(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233497
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 5/24 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
H02K5/24 Z
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-246515(P2016-246515)
(22)【出願日】2016年12月20日
(62)【分割の表示】特願2013-22927(P2013-22927)の分割
【原出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2017-79595(P2017-79595A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】持田 敏治
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 章夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 雄之
【審査官】
三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−94231(JP,A)
【文献】
実開昭62−104552(JP,U)
【文献】
実開昭58−97956(JP,U)
【文献】
特開2000−228843(JP,A)
【文献】
特開昭51−7406(JP,A)
【文献】
実開昭59−107560(JP,U)
【文献】
特開2012−152094(JP,A)
【文献】
特開2011−223679(JP,A)
【文献】
実開昭57−63473(JP,U)
【文献】
特開平8−47204(JP,A)
【文献】
特開平10−66300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子のシャフトを支持するシールドの内側の面と外側の面の両方に前記シールドの中心側から外に向けて放射状に延びるリブを設け、
前記シールドの外側の面に設けられたリブの内周側端面の位置が、前記シールドの内側の面に設けられたリブの外周側端面から所定の間隔を隔てた位置となるように各リブが設けられており、
前記シールドは、前記シールドの外側の面に設けられたリブの内周側端面と前記シールドの内側の面に設けられたリブの外周側端面の間の部分が肉厚となるように形成されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記回転子の最大回転速度が大きいほど、多くの前記リブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記回転子の最大回転速度が大きいほど、前記リブが厚く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記回転子の最大回転速度が大きいほど、前記リブが高く形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項5】
前記回転子の最大回転速度が大きいほど、前記リブの裾幅が長く形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項6】
前記リブの外周側端面の位置が、前記シールドの外周に沿って設けられたフレームの内周面から所定の間隔を隔てた位置となるように前記リブが設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項7】
前記シールドは、前記リブの外周側端面と前記フレームの内周面の間の部分が肉厚となるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
【請求項8】
前記シールドの内側の面には、前記シャフトを支持する軸受を収納するハウジングが設けられており、前記リブの内周側端面の位置が前記ハウジングの外周面から所定の間隔を隔てた位置となるように前記リブが設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項9】
前記シールドは、前記リブの内周側端面と前記ハウジングの外周面の間の部分が肉厚となるように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の回転電機。
【請求項10】
内側の面に設けられたリブは前記ハウジングの外側に放射状に延びていることを特徴とする請求項8または9の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項11】
前記ハウジングが、回転子のコイルエンドよりも内側に入り込んでいることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項12】
回転軸に直交する方向の前記ハウジングの振動を抑制する手段を設けたことを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項13】
前記回転子の最大回転速度が大きいほど、前記ハウジングが肉厚に形成されていることを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項14】
前記回転子の最大回転速度が大きいほど、前記シールドが肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項15】
前記シールドとは別個に成形された部材を前記シールドに取り付けて前記リブを形成したことを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の回転電機。
【請求項16】
回転子のシャフトを支持するシールドの剛性を前記シャフトの剛性と同等以上としたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項17】
回転子のシャフトを支持する軸受を収納するハウジングが内側の面に設けられたシールドを有する回転電機において、前記ハウジングが回転子のコイルエンドよりも内側に入り込んでいることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動機や発電機のように回転子を有する電機の高速かつ大トルク化を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
回転子(以下、「ロータ」と呼ぶ場合がある)を有する電機(以下、回転電機)の大トルク化を実現するための方策としては、ロータ長を長くすること挙げられる。しかし、ロータ長を長くすると危険速度が低下する。危険速度とは、回転子の偏心に起因して生じる回転子のシャフトの撓みの大きさが、理論上、無限大に発散してしまう回転速度(単位時間当たりの回転数)のことをいう。回転電機を危険速度近辺で定常稼働させることは危険であるため、回転電機は、定常稼働域の上限(以下、最大回転速度)の1.2倍程度が危険速度となるように設計されていることが多い。
【0003】
このように、ロータ長を長くすることで回転電機の大トルク化を実現する方策は危険速度の低下を招くため、例えば毎分20000回転以上といった高速回転を要求される高速電動機などに採用する際には危険速度が定常稼働域に入ることが無いように充分に配慮しなければならない。また、この種の高速電動機については、回転子のシャフトを支持するベアリングなどの軸受の剛性にも充分に配慮する必要がある。非特許文献1では、jefcottロータなどの弾性ロータの曲げ危険速度について解説されている。非特許文献1の第3章には、ロータ支持系の剛性が危険速度に与える影響について記載されている。これによると、軸受の剛性がシャフトの剛性の10倍以上あれば剛軸受として扱って良いが、これ以下の場合は剛軸受の場合と比較して危険速度が著しく低下する。例えば軸受の剛性がシャフトの剛性と同程度であれば、剛軸受の場合に比較して危険速度が20%程度も低下する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】回転体の力学、森北出版株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上説明したように、回転電機の高速かつ大トルク化を実現する際には、ロータ長や軸受の剛性に充分に配慮する必要があることが従来より知られていたのであるが、本願発明者の行った実験によって、これらに配慮するだけでは不十分であることが判明した(この実験の詳細については本発明の実施形態の説明において明らかにする)。
【0006】
本発明は上記実験に基づくものであり、予期せぬ危険速度の低下を生じさせることなく、回転電機の高速かつ大トルク化を実現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、回転電機において、回転子のシャフトを支持するシールドの内側および外側の面の両方に当該シールドの中心側から外に向けて放射状に延びるリブを設け、前記シールドの外側の面に設けられたリブの内周側端面の位置が、前記シールドの内側の面に設けられたリブの外周側端面から所定の間隔を隔てた位置となるように各リブが設けられており、前記シールドは、前記シールドの外側の面に設けられたリブの内周側端面と前記シールドの内側の面に設けられたリブの外周側端面の間の部分が肉厚となるように形成されていることを特徴とする。このようなリブをシールドに設けるのは、シールドの剛性を高め、回転子と当該回転子のシャフトを支持する軸受と当該軸受を支持するハウジングの設けられたシールドとからなる振動系の固有振動に応じた回転速度(すなわち、危険速度)が最大回転速度以下に低下しないようにする(換言すれば、当該固有振動数に応じた危険速度が当該回転電機の定常稼働域に入らないようにする)ためである。
【0008】
前述したように、上記振動系の固有振動は本願発明者の行った実験により初めて発見されたものであり、シールドの剛性が高いほど上記危険速度の低下が抑えられることが本発明者の行った実験により判明した。したがって、最大回転速度が大きいほど(すなわち、高速回転を要求されるほど)、シールドの剛性を高める必要があり、リブの数を増やす、リブの厚みを厚くする、リブの高さを高くする、リブの裾幅を広くするようにすれば良い。また、リブを設ける代わりに(或いはリブを設けることと併用して)、シールドの厚みを厚くするといった方策を採用しても良く、回転子のシャフトの剛性や軸受の剛性を高めるといった従来技術をさらに併用しても勿論良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態の電動機の要部を説明するための図である。
【
図3】同電動機に用いられるシールドの斜視図である。
【
図4】本実施形態の電動機の要部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(A:実施形態)
本発明の理解を容易にするため、まず、一般的な電動機の構成を簡単に説明する。
図1は、一般的な電動機の回転軸を含む平面による断面図である。
図1に示すように、電動機は、シャフト12と当該シャフト12の周囲に巻きつけられた鉄心14とよりなる回転子10を有している。
図1では詳細な図示を省略したが、鉄心14には例えば銅線などにより形成されたコイルが巻きつけられている。鉄心14を挟んで対向する2枚のシールド40は円盤状に形成された部材であり、フレーム30とともに電動機の筐体を形成する。シールド40の中心にはシャフト12を貫通させる貫通孔が設けられており、シールド40の内側の面(鉄心14側の面)には、ベアリングなどの軸受20を収納するためのハウジング42が上記貫通孔を取り囲むように設けられている。フレーム30には、回転子10を取り囲むように複数の鉄心32が設けられている。
図1では、詳細な図示を省略したが、鉄心32にも銅線などにより形成されたコイルが巻きつけられており、当該コイルに与える電流を制御することで回転磁界が形成される。
図1に示す電動機では、この回転磁界による磁力を受けて回転子10がシャフト12を回転軸として回転する。
【0011】
図2は、本発明の一実施形態の電動機の要部の構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の電動機は、シールド40の内側の面に当該シールド40の剛性を高めるためのリブ44を設けたことにその特徴がある。
図3は、本実施形態の電動機におけるシールド40の外観を示す図である。
図3に示すように、本実施形態の電動機のシールド40には、ハウジング42からシールド40の外周方向に向けて放射状に伸びる8本のリブ44が設けられている。
このようなリブをシールドの内側の面に設けた理由は以下の通りである。
【0012】
電動機のトルクを増大させるための手法としてはロータ長を増やすことが考えられるものの、毎分20000回転以上などの高速稼働を要求仕様として課される場合には危険速度の問題から、慎重な設計が必要とされることは前述した通りである。ここで、危険速度の低下を抑える手法としては、シャフト12の高剛性化、回転子10の軽量化、軸受20の高剛性化が一般に知られている。本実施形態においても、これら一般的な手法は全て盛り込み済みである。
【0013】
従来、電動機の設計は、シールド40を剛体と見做して行われるのが一般的であった。本出願人も当初、シールド40を剛体と見なし、回転子10の偏心に起因する振動の固有振動数を565.7[Hz]、最大回転速度を28,285[回転/分]として設計を行った。なお、最大回転速度を上記値としたのは当該値の1.2倍が上記固有振動数に応じた回転速度(すなわち、危険速度)となるからである。ところが試作した電動機を稼働させて固有振動数を実測してみると、383[Hz]に固有振動数が存在し、最大回転速度を19,150[回転/分]とせざるを得ないことが判明した。後に精査したところ、383[Hz]という振動数は、回転子10および軸受20にシールド40も含めた振動系の固有振動数であることが明らかとなった。
【0014】
つまり、高速回転を要求される電動機では、シールド40を無条件に剛体と見做すことはできず、シールド40の剛性を確保するために充分配慮を払わねばならないことが本出願の行った実験により判明した。本実施形態において、シールド40の内側の面にリブ44を設けたのは、シールド40の剛性を高め、回転子10および軸受20にシールド40も含めた振動系の固有振動数が充分に高い値となるようにする(すなわち、当該固有振動数に応じた回転数が電動機の要求仕様等に応じて定まる最大回転速度を下回らないようにする)ためである。なお、本出願人の行った実験によれば、シールド40の剛性はシャフト12の剛性と同等(±30[%])以上であることが好ましいことも判明した。
【0015】
図3に示すように、本実施形態では、シールド40の内側の面に、ハウジング42の外周面から外側に向かって放射状に伸びる8本のリブ44が設けられている。このようにリブ44を設けたことにより、リブ44を設けなかった場合に比較して固有振動数を383[Hz]から508.2[Hz]まで高めることができた。固有振動数が508.2[Hz]であれば、危険速度は30,492[回転/分]であるから、例えば安全率を1.2倍とした場合であっても、最大回転速度は25,410[回転/分]となる。なお、
図2および
図3に示すようにシールド40の内側の面にリブ44を設けるのではなく、
図4に示すようにシールド40の外側の面にリブ44を設けても勿論良い。シールド40の剛性向上という観点からすれば、シールド40の内側の面にリブ44を設ける方が効果的と考えられるが、シールド40の外側の面にリブ44を設けるようにすれば、外気に触れるシールド40の表面積が大きくなり、放熱性能も同時に向上すると期待される。また、シールド40の内側の面にリブ44を設ける場合に比較して、コイルエンドとの干渉に配慮を払わなくても良い、といった利点もある。
【0016】
リブ44は、シールド40と一体成型される態様であっても良いが、シールド40とは別個に設計・製作したリブ44を溶接等によりシールド40に取り付けるようにすることが好ましい。その理由は以下の通りである。リブ44の形状、大きさ、シールド40に取り付ける個数および取り付け位置については、まず、最大回転速度に応じてシールド40の剛性をどの程度にすれば良いかを伝達マトリクス法等を用いて正確に算出し、その算出結果に応じて適宜定めるようにすれば良い。リブ44をシールド40とは別個に設計し、溶接などによりシールド40に取り付けるようにすれば、リブ44の設計および製作により電動機に対する要求仕様にきめ細やかに対応することが可能になり、電動機の設計・製作効率が高まると期待される。
【0017】
シールド40の外側(或いは内側)の面に取り付けられるリブ44の大きさや形状(裾幅(シールド40の半径方向のリブ44の寸法)W、高さ(シールド40の法線方向のリブ44の寸法))H、および厚みD)については種々の態様が考えられる。基本的には、最大回転速度が大きい程、裾幅Wを長く、或いは高さHを高く、或いは厚みDを厚くすることが好ましい。リブ44の裾幅Wが長いほど、或いは高さHが高いほど、或いは厚みDが厚いほど、シールド40の剛性は高くなるからである。また、最大回転速度が大きいほどシールド40の設けるリブ44の数を多くすることも考えられる。ただし、リブ44の数を多くするほど、裾幅Wを長く、或いは高さHを高く、或いは厚みDを厚くするほどシールド40の質量が増加する点に配慮する必要があることは言うまでもない。
【0018】
また、リブ44の具体的な設置態様としては、
図5に示すようにリブ44の外周側端面44aとフレーム30の内周面30aとの間に間隔が空いている態様であっても良く、
図6に示すようにリブ44の外周側端面44aがフレーム30の内周面30aよりも外周側に位置している態様であっても良い。シールド40の剛性の向上という観点から見ると、上記間隔を設けない方が好ましいが、リブ44の裾幅Wを長くするとその分だけシールド40の質量が増加し、固有振動数が低下する虞がある。したがって、
図5に示す態様と
図6に示す態様の何れを採用するのかについては、最大回転速度に対する要求仕様との兼ね合いで適宜好適な方を採用するようにすれば良い。
【0019】
図5では、リブ44の外周側端面44aとフレーム30の内周面30aとの間隔tr1がフレーム30の厚みtfよりも小さい場合について例示されている。シールド40の剛性向上という観点からは、間隔tr1がフレーム30の厚みtfよりも小さい方が好ましいからである。なお、
図5に示すように、リブ44の外周側端面44aとフレーム30の内周面30aとの間に間隔を設ける態様においては、
図7に示すように、リブ44の外周側端面44aとフレーム30の内周面30aとの間の部分46の厚みがその他の部分よりも肉厚になるようにシールド40を形成しても良い。
【0020】
リブ44の内周側端面40bの位置についても種々の態様が考えられる。例えば、
図8に示すように、リブ44の内周側端面44bとハウジング42の外周面42aとの間に間隔が空いている態様であっても良く、
図9に示すように、リブ44の内周側端面44bがハウジング42の外周面42aよりも内周側に位置している態様であっても良い。リブ44の内周側端面44bとハウジング42の外周面42aとの間に間隔を設ける場合においても、当該間隔の長さtr2はハウジング42の厚みthよりも小さいことが好ましい。また、上記間隔を設ける場合には、
図10に示すように、リブ44の内周側端面44bとハウジング42の外周面42aとの間の部分46の厚みがその他の部分よりも肉厚になるようにシールド40を形成しても良い。
【0021】
また、シールド40の内側の面と外側の面の何れか一方にリブ44を設けるのではなく、
図11に示すように、シールド40の外側の面にはリブ44−1を設け、同内側の面にはリブ44−2を設けるようにしても良い。この場合、
図12に示すように、リブ44−1の内周側端面とリブ44−2の外周側端面との間に間隔が空いていても良く、また、
図11に示すように、当該間隔を空けずにリブ44−1および44−2を設けても良い。なお、前者の態様においては、上記間隔の長さtr3はシールド40の厚みtsよりも小さいことが好ましく、
図13に示すように、リブ44−1の内周側端面とリブ44−2の外周側端面の間の部分46の厚みがその他の部分よりも肉厚になるようにシールド40を形成しても良い。
【0022】
以上説明したように、本実施形態によれば、回転子10および軸受20に加えてシールド40も含めた振動系の固有振動に起因する危険速度の低下を回避し、電動機の大トルク化および高速化を実現することが可能になる。また、本実施形態によれば、シールド40の外側および内側の面の少なくとも一方にシールド40とは別個独立に設計されたリブ44を溶接により取り付けることでシールド40の剛性の向上を実現しているため、電動機の設計・製作効率が向上するといった効果もある。
【0023】
(B:変形)
以上本発明の一実施形態について説明したが、以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上記実施形態では、電動機への適用例を説明したが、発電機に適用しても勿論良い。要は、回転電機であれば本発明を適用することが可能である。
【0024】
(2)上記実施形態では、シールド40の内側および外側の面の少なくとも一方にリブ44を設けることでシールド40の剛性を高めたが、シールド40を厚くすることで剛性を高めても良く、ハウジング42が回転子10のコイルエンドよりも内側に入り込むようにすること、或いはシャフト12の回転軸に直交する方向のハウジング42の振動を抑制することにより、シールド40の剛性を高めても良い。なお、シャフト12の回転軸に直交する方向のハウジング42の振動の抑制の具体的な実現方法としては、ハウジング42を肉厚にすることや、上記振動を抑制する手段を別途設けることが考えられる。例えば、
図11〜
図13におけるリブ44−2は、上記振動を抑制する手段としての役割も担っている。また、固有振動数が高くなるように回転子10の剛性を高めても良い。さらに、シールド40の肉厚の調整、シャフト12の回転軸に直交する方向のハウジング42の振動の抑制、および回転子10の剛性の向上のうちの任意の複数を組み合わせて採用しても良く、さらに、上記実施形態と組み合わせて採用しても良い。
【符号の説明】
【0025】
10…回転子、12…シャフト、14…鉄心、20…軸受、30…フレーム、32…鉄心、40…シールド、42…ハウジング、44…リブ。