特許第6233526号(P6233526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233526
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/00 20060101AFI20171113BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20171113BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20171113BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20171113BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B65H1/00 501E
   B65H11/00 F
   B65H3/44 F
   G03G15/00 407
   G03G21/00 380
【請求項の数】13
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-552075(P2016-552075)
(86)(22)【出願日】2015年9月29日
(86)【国際出願番号】JP2015077559
(87)【国際公開番号】WO2016052526
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年3月29日
(31)【優先権主張番号】特願2014-204082(P2014-204082)
(32)【優先日】2014年10月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 徹也
(72)【発明者】
【氏名】福岡 直明
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−283874(JP,A)
【文献】 特開2005−037549(JP,A)
【文献】 特開2012−118136(JP,A)
【文献】 特開平08−016045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
B65H 11/00−11/02
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿がセットされたことを検知する原稿セット検知部と、セットされた原稿のサイズを検知するための原稿サイズ検知部を含む読取ユニットと、
印刷に用いる用紙を供給し、手差しトレイを含み、前記手差しトレイ自体にはセットされた用紙のサイズを検知するためのセンサーが設けられない手差し給紙部を備え、前記読取ユニットでの読み取りで得られた画像データ、又は、受信したデータに基づき印刷を行う印刷部と、
印刷と原稿読み取りに関する設定を行うための設定画面を表示する表示部を含み、印刷と原稿読み取りに関する設定を受け付け、更に、前記手差し給紙部から給紙を行う設定、前記手差しトレイにセットされた用紙である手差し用紙のサイズの設定、及び、前記読取ユニットにセットされた原稿のサイズの設定を受け付ける操作パネルと、
前記原稿サイズ検知部の出力に基づき前記読取ユニットにセットされた原稿であるセット原稿のサイズの自動検知、又は、前記操作パネルへの前記セット原稿のサイズの設定に基づき前記セット原稿のサイズを認識し、認識した前記セット原稿のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識する手差し用紙自動設定を行い、前記手差し給紙部に給紙を行わせ、認識した用紙のサイズである認識サイズに基づき、前記手差し給紙部から給紙された用紙への印刷を前記印刷部に行わせる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記手差し用紙自動設定により、前記手差しトレイの用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、前記原稿セット検知部の出力に基づき、セットされた原稿が無くなったことを認識した場合、現在の時刻が属する時間帯に対して予め定められた定形サイズを前記手差し用紙のサイズと認識する、又は、変更前のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の設定値である条件設定値が予め定められ、
前記条件設定値について所定の組合せが定められ、
前記制御部は、前記読取ユニットに原稿がセットされている状態であって、所定の前記組合せに含まれる前記条件設定値の全てが設定されたときに前記手差し用紙自動設定を行い、所定の前記組合せに含まれる前記条件設定値の全てが設定されていない状態では、前記読取ユニットに原稿がセットされても、前記手差し用紙自動設定を行わないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、所定の前記組合せに含まれる前記条件設定値の全てが設定された時点と、前記時点から所定時間遡った時点の間に、前記操作パネルへの入力により前記手差し用紙のサイズが設定されていたとき、前記手差し用紙自動設定を行わず、前記操作パネルで設定されたサイズを、前記手差し用紙のサイズと認識することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷部は、前記手差し給紙部以外の給紙部を含み、
前記操作パネルは、複数の給紙元のなかから1つを選択する設定と、印刷における倍率の設定と、原稿サイズの設定を受け付け、
前記条件設定値は、前記手差し給紙部を給紙元とする設定値、印刷の倍率における等倍の設定値、前記原稿サイズ検知部の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値、及び、前記セット原稿のサイズを指定する設定値であり、
前記制御部は、前記手差し給紙部を給紙元とする設定値、等倍の設定値、前記原稿サイズ検知部の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値が設定されたとき、自動検知した前記セット原稿のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識する前記手差し用紙自動設定を行い、
前記手差し給紙部を給紙元とする設定値、等倍の設定値、前記セット原稿のサイズを指定する設定値が設定されたとき、指定された前記セット原稿のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識する前記手差し用紙自動設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示部は、給紙元を設定するための給紙元選択画面を表示するとともに、前記給紙元選択画面にて前記手差しトレイを給紙元として選択する設定がなされたとき、前記制御部が認識している原稿のサイズを前記手差し用紙のサイズとする設定を行うための原稿同サイズキーを含む手差し用紙設定画面を表示し、
前記操作パネルが前記原稿同サイズキーに対する操作を受け付けたとき、
前記制御部は、前記原稿サイズ検知部の出力に基づき検知された原稿サイズ、又は、使用者が指定した原稿サイズを前記手差し用紙のサイズと認識することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部が前記手差し用紙自動設定を行ったとき、
前記操作パネルは、前記条件設定値を変更する設定を受け付けないことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記手差し用紙自動設定が行われてから、前記操作パネルが、前記条件設定値を変更する設定を受け付けたとき、
前記制御部は、前記手差し用紙自動設定による用紙サイズの認識結果を破棄し、前記破棄がなされたとき、前記手差し用紙のサイズを設定するための設定画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
所定期間内での前記手差し用紙と設定され印刷に使用された回数を用紙サイズごとに記載する記憶部を含み、
前記制御部は、前記手差し用紙自動設定により前記手差し用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、前記原稿セット検知部の出力に基づき、セットされた原稿が無くなったことを認識したときであって、前記所定期間内での変更前のサイズの用紙を用いて印刷ジョブを行った回数が所定値以上のとき、変更前のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記印刷部は、給紙された用紙を搬送する搬送部と、トナー像を形成し搬送される用紙に転写する画像形成部と、前記搬送部内に設置され搬送される用紙を検知する搬送センサーを含み、
前記手差し給紙部から給紙がなされている場合、
前記制御部は、前記搬送センサーの用紙の到達検知から通過検知までの時間に予め定められた搬送速度を乗じて印刷に用いられる用紙の副走査方向のサイズを求め、求めた前記副走査方向のサイズと、認識している前記手差し用紙のサイズが異なるとき、前記画像形成部に前記トナー像の形成を停止させ、前記表示部に正しいサイズの用紙をセットすべき旨の表示を行わせ、前記搬送部に排出トレイまで用紙を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記操作パネルは、印刷における倍率の設定を受け付け、
設定された倍率が等倍でない倍率であって、前記手差し給紙部から給紙を行う設定がなされているとき、
前記制御部は、前記手差し用紙のサイズに注意すべき旨の警告メッセージを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、設定された倍率が等倍でないとき、設定された倍率で印刷するときに推奨される前記手差し用紙のサイズを求め、前記警告メッセージと求めた推奨の前記手差し用紙のサイズを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記警告メッセージを表示するとき、前記手差し用紙のサイズを選択するためのキーを前記表示部に表示させ、前記キーに対する操作によって前記手差し用紙のサイズとして選択されたサイズと検知された原稿サイズが同じとき、倍率の設定値を等倍に自動的に設定するとともに検知された原稿サイズを前記手差し用紙のサイズと認識することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
原稿のセットを検知し、
原稿サイズ検知部を用いてセットされた原稿のサイズを検知し、
印刷に用いる用紙を供給し、
読み取りで得られた画像データ、又は、受信したデータに基づき印刷を行い、
印刷と原稿読み取りに関する設定を行うための設定画面を表示し、
印刷と原稿読み取りに関する設定を受け付け、
手差しトレイを含み、前記手差しトレイ自体にはセットされた用紙のサイズを検知するためのセンサーが設けられない手差し給紙部から給紙を行う設定、前記手差しトレイにセットされた用紙である手差し用紙のサイズの設定、及び、前記読取ユニットにセットされた原稿のサイズの設定を受け付け、
前記原稿サイズ検知部の出力に基づき前記読取ユニットにセットされた原稿であるセット原稿のサイズの自動検知、又は、受け付けられた前記セット原稿のサイズの設定に基づき前記セット原稿のサイズを認識し、
認識した前記セット原稿のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識する手差し用紙自動設定を行い、
認識した用紙のサイズである認識サイズに基づき、前記手差し給紙部から給紙された用紙への印刷を行い、
前記手差し用紙自動設定により、前記手差しトレイの用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、セットされた原稿が無くなったことを認識した場合、現在の時刻が属する時間帯に対して予め定められた定形サイズを前記手差し用紙のサイズと認識する、又は、変更前のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手差し給紙部を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機、複写機、プリンターのような画像形成装置は、印刷に用いる用紙を収容し、給紙する用紙カセットを備える。一般に、用紙カセット内にセット可能な用紙サイズは、A型サイズやレターサイズのような定形サイズである。また、用紙カセットとは別に、手差しトレイが画像形成装置に設けられることがある。手差しトレイの用紙を差し変えれば給紙できる状態になる。そのため、手差しトレイは、サイズの異なる用紙への変更が用紙カセットに比べ容易という利点がある。また、定形以外のサイズ(カスタムサイズ)の用紙を用いて印刷する場合、手差しトレイに用紙がセットされる。
【0003】
このような、手差し給紙機能を備えた画像形成装置の一例が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、手差し給紙機能を有し、形成すべき画像を記憶し、記憶された画像と設定された複写倍率から手差しにより給紙されるべき記録紙のサイズを求め、求めた記録紙のサイズを使用者に報知する画像形成装置が記載されている。この構成により、セットすべき記録紙のサイズを報知して、用紙のセット作業での使用者の負担を無くそうとする(特許文献1:請求項1、段落[0004]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−016045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置が認識している用紙サイズ(認識サイズ)と、実際にセットされた用紙のサイズにずれかあると、適切に印刷をできない場合がある。例えば、自動変倍機能が設定されているとき、自動変倍で定まる倍率は、原稿のサイズとセットされた用紙のサイズとの比に基づき定まる。認識サイズと実際のサイズにずれがあると、適切な印刷がなされない場合がある。もし、大きい方向に誤って自動的に倍率が設定されると、原稿の内容の全てが用紙内に収まるように印刷されない。また、用紙サイズよりも大きな画像(トナー像)の形成がなされ、トナーの無駄が生ずる。また、小さい方向に誤って自動倍率が設定されると、用紙に対し印刷された部分が小すぎる。
【0006】
このように、印刷に用いる用紙サイズを正しく認識する必要があるが、使用者が印刷を行うたびに用紙サイズの設定を行わなくてはすむように、画像形成装置には、セットされた用紙のサイズを検知するセンサーが設けられる。具体的に、副走査方向(用紙搬送方向)と主走査方向(用紙搬送方向と垂直な方向)のそれぞれの方向で用紙のサイズを認識する必要がある。そこで、用紙カセットのような用紙がセットされる部分ごとに、複数のサイズ検知用センサーが設けられる。
【0007】
従来、用紙サイズを検知するため、手差しトレイにもサイズ検知用センサーが設けられている。手差しトレイのサイズ検知用センサーをカットすると(無くすと)、手差し用紙のサイズ検知の代わりに、使用者自身が手差しトレイにセットした用紙(以下、「手差し用紙」と称する。)のサイズ設定を印刷のたびに行わなくてはならない。手差しトレイにセットした用紙のサイズを操作パネルで設定する場合、通常、複数回の設定画面の遷移を経なければならない。そのため、手差しトレイから給紙して印刷するたびに、手差し用紙のサイズ設定を行わなくてはならないことを煩わしく感じる使用者もいる。また、用紙を変更しやすい手差しトレイでは、用紙カセットよりも用紙サイズを変える回数が多くなる傾向がある。そのため、なおさら、使用者に煩わしさを感じさせやすい。これらの理由から、従来、手差しトレイには、サイズ検知用センサーを必須のものとして設けており、画像形成装置の製造コストを下げることができないという問題がある。
【0008】
ここで、特許文献1記載の技術では、手差しトレイにセットすべき用紙のサイズを報知する。しかし、報知を行うためには、全ての原稿の読み取りの終了が条件である(特許文献1:段落[0029]、[0030])。そのため、原稿読み取り完了まで使用者は待たなくてはならない。原稿読み取り完了後、使用者は、適切な用紙を手差しトレイにセットする。そのため、原稿セットからコピー開始までに長時間を要する。操作パネルにセットする用紙のサイズを入力する方が速い場合もある。従って、特許文献1記載の技術では使用者の不便、煩わしさを解消しきれない。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、手差し用紙のサイズ検知用のセンサーを設けなくても、手差し用紙の適切なサイズを自動的に設定する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために画像形成装置は、原稿がセットされたことを検知する原稿セット検知部と、セットされた原稿のサイズを検知するための原稿サイズ検知部を含む読取ユニットと、印刷に用いる用紙を供給し、手差しトレイを含み、前記手差しトレイ自体にはセットされた用紙のサイズを検知するためのセンサーが設けられない手差し給紙部を備え、前記読取ユニットでの読み取りで得られた画像データ、又は、受信したデータに基づき印刷を行う印刷部と、印刷と原稿読み取りに関する設定を行うための設定画面を表示する表示部を含み、印刷と原稿読み取りに関する設定を受け付け、更に、前記手差し給紙部から給紙を行う設定、前記手差しトレイにセットされた用紙である手差し用紙のサイズの設定、及び、前記読取ユニットにセットされた原稿のサイズの設定を受け付ける操作パネルと、前記原稿サイズ検知部の出力に基づき前記読取ユニットにセットされた原稿であるセット原稿のサイズの自動検知、又は、前記操作パネルへの前記セット原稿のサイズの設定に基づき前記セット原稿のサイズを認識し、認識した前記セット原稿のサイズを前記手差し用紙のサイズと認識する手差し用紙自動設定を行い、前記手差し給紙部に給紙を行わせ、認識した用紙のサイズである認識サイズに基づき、前記手差し給紙部から給紙された用紙への印刷を前記印刷部に行わせる制御部と、を備えることとした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、手差し用紙サイズ検知用のセンサーを設けなくても、手差しトレイにセットされた用紙の適切なサイズが自動的に認識、設定される。また、印刷に用いる用紙を原稿として検知させるために原稿をセットし、印刷時の手差しの用紙サイズとして自動設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】複合機を示す図である。
図2】読取ユニットを示す図である。
図3】複合機のハードウェア構成を示す図である。
図4】読取ユニットを示す図である。
図5A】コピー機能のコピー初期画面の一例を示す図である。
図5B】給紙元選択画面の一例を示す図である。
図5C】原稿サイズ設定画面の一例を示す図である。
図6】手差し用紙自動設定の一例を示すフローチャートである。
図7】セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動変更の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動変更に関する自動変更設定画面の一例を示す図である。
図9】複合機での手差しトレイから給紙して印刷するときの流れの一例を示すフローチャートである。
図10】等倍でない倍率が設定されたときの警告メッセージの一例を示す。
図11】設定された倍率に応じて推奨する用紙サイズを求めるためのデータの一例を示す。
図12】手差し給紙部(手差しトレイ)の用紙サイズを設定するための手差し用紙設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図1図9を用いて説明する。そして、以下の説明では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0014】
(画像形成装置の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る複合機100の概要を説明する。
【0015】
図1に示すように、複合機100は、上部に原稿搬送部2と画像読取部3を含む読取ユニット1を有する。又、複合機100は、操作パネル4を有する。そして、又、複合機100は、印刷部5として、給紙部5a(給紙カセット)、手差し給紙部6、搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。
【0016】
操作パネル4は、印刷と原稿読み取りに関する設定画面や、各種メッセージ(注意、エラー、状態など)を表示する表示部41を備える。操作パネル4は、表示部41に対し設けられたタッチパネル部42(入力部に相当)や、原稿の読み取りやコピージョブの実行を指示するためのスタートキー43a、テンキー部43bのようなハードキー43(入力部に相当)を含む。そして、操作パネル4は、用紙や原稿のサイズのような印刷、送信の条件などの設定も受け付ける。また、操作パネル4は、印刷と原稿読み取りに関する設定を受け付け、手差し給紙部6から給紙を行う設定と手差しトレイ61にセットされた用紙(手差し用紙)のサイズの設定を受け付ける。また、操作パネル4は、読取ユニット1にセットされた原稿のサイズの設定を受け付ける(詳細は後述)。
【0017】
図1に示すように、給紙部5aは、複数枚の用紙を収容し、印刷のとき、用紙を送り出す。尚、給紙部5aは、2つの給紙カセットを含む。手差し給紙部6は、印刷のとき、手差しトレイ61にセットされた用紙(手差し用紙)を給紙する。手差し給紙部6は、手差しトレイ61と、手差し規制板62と、回転して手差し用紙を送り出す手差し給紙ローラー63を含む。手差し規制板62は、一対のスライドする板状の部材(図1において一方のみ可視)であり、セット位置が適切になるように手差し用紙の位置を規制する。一対の手差し規制板62は、両方の手差し規制板62の内側の面に用紙の端縁が沿うようにスライドさせられる。
【0018】
搬送部5bは、給紙部5aや手差し給紙部6から供給された用紙を画像形成部5cまで導く。画像形成部5cは、画像データに基づきトナー像を形成し、用紙に転写する。定着部5dは、トナー像が転写された用紙を加熱・加圧して、用紙にトナー像を定着させる。定着後の用紙は、排出トレイ51に排出される。尚、両面印刷のとき、定着部5dから排出された片面印刷済みの用紙は、スイッチバックされたのち、両面印刷用搬送部5eを通して下方に送られ、搬送部5bを経て画像形成部5cに再度送られる。
【0019】
(読取ユニット1の構成)
次に、図2を用いて、実施形態に係る読取ユニット1を説明する。
【0020】
上述のように、読取ユニット1は、原稿搬送部2と画像読取部3を含む。まず、原稿搬送部2は、原稿を搬送して読み取るとき(送り読取のとき)、セットされた原稿(セット原稿)を1枚ずつ、自動的、連続的に読み取り位置(送り読取用コンタクトガラス31)に搬送する。又、原稿搬送部2は、図2の紙面奥側を支点として、画像読取部3に対し手前側を上下方向に振るように開閉自在に取り付けられる。そのため、載置読取用コンタクトガラス32に載置された原稿の読み取りのとき(載置読み取りのとき)、原稿搬送部2は、原稿と各コンタクトガラスを上方から抑えるカバーとしても機能する。
【0021】
原稿搬送部2は、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ21、原稿給紙部22、原稿搬送路23、複数の原稿搬送ローラー対24(24a〜24d)、原稿排出ローラー対25、原稿排出トレイ26を含む。原稿は、表面を上に向けた状態で、原稿トレイ21にセットされる。原稿トレイ21の原稿搬送方向下流側の一部は、回動軸を中心に回動(可動)する。原稿トレイ21への原稿セットを検知したとき(各種検知の詳細は後述)、可動部21aの原稿搬送方向下流側の端部は、上昇するように回動し、最上位の原稿と原稿給紙部22を当接させる。全原稿搬送完了や、セット原稿が取り除かれたとき、可動部21aは下降する。
【0022】
スタートキー43aのタッチのような原稿読取を行う旨の入力が複合機100に入力されると、原稿給紙部22は、原稿搬送路23に原稿を1枚ずつ送り出す(原稿給紙)。原稿搬送ローラー対24は、原稿トレイ21から送り出された原稿を原稿搬送路23に沿って搬送する。そして、原稿は、送り読取用コンタクトガラス31の上面を通過する。この通過の際、画像読取部3が読取を行う。また、原稿排出ローラー対25は、読み取りがなされた原稿を原稿排出トレイ26に排出する。
【0023】
次に、画像読取部3を説明する。図1図2に示すように、画像読取部3は、箱形の筐体を有する。そして、画像読取部3の上面左側に搬送される原稿が通過する送り読取用コンタクトガラス31が配される。そして、画像読取部3の上面右側に透明板状の載置読取用コンタクトガラス32が配される。書籍のような原稿を1枚ずつ読み取る場合、使用者は、原稿搬送部2を持ち上げ、読取面を下向きにして載置読取用コンタクトガラス32に原稿を載置する。
【0024】
又、図2に示すように、画像読取部3は、筐体内に、原稿を読み取るための読取機構3aを含む。読取機構3aは、第1移動枠331、第2移動枠332、ワイヤー34a、巻取ドラム34b、レンズ35a、原稿に光を照射し、LEDや蛍光管のようなランプ330、原稿に照射された光が入射され、1ライン毎に原稿を読み取り、画像データを生成するためのイメージセンサー35を含む。イメージセンサー35には、ライン状に光電変換素子を並べたCCD(Charge Coupled Device)方式のものを用いることができる。
【0025】
第1移動枠331と第2移動枠332は、ランプ330、第1ミラー33a、第2ミラー33b及び第3ミラー33cを含む。ランプ330から発せられ、原稿で反射された光は、各ミラーによりレンズ35aに導かれる。レンズ35aを介し、イメージセンサー35に反射光が入射される。イメージセンサー35は、白黒読み取りとカラー読み取りに対応する。第1移動枠331及び第2移動枠332には複数本のワイヤー34aが取り付けられる(図2では便宜上1本のみ図示)。ワイヤー34aの他端は巻取ドラム34bに接続される。駆動源(巻取モーター3m、図4参照)により、巻取ドラム34bが回転し、第1移動枠331と第2移動枠332を水平方向に自在に移動させることができる。
【0026】
送り読取(搬送原稿の読み取り)のとき、巻取モーター3mが駆動した後、第1移動枠331と第2移動枠332は、ホームポジションから移動し、送り読取用コンタクトガラス31の下方位置(読み取り位置)に固定される。一方、載置読取(載置読取用コンタクトガラス32上の原稿の読み取り)のとき、第1移動枠331及び第2移動枠332を巻取ドラム34bやワイヤー34aにより、ホームポジションから図2の右方向に水平に移動させる。そして、走査動作を、載置読取用コンタクトガラス32の左端から原稿端部まで連続的に行わせる。画像読取部3は、イメージセンサー35の出力に基づき、読み取った原稿の画像データを生成する。
【0027】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。
【0028】
図3に示すように、複合機100は、内部に制御部7を含む。制御部7は、装置の各部を制御する。制御部7は、CPU71や、印刷や送信に用いる画像データを生成する画像処理部72や、その他の電子回路や素子を含む。
【0029】
CPU71は、記憶部73に格納される制御プログラムや制御用データに基づき複合機100の各部の制御や演算を行う。記憶部73は、ROM、フラッシュROM、HDDのような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置の組み合わせである。
【0030】
制御部7は、印刷部5(給紙部5a、手差し給紙部6、搬送部5b、画像形成部5c、定着部5d、両面印刷用搬送部5e)の各部と通信可能に接続される。制御部7は、適切に画像形成が行われるように、給紙、用紙搬送、トナー像の形成、転写、定着を行う印刷部5の各部を制御する。なお、制御部7とは別基板として、印刷部5の制御を実際に行うエンジン制御部を設け、制御部7の指示に基づき、エンジン制御部が印刷部5の動作を制御するようにしてもよい。制御部7は、読取ユニット1での原稿読み取りで得られた画像データに基づき、印刷部5に印刷を行わせることができる(コピー機能)。
【0031】
又、制御部7には、通信部74が接続される。通信部74は、PCやサーバーのようなコンピューター200やFAX装置300と、ネットワークやケーブルを介して通信を行う。通信部74は、コンピューター200から画像データや印刷設定を含む印刷用データを受信する。そして、制御部7は、印刷用データに基づく印刷を印刷部5に行わせる(プリンター機能)。又、通信部74は、読取ユニット1の原稿読み取りに基づく画像データをコンピューター200やFAX装置300に送信できる(送信機能)。
【0032】
又、制御部7は、読取ユニット1(画像読取部3や原稿搬送部2)と通信可能に接続される。制御部7は、画像読取部3や原稿搬送部2に動作指示を与え、画像読取部3や原稿搬送部2は、指示に応じて動作する。
【0033】
又、制御部7は、操作パネル4の表示を制御する。制御部7は、タッチパネル部42やハードキー43への操作によりなされた設定や使用者の指示を認識し、使用者の指示に合うように、印刷部5や読取ユニット1を制御してジョブを実行させる。
【0034】
(読取ユニット1の動作制御)
次に、図4に基づき、実施形態に係る読取ユニット1の動作制御を説明する。
【0035】
原稿搬送部2には、原稿搬送制御部20が設けられる。原稿搬送制御部20は、制御部7や読取制御部30と通信可能に接続される。そして、原稿搬送制御部20は、制御部7や読取制御部30の指示、信号に基づき、原稿搬送部2に設けられた部材の動作制御を行う。原稿搬送制御部20は、CPU、ROM、RAMを含む。
【0036】
一方、画像読取部3には、読取制御部30が設けられる。読取制御部30は、制御部7や原稿搬送制御部20と通信可能に接続される。そして、読取制御部30は、制御部7や原稿搬送制御部20の指示、信号に基づき、画像読取部3に設けられた部材の動作制御の動作の制御を行う。読取制御部30も、CPU、ROM、RAMを含む。
【0037】
送り読取を行うとき、原稿搬送制御部20は、原稿搬送モーター28を駆動させ、原稿給紙部22、各原稿搬送ローラー対、原稿排出ローラー対25を回転させる。これにより、原稿トレイ21の原稿が1枚ずつ搬送される。原稿トレイ21から供給される原稿に一定の紙間を設けつつ、適切なタイミングで原稿を送り出すため、給紙クラッチ28aが原稿搬送部2に設けられる。
【0038】
次に、画像読取部3の動作制御を説明する。読取制御部30は、中央演算処理装置としてのCPUを含む基板である。
【0039】
原稿を読み取るとき、読取制御部30は、巻取モーター3m及び巻取ドラム34bを回転させ、第1移動枠331と第2移動枠332を移動させる。また、原稿読み取りのとき、読取制御部30は、ランプ330、イメージセンサー35、読取データ処理部37を動作させる。読取データ処理部37は、イメージセンサー35の各受光素子の出力を補正し、原稿の画像データを生成する。
【0040】
読取データ処理部37が生成した画像データは、画像データ転送用の画像メモリー30aを経て、記憶部73に送信される。画像処理部72は、ジョブの種類や使用者の設定に合わせて記憶部73の画像データに画像処理を施す。画像処理後の画像データは、画像形成部5cの露光装置や通信部74に送信される、印刷ジョブ(コピー)や送信ジョブに用いられる。
【0041】
(読取ユニット1での検知)
次に、図2図4を用いて、原稿搬送部2や画像読取部3に設けられるセンサーを用いた原稿に関する検知を説明する。以下の説明では、(1)原稿トレイ21への原稿セットの検知と、(2)原稿トレイ21にセットされた原稿サイズの検知と、(3)原稿搬送部2の開閉の検知と、(4)載置読取用コンタクトガラス32上への原稿セットとセット原稿のサイズの検知を説明する。
【0042】
(1)原稿トレイ21への原稿セットの検知
図2図4に示すように、原稿搬送部2は、原稿トレイ21に1又は複数枚の原稿が適切にセットされているか否かを検知するための原稿セットセンサーS1(原稿セット検知部に相当)を含む。
【0043】
図2に示すように、原稿セットセンサーS1は、原稿トレイ21に設けられる。原稿セットセンサーS1は、仕様上の最も小さい用紙が原稿トレイ21にセットされても、原稿を検知できる位置に設けられる。
【0044】
原稿セットセンサーS1は、検知領域(センサー設置位置)に原稿が存在するか否かによって出力が変化するセンサーである。原稿セットセンサーS1には、透過型の光センサーや、反射型の光センサーや、機械的なスイッチを用いることができる。
【0045】
原稿セットセンサーS1の出力は、原稿搬送制御部20に入力される。原稿搬送制御部20は、原稿セットセンサーS1の出力に基づき(原稿セットセンサーS1の出力がHighかLowかにより)、原稿トレイ21に原稿がセットされているか否かを検知する。そして、原稿セット、及び、セット原稿が無くなったこと(原稿セットセンサーS1の出力変化)が、原稿搬送制御部20から読取制御部30や制御部7に通知される。これにより、制御部7は、原稿トレイ21にセットされた原稿があるか否かを認識する。
【0046】
(2)原稿トレイ21にセットされた原稿サイズの検知
原稿搬送部2には、原稿トレイ21に載置された(セットされた)原稿のサイズを検知するためのサイズ検知部29(原稿サイズ検知部に相当)が設けられる。
【0047】
サイズ検知部29は、原稿トレイ21にセットされた原稿の原稿搬送方向(副走査方向)での原稿のサイズを検知するため、複数のサイズセンサーS2を含む。各サイズセンサーS2は、原稿トレイ21の上面に、原稿の搬送方向に沿って複数設けられる。各サイズセンサーS2は、上面に原稿が存在するか否かを検知する。各サイズセンサーS2は、上方に原稿が存在するときと存在しないときで出力が異なる。各サイズセンサーS2には、原稿セットセンサーS1と同様に、透過型の光センサーや、反射型の光センサーや、機械的なスイッチを用いることができる。
【0048】
各サイズセンサーS2の出力は、原稿搬送制御部20に入力される。原稿搬送制御部20は、各サイズセンサーS2の出力に基づき(各サイズセンサーS2の出力がHighかLowかにより)、原稿トレイ21上の原稿搬送方向での原稿のサイズ(範囲)を検知する。図2において、原稿がセットされていれば、原稿搬送制御部20は、原稿の副走査方向のサイズが、原稿の存在を検知できた最も右側のサイズセンサーS2から原稿トレイ21の左端までより長く、原稿の存在を検知していない最も左側のサイズセンサーS2から原稿トレイ21の左端までよりも短いと認識する。言い換えると、原稿搬送制御部20は、原稿の副走査方向の長さの範囲を認識する。
【0049】
又、サイズ検知部29は、可変抵抗部S3を含む。可変抵抗部S3は、原稿トレイ21にセットされた原稿の搬送方向と垂直な方向(主走査方向)での原稿のサイズを検知するためのセンサーとして機能する。
【0050】
具体的に、原稿トレイ21には、主走査方向で原稿を挟み、位置を規制する一対の原稿規制板21bが設けられる(図2参照)。一対の原稿規制板21bは、予め定められた中心ラインに対し対称的にスライド移動する。一対の原稿規制板21bは、主走査方向で原稿を挟むようにしてスライドし、原稿の位置を規制する。この一対の原稿規制板21bのスライド機構(不図示)と可変抵抗の可動端子(抵抗値調整用端子)が接続される。そして、一対の原稿規制板21bの位置に応じて可変抵抗の抵抗値が変化し、その結果、可変抵抗部S3の出力値が変化する。
【0051】
可変抵抗部S3の出力は、原稿搬送制御部20に入力される。原稿搬送制御部20は、可変抵抗部S3の出力値に基づき、原稿の主走査方向(前後方向)でのサイズを正確に検知する。そして、原稿搬送制御部20は、各サイズセンサーS2による原稿の副走査方向のサイズ(範囲)と、主走査方向のサイズを照らし合わせ、該当する定形の用紙サイズを認識する。そして、認識した原稿の主走査方向と副走査方向のサイズは、原稿搬送制御部20から制御部7に通知される。これにより、制御部7は、原稿トレイ21のセット原稿のサイズ(どの定形サイズであるか)を認識する。
【0052】
(3)原稿搬送部2の開閉の検知
次に、原稿搬送部2の開閉の検知について説明する。載置読取用コンタクトガラス32への原稿セットのため、原稿搬送部2は開閉できる。この原稿搬送部2の開閉のため、複合機100の奥側には回転軸(ヒンジ)が設けられる(不図示)。
【0053】
原稿搬送部2の開閉を検知するため、図2図4に示すように、画像読取部3には、開閉検知センサーS4(原稿セット検知部、原稿サイズ検知部に相当)が設けられる。そして、開閉検知のため、開閉検知センサーS4の一部は、画像読取部3の上面に露出する。開閉検知センサーS4は、上方に突出するように付勢された突起部(不図示)を含む。
【0054】
開けられた(持ち上げられた)原稿搬送部2を閉じていくにつれて(引き下げていくにつれて)、原稿搬送部2の下面と突起部が接し、突起部は開閉検知センサーS4内に押し込まれる。一方、原稿搬送部2を持ち上げて行くにつれて、突起部の突出量が多くなる。そして、開閉検知センサーS4は、突起部の突出量が一定値を越えるか否かによって出力が変化する。
【0055】
本実施形態の読取ユニット1では、原稿搬送部2の下面と画像読取部3の上面(載置読取用コンタクトガラス32)のなす角度が所定角度(例えば、15〜45度程度)以上か未満かを境目として、開閉検知センサーS4の出力値が切り替わる(High→Low、又は、Low→High)。
【0056】
そして、開閉検知センサーS4の出力は、読取制御部30に入力される。読取制御部30は、開閉検知センサーS4の出力値に基づき、原稿搬送部2が開状態(所定角度以上)であるか、閉状態(所定角度未満)であるかを検知する。尚、開閉検知センサーS4は、原稿搬送部2が開けられた状態か閉じられた状態かを検知できればよく、上記と同じタイプのセンサーに限られない、開閉検知センサーS4の出力値が開状態となったとき(原稿搬送部2が開けられたと見なすとき)、及び、開閉検知センサーS4の出力値が閉状態となったとき(原稿搬送部2が閉じられたと見なすとき)、その旨が読取制御部30から制御部7に通知される。これにより、制御部7は、原稿搬送部2の開閉状態を認識する。
【0057】
(4)載置読取用コンタクトガラス32上の原稿の有無とセット原稿サイズの検知
図2図4に示すように、画像読取部3には、載置読取用コンタクトガラス32に原稿がセットされているか否か、及び、載置原稿のサイズを検知するためのテーブル原稿検知部38(原稿セット検知部、原稿サイズ検知部に相当)が設けられる。
【0058】
テーブル原稿検知部38は、原稿搬送部2を閉じる操作をしたとき(原稿搬送部2が完全に閉じられる前に)、載置読取用コンタクトガラス32にセットされた原稿の有無と、副走査方向での原稿のサイズを検知する。サイズ検知のため、テーブル原稿検知部38は、複数のテーブル原稿センサーS5を含む。各テーブル原稿センサーS5は、上面に原稿が存在するか否かを検知するセンサーである。各テーブル原稿センサーS5は、載置読取用コンタクトガラス32の下方であって上縁端(奥側端縁)に沿って設けられる。
【0059】
各テーブル原稿センサーS5は、原稿の存在を検知しているときと存在しないときで出力が異なる。各テーブル原稿センサーS5には、反射型の光センサーのような原稿の読み取りを妨げずに原稿の存在を検知できるものが用いられる。各テーブル原稿センサーS5の出力は、読取制御部30に入力される。載置読取用コンタクトガラス32の左上隅を基準として原稿が載置される。そして、読取制御部30は、各テーブル原稿センサーS5の出力に基づき(各テーブル原稿センサーS5の出力がHighかLowかにより)、載置読取用コンタクトガラス32上の原稿の有無と、原稿の副走査方向のサイズの範囲を検知する。
【0060】
読取制御部30は、原稿の副走査方向のサイズが、原稿の存在を検知できた最も右側のテーブル原稿センサーS5から載置読取用コンタクトガラス32の左端までの幅よりも長く、原稿の存在を検知できない最も左側のテーブル原稿センサーS5から載置読取用コンタクトガラス32の左端までの幅よりも狭いサイズである、と検知する。なお、読取制御部30は、全テーブル原稿センサーS5が原稿の存在を検知しないとき、セットされた原稿はないと判断する。
【0061】
また、本実施形態の読取ユニット1では、原稿搬送部2を閉じる操作をしたとき(原稿搬送部2が完全に閉じられる前に)、プレスキャンが行われる。プレスキャンとは、載置読取用コンタクトガラス32に載置された原稿の有無と、主走査方向のサイズを検知するための読み取りである。
【0062】
画像読取部3は、原稿搬送部2を開けたことの検知後、原稿搬送部2が所定角度よりも閉じられたこと(開閉検知センサーS4の出力値が開状態から閉状態のときの出力値に変化したこと)をトリガとして、プレスキャンを行う。言い換えると、画像読取部3は、原稿搬送部2が少し開いている状態で、プレスキャンを行う。
【0063】
そして、プレスキャンの実行時、画像読取部3は、巻取モーター3mを動作させ、第1移動枠331と第2移動枠332を、載置読取用コンタクトガラス32の下方のプレスキャン用位置に移動させる。尚、プレスキャンの完了後、読取制御部30は、第1移動枠331と第2移動枠332をホームポジションに戻す。
【0064】
原稿が存在している部分ではランプ330の光は原稿に反射される。そのため、プレスキャンの画像データのうち、原稿の存在位置に対応する画素の画素値は明るく(白く)なる。原稿でランプ330の光が反射されないので、原稿が無い部分は、濃い(暗い)画素値となる。そこで、読取制御部30は、プレスキャンで得られた主走査方向のラインの画像データ中、閾値よりも濃い画素値と閾値以下の薄い画素値の境界を検知する。そして、読取制御部30は、閾値以上の画素値の連続数、閾値未満の画素値の連続数、境界から載置読取用コンタクトガラス32の原稿セットの基準点(上端又は下端)までの距離に基づき、ほぼ正確に原稿の主走査方向のサイズを検知できる。読取制御部30は、認識した原稿の主走査方向のサイズと副走査方向のサイズの範囲を制御部7に通知する。これにより、制御部7は、載置読取用コンタクトガラス32にセットされた原稿のサイズ(どの定形サイズであるか)も認識する。
【0065】
一方、プレスキャンの画像データのうち、閾値よりも明るい画素がなければ、読取制御部30は、載置読取用コンタクトガラス32にセットされた原稿はないと判断する。具体的に、画像読取部3は、境界を定めることができないとき、あるいは、閾値よりも明るい画素が所定数以下のとき、セット原稿はないと判定する。制御部7は、複数のテーブル原稿センサーS5の出力値、及び、プレスキャンの結果に基づき、載置読取用コンタクトガラス32上の原稿の有無を検知、認識できる。
【0066】
(コピー機能利用時の設定)
次に、図5A、5B、5Cを用いて、コピー機能を利用する際の設定の一例を説明する。図5Aは、コピー機能のコピー初期画面4aの一例を示す図である。図5Bは、給紙元選択画面4a1の一例を示す図である。図5Cは、原稿サイズ設定画面4a2の一例を示す図である。
【0067】
操作パネル4の表示部41は、各種設定画面を表示する。設定画面内のソフトキーやハードキー43に対する操作に応じ、表示部41は、表示する設定画面を切り替える。そして、コピー機能を選択するためのハードキー43の操作や、表示部41に表示されるメインメニュー画面(不図示)で、コピー機能を用いる選択(コピージョブを行う選択)がなされたとき、制御部7は、コピー機能に関するコピー初期画面4a(図5参照)を表示部41に表示させる。
【0068】
コピー初期画面4aは、コピー機能の各設定画面のなかで、階層的に最上位の画面である。尚、他の機能(スキャン送信、ボックスのような機能)にも、それぞれ設定画面が用意されるが、説明は割愛する。
【0069】
コピー初期画面4aは、最初、簡単設定タブT1(「Quick Setup」の文字列を含むタブ)が選択された状態で表示される。簡単設定タブT1の選択状態では、図7では、簡単設定タブT1が選択されると、「用紙選択」、「用紙サイズ選択」、「原稿サイズ選択」、「両面印刷」、「集約印刷」、「拡大/縮小」に対応する設定項目キーK1、K2、K3、K4、K5、K6が表示される例を示している。設定項目キーK1〜K6の何れかの表示位置がタッチされると、表示部41はタッチして選択した設定項目の設定値を設定するための設定画面を表示する。
【0070】
「用紙選択」の設定項目(設定項目キーK1)の表示位置がタッチされたとき、表示部41は、給紙位置を選択するための給紙元選択画面4a1(図5B参照)を表示させる。図5Bの給紙元選択画面4a1では、給紙元の候補として給紙部5aの2つ用紙カセットと、手差しトレイ61(手差し給紙部6)を表示する例を示している。画面内には、給紙元選択キーK11が配される。用紙カセットと手差しトレイ61の何れかの文字列が、給紙元選択キーK11内に付される。使用者は、所望する給紙元の給紙元選択キーK11を操作する。これにより、給紙カセットと手差し給紙部6のうち、いずれか1つを給紙元と設定できる。また、Auto(自動)の文字を含む給紙元選択キーK11を操作することにより、検知された原稿サイズと倍率に応じて、制御部7が給紙元を自動的に選択する設定を行うこともできる。OKキーの操作により、給紙元の設定を完了させることができる。なお、図5Aは、手差し給紙部6(手差しトレイ61)が給紙元として設定された状態を示している。
【0071】
具体的に、手差しトレイ61から給紙を行って印刷を行うとき、給紙元を手差しトレイ61に設定する必要がある。操作パネル4(タッチパネル部42)は、給紙元選択画面4a1内の「手差しトレイ」の給紙元選択キーK11の操作を、給紙元を手差しトレイ61に設定する操作として受け付ける。
【0072】
「用紙サイズ選択」の設定項目キーK2の表示位置がタッチされたとき、表示部41は、各給紙カセットや手差しトレイ61にセットした用紙のサイズを設定するための画面を表示させる(不図示)。用紙のサイズ設定では、表示部41は、複合機100で利用可能な定形サイズの一覧を表示する。操作パネル4(タッチパネル部42)は、表示された定形サイズの中から選択されたサイズを、手差し用紙のサイズとして受け付ける。また、手差しトレイ61にカスタムサイズ(定形でない用紙)をセットして印刷したい場合もある。そのため、表示部41は、手差し用紙のサイズを数値入力するための画面も表示する。そして、操作パネル4(タッチパネル部42)は、数値入力されたサイズを手差し用紙のサイズとして受け付ける。図5Aは、手差し用紙のサイズとしてA4が設定された状態を示している。
【0073】
「原稿サイズ選択」の設定項目キーK3の表示位置がタッチされたとき、表示部41は、原稿トレイ21又は載置読取用コンタクトガラス32にセットした原稿のサイズを設定するための原稿サイズ設定画面4a2(図5C)を表示させる。
【0074】
図5Cに示すように、原稿サイズ設定画面4a2には、原稿のサイズの分類を選択するための4つの分類キーが表示される。第1定形サイズキーK31は、A型用紙や、B型用紙に対応するキーである。第2定形サイズキーK32は、レターサイズのようなインチ系の用紙に対応するキーである。その他キーK33は、定形はがきのようなA型用紙、B型用紙、インチ系の用紙の何れにも当てはまらないとして分類されたサイズの用紙に対応したキーである。
【0075】
第1定形サイズキーK31、第2定形サイズキーK32、その他キーK33の表示位置がタッチされると、表示部41は、分類キーの右側に配された用紙サイズキー表示領域F1に、分類に割り当てられた用紙サイズごとのキーを表示する。図5は、第1定形サイズキーK31の操作によって、各種A型用紙やB型用紙に対応するキーが一覧的に列挙されている例を示している。操作パネル4(タッチパネル部42)は、表示された定形サイズのキーの中からキーを選択する操作を、セット原稿のサイズを指定する入力として受け付ける。制御部7は、操作されたキーに対応するサイズをセット原稿のサイズと認識する。
【0076】
また、操作パネル4(タッチパネル部42)は、原稿サイズの自動検知の設定も受け付ける。操作パネル4は、自動の文字を含むキー(原稿サイズ自動検知キーK35)の表示位置のタッチを、原稿サイズの自動検知を行う設定として受け付ける(図5C参照)。この場合、自動検知される原稿サイズは、定形サイズのうち何れかとなる。なお、デフォルトでは、原稿サイズを自動的に検知する設定とされる。
【0077】
また、使用者は、原稿のサイズとして、不定形サイズ(カスタムサイズ)を設定することもできる。操作パネル4(タッチパネル部42)は、サイズ入力キーK34の表示位置がタッチされると、原稿の大きさ(カスタムサイズの)を、手入力により設定するための画面(例えば、テンキー部43bに数値入力)を表示する。使用者は、不定形サイズの原稿の実際の大きさを設定入力できる。操作パネル4は、入力された数値を、セットされた原稿のサイズとして受け付ける。
【0078】
「両面印刷」の設定項目キーK4の表示位置がタッチされたとき、原稿が片面か両面かなどの設定値を設定するための設定画面(不図示)が表示される。また、「集約印刷」の設定項目キーK5の表示位置がタッチされたとき、「2in1」、「4in1」といった1ページ内に集約するページ数の設定値や、集約した各ページに境界線を設けるか否かといった設定値を設定するための設定画面(不図示)が表示される。
【0079】
「倍率」の設定項目キーK6の表示位置がタッチされたとき、表示部41は、原稿のサイズに対する形成画像の倍率(原稿のサイズを1としたときの印刷物のサイズ)を設定するための設定画面(不図示)を表示させる。例えば、50%〜200%の間で、1%刻みで倍率を設定することができる。図5Aは、等倍(100%)が設定された状態を示している。自動検知された、あるいは、原稿サイズと、用紙サイズ(手差し用紙を含む)に基づき、倍率を自動的に設定する自動変倍の設定値を設定することもできる。なお、原稿サイズの大きさと用紙のサイズに応じた適切な倍率を定めたデータテーブルは、記憶部73に記憶される。
【0080】
又、コピー初期画面4aに表示されない設定項目(例えば、枠消し、余白、読取解像度のような設定項目)を設定するには、使用者は、原稿/用紙/仕上げタブT2、カラー/画質タブT3、レイアウト編集タブT4、応用/その他タブT5、プログラムタブT6の表示位置をタッチする。各設定項目は、いずれかのタブに予め関連づけられる。表示部41は、タッチにより指定されたタブに関連づけられた設定項目(設定項目キー)を一覧表示した画面を表示する。
【0081】
そして、操作パネル4での設定内容は、制御部7に通知される。制御部7は、操作パネル4からの通知により、操作パネル4での設定内容(給紙元、セットされた用紙サイズ、原稿サイズ等)を認識する。
【0082】
(手差し用紙自動設定)
次に、図6を用いて、コピージョブでの手差し用紙自動設定の流れの一例を説明する。
【0083】
制御部7は、操作パネル4などで手差し給紙部6から給紙を行う設定がなされ、手差しトレイ61から印刷に用いる用紙を供給するとき、手差し給紙モーター64を回転させる。これにより、手差し給紙ローラー63が回転する。尚、手差しトレイ61に用紙がセットされているか否かを検知するためのセットセンサーS6を設けてもよい(図3参照)。制御部7は、セットセンサーS6の出力に基づき、手差しトレイ61上の用紙の有無を認識できる。
【0084】
ここで、手差し給紙部6(手差しトレイ61自体)には、セット用紙のサイズを検知するためのセンサーが設けられない。これにより、画像形成装置(複合機100)の製造コストを抑えられる。しかし、手差し用紙のサイズを検知できない。印刷に用いる用紙のサイズがわからなければ、適切な印刷を行えない場合がある。また、形成画像(トナー像)の主走査方向の幅を定めることができない。そこで、操作パネル4では、手差し給紙部6から給紙を行う設定ととともに、手差し用紙のサイズの設定を行うことができる。制御部7は、設定されたサイズを手差し用紙のサイズと認識する(認識サイズ)。
【0085】
しかし、使用者のなかには、手差し用紙のサイズを毎回設定することを煩わしいと感ずる者もいる。使用者の煩わしさの解消のため、制御部7は、手差し用紙のサイズの自動的な設定を行う(手差し用紙自動設定)。これにより、手差しトレイ61を利用してコピージョブを実行するときに、操作パネル4に必ず用紙サイズを設定しなくてもよくなる。また、印刷に用いる用紙を原稿として仮にセットし、印刷時の手差しの用紙サイズとして自動設定させることもできる。
【0086】
図6を用いて、手差し用紙自動設定の流れを説明する。図6のスタートは、使用者によって操作パネル4の設定が開始された時点である。
【0087】
まず、制御部7は、操作パネル4になされたコピージョブの設定内容を確認し、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されたか否かの確認を続ける(ステップ♯1、ステップ♯1のNo→ステップ♯1)。尚、条件設定値は、各種設定値のうち、手差し用紙のサイズの自動設定を行うか否かを判断するための設定値である。条件設定値は、予め定められ、複数種類ある(詳細は後述)。また、条件設定値について所定の組合せが定められる(詳細は後述)。
【0088】
そして、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されたとき(所定の組合せに含まれる条件設定値のうち、未設定であった最後の条件設定値が設定されたとき)、手差し用紙自動設定が実行される。尚、ステップ♯1の確認は省略し、制御部7は、セットされた原稿のサイズが手差し用紙のサイズと直ちに認識するようにしてもよい。
【0089】
続いて、制御部7は、読取ユニット1に原稿がセットされている状態にあるか否か(原稿がセットされているか、あるいは、原稿が新たにセットされたか)を確認する(ステップ♯2)。具体的に、制御部7は、原稿搬送制御部20からの通知に基づき、原稿が原稿トレイ21にセットされているか否か、及び、読取制御部30からの通知に基づき、原稿が載置読取用コンタクトガラス32にセットされているか否かを確認する。
【0090】
原稿トレイ21に原稿がセットされているか否かは、原稿セットセンサーS1の出力値に基づいて判断される。また、載置読取用コンタクトガラス32に原稿がセットされているか否かは、原稿搬送部2の開閉があったときのプレスキャンでの主走査方向での用紙のサイズ検知や、テーブル原稿センサーS5の出力に基づき判断される。
【0091】
原稿がセットされていないとき(ステップ♯2のNo)、フローは、ステップ♯1に戻る。一方、原稿が読取ユニット1にセットされている状態のとき(ステップ♯2のYes)、制御部7は、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定された時点と、前記時点から所定時間遡った時点の間に、操作パネル4への入力により手差し用紙のサイズが設定されたか否かを確認する(ステップ♯3)。これは、使用者が設定したサイズを優先するためである。ここで、所定時間は、適宜定めることができる時間である。所定時間は、原稿をセットしてから所定の組合せに含まれる条件設定値の全てを設定するのに要すると予測される時間に、マージンを付加した時間である(例えば、2〜3分)。
【0092】
もし、所定時間内に、手差し用紙のサイズが設定されているとき(ステップ♯3のYes)、制御部7は、操作パネル4で設定されたサイズの用紙が手差しトレイ61にセットされていると認識する(ステップ♯4)。
【0093】
一方、所定時間内に、操作パネル4に手差し用紙のサイズが設定されていないとき(ステップ♯3のNo)、制御部7は、認識しているセット原稿のサイズ(原稿サイズ設定画面4a2で使用者により設定されたセット原稿のサイズ、又は、原稿サイズ検知部の出力に基づき自動検知されたセット原稿のサイズ)を、手差し用紙のサイズと認識する(手差し用紙自動設定。ステップ♯5)。即ち、制御部7は、読取ユニット1にセットされた原稿のサイズを認識している状態で、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されたことをトリガとして手差し用紙自動設定を行う。所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されていない状態では、制御部は、読取ユニット1のセット原稿のサイズを認識しても、手差し用紙自動設定を行わない。
【0094】
このように、本実施形態の複合機100では、セット原稿のサイズと手差し用紙のサイズが同じと自動的に設定される。そのため、条件設定値は、セット原稿のサイズと手差し用紙のサイズが同じと見なしてよい(セット原稿と同じサイズの用紙を用いてコピージョブを行うとみなしてよい)場合に設定される設定値である。
【0095】
条件設定値は、手差し給紙部6を給紙元とする設定値と、印刷倍率における等倍の設定値と、原稿サイズ検知部(サイズセンサーS2、可変抵抗部S3、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値と、セット原稿のサイズを指定によって設定された設定値である。
【0096】
条件設定値について、所定の組合せが定められる。所定の組合せのうちの1つは、手差し給紙部6を給紙元とする設定値、等倍の設定値、原稿サイズ検知部の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値(原稿サイズ自動検知キーK35への操作、図5C参照)である。
【0097】
この組合せにおいて、手差し給紙部6を給紙元とする設定値は、手差しトレイ61から給紙を行ってコピージョブを行う前提となる設定値である。使用者が原稿サイズを自動検知する設定とし、かつ、等倍と設定したとき、使用者は原稿のサイズと同じサイズの用紙に印刷を行いたい可能性が極めて高い。そのため、これらの条件設定値が1つの所定の組合せとして予め定められる。この所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されたとき、制御部7は、自動検知したセット原稿のサイズを手差し用紙のサイズと認識する(手差し用紙自動設定)。
【0098】
所定の組合せのうち、他の1つは、手差し給紙部6を給紙元とする設定値、等倍の設定値、セット原稿のサイズの指定により設定された設定値である(原稿サイズ設定画面4a2で指定された具体的な原稿サイズ、図5C参照)。
【0099】
この所定の組合せにおいて、手差し給紙部6を給紙元とする設定値は、前提となる設定値である。使用者が原稿サイズ設定画面4a2にて、カスタムサイズや定形サイズのような原稿サイズを指定したとき、原稿のサイズを使用者は十分認識している。更に、倍率を等倍に設定したならば、使用者は、原稿を等倍でコピーしても手差しトレイ61にセットした用紙からはみ出ずに印刷できると認識している。言い換えると、手差し給紙部6を給紙元とし、等倍設定し、さらに、原稿のサイズを指定したならば、使用者は、設定した原稿のサイズ以上の用紙を、手差しトレイ61にセットすべきとわかっている。そのため、設定された原稿サイズを手差しトレイ61にセットされた用紙サイズとみなし、等倍印刷しても、用紙から原稿の内容がはみ出す可能性は低い。そのため、これらの条件設定値が1つの組合せとして予め定められる。この組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されたとき、制御部7は、指定されたセット原稿のサイズを手差し用紙のサイズと認識する(手差し用紙自動設定)。
【0100】
尚、条件設定値及び所定の組合せの種類は更に多くてもよい。
【0101】
そして、手差し用紙自動設定がなされたとき(ステップ♯5)、制御部7は、禁則に関する処理を行う(ステップ♯6)。具体的に、制御部7は、禁則に関する処理として(1)条件設定値を変更する設定を受け付けない、あるいは、(2)操作パネル4が、条件設定値を変更する設定を受け付けたとき、制御部7は、手差し用紙自動設定による用紙サイズの認識結果を破棄する。破棄したとき、制御部7は、手差し用紙のサイズを設定するための設定画面を表示部41に自動的に表示させる。尚、手差し用紙のサイズを設定するための設定画面は、上述した「用紙サイズ選択」の設定項目キーK2を操作したときに表示される設定画面と同じ設定画面である。
【0102】
(1)の禁則に関する処理は、一旦、手差し用紙のサイズとして適切なサイズを制御部7が認識した以上、認識サイズとは異なるサイズが適切な用紙サイズとなるような設定を禁則(禁止)とするものである。言い換えると、認識サイズが適切である設定の状態を保つ処理を行う。
【0103】
(2)の禁則に関する処理は、一旦、手差し用紙のサイズとして適切なサイズが認識されたものの、認識サイズとは異なる用紙のサイズが適切となるような設定がなされることは許容する。
【0104】
手差し用紙のサイズは設定された状態であるので、ステップ♯4、ステップ♯6の後、本フローは終了する(エンド)。その結果、制御部7は、手差し用紙のサイズを正しく認識し、用紙の認識サイズに基づいた印刷を印刷部5に行わせる。具体的には、認識サイズの範囲内でトナー像を形成し、認識サイズの範囲からはみ出してトナー像を形成しない。
【0105】
(セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動変更)
次に、図7図8に基づき、セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動設定を説明する。
【0106】
コピージョブが完了すると、読取ユニット1にはセット原稿が無い状態となる。具体的に、原稿搬送部2に原稿をセットしてコピージョブが実行されると、最終的に、全ての原稿が送り出され、原稿トレイ21に原稿が無い状態となる。また、載置読取用コンタクトガラス32に原稿をセットした使用者は、コピージョブ後、通常(忘れない限り)、原稿を回収する。その結果、載置読取用コンタクトガラス32上の原稿は無くなる。
【0107】
また、コピーしようとしていた使用者は、原稿を読取ユニット1にセットした後、他の業務を思い出した場合や電話が入った場合のように、コピーを結局実行しないで複合機100から立ち去る場合ある。この場合、使用者は、いったんセットした原稿を回収する。
【0108】
このように、原稿をセットしコピーを完了したとき、あるいは、コピーを実行しないで使用者が複合機100から立ち去るとき、原稿は回収される。その結果、セット原稿が無い状態となる。
【0109】
複合機100(画像形成装置)には、手差し用紙のサイズを検知するためのセンサーが手差しトレイ61(手差し給紙部6)に設けられない。手差し用紙自動設定が行われる場合を除き、手差し給紙部6から給紙を行って印刷を行うとき、用紙サイズを設定することが求められる。コピージョブの場合、操作パネル4に手差し用紙のサイズを入力する。また、プリントジョブ(コンピューター200から印刷用データを送信しての印刷)の場合であって、手差しトレイ61から給紙して印刷を行う場合、コンピューター200のプリンタードライバーソフトウェアで手差し用紙のサイズが設定される。
【0110】
ここで、印刷ジョブが完了したとき、基本的に、手差し用紙のサイズの設定がリセットされたり、手差しトレイのサイズがデフォルトの値に戻されたりしない。制御部7は、新たな手差し用紙のサイズ設定がなされるまで、前に設定されたサイズの用紙が手差しトレイ61(手差し給紙部6)にセットされているという認識を続ける。
【0111】
そして、必ず使用者が手差し用紙のサイズを設定することは、不便な場合がある。例えば、ある使用者がカスタムサイズを設定してコピーやプリントジョブを行っている途中で、割り込みで他の定形サイズでのコピージョブが行われたとする。両コピージョブで用紙のサイズが異なると手差し用紙のサイズ変更がなされる。このとき、割り込んだコピージョブの完了後、手差し用紙のサイズの設定がカスタムサイズに自動的に戻されると、カスタムサイズの手差し用紙で印刷を続ける使用者にとって極めて便利である。
【0112】
このような、使用者の便宜を考慮し、手差し用紙自動設定によって手差し用紙のサイズの変更があった後、セット原稿がなくなったとき、制御部7は、認識する手差し用紙のサイズ(認識サイズ)を変更前に自動的に戻す。
【0113】
以下、図7を用いて、セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動変更の流れを説明する。図7のスタートは、セット原稿が無くなった時点である。制御部7が原稿セットセンサーS1の出力に基づき、セット原稿が無くなったことを認識した時点、あるいは、原稿搬送部2の開閉時のプレスキャンで原稿のサイズを認識できず、載置読取用コンタクトガラス32にセットされている原稿が無くなったと認識した時点である。
【0114】
まず、制御部7は、直前の原稿のセットにより、手差し用紙自動設定がなされたか否かを確認する(ステップ♯11)。上述のように、原稿のセットがあったとき、手差し用紙自動設定がなされるときもあれば、使用者が手差し用紙のサイズを設定するときもある。
【0115】
もし、手差し用紙自動設定がなされていなければ(ステップ♯11のNo)、本フロー(本制御)を終了する(エンド)。一方、手差し用紙自動設定がなされていれば(ステップ♯11のYes)、手差し用紙自動設定のとき手差し用紙のサイズの変更があったか否かを確認する(ステップ♯12)。
【0116】
手差し用紙自動設定のとき手差し用紙のサイズの変更がないとき(ステップ♯12のNo、複数ジョブにわたって同サイズの手差し用紙を用いているとき)、現在、手差し用紙として認識されているサイズの用紙の継続利用が考えられる。そのため、変更する必要性は無い。そこで、前の手差し用紙自動設定で、手差し用紙のサイズ変更が行われていないとき(ステップ♯12のNo)、本フロー(本制御)を終了する(エンド)。
【0117】
一方、前の手差し用紙自動設定のとき、手差し用紙のサイズの変更があれば(ステップ♯12のYes)、制御部7は、予め定められた条件に従って、手差し用紙のサイズの自動変更処理を行う(ステップ♯13)。
【0118】
具体的に、制御部7は、図8に示す自動変更設定画面4bでなされた設定に基づき、手差し用紙のサイズの自動変更処理を行う。その結果、条件に適合した場合、制御部7は、手差し用紙の認識サイズを変更する。
【0119】
図8の自動変更設定画面4bは、複合機100の振る舞いを設定するシステム設定画面の一種である。操作パネル4に所定の操作が行われると、制御部7は、自動変更設定画面4bを表示部41に表示させる。
【0120】
自動変更設定画面4bには、自動変更実行キーK7と自動変更不実行キーK8が配される。自動変更実行キーK7の表示位置をタッチすることにより、セット原稿が無くなったとき手差し用紙のサイズの自動変更を利用する設定とすることができる。一方、自動変更不実行キーK8を操作することにより、セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動変更を行わないようにすることもできる。自動変更不実行キーK8は、手差しトレイ61にセットする用紙のサイズが常時決まっている使用者に有効である。
【0121】
そして、セット原稿が無くなったときの手差し用紙のサイズの自動変更の機能を利用するとき、どのような場合に、どのような用紙に自動変更を行うかを設定するための3つのラジオボタンが設けられる(第1ラジオボタンC1、第2ラジオボタンC2、第3ラジオボタンC3)。タッチすることで、ラジオボタンを選択することができる。
【0122】
第1ラジオボタンC1は、原稿が無くなった時間帯に基づき自動変更を行うときに操作される。具体的に、第1ラジオボタンC1が選択、設定されているとき、制御部7は、手差し用紙自動設定により手差し用紙の認識サイズを異なるサイズに変更した後、原稿セット検知部の出力に基づきセット原稿が無くなったことを認識した状態であって、現在の時刻が予め定められた時間帯に属しているとき、予め定められた定形サイズを手差し用紙のサイズと認識する(認識サイズの自動変更)。
【0123】
具体的に、2つのプルダウンメニューのうち、左側の第1プルダウンメニューPM1を操作して、予め定められた時間帯を設定することが出来る。第1プルダウンメニューPM1を操作すると、不図示の時間帯設定画面が表示され、使用者は所望の時間帯を設定することができる。また、右側の第2プルダウンメニューPM2を操作することにより、定形サイズを指定することが出来る。第2プルダウンメニューPM2を操作すると、不図示の定形サイズ設定画面が表示され、使用者は所望の用紙サイズを定めることができる。会社の業務において、印刷に用いられる用紙サイズが特定の時間帯でほぼ決まっているような場合、時間帯と定形サイズによる認識サイズの変更は特に有効である。
【0124】
第2ラジオボタンC2は、手差し用紙自動設定による変更前の認識サイズに戻すように設定するときに操作される。第2ラジオボタンC2が選択、設定されている状態のとき、制御部7は、手差し用紙自動設定により手差しトレイ61の用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、原稿セット検知部の出力に基づき、セット原稿が無くなったことを認識したとき、変更前のサイズを手差しトレイ61の用紙のサイズと認識する(変更前のサイズに認識サイズを自動変更)。手差しトレイ61にカスタムサイズの用紙をセットして頻繁に利用する場合、カスタムサイズを使用者が再設定しなくてすむようになり、便利である。
【0125】
最下段の第3ラジオボタンC3は、自動変更により認識した手差し用紙のサイズが適切である確率を高めたいときに操作される。第3ラジオボタンC3が選択、設定されているときであって、手差し用紙自動設定により手差しトレイ61の用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、セット原稿が無くなったことを認識したとき、制御部7は、変更前のサイズの用紙を用いて印刷ジョブを行った所定期間内の回数が所定値以上の場合に限り、変更前のサイズを手差しトレイ61の用紙のサイズと認識する。つまり、変更前の用紙サイズの利用頻度が高いときに限り、もとの用紙サイズに認識サイズを自動変更する。
【0126】
そのため、記憶部73は、用紙サイズごとに、所定期間内での印刷に使用された回数を記憶する。所定期間は、適宜定めることができ、数時間、十数時間、数十時間、1日、数日、1週間、1ヶ月など、適宜定めることが出来る。また、所定値も所定期間にあわせて適宜設定される。
【0127】
また、制御部7は、手差し用紙自動設定により、手差しトレイ61の用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、原稿セット検知部の出力に基づき、セットされた原稿が無くなったことを認識したとき、所定期間内で最も印刷ジョブで利用された回数が多いサイズを、手差し用紙のサイズと認識するようにしてもよい。
【0128】
(用紙サイズのエラー)
次に、図1図9を用いて、実施形態に係る複合機100での手差しトレイ61から給紙された用紙のサイズエラーを説明する。図9は、複合機100での手差しトレイ61から給紙して印刷するときの流れの一例を示すフローチャートである。
【0129】
まず、図1実施形態に係る複合機100の印刷部5は、給紙された用紙を搬送する搬送部5bと、トナー像を形成し用紙に転写する画像形成部5cを含む。そして、手差し給紙部6から画像形成部5cまでの搬送部5b(搬送経路)に、搬送される用紙を検知する搬送センサー53が設けられる。
【0130】
搬送センサー53は、手差し給紙部6とトナー像を用紙に転写する転写ローラー52の間に設けられる。搬送センサー53は、検知領域に用紙が存在しているときと存在していないときで出力値(レベル)が異なる。搬送センサー53は、用紙が到達し通過しているときと用紙が存在いないときとで透過、遮光の状態を異ならせるアクチュエーターを含む透過型の光センサーである。また、搬送センサー53は、反射型の光センサーや、超音波センサーでもよい。
【0131】
搬送センサー53の出力は、制御部7に入力される(図3参照)。制御部7は、搬送センサー53の出力に基づき、搬送センサー53の検知位置に用紙が存在しているか否かを認識する。また、制御部7は、搬送センサー53の用紙検知により、搬送センサー53の設置位置への用紙到達を認識する。また、用紙到達検知後、搬送センサー53が用紙を検知しなくなったことにより、制御部7は、搬送センサー53の設置位置からの用紙通過を認識する。
【0132】
ここで、用紙の搬送速度は、仕様上、予め定められる。そのため、制御部7は、搬送センサー53の用紙の到達検知から通過検知までの時間に、仕様上の搬送速度や予め定められた搬送速度を乗ずることで、用紙の副走査方向のサイズを求めることができる。
【0133】
まず、図9でのスタートは、手差しトレイ61から給紙を行ってコピージョブのような印刷を開始する時点である。
【0134】
制御部7は、手差し給紙モーター64の回転開始と、無給紙ジャムの検知のための無給紙ジャム確認時間の計時を開始する(ステップ♯21)。そして、制御部7は、搬送センサー53が用紙到達を検知したか否かを確認する(ステップ♯22)。もし、用紙到達を検知していないとき(ステップ♯22のNo)、制御部7は、無給紙ジャム確認時間が、無給紙ジャムと判定するまでの許容時間を超えているか否かを確認する(ステップ♯23)。
【0135】
許容時間を超えていないとき(ステップ♯23のNo)、フローは、ステップ♯22に戻る。許容時間を超えたとき(ステップ♯23のYes)、制御部7は、無給紙ジャム発生と判断し、予め定められた無給紙ジャムエラー処理を行う(ステップ♯24→エンド)。制御部7は、表示部41での無給紙ジャムが発生した旨の表示と、印刷部5の給紙、用紙搬送、画像形成を停止を無給紙ジャムエラー処理として行う。
【0136】
一方、用紙到達を検知したとき(ステップ♯22)、制御部7は、用紙到達検知から用紙通過を検知するまでの通過所要時間を計時する(ステップ♯25)。そして、制御部7は、通過所要時間に予め定められた係数(仕様上の搬送速度)を乗じて、手差しトレイ61から給紙された用紙の副走査方向のサイズを求める(ステップ♯26)。
【0137】
そして、制御部7は、求めた副走査方向のサイズと、手差し用紙として認識しているサイズの副走査方向の長さとが一致しているか(差が許容範囲であるか)否かを確認する(ステップ♯27)。一致しているとき(ステップ♯27のYes)、問題はないので、本フローは終了する。
【0138】
一致していないとき(ステップ♯27のNo)、制御部7は、手差し用紙のサイズエラーと判定する(ステップ♯28)。そして、制御部7は、画像形成部5cにトナー像の形成を停止させる(ステップ♯29)。また、制御部7は、表示部41に正しいサイズの用紙をセットすべき旨の表示を行わせる(ステップ♯210)。さらに、搬送経路からの用紙除去の手間を省くため、制御部7は、搬送経路に残る用紙を排出トレイ51まで搬送部5bに搬送させる(ステップ♯211)。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0139】
(等倍でない倍率が設定されたときの警告)
次に、図10図11を用いて、原稿が読取ユニット1にセットされ、手差し給紙部6から給紙を行う設定がなされ、かつ、等倍ではない倍率が設定されたときの処理を説明する。
【0140】
手差し用紙自動設定を行うことにより、制御部7は、読取ユニット1にセットした原稿のサイズと同じサイズを手差し用紙のサイズと認識する。これにより、使用者は、必ず、手差し用紙のサイズを設定しなくてもよくなる。
【0141】
一方、等倍でない倍率が設定されると、所定の各組合せで必須とされる、等倍の条件を欠く。そのため、等倍でない倍率が設定された状態では、手差し用紙自動設定はなされない。使用者は、手差し用紙のサイズ設定を操作パネル4に自分で行う必要がある。特に、等倍よりも大きい倍率が設定されたときには注意が必要である。セット原稿よりも大きな用紙を手差しトレイ61にセットしなければ、原稿の内容が印刷物内に全て印刷されない場合がある。そこで、原稿が読取ユニット1にセットされていて、手差し給紙部6から給紙を行う設定がなされ、かつ、等倍でない倍率が設定されたとき、警告メッセージを表示部41に表示させる。また、手差し用紙のサイズの設定の簡易化を図る。この点、図10を用いて説明する。
【0142】
図10は、倍率の設定値(等倍でない倍率)の設定を終え、コピー初期画面4aに切り替えられた時点に、表示部11に表示される画面の一例である。そして、コピー初期画面4a上には、警告メッセージが表示される。図10に示すように、警告メッセージは、コピー初期画面4aの上方のポップアップ内に表示される。
【0143】
制御部7は、使用者により設定された現在の倍率(図10の例では125%)と、検知しているセット原稿のサイズを表示部41に表示させる。そして、図10に示す例では、設定されている倍率が等倍(100%)を超えている。制御部7は、手差し給紙部6が給紙元に設定され、倍率が等倍ではないとき、手差し用紙のサイズに注意すべき警告メッセージを表示部41に表示させる。
【0144】
原稿サイズがA4、倍率125%のとき、A4用紙を手差しトレイ61にセットして印刷すると、原稿の内容の一部がはみ出る。また、A4用紙の幅の範囲以上の主走査方向の長さで、感光体ドラムにトナー像が形成される。しかし、警告メッセージを出すので、原稿の内容がはみ出た印刷がなされないように、使用者の注意を喚起することができる。
【0145】
更に、制御部7は、設定された倍率が等倍でないとき(等倍を超えているとき)、設定された倍率で印刷するときに推奨される手差し用紙のサイズを求め、警告メッセージと求めた推奨の手差し用紙のサイズ(定形サイズ)を表示部41に表示させる。
【0146】
記憶部73は、推奨の手差し用紙のサイズを求めるためのデータ(図11参照)を記憶する。倍率に応じ、どのような推奨の手差し用紙のサイズを求めるか(データの内容)は適宜定めることができる。具体的に、定形サイズごとに、原稿の縦辺及び横辺に倍率を乗じて得られる長さが、手差し用紙の縦辺及び横辺の範囲内に収まるように、推奨の手差し用紙の定形サイズを定める。制御部7は、記憶部73に記憶されたこのデータと、設定された倍率に基づき、推奨の手差し用紙のサイズを求める。図10の例では、表示部は、推奨の手差し用紙のサイズとして、A3サイズを表示する。
【0147】
更に、制御部7は、警告メッセージを表示するとき、手差し用紙のサイズを選択するためのキーを表示部41に表示させる。図10の例では、サイズ選択キーK9、K10が表示される。サイズ選択キーK9は、推奨の手差し用紙のサイズを、手差し用紙のサイズと設定するためのキーである。サイズ選択キーK10は、セット原稿と同じサイズを手差し用紙のサイズと設定するためのキーである。サイズ選択キーK10のように、原稿と同じサイズを手差し用紙のサイズと設定するためのキー(サイズ選択キーK10)を表示するのは、誤って等倍でない倍率を設定してしまうことがあるためである。
【0148】
サイズ選択キーK9には、推奨の手差し用紙のサイズを示す文字列が含まれる。サイズ選択キーK9への操作をタッチパネル部42が受け付けたとき、制御部7は、倍率の設定値を変更せず、推奨の手差し用紙のサイズを手差し用紙のサイズと認識する。そして、印刷時に制御部7は、推奨の手差し用紙の主走査方向のサイズに対応したトナー像を画像形成部5cに形成させる。
【0149】
一方、サイズ選択キーK10には、セット原稿と同じサイズを示す文字列が含まれる。サイズ選択キーK10への操作をタッチパネル部42が受け付けたとき、制御部7は、倍率の設定値を等倍に自動的に設定するとともに検知された原稿サイズを手差し用紙のサイズと認識する。このような処理は、手差し用紙の自動的な設定の一種といえる。
【0150】
例えば、原稿をA4とし、B5の用紙に印刷するとき、自動変倍が設定されていると、倍率は84〜86%程度の値とされる。セット原稿のサイズがA4であり、原稿よりも1レベル小さい用紙のサイズをB5とするとき、倍率が84〜86%以下でなければ、B5サイズの用紙に、A4原稿の内容を全て含ませることができない。
【0151】
従って、以下の条件では、制御部7は、ポップアップを表示部41に表示させないようにしてもよい。ポップアップを表示させるとしても、制御部7は、サイズ選択キーK9、K10にセット原稿と同じサイズを表示部41に表示させるようにしてもよい。
(条件1)手差し給紙部6を用いる。
(条件2)原稿がセットされている(検知の結果、制御部7が原稿サイズを認識している)。
(条件3)等倍よりも小さい倍率が設定されている。
(条件4)設定された倍率が原稿よりも1レベル小さい用紙に原稿の内容を全て含ませることができる倍率のうち最も大きい倍率以上である。
【0152】
(給紙元選択画面4a1からの手差し用紙のサイズの設定)
次に、図12を用いて、手差し用紙設定画面4a3での手差し用紙のサイズの設定を説明する。
【0153】
手差しトレイ61から給紙を行って印刷を行うとき、給紙元を手差しトレイ61に設定する必要がある。給紙元選択画面4a1では、給紙元を手差しトレイ61とする設定を行うことができる(図5B参照)。
【0154】
手差し給紙部6にはセットされた手差し用紙のサイズを検知するためのセンサーが無い。そこで、手差し給紙部6(手差しトレイ61)が給紙元に選択されたとき、表示部41は、手差し用紙設定画面4a3(図12参照)を表示するようにしてもよい。言い換えると、給紙元選択画面4a1のうち、手差しトレイ61に対応する給紙元選択キーK11が操作されたとき、表示部41は手差し用紙設定画面4a3を自動的に表示してもよい。これにより、用紙のサイズを設定する画面への切替操作を行わないで、手差しトレイ61の用紙サイズを直ちに設定することができ、設定操作を簡略化することができる。
【0155】
手差し用紙設定画面4a3には、原稿同サイズキーK110、標準サイズキーK111、サイズ入力キーK112の3種類のキーが設けられる。
【0156】
操作パネル4(タッチパネル部42)は、原稿同サイズキーK110への操作を、制御部7が認識している原稿サイズを手差し用紙のサイズとする設定と受け付ける。そして、制御部7は、認識している原稿のサイズを手差し用紙のサイズと認識する。原稿サイズ設定画面4a2にて使用者により原稿サイズが指定されたとき、制御部7は、使用者が指定した原稿サイズを手差し用紙のサイズと認識する。また、原稿サイズの自動検知が設定されているとき、制御部7は、各センサーを用いて検知された原稿サイズを手差し用紙のサイズと認識する。
【0157】
また、操作パネル4は、標準サイズキーK111への操作を、予め定められた標準サイズを手差し用紙のサイズとする設定として受け付ける。標準サイズは、操作パネル4のシステム設定画面(不図示)で予め設定される。定形サイズを標準サイズに設定することもできるし、カスタムサイズを標準サイズと設定することもできる。この場合、制御部7は、手差し用紙のサイズは標準サイズと認識する。
【0158】
更に、操作パネル4は、サイズ入力キーK112への操作を、手入力により手差し用紙のサイズを設定する指示として受け付ける。サイズ入力キーK112が操作されると、表示部41は、テンキー部43bで数値入力してサイズを設定するための画面を表示する。これにより、使用者は、長さを入力することにより、手差し用紙のサイズを設定できる。この場合、制御部7は、手入力されたサイズを手差し用紙のサイズと認識する。
【0159】
なお、手差し給紙部6を給紙元とする設定値と、等倍の設定値が設定されていて、更に、セット原稿のサイズを指定する設定値が設定されたとき、又は、原稿サイズ検知部の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値が設定されたとき、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定されたことになる。そのため、等倍の設定、セット原稿のサイズに関する設定がなされた後、手差し給紙部6を給紙元とする設定値が設定されたとき、手差し用紙設定画面4a3を表示せずに、制御部7は、手差し用紙自動設定を行ってもよい。
【0160】
また、手差し給紙部6を給紙元とする設定に応じ、手差し用紙設定画面4a3にて、手差し用紙のサイズの設定後、等倍と原稿サイズの設定がなされる場合がある。言い換えると、手差し用紙設定画面4a3で手差し用紙のサイズ設定後、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定される場合がある。
【0161】
このような場合、制御部7は、手差し用紙自動設定を行ってもよい。手差し用紙設定画面4a3で設定された手差し用紙のサイズと、自動検知された、又は、指定された原稿サイズが異なっているとき、制御部7は、認識している手差し用紙のサイズを自動検知された、又は、指定された原稿サイズに変更してもよい。尚、制御部7は、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定された時点と、当該時点から所定時間遡った時点の間で、操作パネル4で(手差し用紙設定画面4a3で)手差し用紙のサイズが設定されていたとき、手差し用紙自動設定を行わない。
【0162】
このように、操作パネル4では、手差し給紙部6(手差しトレイ61)を給紙元に選択したとき、手差し用紙のサイズの設定手続を簡略化できるように工夫されている。
【0163】
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、原稿がセットされたことを検知する原稿セット検知部(原稿セットセンサーS1、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)と、セットされた原稿のサイズを検知するための原稿サイズ検知部(サイズセンサーS2、可変抵抗部S3、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)と、を含む読取ユニット1と、印刷部5による印刷に用いる用紙を供給し手差しトレイ61を含み手差しトレイ61自体にはセットされた用紙のサイズを検知するためのセンサーが設けられない手差し給紙部6を備え、読取ユニット1での読み取りで得られた画像データ、又は、受信したデータに基づき印刷を行う印刷部5と、印刷と原稿読み取りに関する設定を行うための設定画面を表示する表示部41を含み、印刷と原稿読み取りに関する設定を受け付け、手差し給紙部6から給紙を行う設定と手差しトレイ61にセットされた用紙である手差し用紙のサイズの設定と、読取ユニット1にセットされた原稿のサイズの設定を受け付ける操作パネル4と、原稿サイズ検知部の出力に基づき読取ユニット1にセットされた原稿であるセット原稿のサイズを自動的に検知し、原稿サイズ検知部の出力に基づくセット原稿のサイズの自動検知、又は、操作パネル4への原稿のサイズの設定に基づきセット原稿のサイズを認識し、認識したセット原稿のサイズを手差し用紙のサイズと認識する手差し用紙自動設定を行い、手差し給紙部6に給紙を行わせ、認識した用紙のサイズである認識サイズに基づき、手差し給紙部6から給紙された用紙への印刷を印刷部5に行わせる制御部7と、を備える。
【0164】
これにより、手差しトレイ61に複数の用紙サイズ検知用センサーを設けない構成としたときに、手差し用紙(手差しトレイ61にセットされた用紙)のサイズが自動的に設定される(認識される)。従って、手差し用紙サイズの設定を使用者が行わなくてすみ、使用者に煩わしさ、不快さを感じさせない。また、印刷に用いる用紙を原稿として検知させるために原稿をセットし、印刷時の手差しの用紙サイズとして自動設定することもできる。また、手差しトレイ61に用紙サイズ検知用センサーを設けなくて済むので、画像形成装置(複合機100)の製造コストを減らすことができる。また、一般的に、原稿の複写(コピー)では等倍(100%)の倍率が設定されることが多く、等倍コピーを希望する使用者は、手差しトレイ61に原稿と同じサイズの用紙をセットすることが多いので、結果として、手差し用紙のサイズとして、正確なサイズを認識する確率は高くなる。
【0165】
また、読取ユニット1にセットした原稿のサイズと同じサイズの用紙を、手差し用紙のサイズと認識するので、使用者は、制御部7が手差し用紙をどのようなサイズと認識しているか、簡単に予測できる。一方で、使用者は、操作パネル4を操作して、手差し用紙のサイズを設定することも可能である。そのため、使用者が印刷したい用紙(手差し用紙)のサイズと、原稿のサイズと異なるときのみ、使用者は、手差し用紙のサイズを、操作パネル4に入力すればよく、必ず、手差し用紙のサイズを設定する必要がない。
【0166】
また、複数の所定の設定値である条件設定値が予め定められる。また、条件設定値について所定の組合せが定められ、る。そして、制御部7は、読取ユニット1に原稿がセットされている状態であって、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てがされたとき(所定の組合せに含まれる条件設定値のうち、まだ設定されていなかった最後の条件設定値が設定されたとき)に手差し用紙自動設定を行い、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てがされていない状態では読取ユニット1に原稿がセットされても、手差し用紙自動設定を行わない。これにより、手差し用紙自動設定の発動条件(トリガー)が予め定められるので、画像形成装置(複合機100)の管理者は、手差し用紙自動設定の発動条件を定める手間や、その管理作業をしなくてよい。従って、手差し用紙のサイズを検知するためのセンサーを設けなくても、画像形成装置の管理者の負担は重くならない。
【0167】
また、制御部7は、所定の組合せに含まれる条件設定値の全てが設定された時点と、時点から所定時間遡った時点の間で、操作パネル4への入力により手差し用紙のサイズが設定されていたとき、手差し用紙自動設定を行わず、操作パネル4で設定されたサイズを、手差し用紙のサイズと認識する。これにより、使用者が操作パネル4で設定したサイズが、手差し用紙のサイズとして優先的に認識される。
【0168】
また、印刷部5は、手差し給紙部6以外の給紙部5aを含む。そして、操作パネル4は、複数の給紙元のなかから1つを選択する設定と、印刷における倍率の設定(原稿のサイズを1としたときの原稿に対する印刷物の比率、原稿のサイズを1としたときに印刷物に印刷される原稿の内容の比率)と、原稿サイズの設定を受け付ける。条件設定値は、手差し給紙部6を給紙元とする設定値、印刷の倍率における等倍の設定値、原稿サイズ検知部(原稿セットセンサーS1、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値、及び、セット原稿のサイズを指定する設定値である。そして、制御部7は、手差し給紙部6を給紙元とする設定値、等倍の設定値、原稿サイズ検知部の出力に基づき原稿サイズを自動検知する旨の設定値が設定されたとき、自動検知したセット原稿のサイズを手差し用紙のサイズと認識する手差し用紙自動設定を行う。また、制御部7は、手差し給紙部6を給紙元とする設定値、等倍の設定値、セット原稿のサイズを指定する設定値が設定されたとき指定されたセット原稿のサイズを手差し用紙のサイズと認識する手差し用紙自動設定を行う。これにより、手差しトレイ61から給紙して印刷を行うとき、設定される頻度が高く、ジョブ実行に際して確認すべき設定項目の設定値であって、等倍印刷されるときに設定される設定値を条件設定値とするので、原稿のサイズと手差し用紙のサイズを同じサイズとすべきときに限り、手差し用紙自動設定による手差し用紙のサイズの自動認識機能を働かせることができる。
【0169】
また、制御部7が手差し用紙自動設定を行ったとき、操作パネル4は、条件設定値を変更する設定を受け付けない。これにより、手差し用紙自動設定の後、手差しトレイ61からの給紙によって適切に印刷が行われなくなるような設定値の変更を規制することができる。言い換えると、手差し用紙自動設定を行った後、倍率の変更のような禁則関係にある設定値を設定できないようにすることができる。
【0170】
また、手差し用紙自動設定が行われてから、操作パネル4が、条件設定値を変更する設定を受け付けたとき、制御部7は、手差し用紙自動設定による用紙サイズの認識結果を破棄する。
【0171】
これにより、手差し用紙自動設定で手差し用紙のサイズを認識したものの、設定値が変更されることにより、印刷に用いる適切な用紙サイズと認識サイズが合わなくなった時点で手差し用紙自動設定による認識サイズの自動的な解除がなされる。従って、使用者に何らかの操作を行わせないで、手差し用紙のサイズの自動的な認識の解除がなされる。
【0172】
また、破棄がなされたとき、制御部7は、手差し用紙のサイズを設定するための設定画面を表示部41に表示させる。これにより、禁則関係のある設定が新たになされ、用紙サイズの設定のやり直しが必要な状態になったとき、適切な印刷を行ううえで必要なサイズ指定を、使用者に必ず行ってもらうようにすることができる。
【0173】
画像形成装置(複合機100)は、コンピューターから受信したデータに基づき印刷を行う(プリンター機能)。そして、日誌、報告書、請求書、送り状のような文書をまとめて印刷する場合など、同じサイズの用紙ばかり用いて印刷を行う時間帯が存在する場合がある。そこで、制御部7は、手差し用紙自動設定により、手差しトレイ61の用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、原稿セット検知部(原稿セットセンサーS1、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)の出力に基づき、セットされた原稿が無くなったことを認識した状態であって、現在の時刻が予め定められた時間帯に属しているとき、予め定められた定形サイズを手差し用紙のサイズと認識する。
【0174】
これにより、原稿セットによる手差し用紙自動設定によって、制御部7が特定の時間帯でよく用いられている用紙サイズからセット原稿と同じサイズに変更されたと認識した後、ジョブ完了やジョブ中断に伴いセットされたセット原稿が無くなったとき、制御部7は、自動的に、認識サイズ(制御部7が手差し用紙と認識しているサイズ)を元のサイズ(変更前のサイズ)に戻す。例えば、使用者のコンピューターからのデータを送信に基づくプリンター印刷ジョブとプリンター印刷ジョブの間に、コピージョブの割り込みがあっても、コピー終了とともに、認識サイズが元のサイズに自動的に戻る。従って、速やかにプリンター印刷ジョブを再開することができる。
【0175】
また、制御部7は、手差し用紙自動設定により、手差し用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、原稿セット検知部(原稿セットセンサーS1、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)の出力に基づき、セットされた原稿が無くなったことを認識したとき、変更前のサイズを手差し用紙のサイズと認識する。
【0176】
これにより、コピージョブによる手差し用紙自動設定によって、制御部7が認識する手差し用紙のサイズの変更があっても、セットされた原稿が無くなったことに基づきコピージョブの終了や中断があったと認められると、制御部7は、自動的に、認識サイズを元のサイズ(変更前のサイズ)に戻す。従って、使用者がカスタムサイズなどを設定して、画像形成装置(複合機100)をプリンターとして用いる印刷ジョブと印刷ジョブの間に、他人のコピージョブが割り込んでも、使用者は、わざわざ操作パネル4に、手差し用紙のサイズを再設定することなく、認識サイズが元のサイズに自動的に戻る。従って、速やかにプリンター印刷ジョブを再開することができる。
【0177】
また、複合機100は、所定期間内での、手差し用紙と設定され、印刷に使用された使用回数を用紙サイズごとに記憶する記憶部73を含む。制御部7は、手差し用紙自動設定により、手差し用紙のサイズが異なるサイズに変更されたと認識した後、原稿セット検知部(原稿セットセンサーS1、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)の出力に基づき、セットされた原稿が無くなったことを認識したとき、変更前のサイズの用紙を用いて印刷ジョブを行った回数が所定値以上のとき、変更前のサイズを手差し用紙のサイズと認識する。
【0178】
これにより、コピージョブに伴う手差し用紙自動設定によって、認識サイズの変更があったとき、変更前のサイズの用紙がよく用いられている場合に限り、コピージョブの終了や中断があったと認められると、自動的に認識サイズが変更前のサイズに戻される。従って、認識サイズを変更前に戻す必要性が高いときに限り、認識サイズを変更前サイズに戻すようにすることができる。
【0179】
また、印刷部5は、給紙された用紙を搬送する搬送部5bと、トナー像を形成し搬送される用紙に転写する画像形成部5cと、搬送部5b内に設置され搬送される用紙を検知する搬送センサー53を含む。そして、手差し給紙部6から給紙がなされている場合、制御部7は、搬送センサー53の用紙の到達検知から通過検知までの時間に予め定められた搬送速度を乗じて印刷に用いられる用紙の副走査方向のサイズを求め、求めた副走査方向のサイズと、認識している手差し用紙のサイズが異なるとき、画像形成部5cにトナー像の形成を停止させ、表示部41に正しいサイズの用紙をセットすべき旨の表示を行わせ、搬送部5bに排出トレイ51まで用紙を搬送させる。
【0180】
これにより、適切な手差し用紙のサイズを認識していないとき、エラー表示によって警告することができる。また、無駄になるトナー像の形成を停止させるので、無駄なトナーの消費を防ぐことができる。また、一旦給紙された用紙の搬送は停止されず、用紙はそのまま排出トレイ51に排出されるので、画像形成装置(複合機100)のカバーをあけて、画像形成装置内から用紙を取り除く作業も不要である。
【0181】
また、操作パネル4は、印刷における倍率の設定を受け付け、読取ユニット1にセットされた原稿のサイズが検知され、設定された倍率が等倍でない倍率でなく、かつ、手差し給紙部6から給紙を行う設定がなされているとき、制御部7は、手差し用紙のサイズに注意すべき旨の警告メッセージを表示部41に表示させる。これにより、原稿と異なるサイズの用紙を手差しトレイ61にセットすべき場合、使用者に注意を喚起することができる。
【0182】
また、制御部7は、設定された倍率が等倍でないとき、設定された倍率で印刷するときに推奨される手差し用紙のサイズを求め、警告メッセージと求めた推奨の手差し用紙のサイズを表示部41に表示させる。これにより、設定倍率に対応したサイズであり、原稿の内容がはみ出ない最小の用紙サイズ(定形サイズ)を使用者に知らせることができる。そして、適切なサイズ(適切な定形用紙)を手差しトレイ61にセットさせることができる。
【0183】
また、制御部7は、警告メッセージを表示するとき、手差し用紙のサイズを選択するためのキー(サイズ選択キーK9、K10)を表示部41に表示させ、キーに対する操作によって手差し用紙のサイズとして選択されたサイズと検知された原稿サイズが同じとき、倍率の設定値を等倍に自動的に設定する。これにより、誤った倍率で手差しトレイ61から用紙が給紙され、印刷がなされることを防ぐことができる。
【0184】
表示部41は、給紙元を設定するための給紙元選択画面4a1(図5A参照)を表示するとともに、給紙元選択画面4a1にて手差しトレイ61を給紙元として選択する設定がなされたとき、制御部7が認識している原稿のサイズを手差し用紙のサイズとする設定を行うための原稿同サイズキーK110を含む手差し用紙設定画面4a3(図12参照)を自動的に表示する。操作パネル4が原稿同サイズキーK110に対する操作を受け付けたとき、制御部7は、原稿サイズ検知部(原稿セットセンサーS1、テーブル原稿センサーS5、読取機構3a)の出力に基づき検知された原稿サイズ、又は、使用者が指定した原稿サイズを手差し用紙のサイズと認識する。これにより、給紙元の設定にあわせて、容易に手差し用紙のサイズを設定することができる。
【0185】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明は、読取装置やこれを備えた画像形成装置に利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
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図8
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図12