(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、極微少な物質の検出を行う場合において、物質の物理的現象を応用することでこのような物質の検出を可能とした様々な検体検出装置が用いられている。
このような検体検出装置の一つとして、ナノメートルレベルなどの微細領域中で電子と光とが共鳴することにより、高い光出力を得る現象(表面プラズモン共鳴(SPR;Surface Plasmon Resonance)現象)を応用し、例えば、生体内の極微少なアナライトの検出を行うようにした表面プラズモン共鳴装置(以下、「SPR装置」と言う)が挙げられる。
【0003】
また、表面プラズモン共鳴(SPR)現象を応用した、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づき、SPR装置よりもさらに高精度にアナライト検出を行えるようにした表面プラズモン増強蛍光分光測定装置(以下、「SPFS装置」と言う)も、このような検体検出装置の一つである。
【0004】
この表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)は、光源より照射したレーザー光などの励起光が、金属薄膜表面で全反射減衰(ATR;Attenuated Total Reflectance)する条件において、金属薄膜表面に表面プラズモン光(疎密波)を発生させることによって、光源より照射した励起光が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やして、表面プラズモン光の電場増強効果を得るようになっている。
【0005】
このようなSPR装置やSPFS装置を用いて、極微少な物質の検出を行う場合、励起光が照射される金属薄膜上にリガンドを固定化してなる反応部を、検出を行う検体ごとに洗浄するか、または、交換する必要がある。
【0006】
このため、特許文献1〜3に開示されているように、基板(透明支持体)と、この基板上に形成された金属薄膜と、さらにこの金属薄膜上にリガンドを固定化してなる反応部と、を有する構成のセンサーチップとすることによって、容易に検体検査を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
1.センサーチップの構成
図1は、本実施例のセンサーチップの構成を説明するための概略構成図である。
図1のセンサーチップ10は、鉛直断面形状が略台形であるプリズム形状の透明支持体12と、透明支持体12の一方の表面に形成された金属薄膜14と、金属薄膜14の、透明支持体12とは接していないもう一方の表面に、リガンドが固定化されてなる反応部16とを有している。
【0016】
透明支持体12は、透光性を有していれば特に限定されるものではないが、透明支持体12の屈折率nが少なくとも1.4以上、好ましくは1.5以上あることが望まれる。なお、透明支持体12が有する「透光性」とは、例えば、SPR装置やSPFS装置の光源から照射される励起光が少なくとも透過すればよく、全ての波長の光が透過する必要はない。
【0017】
このような透明支持体12としては、例えば、合成石英、ガラスなどの無機光学材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン類、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)などのポリ環状オレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
【0018】
また、この実施例のセンサーチップ10では、鉛直断面形状が略台形のプリズム形状の透明支持体12を用いたが、例えば、鉛直断面形状を三角形(いわゆる三角プリズム)、半円形状、半楕円形状であるプリズム形状としてもよいし、可撓性を有するフィルム形状とすることもできる。
【0019】
なお、透明支持体12と金属薄膜14との層間密着性を向上させるために、金属薄膜14を形成する前に、透明支持体12の表面を、例えば、酸やプラズマによる洗浄処理を行うことが好ましい。
【0020】
酸による洗浄処理としては、例えば、透明支持体12を、0.001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間浸漬することによって行うことができる。また、プラズマによる洗浄処理としては、例えば、透明支持体12を、プラズマドライクリーナー(ヤマト科学(株)製、PDC200)中に、0.1〜30分間浸漬させることによって行うことができる。
【0021】
また、金属薄膜14の材質としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、金、銀、アルミニウム、銅、および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなり、より好ましくは、金からなり、さらに、これらの金属の合金から構成してもよい。
【0022】
なお、透明支持体12としてガラスを用いる場合、透明支持体12と金属薄膜14とをより強固に接着するために、透明支持体12の表面に、例えば、クロム、ニッケルクロム合金、チタンなどの薄膜(下地薄膜)を形成し、この下地薄膜の表面に金属薄膜14を形成することが好ましい。
【0023】
透明支持体12に、下地薄膜や金属薄膜14を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法など)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法、蒸着法を使用するのが、薄膜形成条件の調整が容易であるので望ましい。
【0024】
また、金属薄膜14の厚さとしては、特に限定されるものではないが、好ましくは、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、および、それらの合金:5〜500nmの範囲内であるのが望ましく、下地薄膜の厚さは、1〜20nmの範囲内が望ましい。
【0025】
なお、電場増強効果の観点から、より好ましい金属薄膜14の厚さとしては、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、および、それらの合金:10〜70nmの範囲内であるのが望ましく、下地薄膜の厚さは、クロムである場合、1〜3nmであるのが望ましい。
【0026】
リガンドとは、検体中に含有されるアナライトを特異的に認識し(または、認識され)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などであれば、特に限定されない。
【0027】
上記「タンパク質」としては、例えば、抗体などが挙げられ、具体的には、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)、抗ガン胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体などが挙げられる。なお、本発明において、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、遺伝子組換えにより得られる抗体、および抗体断片を包含する。
【0028】
リガンドの固定化方法としては、たとえば、特開2009−79963号公報や特開2012−37477号公報において開示されているような公知の手法が用いられる。たとえば、(1)水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基などの官能基(好ましくは、水酸基およびカルボキシル基)を有する反応性ポリマーを含む反応性ポリマー層を透明支持体表面に形成し、反応性ポリマーの各種官能基とリガンドが有する官能基とで反応させて化学結合を形成する方法、(2)透明支持体表面に、感応性反応基を有する化合物(例えば、シランカップリング剤など)を含む層を形成し、該化合物を介してリガンドを固定化する方法などが挙げられる。
【0029】
なお、上記反応性ポリマーとしては、カルボキシメチルデキストラン〔CMD〕、ポリエチレングリコール、イミノジ酢酸誘導体((N−5−amino−1−carboxypentyl)iminodiacetic acid等)、ビオチン−アビジン、ビオチン−ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインGなどが挙げられる。
【0030】
また、「シランカップリング剤」としては、加水分解でシラノール基(Si-OH)を与えるエトキシ基(またはメトキシ基)を有し、他端にアミノ基やグリシジル基、カルボキシル基などの反応基を有するシランカップリング剤であれば特に限定されず、従来公知のシランカップリング剤を用いることができる。
【0031】
また、この実施例のセンサーチップ10は、センサーチップ10の反応部16にアナライトを含む検体液を導入するための反応空間形成部材として、流路部材18を備えている。流路部材18は、
図1に示すように、透明支持体12と流路部材18とによって流路20を形成し、検体液が反応部16に対して送液するように構成されている。
【0032】
すなわち、流路20の反応部16上が反応空間24となっており、この反応空間24に検体液を流通させることによって、検体液中のアナライトと反応部16のリガンドとが反応して、リガンドにアナライトが捕捉されることになる。
【0033】
なお、流路20に検体液を流通させる方法としては、特に限定されるものではないが、流路20の両端部20a,20bにポンプ(図示せず)を接続して、検体液を一方向に循環させてもよいし、流路20の端部20aからピペットを用いて検体液を注入し送液させてもよいし、もしくは注入するとともに、ピペットによって検体液を吸排することによって、反応部16に対して検体液を往復移動させてもよい。
【0034】
特に、反応部16に対して検体液を往復移動させることによって、少量の検体液であっても、アナライトとリガンドとの反応効率が高くなり、アナライトの検出精度を向上させることができる。
【0035】
また、反応部16は、反応空間24に面する金属薄膜14を完全に被覆していなくともよい。特に、反応部16の面積を少なくすることで、検体液中のアナライトが高密度に捕捉されることになる。
【0036】
なお、本実施例では、反応空間形成部材として、流路部材18を用いているが、反応部16上にアナライトを含有した検体液を一時的に貯留、または、反応部16に対してアナライトを含有した検体液を送液させることができるものであればこれに限定されず、例えば、
図2に示すように、反応部16を囲繞するように反応部16の壁を構成し、反応空間24を形成するウェル部材22であってもよい。
【0037】
また、反応空間形成部材(流路部材18、ウェル部材22)の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス、セラミックスなどの各種の無機物、天然ポリマー、合成ポリマーを用いることができる。
【0038】
また、反応空間形成部材(流路部材18、ウェル部材22)の開口部側25には、反応空間24を密閉空間とするための、密閉空間形成部材26が備えられている。
すなわち、透明支持体12と反応空間形成部材(流路部材18、ウェル部材22)と密閉空間形成部材26とによって密閉空間が形成されている。
【0039】
そして、この密閉空間中の水分量Xと、密閉空間中の金属薄膜14の面積Yとが、下記式(1)を満たすように、密閉空間中の水分量が調整されている。
【0041】
このように密閉空間中の水分量を調整することによって、センサーチップ10を長期保存した場合であっても、金属薄膜14に円形隆起などの欠陥が発生することがなく、センサーチップ10のアッセイ性能が低下することを抑制できる。
【0042】
なお、密閉空間形成部材26としては、密閉空間中の水分量が変化しにくいものであれば特に限定されるものではないが、例えば、防湿性の高いポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルムなどの樹脂フィルムやこれらを含む多層フィルム、アルミ箔や金薄膜などの金属薄膜と樹脂フィルムから構成される複合フィルムなどを用いることができる。
【0043】
また、密閉空間形成部材26はフィルムに限定されず、例えば、ガラス、セラミックスなどの各種の無機物、天然ポリマー、合成ポリマーなどを板状に成形したものを用いても構わない。
【0044】
また、センサーチップ10として、反応空間形成部材を含まない構成とする場合には、例えば、
図3に示すように、透明支持体12と密閉空間形成部材26とによって密閉空間が形成されるように、密閉空間形成部材26の形状を変更することもできる。
【0045】
また、密閉空間形成部材26のみによって密閉空間24を形成する場合には、例えば、
図4に示すように、密閉空間形成部材である包装体27によってセンサーチップ10を包含し、包装体27の口部27aをシール部材27bによって封止することができる。
【0046】
また、密閉空間中の水分量が上記式(1)を満たすように調整する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、真空乾燥、蒸気乾燥、吸引乾燥などの乾燥方法を用いることができ、反応空間形成部材の形状などによって適宜選択可能である。
【0047】
2.センサーチップの使用方法
このように構成されるセンサーチップ10は、例えば、SPR装置やSPFS装置などの光学式検体検出装置などに用いられる。
図5は、
図1のセンサーチップの使用方法の一例として、センサーチップ10をSPFS装置に用いた場合の構成を説明するための概略構成図である。
【0048】
図5に示すように、この実施例のSPFS装置50では、SPFS装置50に設けられたセンサーチップ装填部52に、センサーチップ10が装填されている。なお、本実施例では、透明支持体12として、鉛直断面形状が略台形であるプリズム形状の透明支持体12を用いているが、透明支持体12を、可撓性を有するフィルム形状とする場合には、センサーチップ装填部52に装填されたプリズム形状の誘電体部材の上面にセンサーチップ10を固定すればよい。
【0049】
また、センサーチップ10の下方の一方の側面12aの側には、
図5に示すように、光源54が配置されており、この光源54からの励起光56が、センサーチップ10の透明支持体12(もしくは、誘電体部材)の外側下方から、透明支持体12の側面12aに入射して、透明支持体12を介して、透明支持体12の上面の金属薄膜14に向かって照射されるようになっている。
【0050】
なお、光源54には、光源54から照射される励起光56の、金属薄膜14に対する入射角を適宜変更可能とする入射角調整手段(図示せず)が備えられており、SPFS測定を行う際に、励起光56の入射角を適宜変更することができる。
【0051】
また、センサーチップ10の上方には、後述するように、金属薄膜14上に発生した表面プラズモン光(疎密波)によって励起されたアナライトを標識する蛍光物質から発生する蛍光58を受光する光検出手段60が設けられている。
【0052】
このように構成されたSPFS装置50では、まず、密閉空間形成部材26を除去し、アナライトを含む検体液を流路20に適量送液し、所定時間送液させる。これによって、金属薄膜14上の反応部16に固定化されたリガンドにアナライトが捕捉されることになる。
【0053】
なお、密閉空間形成部材26として、フィルムを用いている場合には、密閉空間形成部材26を除去せずに、例えば、ピペットなどの先端をフィルムに刺入することによって、密閉空間形成部材26を貫通して、流路20に検体液を送液するようにしてもよい。
【0054】
次に、アナライトを標識するための蛍光物質を含んだ蛍光物質溶液を、流路20に適量送液し、所定時間送液させる。これによって、反応部16のリガンドに捕捉されたアナライトが蛍光物質によって標識されることになる。
【0055】
このようにして、蛍光物質によって標識されたアナライトが、センサーチップ10の反応部16に捕捉された状態となる。この状態で、光源54から励起光56を、透明支持体12を介して、センサーチップ10の金属薄膜14に照射するとともに、蛍光58を光検出手段60によって受光することによって、SPFS測定による蛍光の光量を測定することができる。
【0056】
そして、この蛍光の光量を、例えば、事前に作成したアナライト濃度と蛍光の光量に関する検量線と比較することによって、検体液中のアナライトの総量(アナライト濃度)を算出することができる。
【実施例】
【0057】
上記のセンサーチップ10を用いて、密閉空間中の水分量をそれぞれ変更して保存した場合の金属薄膜14の欠陥の有無およびセンサーチップ10のアッセイ性能を確認した。
なお、金属薄膜14の欠陥の有無は、光学顕微鏡を用いて金属薄膜14の表面状態を観察することによって行った。また、密閉空間中の水分量はアッセイ性能を確認するセンサーチップとは別に、全く同一の方法で準備したセンサーチップを、カールフィッシャー水分計を用いて計測した。
【0058】
また、アッセイ性能は、以下のような手順によって確認を行った。
まず、流路20に、AFP(2.0mg/mL溶液、Acris Antibodies GmbH社)が0.1ng/mLの濃度となるようPBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/分の流速にて20分間フローさせた。
【0059】
続いて、標識抗体としてAlexa Fluor 647標識抗AFPモノクローナル抗体が2.5μg/mLの濃度で含む、1%BSA−PBSバッファー溶液(pH7.4)を、500μL/分の流速にて20分間フローさせた。次いで、洗浄工程として、0.005%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を500μL/分の流速にて10分間フローさせた。
【0060】
洗浄工程の後、PBSバッファー(pH7.4)で流路を満たした状態にして、プラズモン励起センサの裏側からプリズムを経由してレーザー光(640nm、40μW)を照射し、センサ表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。この測定値を「アッセイシグナル」とした。
【0061】
一方、別のセンサーチップ10について、最初にフローさせた送液として、AFPをまったく含まない(0ng/mL)PBSバッファー(pH7.4)を用いたことを除いては、上記と同じ手順で蛍光量を測定し、その測定値を「ブランクシグナル」とした。ブランクシグナルおよびアッセイシグナルから下記式によりS/Nを算出した。
S/N=|(アッセイシグナル)|/|(ブランクシグナル)|
【0062】
各実施例、比較例の条件は下記のとおりである。得られた結果を表1に示す。
実施例1は、透明支持体12の材料としてシクロオレフィンポリマー樹脂(日本ゼオン株式会社、ZEONEX(登録商標))を用いて、密閉空間中の水分量を0.01μg/mm
2とした。
【0063】
実施例2は、透明支持体12の材料としてシクロオレフィンポリマー樹脂(日本ゼオン株式会社、ZEONEX(登録商標))を用いて、密閉空間中の水分量を0.25μg/mm
2とした。
【0064】
実施例3は、透明支持体12の材料としてシクロオレフィンポリマー樹脂(日本ゼオン株式会社、ZEONEX(登録商標))を用いて、密閉空間中の水分量を1.1μg/mm
2とした。
【0065】
実施例4は、透明支持体12の材料としてシクロオレフィンポリマー樹脂(日本ゼオン株式会社、ZEONEX(登録商標))を用いて、密閉空間中の水分量を9.5μg/mm
2とした。
【0066】
実施例5は、透明支持体12の材料としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を用いて、密閉空間中の水分量を6.4μg/mm
2とした。
【0067】
実施例6は、透明支持体12の材料として合成石英ガラス(BK7)を用いて、密閉空間中の水分量を7.7μg/mm
2とした。
【0068】
比較例1は、透明支持体12の材料としてシクロオレフィンポリマー樹脂(E48R(日本ゼオン株式会社、ZEONEX(登録商標)))を用いて、密閉空間中の水分量を12μg/mm
2とした。
【0069】
比較例2は、透明支持体12の材料としてシクロオレフィンポリマー樹脂(日本ゼオン株式会社、ZEONEX(登録商標))を用いて、密閉空間形成部材26を設けない状態で保存した。
【0070】
比較例3は、透明支持体12の材料としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を用いて、密閉空間中の水分量を14.5μg/mm
2とした。
【0071】
比較例4は、透明支持体12の材料として合成石英ガラス(BK7)を用いて、密閉空間中の水分量を13.5μg/mm
2とした。
【0072】
【表1】