにより、第2のエンドプレート62と第2のカバー部材72とが固定されている。
【0049】
図5に示すように、第1のカバー部材71の固定部81は、電池ホルダ20の柱部材26の間に位置している。そして、取付プレート51の第2の貫通孔56に挿通されたネジ58が固定部81に埋設されたナット82に螺合されることで、取付プレート51と第1のカバー部材71とが固定されている。
【0050】
図1に示すように、第1のカバー部材71の貫通孔75には、柱状のバスバー100が挿通されている。バスバー100は、第1の柱部101と、第1の柱部101と直角に交わる第2の柱部102とを有している。第1の柱部101は、第1の電池セル11aの端子16に接続されるとともに、第1のカバー部材71の貫通孔75を挿通してカバー70上に突出している。第2の柱部102は、固定板79に沿って延びている。第2の柱部102には、ネジ103によってハーネス104が固定されている。ネジ103は、ハーネス104の接続部105及び第2の柱部102を貫通して固定板79に埋設されたナット80に螺合されている。これにより、第1のカバー部材71には、バスバー100とともにハーネス104が固定されている。
【0051】
第1のカバー部材71には、電池モジュール10を監視して、電池モジュール10(電池セル11)に異常などが生じた場合に放電の遮断などを行う第1の電子部品としての監視ECU85aが固定されている。第2のカバー部材72には、第2の電子部品としての電流センサ85bが固定されている。電流センサ85bは、電池セル11と接続されている。具体的にいえば、第2の電池セル11bの端子16には、柱状のバスバー86が設けられており、バスバー86は、第2のカバー部材72の貫通孔78を介して電流センサ85bの接続端子(図示せず)と固定されている。
【0052】
監視ECU85aと電流センサ85bとは配線95によって電気的に接続されている。また、カバー70には、配線95を支持する支持部としての第1〜第4の支持部96,97,98,99が設けられている。第1〜第4の支持部96,97,98,99は、カバー70の上面70aにおける電池セル11の並設方向と直交する方向の両端部である第1端部701及び第2端部702のうち、第1端部701寄りに配置されている。なお、監視ECU85aは、カバー70の上面70aにおける電池セル11の並設方向と直交する方向の中央部であって、且つ第1のエンドプレート61寄りに配置されているとともに、電流センサ85bは、カバー70の上面70aの第2端部702寄りであって、且つ第2のエンドプレート62寄りに配置されている。
【0053】
第1〜第4の支持部96,97,98,99は、L字状に屈曲した鉤状であり、カバー70の上面70aから立設する立設部96a,97a,98a,99aと、立設部96a,97a,98a,99aの先端に連続するとともに、カバー70の上面70aと平行に延びる延設部96b,97b,98b,99bとから形成されている。
【0054】
第1の支持部96及び第2の支持部97は、電池セル11の並設方向に対して交差する方向に互いにオフセット配置されている。第1の支持部96は第2の支持部97よりも第1端部701寄りに配置されている。第3の支持部98は、電池セル11の並設方向において第1の支持部96に対して第2の支持部97とは反対側に電池セル11の並設方向に沿って隣り合うように配置されている。第4の支持部99は、電池セル11の並設方向において第2の支持部97に対して第1の支持部96とは反対側に電池セル11の並設方向に沿って隣り合うように配置されている。第1の支持部96及び第3の支持部98は第1のカバー部材71に設けられるとともに、第2の支持部97及び第4の支持部99は第2のカバー部材72に設けられている。
【0055】
図8に示すように、配線95は、第1〜第4の支持部96,97,98,99に支持される位置を明示して、配線95の配策作業を補助する補助部としての第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dを有する。第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dは、配線95における第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95d以外の部分とは色が異なっている。
【0056】
図1に示すように、配線95は、第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dによって明示された位置で第1〜第4の支持部96,97,98,99によって支持されている。具体的には、第1の支持部96は、第1の補助部95aによって明示された位置で配線95を支持しているとともに、第2の支持部97は、第2の補助部95bによって明示された位置で配線95を支持している。さらに、第3の支持部98は、第3の補助部95cによって明示された位置で配線95を支持しているとともに、第4の支持部99は、第4の補助部95dによって明示された位置で配線95を支持している。
【0057】
そして、配線95は、監視ECU85aから第3の支持部98に向かって延びるとともに、第3の支持部98から第1の支持部96に向かって延び、さらに、第1の支持部96から第2の支持部97に向かって延びている。続いて、配線95は、第2の支持部97から第4の支持部99に向かって延びるとともに、第4の支持部99から電流センサ85bに向かって延びている。
【0058】
具体的には、配線95は、第1の支持部96と第3の支持部98との間で電池セル11の並設方向に沿って延びるとともに、第1の支持部96と第2の支持部97との間で電池セル11の並設方向に対して交差する方向に延びている。さらに、第2の支持部97と第4の支持部99との間で電池セル11の並設方向に沿って延びるように配策されている。そして、配線95は、第1のカバー部材71及び第2のカバー部材72における電池セル11の並設方向への相対移動に対応して変形可能な撓み部95fを有している。撓み部95fは、第1の支持部96と第2の支持部97との間に設けられている。そして、配線95が第1〜第4の支持部96,97,98,99によって支持されることで、撓み部95fの姿勢が保持されている。
【0059】
配線95は、第1の支持部96、第3の支持部98及び第4の支持部99の立設部96a,98a,99aに対して、第1端部701側に配策されるとともに、第2の支持部97の立設部97aに対して、第2端部702側に配策されている。よって、第1の支持部96、第3の支持部98及び第4の支持部99の立設部96a,98a,99aにおける第1端部701側の部位が配線95と対向しており、第2の支持部97の立設部97aにおける第2端部702側の部位が配線95と対向している。
【0060】
図9では、弾性体31が弾性変形する前の状態を示すとともに、図10では弾性体31が弾性変形した状態を示している。電池セル11は、使用していくにつれて膨張していく。具体的には、電池セル11は充放電を繰り返すと、正極電極13a及び負極電極13bの表面に被膜が形成されていく。この被膜が厚くなることによって電極組立体13が積層方向に膨張していく。この電極組立体13の積層方向への膨張に伴って、ケース12における電極組立体13の積層方向に位置する側壁が押圧され、ケース12が変形していく。このように、電池セル11が膨張すると、この電池セル11の膨張に伴い弾性体31が弾性変形する。よって、ケース12が変形しても、第1のエンドプレート61及び第2のエンドプレート62へ荷重が加わってしまうことが抑制されている。
【0061】
図10に示すように、弾性体31が弾性変形すると、第1のカバー部材71が取り付けられた取付プレート51は、第1のカバー部材71と一体となって移動する。このため、バスバー100、第1のカバー部材71及び取付プレート51が一体となって、電池セル11の並設方向に移動し、電池セル11と第1のカバー部材71との間でバスバー100に応力が掛かることが抑制される。なお、第1のカバー部材71が移動するときには、立設部74が電池ホルダ20の誘導部27に沿って移動することで、第1のカバー部材71が電池セル11の並設方向に案内される。
【0062】
次に、本実施形態の作用を図11にしたがって説明する。なお、図11では、説明の便宜上、電池ホルダ20の図示を省略している。
図11に示すように、配線95が、その一部分に撓み部95fを有した状態で第1〜第4の支持部96,97,98,99に支持されている。このため、配線95に撓み部95fが無い場合に比べると、第1のカバー部材71が第2のカバー部材72に対して離間する方向へ移動したとき、配線95が監視ECU85aと電流センサ85bとの間で突っ張ってしまうことが抑制されている。また、配線95は、第1〜第4の支持部96,97,98,99によって撓み部95fの姿勢が保持されるように支持されているため、配線95が第1〜第4の支持部96,97,98,99によって支持されていない場合に比べると、配線95がカバー70上でバタついてしまうことが抑制されている。よって、配線95が突っ張ったりバタついたりすることで、配線95が断線してしまうことが抑制されている。
【0063】
撓み部95fは、第1の支持部96と第2の支持部97との間に設けられている。例えば、第1のカバー部材71が第2のカバー部材72に対して離間する方向へ移動したときに、配線95と第1〜第4の支持部96,97,98,99との間に摩擦力が生じて、配線95が第1〜第4の支持部96,97,98,99に対して摺動することができない場合がある。この場合であっても、配線95が監視ECU85aと電流センサ85bとの間で突っ張ってしまうことが抑制される。
【0064】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)配線95は、第1のカバー部材71及び第2のカバー部材72における電池セル11の並設方向への相対移動に対応して変形可能な撓み部95fを有しており、カバー70は、撓み部95fの姿勢を保持するように配線95を支持する第1〜第4の支持部96,97,98,99を有する。これによれば、配線95に撓み部95fが無い場合に比べると、電池セル11の膨張に伴って第1のカバー部材71及び第2のカバー部材72が互いに電池セル11の並設方向に相対移動したときに、配線95が監視ECU85aと電流センサ85bとの間で突っ張ってしまうことを抑制することができる。また、配線95が第1〜第4の支持部96,97,98,99によって支持されていない場合に比べると、配線95がカバー70上でバタついてしまうことを抑制することができる。よって、配線95が突っ張ったりバタついたりすることで、配線95が断線してしまうことを抑制することができる。
【0065】
(2)撓み部95fは、第1の支持部96と第2の支持部97との間に設けられている。これによれば、撓み部95fが形成し易くなり、配線95の配策作業を容易なものとすることができる。
【0066】
(3)第1のカバー部材71に第1の支持部96が設けられるとともに、第2のカバー部材72に第2の支持部97が設けられている。例えば、第1のカバー部材71が第2のカバー部材72に対して離間する方向へ移動したときに、配線95と第1〜第4の支持部96,97,98,99との間に摩擦力が生じて、配線95が第1〜第4の支持部96,97,98,99に対して摺動することができない場合がある。この場合であっても、配線95が監視ECU85aと電流センサ85bとの間で突っ張ってしまうことを抑制することができる。
【0067】
(4)配線95は、第1の支持部96の立設部96aに対して、第1端部701側に配策されるとともに、第2の支持部97の立設部97aに対して、第2端部702側に配策されている。これによれば、配線95が、第1端部701及び第2端部702のどちらに向けて移動しても、第1の支持部96及び第2の支持部97から脱落し難い。よって、配線95がカバー70上でバタついてしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0068】
(5)配線95は、第1の支持部96と第3の支持部98との間で電池セル11の並設方向に沿って延びるとともに、第1の支持部96と第2の支持部97との間で電池セル11の並設方向に対して交差する方向に延び、さらに、第2の支持部97と第4の支持部99との間で電池セル11の並設方向に沿って延びるように配策される。撓み部95fは、電池セル11の並設方向に対して交差する方向に互いにオフセット配置された第1の支持部96と第2の支持部97との間で形成されている。よって、例えば、第1の支持部96と第3の支持部98との間や、第2の支持部97と第4の支持部99との間で撓み部を形成する場合に比べると、配線95のバタつきを最小限に抑えながら撓み部95fを形成することができる。
【0069】
(6)第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dは、第1〜第4の支持部96,97,98,99に配線95が支持されたときに配線95に撓み部95fが設けられるように、配線95の配策作業を補助する。これによれば、配線95の配策作業を容易なものとすることができる。
【0070】
(7)第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dは、配線95に設けられるとともに、第1〜第4の支持部96,97,98,99に支持される位置を明示している。これによれば、第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dによって明示された位置で第1〜第4の支持部96,97,98,99によって配線95を支持していくだけで、配線95に撓み部95fを形成することができるため、配線95の配策作業を容易なものとすることができる。
【0071】
(8)本実施形態では、第1のエンドプレート61と第1の電池セル11aとの間に弾性体31が設けられており、第2のエンドプレート62と第2の電池セル11bとの間には弾性体31が設けられていない。このため、電池セル11のケース12が変形し、電池セル11が若干移動するときに、電池セル11は弾性体31側、すなわち、第1のエンドプレート61に向けて移動する。このため、第2の電池セル11bに比べて、第1の電池セル11aの移動量は大きい。第1のカバー部材71と第2のカバー部材72とは、互いに固定されていないため、第1の電池セル11aの移動に伴い一体となって移動しようとするのは、第1のカバー部材71のみである。すなわち、第1のエンドプレート61と第1の電池セル11aとの間にのみ弾性体31を設けることで、電池セル11の移動方向を定め、第1のカバー部材71と第2のカバー部材72とを離間可能とすることで、第2のカバー部材72への影響を少なくすることができる。
【0072】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
図12に示すように、カバー70の上面70aに、配線95の配策経路を明示する補助部95gが設けられていてもよい。補助部95gは、例えば、カバー70の上面70aに色が塗られることにより、配線95の配策経路を明示している。これによれば、補助部95gによって明示された配線95の配策経路に沿って配線95を配策していくだけで、配線95に撓み部95fを形成することができるため、配線95の配策作業を容易なものとすることができる。
【0073】
○ 実施形態において、第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dとして、例えば、配線95に文字や模様等を記すようにしてもよい。
○ 実施形態において、配線95に第1〜第4の補助部95a,95b,95c,95dが無くてもよい。
【0074】
○ 実施形態において、カバー部材の数を増やしてもよい。
○ 実施形態において、支持部の数を増やしてもよい。
○ 実施形態において、支持部の配置位置を適宜変更してもよい。
【0075】
○ 実施形態において、撓み部95fの位置を適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、支持部の形状は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、バスバー100はカバー70のいずれかの位置に固定されていればよく、固定板79に固定されていなくてもよい。バスバー100を固定板79に固定しない場合には、固定板79は設けられていなくてもよい。
【0076】
○ 実施形態において、第1のエンドプレート61と第1の電池セル11aとの間に加えて、第2のエンドプレート62と第2の電池セル11bとの間に弾性体を設けてもよい。そして、第2のカバー部材72に取り付けられるとともに弾性体と第2の電池セル11bとの間に挟持される取付プレートを設けてもよい。
【0077】
○ 実施形態において、取付プレート51は、ネジ58以外でカバー70に取り付けられていてもよく、例えば、接着剤などで取り付けられていてもよい。
○ 実施形態において、配線95は、監視ECU85aと電流センサ85bとを電気的に接続するものに限らず、第1のカバー部材71に固定される第1の電子部品と、第2のカバー部材72に固定される第2の電子部品とを電気的に接続するものであればよい。
【0078】
○ 実施形態において、電極組立体13は、帯状の正極電極と帯状の負極電極とを捲回して層状に積層した捲回型タイプであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…電池モジュール、11…電池セル、16…端子、31…弾性体、61…エンドプレートとしての第1のエンドプレート、62…エンドプレートとしての第2のエンドプレート、70…カバー、70a…上面、71…第1のカバー部材、72…第2のカバー部材、85a…第1の電子部品としての監視ECU、85b…第2の電子部品としての電流センサ、95…配線、95a…補助部としての第1の補助部、95b…補助部としての第2の補助部、95c…補助部としての第3の補助部、95d…補助部としての第4の補助部、95f…撓み部、95g…補助部、96…支持部としての第1の支持部、96a,97a,98a,99a…立設部、97…支持部としての第2の支持部、98…支持部としての第3の支持部、99…支持部としての第4の支持部、701…第1端部、702…第2端部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12