(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233576
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】排紙収納装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/02 20060101AFI20171113BHJP
B65H 29/24 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
B65H31/02
B65H29/24 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-246353(P2013-246353)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-105150(P2015-105150A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】阪田 敬
【審査官】
大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−189182(JP,A)
【文献】
特開2007−112622(JP,A)
【文献】
特開2011−168360(JP,A)
【文献】
実開平04−024534(JP,U)
【文献】
特開2003−171054(JP,A)
【文献】
特開2007−045588(JP,A)
【文献】
特開平11−292371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/24
B65H 31/00−31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置の排紙部より排出される用紙を受け取り、下流に向けて搬送する中間搬送部と、前記中間搬送部より排出される用紙を積載可能な紙受け部とを備えた排紙収納装置において、
前記中間搬送部は、排紙方向に沿う両端部が中央部に比べて高くなっている谷型の用紙受け面を有する排紙通路と、前記用紙受け面の中央部に空気吸入口を有し、負圧により前記空気吸入口から前記用紙中央部を吸引しながら搬送する吸引搬送部と、前記吸引搬送部の上方よりU字形の弧状に湾曲される用紙の中央部を揺動自在に押圧する押圧部材とを有することを特徴とする排紙収納装置。
【請求項2】
請求項1記載の排紙収納装置において、前記中間搬送部及び、紙受け部は、処理装置からの排出用紙の受入れ口から用紙排出方向に向けて、下方に傾斜していることを特徴とする排紙収納装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の排紙収納装置において、前記吸引搬送部は、排紙ベルトを有し、さらに、前記排紙ベルト上の用紙を上方より揺動自在に押圧する押圧部材を設けていることを特徴とする排紙収納装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の排紙収納装置において、前記紙受け部における用紙積載部は、前記用紙積載部の幅方向に沿って切断した断面形状をV字形状としたことを特徴とする排紙収納装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の排紙収納装置において、前記中間搬送部から紙受け部に排出される用紙排出経路途上に、前記排出された用紙に対して、上方より干渉する干渉部材を備えることを特徴とする排紙収納装置。
【請求項6】
請求項5記載の排紙収納装置において、前記干渉部材は、用紙排出方向に向けて下方に傾斜していることを特徴とする排紙収納装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の排紙収納装置において、前記処理装置とは、裁断装置のことであり、前記裁断装置から排出される用紙は、少なくとも1箇所以上、用紙幅方向にミシン目を有することを特徴とする排紙収納装置。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れかに記載の排紙収納装置において、前記処理装置とは、裁断後の用紙の搬送方向長さが30cmを超える長尺用紙を裁断可能な裁断装置であることを特徴とする排紙収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断装置等の処理装置から排出された用紙を収納する排紙収納装置に関し、特に、長尺の用紙を収納できる排紙収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、裁断装置の一つの形態としては、連続用紙を順次移送しながらその所定切断箇所を連続的に切断する連続用紙処理装置(バースター装置)が知られている。上記連続用紙処理装置は、連続用紙を順次移送しながら、給紙ローラと排紙ローラとの回転速度の差によって、これらにわたって搬送される連続用紙を伸張させると同時に、両ローラ間に配設したバーストロール部に上記連続用紙のミシン目部分を突き当て、このミシン目を切断するものである。例えば、以下特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2007−45588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記、従来の連続用紙処理装置においては、裁断後の排出用紙の搬送方向サイズは、最大約30cm程度を想定しており、
図4に示した従来の連続用紙処理装置60においては、前記仕様上の最大サイズを受容できる程度の紙受け部50(紙受け台)が装置本体の用紙排出部に設置されている。
【0005】
しかしながら、一部の使用者においては、裁断後の排出用紙として、上記仕様上の最大
サイズを超える長尺の用紙を処理したいという要望がある。この場合、上記標準仕様の紙受け台では、サイズ上前記排出用紙を受容することはできないという問題があった。この問題を解決するために、単に、紙受け台の搬送方向サイズを長尺の用紙を受容できるサイズまで伸ばしたとしても、装置本体から排出された長尺用紙は、その先端部が下方に垂れやすく、その結果、ジャムとなり、紙受け部に整然と揃えて積載することは困難であった。
【0006】
特に、
図6に示すように、連続用紙処理装置から排出される(矢印Q方向)長尺用紙Pが、搬送方向と直角方向に少なくとも、一つ以上のミシン目35がある場合、排出用紙が排出過程においてミシン目部分で折れてしまい、ジャムとなる可能性が高い。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するものであり、装置本体から排出される用紙が長尺用紙であっても、ジャムが発生することなく、紙受け部に整然と揃えて積載することでできる用紙収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、処理装置の排紙部より排出される用紙を受け取り、下流に向けて搬送する中間搬送部と、前記中間搬送部より排出される用紙を積載可能な紙受け部とを備えた排紙収納装置において、前記中間搬送部は、排紙方向に沿う両端部が中央部に比べて高くなっている谷型の用紙受け面を有する排紙通路と、前記用紙受け面の中央部に空気吸入口を有し、負圧により前記空気吸入口から前記用紙中央部を吸引しながら搬送する吸引搬送部
と、前記吸引搬送部の上方よりU字形の弧状に湾曲される用紙の中央部を揺動自在に押圧する押圧部材とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排紙収納装置において、前記中間搬送部及び、紙受け部は、処理装置からの排出用紙の受入れ口から用紙排出方向に向けて、下方に傾斜していることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の排紙収納装置において、前記吸引搬送部は、排紙ベルトを有し、さらに、前記排紙ベルト上の用紙を上方より揺動自在に押圧する押圧部材を設けていることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の排紙収納装置において、前記紙受け部における用紙積載部は、前記用紙積載部の幅方向に沿って切断した断面形状をV字形状としたことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の排紙収納装置において、前記中間搬送部から紙受け部に排出される用紙排出経路途上に、前記排出された用紙に対して、上方より干渉する干渉部材を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の排紙収納装置において、前記干渉部材は、用紙排出方向に向けて下方に傾斜していることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の排紙収納装置において、前記処理装置とは、裁断装置のことであり、前記裁断装置から排出される用紙は、少なくとも1箇所以上、用紙幅方向にミシン目を有することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の排紙収納装置において、前記処理装置とは、裁断後の用紙の搬送方向長さが30cmを超える長尺用紙を裁断可能な裁断装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、処理装置から排出される用紙が長尺用紙であっても、排紙収納装置における中間搬送部によって、排出される用紙をその排紙方向に対して垂直な断面で見てほぼU字形の弧状に湾曲させて、用紙の排紙方向に沿う見かけ上の剛性を増大させ、これにより用紙が排紙過程において垂れ下がることなく実質的に水平な姿勢を保って用紙積載部に落下させることができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、処理装置から排出される用紙を中間搬送部に、さらに、中間搬送部から排出される用紙を紙受け部に、それぞれ、スムーズに受渡しを行うことができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、押圧部材を設けることにより、中間搬送部から紙受け部に向けて排出される用紙が確実にU字形の弧状に湾曲するように形成できる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、用紙積載部に落下した用紙は、用紙積載部の断面形状に沿ってV字状(U字状)に湾曲されながら、用紙積載部上に整然と揃えて積載されていく。したがって、積載される用紙の剛性を高めることができ、積載過程において用紙に皺が発生する等の集積不良を防止することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、干渉部材を備えることにより、前記排出用紙を用紙積載部に着地するまでU字形の弧状に湾曲した状態を維持することができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、排出用紙の進行を必要以上に妨げることなく、U字形の弧状に湾曲した状態を維持することができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、処理装置として裁断装置を用い、裁断装置から排出される用紙が、少なくとも1箇所以上、用紙幅方向にミシン目を有する長尺用紙であった場合でも、排出用紙が排出過程においてミシン目部分で折れてしまうことなく、排出される用紙を、その排紙方向に対して垂直な断面で見てほぼU字形の弧状に湾曲させて、用紙の排紙方向に沿う見かけ上の剛性を増大させ、これにより用紙が排紙過程において垂れ下がることなく実質的に水平な姿勢を保って用紙積載部に落下させることができる。したがって、ジャムの発生を防ぐことができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、処理装置として、裁断後の用紙の搬送方向長さが30cmを超える長尺用紙を裁断可能な裁断装置を用いた場合であっても、排出される用紙を、その排紙方向に対して垂直な断面で見てほぼU字形の弧状に湾曲させて、用紙の排紙方向に沿う見かけ上の剛性を増大させ、これにより用紙が排紙過程において垂れ下がることなく実質的に水平な姿勢を保って用紙積載部に落下させることができる。したがって、ジャムの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る連続用紙処理装置及び排紙収納装置の概略構成図である。
【
図4】従来の連続用紙処理装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例を採用した排紙収納装置を示している。同図において排紙収納装置1は、連続用紙処理装置2に装着されている。前記装着とは、排紙収納装置1と連続用紙処理装置2とを取付け板36を介してビス止めにより互いに接続してもよいし、前記取付け板36を用いることなく、単に、連続用紙処理装置2から排出される用紙を排紙収納装置1に受渡し可能な程度に近接配置してもよい。
【0026】
先ず、排紙収納装置1が接続される裁断装置として、連続用紙処理装置2について、以下に簡単に説明する。
【0027】
(連続用紙処理装置)
図1において、連続用紙処理装置2は、ピントラクター24、スリッタ25、バースター部20などで構成される。
【0028】
ピントラクター24は連続用紙3の幅方向の両端に形成した一定間隔の用紙送り穴にピンを係合させて連続用紙3を移送するものであり、エンコーダー(不図示)によって用紙の送り量を計測する。
【0029】
スリッタ25はディスク状のスリッタ上刃25aとスリッタ下刃25bを備えており、連続用紙3の用紙送り穴を含むマージン部を切り落とすものであり、連続用紙3の幅方向の両側に配置されており、マージン部の幅に応じて連続用紙3の幅方向に移動させる。
【0030】
バースター部20は連続用紙3に予め形成されたミシン目において連続用紙3を単位用紙に切断するものであり、連続用紙3の移送方向に沿って、前ゴムローラー部21とバーストロール部22と後ゴムローラー部23を順次に配置している。
【0031】
前ゴムローラー部21では上下に移動可能に配置する上前ゴムローラー21aが自重で下前ゴムローラー21bに接しており、上前ゴムローラー21aおよび下前ゴムローラー21bがピントラクター24と同一の周速で回転する。後ゴムローラー部23では上下に移動可能に配置する上後ゴムローラー23aが下後ゴムローラー23bとの間に微小間隙を設けて配置されており、上後ゴムローラー23aおよび下後ゴムローラー23bが前ゴムローラー部21よりも速い周速で回転する。
【0032】
エンコーダーで計測する用紙の送り量が単位用紙の天地寸法に合わせて予め設定した所定送り量に達すると、連続用紙3のミシン目がバーストロール部22に対応する。このとき、前ゴムローラー部21では、不図示の押圧手段により、上前ゴムローラー21aが連続用紙3を介して下前ゴムローラー21bに押圧され、後ゴムローラー部23では上後ゴムローラー23aが連続用紙3を介して下後ゴムローラー23bに押圧され、用紙が挟持される。
【0033】
そして、後ゴムローラー部23が前ゴムローラー部21よりも速い周速で回転することにより、両者の相対速度差の結果として前ゴムローラー部21と後ゴムローラー部23との間で連続用紙3を引っ張り合うことになり、バーストロール部22が連続用紙3のミシン目に当接することでミシン目において連続用紙3が切断される。
【0034】
この切断と同時に前ゴムローラー部21および後ゴムローラー部23は復動して初期状態に戻り、切断された単位用紙が後ゴムローラー部23によって排紙収納装置1における中間搬送部5に排出される。又、後続の連続用紙3が前ゴムローラー部21によって移送されて、上述の動作が繰り返される。
【0035】
尚、
図1に示す本件発明においての連続用紙処理装置2の構成は、
図4に示す従来の連続用紙処理装置60の構成から、裁断後の用紙を装置本体から排出する為の排紙ローラ27を取り除いたに過ぎず、その他の装置本体においての基本構成は同じである。連続用紙処理装置2においては、裁断後の用紙を装置本体から排出する為の排出手段として、中間搬送部5がその役割を果たす。
【0036】
次に、本発明の特徴部である排紙収納装置1について説明する。
【0037】
(排紙収納装置の全体構成)
図1、
図2に示すように、排紙収納装置1は、装置本体10と、中間搬送部5と、紙受け部11とを有している。中間搬送部5と紙受け部11は、装置本体10に支持されている。
【0038】
(中間搬送部の構成)
中間搬送部5は、排紙方向に沿う両端部が中央部に比べて高くなっている谷型の用紙受け面を有する排紙通路40と、前記用紙受け面の中央部に空気吸入口31を有し、負圧により前記空気吸入口から前記用紙中央部を吸引しながら搬送する吸引搬送部6を有している。
【0039】
連続用紙処理装置2により裁断された用紙Pは、後ゴムローラー部23により中間搬送部5に向けて装置外に排出される。前記中間搬送部5は、
図2に示すように、連続用紙処理装置2からの排出用紙の受入れ口30には、排紙ベルト17が設けられている。尚、前記排紙ベルト17による排紙速度は、後続の用紙との衝突を防ぐ為に、前記後ゴムローラー部23による排紙速度より大きく設定されている。
【0040】
図2の実施の形態においては、3本の排紙ベルト17の間に上記空気吸入口31を設けるように構成されているが、排紙ベルト17に複数の開孔部を形成し、排紙ベルトの下方に設置した空気吸入口31より排紙ベルトの開孔部を介して空気を吸入するように構成してもよい。
【0041】
中間搬送部5の排紙方向Fの先端には、排紙される用紙Pに対してその両側縁部が上方に向かう向きの形態を与えるジャンプ板16が、その用紙搬送方向下流側両側部に形成されている。また、前記排紙ベルト17の内方の下部には、吸着ファン(図示せず)が設けられ、吸引搬送部6を構成している。そして、前記排紙ベルト17、前記ジャンプ板16及び吸着ファンにより用紙腰付部が形成され、
図5に示すように、排出される用紙Pをその排紙方向(矢印J方向)に対して垂直な断面で見てほぼU字形の弧状に湾曲させて、用紙の排紙方向に沿う見かけ上の剛性を増大させ、これにより用紙が排紙過程において垂れ下がることなく実質的に水平な姿勢を保って紙受け部11に落下させることができる。
【0042】
図2に示すように、中間搬送部5においては、アーム支持板19a、19bにて軸15を支持し、この軸15のアーム支持板の内側にアーム部材14を揺動自在に軸支する。そして、さらに、当該アーム部材14の先端部には、排出用紙を押圧する押圧部材としての2つの押圧ローラ13が回転自在に軸支されており、排紙ベルト17上の用紙中央部を上方より揺動自在に押圧する。これにより、中間搬送部5から紙受け部11に向けて排出される用紙が確実にU字形の弧状に湾曲するように、吸着ファンによる吸引力に加えて、さらに補充的に荷重を付加する。
【0043】
前記押圧ローラ13に替えて、排紙ベルト17中央部の上方に所定の隙間(例えば、約1mm)をあけて搬送ガイドを設けるように構成してもよい。これにより、中間搬送部5から紙受け部11に向けて排出される用紙中央部が上方に浮き上がることを規制することができ、用紙が確実にU字形の弧状に湾曲するように形成することができる。
【0044】
尚、前記中間搬送部5は、
図1に示すように、連続用紙処理装置2からの排出用紙の受入れ口30から用紙排出方向Fに向けて、下方に傾斜しており、連続用紙処理装置2から排出される用紙を中間搬送部5に、スムーズに受渡しすることができる。
【0045】
したがって、
図5に示すように、少なくとも1箇所以上、用紙幅方向にミシン目35を有する長尺用紙であった場合でも、排出用紙が排出過程においてミシン目部分で折れてしまうことなく、排出される用紙Pを、その排紙方向に対して垂直な断面で見てほぼU字形の弧状に湾曲させて、用紙の排紙方向に沿う見かけ上の剛性を増大させ、これにより用紙が排紙過程において垂れ下がることなく実質的に水平な姿勢を保って紙受け部11に落下させることができる。したがって、ジャムの発生を防ぐことができる。
【0046】
(紙受け部)
図2は、紙受け部11に排出された用紙Pが積載された状態を示しており、用紙Pの排紙方向先端部には用紙を突き当てて揃える為のストッパ31が設置されている。前記ストッパ31は、排出される用紙サイズに応じて、用紙搬送方向に設置位置を調整することが可能である。
【0047】
中間搬送部5からU字形の弧状に湾曲した状態で排出された用紙は、中間搬送部5の下流に設けられた紙受け部11に向けて落下していく。尚、前記紙受け部11は、中間搬送部5から用紙排出方向Fに向けて、下方に傾斜している。これにより、中間搬送部5から排出される用紙を紙受け部11に、スムーズに受渡しすることができる。
【0048】
又、前記中間搬送部5から紙受け部11に排出される用紙排出経路途上に、前記排出された用紙に対して、上方より干渉する干渉部材18を備える。これにより、前記排出用紙を紙受け部11に着地するまでU字形の弧状に湾曲した状態を維持することができる。さらに、
図1に示すように、前記干渉部材18にその一端を固定した薄板状弾性部材19を用紙排出方向Fに傾斜して配置することにより、前記U字形の弧状に湾曲した状態を維持する効果がさらに向上する。前記薄板状弾性部材19は、前記干渉部材18上に複数配置するように構成してもよい。
【0049】
尚、
図2に示すように、前記干渉部材18の搬送方向の上流側の一端は、中間搬送部5のアーム部材14の搬送方向の下流側の一端に支持されている。又、前記干渉部材18の搬送方向の下流側の他端は、支持部材38の切欠き部39においての支持部37に支持されている。
【0050】
前記紙受け部においての紙受け部11に落下した用紙Pは、
図3に示すように、用紙積載部32の断面V字形状に沿ってV字状(U字状)に湾曲されながら、用紙積載部32上に整然と揃えて積載されていく。したがって、積載される用紙Pの剛性を高めることができ、積載過程において用紙Pに皺が発生する等の集積不良を防止することができる。
【0051】
上記構成の排紙収納装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0052】
(1)連続用紙処理装置2から排出される用紙が、その搬送方向長さが30cmを超える長尺用紙であっても、排紙収納装置1における中間搬送部5によって、排出される用紙をその排紙方向Fに対して垂直な断面で見てほぼU字形の弧状に湾曲させて、用紙の排紙方向に沿う見かけ上の剛性を増大させ、これにより用紙が排紙過程において垂れ下がることなく実質的に水平な姿勢を保って紙受け部11に落下させることができる。
【0053】
(2)前記紙受け部11に落下した用紙は、用紙積載部32の断面形状に沿ってV字状(U字状)に湾曲されながら、用紙積載部32上に整然と揃えて積載されていく。したがって、積載される用紙の剛性を高めることができ、積載過程において用紙に皺が発生する等の集積不良を防止することができる。
【0054】
尚、上述の実施例では、本件発明の排紙収納装置1が用いられる処理装置の一つの形態として、連続用紙処理装置(バースター装置)について説明したが、本発明は、それに限られるものではなく、シートカッター装置やプリンタ等に用いることが可能である。その際、特に長尺用紙を排出する場合に効果を発揮する。
【符号の説明】
【0055】
1 排紙収納装置
2 処理装置
5 中間搬送部
6 吸引搬送手段
11 紙受け部(用紙積載部)
31 空気吸入口
40 排紙通路
45 排紙部
F 排紙方向
P 用紙(裁断後の排出用紙)