特許第6233589号(P6233589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233589
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/00 20110101AFI20171113BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F24F1/00 371B
   F24F1/00 371A
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-66209(P2014-66209)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-190641(P2015-190641A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100105094
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 薫
(72)【発明者】
【氏名】岩野 俊
(72)【発明者】
【氏名】奥野 大樹
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−032342(JP,A)
【文献】 特開2012−154621(JP,A)
【文献】 実開昭62−075846(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流の通路を形成する筐体と、
前記通路を横切る横断面に沿って配置され、表面に、グラウンドに接続される導電材を有するメッシュシートで形成されるフィルタと、
前記フィルタから塵埃を掻き落とす清掃ブラシと、
前記気流の流通方向に沿って前記フィルタの上流側に配置され、前記清掃ブラシで掻き落とされた塵埃を収納するダストボックスと、
前記気流に放電して前記気流中の物質を帯電させる帯電電極を有し、前記ダストボックス内に除菌物質を放出するイオナイザと
を備えることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機において、前記フィルタは、少なくとも前記気流を受ける第1面の反対側の第2面に前記導電材を有し、
前記空気調和機は、前記気流の流通方向に沿って前記フィルタの下流に配置され、メッシュシートで形成されて、少なくとも前記フィルタの前記導電材に向き合わせられる面に沿って前記帯電電極と同極性の電気的な障壁を形成する導電材を有する第2フィルタをさらに備え、
前記帯電電極は前記第2フィルタの上方に設けられることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、フィルタ清掃ユニットを備える空気調和機は一般に知られる。フィルタの清掃にあたってフィルタの表面には清掃ブラシが接触する。気流の通路を横切る横断面に沿ってフィルタが移動すると、フィルタと清掃ブラシとの間に相対移動が生じ、清掃ブラシはフィルタの表面に付着した塵埃を絡め捕ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−149822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絡め捕られた塵埃はダストボックスに回収される。ダストボックスに塵埃が溜まると、ダストボックスは室内機の本体から取り外され、溜まった塵埃は破棄されることができる。ダストボックス内は抗菌処理が施されるものの、抗菌処理された表面に接触していない塵埃では抗菌の効果は期待されることはできない。
【0005】
本発明のいくつかの態様によれば、ダストボックス内でさらに効果的に除菌を実現することができる空気調和機は提供されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、気流の通路を形成する筐体と、前記通路を横切る横断面に沿って配置され、表面に、グラウンドに接続される導電材を有するメッシュシートで形成されるフィルタと、前記フィルタから塵埃を掻き落とす清掃ブラシと、前記気流の流通方向に沿って前記フィルタの上流側に配置され、前記清掃ブラシで掻き落とされた塵埃を収納するダストボックスと、前記気流に放電して前記気流中の物質を帯電させる帯電電極を有し、前記ダストボックス内に除菌物質を放出するイオナイザとを備える空気調和機に関する。フィルタに設けられる導電材は、少なくとも部分的に設けられていればよい。
【0007】
冷房運転や暖房運転の動作中に通路に気流が流れる。帯電電極から放電が行われると、気流中の塵埃は特定の極性に帯電する。気流はフィルタのメッシュシートを通過する。帯電した微粒子は気流に乗ってフィルタの導電材に付着する。微粒子に付着した電荷の働きで微細な塵埃などの微粒子はフィルタに捕獲される。いわゆるメッシュシートは樹脂繊維を格子状に組み合わせたもので、フィルタのメッシュシートの圧力損失は著しく抑制される。フィルタは圧力損失を回避しながら効果的に微粒子を捕獲することができる。
【0008】
フィルタは清掃ブラシで清掃される。フィルタに付着した塵埃は清掃ブラシで掻き落とされる。掻き落とされた塵埃はダストボックスに回収される。ダストボックス内は帯電電極の働きでイオンやオゾンといった除菌物質で満たされることができ、その結果、ダストボックスに回収された塵埃は除菌されることができる。ダストボックス内で菌の繁殖は効果的に抑制されることができる。例えばカビ臭の発生は抑制されることができる。しかも、ダストボックスはフィルタの上流に配置されることから、フィルタに付着する前の塵埃を帯電させることができ、帯電電極は除菌にだけでなく集塵にも利用されることができる。
【0009】
塵埃などの微粒子がフィルタの導電材に付着すると、微粒子とグラウンドとの間で電荷がやりとりされる。導電材の帯電した状態は解消される。こうしてフィルタが帯電電極と同極性の電位となることを防止できる。微粒子の付着量が増加しても、確実に新たな微粒子はフィルタに付着していくことができる。仮にフィルタでグラウンドと電荷をやりとりする経路が設けられていないと、電荷の付着量の増加に伴ってフィルタ上で帯電電極と同極性の電位が生成され、同極性の反発力に応じて微粒子の付着は妨げられてしまう。
【0010】
前記フィルタは、前記気流を受ける面を第1面とし、少なくとも前記第1面の反対側の第2面に前記導電材を有すればよい。このとき、空気調和機は、前記気流の流通方向に沿って前記フィルタの下流に配置され、メッシュシートで形成されて、少なくとも前記フィルタの前記導電材に向き合わせられる面に沿って前記帯電電極と同極性の電気的な障壁を形成する導電材を有する第2フィルタをさらに備えればよい。また、前記帯電電極は前記第2フィルタの上方に設けられればよい。帯電電極から放電が行われると、気流中の塵埃などの微粒子は特定の極性で帯電する。気流は相次いでフィルタのメッシュシートおよび第2フィルタのメッシュシートを通過する。帯電した微粒子は気流に乗ってフィルタのメッシュを通過する。帯電した微粒子は電気的な障壁に衝突する。帯電した微粒子と電気的な障壁とは同極性を有することから、帯電した微粒子は電気的な障壁で跳ね返される。これによって微粒子の進行速度は減じられるとともに進行方向が逆方向となり、帯電した微粒子は容易くフィルタの導電材に付着する。こうして微細な塵埃などの微粒子はフィルタに捕獲される。いわゆるメッシュシートは樹脂繊維を格子状に組み合わせたもので、フィルタのメッシュシートおよび第2フィルタのメッシュシートの圧力損失は著しく抑制される。空気調和機は圧力損失を回避しながら効果的に微粒子を捕獲することができる。
【0011】
前記第2フィルタの導電材は前記フィルタの導電材に等間隔で向き合わせられればよい。こうして電気的な障壁では電位の分布の偏りはできる限り抑制されることができる。その結果、フィルタ上に満遍なく微粒子は付着することができる。微粒子がフィルタ上に偏在しないため、フィルタの第2フィルタに向き合う箇所の全体で効率的に微粒子を捕獲することができる。
【0012】
前記フィルタの前記メッシュシートおよび前記第2フィルタの前記メッシュシートは絶縁材で形成され、前記フィルタの前記第1面に前記絶縁材が配置され、前記第2フィルタで前記フィルタに向き合わせられる前記面の反対側の面に前記絶縁材が配置されることができる。フィルタの下流に第2フィルタが配置されると、フィルタ上の導電材に第2フィルタ上の導電材は向き合わせられる。こうしてフィルタの導電材および第2フィルタの導電材は絶縁材同士の間に配置される。高電圧が供給される導電材に対して、ユーザーが外側から直接接触することを防止できる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように開示の空気調和機によれば、ダストボックス内でさらに効果的に除菌は実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す概念図である。
図2】一実施形態に係る室内機の外観を概略的に示す斜視図である。
図3】室内機の本体の構成を概略的に示す斜視図である。
図4】室内機の構造を概略的に示す分解斜視図である。
図5】エアフィルタの構造を概略的に示す拡大斜視図である。
図6図5のA−A線に沿った断面図である。
図7】室内機の本体の拡大垂直断面図である。
図8図7に対応し、気流の通路の様子を概略的に示す室内機の本体の拡大垂直断面図である。
図9図8に対応し、エアフィルタの上限位置を示す本体の拡大垂直断面図である。
図10図8に対応し、エアフィルタの下限位置を示す本体の拡大垂直断面図である。
図11】電気集塵の原理を概略的に示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
(1)空気調和機の構成
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換器14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換器14、圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。
【0017】
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aおよび第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には、圧縮機15が設けられている。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。冷媒配管は例えば銅管であればよい。
【0018】
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cおよび第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。室内熱交換器14は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。第2循環経路22は例えば銅管などの冷媒配管で形成されればよい。
【0019】
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。気流は室外熱交換器16を通り抜ける。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0020】
室内機12には送風ファン24が組み込まれる。送風ファン24は室内熱交換器14に通風する。送風ファン24は羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン24の働きで室内機12には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室内機12から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0021】
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。
【0022】
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換器14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
【0023】
(2)室内機の構成
図2は一実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12の本体(筐体)26にはアウターパネル27が覆い被さる。本体26の下面には吹出口28が形成される。吹出口28は室内に向けて開口される。本体26は例えば室内の壁面に固定されることができる。吹出口28は、室内熱交換器14で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す。
【0024】
吹出口28には前後1対の上下風向板31a、31bが配置される。上下風向板31a、31bはそれぞれ水平軸線32a、32b回りに回転することができる。回転に応じて上下風向板31a、31bは吹出口28を開閉することができる。上下風向板31a、31bの角度に応じて、吹き出される気流の方向は変えられる。
【0025】
図3に示されるように、本体26には吸込口33が形成される。吸込口33は本体26の正面および上面で開口する。アウターパネル27は本体26の正面で吸込口33に覆い被さることができる。室内熱交換器14に流入する空気は吸込口33から取り込まれる。
【0026】
吸込口33には、吸込口33の長手方向にわたって同形状のエアフィルタアセンブリ34が複数配置される。エアフィルタアセンブリ34はエアフィルタ(フィルタ)35および保持部36を備える。エアフィルタ35は保持部36に保持される。保持部36は枠体37を有する。保持部36は枠体37で本体26に固定される。保持部36が本体26にセットされると、エアフィルタ35は吸込口33の全面にわたって配置される。
【0027】
保持部36の枠体37には後述するエアフィルタ35の枠部を保持する前側のフィルタレール38が設けられる。前側のフィルタレール38に対応して本体26には後側のフィルタレール39が設けられる。フィルタレール38、39は一続きの経路を形成する。フィルタレール38、39は、エアフィルタ35の左右両端をスライド可能に保持するよう、水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿って設けられる。エアフィルタ35はフィルタレール38、39に沿って移動する。
【0028】
図4に示されるように、本体26には送風ファン24が回転自在に支持される。送風ファン24には例えばクロスフローファンが用いられる。送風ファン24は水平軸線32a、32bに平行な回転軸41回りで回転することができる。送風ファン24の回転軸41は本体26の設置時の水平方向に延びる。送風ファン24は吹出口28に平行に配置される。送風ファン24には駆動源(図示せず)から回転軸41回りの駆動力が伝達される。駆動源は本体26に支持される。送風ファン24の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口28から吹き出される。
【0029】
室内熱交換器14は前側体14aおよび後側体14bを備える。前側体14aは送風ファン24の前側から送風ファン24に被さる。後側体14bは送風ファン24の後側から送風ファン24に被さる。前側体14aおよび後側体14bは上端で相互に連結される。前側体14aおよび後側体14bは冷媒管42aを有する。冷媒管42aは水平方向に往復する。すなわち、冷媒管42aは、水平軸線32a、32bに平行に延び、本体26の正面視左右端で折り返され、再び水平軸線32a、32bに平行に延び、再び本体26の正面視左右端で折り返され、これらが繰り返される。冷媒管42aは第2循環経路22の一部を構成する。冷媒管42aには複数の放熱フィン42bが結合される。放熱フィン42bは水平軸線32a、32bに直交しつつ相互に平行に広がる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bは例えば銅やアルミニウムといった金属材料から成形されることができる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bを通じて冷媒と空気との間で熱交換が実現される。
【0030】
図4に示されるように、エアフィルタアセンブリ34はフィルタ清掃ユニット43および電気集塵ユニット44を含む。フィルタ清掃ユニット43は上ダストボックス45および下ダストボックス46を備える。上ダストボックス45および下ダストボックス46は保持部36の枠体37を有する。上ダストボックス45はエアフィルタ35の前面側に配置される。上ダストボックス45はカバー47を有する。カバー47はボックス本体48の塵埃貯留部49を開閉可能に覆うように設けられている。下ダストボックス46はエアフィルタ35の後面側に配置される。上ダストボックス45および下ダストボックス46はエアフィルタ35に対して水平方向に配置されている。エアフィルタ35の清掃時、概ねエアフィルタ35の前面の塵埃は上ダストボックス45のボックス本体48に回収され、エアフィルタ35の後面の塵埃は下ダストボックス46に回収される。
【0031】
フィルタ清掃ユニット43は第1従動ギア51および第2従動ギア(駆動部材)52を備える。第1従動ギア51は上ダストボックス45に取り付けられる。第1従動ギア51は水平軸53回りで回転する。第1従動ギア51は上ダストボックス45内の後述する清掃ブラシを回転させる。第1従動ギア51の歯は上ダストボックス45の外面から少なくとも部分的に露出する。同様に、第2従動ギア52は下ダストボックス46に取り付けられる。第2従動ギア52は水平軸54回りで回転する。第2従動ギア52は下ダストボックス46の両端側に設けられており、後述するようにエアフィルタ35を駆動する。第2従動ギア52の歯は下ダストボックス46の外面から部分的に露出する。エアフィルタアセンブリ34が本体26にセットされると、第1従動ギア51は本体26に搭載の第1駆動ギア(図示されず)に噛み合い、同様に第2従動ギア52は本体26に搭載の第2駆動ギア(図示されず)に噛み合う。第1駆動ギアおよび第2駆動ギアには個別に電動モータといった駆動源(図示されず)が連結される。個々の駆動源から供給される駆動力に応じて第1従動ギア51および第2従動ギア52は個別に回転する。
【0032】
電気集塵ユニット44は、イオナイザ55と、後述する帯電電極と、後述する集塵電極とを備える。イオナイザ55は上ダストボックス45に組み込まれる。イオナイザ55の筐体56は上ダストボックス45のカバー47に一体的に設けられる。上ダストボックス45のカバー47の一部はイオナイザ55の筐体56で形成される。イオナイザ55の筐体56には上下に開口57が形成される。開口57からイオンおよびオゾンは放出される。放出されたイオンおよびオゾンはアウターパネル27とエアフィルタ35との間の空間に分散する。イオナイザ55は配線(図示されず)で本体26内の図示しない制御部に電気的に接続される。イオナイザ55の配線は着脱可能な電気接点を有しており、エアフィルタアセンブリ34の取り付けおよび取り外しの際には、配線の結合および分断が行われる。配線を通じてイオナイザ55には動作電力が供給される。
【0033】
図5に示されるように、エアフィルタ35はフレーム58およびメッシュシート59を備える。メッシュシート59は例えばポリエチレンテレフタラートの繊維(樹脂繊維)を格子状に組み合わせて構成される。メッシュシート59はフレーム58に支持される。フレーム58はメッシュシート59の形状を保持する機能を有する。フレーム58は樹脂材料(例えばポリプロピレン)から成形される。フレーム58およびメッシュシート59は第1絶縁体61を構成する。メッシュシート59のメッシュは気流に対して交差するように設けられ、通気路を区画する。エアフィルタ35の後面側でフレーム58にはラック62が形成される。ラック62は、水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿って直線状に延びる。
【0034】
図6に示されるように、エアフィルタ35の気流に対して下流側となる第2面(後面)には導電材の被膜63が形成される。導電材には例えばアルミニウムといった金属材料が用いられることができる。被膜63はエアフィルタ35の後述する反発フィルタ74側の面でメッシュシート59の表面に積層される。被膜63の形成には例えばスパッタリング法が用いられればよい。メッシュシート59によって格子状に区画された通気路はそのまま確保される。エアフィルタ35の室内側の第1面(前面)には一面に絶縁材(第1絶縁体61)が維持される。被膜63は本体26のグラウンドに接続される。こうした接続にあたって、本体26には被膜63の一部に接触する電気的な接点(図示されず)が形成されればよい。接点から被膜63の電位はグラウンドに落とされればよい。被膜63に接触する電気的な接点は保持部36の枠体37に形成されてもよく、その場合には、枠体の接点から延びる配線が本体26上の接点に接続されればよい。
【0035】
図7に示されるように、フィルタ清掃ユニット43はピニオン(駆動部材)64を備える。ピニオン64は例えば下ダストボックス46に回転自在に支持される。ピニオン64の外周は、例えば枠体37に形成される押さえ板(案内部材)65の湾曲面に所定の間隔で向き合わせられる。エアフィルタ35が保持部36に装着されると、フレーム58およびラック62はピニオン64の外周と押さえ板65の湾曲面に挟まれる。こうしてラック62はピニオン64に噛み合う。押さえ板65はピニオン64からラック62の離脱を防止する。ピニオン64および押さえ板65でエアフィルタ35の移動は案内される。
【0036】
ピニオン64は第2従動ギア52に連結される。第2従動ギア52の回転はピニオン64に伝達される。ピニオン64の回転はピニオン64の接線方向にラック62の移動を引き起こす。こうして第2従動ギア52の回転に応じて水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿った方向に上ダストボックス45および下ダストボックス46に対してエアフィルタ35の相対的な移動は実現される。
【0037】
フィルタ清掃ユニット43は、エアフィルタ35に関連づけられて配置される清掃ブラシ66を備える。清掃ブラシ66は上ダストボックス45内に収納される。清掃ブラシ66はブラシ台座67を備える。ブラシ台座67は第1従動ギア51からの駆動力により水平軸68回りに回転することができる。ブラシ毛69はブラシ台座67の筒面上に所定の中心角範囲にわたって配置される。ブラシ毛69の植毛範囲はブラシ台座67の軸方向にエアフィルタ35を横切る広がりを有する。清掃ブラシ66は所定の回転位置でブラシ毛69をエアフィルタ35に接触させ当該回転位置以外ではブラシ毛69をエアフィルタ35から離脱させる。ブラシ毛69がエアフィルタ35に接触する状態で水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿った方向にエアフィルタ35が移動すると、エアフィルタ35の前面に付着した塵埃はブラシ毛69に絡め捕られることができる。
【0038】
フィルタ清掃ユニット43はブラシ受け71を備える。ブラシ受け71は下ダストボックス46内に収納される。ブラシ受け71は受け面72を有する。受け面72は清掃ブラシ66に向き合わせられる。ブラシ毛69がエアフィルタ35に接触する際に受け面72はブラシ毛69との間にエアフィルタ35を挟み込む。その他、受け面72にはブラシ毛が植毛されてもよい。
【0039】
電気集塵ユニット44のイオナイザ55は帯電電極73を有する。帯電電極73はイオナイザ55の筐体56内に配置される。こうして帯電電極73は上ダストボックス45内に収容される。帯電電極73は本体26の帯電電極用高電圧電源79から高電圧の供給を受けて空気中に放電する。放電によりイオンおよびオゾンが生成される。こうして生成されたイオンおよびオゾンがイオナイザ55の開口57から放出される。
【0040】
電気集塵ユニット44は反発フィルタ(第2フィルタ)74をさらに備える。反発フィルタ74はエアフィルタ35と同様な構造を有すればよい。すなわち、反発フィルタ74はフレーム75およびメッシュシート76を備える。メッシュシート76は例えばポリエチレンテレフタラートの繊維(樹脂繊維)を格子状に組み合わせて構成される。メッシュシート76はフレーム75に支持される。フレーム75はメッシュシート76の形状を保持する機能を有する。フレーム75は樹脂材料(例えばポリプロピレン)から成形される。フレーム75およびメッシュシート76は第2絶縁体77を構成する。メッシュシート76のメッシュは気流に対して交差するように設けられ、通気路を区画する。
【0041】
反発フィルタ74の集塵電極側(ここではエアフィルタ35側)の面は導電材の被膜78で覆われる。導電材には例えばアルミニウムといった金属材料が用いられることができる。被膜78は反発フィルタ74の帯電電極73側の面でメッシュシート76の表面に積層される。被膜78の形成には例えばスパッタリング法が用いられればよい。メッシュシート76によって格子状に区画された通気路はそのまま確保される。反発フィルタ74の室内熱交換器14側の面には一面に絶縁材(第2絶縁体77)が維持される。
【0042】
反発フィルタ74は下ダストボックス46に一体的に設けられたフィルタレール38の室内熱交換器14側に固定されればよい。前面の被膜78とエアフィルタ35の被膜63との間には空間が形成される。すなわち、被膜78と被膜63との間には距離が確保される。ここでは、被膜78は被膜63に等間隔で向き合わせられる。こうして電気集塵ユニット44は集塵電極としてエアフィルタ35を利用する。
【0043】
被膜78は本体26の反発電極用高電圧電源92に接続される。反発フィルタ74と反発電極用高電圧電源92とを接続する配線は着脱可能な電気接点を有しており、エアフィルタアセンブリ34の取り付けおよび取り外しの際には、配線の結合および分断が行われる。配線を通じて被膜78には高電圧が供給される。ここでは、反発フィルタ74の被膜78には帯電電極73と同極性の電圧が供給される。したがって、高電圧の供給を受けて反発フィルタ74は前面の被膜78に沿って帯電電極73と同極性の電気的な障壁を形成する。
【0044】
図8に示されるように、本体26内では吸込口33から吹出口28に向かって気流の通路81が形成される。通路81内に室内熱交換器14は配置される。室内熱交換器14の上流には通路81を横切る横断面82(後述するSRの後端側から後述するFRの下端側)に沿ってエアフィルタ35が配置される。エアフィルタ35の上流側には上ダストボックス45が配置される。
【0045】
エアフィルタ35のメッシュシート59は第1領域FRおよび第2領域SRを有する。エアフィルタ35が基準位置に位置すると、エアフィルタ35の上端は横断面82の上端に接触する。このとき、エアフィルタ35のメッシュシート59は横断面82に沿って通路81を遮る。メッシュシート59の第1領域FRは上ダストボックス45および下ダストボックス46の下側で横断面82に沿って通路81を遮る。メッシュシート59の第2領域SRは上ダストボックス45および下ダストボックス46の上側で横断面82に沿って通路81を遮る。こうしてエアフィルタ35の基準位置では第1領域FRおよび第2領域SRの間に清掃ブラシ66は配置される。
【0046】
エアフィルタ35の下流に反発フィルタ74が配置される。反発フィルタ74のメッシュシート76は上ダストボックス45および下ダストボックス46の下側で気流の通路81を遮る。反発フィルタ74は上ダストボックス45および下ダストボックス46の上側には配置されない。こうして反発フィルタ74のメッシュシート76は基準位置のエアフィルタ35の第1領域FRにのみ対向する。
【0047】
前述のように、ピニオン64には第2従動ギア52その他の駆動機構を通じて電動モータ83といった駆動源が連結される。電動モータ83には制御部84が接続される。制御部84は電動モータ83の動作を制御する。電動モータ83の動作に応じてエアフィルタ35は横断面82に沿って移動することができる。制御部84は例えばMPU(マイクロプロセッサユニット)といった演算処理回路で形成されればよい。
【0048】
図9に示されるように、エアフィルタ35が上限位置に位置すると、エアフィルタ35の下端はピニオン64の位置まで上昇する。エアフィルタ35の上端は通路81の内壁面に沿って案内され第1規定位置UPまで達する。このとき、エアフィルタ35のメッシュシート59は横断面82に沿って第1領域FRから待避する。こうしてエアフィルタ35が基準位置と上限位置との間で移動する間に清掃ブラシ66はエアフィルタ35の第1領域FRに接触する。メッシュシート59の第1領域FRは清掃ブラシ66で清掃される。
【0049】
図10に示されるように、エアフィルタ35が下限位置に位置すると、エアフィルタ35の上端は清掃ブラシ66の位置まで下降する。エアフィルタ35の下端は横断面82の延長線上で第2規定位置LPまで下降する。エアフィルタ35の一部35aは第1領域FRで大きく外側に湾曲する。このとき、エアフィルタ35のメッシュシート59は横断面82に沿って第2領域SRから待避する。こうしてエアフィルタ35が基準位置と下限位置との間で移動する間に清掃ブラシ66はエアフィルタ35の第2領域SRに接触する。メッシュシート59の第2領域SRは清掃される。
【0050】
(3)室内機の動作
通常の冷房運転時や暖房運転時にはエアフィルタ35は基準位置に位置する。送風ファン24が動作すると、本体26内では吸込口33から吹出口28に向かって通路81に沿って気流が生成される。吸込口33から吸引された空気はエアフィルタ35を通過して室内熱交換器14を通過する。室内熱交換器14は気流と冷媒との間で熱交換を実施する。冷房運転時には空気は室内熱交換器14で冷却されて吹出口28から吹き出される。暖房運転時には空気は室内熱交換器14で暖められて吹出口28から吹き出される。こうして冷気や暖気は生成される。
【0051】
気流がエアフィルタ35を通過する際にメッシュシート59のメッシュの大きさよりも大きい塵埃はメッシュを通過することができない。大きい塵埃はエアフィルタ35の前面に捕獲される。メッシュの大きさよりも小さい塵埃などの微粒子は、後述する電気集塵の原理によりエアフィルタ35の後面に付着する。こうして室内熱交換器14に向かって流れる気流から塵埃などは除去される。室内熱交換器14には清浄な気流が流れ込む。吹出口28から清浄な空気の冷気または暖気は吹き出される。
【0052】
エアフィルタ35の清掃が行われる際のフィルタ清掃ユニット43の動作について説明する。ブラシ台座67の回転動作に応じて清掃ブラシ66のブラシ毛69はエアフィルタ35の前面に接触する。このとき、エアフィルタ35の後面はブラシ受け71の受け面72に受け止められる。エアフィルタ35はブラシ毛69と受け面72との間に挟まれる。第2従動ギア52が駆動されると、エアフィルタ35はフィルタレール38、39に沿って前後に移動する。エアフィルタ35の移動に応じてブラシ毛69はエアフィルタ35の前面をなぞる。こうしてブラシ毛69はエアフィルタ35の前面から大きな塵埃を絡め捕る。絡め捕られた塵埃は上ダストボックス45に回収される。エアフィルタ35の後面では電荷はグラウンドに逃げることから、受け面72とエアフィルタ35とが接触することで微粒子はエアフィルタ35の後面から落下する。落下した微粒子は下ダストボックス46に回収される。
【0053】
エアフィルタ35の清掃が行われる際には制御部84は第1清掃モードおよび第2清掃モードの間で清掃ブラシ66の動作モードを切り替える。第1清掃モードでは清掃ブラシ66はエアフィルタ35の第1領域FRおよび第2領域SRを清掃する。このとき、制御部84は、基準位置と上限位置との間でエアフィルタ35を往復動させ、併せて、基準位置と下限位置との間でエアフィルタ35を往復動させる。こうしてエアフィルタ35全体は清掃される。第2清掃モードでは清掃ブラシ66は第2領域SR以外で第1領域FRを清掃する。第2清掃モードでは第2領域SRの清掃は回避される。このとき、制御部84は基準位置と上限位置との間でエアフィルタ35を往復動させる。エアフィルタ35は下限位置に向かって移動しない。こうしてエアフィルタ35の第1領域FRのみ清掃される。制御部84は第1清掃モードと第2清掃モードとを混在させる。こうして第1領域FRは第2領域SRに比べて多い回数で清掃されることができる。第1領域FRの集塵効果は高いことから、第1領域FRが第2領域SRに比べてより多く清掃されることでエアフィルタ35は効果的に清掃されることができる。
【0054】
冷房運転や暖房運転の動作中、電気集塵ユニット44は動作する。電気集塵ユニット44が動作している場合、上ダストボックス45内は帯電電極73の働きでイオンやオゾンで満たされる。その結果、上ダストボックス45に回収された塵埃はイオンやオゾンで除菌されることができる。上ダストボックス45内での菌の繁殖が効果的に抑制されることができる。例えばカビ臭の発生が抑制される。ここでは、上ダストボックス45はエアフィルタ35の上流に配置されることから、上ダストボックス45から流出するイオンで気流中の塵埃を帯電させることができ、帯電電極73は除菌にだけでなく集塵にも利用される。
【0055】
(4)電気集塵の原理
図11に示されるように、送風ファン24で生成される気流中に、帯電電極73、エアフィルタ35および反発フィルタ74が配置される。気流の流通方向に沿って、帯電電極73の下流にエアフィルタ35が配置され、エアフィルタ35の下流に反発フィルタ74が配置される。帯電電極73は気流に放電する。ここでは、放電により気流中に正のイオン86が生成される。正のイオン86は気流中の塵埃などの微粒子87に付着する。こうして微粒子87は正極に帯電する(以下、帯電した微粒子を「帯電微粒子88」という)。
【0056】
反発フィルタ74の被膜78に高電圧が供給されると、反発フィルタ74のメッシュシート76の表面は正に帯電する。正に帯電したメッシュシート76は、気流の流通方向に交差する姿勢の電気的な障壁89を形成する。ここでは、電気的な障壁89は気流の流通方向に直交する。電気的な障壁89はメッシュシート76の表面に沿って連続する。ここで、電気的な障壁89は帯電電極73と同極性すなわち正極としている。
【0057】
気流は、メッシュシート59のメッシュで区画される通気路を通過する。気流に乗った帯電微粒子88は、メッシュシート59のメッシュよりも小さいことからエアフィルタ35のメッシュシート59を通過する。帯電微粒子88は電気的な障壁89に衝突する。帯電微粒子88と電気的な障壁89とは同極性を有することから、帯電微粒子88は電気的な障壁89で跳ね返される。これによって帯電微粒子88の進行速度が減じられるとともに進行方向が逆方向となり、帯電微粒子88はエアフィルタ35に向かって移動し被膜63に付着する。
【0058】
エアフィルタ35の被膜63はグラウンド91に接続される。帯電微粒子88がエアフィルタ35の被膜63に付着すると、帯電微粒子88とグラウンド91との間で電荷がやりとりされる。帯電微粒子88の帯電した状態は解消される。こうしてエアフィルタ35が帯電電極73と同極性の電位となることを防止できる。帯電微粒子88の付着量が増加しても、確実に新たな帯電微粒子88はエアフィルタ35に付着していくことができる。なお、ここでは、集塵電極としてのエアフィルタ35の極性をグラウンドとしたが、帯電微粒子88を付着させられる極性を持っていればよく、帯電微粒子88と逆の極性すなわち負の極性となるようにしてもよい。
【0059】
反発フィルタ74の被膜78はエアフィルタ35の被膜63に等間隔に向き合わせられることが望ましい。そうすれば電気的な障壁89では電位の分布の偏りが抑制される。その結果、エアフィルタ35上に満遍なく帯電微粒子88は付着することができる。帯電微粒子88がエアフィルタ35上に偏在しないため、エアフィルタ35の電気的な障壁89に向き合う箇所の全体で効率的に帯電微粒子88を捕獲することができる。ここで、被膜78と被膜63との距離が一定でない場合には、エアフィルタ35上に付着する帯電微粒子88の量に偏りが生じてしまい、エアフィルタ35が効率的に帯電微粒子88を捕獲することができない。さらに、近接した個所でスパークが生じる可能性がある。しかし、上述のように等間隔とすることで、反発フィルタ74の被膜78とエアフィルタ35の被膜63との間でスパークが発生することを防止できる。
【0060】
ここでは、エアフィルタ35では第1絶縁体61は前面(第1面)で気流を受け後面(当該第1面の反対側の第2面)で被膜63を支持する。同様に、反発フィルタ74では第2絶縁体77はエアフィルタ35の被膜63に向き合わせられる面で被膜78を支持する。こうしてエアフィルタ35上の被膜63に反発フィルタ74上の被膜78は向き合わせられる。エアフィルタ35の被膜63および反発フィルタ74の被膜78は第1絶縁体61および第2絶縁体77の間に配置される。これにより、高電圧が供給される被膜78に対して、ユーザーが外側から直接接触することを防止できる。また、金属材料により被覆された面(被膜63)は樹脂材料からなる絶縁体(第1絶縁体61)の表面より凹凸が少ない。そのため、帯電微粒子88が付着する面を反発フィルタ74側とすることで、エアフィルタ35の清掃が容易となる。
【0061】
なお、図11ではイオナイザ55から正のイオンを放出する例を示したが、他の実施形態として、負のイオンを放出するようにしてもよい。その場合は、反発フィルタ74の極性が負となるようにし、集塵電極(エアフィルタ35)の極性を正またはグラウンドとすればよい。
【符号の説明】
【0062】
11 空気調和機、26 筐体(本体)、35 フィルタ(エアフィルタ)、45 ダストボックス(上ダストボックス)、59 メッシュシート、63 導電材(被膜)、66 清掃ブラシ、73 帯電電極、74 第2フィルタ(反発フィルタ)、76 メッシュシート、78 導電材(被膜)、81 通路、82 横断面、89 障壁、91 グラウンド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11