特許第6233543号(P6233543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000002
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000003
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000004
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000005
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000006
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000007
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000008
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000009
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000010
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000011
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000012
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000013
  • 特許6233543-放熱部材を備えた電子部品 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6233543
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】放熱部材を備えた電子部品
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20171113BHJP
   H01R 4/38 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H01R4/38 C
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-152843(P2017-152843)
(22)【出願日】2017年8月8日
(62)【分割の表示】特願2017-88809(P2017-88809)の分割
【原出願日】2017年4月27日
【審査請求日】2017年8月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】新谷 貴範
(72)【発明者】
【氏名】岡 功
【審査官】 柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−113946(JP,A)
【文献】 特開2012−151040(JP,A)
【文献】 特開2007−166803(JP,A)
【文献】 特開2015−84609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00 − 11/00
H01R 4/00
H01R 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品本体と、
前記電子部品本体の内部に配置されているバスバーと、
前記電子部品本体に埋め込まれ、一端面が前記バスバーと熱的に接触するとともに、他端面が前記電子部品本体の外部に露出している放熱部材とを備えることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記電子部品本体に一体に形成されている端子台を有し、
前記バスバーの一端が前記端子台上に載置されており、
前記放熱部材の前記一端面が前記端子台の外部に露出して前記バスバーの前記一端と熱的に接触していることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記放熱部材は直線状の形状をしており、前記他端面は、前記一端面が外部に露出している面と反対側の面で前記端子台の外部に露出していることを特徴とする請求項2記載の電子部品。
【請求項4】
前記放熱部材はL字状の形状をしており、前記他端面は、前記一端面が外部に露出している面と垂直の面で前記電子部品本体の外部に露出していることを特徴とする請求項2記載の電子部品。
【請求項5】
前記電子部品本体の内部に配置され、前記バスバーに電気的に接続されている電子素子を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記電子部品本体は開放面を有し、
前記電子素子は前記開放面を介して脱着可能であることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記電子部品本体に一体に形成されている外部接続部を有し、
前記バスバーの他端は前記外部接続部に露出していることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記バスバーの前記一端が発熱体と接しており、
前記放熱部材の前記一端面は前記バスバーの前記一端に熱的に接触していることを特徴とする請求項2から請求項7の何れか1項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子を支持する端子台を一体化した電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置は、電力変換用のパワー半導体モジュールなどの複数の電子部品が筐体に収納されている。
筐体に収納される電子部品として、電力変換装置の端子台を兼ねる電流検出器が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の電流検出器は、ボルトを圧着接続したバスバーが、コア、磁束密度検出素子や回路基板と一緒に樹脂モールドされている。
【0003】
この特許文献1の電流検出器は、端子台を兼ねることで電力変換装置の部品数の削減、装置の小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−194650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、電力変換装置は、パワー半導体モジュールと電流検出器を電気的に接続する接続部の電力損失による発熱が大きいので、その接続部を冷却する冷却部品をパワー半導体モジュールと電流検出器の間に収納することが考えられる。しかし、冷却部品をパワー半導体モジュールと電流検出器の間に収納すると、冷却部品の収納空間が拡大して電力変換装置の小型化が損なわれるおそれがある。
そこで、本発明は、端子台を一体化した電子部品に冷却構造を備えても小型化を図ることができる構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電子部品は、部品本体から延在するバスバーの接続端部を支持する端子台が部品本体に一体に形成されているとともに、接続端部と熱的に接続する放熱部材が一体化されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端子台を一体化した電子部品に冷却構造を備えても小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る第1実施形態の電子部品を備えた電力変換装置の外観を示す斜視図である。
図2図1に示した電力変換装置の筐体の底壁の内側を示す図である。
図3図1に示した電力変換装置の筐体の底壁の外側に流路カバーを装着した状態を示す図である。
図4図1に示した電力変換装置の筐体の内部に、電力変換装置の主要部品を配置した状態を示す図である。
図5図1に示した電力変換装置を構成するパワー半導体モジュールの表側を示す斜視図である。
図6図5のパワー半導体モジュールの裏側を示す斜視図である。
図7図1に示した電力変換装置を構成する平滑コンデンサを示す斜視図である。
図8】第1実施形態の電子部品である直流入力コネクタを示す斜視図である。
図9】(a)は、直流入力部の入力コネクタ本体を示す図であり、(b)は、入力コネクタ本体に放電抵抗器を装着した図である。
図10】第1実施形態の直流入力部の端子台に内蔵されている放熱部材を示す図である。
図11図4のA−A線矢視図である。
図12図4のB−B線矢視図である。
図13図1に示した電力変換装置の筐体の内部に主要部品を覆うように制御回路基板を配置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
また、以下に示す第1実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で記載されている「上」、「下」、「底」、「前」、「後」、「左右」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
【0011】
[第1実施形態の電子部品を備えた電力変換装置]
以下、本発明の一態様に係る第1実施形態の電子部品である直流入力コネクタを備えた電力変換装置について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、電力変換装置1は、筐体2と、筐体2の底部に設けた冷却水循環部CLとを備えている。筐体2は、アルミニウム、又はアルミニウム合金を材料とした鋳造品のケース4及びカバー5で構成されている。
【0012】
図2はケース4の内側を示し、図3はケース4を外側から示したものである。
図2に示すように、ケース4は、長方形状の底壁4aと、底壁4aの全周から立ち上がる第1側壁〜第4側壁4b1〜4b4と、第1側壁〜第4側壁4b1〜4b4の上端で開口する開口部4cと、底壁4aに連通する入側開口部9a及び出側開口部9bと、を備えている。第2側壁4b2に、冷却水供給パイプ6a及び冷却水排出パイプ6bが圧入或いは溶接で接続されているとともに、第3側壁4b3に、外部入力接続口4eと外部出力接続口4fが開口している。そして、入側開口部9aの外側には周溝(不図示)が形成されており、この周溝にOリング16が装着されている。また、出側開口部9bの外側にも周溝(不図示)が形成され、この周溝にOリング16が装着されている。
【0013】
図3に示すように、ケース4の底壁4aの外側に左右方向に延在する入側溝と、入側溝より長尺に左右方向に延在する出側溝が形成されており、入側溝の右側端部側に底壁4aを貫通して入側開口部9aが形成され、出側溝の右側端部側に底壁4aを貫通して出側開口部9bが形成されている。そして、入側溝及び出側溝の開口部を閉塞するように流路カバー17が固定され、冷却水供給パイプ6a及び入側開口部9aに連通する入側流路18aと、冷却水排出パイプ6b及び出側開口部9bに連通する出側流路18bとが形成される。
【0014】
これにより、前述した冷却水循環部CLは、冷却水供給パイプ6a、入側流路18a、入側開口部9a、冷却水排出パイプ6b、出側流路18b及び出側開口部9bで構成されている。
ケース4内には、図2に示すように、平滑コンデンサ12を収納する第1収納空間S1と、本発明の一態様に係る第1実施形態の電子部品である直流入力コネクタ13を収納する第2収納空間S2と、電流検出器15及び交流出力コネクタ14を収納する第3収納空間S3と、IGBTモジュール10を収納する第4収納空間S4と、が設けられている。
【0015】
第1収納空間S1は、第1側壁4b1に沿って延在し、互いに対向する第2側壁b2及び第4側壁4b4まで長尺空間として設けられている。
第2収納空間S2は、第4側壁4b4に沿って延在する長尺空間であり、この空間の長尺方向の一端が第1収納空間S1に対向し、長尺方向の他端が第3側壁4b3まで設けられている。
【0016】
第3収納空間S3は、第4側壁4b4に沿って延在する長尺空間であり、この空間の長尺方向の一端が第2収納空間S2に対向し、長尺方向の他端が第2側壁4b2まで設けられている。
第4収納空間S4は、第1収納空間S1、第2収納空間S2、第3収納空間S3及び第2側壁4b2に囲まれた空間である。
ここで、第3収納空間S3と第4収納空間S4との間に、底壁4aの一部から突出して上面が平坦な立上がり部36が形成されている。
【0017】
[IGBTモジュール]
図5及び図6は、IGBTモジュール10を示すものであり、モジュール本体19と、モジュール本体19に一体に設けられ、筐体2に設けた冷却水循環部CLに接続して冷却水が循環する冷却器3と、を備えている。
モジュール本体19は、直方体形状の樹脂パッケージ19aと、樹脂パッケージ19aの底面に配置された金属ベース板(不図示)とを備え、金属ベース板側に冷却器3が一体に設けられている。
【0018】
樹脂パッケージ19aには、図示しない3個のIGBTの上アーム半導体チップ、上アーム用配線パターン部、上アーム配線用導体板、下アーム半導体チップ、下アーム用配線パターン部、下アーム配線用導体板及び接地用配線パターン部などが埋め込まれているとともに、上アーム半導体チップ及び下アーム半導体チップが金属ベース板に接触している。
【0019】
樹脂パッケージ19aには、長尺方向の一方の側面20aから平板形状の正極側端子21U,21V,21W及び負極側端子22U,22V,22Wが、互いの板幅方向の端部を対向させた状態で一列に突出して設けられているとともに、長尺方向の他方の側面20bから平板形状の出力端子23U,23V,23Wが、互いの板幅方向の端部を対向させた状態で一列に突出して設けられている。
【0020】
正極側端子21U,21V,21Wは、上アーム用配線パターン部を介して上アーム半導体チップのコレクタに接続しており、負極側端子22U,22V,22Wは、接地用配線パターン部と下アーム配線用導体板を介して下アーム半導体チップのエミッタに接続しており、出力端子23U,23V,23Wは、下アーム用配線パターン部と上アーム配線用導体板を介して上アーム半導体チップのエミッタ及び下アーム半導体チップのコレクタに接続している。
【0021】
また、樹脂パッケージ19aの上面には、上アーム用の複数の制御電極に接続する複数本の上アーム用リードフレーム24U,24V,24Wと、下アーム用の複数の制御電極に接続する複数本の下アーム用リードフレーム25U,25V,25Wが上方に突出して設けられている。
冷却器3は、図6に示すように、樹脂パッケージ19aの底面に接合されている。
この冷却器3の底壁3aには、ケース4の入側開口部9aに接続する入側開口部3eと、ケース4の出側開口部9bに接続する出側開口部3fが形成されている。
【0022】
[平滑コンデンサ]
平滑コンデンサ12は、直流入力コネクタ13から入力した直流電圧を平滑化する装置であり、図7に示すように、略直方体形状のコンデンサ本体12aと、コンデンサ本体12aの長尺方向(矢印B方向)に延在する側面12bから突出して設けられている複数の端子と、を備えている。
【0023】
平滑コンデンサ12の複数の端子は、側面12bの右側に寄った位置に設けられており、平板形状の正極側出力端子26U,26V,26W及び負極側出力端子27U,27V,27Wが、互いの板幅方向の端部を対向させた状態で長尺方向に沿って一列に突出して設けられている。
また、側面12bの左側に寄った位置には、正極側入力端子28と、負極側入力端子29とが突出して設けられている。
【0024】
負極側入力端子29は平板形状の端子であり、平面方向が長尺方向に延在して突出して設けられている。
正極側入力端子28は、側面12bから長尺方向に直交した方向に平面方向が延在して突出している平板形状の基部28aと、この基部28aの先端側から長尺方向に折曲されて形成された接続部28bと、を備えた端子である。
【0025】
[直流入力コネクタ]
図8から図10は、直流入力コネクタ13を示すものである。
図8に示すように、直流入力コネクタ13は、樹脂モールド製の入力コネクタ本体13aと、入力コネクタ本体13aの内部に長尺方向に延在して配置されている2本の板状の正極側バスバー30及び負極側バスバー31と、正極側バスバー30及び負極側バスバー31の一端30a,31aに接触するように入力コネクタ本体13aの内部に配置される2本の冷却端子40,40と、正極側バスバー30及び負極側バスバー31の長手方向中途部30c,31cに電気的に接続される放電抵抗器41と、を備えている。
【0026】
入力コネクタ本体13aの長手方向一端には、端子台13b1,13b2が形成されている。
冷却端子40は、熱伝導性が良好な黄銅製などで形成された丸棒形状部材であり、上下端面を外部に露出させた状態で端子台13b1,13b2にインサート成形されている。 冷却端子40の軸方向の中央部には縮径部40aが形成され、縮径部40aは、入力コネクタ本体13aにインサート成形した際の抜け止めとして機能する。
【0027】
正極側バスバー30は、一端30aが平滑コンデンサ12の正極側入力端子28に接続するコンデンサ側端子(以下、コンデンサ側端子30a)であり、他端が外部入力コンバータ(不図示)の正極側端子に接続する外部入力側端子30bであり、端子台13b1上にコンデンサ側端子30aが載置されている。
【0028】
また、負極側バスバー31は、一端31aが平滑コンデンサ12の負極側入力端子29に接続するコンデンサ側端子(以下、コンデンサ側端子31a)であり、他端が外部入力コンバータの負極側端子に接続する外部入力側端子31bであり、端子台13b2上にコンデンサ側端子31aが載置されている。
放電抵抗器41は、平滑コンデンサ12の蓄積した電荷を放電させるために制御する装置であり、正極側バスバー30の長手方向中途部30cに接続する接続端子41aと、負極側バスバー31の長手方向中途部31cに接続する接続端子41bと、を備えている。
【0029】
[電流検出器及び交流出力コネクタ]
電流検出器15は、IGBTモジュール10の交流出力電流を検出する装置であり、図12に示すように、直方体形状の検出器本体32と、検出器本体32の長手方向に離間して配置されている3本の板状の検出器バスバー33U,33V,33Wと、を備えている。検出器本体32には、検出器バスバー33U,33V,33Wの出力端子33Ub,33Vb,33Wbを載置する端子台42が一体に形成されている。
【0030】
図11に示すように、検出器バスバー33Vの一端がIGBTモジュール10の出力端子23Vに接続するIGBT側端子33Vaであり、検出器バスバー33Vの他端が交流出力コネクタ14の出力端子33Vbとなる。
また、図示しないが他の2本の検出器バスバー33U,33Wも、一端にIGBT側端子33Ua,33Waが形成され、他端に出力端子33Ub,33Wbが形成されている。
【0031】
ここで、3本の検出器バスバー33U,33V,33WのIGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下面に、DBC(Direct-Bonded-Copper)基板43が一体に設けられている。
このDBC基板43は、酸化アルミニウム、又は窒化アルミニウムからなるセラミック層43aと、無酸素銅、又はタフピッチ銅からなる銅層43bとが積層されてなる部材であり、銅層43bがIGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下面に接合されている。
【0032】
そして、電流検出器15を第3収納空間S3に配置すると、3本の検出器バスバー33U,33V,33WのIGBT側端子33Ua,33Va,33Waは、下面に固定したDBC基板43を介して底壁4aの一部から突出する立上がり部36に接触する。
さらに、交流出力コネクタ14は、図12に示すように、直方体形状の出力コネクタ本体44と、出力コネクタ本体44の長手方向を離間して配置されている3本の交流出力バー45U,45V,45Wと、を備え、これら交流出力バー45U,45V,45Wは、検出器バスバー33U,33V,33Wの出力端子33Ub,33Vb,33Wbに連結ねじ46で接続される。
【0033】
[電力変換装置の組み立て]
次に、電力変換装置1の組み立てについて説明する。
先ず、図2で示したケース4内の直流入力コネクタ13を収納する第2収納空間S2の底壁4a上に、電気絶縁性の伝熱シート70を載置する(図11参照)。
そして、第2収納空間S2に直流入力コネクタ13を収納し、第3収納空間S3に交流出力コネクタ14及び電流検出器15を収納し、第4収納空間S4にIGBTモジュール10を収納し、第1収納空間S1に平滑コンデンサ12を収納し、これらの部品を底壁4aに固定する。
【0034】
IGBTモジュール10を第4収納空間S4に収納して固定すると、IGBTモジュール10に一体化された冷却器3の入側開口部3eと、第4収納空間S4の底壁4aに形成されている入側開口部9aが対向するとともに、入側開口部9aの外側の周溝9a1に装着したOリング16が冷却器3の入側開口部3eの周壁に押し潰されることで、入側開口部3e、9aは液密が保持された状態で接続される。また、図示しないが、互いに対向する冷却器3の出側開口部3f及び第4収納空間S4の出側開口部9bも、出側開口部9bの外側の周溝9a1に装着したOリング16が冷却器3の出側開口部3fの周壁に押し潰されることで、出側開口部3f、9bは液密が保持された状態で接続される。
【0035】
これにより、前述した冷却水循環部CLの冷却水供給パイプ6aから供給された冷却水が入側開口部3e、9aを通過してIGBTモジュール10の冷却器3の内部に供給され、冷却器3から排出された水が出側開口部3f、9bを通過して冷却水排出パイプ6bから外部に排出可能とされる。
次いで、直流入力コネクタ13の平滑コンデンサ12側で突出しているコンデンサ側端子30aと、平滑コンデンサ12の正極側入力端子28の接続部28bとが重なり、直流入力コネクタ13のコンデンサ側端子31bと、平滑コンデンサ12の負極側入力端子29も重なるので、これらの重なっている部分を溶接することで電気的に接続する。
【0036】
これにより、直流入力コネクタ13及び平滑コンデンサ12の電気的に接続した部分の下面には、図11に示したように、冷却端子40が熱的に接触する。
さらに、図12に示したように、電流検出器15のIGBTモジュール10側で突出しているIGBT側端子33Ua,33Va,33Waと、IGBTモジュール10の出力端子23U,23V,23Wとの重なっている部分を溶接することで電気的に接続する。
【0037】
これにより、電流検出器15及びIGBTモジュール10の電気的に接続した部分の下面は、IGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下面に固定したDBC基板43を介して底壁4aの一部から突出している立上がり部36に熱的に接触する。
次いで、図13に示すように制御回路基板11を配置する。この際、IGBTモジュール10の上面から突出している上アーム用リードフレーム24U,24V,24W、下アーム用リードフレーム25U,25V,25Wが制御回路基板11のランドを有するスルーホール(不図示)に挿通され、各リードフレームとスルーホールの間が半田付けされる。
【0038】
そして、カバー5をケースの開口部4cの周縁に固定する。これにより、筐体2に収納されたIGBTモジュール10、制御回路基板11、平滑コンデンサ12、直流入力コネクタ13、交流出力コネクタ14及び電流検出器15に対して、外気との液密封止が施される。
【0039】
[電力変換装置の動作]
この状態で、外部の入力コンバータ(図示せず)から直流入力コネクタ13を介して直流電力が供給された平滑コンデンサ12は、入力した直流電圧の平滑化を行ってIGBTモジュール10に出力する。そして、制御回路基板11から例えばパルス幅変調信号からなるゲート信号がIGBTモジュール10に供給されることで3個のIGBTに対して120度ずれたゲート信号でオン・オフ制御されると、IGBTモジュール10からU相、V相及びW相の3相交流が、電流検出器15及び交流出力コネクタ14を介して負荷に出力される。
【0040】
IGBTモジュール10の3つのIGBTが動作状態となると、樹脂パッケージ19aに埋め込まれている3つのIGBTの上アーム半導体チップ、下アーム半導体チップが発熱状態となる。
また、直流入力コネクタ13及び平滑コンデンサ12の接続端子も熱損失が大きく発熱状態となる。さらに、IGBTモジュール10の3相交流の出力電流を検出している電流検出器15も発熱状態となる。
【0041】
IGBTモジュール10の上アーム半導体チップ、下アーム半導体チップの発熱は、IGBTモジュール10のモジュール本体19に一体に設けた冷却器3に熱伝導される。
IGBTモジュール10の冷却器3に伝熱された熱は、冷却器3を循環する冷却水によって移動するので、IGBTモジュール10の上アーム半導体チップ、下アーム半導体チップは、効率良く冷却されていく。
【0042】
また、直流入力コネクタ13及び平滑コンデンサ12の接続端子(直流入力コネクタ13のコンデンサ側端子30a,31aと、平滑コンデンサ12の正極側入力端子28、負極側入力端子29)の下部には、直流入力コネクタ13に一体化した端子台13b1,13b2の内部に冷却端子40が埋め込まれている。このため、正極側バスバー30及び負極側バスバー31の発熱は、冷却端子40、冷却端子40の下部に配置した樹脂性の伝熱シート70を介してケース4の底壁4aに熱伝導される(図11参照)。
【0043】
また、IGBTモジュール10及び電流検出器15の接続端子(IGBTモジュール10の出力端子23U,23V,23Wと、電流検出器15のIGBT側端子33Ua,33Va,33Wa)の下部には、セラミック層43aと銅層43bとからなるDBC基板43が一体に設けられており、これらDBC基板43に、底壁4aから突出する立上がり部36が接触している。このため、IGBTモジュール10及び電流検出器15の接続端子の発熱は、DBC基板43、立上がり部36を介して底壁4aに熱伝導される(図12参照)。
【0044】
そして、ケース4の底壁4aは、冷却水が循環する冷却水循環部CLの入側流路18a、出側流路18bが設けられているので底壁4aの放熱性が高い。したがって、冷却端子40、伝熱シート70を介してケース4の底壁4aに伝達された熱、DBC基板43、立上がり部36を介して底壁4aに伝達された熱は、放熱性が高い底壁4aに移動していくので、IGBTモジュール10、直流入力コネクタ13及び平滑コンデンサ12の接続端子、IGBTモジュール10及び電流検出器15の接続端子は、効率良く冷却されていく。
【0045】
ここで、本発明に係る電子部品が、直流入力コネクタ13に対応し、本発明に係る部品本体が、入力コネクタ本体13aに対応し、本発明に係る端子台が、端子台13b1,13b2に対応し、本発明に係るバスバーの接続端部が、コンデンサ側端子30a,30bに対応し、本発明に係る放熱部材が、冷却端子40に対応している。
【0046】
[第1実施形態の電子部品の効果]
次に、第1実施形態の電子部品である直流入力コネクタ13の効果について説明する。
IGBTモジュール10の3つのIGBTが動作状態となり、樹脂パッケージ19aに埋め込まれている3つのIGBTの上アーム半導体チップ、下アーム半導体チップが発熱状態となっても、IGBTモジュール10の冷却器3に冷却水循環部CLから冷却水を循環させることで、IGBTモジュール10の上アーム半導体チップ、下アーム半導体チップを効率良く冷却することができる。
【0047】
また、直流入力コネクタ13及び平滑コンデンサ12の接続端子(直流入力コネクタ13のコンデンサ側端子30a,31aと、平滑コンデンサ12の正極側入力端子28、負極側入力端子29)が発熱状態になると、直流入力コネクタ13に一体化した端子台13b1,13b2の内部に埋め込まれている冷却端子40が伝熱シート70を介してケース4の底壁4aに伝導していくが、底壁4aは、冷却水が循環する冷却水循環部CLの入側流路18a、出側流路18bが設けられて放熱性が高くなっているので、接続部を効率良く冷却することができる。
【0048】
さらに、IGBTモジュール10及び電流検出器15の接続端子(IGBTモジュール10の出力端子23U,23V,23Wと、電流検出器15のIGBT側端子33Ua,33Va,33Wa)が発熱状態になると、IGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下部に一体に設けたDBC基板43が立上がり部36を介して熱をケース4の放熱性が高い底壁4aに伝導していくので、接続部を効率良く冷却することができる。
【0049】
また、直流入力コネクタ13の冷却端子40は端子台13b1,13b2に埋め込まれているので、直流入力コネクタ13を収納する第2収納空間S2に冷却機能(冷却端子40)用のスペースを確保する必要がない。
また、電流検出器15のDBC基板43は、IGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下面に一体に設けられており、電流検出器15に冷却機能用のスペースを確保する必要がない。
【0050】
このように、直流入力コネクタ13及び電流検出器15は冷却機能用のスペースが不要でありコンパクトな構造としているので、電力変換装置1の小型化を図ることができる。
なお、直流入力コネクタ13の冷却端子40は直線状に延在した部材で端子台13b1,13b2の内部に埋め込まれているが、L字状に曲がった形状とし、一端がコンデンサ側端子30a,31aに熱的に接触し、他端が例えば図2の符号72で示すケース4内部の側面に熱的に接触する構造にすると、冷却水が循環する冷却水循環部CLに近い位置で接触するので冷却効率が向上する。
【0051】
また、検出器バスバー33U,33V,33WのIGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下面に一体に設けられているDBC基板43は、IGBT側端子33Ua,33Va,33Waの下面に接合されている銅層43bと、この銅層43bに接合されているセラミック層43aとの2層で構成されているが、セラミック層43aの外側に銅層を接合したDBC基板にすると、セラミック層43aの衝撃による耐久性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 電力変換装置
2 筐体
3 冷却器
3a 底壁
3e 入側開口部
3f 出側開口部
4 ケース
4a 底壁
4b1〜4b4 第1側壁〜第4側壁
4c 開口部
4e 外部入力接続口
4f 外部出力接続口
5 カバー
6a 冷却水供給パイプ
6b 冷却水排出パイプ
9a 入側開口部
9b 出側開口部
10 IGBTモジュール
11 制御回路基板
12 平滑コンデンサ
12a コンデンサ本体
12b 側面
13 直流入力コネクタ
13a 入力コネクタ本体
13b1,13b2 端子台
14 交流出力コネクタ
15 電流検出器
16 Oリング
18a 入側流路
18b 出側流路
19 モジュール本体
19a 樹脂パッケージ
20a,20b 側面
21U,21V,21W 正極側端子
22U,22V,22W 負極側端子
23U,23V,23W 出力端子
25U,25V,25W 下アーム用リードフレーム
26U,26V,26W 正極側出力端子
27U,27V,27W 負極側出力端子
28 正極側入力端子
28a 基部
28b 接続部
29 負極側入力端子
30 正極側バスバー
30a コンデンサ側端子
30b 外部入力側端子
30c,31c 長手方向中途部
31 負極側バスバー
31a コンデンサ側端子
31b 外部入力側端子
32 検出器本体
33U,33V,33W 検出器バスバー
33Ua,33Va,33Wa IGBT側端子
33Ub,33Vb,33Wb 出力端子
36 立上がり部
40 冷却端子
41 放電抵抗器
41a,41b 接続端子
42 端子台
43 DBC基板
43a セラミック層
43b 銅層
44 出力コネクタ本体
45U,45V,45W 交流出力バー
46 連結ねじ
70 伝熱シート
CL 冷却水循環部
S1〜S4 第1〜第4収納空間
【要約】
【課題】端子台を一体化した電子部品に冷却構造を備えても小型化を図ることができる構成を提供する。
【解決手段】電子部品13は、部品本体13aから延在するバスバー31の接続端部31aを支持する端子台13b1が部品本体に一体に形成されているとともに、接続端部と熱的に接続する放熱部材40が一体化されている。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13