特許第6233557号(P6233557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6233557
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】データ送信システム及びデータ送信方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20171113BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20171113BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G06F11/14 602Z
   G06F11/22 668
   G06F11/07 140M
   G06F11/07 151
   G06F11/07 166
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-546758(P2017-546758)
(86)(22)【出願日】2017年2月3日
(86)【国際出願番号】JP2017003882
【審査請求日】2017年9月4日
(31)【優先権主張番号】特願2016-90083(P2016-90083)
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194146
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(72)【発明者】
【氏名】西尾 隆利
【審査官】 漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−130115(JP,A)
【文献】 特開2008−122807(JP,A)
【文献】 特開2002−149535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06F 11/07
G06F 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の振動検知センサー及び第1の記憶デバイスを有するユーザー端末と、
第2の振動検知センサー及び第2の記憶デバイスを有する画像形成装置と、
第3の記憶デバイスを有し、前記ユーザー端末から受け取った前記第1の記憶デバイスに記憶されているジョブデータと前記第1の振動検知センサーの振動検知情報とを前記第3の記憶デバイスに登録した後、前記ジョブデータを前記画像形成装置に送信する中継装置とを備え、
前記画像形成装置は、前記ジョブデータを前記第2の記憶デバイスに登録し、前記中継装置からの要求に応じて前記第2の記憶デバイスに登録した前記ジョブデータと前記第2の振動検知センサーの振動検知情報とを前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、
前記ジョブデータを前記第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、前記画像形成装置からの前記ジョブデータのデータ容量とを比較し、
データ容量に差があれば前記第3の記憶デバイスに前記第2の記憶デバイスに関する不具合情報を登録する
ことを特徴とするデータ送信システム。
【請求項2】
前記中継装置は、
前記ジョブデータを前記第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、前記ユーザー端末からのジョブデータのデータ容量とを比較し、
データ容量に差があれば前記第3の記憶デバイスに前記第1の記憶デバイスに関する不具合情報を登録する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項3】
前記第3の記憶デバイスは、
前記ジョブデータを登録するジョブデータベースと、
前記第1の振動検知センサー及び第2の振動検知センサーの振動検知情報を登録する振動検知情報データベースと、
前記不具合情報を登録する不具合情報データベースとを有する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ送信システム。
【請求項4】
前記第2の記憶デバイスに関する不具合情報は、前記ジョブデータの登録日と、前記画像形成装置の固有の装置情報に紐付けたデータ容量の差を示す情報とを含むことを特徴とする請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項5】
前記第1の記憶デバイスに関する不具合情報は、前記ジョブデータの登録日と、前記ユーザー端末の固有の端末情報に紐付けたデータ容量の差を示す情報とを含むことを特徴とする請求項2に記載のデータ送信システム。
【請求項6】
中継装置により、ユーザー端末から受け取った第1の記憶デバイスに記憶されているジョブデータと第1の振動検知センサーの振動検知情報とを第3の記憶デバイスに登録した後、前記ジョブデータを第2の振動検知センサー及び第2の記憶デバイスを有する画像形成装置に送信する工程と、
前記画像形成装置により、前記ジョブデータを前記第2の記憶デバイスに登録し、前記中継装置からの要求に応じて前記第2の記憶デバイスに登録した前記ジョブデータと前記第2の振動検知センサーの振動検知情報とを前記中継装置に送信する工程とを有し、
前記中継装置は、
前記ジョブデータを前記第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、前記画像形成装置からの前記ジョブデータのデータ容量とを比較し、
データ容量に差があれば前記第3の記憶デバイスに前記第2の記憶デバイスに関する不具合情報を登録する
ことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項7】
前記中継装置は、
前記ジョブデータを前記第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、前記ユーザー端末からのジョブデータのデータ容量とを比較し、
データ容量に差があれば前記第3の記憶デバイスに前記第1の記憶デバイスに関する不具合情報を登録する
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶デバイスの不具合検知に適したデータ送信システム及びデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、プリンター、多機能プリンター、複合機などのMFP(Multifunction Peripheral)である画像形成装置においては、プライベート印刷が可能となっている機種がある。すなわち、プライベート印刷は、たとえばユーザー端末から画像形成装置に対し、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して印刷ジョブを認証情報(パスワードなど)を用いて登録する。そして、画像形成装置側でログイン処理で必要となる認証を経ると、選択した印刷ジョブの印刷処理を実行できる。
【0003】
ところで、ユーザー端末や画像形成装置には、様々なアプリケーションプログラムや印刷ジョブなどを記憶する記憶デバイスであるHDD(Hard Disk Drive)が搭載されている。HDDは、記憶容量が多いという利点がある反面、振動に弱いという欠点がある。また、振動などによってHDDに不具合が生じるとデータの書き込みや読み出しが正常に行われないこともある
【0004】
このような不具合を解消するものとして、特許文献1では、HDDに影響する振動の有無を判断する振動検知センサーと、HDDに情報を記憶させるストレージコントローラとを有し、振動検知センサーが振動を検出すると、ストレージコントローラが情報記憶先をHDDから不揮発性メモリーに切り換える画像処理装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−300920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1での画像処理装置では、情報記憶先をHDDから不揮発性メモリーに切り換えるので、装置設計の制約を受けることなく、振動によるHDDの不具合を解消できる。
【0007】
ところが、この画像処理装置では、情報の退避は可能であるが、HDDの不具合発生の検知及び予測を行うことができないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解消することができるデータ送信システム及びデータ送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、第1の振動検知センサー及び第1の記憶デバイスを有するユーザー端末と、第2の振動検知センサー及び第2の記憶デバイスを有する画像形成装置と、第3の記憶デバイスを有し、前記ユーザー端末から受け取った前記第1の記憶デバイスに記憶されているジョブデータと前記第1の振動検知センサーの振動検知情報とを前記第3の記憶デバイスに登録した後、前記ジョブデータを前記画像形成装置に送信する中継装置とを備え、前記画像形成装置は、前記ジョブデータを前記第2の記憶デバイスに登録し、前記中継装置からの要求に応じて前記第2の記憶デバイスに登録した前記ジョブデータと前記第2の振動検知センサーの振動検知情報とを前記中継装置に送信し、前記中継装置は、前記ジョブデータを前記第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、前記画像形成装置からの前記ジョブデータのデータ容量とを比較し、データ容量に差があれば前記第3の記憶デバイスに前記第2の記憶デバイスに関する不具合情報を登録することを特徴とする。
本発明のデータ送信方法は、中継装置により、ユーザー端末から受け取った第1の記憶デバイスに記憶されているジョブデータと第1の振動検知センサーの振動検知情報とを第3の記憶デバイスに登録した後、前記ジョブデータを第2の振動検知センサー及び第2の記憶デバイスを有する画像形成装置に送信する工程と、前記画像形成装置により、前記ジョブデータを前記第2の記憶デバイスに登録し、前記中継装置からの要求に応じて前記第2の記憶デバイスに登録した前記ジョブデータと前記第2の振動検知センサーの振動検知情報とを前記中継装置に送信する工程とを有し、前記中継装置は、前記ジョブデータを前記第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、前記画像形成装置からの前記ジョブデータのデータ容量とを比較し、データ容量に差があれば前記第3の記憶デバイスに前記第2の記憶デバイスに関する不具合情報を登録することを特徴とする。
本発明のデータ送信システム及びデータ送信方法では、中継装置が、ユーザー端末から受け取った第1の記憶デバイスに記憶されているジョブデータと第1の振動検知センサーの振動検知情報とを第3の記憶デバイスに登録した後、ジョブデータを第2の振動検知センサー及び第2の記憶デバイスを有する画像形成装置に送信する。画像形成装置は、ジョブデータを第2の記憶デバイスに登録し、中継装置からの要求に応じて第2の記憶デバイスに登録したジョブデータと第2の振動検知センサーの振動検知情報とを中継装置に送信する。そして、中継装置は、ジョブデータを第3の記憶デバイスに登録した際のデータ容量と、画像形成装置からのジョブデータのデータ容量とを比較し、データ容量に差があれば第3の記憶デバイスに第2の記憶デバイスに関する不具合情報を登録する。
これにより、画像形成装置の第2の記憶デバイスに不具合が生じ、第2の記憶デバイスに記憶させたジョブデータの読み出しが不可能となっても、中継装置が第3の記憶デバイスに登録したジョブデータを画像形成装置に与えることができる。また、中継装置が第3の記憶デバイスに登録した不具合情報を参照することで、データ容量の差の変化を確認できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のデータ送信システム及びデータ送信方法によれば、中継装置がユーザー端末からのジョブデータのバックアップに加え、第3の記憶デバイスに登録した不具合情報を参照することで、データ容量の差の変化を確認できることから、記憶デバイスの不具合発生の検知及び予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のデータ送信システムの一実施形態を説明するための図である。
図2図1のユーザー端末、ゲートウェイ、MFP、クラウドサーバーの構成の一例を示す図である。
図3A図1のゲートウェイ及びクラウドサーバーのメモリー内のデータベースの一例を示すものであって、ゲートウェイのメモリー内のデータベースを示す図である。
図3B図1のゲートウェイ及びクラウドサーバーのメモリー内のデータベースの一例を示すものであって、クラウドサーバーのメモリー内のデータベースを示す図である。
図4図1のデータ送信システムにおける、データ送信方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のデータ送信システムの一実施形態を、図1図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明においてのデータ送信システムに含まれる画像形成装置の一例としては、たとえば印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能などを搭載した複合的な周辺機器であるMFP(Multifunction Peripheral)であるものとする。
【0013】
まず、図1に示すように、データ送信システムは、ユーザー端末100と、中継装置であるゲートウェイ200と、MFP300と、クラウドサーバー400とを備えている。ユーザー端末100とMFP300とは、ゲートウェイ200を介して接続されている。ゲートウェイ200とクラウドサーバー400とは、ネットワーク500を介して接続されている。なお、クラウドサーバー400にあっては、省略してもよい。また、ユーザー端末100及びMFP300にあっては、単体であってもよいし、複数であってもよい。また、中継装置としては、文書管理サーバーやシステム管理サーバーであってもよい。
【0014】
ここで、MFP300は、プライベート印刷機能を搭載している。すなわち、プライベート印刷は、たとえばユーザー端末100からMFP300に対し、ゲートウェイ200を介して印刷ジョブをユーザー名及びパスワードなどの認証情報を用いて登録しておく。そして、MFP300側でログイン処理で必要となる認証を経ると、選択した印刷ジョブの印刷が実行される。
【0015】
なお、本実施形態でのゲートウェイ200は、詳細については後述するが、たとえばユーザー端末100からMFP300に送信される印刷ジョブのデータ容量に差があれば記憶デバイスに不具合があるとして、印刷ジョブのバックアップ(ゲートウェイ200に記憶)に加え、不具合情報(データ容量の差を示す情報など)を蓄積する。なお、クラウドサーバー400を用いた場合には、ゲートウェイ200と同様に、印刷ジョブの記憶と、不具合情報の蓄積とを行わせることができる。
【0016】
次に、図2図3A及び図3Bを参照し、ユーザー端末100、ゲートウェイ200、MFP300、クラウドサーバー400の構成の一例について説明する。まず、ユーザー端末100は、I/F(インターフェース)101、振動検知センサー102、キーボード103、マウス104、HDD(Hard Disk Drive)105を制御する制御部110を備えている。
【0017】
I/F101は、ゲートウェイ200を介し、MFP300や他のユーザー端末100などとの通信を受け持つ。なお、I/F101は、ゲートウェイ200を介し、図示しないコンテンツサーバーやウェブサーバーなどとの通信を受け持ってもよい。振動検知センサー102は、HDD105に加わる振動を検知する。キーボード103は、制御部110に文字などを入力する入力デバイスである。マウス104は、制御部110に入力位置などを指示する入力デバイスである。HDD105は、ユーザー端末100の種々の機能を提供するためのアプリケーションプログラムなどを記憶している記憶デバイスである。
【0018】
制御部110は、アプリケーションプログラム及び制御プログラムなどを実行してユーザー端末100全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部110は、通信制御部111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read−Only Memory)113、センサー制御部114、入力デバイス制御部115、HDD制御部116、システム制御部117を備えている。また、これらは、データバス118に接続されている。
【0019】
通信制御部111は、I/F101を介し、ゲートウェイ200経由でのデータなどの送受信の制御を行う。RAM112は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。ROM113には、各部の動作チェックなどを行う制御プログラムが記憶されている。センサー制御部114は、振動検知センサー102の検知動作を制御し、振動検知センサー102の検知結果を示す振動検知情報をシステム制御部117に通知する。入力デバイス制御部115は、キーボード103及びマウス104の入力動作を制御し、キーボード103及びマウス104の入力信号を制御部110に渡す。HDD制御部116は、HDD105に対するデータの読み出し及び書き込みなどを制御する。
【0020】
システム制御部117は、各部の連携動作などを制御する。また、システム制御部117は、キーボード103又はマウス104を介し、MFP300への印刷ジョブの登録の指示があると、印刷ジョブと振動検知センサー102の振動検知情報とを、I/F101を介し、ゲートウェイ200に送信する。なお、振動検知センサー102の振動検知情報は、印刷ジョブに含まれる印刷データがHDD105に書き込まれた時点のものであってもよいし、印刷データがHDD105から読み出された時点のものであってもよい。また、印刷ジョブには、印刷データ、ページ数を示すデータ、印刷用紙のサイズ及び種類を示すデータ、データ容量などが含まれている。
【0021】
ゲートウェイ200は、I/F201、振動検知センサー202を制御する制御部210を備えている。I/F201は、ユーザー端末100やMFP100などとの通信を受け持つ。また、I/F201は、ネットワーク500を介してクラウドサーバー400との通信を受け持つ。なお、I/F201は、ネットワーク500を介し、図示しないコンテンツサーバーやウェブサーバーなどとの通信を受け持ってもよい。振動検知センサー202は、ゲートウェイ本体に加わる振動を検知する。なお、振動検知センサー202については、省略してもよい。
【0022】
制御部210は、アプリケーションプログラム及び制御プログラムなどを実行してゲートウェイ200全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部210は、メモリー211、ROM212、通信制御部213、センサー制御部214、システム制御部215を備えている。また、これらは、データバス216に接続されている。
【0023】
メモリー211は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。また、メモリー211は、図3Aに示すように、ユーザー端末100からの印刷ジョブが登録されるジョブDB(database)211aと、振動検知センサー102の振動検知情報が登録される振動検知情報DB211bと、不具合情報(データ容量の差を示す情報など)が登録される不具合情報DB211cとを有している。なお、ジョブDB211aには、ユーザー端末100から受け取った印刷ジョブとMFP300から取得した印刷ジョブとが登録され、振動検知情報DB211bにはユーザー端末100から受け取った振動検知センサー102の振動検知情報とMFP300から取得した後述の振動検知センサー303の振動検知情報とが登録される。また、振動検知情報DB211bには、振動検知センサー202の振動検知情報が登録されてもよい。
【0024】
ここで、MFP300から取得される印刷ジョブは、ユーザー端末100からゲートウェイ200経由でMFP300に登録される印刷ジョブである。つまり、ユーザー端末100からの印刷ジョブは、一旦、ゲートウェイ200のジョブDB211aに登録され、さらにMFP300に送信される。ゲートウェイ200は、MFP300に対し、送信した印刷ジョブの返信要求を出すことで、MFP300から取得した印刷ジョブをジョブDB211aに登録する。この場合、ゲートウェイ200は、後述の振動検知センサー303の振動検知情報も併せて要求する。また、ゲートウェイ200は、ユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、MFP300からの印刷ジョブのデータ容量とを比較し、データ容量に差があれば不具合情報DB211cに不具合情報を登録する。
【0025】
なお、不具合情報には、たとえば印刷ジョブの登録日、MFP300の固有の装置情報に紐付けたデータ容量の差を示す情報などが含まれる。また、ユーザー端末100から受け取った印刷ジョブにおいて、データ容量に差がある場合、不具合情報には、ユーザー端末100の固有の端末情報に紐付けたデータ容量の差を示す情報も含まれる。この場合、ゲートウェイ200は、ユーザー端末100から受け取った印刷ジョブをジョブDB211aに登録した際のデータ容量と、ユーザー端末100から受け取った印刷ジョブに含まれるデータ容量とを比較することで、データ容量に差があるかどうかを判断できる。
【0026】
ROM212には、各部の動作チェックなどを行う制御プログラムが記憶されている。通信制御部213は、I/F201を介し、ユーザー端末100とMFP300との間で、データなどの送受信の制御を行う。また、通信制御部213は、I/F201を介し、ネットワーク500経由でのデータなどの送受信の制御を行う。センサー制御部214は、振動検知センサー202の検知動作を制御し、振動検知センサー202の振動検知情報をシステム制御部215に通知する。
【0027】
システム制御部215は、各部の連携動作などを制御する。また、システム制御部215は、ユーザー端末100からの印刷ジョブをジョブDB211aに登録し、ユーザー端末100からの振動検知センサー102の振動検知情報を振動検知情報DB211bに登録する。また、システム制御部215は、ユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、MFP300からの印刷ジョブのデータ容量とを比較し、データ容量に差があれば不具合情報DB211cに不具合情報を登録する。また、システム制御部215は、ジョブDB211aに登録した印刷ジョブと、振動検知情報DB211bに登録した振動検知情報と、不具合情報DB211cに登録した不具合情報とを、ネットワーク500を介してクラウドサーバー400に送信する。
【0028】
MFP300は、プリンター部301、I/F302、振動検知センサー303、パネル部304、HDD305を制御する制御部310を備えている。なお、MFP300は、スキャナー部、FAX部などを備えていてもよい。
【0029】
プリンター部301は、制御部310から出力される印刷データに基づき、図示しない用紙上に画像を印刷するデバイスである。I/F302は、ゲートウェイ200を介し、他のMFP300やユーザー端末100などとの通信を受け持つ。なお、I/F302は、ゲートウェイ200を介し、図示しないコンテンツサーバーやウェブサーバーなどとの通信を受け持ってもよい。振動検知センサー303は、HDD305に加わる振動を検知する。パネル部304は、MFP300の印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能や、各種設定のための表示を行うタッチパネルなどのデバイスである。HDD305は、MFP300の種々の機能を提供するためのアプリケーションプログラムなどを記憶している記憶デバイスである。また、HDD305は、たとえばユーザー端末100から登録された印刷ジョブを記憶するユーザーボックスを有している。
【0030】
制御部310は、画像形成プログラムや制御プログラムなどを実行してMFP300全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部310は、プリンター制御部311、通信制御部312、RAM313、ROM314、画像処理部315、センサー制御部316、パネル操作制御部317、HDD制御部318、システム制御部319を備えている。また、これらは、データバス320に接続されている。
【0031】
プリンター制御部311は、プリンター部301の印刷動作を制御する。通信制御部312は、I/F302を介し、ゲートウェイ200経由でのデータなどの送受信の制御を行う。RAM313は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。ROM314には、各部の動作チェックなどを行う制御プログラムが記憶されている。画像処理部315は、たとえばHDD305のユーザーボックスに登録された印刷ジョブに対する画像処理(ラスタライズ)を行う。なお、システム制御部319は、画像処理部315が画像処理した印刷データを、一旦、RAM313に記憶させる。
【0032】
センサー制御部316は、振動検知センサー303の検知動作を制御し、振動検知センサー303の振動検知情報をシステム制御部319に通知する。パネル操作制御部317は、パネル部304の表示動作を制御する。また、パネル操作制御部317は、パネル部304を介し、印刷、コピー、FAX、ゲートウェイ200経由でのデータ送受信などの開始の設定などを受け付ける。HDD制御部318は、HDD305に対するデータの読み出し及び書き込みなどを制御する。
【0033】
システム制御部319は、HDD制御部318に対し、ゲートウェイ200から受け取った印刷ジョブをHDD305のユーザーボックスに登録させる。また、システム制御部319は、ゲートウェイ200の要求に応じてHDD305のユーザーボックスに登録した印刷ジョブと振動検知センサー303の振動検知情報とをゲートウェイ200に送信する。なお、振動検知センサー303の振動検知情報は、ゲートウェイ200から印刷ジョブを受け取った時点であってもよいし、印刷ジョブをHDD305のユーザーボックスに登録させた時点であってもよいし、HDD305から印刷ジョブを読み出した時点であってもよい。
【0034】
クラウドサーバー400は、I/F401を制御する制御部410を備えている。I/F401は、ネットワーク500経由でのゲートウェイ200との通信を受け持つ。制御部410は、アプリケーションプログラム及び制御プログラムなどを実行してクラウドサーバー400全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部410は、メモリー411、ROM412、通信制御部413、システム制御部414を備えている。また、これらは、データバス415に接続されている。
【0035】
メモリー411は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。また、メモリー411には、図3Bに示すように、ゲートウェイ200から受け取った印刷ジョブを登録するジョブDB411aと、ゲートウェイ200から受け取った振動検知情報を登録する振動検知情報DB411bと、ゲートウェイ200から受け取った不具合情報を登録する不具合情報DB411cとを有している。
【0036】
ROM412には、各部の動作チェックなどを行う制御プログラムが記憶されている。通信制御部413は、I/F401を介し、ゲートウェイ200との間でネットワーク500経由でのデータなどの送受信の制御を行う。また、通信制御部413は、ゲートウェイ200を介し、ユーザー端末100、MFP300との間でネットワーク500経由でのデータなどの送受信の制御を行う。
【0037】
システム制御部414は、ゲートウェイ200からの印刷ジョブと、振動検知情報と、不具合情報とをメモリー411のジョブDB411a、振動検知情報DB411b、不具合情報DB411cに登録する。また、システム制御部414は、ゲートウェイ200からの要求に応じてジョブDB411a、振動検知情報DB411b、不具合情報DB411cに登録した印刷ジョブ、振動検知情報、不具合情報を送信する。
【0038】
次に、図4を参照し、データ送信システムにおけるデータ送信方法について説明する。なお、以下は、ゲートウェイ200での処理を中心として説明する。また、ユーザー端末100からの印刷ジョブがMFP300に登録される際、印刷ジョブに加えて振動検知センサー102の振動検知情報が送信されるものとする。
【0039】
(ステップS101)
まず、システム制御部215は、印刷ジョブを受信したかどうかを判断する。
この場合、システム制御部215は、通信制御部213からユーザー端末100からの印刷ジョブを受信したことを示す通知が無ければ印刷ジョブを受信していないと判断する(ステップS101:No)。
これに対し、システム制御部215は、通信制御部213からユーザー端末100からの印刷ジョブを受信したことを示す通知が有れば印刷ジョブを受信したと判断し(ステップS101:Yes)、ステップS102に移行する。
【0040】
(ステップS102)
システム制御部215は、通信制御部213が受信したユーザー端末100からの印刷ジョブと、振動検知センサー102の検知結果を示す振動検知情報とを、メモリー211のジョブDB211aと振動検知情報DB211bとに登録する。
【0041】
(ステップS103)
システム制御部215は、通信制御部213を介し、メモリー211のジョブDB211aに登録した印刷ジョブと、振動検知情報DB211bに登録した振動検知センサー102の振動検知情報とをクラウドサーバー400に送信する。
このとき、クラウドサーバー400のシステム制御部414は、メモリー411のジョブDB411aと振動検知情報DB411bとに、ゲートウェイ200から受け取った印刷ジョブと振動検知センサー102の振動検知情報とを登録する。
【0042】
(ステップS104)
システム制御部215は、通信制御部213を介し、メモリー211のジョブDB211aに登録した印刷ジョブをMFP300に送信する。
この場合、MFP300のシステム制御部319は、HDD制御部318に対し、ゲートウェイ200から受け取った印刷ジョブをHDD305のユーザーボックスに登録させる。
【0043】
(ステップS105)
システム制御部215は、MFP100から印刷ジョブ及び振動検知センサー303の振動検知情報を取得する。
この場合、システム制御部215は、MFP300に対し、印刷ジョブ及び振動検知センサー203の振動検知情報の送信を要求する。このとき、MFP300のシステム制御部319は、ゲートウェイ200の要求に応じてHDD305のユーザーボックスに登録した印刷ジョブと振動検知センサー303の振動検知情報とをゲートウェイ200に送信する。なお、振動検知センサー303の振動検知情報は、上述したように、ゲートウェイ200から印刷ジョブを受け取った時点であってもよいし、印刷ジョブをHDD305のユーザーボックスに登録させた時点であってもよいし、HDD305から印刷ジョブを読み出した時点であってもよい。
【0044】
(ステップS106)
システム制御部215は、通信制御部213が受信したMFP300からの印刷ジョブと、振動検知センサー303の振動検知情報とをメモリー211のジョブDB211aと振動検知情報DB211bとに登録する。
【0045】
(ステップS107)
システム制御部215は、データ容量に差があるかどうかを判断する。
この場合、システム制御部215は、ステップS102で登録したユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、ステップS106で登録したMFP300からの印刷ジョブのデータ容量とを比較する。システム制御部215は、データ容量に差が無ければ(ステップS107:No)、ステップS108に移行する。
これに対し、システム制御部215は、データ容量に差が有れば(ステップS107:Yes)、ステップS109に移行する。
なお、データ容量に差については、一定の許容範囲を設けておいてもよい。すなわち、たとえばユーザー端末100のHDD105の処理能力と、MFP300のHDD305の処理能力との差により、HDD105、305が正常であっても、ユーザー端末100からゲートウェイ200に送信した印刷ジョブのデータ容量と、MFP300からゲートウェイ200に送信した印刷ジョブのデータ容量とに差が生じることがあるためである。
【0046】
(ステップS108)
システム制御部215は、MFP300に送信データが正常であることを通知する。
すなわち、システム制御部215は、ステップS104で送信したユーザー端末100からの印刷ジョブの送信が正常であることをMFP300に通知する。
この場合、MFP300のシステム制御部319は、パネル操作制御部317を介し、パネル部304に送信データが正常であることを表示させてもよい。また、システム制御部319は、HDD制御部318を介し、HDD305のユーザーボックスに登録した印刷ジョブに正常であることを示すデータを付加してもよい。
そして、MFP300のシステム制御部319は、ログイン処理で必要となる認証を経た後、HDD305に登録されている印刷ジョブが選択されると、画像処理部315に対し、画像処理を指示し、プリンター制御部311に対し、プリンター部301による印刷を指示する。なお、印刷ジョブに正常であることを示すデータが付加されている場合、パネル部304の印刷ジョブの選択画面に、印刷ジョブが正常であることを表示させてもよい。
【0047】
(ステップS109)
システム制御部215は、不具合情報をメモリー211の不具合情報DB211cに登録する。なお、この場合の不具合情報は、MFP300のHDD305に関するものとなる。
【0048】
(ステップS110)
システム制御部215は、クラウドサーバー400に不具合情報を送信する。
この場合、システム制御部215は、不具合情報DB211cに登録した不具合情報をクラウドサーバー400に送信する。このとき、クラウドサーバー400のシステム制御部414は、ゲートウェイ200からの不具合情報をメモリー411の不具合情報DB411cに登録する。
【0049】
(ステップS111)
システム制御部215は、MFP300に、通信制御部213を介し、メモリー211のジョブDB211aに登録しているユーザー端末100からの印刷ジョブをMFP300に再送信する。
【0050】
(ステップS112)
システム制御部215は、MFP100から印刷ジョブ及び振動検知センサー303の振動検知情報を再取得する。
この場合、システム制御部215は、MFP300に対し、印刷ジョブ及び振動検知センサー203の振動検知情報の送信を再要求する。このとき、MFP300のシステム制御部319は、ゲートウェイ200の再要求に応じてHDD305のユーザーボックスに登録した印刷ジョブと振動検知センサー303の振動検知情報とをゲートウェイ200に送信する。
【0051】
(ステップS113)
システム制御部215は、通信制御部213が受信したMFP300からの印刷ジョブと、振動検知センサー303の振動検知情報とをメモリー211のジョブDB211aと振動検知情報DB211bとに再登録する。
【0052】
(ステップS114)
システム制御部215は、データ容量に差があるかどうかを再度判断する。
この場合、システム制御部215は、ステップS102で登録したユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、ステップS113で登録したMFP300からの印刷ジョブのデータ容量とを比較する。システム制御部215は、データ容量に差が無ければ(ステップS114:No)、ステップS108に移行する。
これに対し、システム制御部215は、データ容量に差が有れば(ステップS114:Yes)、ステップS115に移行する。
【0053】
(ステップS115)
システム制御部215は、MFP300に送信データに不具合があることを通知する。
すなわち、システム制御部215は、ステップS111で再送信したユーザー端末100からの印刷ジョブの送信データに不具合があることをMFP300に通知する。
この場合、MFP300のシステム制御部319は、パネル操作制御部317を介し、パネル部304に送信データに不具合があることを表示させてもよい。また、システム制御部319は、HDD制御部318を介し、HDD305のユーザーボックスに登録した印刷ジョブに不具合があることを示すデータを付加してもよい。
そして、MFP300のシステム制御部319は、ログイン処理で必要となる認証を経た後、HDD305に登録されている印刷ジョブが選択されると、画像処理部315に対し、画像処理を指示し、プリンター制御部311に対し、プリンター部301による印刷を指示する。なお、印刷ジョブに不具合であることを示すデータが付加されている場合、パネル部304の印刷ジョブの選択画面に、印刷ジョブに不具合があることを表示させてもよい。
【0054】
なお、以上の説明では、ゲートウェイ200のシステム制御部215が、ユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、MFP300からの印刷ジョブのデータ容量とを比較し、データ容量に差があれば不具合情報DB211cにMFP300のHDD305に関する不具合情報を登録する場合としているが、ユーザー端末100のHDD105の不具合情報を登録してもよい。
【0055】
この場合、ユーザー端末100から送信される印刷ジョブには、上述したように、印刷データ、ページ数を示すデータ、印刷用紙のサイズ及び種類を示すデータ、データ容量などが含まれている。そこで、ゲートウェイ200のシステム制御部215は、ステップS101において、ユーザー端末100から印刷ジョブを受け取ってジョブDB211aに登録した際のデータ容量と、受け取った印刷ジョブに含まれるデータ容量とを比較し、データ容量に差があるかどうかを判断してもよい。また、システム制御部215は、データ容量に差がある場合、ステップS109においてクラウドサーバー400に不具合情報を送信し、ステップS110において不具合情報DB211cに不具合情報を登録してもよい。また、システム制御部215は、ステップS112においてユーザー端末100から印刷ジョブ及び振動検知情報を再取得し、ステップS114で再度データ容量に差があるかどうかを判断してもよい。そして、システム制御部215は、データ容量に差がなければステップS108でユーザー端末100に送信データが正常であることを通知し、データ容量に差があればステップS115でユーザー端末100に送信データに不具合があることを通知してもよい。このようにすることで、データ容量に差があれば不具合情報DB211cにユーザー端末100のHDD105に関する不具合情報を登録することができる。
【0056】
このように、本実施形態では、ゲートウェイ200(中継装置)が、ユーザー端末100から受け取ったHDD105(第1の記憶デバイス)に記憶されているジョブデータ(印刷ジョブ)と振動検知センサー102(第1の振動検知センサー)の振動検知情報とをメモリー211(第3の記憶デバイス)に登録した後、ジョブデータ(印刷ジョブ)を振動検知センサー303(第2の振動検知センサー)及びHDD305(第2の記憶デバイス)を有するMFP300(画像形成装置)に送信する。MFP300(画像形成装置)は、ジョブデータ(印刷ジョブ)をHDD305(第2の記憶デバイス)に登録し、ゲートウェイ200(中継装置)からの要求に応じてHDD305(第2の記憶デバイス)に登録したジョブデータ(印刷ジョブ)と振動検知センサー303(第2の振動検知センサー)の振動検知情報とをゲートウェイ200(中継装置)に送信する。そして、ゲートウェイ200(中継装置)は、ジョブデータ(印刷ジョブ)をメモリー211(第3の記憶デバイス)に登録した際のデータ容量と、ゲートウェイ200(中継装置)からのジョブデータ(印刷ジョブ)のデータ容量とを比較し、データ容量に差があればメモリー211(第3の記憶デバイス)にHDD305(第2の記憶デバイス)に関する不具合情報を登録する。
【0057】
これにより、ゲートウェイ200(中継装置)のメモリー211(第3の記憶デバイス)には、ユーザー端末100からのジョブデータ(印刷ジョブ)と、MFP300(画像形成装置)側のHDD305(第2の記憶デバイス)に関する不具合情報とを登録できる。そして、MFP300(画像形成装置)のHDD305(第2の記憶デバイス)に不具合が生じ、HDD305(第2の記憶デバイス)に記憶させたジョブデータ(印刷ジョブ)の読み出しが不可能となっても、ゲートウェイ200(中継装置)がメモリー211(第3の記憶デバイス)に登録したジョブデータ(印刷ジョブ)をMFP300(画像形成装置)に与えることができるので、ユーザー端末100からのジョブデータ(印刷ジョブ)のバックアップが可能となる。また、ゲートウェイ200(中継装置)がメモリー211(第3の記憶デバイス)に登録された不具合情報を参照することで、データ容量の差の変化を確認できることから、記憶デバイスの不具合発生の検知及び予測を行うことができる。
【0058】
すなわち、ゲートウェイ200(中継装置)は、ユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、MFP300からの印刷ジョブのデータ容量との比較によるデータ容量の差が一定以上であれば、記憶デバイスの不具合発生の検知を行うことができる。また、ゲートウェイ200(中継装置)は、ユーザー端末100からの印刷ジョブのデータ容量と、MFP300からの印刷ジョブのデータ容量との比較によるデータ容量の差が前回登録したデータ容量の差より一定以上多くなっていれば、記憶デバイスの不具合発生の予測を行うことができる。
【0059】
なお、ゲートウェイ200のシステム制御部215は、ユーザー端末100から印刷ジョブと共に送信された振動検知情報及びステップS105で取得した振動検知情報が、特定の閾値以下の振動を示す場合、ステップS107の判断を行わずに、処理をステップS108に移行してもよい。特定の閾値は、例えば、振動検知センサー102の振動検知情報及び振動検知センサー303の振動検知情報に対して、それぞれHDD105及びHDD305の耐振動または耐衝撃の規格値としてもよい。
【0060】
また、システム制御部215は、ユーザー端末100から印刷ジョブと共に送信された振動検知情報、ステップS105で取得した振動検知情報、及び振動検知センサー202の振動検知情報が、特定の閾値以下の振動を示す場合、ステップS107でデータ容量に差が有るか否可の判断を行わずに「No」と判断してもよい。
【0061】
また、システム制御部215は、取得した振動検知情報のうち、ステップS105で取得した振動検知情報のみが特定の閾値を超える振動を示す場合、ステップS112で再取得した振動検知情報が特定の閾値以下であれば、ステップS114でデータ容量に差が有るか否可の判断を行わずに「No」と判断してもよい。
【0062】
また、システム制御部215は、ユーザー端末100から印刷ジョブと共に送信された振動検知情報が特定の閾値を超える振動を示す場合、ステップS111において、ユーザー端末100に印刷ジョブの再送信を要求し、MFP300から再送信された印刷ジョブと振動検知情報をメモリー211のジョブDB211aと振動検知情報DB211bとに再登録し、再登録された印刷ジョブをMFP300に再送信してもよい。この場合、システム制御部215は、ユーザー端末100から再送信された振動検知情報が特定の閾値以下の振動を示すときに限って、再登録された印刷ジョブをMFP300に再送信してもよい。ここで、システム制御部215は、ユーザー端末100から再送信された振動検知情報が特定の閾値を超える振動を示す場合、再度、ユーザー端末100に印刷ジョブの再送信を要求(この場合の要求は特定の回数(例えば、3回)を限度とする。)してもよいし、処理をステップS114に移行してデータ容量に差が有るか否可の判断を行わずに「No」と判断してもよい。再度、ユーザー端末100に印刷ジョブの再送信を要求する回数は特定の回数(例えば、3回)を限度とし、その後は処理をステップS114に移行してデータ容量に差が有るか否可の判断を行わずに「No」と判断してもよい。
【0063】
また、システム制御部215は、ユーザー端末100から印刷ジョブと共に送信された振動検知情報が特定の閾値を超える振動を示す場合、ユーザー端末100に印刷ジョブの再送信を要求し、ステップS101の終了後またはステップS103の終了後、処理をステップS101に移行してもよい。ユーザー端末100に印刷ジョブの再送信を要求する回数は特定の回数(例えば、3回)を限度とし、その後は処理をステップS107に移行してデータ容量に差が有るか否可の判断を行わずに「No」と判断してもよい。なお、ゲートウェイ200から印刷ジョブの再送信が要求されると、ユーザー端末100のシステム制御部117は、印刷ジョブと振動検知センサー102の振動検知情報とをゲートウェイ200に送信する。
【0064】
また、システム制御部215は、ステップS114の判断が「No」の場合、処理をステップS111に移行し、ステップS111からステップS114の処理を特定の回数(例えば、3回)繰り返した後、ステップS114以降の処理を実行してもよい。
【要約】
ジョブデータのバックアップに加え、記憶デバイスの不具合発生の検知及び予測を行う。
ゲートウェイ(200)が、ユーザー端末(100)から受け取ったHDD(105)に記憶されているジョブデータと振動検知センサー(102)の振動検知情報とをメモリー(211)に登録した後、ジョブデータをMFP(300)に送信する。MFP(300)は、ジョブデータをHDD(305)に登録し、ゲートウェイ(200)からの要求に応じてHDD(305)に登録したジョブデータと振動検知センサー(303)の振動検知情報とをゲートウェイ(200)に送信する。ゲートウェイ(200)は、ジョブデータをメモリー(211)に登録した際のデータ容量と、ゲートウェイ(200)からのジョブデータのデータ容量とを比較し、データ容量に差があればメモリー(211)にHDD(305)に関する不具合情報を登録する。
図1
図2
図3A
図3B
図4