特許第6233251号(P6233251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6233251アプリケーション作成プログラム、情報処理装置、及びプログラミングツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233251
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】アプリケーション作成プログラム、情報処理装置、及びプログラミングツール
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   G06F9/06 620A
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-182663(P2014-182663)
(22)【出願日】2014年9月8日
(65)【公開番号】特開2016-57785(P2016-57785A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】中越 有美
(72)【発明者】
【氏名】吉村 幸子
【審査官】 杉浦 孝光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−299293(JP,A)
【文献】 特開2014−110018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/44
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/28
50/00−50/20
50/26−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データストレージサービスを提供するサーバーにネットワークを介してクライアント端末を接続し、当該クライアント端末にサーバーとの間でデータ通信を行わせる通信アプリケーションを作成するアプリケーション作成プログラムであって、
前記通信アプリケーションにより行われるデータ通信について課金を行う課金単位の入力を受け付ける課金単位受付部と、
前記課金単位受付部に受け付けられた課金単位についての単価の入力を受け付ける単価受付部と、
前記受け付けられた課金単位に、前記単価受付部により受け付けられた単価を用いた課金をユーザーに対して行う課金タイミングの指定を受け付ける課金タイミング指定受付部と、
前記サーバーとの通信機能及びユーザーに対する課金処理機能を有する予め定められたプログラミングツールを記憶するツール記憶部と、
前記受け付けられた課金単位、単価、及び課金タイミングを、前記ツール記憶部に記憶されている前記プログラミングツールに設定することで、前記通信アプリケーションを作成するアプリケーション作成部として、
コンピューターを動作させるアプリケーション作成プログラム。
【請求項2】
前記課金タイミング指定受付部が、前記課金タイミングの指定として、前記サーバーとの間でのデータ通信前とする前課金指示を受け付けるように、コンピューターを動作させる請求項1に記載のアプリケーション作成プログラム。
【請求項3】
前記課金タイミング指定受付部が、前記課金タイミングの指定として、前記受け付けられた課金単位分のデータ通信が完了する度とした後課金指示を受け付けるように、コンピューターを動作させる請求項1に記載のアプリケーション作成プログラム。
【請求項4】
前記課金タイミング指定受付部が、前記課金単位受付部により前記課金単位として送信時間が受け付けられている場合には、前記課金タイミングの指定として前記後課金指示を受け付けるように、コンピューターを動作させる請求項3に記載のアプリケーション作成プログラム。
【請求項5】
前記課金タイミング指定受付部が、前記課金単位受付部に前記課金単位として頁が受け付けられている場合、前記課金タイミングの指定として前記前課金指示を受け付けるように、コンピューターを動作させる請求項2に記載のアプリケーション作成プログラム。
【請求項6】
前記データ通信が未完了の状態で中断された場合における、既送信済分のデータに対する課金処理をユーザーに対して行わせる設定、又はユーザーに対する課金処理を行わない設定、のいずれかの課金処理方法を選択的に受け付ける課金処理方法受付部として、更に、コンピューターを動作させ、
前記アプリケーション作成部が、前記受け付けられた課金単位、単価、及び課金タイミングに加えて、前記課金処理方法受付部に受け付けられた課金処理方法を、前記プログラミングツールに設定することで前記通信アプリケーションを作成するように、コンピューターを動作させる請求項3又は請求項4に記載のアプリケーション作成プログラム。
【請求項7】
データストレージサービスを提供するサーバーにネットワークを介してクライアント端末を接続し、当該クライアント端末にサーバーとの間でデータ通信を行わせる通信アプリケーションを作成する情報処理装置であって、
前記通信アプリケーションにより行われるデータ通信について課金を行う課金単位の入力を受け付ける課金単位受付部と、
前記課金単位受付部に受け付けられた課金単位についての単価の入力を受け付ける単価受付部と、
前記受け付けられた課金単位に、前記単価受付部により受け付けられた単価を用いた課金をユーザーに対して行う課金タイミングの指定を受け付ける課金タイミング指定受付部と、
前記サーバーとの通信機能及びユーザーに対する課金処理機能を有する予め定められたプログラミングツールを記憶するツール記憶部と、
前記受け付けられた課金単位、単価、及び課金タイミングを、前記ツール記憶部に記憶されている前記プログラミングツールに設定することで、前記通信アプリケーションを作成するアプリケーション作成部と、を備える情報処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーション作成プログラム、情報処理装置、及びプログラミングツールに関し、特に、ウェブ上のサーバーとの間でクライアント端末にデータ通信を行わせる通信アプリケーションを作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置やモバイル端末に機能を追加するために、当該機器にインストール可能な様々なアプリケーションが開発されている。そして、新たなアプリケーションの開発を容易にするための技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。さらには、アプリケーションの開発を容易にするために開発者に対するSDK(Software Development Kit)の提供も行われている。開発者は、提供されるSDKをベースとして、これに新たな機能を付加することで新たなアプリケーションを作成できるため、開発するアプリケーションの全てをプログミングする必要がなくなり、アプリケーションの開発を効率的に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−238203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日では、ウェブ上でデータストレージサービスを提供するクラウドサービスが多くあり、当該データストレージに通信する通信アプリケーションも上記SDKを用いて開発されている。しかしながら、通信アプリケーションの開発に用いられるSDKは、データ通信に対する課金処理を機能として有していない。このため、開発者には、当該課金処理をプログラムに実装するための技術ノウハウが求められ、アプリケーション開発における負担となっている。さらには、課金処理について更に詳細な事項を、技術ノウハウを有していなくてもアプリケーションに組み込めると、更に開発者の負担を軽減できる。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、データストレージサービスを提供するウェブ上のサーバーとのデータ通信と、このデータ通信に対する、詳細な事項が設定された課金処理とを実行するアプリケーションを、従来よりも効率よく開発可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係るアプリケーション作成プログラムは、データストレージサービスを提供するサーバーにネットワークを介してクライアント端末を接続し、当該クライアント端末にサーバーとの間でデータ通信を行わせる通信アプリケーションを作成するアプリケーション作成プログラムであって、
前記通信アプリケーションにより行われるデータ通信について課金を行う課金単位の入力を受け付ける課金単位受付部と、
前記課金単位受付部に受け付けられた課金単位についての単価の入力を受け付ける単価受付部と、
前記受け付けられた課金単位に、前記単価受付部により受け付けられた単価を用いた課金をユーザーに対して行う課金タイミングの指定を受け付ける課金タイミング指定受付部と、
前記サーバーとの通信機能及びユーザーに対する課金処理機能を有する予め定められたプログラミングツールを記憶するツール記憶部と、
前記受け付けられた課金単位、単価、及び課金タイミングを、前記ツール記憶部に記憶されている前記プログラミングツールに設定することで、前記通信アプリケーションを作成するアプリケーション作成部として、
コンピューターを動作させるものである。
【0007】
また、本発明の一局面に係る情報処理装置は、データストレージサービスを提供するサーバーにネットワークを介してクライアント端末を接続し、当該クライアント端末にサーバーとの間でデータ通信を行わせる通信アプリケーションを作成する情報処理装置であって、
前記通信アプリケーションにより行われるデータ通信について課金を行う課金単位の入力を受け付ける課金単位受付部と、
前記課金単位受付部に受け付けられた課金単位についての単価の入力を受け付ける単価受付部と、
前記受け付けられた課金単位に、前記単価受付部により受け付けられた単価を用いた課金をユーザーに対して行う課金タイミングの指定を受け付ける課金タイミング指定受付部と、
前記サーバーとの通信機能及びユーザーに対する課金処理機能を有する予め定められたプログラミングツールを記憶するツール記憶部と、
前記受け付けられた課金単位、単価、及び課金タイミングを、前記ツール記憶部に記憶されている前記プログラミングツールに設定することで、前記通信アプリケーションを作成するアプリケーション作成部と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明の一局面に係るプログラミングツールは、データストレージサービスを提供するサーバーにネットワークを介してクライアント端末を接続し、当該クライアント端末にサーバーとの間でデータ通信を行わせる通信アプリケーションの一部として組み込まれて機能することで、
前記サーバーとの間で前記クライアント端末にデータ通信を行わせるデータ通信部と、
前記データ通信部によるデータ通信についての課金処理を、設定された課金単位及び当該課金単位についての単価を用いて、設定された課金タイミングでユーザーに対して行う課金処理部として、クライアント端末を動作させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、データストレージサービスを提供するサーバーとクライアント端末がネットワークを介して通信するために必要なデータ通信機能と、当該データ通信に対する課金機能とを実行可能な通信アプリケーションを作成する場合に、当該通信に必要な通信モジュールや、上記課金処理及びその詳細な内容設定を実行するためのプログラムを、開発者自身が当該アプリケーションに実装する必要がなくなる。これにより、このような通信アプリケーションを開発する際に、当該通信モジュールや上記課金処理及びその内容設定用プログラムの実装のための技術ノウハウが開発者に求められないため、開発者にかかる技術的及び時間的負担が軽減し、課金処理の実行が可能な通信アプリケーションを従来よりも効率よく開発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ウェブ上のデータストレージサーバーに、情報処理装置及び画像形成装置がインターネットを介して接続されている様子を示す概念図である。
図2】情報処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置による通信アプリケーション作成処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
図4】表示部に表示される表示画面の一例である。
図5】表示部に表示される表示画面の一例である。
図6】表示部に表示される表示画面の一例である。
図7】情報処理装置によるアプリケーション作成処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
図8】情報処理装置によるアプリケーション作成処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
図9】表示部に表示される表示画面の一例である。
図10】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
図11】課金タイミングが前課金の通信アプリケーションに基づいて画像形成装置によりデータ通信及び課金処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図12】課金タイミングが後課金の通信アプリケーションに基づいて画像形成装置によりデータ通信及び課金処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図13】課金単位がジョブであり課金タイミングが後課金とされた通信アプリケーションに基づいて画像形成装置によりデータ通信及び課金処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るアプリケーション作成プログラム、情報処理装置、及びプログラミングツールについて図面を参照して説明する。図1はウェブ上のデータストレージサーバーに、情報処理装置及び画像形成装置がインターネットを介して接続されている様子を示す概念図である。
【0012】
インターネットを介して、情報処理装置1と、画像形成装置2と、ウェブ上でデータストレージサービスを提供するサーバー(以下、データストレージサーバー)3とが接続されている。
【0013】
情報処理装置1は、インストールされているアプリケーション作成プログラム(詳細は後述)に従って、操作者から入力される各種情報を用いて、画像形成装置2とデータストレージサーバー3との間でデータ通信を行わせて当該データ通信に対する課金処理を画像形成装置2において行う通信アプリケーションの作成を行う。
【0014】
データストレージサーバー3は、ウェブ上でデータストレージサービスを提供するサーバーである。データストレージサーバー3は、インターネットを介して通信してくる画像形成装置(クライアント端末の一例)2に対してデータ記憶領域を提供して、画像形成装置2から送られてくるデータを保管し(アップロード)、保管しているデータを画像形成装置2からの指示に基づいて画像形成装置2に送信する(ダウンロード)。
【0015】
画像形成装置2は、例えば、上記通信アプリケーションがインストールされると、この通信アプリケーションに従って、データストレージサーバー3に接続し、データストレージサーバー3との間で通信動作を行ってデータを送受信し、データストレージサーバー3との間で上記アップロード及びダウンロードを行う。
【0016】
次に、情報処理装置1の電気的構成を説明する。図2は、情報処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部10と、通信部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14とを備える。
【0017】
通信部11は、インターネットを介してデータストレージサーバー3等と通信を行うための処理を行うインターフェイスである。
【0018】
記憶部12は、HDD(ハードディスクドライブ)等からなり、本実施形態の一実施形態に係るアプリケーション作成プログラムがインストールされる。
【0019】
操作部13は、例えば、マウスポインターやキーボード等からなり、操作者からの各種操作指示の入力を受け付ける。
【0020】
表示部14は、LCD(liquid crystal display)等からなり、表示制御部101による制御の下、各種画像を表示する。
【0021】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置2の全体的な動作制御を司る。制御部10は、表示制御部101と、課金単位受付部102と、単価受付部103と、課金タイミング指定受付部104と、アプリケーション作成部105と、ツール記憶部106と、課金処理方法受付部107とを備える。なお、記憶部12には、本発明の一実施形態に係るアプリケーション作成プログラムが記憶されており、制御部10は、当該アプリケーション作成プログラムに従って動作することにより、本実施形態で下記に示すアプリケーション作成に必要な処理を行う、表示制御部101、課金単位受付部102、単価受付部103、課金タイミング指定受付部104、アプリケーション作成部105、ツール記憶部106、及び課金処理方法受付部107として機能する。なお、当該アプリケーション作成プログラムによらず、制御部10が、ハード回路としての表示制御部101、課金単位受付部102、単価受付部103、課金タイミング指定受付部104、アプリケーション作成部105、ツール記憶部106、及び課金処理方法受付部107を備えるようにしてもよい。
【0022】
表示制御部101は、表示部14の表示動作を制御する。例えば、表示制御部101は、アプリケーション作成プログラムによる通信アプリケーションの作成処理時に、ユーザーインターフェイスとして、後述する各種の操作画面を表示部14に表示させる。
【0023】
課金単位受付部102は、操作者から上記通信アプリケーションに従って実行されるデータ通信について課金を行う課金単位の入力を受け付ける。課金単位受付部102は、例えば、受付可能な課金単位として、頁、ファイル、送信データサイズ、送信時間、又はジョブを用いる。
【0024】
単価受付部103は、操作者から課金単位受付部102に受け付けられた課金単位についての単価の入力を受け付ける。単価受付部103は、例えば、受付可能な単価として円(又はドル、元、ユーロ)等の通貨単位を用い、ファイル毎、予め定められた送信データサイズ毎、送信時間毎、又はジョブ完了のための送信データ量又は送信時間毎の金額を当該単価として用いる。
【0025】
課金タイミング指定受付部104は、課金単位受付部102で受け付けられた課金単位に、単価受付部103により受け付けられた単価を用いた課金をユーザーに対して行う課金タイミングの指定を操作者から受け付ける。課金タイミング指定受付部104は、例えば、課金タイミングとして、(1)データストレージサーバー3との間でのデータ通信を開始する前の時期とする前課金、(2)課金単位受付部102により受け付けられた課金単位分のデータ通信が完了した後の時期とする後課金、を用いる。
【0026】
ツール記憶部106は、データストレージサーバー3との通信機能及びユーザーに対する課金処理機能を有する予め定められたプログラミングツールである。本実施形態では、この予め定められたプログラミングツールとして、SDK(Software Development Kit)を用いる例を説明する。
【0027】
このプログラミングツールは、作成の対象とされる通信アプリケーションにその一部として組み込まれて機能するものである。プログラミングツールは、ウェブ上でデータストレージサーバー3にネットワークを介してクライアント端末を接続し、当該クライアント端末にサーバーとの間でデータ通信を行わせるように、クライアント端末(本実施形態では画像形成装置2)に動作させるものである。プログラミングツールは、データ通信部と、課金処理部として、情報処理装置を動作させる機能を有する。データ通信部は、データストレージサーバー3との間でクライアント端末としての画像形成装置2にデータ通信を行わせる。課金処理部は、データ通信部によるデータ通信についての課金処理を、設定された課金単位及び当該課金単位についての単価を用いて、設定された課金タイミングでユーザーに対して行う。
【0028】
すなわち、このプログラミングツールは、本実施形態に係るアプリケーション作成プログラムがインストールされた情報処理装置1により、操作者による指示に従って設定される課金単位及び当該課金単位についての単価、更に、設定される課金タイミングを用いて、課金処理をユーザーに対して行うことが可能である。アプリケーション作成プログラムは、当該プログラミングツールを用いて後述するアプリケーション作成を行う。
【0029】
アプリケーション作成部105は、課金単位受付部102により受け付けられた課金単位、単価受付部103により受け付けられた単価、及び課金タイミング指定受付部104により受け付けられた課金タイミングを、ツール記憶部106に記憶されている上記プログラミングツールに設定することで、上記通信アプリケーションを作成する。
【0030】
アプリケーション作成部105により作成された当該通信アプリケーションは、通信部11からインターネットを介して画像形成装置2に送られるか、或いは、情報処理装置1に備えられた図略のUSBインターフェイスからUSBメモリーに記憶されて、このUSBメモリーを介して画像形成装置2にデータが移される。
【0031】
課金処理方法受付部107は、上記通信アプリケーションによるデータ通信が未完了の状態で中断された場合に、既送信済分のデータに対する課金処理をユーザーに対して行わせる設定、又はユーザーに対する課金処理を行わない設定、のいずれかの課金処理方法を選択的に操作者から受け付ける。
【0032】
なお、この場合、アプリケーション作成部105は、上記受け付けられた課金単位、単価、及び課金タイミングに加えて、課金処理方法受付部107に受け付けられた課金処理方法を、ツール記憶部106に記憶されているプログラミングツールに設定することで上記通信アプリケーションを作成する。
【0033】
次に、アプリケーション作成プログラムがインストールされた情報処理装置1によるアプリケーション作成処理の第1実施形態について説明する。図3は、情報処理装置1による通信アプリケーション作成処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図4図6は表示部14に表示される表示画面の一例である。
【0034】
操作者が、情報処理装置1の操作部13を操作して、通信アプリケーションの作成指示を入力すると、表示制御部101は、課金単位受付画面D1を表示部14に表示させる(S1)。
【0035】
この課金単位受付画面D1の表示時に、操作者が、操作部13としてのマウスポインターを操作して、課金単位入力欄d11〜d15のうち、所望の課金単位である、頁、ファイル、送信サイズ、送信時間、又はジョブを示す入力欄のラジオボタンにカーソルを合わせて左クリック等により指示を入力すると、作成される通信アプリケーションに、データストレージサーバー3との間におけるデータ通信に対して課金処理を行う単位(課金単位)の指定が課金単位受付部102に受け付けられる。
【0036】
例えば、操作者は、操作部13としてのマウスポインターを操作して、図4に示す課金単位受付画面D1の表の課金単位入力欄d11にカーソルを合わせて指示を入力すると、課金単位として頁が課金単位受付部102に受け付けられる。これにより、データストレージサーバー3とのデータ通信に対する課金を、1頁分のデータ送信が完了する度に行う設定が、課金単位受付部102に受け付けられる。
【0037】
操作者が上記課金単位の入力を完了してから「次へ」ボタンB1をマウスポインターにより指定したときに、上記入力された課金単位の受付が課金単位受付部102において確定する(S2)。
【0038】
上記課金単位の受付後、表示制御部101は、例えば、表示制御部101は、図5に例を示す単価受付画面D2を表示部14に表示させる(S3)。
【0039】
この単価受付画面D2の表示時に、操作者が、マウスポインターを操作して、通貨入力欄d21〜d24のうち、所望の通貨である、円、ドル、元、又はユーロを示す入力欄のラジオボタンにカーソルを合わせて左クリック等により指示を入力すると、作成される通信アプリケーションに、上記課金処理で用いられる通貨が課金単位受付部102に受け付けられる。
【0040】
さらに、操作者が、単価入力欄d25にマウスポインターによりカーソルを合わせ、キーボードから所望の単価を示す値を入力すると、作成される通信アプリケーションに、上記課金処理で用いられる課金単位毎に課金される単価が、入力が受け付けられた通貨で、課金単位受付部102に受け付けられる。
【0041】
操作者が上記単価の入力を完了してから「次へ」ボタンB2をマウスポインターにより指定したときに、上記入力した単価の受付が単価受付部103において確定する(S4)。
【0042】
上記単価の受付後、課金タイミング指定受付部104は、課金単位として送信時間が受け付けられているか否かを判断し(S5)、上記受け付けられた単価が送信時間である場合には(S5でYES)、課金タイミングを、S2で受け付けられた課金単位分のデータ通信が完了した後の時点とする後課金として受け付ける(S8)。
【0043】
一方、課金タイミング指定受付部104が、上記受け付けられた単価が送信時間ではないと判断した場合には(S5でNO)、表示制御部101は、図6に例を示す課金タイミング受付画面D3を表示部14に表示させる(S6)。課金タイミング受付画面D3は、前課金入力欄d31と、後課金入力欄d32とを有している。
【0044】
課金タイミング受付画面D3の表示時に、操作者が、マウスポインターを操作して、前課金入力欄d31のラジオボタンにカーソルを合わせて左クリック等により指示を入力すると、上記データ通信に対する課金タイミングを上記前課金とする旨の指示が課金タイミング指定受付部104に受け付けられる(S7)。また、操作者によるマウスポインターの操作で後課金入力欄d32のラジオボタンにカーソルを合わせて指示が入力されると、当該課金タイミングを上記後課金とする旨の指示が課金タイミング指定受付部104に受け付けられる(S7)。なお、操作者が上記課金タイミングの入力を完了してから「次へ」ボタンB3をマウスポインターにより指定したときに、上記入力された課金タイミングの受付が課金タイミング指定受付部103において確定する。
【0045】
この後、アプリケーション作成部105は、S2で受け付けられた課金単位、S4で受け付けられた単価、S7又はS8のいずれかで受け付けられた課金タイミングを、ツール記憶部106に記憶されているプログラミングツールに設定して、画像形成装置2にインストール可能な上記通信アプリケーションを作成する(S9)。
【0046】
この第1実施形態によれば、データストレージサーバー3と画像形成装置2とがデータ通信するために必要なデータ通信機能と、当該データ通信に対する課金機能とを実行可能な通信アプリケーションを作成する場合に、当該通信に必要な通信モジュールや、上記課金処理及び当該課金処理について上記に記した各項目からなる詳細な内容設定を実行するためのプログラムを、開発者自身が当該通信アプリケーションに実装する必要がなくなる。これにより、このような通信アプリケーションを開発する際に、当該通信モジュールや上記課金処理及びその内容設定用プログラムの実装を行うための技術ノウハウが開発者に求められないため、開発者にかかる技術的及び時間的負担が軽減し、課金処理の実行が可能な通信アプリケーションを従来よりも効率よく開発することが可能になる。
【0047】
次に、アプリケーション作成プログラムがインストールされた情報処理装置1によるアプリケーション作成処理の第2実施形態について説明する。図7は、情報処理装置1によるアプリケーション作成処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、第2実施形態に係る説明では、第1実施形態と同様の処理については説明を省略する。
【0048】
第2実施形態では、単価受付部103に操作者により入力された単価が受け付けられた後(S14)、課金タイミング指定受付部104は、上記受け付けられた課金単位の内容を判断し(S15)、上記受け付けられた課金単位が送信時間である場合には(S15で「送信時間」)、課金タイミングを、S12で受け付けられた課金単位分の送信時間が経過した時点で課金を行う後課金として受け付ける(S19)。
【0049】
一方、課金タイミング指定受付部104が、上記受け付けられた課金単価が頁であると判断した場合には(S15で「頁」)、課金タイミングを、データストレージサーバー3へのデータ通信を始める前の時期とする前課金として受け付ける(S18)。
【0050】
なお、課金タイミング指定受付部104が、上記受け付けられた単価が送信時間及び頁のいずれでもないと判断した場合には(S15で「その他」)、第1実施形態と同様に、表示制御部101により課金タイミング受付画面D3が表示され(S16)、操作者により入力される指示に基づく前課金指示又は後課金指示のいずれかが課金タイミング指定受付部104に受け付けられる(S17)。
【0051】
頁単位で課金を行う場合、データ送信中にエラーが発生すると、何頁まで送信を完了しているかを判断できずに送信が中止されるため、課金不可能となる。このため、課金単位が頁単位の場合には、課金タイミングを前課金としておくことで、エラー発生時に課金漏れが発生することを回避できる。本実施形態によれば、このような頁単位課金を行う場合に課金漏れを回避可能な通信アプリケーションを容易に作成することができる。
【0052】
この後、アプリケーション作成部105は、S12で受け付けられた課金単位、S14で受け付けられた単価、S17〜S19のいずれかで受け付けられた課金タイミングを、ツール記憶部106に記憶されているプログラミングツールに設定して、画像形成装置2にインストール可能な上記通信アプリケーションを作成する(S20)。
【0053】
次に、アプリケーション作成プログラムがインストールされた情報処理装置1によるアプリケーション作成処理の第3実施形態について説明する。図8は、情報処理装置1によるアプリケーション作成処理の第3実施形態を示すフローチャートである。図9は表示部14の表示画面の一例である。なお、第3実施形態に係る説明では、第2実施形態と同様の処理については説明を省略する。
【0054】
第3実施形態では、課金単位が送信時間及び頁以外の単位とされ(S25で「その他」)、課金タイミングが課金タイミング指定受付部104に受け付けられた後(S26,S27)、課金処理方法受付部107は、S22で受け付けられた課金単位がジョブであって、かつ、S27で受け付けられた課金タイミングが後課金という組み合わせになっているかを判断する(S28)。課金処理方法受付部107が、当該課金単位がジョブ、及び課金タイミングが後課金の組み合わせになっていると判断した場合(S28でYES)、表示制御部101は、図9に例を示す課金処理方法受付画面D4を表示部14に表示させる(S29)。
【0055】
この課金処理方法受付画面D4の表示時に、操作者が、マウスポインターを操作して、課金処理方法入力欄d41のラジオボタンにカーソルを合わせて左クリック等により指示を入力すると、課金単位をジョブとしたデータ通信が未完了の状態で中断された場合における課金処理方法が、既送信済分のデータに対しては課金処理を行う設定として、課金処理方法受付部107に受け付けられる(S30でYES,S31)。他方、操作者による操作で課金処理方法入力欄d42のラジオボタンにカーソルを合わせて左クリック等により指示が入力されると、課金単位をジョブとしたデータ通信が未完了の状態で中断された場合における課金処理方法が、既送信済又は未送信を問わずデータ送信に対しては課金処理を行わない設定として、課金処理方法受付部107に受け付けられる(S30でNO,S34)。なお、操作者が上記課金処理方法の入力を完了してから「次へ」ボタンB4をマウスポインターにより指定したときに、上記入力された課金処理方法の受付が課金処理方法受付部107において確定する。
【0056】
この後、アプリケーション作成部105は、S22で受け付けられた課金単位、S24で受け付けられた単価、S31又はS34のいずれかで受け付けられた課金タイミングを、ツール記憶部106に記憶されているプログラミングツールに設定して、画像形成装置2にインストール可能な上記通信アプリケーションを作成する(S35)。
【0057】
課金単位がジョブの場合、他の課金単位と比較して課金間隔が長くなると予想され、データ送信中に比較的エラーが発生し易いが、この第3実施形態によれば、ジョブを課金単位としたデータ通信中に通信エラーが発生しても、既に通信したデータ分は課金処理できるので、通信エラー時にも確実に課金処理が可能な通信アプリケーションを作成することができる。
【0058】
次に、上記のようにして作成された通信アプリケーションに基づくデータ通信及び課金処理を説明する。通信アプリケーションは、上述したように、操作者により設定される課金単位、単価、課金タイミングに応じて様々に作成される。以下には、(1)課金タイミングを前課金に設定した通信アプリケーション、(2)課金タイミングを後課金に設定した通信アプリケーション、及び(3)課金単位をジョブとし、かつ課金タイミングを後課金に設定した場合であって、データ通信中断時における課金処理方法が既送信のデータ分を課金するように設定されている通信アプリケーションのそれぞれを説明する。
【0059】
まず、当該通信アプリケーションがインストールされる画像形成装置2の構成を説明する。図10は、画像形成装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【0060】
上記作成された通信アプリケーションは、画像形成装置2にインストールされる。画像形成装置2は、制御ユニット20、操作部47、原稿給送部6、原稿読取部5、画像メモリー32、画像形成部120、定着部130、駆動モーター70、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、及びHDD92等を備える。
【0061】
原稿読取部(データ取得部)5は、制御ユニット20による制御の下、光照射部及びCCDセンサー等を有する読取機構163を備える。原稿読取部5は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0062】
画像メモリー32は、原稿読取部5による読取で得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部120のプリント対象となるデータを一時的に保存する領域である。
【0063】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。
【0064】
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたインターネットを介して、ウェブ上でデータストレージサービスを提供するサーバーや、APIを提供するサーバーに接続してデータ通信を行う。
【0065】
HDD92は、原稿読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。このHDD92に通信アプリケーションがインストールされる。
【0066】
駆動モーター70は、画像形成部120の各回転部材及び搬送ローラー等に回転駆動力を付与する駆動源である。
【0067】
コインベンダー80は、ユーザーによる画像形成装置2でのデータストレージサーバー3とのデータ通信についての課金に対する料金である紙幣又は硬貨の投入をユーザーから受け付け、金銭を一時保管及び回収する。制御部200による制御の下で動作する。
【0068】
制御ユニット20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置2の全体的な動作制御を司る。制御ユニット20は、制御部200と、表示制御部201と、通信制御部202とを備える。
【0069】
制御部200は、操作部47、原稿給送部6、原稿読取部5、画像メモリー32、画像形成部120、定着部130、駆動モーター70、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、及びHDD92等と接続され、これら各部の制御を行う。
【0070】
なお、HDD92又は上記ROMに通信アプリケーションが記憶され、制御ユニット20は、当該通信アプリケーションに従って動作することにより、制御部200と、表示制御部201と、通信制御部202として機能する。なお、当該通信アプリケーションによらず、制御ユニット20が、ハード回路としての制御部200と、表示制御部201と、通信制御部202とを備えるようにしてもよい。
【0071】
表示制御部201は、通信アプリケーションに基づいた通信及び印刷を行う際の操作に用いられる各種操作画面を表示部473に表示させる。
【0072】
通信制御部202は、通信アプリケーションに基づいた通信に必要な各種制御を実行する。
【0073】
次に、上記(1)に係る課金タイミングが前課金の通信アプリケーションに基づいて画像形成装置2において行われるデータ通信及び課金処理を説明する。図11は、課金タイミングが前課金の通信アプリケーションに基づいて画像形成装置2によりデータ通信及び課金処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
画像形成装置2において、操作者による操作部47の操作により、制御部200は、通信アプリケーションの起動指示が入力されると、通信アプリケーションを起動させ(S101)、ユーザーから、スキャン実行指示が入力されるのを待機する(S102)。
【0075】
制御部200は、ユーザーによる操作部47の操作に基づくスキャン実行指示を受け付けると(S102でYES)、原稿読取部5に、自動給紙機構の原稿読取台又はフラットベッドのコンタクトガラスに載置されている原稿の読取動作(スキャン動作)を行わせ、当該スキャンにより得たスキャンデータからなるファイルをHDD92に保存する(S103)。なお、課金単位が頁の場合における前課金を可能にするため、制御部200は、通信アプリケーションにおいて課金単位が頁毎に設定されている場合は、当該ファイルを構成するページ数をファイルと共にHDD92に記憶させておく。制御部200は、ユーザーから、当該スキャンデータのデータストレージサーバー3へのアップロード実行指示が入力されるのを待機する(S104)。
【0076】
制御部200は、ユーザーによる操作部13の操作に基づいて上記アップロード実行指示を受け付けると(S104でYES)、当該通信アプリケーションに設定されている課金単位及び単価を用いて、当該アップロードの対象とされるスキャンデータの課金金額を算出する(S105)。表示制御部201は、当該算出された課金金額を表示部14に表示させる(S106)。これにより、ユーザーに対して課金金額が報知される。
【0077】
この後、ユーザーがコインベンダー80に金銭を投入し、コインベンダー80によって算出された投入金額を制御部200が取得すると(S107)、制御部200は、当該投入金額がS105で算出された課金金額以上であるか否かを判断し(S108)、当該投入金額がS105で算出された課金金額以上となるまで待機する(S108でNO,S107)。
【0078】
制御部200は、当該投入金額がS105で算出された課金金額以上になったと判断した場合(S108でYES)、S105で算出された課金金額に相当する金銭をコインベンダー80に回収させる(S109)。すなわち、制御部200は、ユーザーに対して、アップロードの対象とされるデータ分の課金を、データ送信前に実施する。
【0079】
上記課金実施後、通信制御部202は、アップロード対象データとしてS103においてHDD92に保存されているスキャンデータを、通信アプリケーションにアップロード先として記憶されているデータストレージサーバー3のURLに送信する(S110)。ここでは、通信アプリケーションには、スキャンデータのアップロード先となるデータストレージサーバー3の位置情報をURLで記憶する例を示しているが、これに代えて、IPアドレス情報、又はIPアドレス+フォルダーを有する情報等が当該位置情報として用いられてもよい。
【0080】
このように、上記作成された通信アプリケーションを画像形成装置2にインストールすると、画像形成装置2においては、当該通信アプリケーションに基づいて、スキャン動作と、当該スキャンにより得たスキャンデータのデータストレージサーバー3へのアップロードとを行うことができ、更に、当該アップロードのためのデータ通信に対する課金処理を、データ送信前に行うことができる。
【0081】
次に、上記(2)に係る課金タイミングを後課金に設定した通信アプリケーションに基づいて画像形成装置2において行われるデータ通信及び課金処理を説明する。図12は、課金タイミングが後課金の通信アプリケーションに基づいて画像形成装置2によりデータ通信及び課金処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11を参照して説明した上記(1)と同様の処理は説明を省略する。
【0082】
図11に示した上記(1)の処理におけるS101〜S108の処理を行った後(S201)、制御部200は、コインベンダー80に、投入された金額の払い戻しを禁止する制御を行う(S202)。制御部200が当該払戻禁止制御を行うように設定されているのは、データ送信中に払い戻されると、課金が不可能になるためである。
【0083】
続いて、通信制御部202は、アップロード対象データとしてHDD92に保存されているスキャンデータを、通信アプリケーションにアップロード先として設定されているデータストレージサーバー3のURLに送信する(S203)。
【0084】
制御部200は、当該アップロードのためのデータ送信中に、通信エラーが発生しているか否かを監視し(S204)、通信エラーが発生したと判断した場合には(S204でYES)、コインベンダー80に、投入された金額の払い戻しを許可する制御を行う(S207)。
【0085】
一方、制御部200は、通信エラーが発生することなく当該データ送信が行われている間は(S204でNO,S205でNO)、通信アプリケーションに設定されている課金単位分のデータ送信が完了したか否かを判断する(S208)。
【0086】
ここで、制御部200は、課金単位分のデータ送信が完了したと判断するまでは(S208でNO)、処理はS204に処理に戻る。制御部200が課金単位分のデータ送信が完了したと判断した場合は(S208でYES)、完了した課金単位についての単価分の金銭を、投入されている金銭からコインベンダー80に回収させる制御を行い(S209)、処理はS204に戻る。すなわち、制御部200は、当該アップロードのためのデータ送信中は課金単位分のデータ送信が完了する度に、当該課金単位分のデータ送信が完了後となる時期に、完了した課金単位についての単価をユーザーに対して課金する。
【0087】
また、S204において、制御部200が、通信エラーが発生したと判断することなく(S204でNO)、アップロード対象とされる全データの送信が完了したと判断した場合は(S205でYES)、当該送信を完了したデータ分であって、S209では課金を行っていないデータ分の課金金額に相当する金銭を、投入された金銭からコインベンダー80に回収させる制御を行う(S206)。すなわち、制御部200は、S206による課金処理により、アップロードの対象となる全データについての課金を完了させる。
【0088】
この後、制御部200は、コインベンダー80に払い戻しを許可する(S207)。釣り銭返却のためである。
【0089】
このように、当該通信アプリケーションを画像形成装置2にインストールすると、通信アプリケーションに基づく動作により、画像形成装置2において、スキャン動作と、スキャンにより得たスキャンデータのデータストレージサーバー3へのアップロードとを行うことができ、更に、当該アップロードのためのデータ通信に対する後課金の処理を行うことができる。本実施形態では、課金処理を課金単位毎に行っているため、通信エラーが生じてデータ送信が未完了のままデータ通信が終了しても、課金単位毎にはユーザーに対して課金を行うことが可能である。
【0090】
次に、上記(3)に係る、課金単位をジョブとしてかつ課金タイミングを後課金に設定した場合であって、データ通信中断時における課金処理方法が既送信のデータ分を課金するように設定されている通信アプリケーションに基づいて、画像形成装置2において行われるデータ通信及び課金処理を説明する。図13は、課金単位がジョブであり課金タイミングが後課金とされた通信アプリケーションに基づいて画像形成装置2によりデータ通信及び課金処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図12を参照して説明した上記(2)と同様の処理は説明を省略する。
【0091】
図11に示した上記(1)の処理におけるS101〜S108の処理を行った後(S301)、制御部200は、コインベンダー80に、投入された金額の払い戻しを禁止する制御を行う(S302)。続いて、通信制御部202は、アップロード対象データとしてHDD92に保存されているスキャンデータを、通信アプリケーションにアップロード先として設定されているデータストレージサーバー3のURLに送信する処理を開始する(S303)。
【0092】
制御部200は、当該アップロードのためのデータ送信中に、通信エラーが発生しているか否かを監視し(S304)、通信エラーが発生したと判断した場合には(S304でYES)、この時点で送信を完了しているデータ分について、通信アプリケーションに設定されているその送信時間又はその送信データ量のいずれかについてその課金金額を算出し(S308)、当該算出した課金金額に相当する金銭を、コインベンダー80に、既に投入されている金銭から回収させる制御を行う(S309)。ここで、S308における課金金額の算出は、送信時間又はその送信データ量に応じて、通信アプリケーションに設定されている単価に基づいて制御部200により行われる。この後、通信制御部202によるデータ通信制御は中止され、処理はS307に移り、制御部200は、コインベンダー80に払い戻しを許可する(S307)。データ送信不可となった分の金銭の返却と、釣り銭返却のためである。
【0093】
また、S304において、制御部200が、通信エラーが発生したと判断することなく(S304でNO)、アップロード対象とされる全データの送信が完了したと判断した場合は(S305でYES)、制御部200は、当該送信を完了したデータ分、すなわち、アップロードの対象とされる全データ分の課金金額に相当する金銭を算出し、当該金額分を、投入された金銭からコインベンダー80に回収させる制御を行う(S306)。すなわち、制御部200は、S306による課金処理により、アップロードの対象となった全データについての課金を完了させる。
【0094】
このように、当該通信アプリケーションを画像形成装置2にインストールすると、通信アプリケーションに基づく動作により、画像形成装置2において、スキャン動作と、スキャンにより得たスキャンデータのデータストレージサーバー3へのアップロードとを行うことができ、更に、当該アップロードのためのデータ通信に対する後課金の処理を、通信エラー等によりデータ送信が途中で中断した場合であっても、送信完了分のデータについての課金処理を確実に行うことができる。
【0095】
なお、課金タイミングを後課金に設定されており、データ送信中断時における課金処理方法が課金無しに設定されている通信アプリケーションに基づいて画像形成装置2により上記データ通信処理及び課金処理を行う場合は、上記のS308及びS309の処理を行わず、制御部200は、コインベンダー80に払い戻しを許可するようにする(S307)。投入された金銭の全額返却を可能にするためである。
【0096】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてカラー複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機や他の電子機器、例えば、プリンター、コピー機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、図1乃至図13を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0098】
1 情報処理装置
2 画像形成装置
200 制御部
201 表示制御部
202 通信制御部
3 データストレージサーバー
10 制御部
101 表示制御部
102 課金単位受付部
103 単価受付部
104 課金タイミング指定受付部
105 アプリケーション作成部
106 ツール記憶部
107 課金処理方法受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13