特許第6233715号(P6233715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233715
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ベルトプレスのろ布折り装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/12 20060101AFI20171113BHJP
   B01D 33/04 20060101ALI20171113BHJP
   B30B 9/24 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   C02F11/12 DZAB
   B01D33/04 D
   B30B9/24 M
   B30B9/24 F
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-206058(P2014-206058)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-73929(P2016-73929A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】溝渕 勝信
(72)【発明者】
【氏名】石丸 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】片山 雅義
【審査官】 菊地 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭46−010038(JP,B1)
【文献】 実開昭61−172696(JP,U)
【文献】 特開昭49−125403(JP,A)
【文献】 特開昭51−019177(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0104267(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00
B01D 33/04
B30B 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状の一枚のろ布(3)を複数のローラー(2…)に走行自在に掛け回したベルトプレス(1)において、
ろ布(3)を下方へ押圧してU型の底部を形成させる押圧ローラー(11)と、
押圧ローラー(11)の両側方でろ布(3)の幅方向両端を折り曲げてU型の両側面を形成するガイドローラー(12)と、
U型に折り曲がったろ布(3)の幅方向両端を重ね合わせるように汚泥供給側に折り曲げる複数のガイド棒(13)と、
ガイド棒(13)の下流側に1以上のガイド輪(24)と、を有し、
ガイド輪(24)は、ろ布(3)下方から側方に沿ってろ布(3)上方まで延設した回転軸(25)と、
回転軸(25)に軸着した複数の回転体(26)とで構成した
ことを特徴とするベルトプレスのろ布折り装置。
【請求項2】
前記押圧ローラー(11)の下流側、且つガイド棒(13)の上流側に、汚泥を供給するホッパー(4)を配設したことを特徴とする請求項1に記載のベルトプレスのろ布折り装置。
【請求項3】
前記ガイド棒(13)は、ろ布(3)の側方からろ布(3)上方に向かって延設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルトプレスのろ布折り装置。
【請求項4】
前記ろ布(3)下方の回転軸(25)には、ろ布(3)の幅と同等幅の回転体(26)を軸着した
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のベルトプレスのろ布折り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、走行自在に掛け回した無端状の一枚のろ布を、幅方向に折り返すことによってろ過空間を形成するベルトプレスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二枚の無端状のろ布を複数のローラーで走行自在に掛け回し、二枚のろ布で挟み込んだ汚泥を、ろ布の張力と加圧ローラーによる圧搾力によって脱水するベルトプレスが用いられている。
その他、特許文献1には、無端状の一枚のろ布を、ろ布の進行方向に対して垂直に二つ折り状に保持し、二つ折りした部分に汚泥を供給して加圧ローラーで脱水するベルトプレスが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、諸味を圧搾する装置で、三つ折りにしたろ布に諸味を包んで圧搾する諸味揚槽方法が開示されている。
同様に、特許文献3には、諸味を三つ折りにしたろ布で包んで圧搾する装置で、ろ布を三つ折りに畳む装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−50197号公報
【特許文献2】特公昭46−28152号公報
【特許文献3】特公昭46−22557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の二枚のろ布を用いたベルトプレスや、特許文献1に開示されたベルトプレスの脱水部においては、汚泥の含水率が高い、又は供給量が多い、高圧力を加えて圧搾した場合などに、汚泥の一部が縦方向及び横方向に逃げる。ここで縦方向とはろ布の進行方向を示し、横方向とはろ布のろ過面上で、進行方向に対し直角方向(幅方向)を示す。
【0006】
従来の無端状のろ布を用いるベルトプレスは、二枚のろ布を上下に重ねる、又は一枚のろ布を二つ折りにし、ろ布の間にろ過空間を形成している。このようにろ過空間を形成した場合、ろ過空間を形成するろ布は、外部からの押圧により変形したろ過空間の長手方向の両端又は一端で、常に断裂し不連続となっている。従って、ろ布の合わせ面が内部からの圧力で容易に開放する。
よって、脱水時に外部から圧力を掛け、ろ過空間の汚泥が横方向へ逃げた場合に、サイドリークが発生し汚泥がろ布の端部からはみ出す恐れがあった。
これらのことからベルトプレスは、圧搾の圧力に制限されることが多く、脱水ケーキ含水率等で他の脱水機に劣ることもしばしばあった。
【0007】
また、特許文献2、特許文献3には、諸味を三つ折りにしたろ布に包んで圧搾する技術が開示されているが、三つ折りにしたろ布をさらに畳んで積み重ね、プレスすることで圧搾する装置となっており、連続的にろ布を折り、圧搾するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
無端状の一枚のろ布を複数のローラーに走行自在に掛け回したベルトプレスにおいて、ろ布を下方へ押圧してU型の底部を形成させる押圧ローラーと、押圧ローラーの両側方でろ布の幅方向両端を折り曲げてU型の両側面を形成するガイドローラーと、U型に折り曲がったろ布の幅方向両端を重ね合わせるように汚泥供給側に折り曲げる複数のガイド棒と、ガイド棒の下流側に1以上のガイド輪と、を有し、ガイド輪は、ろ布下方から側方に沿ってろ布上方まで延設した回転軸と、回転軸に軸着した複数の回転体とで構成したことで、無端状の一枚のろ布を滑らかに折り返し、ろ過空間を形成しながらろ布を走行させることができ、ガイド輪でろ過空間の側面を支持し、ろ過空間上方ではろ布の展開を防止している。
【0009】
前記押圧ローラーの下流側、且つガイド棒の上流側に、汚泥を供給するホッパーを配設したことで、U型のろ布に供給した汚泥は外部へ流出することがない。
【0010】
前記ガイド棒は、ろ布の側方からろ布上方に向かって水平に延設したことで、U型のろ布の両側端部を汚泥供給側へ折り返すことができる。
【0012】
前記ろ布下方の回転軸には、ろ布の幅と同等幅の回転体を軸着したことで、ろ過空間を下方から支持し、下方への撓みを防止する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の折り装置を用いることで、無端状の一枚のろ布を滑らかに折り返し、ろ過空間を形成しながらろ布を走行させることができる。ろ布を折りながらろ過空間に汚泥を供給し、無端状に掛け回したろ布を走行させることで、連続的な脱水が行える。また、折り装置はろ布を折る位置を容易に決定でき、様々なろ布の折り方に対応できる。
【0014】
本発明の折装置を用いたベルトプレスはろ過空間の両側方端部を、ろ布を折り返すことでろ過空間を形成しているため、サイドリークを発生させない。折り返したろ布同士を重ねることでろ過空間を形成し、シールとするため、重なり合ったろ布のシールは、外部からの押圧を加えることでより強固なものとなる。サイドリークが発生しないことから、汚泥の供給量を増やすことや、より強い圧力で脱水することが可能となる。
また、ろ過室をシールするための特別な機器を必要としない。さらに、無端状のろ布を走行させながら脱水を行うため、連続的に脱水を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るベルトプレスの概略側面図である。
図2】同じく、折り装置で折られたろ布の概略図である。
図3】同じく、折り装置で折られたその他のろ布の概略図である。
図4】同じく、ろ布の折り装置の平面図である。
図5】同じく、ろ布の折り装置の側面図である。
図6】同じく、折り装置のガイド輪の断面図である。
図7】同じく、展開ローラーに巻き掛けたろ布の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、走行自在に掛け回した無端状の一枚のろ布を折り返してろ過空間を形成し、ろ過空間に汚泥を供給して脱水を行うベルトプレスである。
図1は本発明に係るベルトプレスの概略側面図である。
本発明のベルトプレス1は、複数のローラー2…と、該複数のローラー2…に掛け回して走行自在とした無端状の一枚のろ布3と、ろ布3上に汚泥を供給するホッパー4と、ろ布3の幅方向の両側方から汚泥供給側にろ布3を折り返し、折り返したろ布3を重ね合わせてろ過空間5を形成する折り装置6と、折り返したろ布3を巻き掛けるせん断ロール7と、折り返したろ布3を展開する展開ローラー8と、を備える。
【0017】
複数のローラー2…に掛け回された無端状の一枚のろ布3は、折り装置6により幅方向の両端が折り返される。無端状のろ布3が汚泥を受け入れるよう、折り装置6はろ布3の両端を進行方向(縦方向)に折りながら汚泥をホッパー4より供給する。従って、折り返す過程で、ろ布3両端を折り、ろ布3断面がU型となったところでろ布3上に汚泥を供給する。折り装置6によりろ布3を折り返し、ろ布3両端を重ね合わせることでろ過空間5を形成し、供給された汚泥がろ布3で包まれる。ろ過空間5に汚泥を供給したろ布3はせん断ロール7に巻き掛けることで汚泥を脱水する。脱水後、展開ローラー8により折られたろ布3を展開し、脱水ケーキは剥離装置により排出される。
【0018】
図2は本発明に係る折り装置で折られたろ布の概略図である。
図2(a)に示す無端状のろ布3は、幅方向の両側端から1/3幅の箇所を、何れもろ布3進行方向に延びかつ汚泥供給側に折り返す折り部9a、9bとする。まず、前記1/3幅の箇所の一方の折り部9aで1/3幅の部分(折り面10a)が内側に折り返され、次いで前記1/3幅の箇所の他方の折り部9bで1/3幅の部分(折り面10b)が内側に折り返される。従って、ろ布3は折り面10a、10bがそれぞれ内側で重なるように折り返されて三つ折りとなり、三つ折りの内部にろ過空間5を形成する。
【0019】
ろ布3を折り返すことで、圧力により変形するろ過空間5の長手方向の両端をろ布3の折り部9a、9bで形成するため、三つ折りのろ布3で形成したろ過空間5の両端は断裂しておらず、サイドリークが発生しない。
また、折り返したろ布3の折り面10a、10bが重なり、ろ過空間5をシールする。外部から加圧することで、折り面10a、10bの重なり部分のシールの強度は大きくなるため、折り面10a、10bの重なり部分から汚泥が漏れ出ることはない。
本発明の実施例では三つ折りのろ布3を用いているが、他の折り方でも本発明の効果が得られる。
【0020】
図2(b)に示す無端状のろ布3は、幅方向の両側から1/4幅よりやや中央側の箇所を、何れも汚泥供給側に折り返す折り部9a、9bとしている。まず前記1/4幅よりやや中央側の折り部9aから折り面10aが内側に折り返され、次いで前記1/4幅よりやや中央側の折り部9bから他方の折り面10bが内側に折り返される。折り部9a、9bは、両側から1/4幅よりやや中央側の箇所を折り返しているため、折り返した際には折り面10a、10bがそれぞれ重なり、内部にろ過空間5を形成する。
【0021】
なお、折り返したろ布3の両端が重なれば本発明の作用効果が得られることから、一方を1/4幅の箇所で内側に折り、他方を1/4幅の箇所よりやや中央側の箇所で内側に折る事でも本発明の作用効果を得られる。従って、少なくともいずれか一方の折り部9a、9bを1/4幅の箇所よりやや中央側とすればよい。また、折り面10a、10bの重なり部で、ろ布両端のどちらを上下にするかは問わない。
【0022】
ろ布3を折り返すことで、圧力により変形するろ過空間5の長手方向の両端をろ布3の折り部9a、9bで形成しており、ろ過空間5の両端は断裂していないため、サイドリークが発生しない。
また、折り返したろ布3の折り面10a、10bが重なり、ろ過空間5をシールする。外部から加圧することで、折り面10a、10bの重なり部分のシールの強度は大きくなるため、折り面10a、10bの重なり部分から汚泥が漏れ出ることはない。三つ折りに比べ、折り面10a、10bの重なる面積が小さいため、有効ろ過面積を広くとることができる。
【0023】
上述するように、無端状のろ布3は幅方向の両側端を、両側端から1/4幅を超え、1/3幅以下の箇所を折り返すことで、ろ過空間5を形成することが出来る。
【0024】
図3は本発明に係る折り装置で折られたその他のろ布概略図である。
図2に示すろ布の他、図3(a)に示すように、無端状のろ布3の、幅方向中央を折り部9aとして折り面10aを折り返し、さらにろ布3両端を重ねて折り部9bから折り面10bを折り返すことで、内部にろ過空間5を形成することも可能である。
【0025】
また、図3(b)のように、ろ布3の幅方向両端で、ろ布3の一方を、幅方向の一端から1/3幅以上、1/2幅未満の箇所を折り部9aとして折り面10aを折り返し、ろ布3の他方を、幅方向の他端から1/4幅以下の箇所を折り部9bとして折り面10bを折り返しても、ろ布3の折り面10a、10bが重なるように折り返せばろ過空間5を形成することができる。
【0026】
上述するように、本発明のろ布3の折り方には多様な形態が考えられ、何れも、無端状の一枚のろ布3を、幅方向の両端を汚泥供給側に折り返し、ろ布3の折り面10a、10bを重ね合わせることでろ過空間5を形成する。無端状のろ布3は、外部からの圧力で変形するろ過空間5の長手方向の両端を、ろ布3の折り部9a、9bで形成することで、サイドリークの発生を防いでいる。そして、折り返した無端状のろ布3の折り面10a、10bは、互いに一部が重なることでろ過空間5のシールの役割を果たす。シール性を高くするためには、ろ布3折り面10a、10bの重なる面積を増やせばよい。また、ろ布3折り面10a、10bの重なる箇所をさらに折り返すことでもシール性は向上する。
【実施例】
【0027】
本願発明のろ布3の折り装置6は、複数のガイドを配設することで、走行するろ布3を折り曲げる。本実施例ではろ布3を三つ折りにする折り装置6を用いる。
【0028】
図4は、本発明に係るろ布の折り装置の平面図である。
図5は、本発明に係るろ布の折り装置の側面図である。
図4、5に示すように、本発明の折り装置6は、ろ布3をU型に折り曲げる押圧ローラー11とガイドローラー12、ろ布3を水平に案内するガイド棒13a、13bで構成されている。また、U型に折り曲げられたろ布3内へ汚泥を供給できる位置にホッパー4を配設している。
【0029】
折り装置6で折り曲げられるろ布3は、汚泥が漏れ出ないように押圧ローラー11によってU型に形成されている。押圧ローラー11の幅はろ布3の折り返し幅と等しく、押圧ローラー11でろ布3上面中央部を下方に押圧してろ布3をU型に形成する。従って、押圧ローラー11はU型の底部を形成させる。
本実施例の押圧ローラー11は一対のローラーを支柱の下端両側面に軸着して配設している。
また同時に、ろ布3の両端は、押圧ローラー11の両側面に垂直に配設されたガイドローラー12によって折り曲げられ、U型の側面が形成される。押圧ローラー11の下流側では汚泥を供給するためのホッパー4が走行するろ布3に向かって垂下されており、連続して汚泥を供給する。
【0030】
前記ガイドローラー12に沿って両側面が垂直となったろ布3は、ホッパー4の配設位置より下流側の、水平に固定された複数のガイド棒13によって汚泥供給側に折り曲げられる。
一方の垂直になったろ布3側端部をガイド棒13aの底部で汚泥供給側に折り曲がるよう案内する。また、ガイド棒13aからろ布3下方に向けて分岐したガイド棒13a’の上部で、汚泥が供給されたろ布3が撓まないよう支持している。このように、ろ布3はガイド棒13a、13a’に挟持されるように案内される。
ガイド棒13aの下流側に、一方の垂直になったろ布3(一方の折り面10a)が水平に折り曲がるよう案内するガイド棒13a”を配設する。ガイド棒13a”は、ろ布3の一端縁まで水平に案内できるだけの長さを備える。
このようにガイド棒13a、13a’、13a”を配設することで、ろ布3の一方の折り面10aは滑らかに折り曲げられる。
【0031】
他方の垂直になったろ布3(他方の折り面10b)は、外側に傾倒しないよう、U型のろ布3側端部に沿って垂直に配設されたガイド棒13bで支持する。
ガイド棒13bの下流側には、ろ布3の他端を汚泥供給側に折り曲がるよう、ガイド棒13b’を水平に配設する。
【0032】
上記ガイド棒13a、13a’、13a”、13b、13b’の下流側には、折り曲げたろ布3の両端を水平に案内し、且つ幅方向に支持するガイド輪24を配設してもよい。
図6は、本発明に係る折り装置のガイド輪の断面図である。
ガイド輪24は、回転軸25と、回転軸25に軸着した複数の回転体26とで構成される。回転軸25は、ろ布3の下方からろ布3の一端に沿うように配設され、ろ布3の上方まで延設する。
【0033】
図4、5に示すように、ガイド輪24aは、ろ布3の折り部9aが形成するろ過空間5の一方側面を支持し、ろ過空間5上方ではろ布3両端の重なりが開かないようにろ布3両端を覆っている。
ガイド輪24bは、ろ布3の折り部9bが形成するろ過空間5の他方側面を支持し、ろ過空間5上方ではろ布3両端の重なりが開かないようにろ布3両端を覆っている。
なお、図6のように、ろ布3の底部では、ろ布3の幅と同等の幅を有する回転体26a、26bを用いることで、汚泥を包んだろ布3が下方へ撓むことを防いでもよい。
【0034】
このような折り装置6でろ布3を案内することで、ろ布3が走行しながら三つ折りとなり、汚泥を内部に包み込む。
上述する折り装置6はろ布3の三つ折りだけでなく、複数のガイドを適切に配設することで、多様なろ布3の折り方に対応できる。
【0035】
図1に示すように、折り装置6によって汚泥を包んだろ布3は、せん断ロール7に巻き掛けることで汚泥を脱水している。せん断ロール7はろ布3を巻き掛けて走行させることで、ろ過空間5内の汚泥に面圧を加え、更に内側を走行するろ布3と外側を走行するろ布3の走行速度の差からせん断力を与えて脱水する。せん断ロール7だけでなく、加圧ベルトや加圧ロールにより、外部からの高圧力を加えることで脱水も可能である。ろ布3が三つ折りでサイドリークを防止しているため、加圧は高圧となってもサイドリークを発生させることはない。
【0036】
図7は、本発明に係る展開ローラーに巻き掛けたろ布の平面図である。
複数のせん断ロール7に巻き掛けられたろ布3は、展開ローラー8にて三つ折りとなったろ布3が展開され、剥離装置によって脱水ケーキが排出される。三つ折りになったろ布3を展開して展開ローラー8に巻き掛けて走行させることで、三つ折りになっていたろ布3がせん断ロール7から展開ローラー8の間で自然に展開する。
高圧で脱水した脱水ケーキは剥離性が良いため、剥離装置として配設した剥離ローラーにろ布3を巻き掛けること等で、脱水ケーキを容易に剥離できる。本実施例では、展開ローラー8を剥離ローラーとして用いている。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のベルトプレスは、無端状の一枚のろ布を折り返してろ過空間を形成するための折り装置を備えるため、ろ布を滑らかに折ることができる。ろ過空間は両端を折り面で形成しているため、サイドリークが発生しない。そのため、従来ではサイドリークが原因で実施できないような高圧の脱水をも行うことが可能となる。本発明は、ろ布を折り返してろ過空間を形成する様々な形態のベルトプレスに用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ベルトプレス
2 ローラー
3 ろ布
4 ホッパー
6 折り装置
11 押圧ローラー
12 ガイドローラー
13a、13b ガイド棒
24 ガイド輪
25 回転軸
26 回転体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7