(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行可能な台車と、該台車の前方部に俯仰旋回可能に連結されるブームと、該ブームの先端部に配設される穿孔装置とを備える作業機械に用いられる火薬装薬装置であって、
当該火薬装薬装置は、長尺な導火管の一端が接続された親ダイナマイトと、爆破力を増大させるための増しダイナマイトと、これらダイナマイトを収容する中空円筒部材と、前記親ダイナマイトおよび前記増しダイナマイトが発破孔から脱落することを防止する脱落防止部材と、が発破孔への装薬前に発破孔外で一体とされた火薬カートリッジを発破孔に装薬するものであり、
前記ブームの先端部に搭載されて自身前端面のカートリッジ装着部に前記火薬カートリッジが装着される装置本体と、該装置本体内を通過して前記火薬カートリッジを前記発破孔に向けて押圧して移動させるとともにその押圧力が自身に作用しても座屈しない剛性をもつ長尺な押し棒と、前記装置本体内に設けられて前記押し棒を前記発破孔に対して進退させる押し棒フィード機構と、前記穿孔装置の穿孔軸線に対して前記装置本体のフィード軸線を平行に維持しつつ前記穿孔装置と前記装置本体との前記発破孔の軸心に対する位置を交互に切り替える切替機構とを有することを特徴とする火薬装薬装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、装填ホースと押し棒のそれぞれに対してフィード機構が必要なので、火薬自動装填装置全体が大掛かりになりコストが嵩むという問題がある。また、火薬自動装填装置をさく孔装置とは別ブームに搭載しているので、更にコストが嵩む上、さく孔作業から装薬作業への切り替えの際に、発破孔との軸心合せの位置決めが難しく、さく孔作業から装薬作業への切り替え時間がかかるという問題がある。さらに、可撓性の押し棒であると、押し込み力が作用したときに押し棒が座屈するおそれがある。そのため、火薬装填時にホース内壁面に押し棒が引っ掛かって、装薬作業中に発破孔の途中で火薬が留まるおそれ(装薬の不確実性)があるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、装置を簡素化してコストを低減するとともに、発破孔のさく孔作業から装薬作業への切り替え時間が短く、更に、発破孔内の所期の位置に円滑かつ確実に火薬を装填することができる火薬装薬装置およびこれを備える作業機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る火薬装薬装置は、走行可能な台車と、該台車の前方部に俯仰旋回可能に連結されるブームと、該ブームの先端部に配設される穿孔装置とを備える作業機械に用いられる火薬装薬装置であって、当該火薬装薬装置は、長尺な導火管の一端が接続された親ダイナマイトと、爆破力を増大させるための増しダイナマイトと、これらダイナマイト
を収容する中空円筒部材と、前記親ダイナマイトおよび前記増しダイナマイトが発破孔から脱落することを防止する脱落防止部材と
、が
発破孔への装薬前に発破孔外で一体とされた火薬カートリッジを発破孔に装薬するものであり、前記ブームの先端部に搭載されて自身前端面のカートリッジ装着部に前記火薬カートリッジが装着される装置本体と、該装置本体内を通過して前記火薬カートリッジを前記発破孔に向けて押圧して移動させるとともにその押圧力が自身に作用しても座屈しない剛性をもつ長尺な押し棒と、前記装置本体内に設けられて前記押し棒を前記発破孔に対して進退させる押し棒フィード機構と、前記穿孔装置の穿孔軸線に対して前記装置本体のフィード軸線を平行に維持しつつ前記穿孔装置と前記装置本体との前記発破孔の軸心に対する位置を交互に切り替える切替機構とを有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る作業機械は、走行可能な台車と、該台車の前方部に俯仰旋回可能に連結されたブームと、該ブームの先端部に配設される穿孔装置とを備える作業機械であって、本発明の一態様に係る火薬装薬装置が装備されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、火薬装填装置とさく孔装置とが一つのブームに搭載され、穿孔装置の穿孔軸線に対して火薬装薬装置の装置本体のフィード軸線を平行に維持しつつ穿孔装置と装置本体との発破孔の軸心に対する位置を交互に切り替える切替機構を有するので、穿孔装置で発破孔を穿孔後、その状態のブーム姿勢を維持したまま、火薬装薬装置側に切替機構を切り替えて火薬装薬装置を移動し、火薬カートリッジの先端部を、発破孔内に挿入するように火薬装薬装置を位置決めすることができる。したがって、火薬装薬装置を位置決めする際の、発破孔との軸心合せの位置決め作業が容易化され、発破孔のさく孔作業から装薬作業への切り替え時間を短縮することができる。
【0009】
そして、本発明によれば、火薬装薬装置は、装置本体前端面に、親ダイナマイト、増しダイナマイトおよび脱落防止部材を予め一つのカートリッジとした火薬カートリッジが装着され、押し棒フィード機構を前進駆動させて、火薬カートリッジを長尺な押し棒で発破孔に向けて押圧して移動させることができるので、火薬装薬装置を位置決め後、押し棒を前進させて発破孔の内部に火薬カートリッジを自動的に装薬することができる。したがって、上述の特許文献1記載の技術と比べて、装填ホースによる装薬時のガイドが不要となり、また、そのためのフィード機構が不要となるので、装置を簡素化してコストを低減することができる。
【0010】
また、本発明によれば、火薬を装填時の押し込み力が自身に作用しても座屈しない高剛性押し棒を用いているので、押し込み力が作用したときの押し棒の座屈が防止または抑制される。そのため、可撓性押し棒を用いる場合と比べて、発破孔内の所期の位置に円滑かつ確実に火薬を装填することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この作業機械1は、駆動用パワーユニットが搭載され、有線のリモコンによる操作に応じて走行可能な台車2を有する。なお、本実施形態では、リモコンにより遠隔操作が可能な例であるが、オペレータが台車2に搭乗して操作することもできる。
台車2の前端部にはブーム3が装備されている。ブーム3は、その先端にブームロータリ装置3aを有し、複数のアクチュエータにより所定角度の旋回、起伏、伸縮作動が可能になっている。ブーム3の先端(ブームロータリ装置3aの上部)には長尺な架台9が傾動可能に設けられ、この架台9の先端側にはフートパット9aが装着されている。架台9上には、後述する切替機構16を介して長尺なガイドシェル4が支持されている。ガイドシェル4には穿孔装置6が搭載されており、ブーム3の俯仰旋回作動により、穿孔装置6を発破孔の穿孔予定位置に対向配置可能になっている。
【0013】
穿孔装置6は、穿孔時にガイドシェル4上をフィードされる、公知技術が採用されてなる油圧式のドリフタ5を有する。ドリフタ5には、ガイドシェル4の長手方向に沿って延びる穿孔用ロッド7が、その基端側を回転可能に装着されている。さらに、穿孔用ロッド7の先端には、発破孔を穿孔するビット8が装着されている。穿孔装置6は、穿孔用ロッド7を回転させつつガイドシェル4上でドリフタ5を岩盤側に向けてフィードすることにより、穿孔用ロッド7先端のビット8により所望の発破孔を穿孔可能になっている。
【0014】
ここで、上記ガイドシェル4には、更に、火薬装薬装置10が穿孔装置6と併設して搭載されている。火薬装薬装置10は、
図2に示すように、装置本体11を備え、この装置本体11は、自身前端面に、火薬カートリッジCが装着される円筒状のカートリッジ装着部12を有する。
カートリッジ装着部12は、
図3に示すように、縦割に二分割されており(同図(a)参照)、分割された一方の側が、蝶番12bを軸にして側方に開閉可能とされており、カートリッジ装着部12内に、火薬カートリッジCを収容可能になっている。なお、同図(a)に、カートリッジ装着部12を開いた状態のイメージを二点鎖線で示している。
【0015】
また、カートリッジ装着部12は、軸方向の先端と後端のそれぞれに、火薬カートリッジCの落下防止用のラバー12aが装着されている。この落下防止用のラバー12aは、中心部分に押し棒14を挿通可能な円形の開口部12cが設けられるとともに、この開口部12cを中心として放射状に形成されて周方向に離隔した複数の切欠きによって区分された複数の舌片部12dを有する。複数の舌片部12dは、火薬カートリッジCが発破孔前方側に向かって押圧されていないときには、ゴムの弾性力により火薬カートリッジCを保持し、火薬カートリッジCが発破孔前方側に向かって押圧されたときには、中心の開口部12cが広がるように複数の舌片部12dが発破孔前方側に向かって弾性変形し、開口部12cからの火薬カートリッジCの移動を許容するようになっている。
【0016】
火薬カートリッジCは、
図3(b)に示すように、親ダイナマイトDM1
と、増しダイナマイトDM2
と、
これらを収容可能な内径を有し、岩盤に穿孔された発破孔より小さい外径を有する筒状の中空円筒部材
と、を一体に備える。火薬カートリッジC
の中空円筒部材内には、先ず、長尺な導火管の一端が接続された筒状の親ダイナマイトDM1が発破孔側に装薬され、次いで、爆破力を増大させるための筒状の増しダイナマイトDM2が装薬される。
【0017】
ここで、本実施形態の例では、火薬カートリッジCは、その先端および後端にプラスチック製の逆止羽根Ca、Cbが脱落防止部材として装着されている。各逆止羽根Ca、Cbは、周方向に離隔して放射状に延びる複数枚の羽根Chをそれぞれ有する。各羽根Chは、発破孔前方側を基端部とし、その基端部から後方の末端部に向かって径方向に広がるように斜めに突出して形成されている。これにより、火薬カートリッジCが発破孔前方側に向かって押圧されるときには、各逆止羽根Ca、Cbは、押圧の抵抗とならないように複数枚の羽根Chが径方向内側に弾性変形する一方、火薬カートリッジCが発破孔後方側に引き出される力が作用したときには、複数枚の羽根Chが径方向外側に開くように弾性変形して火薬カートリッジCが発破孔から脱落することを防止するようになっている。なお、本実施形態では、火薬カートリッジCの先端および後端に逆止羽根Ca、Cbを装着した例を示したが、少なくとも火薬カートリッジCの後端に逆止羽根Cbを装着することでも脱落防止部材としての作用効果が得られる。
【0018】
また、この火薬装薬装置10は、
図2に示すように、上記装置本体11内を通過して火薬カートリッジCを発破孔に向けて押圧して移動させる長尺な押し棒14を有する。この押し棒14は、火薬カートリッジCの外径程度の外径に設定された長尺な円筒部材であり、火薬カートリッジCを発破孔に向けて押圧する押圧力が自身に作用しても座屈しない剛性を有している。また、装置本体11内には、押し棒14の送り出しおよび引き戻しを制御する押し棒フィード機構13が内蔵されている。この押し棒フィード機構13は、装置本体11に内蔵されており、高剛性の押し棒14を発破孔に対して前進若しくは後退可能に構成されている。
【0019】
詳しくは、この押し棒フィード機構13は、
図4に要部を示すように、装置本体11内に、所定距離離間して対向配置されて押し棒14の外周を挟み込む一対の移送ローラ13a,13bを二対有している。そして、以下不図示の、油圧により正逆転可能なモータおよび減速装置を有し、モータの正回転駆動により減速装置が正転すると、押し棒14の外周が一対の移送ローラ13a,13bによって挟持されつつ発破孔に向けて所定長さだけ送り出され、また、モータの逆回転駆動により減速装置が逆転すると、押し棒14が逆方向に回転する一対の移送ローラ13a,13bによって発破孔側から引き戻されるようになっている。この押し棒フィード機構13は、油圧式のモータに減速装置が連結され、この減速装置を介して移送ローラ13a,13bが回転する構成なので、押し棒14の移動速度が低く設定される。これにより、火薬カートリッジCを発破孔まで低速度で移送できる。そのため、火薬カートリッジCと発破孔内壁との摺動摩擦熱の発生を防止できるとともに、発破孔内への挿入速度を低下させることができる。なお、装置本体11の後方には、押し棒14の軸方向に沿って導火管保護パイプ18が設けられており、装薬作業時等において、導火管が保護されるようになっている。
【0020】
さらに、この火薬装薬装置10は、
図2に示すように、上記切替機構16を備えている。この切替機構16は、穿孔装置6に対して装置本体11の軸線(押し棒フィード機構13のフィード軸線)を平行に維持しつつ穿孔装置6と装置本体11との発破孔の軸心に対する位置を交互に切り換えるようスライド移動させるものである。
詳しくは、この切替機構16は、上記架台9とガイドシェル4の下面間に配置された2本のガイドフレーム16aおよびガイドレール16cを有する。上記装置本体11は、ガイドシェル4のほぼ中央から側方に張り出して設けられたベース板16bの上面に固定されている。2本のガイドフレーム16aは、ガイドシェル4の軸方向とは直交する方向に沿って且つガイドシェル4の軸方向に離隔して配設されるとともにガイドシェル4側に固定されている。2本のガイドレール16cは、架台9の上面にそれぞれ装着されている。各ガイドフレーム16aには、不図示のスライド案内面が形成されており、このスライド案内面に沿ってスライド移動可能にガイドレール16cのスライド案内溝16dが嵌め込まれている。さらに、この切替機構16は、油圧によって伸縮駆動される2本の切替シリンダ17を有する。2本の切替シリンダ17は、各ガイドフレーム16aそれぞれに対して配置され、この切替シリンダ17のチューブ側17aが、架台9側に連結されるとともに、切替シリンダ17のロッド側17bが、各ガイドフレーム16a側に連結されている。
【0021】
そして、この切替機構16の上方に、火薬カートリッジCが装着された上記装置本体11が位置している。これにより、2本の切替シリンダ17を同時に伸長または縮小させることにより、穿孔装置6の穿孔軸線に対して装置本体11のフィード軸線を平行に維持しつつ、穿孔装置6と装置本体11の位置を交互に切り換えるよう、ガイドシェル4の軸方向とは直交する方向に所定距離だけスライド移動可能になっている。なお、
図2に符号Mで示す矢印は、穿孔装置6と装置本体11の位置を交互に切り換えるよう、スライド移動するイメージを示している。
【0022】
次に、上記作業機械1による発破孔の穿孔、火薬装薬等の一連の作業、および作用効果について説明する。
上記作業機械にて作業を行う際は、切羽に作業機械1を近付ける前に、火薬カートリッジCを火薬装薬装置10のカートリッジ装着部12内に予めセットしておく。次に、作業機械1の台車2を、発破孔を穿孔したい位置に移動し、ガイドシェル4の軸線に対して発破孔を穿孔装置6側に切替えるように切替機構16の切替シリンダ17を稼動させる。これにより、
図5に示すように、発破孔を穿孔したい軸線CLに対し、ガイドシェル4の位置が穿孔装置6側に切替えられるので、穿孔装置6のドリフタ5を稼動させて、発破孔を穿孔したい位置に穿孔を行うことができる。
【0023】
穿孔を行う際は、まず、ブーム3を使用して穿孔装置6側に位置しているガイドシェル4を、発破孔を開けたい所望の位置に移動させて設置する。次いで、所望の位置へのガイドシェル4の設置が完了したらドリフタ5を前進駆動させて岩盤を所定深さまで穿孔して発破孔を穿孔する。なお、
図5(b)に符号Fで示す矢印は、ドリフタ5を前進駆動させているイメージを示している。
【0024】
次いで、発破孔を穿孔後、
図6に示すように、ドリフタ5を後退駆動させた後に、その状態のブーム3の姿勢を維持したまま、切替機構16を作動させて火薬装薬装置10側に発破孔の軸線CLの位置を切り替える。これにより、切替シリンダ17を稼動させて、火薬装薬装置10を、発破孔を穿孔済みの軸線CLに合わせてスライド移動して、火薬カートリッジCの先端部を、発破孔内に挿入可能な位置に火薬装薬装置10を位置決めする。なお、
図6(b)に符号Rで示す矢印は、ドリフタ5を後退駆動させているイメージを示し、同図(a)に符号Sで示す矢印は、切替機構16を火薬装薬装置10側スライド移動させているイメージを示している。
【0025】
次いで、
図7に示すように、火薬装薬装置10の装置本体11に内蔵している一対の移送ローラ13a,13bを駆動して高剛性の押し棒14を軸方向に沿ってフィードし、予めカートリッジ装着部12内にセットしておいた火薬カートリッジCをカートリッジ装着部12から切り離して発破孔内に詰め込むことにより装薬する。なお、
図7(b)に符号Pで示す矢印は、押し棒14を軸方向に沿ってフィードし火薬カートリッジCをカートリッジ装着部12から切り離して発破孔内に詰め込むイメージを示している。
【0026】
次いで、発破孔への火薬カートリッジCの装薬が完了したら作業機械1を退避させ、装薬した親ダイナマイトに雷管を結線して発破する。発破が完了したら鉱石を運び出し、次の発破孔の穿孔位置に作業機械1の台車2を移動して上記一連の作業を繰り返す。
このように、この作業機械1によれば、穿孔装置6と火薬装薬装置10の装置本体11とを一つのブーム3の先端部に設けるとともに、穿孔装置6と装置本体11の軸線を、切替機構16によって発破孔の軸線CLの位置に切り替え可能なので、穿孔から発破までの一連の作業を切羽に人間が近づくことなく安全且つ効率良く行うことができる。そのため、岩盤が不安定な状態である穿孔後の切羽に人間が近づくことなく発破までの一連の作業を安全且つ効率良く行いつつ、落盤の危険を回避することができる。
【0027】
特に、この切替機構16は、穿孔装置6の穿孔軸線に対して装置本体11のフィード軸線を平行に維持しつつ穿孔装置6と装置本体11との発破孔の軸線CLに対する位置を交互に切り替えるので、ブーム3を移動することなく、一台の作業機械1により穿孔作業、装薬作業をそれぞれ容易に実施可能である。よって、火薬自動装填装置をさく孔装置とは別ブームに搭載している装置と比べて、火薬装薬装置10を位置決めする際の、発破孔に対する軸心合せの位置決め作業が容易化され、さく孔作業から装薬作業への切り替え時間を短縮することができる。
【0028】
また、この作業機械1によれば、火薬カートリッジCを用い、親ダイナマイトおよび増しダイナマイトを予めひとつカートリッジとし、この火薬カートリッジCを押し棒14で押し込むので、上述の特許文献1記載の技術と比べて、装填ホースによる装薬時のガイドが不要となり、また、そのためのフィード機構が不要となるので、装置を簡素化してコストを低減することができる。
【0029】
そして、この火薬装薬装置10の装置本体11は、自身先端部のカートリッジ装着部12に火薬カートリッジCを保持するとともに押し捧14を前後進自在に駆動する送り機構である押し棒フィード機構13を内蔵しているので、カートリッジ装着部12に火薬カートリッジCをセットした状態で、押し棒フィード機構13を前進駆動させることにより、押し棒14が装置本体11内を通過して火薬カートリッジCの端部まで移動して、火薬カートリッジCを発破孔に自動的に装薬することができる。したがって、発破孔への火薬カートリッジCの装薬作業を自動的に行うことができるため、安全性が向上するとともに大幅な省力化が図られる。
【0030】
特に、この火薬装薬装置10によれば、火薬を装填時の押し込み力が自身軸方向に作用しても座屈しない高剛性の押し棒14を用いているので、押し込み力が軸方向に作用したときの押し棒14の座屈が防止または抑制される。そのため、可撓性押し棒を用いる場合と比べて、発破孔内の所期の位置に円滑かつ確実に火薬を装填することができる。
また、この押し棒フィード機構13は、回転モータを正方向駆動させることにより、押し棒14を挟持している移送ローラ13a,13bが正回転してカートリッジ装着部12に向けて押し棒14が移動し、また、回転モータを逆方向駆動させることにより、移送ローラ13a,13bが逆回転して押し棒14が引き戻される構成なので、簡単な構造で自動的に押し棒14の送り出しおよび引き戻し動作を行うことができる。
【0031】
また、この押し棒フィード機構13によれば、回転モータと移送ローラ13a,13bとの間に減速装置が備えられ、押し棒14の移動速度が低く設定されているので、低速度で火薬カートリッジCを発破孔まで移送する上で好適であり、発破孔内への挿入速度を低下させ、火薬カートリッジCと発破孔内壁における摺動摩擦熱の発生を防止する構成として好ましい。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の火薬装薬装置10を備える作業機械1によれば、カートリッジ式の爆薬を用いて、火薬カートリッジCの機械装薬を可能とするとともに、一本のブーム3にて発破孔の穿孔作業および火薬カートリッジの装薬作業を安全且つ効率良く行うとともに、装置を簡素化してコストを低減することができる。
特に、既存のブームやさく孔用のガイドシェルに対しても火薬装薬装置を装着できるので汎用性が高く、そのため、火薬カートリッジCを装薬するための火薬装薬装置を搭載可能な台車が限定されない。よって、汎用性の高い火薬装薬装置およびこれを備える作業機械を安価に提供することができ、例えば特許文献1に記載の従来の火薬装薬装置と比べて格段に設備コストを抑制することができる。
【0033】
なお、本発明に係る火薬装薬装置およびこれを備える作業機械は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、切替機構16は、穿孔装置6と装置本体11相互の軸線の位置を交互に切り替えるようスライド移動させる例で説明したが、本発明に係る火薬装薬装置の切替機構は、これに限定されない。つまり、穿孔装置の穿孔軸線に対して火薬装薬装置の装置本体のフィード軸線を平行に維持しつつ穿孔装置と装置本体相互の軸線の位置を交互に切り替え可能であれば、例えば、穿孔装置6と装置本体11相互の軸線の位置を交互に切り替えるよう回動させることができる。
【0034】
なおまた、上記実施形態では、(火薬装薬装置の)装置本体11がガイドシェル4に付設され、切替機構16のスライド移動で軸心位置を切り替える例を示したが、これに限らず、穿孔装置と装置本体相互の軸線の位置を交互に切り替え可能にブームの先端部に搭載されていれば、装置本体11をガイドシェル4以外の場所に設置してもよい。
また、例えば上記実施形態では、火薬カートリッジCに、ダイナマイトが発破孔から脱落することを防止する脱落防止部材として、プラスチック製の逆止羽根を装着した例で説明したが、これに限らず、脱落防止部材として、加圧によって変形して閉塞する粘土(いわゆるアンコ)を用いてもよい。