【実施例】
【0013】
図1は、本実施例の光変調器の構成例を示す平面図である。
図1に示す光変調器は、基板10と、基板10に形成された光導波路群20とを有する。以下の説明では、基板10の長手方向を「x方向」と記し、「x方向」に垂直な方向をy方向と記す。
【0014】
基板10は、電気光学効果を有する材料により形成される。電気光学効果を有する材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム(LN:Lithium Niobate)が用いられる。
【0015】
光導波路群20は、例えば、基板10の一部にチタン(Ti)等の金属膜を形成し熱拡散することによって形成される。また、光導波路群20上には図示しない複数の電極が設けられる。光導波路群20は、光源からの光を伝搬しつつ、複数の電極に供給される電気信号に基づく光変調を行う。
【0016】
光導波路群20は、
図1に示すように、入力用光導波路21と、一対の中継光導波路22、23と、一対の第1のMZ型光導波路24、25と、一対の第2のMZ型光導波路26、27と、一対の第2のMZ型光導波路28、29とを有する。
【0017】
入力用光導波路21は、光の入力用の導波路である。
【0018】
一対の中継光導波路22、23は、入力用光導波路21から分岐する。一対の中継光導波路22、23は、略S字状に湾曲している。
【0019】
一対の第1のMZ型光導波路24、25は、一対の中継光導波路22、23に接続される。一対の第1のMZ型光導波路24、25の入力端24a、25aは、基板10の長手方向(つまり、x方向)において互いにずれた位置に配置される。
図1の例では、第1のMZ型光導波路24の入力端24aは、x方向において、相対的に入力用光導波路21に近い位置に配置され、第1のMZ型光導波路25の入力端25aは、x方向において、相対的に入力用光導波路21から遠い位置に配置される。ここで、中継光導波路22の曲率及び中心角をそれぞれR
x、θ
xとし、中継光導波路23の曲率及び中心角をそれぞれR
y、θ
yとする。この場合、一対の第1のMZ型光導波路24、25の入力端24a、25aは、例えばR
x=R
y及びθ
x<θ
yという関係が成立するように、x方向において互いにずれた位置に配置される。一対の第1のMZ型光導波路24、25の入力端24a、25aがx方向において互いにずれた位置に配置されることにより、一対の中継光導波路22、23の長さがある程度抑えられる。その結果、基板10の長手方向(つまり、x方向)のサイズを小型化することが可能となる。
【0020】
また、第1のMZ型光導波路24の一対のアームにおいて各アームの分岐点となる入力端24aから一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aに至る部分は、略S字状に湾曲している。また、第1のMZ型光導波路25の一対のアームにおいて各アームの分岐点となる入力端25aから一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aに至る部分は、略S字状に湾曲している。
【0021】
また、一対の第1のMZ型光導波路24、25の各々の一対のアームは、後述される直線L1又は直線L2を基準として対称の位置に配置される。
【0022】
一対の第2のMZ型光導波路26、27は、第1のMZ型光導波路24の一対のアームに形成される。一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aは、第1のMZ型光導波路24の各アームの分岐点となる入力端24aを通過し且つ基板10の長手方向(つまり、x方向)に延びる直線L1を基準として対称の位置に配置される。言い換えると、一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aは、直線L1に沿った、入力端24aと入力端26aとの間の距離が、直線L1に沿った、入力端24aと入力端27aとの間の距離に等しくなるように、配置される。ここで、第1のMZ型光導波路24の上段のアームにおいて入力端24aから第2のMZ型光導波路26の入力端26aに至る部分の曲率及び中心角をそれぞれR
i1、θ
i1とする。また、第1のMZ型光導波路24の下段のアームにおいて入力端24aから第2のMZ型光導波路27の入力端27aに至る部分の曲率及び中心角をそれぞれR
q1、θ
q1とする。この場合、一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aは、例えばR
i1=R
q1及びθ
i1=θ
q1という関係が成立するように、直線L1を基準として対称の位置に配置される。一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aが直線L1を基準として対称の位置に配置されることにより、第1のMZ型光導波路24の一対のアーム間において光損失の差分が低減される。このため、第1のMZ型光導波路24の一対のアームの合流点となる出力端24bにおいて効率的な光合成が行われる。その結果、光変調器全体における消光比等の光特性の劣化が抑えられる。
【0023】
また、一対の第2のMZ型光導波路26、27の出力端26b、27bは、直線L1を基準として対称の位置に配置される。一対の第2のMZ型光導波路26、27の出力端26b、27bが直線L1を基準として対称の位置に配置されることにより、第1のMZ型光導波路24の一対のアーム間において光損失の差分が更に低減される。このため、第1のMZ型光導波路24の一対のアームの合流点となる出力端24bにおいてより効率的な光合成が行われる。その結果、光変調器全体における消光比等の光特性の劣化がより一層抑えられる。
【0024】
一対の第2のMZ型光導波路28、29は、第1のMZ型光導波路25の一対のアームに形成される。一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aは、第1のMZ型光導波路25の各アームの分岐点となる入力端25aを通過し且つ基板10の長手方向(つまり、x方向)に延びる直線L2を基準として対称の位置に配置される。言い換えると、一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aは、直線L2の方向において入力端25aと入力端28aとの間の距離が入力端25aと入力端29aとの間の距離に等しくなるように、配置される。ここで、第1のMZ型光導波路25の上段のアームにおいて入力端25aから第2のMZ型光導波路28の入力端28aに至る部分の曲率及び中心角をそれぞれR
i2、θ
i2とする。また、第1のMZ型光導波路25の下段のアームにおいて入力端25aから第2のMZ型光導波路29の入力端29aに至る部分の曲率及び中心角をそれぞれR
q2、θ
q2とする。この場合、一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aは、例えばR
i2=R
q2及びθ
i2=θ
q2という関係が成立するように、直線L2を基準として対称の位置に配置される。一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aが直線L2を基準として対称の位置に配置されることにより、第1のMZ型光導波路25の一対のアーム間において光損失の差分が低減される。このため、第1のMZ型光導波路25の一対のアームの合流点となる出力端25bにおいて効率的な光合成が行われる。その結果、光変調器全体における消光比等の光特性の劣化が抑えられる。
【0025】
また、一対の第2のMZ型光導波路28、29の出力端28b、29bは、直線L2を基準として対称の位置に配置される。一対の第2のMZ型光導波路28、29の出力端28b、29bが直線L2を基準として対称の位置に配置されることにより、第1のMZ型光導波路25の一対のアーム間において光損失の差分が更に低減される。このため、第1のMZ型光導波路25の一対のアームの合流点となる出力端25bにおいてより効率的な光合成が行われる。その結果、光変調器全体における消光比等の光特性の劣化がより一層抑えられる。
【0026】
以上説明したように、本実施例の光変調器は、基板10と、基板10に形成された光導波路群20とを有する。光導波路群20は、一対の中継光導波路22、23と、一対の第1のMZ型光導波路24、25と、一対の第2のMZ型光導波路26、27とを有する。一対の中継光導波路22、23は、入力用光導波路21から分岐する。一対の第1のMZ型光導波路24、25は、一対の中継光導波路22、23に接続され、入力端24a、25aが基板10の長手方向(つまり、x方向)において互いにずれた位置に配置される。一対の第2のMZ型光導波路26、27は、各一対の第1のMZ型光導波路(例えば、第1のMZ型光導波路24)の一対の光分岐導波路(アーム)に形成される。一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aは、第1のMZ型光導波路24の各アームの分岐点となる入力端24aを通過し且つ基板10の長手方向に延びる直線L1を基準として対称の位置に配置される。
【0027】
この光変調器の構成により、基板10の長手方向のサイズを小型化しつつ、光特性の劣化を抑えることができる。
【0028】
(変形例)
なお、上記実施例では、一対の第1のMZ型光導波路24、25の各々の一対のアームは、直線L1又は直線L2を基準として対称の位置に配置される例を示したが、開示技術はこれに限定されない。例えば、
図2に示すように、一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aが直線L1を基準として対称の位置に配置されていれば、第1のMZ型光導波路24の一対のアームは、直線L1を基準として非対称の位置に配置されても良い。また、一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aが直線L2を基準として対称の位置に配置されていれば、第1のMZ型光導波路25の一対のアームは、直線L2を基準として非対称の位置に配置されても良い。このような変形例では、第1のMZ型光導波路24の一対のアームは、互いに異なる曲率及び中心角を有するものとしても良い。また、第1のMZ型光導波路25の一対のアームも、互いに異なる曲率及び中心角を有するものとしても良い。なお、
図2は、変形例1の光変調器の構成例を示す平面図である。
【0029】
また、上記実施例では、直線L1と直線L2とが共に基板10の長手方向(つまり、x方向)に延びる例を示したが、直線L1と直線L2とが基板10の長手方向に含まれ、且つ互いに異なる2つの方向に延びても良い。
図3は、変形例2の光変調器の構成例を示す平面図である。
図3において、第1のMZ型光導波路24の各アームの分岐点となる入力端24aへの光の入射方向と、第1のMZ型光導波路25の各アームの分岐点となる入力端25aへの光の入射方向とは、基板10の長手方向に含まれ、且つ互いに異なる。かかる場合、直線L1は、第1のMZ型光導波路25の各アームの分岐点となる入力端24aへの光の入射方向に延び、直線L2は、第1のMZ型光導波路25の各アームの分岐点となる入力端25aへの光の入射方向に延びる。
図3に示した構成においても、一対の第2のMZ型光導波路26、27の入力端26a、27aは、直線L1を基準として対称の位置に配置され、一対の第2のMZ型光導波路28、29の入力端28a、29aは、直線L2を基準として対称の位置に配置される。これにより、基板10の長手方向のサイズを小型化しつつ、光特性の劣化を抑えることができる。