特許第6233645号(P6233645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233645
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】制御弁式鉛蓄電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/12 20060101AFI20171113BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H01M2/12 102
   H01M2/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-51571(P2014-51571)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2015-176712(P2015-176712A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】藤江 正博
(72)【発明者】
【氏名】前田 真之
(72)【発明者】
【氏名】喜多見 俊男
【審査官】 ▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−337243(JP,A)
【文献】 実開平05−097055(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/12
H01M 2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池内部に連通する排気筒にキャップ状の弁体を装着してなる制御弁を有する制御弁式鉛蓄電池であって、
前記弁体の開弁動作を許容しつつ、前記開弁動作に伴う前記弁体の振動音を低減する振動音低減構造を有し、
前記振動音低減構造が、前記弁体の外側周面の一部に接触して前記弁体を前記排気筒の外側周面に押さえる押さえ部を有し、
前記押さえ部は、前記弁体の外側周面において上端壁側に接触することなく下端開口部側に接触する制御弁式鉛蓄電池。
【請求項2】
前記振動音低減構造が、前記押さえ部を複数有し、
前記複数の押さえ部が、前記弁体の外側周面の外側において周方向に等間隔に設けられている請求項記載の制御弁式鉛蓄電池。
【請求項3】
前記押さえ部が、前記弁体と線接触している請求項記載の制御弁式鉛蓄電池。
【請求項4】
前記排気筒及び前記押さえ部が、電池蓋に一体形成されており、
前記排気筒が、前記電池蓋に形成された凹部の底面から延在しており、
前記押さえ部が、前記凹部の内面から突出している請求項乃至の何れか一項に記載の制御弁式鉛蓄電池。
【請求項5】
前記電池蓋の前記凹部を塞ぐ上蓋をさらに有し、
前記弁体が前記排気筒の先端面に接触して装着された状態において、前記押さえ部と前記弁体とが前記排気筒の延在方向に関して接触している長さが、前記上蓋と前記弁体との間の前記延在方向に関する最短距離よりも大きい請求項記載の制御弁式鉛蓄電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御弁式鉛蓄電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の制御弁式鉛蓄電池としては、特許文献1に示すように、使用中の内圧上昇による電槽変形などを防止するために、電池内部のガスを外部に排出するための制御弁(安全弁)を有している。
【0003】
この制御弁は、図8に示すように、電池内部に連通して電池内部のガスを外部に排出するための排気筒と、当該排気筒に装着されるキャップ状の弁体とから構成されている。そして、電池内部の圧力が所定値以上となった場合に弁体が弾性変形して、電池内部のガスが、排気筒の上端開口から、排気筒の外側周面及び弁体の内側周面の間を通じて外部に排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−326249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の制御弁では、電池内部のガスを排気する際の開弁動作に伴って、弁体の開口端部が排気筒に対して振動してしまい、例えば笛のような高音の振動音が発生する場合がある。この振動音は、例えば制御弁式鉛蓄電池を家庭用蓄電装置として屋内に設置する場合、例えばシニアカー等の小型の電動車両に用いる場合又は当該電動車両を屋内で充電する場合などに騒音となり問題となる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、開弁動作に伴う弁体の振動音を低減することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る制御弁式鉛蓄電池は、電池内部に連通する排気筒にキャップ状の弁体を装着してなる制御弁を有する制御弁式鉛蓄電池であって、前記弁体の開弁動作を許容しつつ、前記開弁動作に伴う前記弁体の振動音を低減する振動音低減構造を有することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、振動音低減構造が弁体の開弁動作を許容しつつ開弁動作に伴う弁体の振動音を低減するので、制御弁としての機能を阻害することなく、弁体の振動により生じる振動音を低減することができる。
【0009】
前記振動音低減構造が、前記弁体の開口端部における外側周面の一部に接触して前記弁体を前記排気筒の外側周面に押さえる押さえ部を有することが望ましい。
これならば、弁体の開口端部における一部を排気筒の外側周面に押さえる構成とするだけで、弁体の開弁動作に伴う振動を抑えることができ、振動音を抑制することができる。
【0010】
前記振動音低減構造が、前記押さえ部を複数有し、前記複数の押さえ部が、前記弁体の外側周面の外側において周方向に等間隔に設けられていることが望ましい。
これにより、弁体の全周のいずれの位置においても振動を抑えることができる。
【0011】
前記押さえ部が、前記弁体と線接触していることが望ましい。
これにより、制御弁としての動作効率を高めつつ、弁体の振動を抑制することができる。
【0012】
前記排気筒及び前記押さえ部が、電池蓋に一体成型されており、前記排気筒が、前記電池蓋に形成された凹部の底面から延在しており、前記押さえ部が、前記凹部の内面から突出していることが望ましい。
これならば、部品点数を削減することができるとともに、従来と同様に、排気筒に弁体を装着するだけで良く、組み立て作業を容易にすることができる。
【0013】
前記電池蓋の前記凹部を塞ぐ上蓋をさらに有し、前記弁体が前記排気筒の先端面に接触して装着された状態において、前記押さえ部と前記弁体とが前記排気筒の延在方向に関して接触している長さが、前記上蓋と前記弁体との間の前記延在方向に関する最短距離よりも大きいことが望ましい。
これならば、弁体の開弁動作に伴う上下移動の際、常時、押さえ部が弁体を排気筒の外側周面に押さえた状態となり、開弁動作における弁体の上下位置に関わらず、弁体の振動を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、開弁動作時に弁体が振動して生じる振動音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の制御弁の構成を模式的に示す平面図及びA−A線断面図。
図2】同実施形態の開弁動作によりキャップ弁体が上昇した状態を示すA−A線断面図。
図3】押さえ部の変形例を模式的に示す平面図。
図4】変形実施形態の制御弁の構成を模式的に示す平面図及びB−B線断面図。
図5】変形実施形態の制御弁の構成を模式的に示す断面図。
図6】変形実施形態の制御弁の構成を模式的に示す平面図及びC−C線断面図。
図7】振動音低減構造の変形例を模式的に示す断面図。
図8】従来の制御弁の構成を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明に係る制御弁式鉛蓄電池の一実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態の制御弁式鉛蓄電池は、例えば屋内に設置される家庭用蓄電装置や、シルバーカー等の電動車両といった屋内で充電される電動車両に搭載される蓄電装置に用いられるものである。なお、本実施形態の制御弁式鉛蓄電池は、その他の用途に用いられるものであっても良い。
【0018】
この制御弁式鉛蓄電池は、図1に示すように、電池内部のガスを外部に排出するための制御弁(安全弁)1を有している。この制御弁1は、電池内部に連通して電池内部のガスを外部に排出するための排気筒2と、当該排気筒2の上部に装着されるキャップ状の弁体3(以下、キャップ弁体3という。)とから構成されている。そして、この制御弁1において、電池内部で発生するガスによる内圧が所定値以上となった場合に、キャップ弁体3が弾性変形し、電池内部のガスが、排気筒2の上端開口から、排気筒2の外側周面2m及びキャップ弁体3の内側周面3nの間を通じて外部に排気される。
【0019】
排気筒2は、概略円筒形状をなすものであり、電池蓋10の上面に形成された凹部Mの底面Maから上方に延び設けられている。ここで、凹部Mの内側周面Mbは横断面円形状をなすものであり、排気筒2の外側周面2mと凹部Mの内側周面Mbとの間には、例えば一定間隔の隙間が形成されている。なお、凹部Mは、電槽蓋10の上面に設けられる上蓋11により塞がれている。
【0020】
また、排気筒2の上端部には、1又は複数の切り欠き部2Kが形成されている。図1の平面図には、周方向に等間隔に2つの切り欠き部2Kが形成された場合を示している。このように切り欠き部2Kが形成されているため、当該切り欠き部2Kを介して電池内部のガスが外部に排気され易くするとともに、排気筒2に対してキャップ弁体3の一部が固着して、キャップ弁体3が排気筒2に対して上下移動しなくても、電池内部のガスが外部に排気されるように構成している。
【0021】
キャップ弁体3は、耐硫酸性を有する例えばエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)などの弾性材料から形成されたものであり、前記排気筒2に対応した形状をなすものである。本実施形態では、一端が閉塞した有底円筒形状をなすものである。そして、キャップ弁体3を、その他端開口(下端開口)から排気筒2に被せて嵌合させて装着することで、制御弁1が構成される。なお、キャップ弁体3の上端壁32が排気筒2の上端面2tに接触するように装着される。
【0022】
そして、本実施形態の制御弁式鉛蓄電池は、キャップ弁体3の開弁動作を許容しつつ、開弁動作に伴うキャップ弁体3の振動音を低減する振動音低減構造4を有している。
【0023】
この振動音低減構造4は、キャップ弁体3の外側周面3mの一部に接触して、キャップ弁体3の内側周面3nを排気筒2の外側周面2mに押さえる押さえ部41を複数有している。本実施形態では、押さえ部41が8個形成された場合を示している。
【0024】
押さえ部41は、キャップ弁体3の側周壁31の外側周面3mに接触するように構成されている。ここで、キャップ弁体3の側周壁31とは、排気筒2の外周を取り囲む部分である。具体的に押さえ部41は、キャップ弁体3の開口端部3aにおける外側周面3mの一部に接触するように構成されている。
【0025】
本実施形態の押さえ部41は、排気筒2を収容する凹部Mの内面に一体形成されている。そして、複数の押さえ部41は、凹部Mの内側周面Mbにおいて、周方向に等間隔に設けられている。より詳細には、複数の押さえ部41は、凹部Mの内側周面Mbから、排気筒2又は当該排気筒2に装着されたキャップ弁体3に向かって、径方向に沿って内側に延び設けられている。これにより、キャップ弁体3が排気筒2に押さえる部分は、周方向において等間隔に形成される。
【0026】
ここで、複数の押さえ部41と、排気筒2の切り欠き部2Kとの位置関係は、図1の平面図に示すように、1つの押さえ部41と1つの切り欠き部2Kとが周方向において一致する、つまり、径方向において対向するように構成されている。切り欠き部2Kからガスが抜け易いことから、キャップ弁体3の側周壁31のうち、周方向において切り欠き部2Kに対応する部分が振動し易くなる。このため、押さえ部41が、径方向において切り欠き部2Kに対向する位置に設けられていることによって、開弁動作に伴うキャップ弁体3の振動を好適に抑えることができる。
【0027】
押さえ部41の具体的な形状としては、図1のA−A線断面図に示すように、上下方向の延びる突条をなすものである。ここで、押さえ部41の縦断面形状から分かるように、押さえ部41の上側角部は、R加工が施されて部分円形状とされており、押さえ部41及び排気筒2の間にキャップ弁体の側周壁31が入り込み易くして、キャップ弁体3を排気筒2に装着する作業を容易にしている。その他、押さえ部41の上側角部をテーパ状にする等のように、押さえ部41の上側角部に、キャップ弁体3を装着する際のガイドとなるガイド部を形成しても良い。
【0028】
また、図1の平面図に示すように、押さえ部41の横断面形状は、先端が例えば半円形状等の部分円形状をなすものである。そして、押さえ部41とキャップ弁体3は、荷重がゼロのときに線接触する状態となっている。これにより、押さえ部41の先端とキャップ弁体3の外側周面との接触面積を小さくして、開弁動作を妨げず、制御弁としての動作効率を高めるように構成している。さらに、押さえ部41の先端と排気筒2の外側周面2mとの距離は、キャップ弁体3の側周壁31の厚さ寸法と同一又は若干小さくなるように構成されている。ここで、「若干小さく」とは、キャップ弁体3の上下移動を妨げない程度であり、小さくし過ぎると、キャップ弁体3の側周壁31が、押さえ部41と排気筒2との間に挟圧されてしまい上下移動が妨げられてしまう。
【0029】
そして、本実施形態の制御弁は、図2に示すように、押さえ部41がキャップ弁体3を排気筒2の外側周面2mに押さえた状態で、キャップ弁体3が開弁動作により上下移動可能に構成されている。言い換えれば、開弁動作によりキャップ弁体3が上下移動する場合に、その開弁前の下位置(図1の状態)と、開弁後の上位置(図2の状態)と、それら下位置及び上位置の間の位置との何れにおいても、押さえ部41がキャップ弁体3を排気筒2に押さえる構成としている。本実施形態の押さえ部41は、凹部Mの底面Mbから、上位置にあるキャップ弁体3の開口端の高さ位置よりも上方に至るまで延び設けられている。なお、「下位置」とは、キャップ弁体3の上端壁32が排気筒2の上端面2tに接触する位置であり、「上位置」とは、キャップ弁体3の上端壁32が上蓋11に接触する位置である。
【0030】
次に、本実施形態の制御弁式鉛蓄電池と、従来の制御弁式鉛蓄電池との音鳴り確認試験の結果を示す。なお、本実施形態の制御弁式鉛蓄電池は、周方向に等間隔に設けられた8個の押さえ部を有するものである。
この音鳴り確認試験は、制御弁の内側の圧力を強制的に高くしていき、ガス流出時に音がなる内部圧力を測定した。この確認試験の結果は以下のとおりである。
従来構成の制御弁 音鳴り発生圧力(kPa):26.0〜27.5
本実施形態の制御弁 音鳴り発生圧力(kPa):40以下での音鳴り無し
【0031】
このような制御弁式鉛蓄電池によれば、振動音低減構造4がキャップ弁体3の開弁動作を許容しつつ開弁動作に伴うキャップ弁体3の振動音を低減するので、制御弁1としての機能を阻害することなく、キャップ弁体3の振動により生じる振動を低減することができる。具体的には、凹部Mの内面に形成された複数の押さえ部41により、キャップ弁体3を排気筒2の外側周面2mに押さえているので、開弁動作に伴う振動を抑えることができ、その結果、キャップ弁体3の振動音を低減することができる。また、複数の押さえ部41を等間隔に配置しているだめ、全周のいずれの位置においても振動を抑えることができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0033】
例えば、前記実施形態の押さえ部41は、断面概略円形状をなす凹部Mの内側周面Mbから径方向内側の突出した形状をなすものであったが、図3に示すように、断面概略多角形状をなす凹部Mの内側周面Mbにより構成しても良い。具体的には、図3に示すように、凹部Mの内側周面Mbの内接円が、キャップ弁体3の外側周面3mと一致する形状をなすものであり、図3では、キャップ弁体3と8箇所の接触点を有する横断面概略正八角形状をなす凹部Mにより構成されている。
【0034】
また、前記実施形態では、複数の押さえ部が周方向に等間隔に設けられているが、等間隔に設けることなく、任意の間隔で設けても良い。また、複数の押さえ部の高さ位置を互いに異ならせても良い。ここで、高さ位置を異ならせることには、各押さえ部の上端部の高さ位置を異ならせることの他に、凹部の内側周面における各押さえ部の形成位置を異ならせることも含む。
【0035】
さらに、前記実施形態では、押さえ部41が凹部Mに一体形成されたものであったが、図4に示すように、凹部M及びキャップ弁体3とは別体をなすものであっても良い。図4には、概略環状をなす押さえ部材40により構成されている。この押さえ部材40は、外側周面が凹部Mの内側周面Mbに接触する円環部42と、当該円環部42の内側周面に形成された複数の押さえ部41とを有する。この複数の押さえ部41が、前記実施形態と同様に、キャップ弁体3の外側周面3mの一部に接触して、キャップ弁体3の内側周面3nを排気筒2の外側周面2mに押さえる構成としている。また、複数の押さえ部41を押さえ部材40により構成する場合には、単一の部材により構成するものの他、複数の押さえ部材により構成するようにしても良い。
【0036】
その上、前記実施形態では、押さえ部41が、キャップ弁体3の開口端部3aの外側周面3mに接触するように構成されているが、図5に示すように、キャップ弁体3が下位置にある状態で、開口端(下端)よりも所定距離上方の外側周面3mに接触するように構成しても良い。この場合、キャップ弁体3が上位置にある状態でも、キャップ弁体3の開口端又は当該開口端よりも上方の外側周面に接触するようにする。
【0037】
加えて、押さえ部41は、凹部Mに一体形成されたものの他、図6に示すように、キャップ弁体3に一体形成されたものであり、当該押さえ部41が、凹部Mの内側周面Mbに接触することで、キャップ弁体3の内側周面3nを排気筒2の外側周面2mに押さえるような構成としても良い。つまり、キャップ弁体3の外側周面3mが押さえ部41に接触した状態を保つ構成であれば押さえ部41はどのように構成しても良い。
【0038】
さらに加えて、前記実施形態では、周方向の各位置において1つの押さえ部が設けられ、当該各位置において1つの押さえ部がキャップ弁体に一箇所で接触する構成であったが、周方向の各位置において上下2箇所以上で接触する構成としても良い。
【0039】
また、振動音低減構造4としては、上述のように、キャップ弁体3の内側周面3nを排気筒2の外側周面2mに接触した状態を保つ構成の他に、図7に示すように、キャップ弁体3の振動音を吸収する構成としても良い。具体的には、図7に示すように、キャップ弁体3の開口端部3aと排気筒2が設けられた排気筒設置面(具体的には凹部Mの底面Ma)との間に、それらに接触する吸音部材5を設ける構成としても良い。より詳細には、キャップ弁体3の開口端部3aと凹部Mの底面Maとの間に例えばスポンジ部材等の吸音部材5を設けても良い。この場合、吸音部材5は、円筒形状をなすものであり、排気筒2に装着する構成とすることが考えられる。
【0040】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 ・・・制御弁
10・・・電池蓋
M ・・・凹部
Ma・・・底面(排気筒設置面)
2 ・・・排気筒
2K・・・切り欠き部
2m・・・排気筒の外側周面
3 ・・・キャップ弁体
3m・・・キャップ弁体の外側周面
3n・・・キャップ弁体の内側周面
3a・・・キャップ弁体の開口端部
4 ・・・振動音低減構造
41・・・押さえ部
5 ・・・吸音部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8