【実施例】
【0027】
本願発明のろ布3の折り装置6は、複数のガイドを配設することで、走行するろ布3を折り曲げる。本実施例ではろ布3を三つ折りにする折り装置6を用いる。
【0028】
図4は、本発明に係るろ布の折り装置の平面図である。
図5は、本発明に係るろ布の折り装置の側面図である。
図4、5に示すように、本発明の折り装置6は、ろ布3をU型に折り曲げる押圧ローラー11とガイドローラー12、ろ布3を水平に案内するガイド棒13a、13bで構成されている。また、U型に折り曲げられたろ布3内へ汚泥を供給できる位置にホッパー4を配設している。
【0029】
折り装置6で折り曲げられるろ布3は、汚泥が漏れ出ないように押圧ローラー11によってU型に形成されている。押圧ローラー11の幅はろ布3の折り返し幅と等しく、押圧ローラー11でろ布3上面中央部を下方に押圧してろ布3をU型に形成する。従って、押圧ローラー11はU型の底部を形成させる。
本実施例の押圧ローラー11は一対のローラーを支柱の下端両側面に軸着して配設している。
また同時に、ろ布3の両端は、押圧ローラー11の両側面に垂直に配設されたガイドローラー12によって折り曲げられ、U型の側面が形成される。押圧ローラー11の下流側では汚泥を供給するためのホッパー4が走行するろ布3に向かって垂下されており、連続して汚泥を供給する。
【0030】
前記ガイドローラー12に沿って両側面が垂直となったろ布3は、ホッパー4の配設位置より下流側の、水平に固定された複数のガイド棒13によって汚泥供給側に折り曲げられる。
一方の垂直になったろ布3側端部をガイド棒13aの底部で汚泥供給側に折り曲がるよう案内する。また、ガイド棒13aからろ布3下方に向けて分岐したガイド棒13a’の上部で、汚泥が供給されたろ布3が撓まないよう支持している。このように、ろ布3はガイド棒13a、13a’に挟持されるように案内される。
ガイド棒13aの下流側に、一方の垂直になったろ布3(一方の折り面10a)が水平に折り曲がるよう案内するガイド棒13a”を配設する。ガイド棒13a”は、ろ布3の一端縁まで水平に案内できるだけの長さを備える。
このようにガイド棒13a、13a’、13a”を配設することで、ろ布3の一方の折り面10aは滑らかに折り曲げられる。
【0031】
他方の垂直になったろ布3(他方の折り面10b)は、外側に傾倒しないよう、U型のろ布3側端部に沿って垂直に配設されたガイド棒13bで支持する。
ガイド棒13bの下流側には、ろ布3の他端を汚泥供給側に折り曲がるよう、ガイド棒13b’を水平に配設する。
【0032】
上記ガイド棒13a、13a’、13a”、13b、13b’の下流側には、折り曲げたろ布3の両端を水平に案内し、且つ幅方向に支持するガイド輪24を配設してもよい。
図6は、本発明に係る折り装置のガイド輪の断面図である。
ガイド輪24は、回転軸25と、回転軸25に軸着した複数の回転体26とで構成される。回転軸25は、ろ布3の下方からろ布3の一端に沿うように配設され、ろ布3の上方まで延設する。
【0033】
図4、5に示すように、ガイド輪24aは、ろ布3の折り部9aが形成するろ過空間5の一方側面を支持し、ろ過空間5上方ではろ布3両端の重なりが開かないようにろ布3両端を覆っている。
ガイド輪24bは、ろ布3の折り部9bが形成するろ過空間5の他方側面を支持し、ろ過空間5上方ではろ布3両端の重なりが開かないようにろ布3両端を覆っている。
なお、
図6のように、ろ布3の底部では、ろ布3の幅と同等の幅を有する回転体26a、26bを用いることで、汚泥を包んだろ布3が下方へ撓むことを防いでもよい。
【0034】
このような折り装置6でろ布3を案内することで、ろ布3が走行しながら三つ折りとなり、汚泥を内部に包み込む。
上述する折り装置6はろ布3の三つ折りだけでなく、複数のガイドを適切に配設することで、多様なろ布3の折り方に対応できる。
【0035】
図1に示すように、折り装置6によって汚泥を包んだろ布3は、せん断ロール7に巻き掛けることで汚泥を脱水している。せん断ロール7はろ布3を巻き掛けて走行させることで、ろ過空間5内の汚泥に面圧を加え、更に内側を走行するろ布3と外側を走行するろ布3の走行速度の差からせん断力を与えて脱水する。せん断ロール7だけでなく、加圧ベルトや加圧ロールにより、外部からの高圧力を加えることで脱水も可能である。ろ布3が三つ折りでサイドリークを防止しているため、加圧は高圧となってもサイドリークを発生させることはない。
【0036】
図7は、本発明に係る展開ローラーに巻き掛けたろ布の平面図である。
複数のせん断ロール7に巻き掛けられたろ布3は、展開ローラー8にて三つ折りとなったろ布3が展開され、剥離装置によって脱水ケーキが排出される。三つ折りになったろ布3を展開して展開ローラー8に巻き掛けて走行させることで、三つ折りになっていたろ布3がせん断ロール7から展開ローラー8の間で自然に展開する。
高圧で脱水した脱水ケーキは剥離性が良いため、剥離装置として配設した剥離ローラーにろ布3を巻き掛けること等で、脱水ケーキを容易に剥離できる。本実施例では、展開ローラー8を剥離ローラーとして用いている。