特許第6233685号(P6233685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233685
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】バンド
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/10 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   A44C5/10 510G
   A44C5/10 510E
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-162874(P2013-162874)
(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-29806(P2015-29806A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】櫻沢 直彦
(72)【発明者】
【氏名】▲辻▼ 彩子
(72)【発明者】
【氏名】櫃本 信
【審査官】 青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−280466(JP,A)
【文献】 実開平06−029412(JP,U)
【文献】 特開2008−029803(JP,A)
【文献】 実開昭55−057314(JP,U)
【文献】 実開昭62−155607(JP,U)
【文献】 特開2003−079410(JP,A)
【文献】 米国特許第6418706(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00− 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド駒同士を連結ピンによって順次連結してなるバンドにおいて、
前記バンド駒は、前記連結ピンが挿入するピン挿入孔が前記バンド駒の連結方向に対して直交する方向に貫通して設けられた上駒片と、この上駒片の下部に取り付けられる下駒片とを有し、
前記上駒片と前記下駒片とは、前記バンド駒同士を前記連結ピンによって連結する際に、当該連結ピンによって前記上駒片と前記下駒片とを連結して固定する連結固定部を備えていることを特徴とするバンド。
【請求項2】
請求項1に記載のバンドにおいて、前記連結固定部は、前記上駒片に設けられ、前記ピン挿入孔に対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴と、前記下駒片に設けられて前記複数の嵌合穴にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部と、これら複数の嵌合突起部における前記ピン挿入孔に対応する個所にそれぞれ設けられて前記連結ピンを係止する複数の係止部とを備えていることを特徴とするバンド。
【請求項3】
請求項2に記載のバンドにおいて、前記複数の嵌合穴は、前記ピン挿入孔の軸中心に対して偏った位置で、前記ピン挿入孔に交差した状態で設けられており、前記複数の係止部は、前記連結ピンの一部が挿入する切欠き部であることを特徴とするバンド。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバンドにおいて、前記上駒片は金属で形成され、前記下駒片は合成樹脂で形成されていることを特徴とするバンド。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバンドにおいて、前記バンド駒は、その連結方向に位置する両側に駒装着部が設けられた本体駒と、この本体駒の一方に位置する駒装着部およびこれに隣接する他の本体駒の他方に位置する前記駒装着部の間に配置される連結駒とを有し、前記本体駒と前記連結駒とはそれぞれ前記上駒片と前記下駒片とからなり、前記本体駒と前記連結駒とが前記連結ピンによって順次連結されていることを特徴とするバンド。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバンドにおいて、前記バンド駒は、その連結方向に位置する前記上駒片と前記下駒片との一側部に連結凸部が設けられ、かつ前記上駒片と前記下駒片との他側部にこれに隣接する他の前記バンド駒の前記連結凸部が挿入する連結凹部が設けられ、前記連結凹部にこれと隣接する前記他のバンド駒の前記連結凸部を挿入させた状態で前記連結ピンによって連結されていることを特徴とするバンド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時計バンドなどのバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計に用いられる時計バンドにおいては、特許文献1に記載されているように、一対の側壁部を連結する連結部の両側に駒装着凹部が形成された駒本体と、この駒本体の駒装着凹部およびこれに隣接する他の駒本体の駒装着凹部の間に配置される連結駒と、この連結駒を駒本体に連結するピン部材とを備えた構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−65756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような時計バンドでは、駒本体と連結駒とをそれぞれ個別に製作してピン部材によって順次連結する構成あるから、駒本体と連結駒との一方を金属、他方を合成樹脂で形成するか、あるいはその両方を金属または合成樹脂で形成する必要があるため、駒本体および連結駒の材質や色彩が製作時に限定されてしまい、自由に材質や色彩を選択することができないという問題がある。
【0005】
このような不都合を解消するために、例えば駒本体および連結駒をそれぞれ個別にインサート成型によって金属と合成樹脂とを組み合わせて、材質や色彩のバリエーションをもたせた構成のものも考えられているが、このような構成のものでは、そのインサート成型時に材質や色彩が限定されてしまい、自由に材質や色彩を選択して組み合わせることができないという問題がある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、材質や色彩のバリエーションが豊富で、自由にバンド駒の材質や色彩を選択して組み合わせることができるバンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、バンド駒同士を連結ピンによって順次連結してなるバンドにおいて、前記バンド駒は、前記連結ピンが挿入するピン挿入孔が前記バンド駒の連結方向に対して直交する方向に貫通して設けられた上駒片と、この上駒片の下部に取り付けられる下駒片とを有し、前記上駒片と前記下駒片とは、前記バンド駒同士を前記連結ピンによって連結する際に、当該連結ピンによって前記上駒片と前記下駒片とを連結して固定する連結固定部を備えていることを特徴とするバンドである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、バンド駒同士を順次連結ピンで連結する際に、連結固定部によって上駒片と下駒片とを確実に連結固定してバンド駒を形成することができるので、バンド駒を順次連結ピンで連結する際に、上駒片の材質と下駒片の材質とを自由に選択することができ、これによりバンド駒の材質および色彩を自由に組み合わせることができるので、材質や色彩のバリエーションが豊富になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明を時計バンドに適用した第1実施形態を示し、(a)はその要部の拡大正面図、(b)はその拡大側面図である。
図2図1(a)および図1(b)に示された時計バンドのバンド駒を分解して示した拡大斜視図である。
図3図2に示されたバンド駒における本体駒の本体上駒片を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその一部を破断した拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
図4図2に示されたバンド駒における本体駒の本体下駒片を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
図5図2に示されたバンド駒における連結駒の連結上駒片を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその一部を破断した拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
図6図2に示されたバンド駒における連結駒の連結下駒片を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
図7図1(a)に示された時計バンドのA−A矢視における要部を示した拡大断面図である。
図8図1(a)に示された時計バンドのB−B矢視における要部を示した拡大断面図である。
図9図1(b)に示された時計バンドのC−C矢視における要部を示した拡大断面図である。
図10】この発明を時計バンドに適用した第2実施形態を示し、(a)はその要部の拡大正面図、(b)はその拡大側面図である。
図11図10(a)および図10(b)に示された時計バンドのバンド駒を分解して示した拡大斜視図である。
図12図11に示されたバンド駒の上駒片を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその一部を破断した拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
図13図11に示されたバンド駒の下駒片を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
図14図10(a)に示された時計バンドのD−D矢視における要部を示した拡大断面図である。
図15図10(a)に示された時計バンドのE−E矢視における要部を示した拡大断面図である。
図16図10(b)に示された時計バンドのF−F矢視における要部を示した拡大断面図である。
図17】この発明を時計バンドに適用した第1変形例を示し、(a)はそのバンド駒の下駒片を示した拡大平面図、(b)そのG−G矢視における拡大断面図である。
図18】この発明を時計バンドに適用した第2変形例を示し、(a)はそのバンド駒の下駒片を示した拡大平面図、(b)そのH−H矢視における拡大断面図である。
図19】この発明を時計バンドに適用した第3変形例を示し、(a)はそのバンド駒の下駒片を示した拡大平面図、(b)そのI−I矢視における拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1図9を参照して、この発明を時計バンドに適用した第1実施形態について説明する。
この時計バンドは、腕時計ケース(図示せず)に取り付けられて腕に装着されるものであり、図1および図2に示すように、複数のバンド駒1が連結ピン2によって順次連結された構成になっている。
【0011】
バンド駒1は、図1および図2に示すように、本体駒3と連結駒4とを有している。本体駒3は、バンド駒1の連結方向であるバンド長手方向に対して直交するバンド幅方向に互いに対向する一対の側壁部5と、これら一対の側壁部5を連結する連結部6とを有し、全体が平面的に見てエ字形状に形成されている。
【0012】
これにより、バンド駒1の連結方向に位置する本体駒3の両側には、図1および図2に示すように、駒装着凹部7、8が連結部6を挟んで形成されている。また、この本体駒3の各駒装着凹部7、8に対応する一対の側壁部5には、連結ピン2が挿入するピン挿入孔3a、3bがそれぞれバンド長手方向に対して直交するバンド幅方向に貫通して設けられている。
【0013】
連結駒4は、図1および図2に示すように、バンド長手方向に対して直交するバンド幅方向に長い長方形状の板状に形成されている。この連結駒4は、本体駒3の一方の駒装着凹部7とこれに隣接する他の本体駒3の他方の駒装着凹部8との間に、その両方に跨った状態で配置されるように構成されている。
【0014】
この連結部4のバンド駒1の連結方向に位置する両側部には、図1および図2に示すように、連結ピン2が挿入するピン挿入孔4a、4bがそれぞれバンド長手方向に対して直交するバンド幅方向に貫通して設けられている。また、この連結部4の各ピン挿入孔4a、4b内には、抜止めパイプ9がそれぞれ挿入されている。この抜止めパイプ9は、断面C字形状に形成され、その内部に連結ピン2を挟み付けるように構成されている。
【0015】
これにより、バンド駒1は、図1図2および図7に示すように、本体駒3の一方の駒装着凹部7に連結駒4の一側部を配置して、本体駒3のピン挿入孔3aに連結駒4のピン挿入孔4aを同一軸上に対応させ、この状態で連結ピン2を本体駒3の一方のピン挿入孔3aから連結駒4のピン挿入孔4aに挿入させて、本体駒3の他方のピン挿入孔3aに挿入させることにより、本体駒3と連結駒4とが連結されるように構成されている。
【0016】
この場合、バンド駒1は、図2および図9に示すように、連結部4の各ピン挿入孔4a、4b内に嵌め込まれた抜止めパイプ9に連結ピン2が挿入されて挟み付けられることにより、連結駒4のピン挿入孔4aおよび本体駒3の両側のピン挿入孔3aに連続して挿入された連結ピン2が固定されて抜け出さないように構成されている。
【0017】
また、このバンド駒1は、図1図2および図7に示すように、本体駒3の一方の駒装着凹部7に連結された連結駒4の他側部を、これに隣接する他の本体駒3の他方の駒装着凹部8に配置して、連結ピン2を他の本体駒3の一方のピン挿入孔3bから連結駒4のピン挿入孔4bに挿入させて、他の本体駒3の他方のピン挿入孔3bに挿入させることにより、本体駒3に連結された連結駒4とこれに隣接する他の本体駒3とが連結されるように構成されている。これにより、バンド駒1は順次連結されるように構成されている。
【0018】
ところで、本体駒3は、図2に示すように、ステンレスなどの金属からなる本体上駒片10と、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなる本体下駒片11とを有している。この本体駒3は、バンド駒1同士を連結ピン2によって連結する際に、本体上駒片10と本体下駒片11とが連結ピン2によって本体上駒片10と本体下駒片11とを連結して固定する後述する連結固定部20を備えている。
【0019】
すなわち、本体上駒片10は、図3(a)〜図3(c)に示すように、その形状が本体駒3と同じ形状で、その厚みが本体駒3よりも薄く形成されている。この本体上駒片10における一対の側壁部5に対応する個所には、連結ピン2がそれぞれ挿入するピン挿入孔3a、3bが設けられている。
【0020】
また、この本体上駒片10における一対の側壁部5に対応する個所には、図3(b)および図3(c)に示すように、複数の嵌合穴12がそれぞれピン挿入孔3a、3bに対して偏った位置で、かつピン挿入孔3a、3bに対して直交する状態で交差して設けられている。すなわち、複数の嵌合穴12は、本体上駒片10の下面から各ピン挿入孔3a、3bに向けて垂直に形成されている。
【0021】
この場合、複数の嵌合穴12は、図3(b)に示すように、その中心軸が各ピン挿入孔3a、3bの中心軸からずれた状態で、各ピン挿入孔3a、3bに交差するように形成されている。これにより、複数の嵌合穴12は、その一部が各ピン挿入孔3a、3bの各半分程度に食い込むように形成されている。また、これら複数の嵌合穴12は、本体上駒片10の上面に突き抜けないように形成されている。
【0022】
一方、本体下駒片11は、図4(a)〜図4(c)に示すように、その形状が本体駒3と同じ形状で、その厚みが本体上駒片10よりも薄く形成されている。この本体下駒片11における一対の側壁部5に対応する個所の上面には、本体上駒片10の各嵌合穴12にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部13が上方に突出して形成されている。これら複数の嵌合突起部13は、それぞれ円柱状に形成されている。
【0023】
また、複数の嵌合突起部13の外周面には、図4(a)〜図4(c)に示すように、複数の係止凹部14が各ピン挿入孔3a、3bにそれぞれ対応して設けられている。すなわち、複数の係止凹部14は、半円形状の切欠き溝であり、図8および図9に示すように、複数の嵌合突起部13が本体上駒片10の各嵌合穴12にそれぞれ嵌合した際に、本体上駒片10の各ピン挿入孔3a、3bに対応するように構成されている。
【0024】
このため、これら複数の係止凹部14は、図8および図9に示すように、複数の嵌合突起部13が本体上駒片10の各嵌合穴12にそれぞれ嵌合した状態で、本体上駒片10の各ピン挿入孔3a、3bに連結ピン2が挿入された際に、この連結ピン2を係止するように構成されている。これにより、本体駒3は、本体上駒片10の各ピン挿入孔3a、3bに挿入された連結ピン2によって、本体上駒片10と本体下駒片11とが一体的に連結されて固定されるように構成されている。
【0025】
このように、本体駒3の連結固定部20は、図8および図9に示すように、本体上駒片10に設けられ、ピン挿入孔3a、3bに対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴12と、本体下駒片11に設けられて複数の嵌合穴12にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部13と、これら複数の嵌合突起部13におけるピン挿入孔3a、3bに対応する個所にそれぞれ設けられて連結ピン2を係止する複数の係止凹部15とで構成されている。
【0026】
同様に、連結駒4は、図2に示すように、ステンレスなどの金属からなる連結上駒片15と、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなる連結下駒片16とを有している。この連結駒4は、バンド駒1同士を連結ピン2によって連結する際に、連結上駒片15と連結下駒片16とが連結ピン2によって連結上駒片15と連結下駒片16とを連結して固定する後述する連結固定部21を備えている。
【0027】
すなわち、連結上駒片15は、図5(a)〜図5(c)に示すように、その形状が連結駒4と同じ形状で、その厚みが連結駒4よりも薄く形成されている。この連結上駒片15におけるバンド駒1の連結方向に位置する両側部には、連結ピン2が挿入するピン挿入孔4a、4bがそれぞれ設けられている。
【0028】
また、この連結上駒片15におけるほぼ対角線上に位置する個所には、図5(b)および図5(c)に示すように、複数の嵌合穴17がそれぞれピン挿入孔4a、4bに対して偏った位置で、かつピン挿入孔4a、4bに対して直交する状態で交差して設けられている。すなわち、複数の嵌合穴17は、連結上駒片15の下面から各ピン挿入孔4a、4bに向けて垂直に形成されている。
【0029】
この場合、複数の嵌合穴17は、図5(b)に示すように、その中心軸が各ピン挿入孔4a、4bの中心軸からずれた状態で、各ピン挿入孔4a、4bに交差するように形成されている。これにより、複数の嵌合穴17は、その一部が各ピン挿入孔4a、4bの各半分程度に食い込むように形成されている。また、これら複数の嵌合穴17は、連結上駒片15の上面に突き抜けないように形成されている。
【0030】
一方、連結下駒片16は、図6(a)〜図6(c)に示すように、その形状が連結駒4と同じ形状で、その厚みが連結上駒片15よりも薄く形成されている。この連結下駒片16の上面には、連結上駒片15の各嵌合穴17にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部18が上方に突出して形成されている。これら複数の嵌合突起部18は、それぞれ円柱状に形成されている。
【0031】
また、複数の嵌合突起部18の外周面には、図6(a)〜図6(c)に示すように、複数の係止凹部19が各ピン挿入孔4a、4bにそれぞれ対応して設けられている。すなわち、複数の係止凹部19は、半円形状の切欠き溝であり、図8および図9に示すように、複数の嵌合突起部18が連結上駒片15の各嵌合穴17にそれぞれ嵌合した際に、連結上駒片15の各ピン挿入孔4a、4bに対応するように構成されている。
【0032】
このため、これら複数の係止凹部19は、図8および図9に示すように、複数の嵌合突起部18が連結上駒片15の各嵌合穴17にそれぞれ嵌合した状態で、連結上駒片15の各ピン挿入孔4a、4bに連結ピン2が挿入された際に、この連結ピン2を係止するように構成されている。これにより、連結駒4は、連結上駒片15の各ピン挿入孔4a、4bに挿入された連結ピン2によって、連結上駒片15と連結下駒片16とが一体的に連結されて固定されるように構成されている。
【0033】
このように、連結駒4の連結固定部21は、図8および図9に示すように、連結上駒片15に設けられ、ピン挿入孔4a、4bに対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴17と、連結下駒片16に設けられて複数の嵌合穴17にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部18と、これら複数の嵌合突起部18におけるピン挿入孔4a、4bに対応する個所にそれぞれ設けられて連結ピン2を係止する複数の係止凹部19とで構成されている。
【0034】
次に、このような時計バンドの作用について説明する。
この時計バンドを組み立てる場合には、予め、バンド駒1の本体駒3と連結駒4とを個別に組み立てる。すなわち、本体駒3を組み立てる場合には、本体下駒片11に設けられた複数の嵌合突起部13を本体上駒片10に設けられた複数の嵌合穴12に下側から嵌め込む。
【0035】
これにより、本体下駒片11の各嵌合突起部13の係止凹部14が本体上駒片10のピン挿入孔3a、3bに対応した状態で、本体上駒片10の下面に本体下駒片11が組み付けられる。この状態では、本体下駒片11の各嵌合突起部13が本体上駒片10のピン挿入孔3a、3b内に突出することがなく、本体上駒片10のピン挿入孔3a、3bが貫通するため、連結ピン2がピン挿入孔3a、3bに挿入可能な状態になる。
【0036】
また、連結駒4を組み立てる場合には、連結下駒片16に設けられた複数の嵌合突起部18を連結上駒片15に設けられた複数の嵌合穴17に下側から嵌め込む。これにより、連結本体下駒片16の各嵌合突起部18の係止凹部19が連結上駒片15のピン挿入孔4a、4bに対応した状態で、連結上駒片15の下面に連結下駒片16が組み付けられる。この状態では、連結下駒片16の各嵌合突起部18が連結上駒片15のピン挿入孔4a、4b内に突出することがなく、連結上駒片15のピン挿入孔4a、4bが貫通するため、連結ピン2がピン挿入孔4a、4bに挿入可能な状態になる。
【0037】
そして、本体駒3と連結駒4とを連結する場合には、まず、連結駒4の各ピン挿入孔4a、4b内に抜止めパイプ9をそれぞれ挿入し、この連結駒4の一側部を本体駒3の一方の駒装着凹部7に配置する。このときには、本体駒3のピン挿入孔3aに連結駒4のピン挿入孔4aを同一軸上に対応させる。
【0038】
この状態で、連結ピン2を本体駒3の一方のピン挿入孔3aから連結駒4のピン挿入孔4aに挿入させる共に、抜止めパイプ9に挿入させて、本体駒3の他方のピン挿入孔3aに挿入させる。これにより、連結ピン2が抜止めパイプ9によって連結駒4のピン挿入孔4a内に固定されて抜け出することがなく、本体駒3と連結駒4とが連結される。
【0039】
このときには、本体駒3の本体下駒片11に設けられた各嵌合突起部13の各係止凹部14が本体上駒片10のピン挿入孔3aに対応しているので、これら各嵌合突起部13の各係止凹部14に連結ピン2が挿入して係止される。このため、本体下駒片11の各嵌合突起部13が本体上駒片10の各嵌合穴12内に連結ピン2によって固定されて、本体上駒片10の下面に本体下駒片11が固定される。
【0040】
また、このときには、連結駒4の連結本体下駒片16に設けられた各嵌合突起部18の各係止凹部19が連結上駒片15のピン挿入孔4aに対応しているので、これら各嵌合突起部18の各係止凹部19に連結ピン2が挿入して係止される。このため、連結下駒片16の各嵌合突起部18が連結上駒片15の各嵌合穴17内に連結ピン2によって固定されて、連結上駒片15の下面に連結下駒片16が固定される。
【0041】
そして、本体駒3に連結された連結駒4に他の本体駒3を連結する場合には、連結駒4の他側部を、これに隣接する他の本体駒3の他方の駒装着凹部8に配置本体駒3のピン挿入孔3bに連結駒4のピン挿入孔4bを同一軸上に対応させる。この状態で、連結ピン2を本体駒3の一方のピン挿入孔3bから連結駒4のピン挿入孔4bに挿入させる共に、抜止めパイプ9に挿入させて、本体駒3の他方のピン挿入孔3bに挿入させる。
【0042】
これにより、連結ピン2が抜止めパイプ9によって連結駒4のピン挿入孔4b内に固定されて抜け出することがなく、本体駒3と連結駒4とが連結される。このときにも、本体駒3の本体下駒片11に設けられた各嵌合突起部13の各係止凹部14が本体上駒片10のピン挿入孔3bに対応しているので、これら各嵌合突起部13の各係止凹部14に連結ピン2が挿入して係止される。このため、本体下駒片11の各嵌合突起部13が本体上駒片10の各嵌合穴12内に連結ピン2によって固定されて、本体上駒片10の下面に本体下駒片11が固定される。
【0043】
また、このときにも、連結駒4の連結本体下駒片16に設けられた各嵌合突起部18の各係止凹部19が連結上駒片15のピン挿入孔4bに対応しているので、これら各嵌合突起部18の各係止凹部19に連結ピン2が挿入して係止される。このため、連結下駒片16の各嵌合突起部18が連結上駒片15の各嵌合穴17内に連結ピン2によって固定されて、連結上駒片15の下面に連結下駒片16が固定される。このようにして、バンド駒1が順次連結されて、時計バンドが組み立てられる。
【0044】
このように、この時計バンドによれば、連結ピン2によって順次連結されるバンド駒1が本体駒3と連結駒4とを有し、これら本体駒3と連結駒4とは、連結ピン2が挿入するピン挿入孔3a、3b、4a、4bが設けられた本体上駒片10および連結上駒片15と、この本体上駒片10および連結上駒片15の下部に取り付けられる本体下駒片11および連結下駒片16とを有し、各上駒片10、15と各下駒片11、16とが、これらを連結ピン2によって連結する際に、その連結ピン2によって各上駒片10、15と各下駒片11、16とを連結して固定する各連結固定部20、21を備えているので、材質や色彩のバリエーションが豊富で、自由にバンド駒1の材質や色彩を選択して組み合わせることができる。
【0045】
すなわち、この時計バンドでは、バンド駒1同士を順次連結ピン2で連結する際に、各連結固定部20、21によって各上駒片10、15と各下駒片11、16とを確実に連結固定してバンド駒1の本体駒3と連結駒4とを形成することができるので、バンド駒1の本体駒3と連結駒4とを順次連結ピン2で連結する際に、各上駒片10、15の材質と各下駒片11、16の材質とを自由に選択することができ、これによりバンド駒1の本体駒3と連結駒4との材質および色彩を自由に組み合わせることができるので、材質や色彩のバリエーションが豊富になる。
【0046】
また、この時計バンドでは、バンド駒1の本体駒3が本体上駒片10と本体下駒片11とからなり、これら本体上駒片10と本体下駒片11とにバンド駒1の連結方向に位置する両側に駒装着部7、8が設けられており、連結駒4が連結上駒片15と連結下駒片16とからなり、これら連結上駒片15と連結下駒片16とが本体駒3の一方に位置する駒装着部7とこれに隣接する他の本体駒3の他方に位置する駒装着部8の間に配置される構成であるから、本体駒3の一方に位置する駒装着部7とこれに隣接する他の本体駒3の他方に位置する駒装着部8の間に連結駒4を配置させた状態で連結ピン2によって容易にかつ確実に連結することができる。
【0047】
この場合、本体駒3の連結固定部20は、本体上駒片10に設けられ、かつピン挿入孔3a、3bに偏った位置でピン挿入孔3a、3bに対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴12と、本体下駒片11に設けられて複数の嵌合穴12にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部13と、これら複数の嵌合突起部13におけるピン挿入孔3a、3bに対応する個所にそれぞれ設けられて連結ピン2を係止する複数の係止凹部14とを備えているので、本体駒3と連結駒4とを連結ピン2によって連結する際に、その連結ピン2を本体下駒片11の複数の係止凹部14で係止することができ、これにより本体上駒片10と本体下駒片11とを確実にかつ良好に固定することができる。
【0048】
また、連結駒4の連結固定部21は、連結上駒片15に設けられ、かつピン挿入孔4a、4bに偏った位置でピン挿入孔4a、4bに対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴17と、連結下駒片16に設けられて複数の嵌合穴17にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部18と、これら複数の嵌合突起部18におけるピン挿入孔4a、4bに対応する個所にそれぞれ設けられて連結ピン2を係止する複数の係止凹部19とを備えているので、本体駒3と連結駒4とを連結ピン2によって連結する際に、その連結ピン2を連結下駒片16の複数の係止凹部19で係止することができ、これにより連結上駒片15と連結下駒片16とを確実にかつ良好に固定することができる。
【0049】
この場合、本体駒3の本体上駒片10と連結駒4の連結上駒片15とは、それぞれステンレスなどの金属で形成され、本体駒3の本体下駒片11と連結駒4の連結下駒片16とは、それぞれウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂によって形成されていることにより、本体駒3と連結駒4とを上下で異なる材質で形成することができるので、デザイン的なバリエーションが豊富になり、デザイン的に好ましいものを提供することができる。
【0050】
例えば、本体駒3と連結駒4とを順次連結して時計バンドを構成し、この時計バンドを腕に取り付けて使用する際には、各上駒片10、15の金属によって金属調のデザインを表現することができる。これにより、高級感のあるものを提供することができるほか、各下駒片11、16の軟質の合成樹脂によって腕にフィットさせ易くすることができると共に、金属のような冷たさを腕に感じさせないようにすることができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、図10図16を参照して、この発明を時計バンドに適用した第2実施形態について説明する。なお、図1図9に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この時計バンドは、図10および図11に示すように、複数のバンド駒30を連結ピン2によって順次連結された構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
【0052】
バンド駒30は、図10図11および図14に示すように、その連結方向に位置する一側部に連結凸部31が設けられ、かつ他側部にこれに隣接する他のバンド駒30の連結凸部31が挿入する連結凹部32が設けられた構成になっている。これにより、このバンド駒30は、その連結凹部32にこれと隣接する他のバンド駒30の連結凸部31を挿入させた状態で連結ピン2によって連結されるように構成されている。
【0053】
また、このバンド駒30は、図11に示すように、ステンレスなどの金属からなる上駒片33と、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂からなる下駒片34とを有している。このバンド駒30は、バンド駒30同士を連結ピン2によって連結する際に、上駒片33と下駒片34とが連結ピン2によって上駒片33と下駒片34とを連結して固定する後述する連結固定部41を備えている。
【0054】
すなわち、上駒片33は、図12(a)〜図12(c)に示すように、その形状がバンド駒30と同じ形状で、その厚みがバンド駒30よりも薄く形成されている。この上駒片33における連結凸部31に対応する個所には、連結ピン2が挿入するピン挿入孔33aが設けられている。
【0055】
また、この上駒片33における連結凸部31に対応する個所には、図12(b)および図12(c)に示すように、複数の嵌合穴35がそれぞれピン挿入孔33aに対して偏った位置で、かつピン挿入孔33aに対して直交する状態で交差して設けられている。すなわち、複数の嵌合穴35は、上駒片33の下面からピン挿入孔33aに向けて垂直に形成されている。
【0056】
この場合、複数の嵌合穴35は、図12(b)に示すように、その中心軸がピン挿入孔33aの中心軸からずれた状態で、各ピン挿入孔33aに交差するように形成されている。これにより、複数の嵌合穴35は、その一部がピン挿入孔33aの各半分程度に食い込むように形成されている。また、これら複数の嵌合穴35は、上駒片33の上面に突き抜けないように形成されている。
【0057】
また、この上駒片33における連結凹部32の両側に位置する個所には、図12(b)および図12(c)に示すように、連結ピン2が挿入するピン挿入孔33bが設けられている。この上駒片33における連結凹部32の両側に位置する個所にも、複数の嵌合穴36がそれぞれピン挿入孔33bに対して偏った位置で、かつピン挿入孔33bに対して直交する状態で交差して設けられている。すなわち、複数の嵌合穴36は、上駒片33の下面からピン挿入孔33bに向けて垂直に形成されている。
【0058】
この場合、複数の嵌合穴36も、図12(b)に示すように、その中心軸が各ピン挿入孔33bの中心軸からずれた状態で、ピン挿入孔33bに交差するように形成されている。これにより、複数の嵌合穴36は、その一部がピン挿入孔33bの各半分程度に食い込むように形成されている。また、これら複数の嵌合穴36は、上駒片33の上面に突き抜けないように形成されている。
【0059】
一方、下駒片34は、図13(a)〜図13(c)に示すように、その形状がバンド駒30と同じ形状で、その厚みが上駒片33よりも薄く形成されている。この下駒片34における連結凸部31に対応する個所の上面には、上駒片33の各嵌合穴35にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部37が上方に突出して形成されている。これら複数の嵌合突起部37は、それぞれ円柱状に形成されている。
【0060】
また、複数の嵌合突起部37の外周面には、図13(b)に示すように、複数の係止凹部38がピン挿入孔33aにそれぞれ対応して設けられている。すなわち、複数の係止凹部38は、半円形状の切欠き溝であり、図15および図16に示すように、複数の嵌合突起部37が上駒片33の各嵌合穴35にそれぞれ嵌合した際に、上駒片33のピン挿入孔33aに対応するように構成されている。
【0061】
このため、これら複数の係止凹部38は、図15および図16に示すように、複数の嵌合突起部37が上駒片33の各嵌合穴35にそれぞれ嵌合した状態で、上駒片33のピン挿入孔33aに連結ピン2が挿入された際に、この連結ピン2を係止するように構成されている。これにより、バンド駒30の連結凸部31は、上駒片33のピン挿入孔33aに挿入された連結ピン2によって、上駒片33と下駒片34とが一体的に連結されて固定されるように構成されている。
【0062】
また、下駒片34における連結凹部32の両側に位置する個所には、図13(a)〜図13(c)に示すように、上駒片33の各嵌合穴36にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部39が上方に突出して形成されている。これら複数の嵌合突起部39は、それぞれ円柱状に形成されている。
【0063】
また、複数の嵌合突起部39の外周面には、図13(b)に示すように、複数の係止凹部40がピン挿入孔33bにそれぞれ対応して設けられている。すなわち、複数の係止凹部40は、半円形状の溝であり、図15および図16に示すように、複数の嵌合突起部39が上駒片33の各嵌合穴36にそれぞれ嵌合した際に、上駒片33のピン挿入孔33bに対応するように構成されている。
【0064】
このため、これら複数の係止凹部40は、図15および図16に示すように、複数の嵌合突起部39が上駒片33の各嵌合穴36にそれぞれ嵌合した状態で、上駒片33のピン挿入孔33bに連結ピン2が挿入された際に、この連結ピン2を係止するように構成されている。これにより、バンド駒30の連結凹部32は、上駒片33のピン挿入孔33bに挿入された連結ピン2によって、上駒片33と下駒片34とが一体的に連結されて固定されるように構成されている。
【0065】
このように、バンド駒30の連結固定部41は、図15および図16に示すように、上駒片33に設けられ、ピン挿入孔33a、33bに対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴35、36と、下駒片34に設けられて複数の嵌合穴35、36にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部37、39と、これら複数の嵌合突起部37、39におけるピン挿入孔33a、33bに対応する個所にそれぞれ設けられて連結ピン2を係止する複数の係止凹部38、40とで構成されている。
【0066】
次に、このような時計バンドの作用について説明する。
この時計バンドを組み立てる場合には、予め、バンド駒30の上駒片33と下駒片34とを重ね合わせてバンド駒30を組み立てる。このときには、下駒片34に設けられた複数の嵌合突起部37、39を上駒片33に設けられた複数の嵌合穴35、36に下側から嵌め込む。
【0067】
これにより、下駒片34の各嵌合突起部37、39の係止凹部38、40が上駒片33のピン挿入孔33a、33bに対応した状態で、上駒片33の下面に下駒片34が組み付けられる。この状態では、下駒片34の各嵌合突起部37、39が上駒片33のピン挿入孔33a、33b内に突出することがなく、上駒片33のピン挿入孔33a、33bが貫通するため、連結ピン2がピン挿入孔33a、33bに挿入可能な状態になる。
【0068】
そして、バンド駒30同士を連結する場合には、予め、複数のバンド駒30の各連結凸部31に設けられたピン挿入孔33a内に抜止めパイプ9をそれぞれ挿入する。この状態で、バンド駒30の連結凹部32に、これに隣接する他のバンド駒30の連結凸部31を配置する。このときには、バンド駒30の連結凹部32のピン挿入孔33bに他のバンド駒30の連結凸部31のピン挿入孔33aを同一軸上に対応させる。
【0069】
この状態で、連結ピン2をバンド駒30の連結凹部32のピン挿入孔33bから他のバンド駒30の連結凸部31のピン挿入孔33aに挿入させると共に、抜止めパイプ9に挿入させて、バンド駒30の連結凹部32のピン挿入孔33bに挿入させる。これにより、連結ピン2が抜止めパイプ9によって他のバンド駒30の連結凸部31のピン挿入孔33a内に固定されて抜け出することがなく、バンド駒30の連結凹部32と他のバンド駒30連結凸部31とが連結される。
【0070】
このときには、バンド駒30の下駒片34に設けられた各嵌合突起部37、39の各係止凹部38、40がバンド駒30の上駒片33の各ピン挿入孔33a、33bに対応しているので、これら各嵌合突起部37、39の各係止凹部38、40に連結ピン2が挿入して係止される。このため、下駒片34の各嵌合突起部37、39が上駒片33の各嵌合穴35、36内に連結ピン2によって固定されて、上駒片33の下面に下駒片34が固定される。このようにして、複数のバンド駒30が順次連結されて、時計バンドが組み立てられる。
【0071】
このように、この時計バンドによれば、連結ピン2によって順次連結されるバンド駒30が、上駒片33と下駒片34とを有し、上駒片33には連結ピン2が挿入するピン挿入孔33a、33bが設けられ、この上駒片33とこの下部に配置される下駒片34とは、バンド駒30同士を連結ピン2によって連結する際に、その連結ピン2によって上駒片33と下駒片34とを連結して固定する連結固定部41を備えていることにより、材質や色彩のバリエーションが豊富で、自由にバンド駒30の材質や色彩を選択して組み合わせることができる.
【0072】
すなわち、この時計バンドでは、バンド駒30同士を順次連結ピン2で連結する際に、連結固定部41によって上駒片33と下駒片34とを確実に連結固定してバンド駒30を形成することができるので、バンド駒30を順次連結ピン2で連結する際に、上駒片33の材質と下駒片34の材質とを自由に選択することができ、これによりバンド駒30の材質および色彩を自由に組み合わせることができるので、材質や色彩のバリエーションが豊富になる。
【0073】
この場合、バンド駒30は、その連結方向に位置する上駒片33と下駒片34との一側部に連結凸部31が設けられ、かつ上駒片33と下駒片34との他側部にこれに隣接する他のバンド駒30の連結凸部31が挿入する連結凹部32が設けられた構成であるから、バンド駒30の連結凹部32にこれと隣接する他のバンド駒30の連結凸部31を挿入させた状態で連結ピン2によって容易にかつ確実に連結することができ、これによりバンド駒30同士を連結することができると共に、バンド駒30の上駒片33と下駒片34とを確実にかつ強固に固定することができる。
【0074】
すなわち、バンド駒30の連結固定部41は、上駒片33に設けられ、ピン挿入孔33a、33bに偏った位置でピン挿入孔33a、33bに対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴35、36と、下駒片34に設けられて複数の嵌合穴35、36にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部37、39と、これら複数の嵌合突起部37、39におけるピン挿入孔33a、33bに対応する個所にそれぞれ設けられて連結ピン2を係止する複数の係止凹部38、40とを備えているので、バンド駒30同士を連結ピン2によって連結する際に、その連結ピン2を下駒片34の複数の係止凹部38、40で係止することができ、これにより上駒片33と下駒片34とを確実にかつ良好に固定することができる。
【0075】
この場合、バンド駒03の上駒片33は、ステンレスなどの金属で形成され、バンド駒30の下駒片34は、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂によって形成されていることにより、第1実施形態と同様、バンド駒30を異なる材質で形成することができるので、デザイン的なバリエーションが豊富になり、デザイン的に好ましいものを提供することができる。
【0076】
例えば、バンド駒30を順次連結して時計バンドを構成し、この時計バンドを腕に取り付けて使用する際には、第1実施形態と同様、上駒片33の金属によって金属調のデザインを表現することができる。これにより、高級感のあるものを提供することができるほか、各下駒片34の軟質の合成樹脂によって腕にフィットさせ易くすることができると共に、金属のような冷たさを腕に感じさせないようにすることができる。
【0077】
なお、上述した第1、第2の各実施形態では、下駒片11、16、34に複数の嵌合突起部13、18、37、39を同じ合成樹脂で一体に形成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図17(a)および図17(b)に示す第1変形例のように、複数の嵌合突起部45を金属で形成して下駒片46にインサート成型によって一体的に形成しても良く、また異なる合成樹脂または異なる色の合成樹脂で2色成型しても良い。この場合にも、各嵌合突起部45の外周面に連結ピン2を係止する係止凹部47を設ければ良い。
【0078】
また、上述した第1、第2の各実施形態およびその変形例では、下駒片11、16、34に設けられた複数の嵌合突起部13、18、37、39に、連結ピン2を係止する係止凹部14、19、38、40を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図18(a)および図18(b)に示す第2変形例のように、下駒片46に一体的に形成された各嵌合突起部48の中心に連結ピン2が挿入するピン係止孔49を設けた構成であっても良い。この場合には、上駒片(図示せず)に設けられたピン挿入孔の軸中心に対して嵌合穴の軸中心を一致させた状態で、上駒片にピン挿入孔および嵌合穴を形成すれば良い。
【0079】
さらに、上述した第1、第2の各実施形態およびその各変形例では、下駒片11、16、34に設けられた複数の嵌合突起部13、18、37、39が円柱状に形成されている場合について述べたが、これに限らず、例えば図19(a)および図19(b)に示す第3変形例のように、下駒片46に一体的に形成された嵌合突起部50を両端が円弧状の板状に形成された構成であっても良い。この場合にも、各嵌合突起部50の外周面に連結ピン2を係止する係止凹部51を設ければ良い。
【0080】
なおまた、第1、第2の各実施形態およびその各変形例では、時計バンドに適用した場合について述べたが、必ずしも時計バンドである必要はなく、腕に装着して使用するものであれば、腕装着型の脈拍計や血圧計などのバンド、あるいは腕輪などにも適用することができるほか、必ずしも腕に装着して使用するものである必要はなく、バンドとして使用できるものであれば、どのようなものにも適用することができる。
【0081】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0082】
(付記)
請求項1に記載の発明は、バンド駒同士を連結ピンによって順次連結してなるバンドにおいて、前記バンド駒は、前記連結ピンが挿入するピン挿入孔が前記バンド駒の連結方向に対して直交する方向に貫通して設けられた上駒片と、この上駒片の下部に取り付けられる下駒片とを有し、前記上駒片と前記下駒片とは、前記バンド駒同士を前記連結ピンによって連結する際に、当該連結ピンによって前記上駒片と前記下駒片とを連結して固定する連結固定部を備えていることを特徴とするバンドである。
【0083】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンドにおいて、前記連結固定部は、前記上駒片に設けられ、前記ピン挿入孔に対して直交する状態で交差する複数の嵌合穴と、前記下駒片に設けられて前記複数の嵌合穴にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部と、これら複数の嵌合突起部における前記ピン挿入孔に対応する個所にそれぞれ設けられて前記連結ピンを係止する複数の係止部とを備えていることを特徴とするバンドである。
【0084】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のバンドにおいて、前記複数の嵌合穴は、前記ピン挿入孔の軸中心に対して偏った位置で、前記ピン挿入孔に交差した状態で設けられており、前記複数の係止部は、前記連結ピンの一部が挿入する切欠き部であることを特徴とするバンドである。
【0085】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバンドにおいて、前記上駒片は金属で形成され、前記下駒片は合成樹脂で形成されていることを特徴とするバンドである。
【0086】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバンドにおいて、前記バンド駒は、その連結方向に位置する両側に駒装着部が設けられた本体駒と、この本体駒の一方に位置する駒装着部およびこれに隣接する他の本体駒の他方に位置する前記駒装着部の間に配置される連結駒とを有し、前記本体駒と前記連結駒とはそれぞれ前記上駒片と前記下駒片とからなり、前記本体駒と前記連結駒とが前記連結ピンによって順次連結されていることを特徴とするバンドである。
【0087】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバンドにおいて、前記バンド駒は、その連結方向に位置する前記上駒片と前記下駒片との一側部に連結凸部が設けられ、かつ前記上駒片と前記下駒片との他側部にこれに隣接する他の前記バンド駒の前記連結凸部が挿入する連結凹部が設けられ、前記連結凹部にこれと隣接する前記他のバンド駒の前記連結凸部を挿入させた状態で前記連結ピンによって連結されていることを特徴とするバンドである。
【符号の説明】
【0088】
1、30 バンド駒
2 連結ピン
3 本体駒
3a、3b ピン挿入孔
4 連結駒
4a、4b ピン挿入孔
10 本体上駒片
11 本体下駒片
12、17、35、36 嵌合穴
13、18、37、39、45、48、50 嵌合突起部
14、19、38、40、47、51 係止凹部
15 連結上駒片
16 連結下駒片
20、21、41 連結固定部
31 連結凸部
32 連結凹部
33 上駒片
33a、33b ピン挿入孔
34、46 下駒片
49 ピン係止孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19