(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233761
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】嵌め込み型光源の実装構造
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20171113BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20171113BHJP
F16B 3/04 20060101ALI20171113BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20171113BHJP
【FI】
F21V19/00 450
F21V19/00 411
F21V19/00 150
H01L33/00 H
F16B3/04
F21Y115:10
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-559983(P2016-559983)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2017-527065(P2017-527065A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】CN2015000333
(87)【国際公開番号】WO2016179722
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2016年11月30日
(31)【優先権主張番号】201510233763.5
(32)【優先日】2015年5月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516290472
【氏名又は名称】李峰
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李峰
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0268729(US,A1)
【文献】
特開2014−211988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F16B 3/04
H01L 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌め込み型光源の実装構造であって、該構造が光源パネル、光源ベースプレート、プリント基板、ドリルロッドを含み、このうち該光源パネル、プリント基板、光源ベースプレートを重ねて接着し、一体に組み立て、ドリルロッドを光源パネルおよび光源ベースプレートの継ぎ目部分に挿入し、光源パネルおよび光源ベースプレートを嵌入係止することを特徴とする実装構造。
【請求項2】
該光源ベースプレートの光源パネルに面する一面に段状溝が設けられ、第1段状溝が光源パネルに対応し、該第1段状溝の大きさ、形状および深さが、光源パネルの大きさ、形状および厚さに対応し、該第1段状溝の中央に第2段状溝が設けられ、該第2段状溝の大きさ、形状および深さが、プリント基板の大きさ、形状および厚さに対応することを特徴とする、請求項1に記載の嵌め込み型光源の実装構造。
【請求項3】
該プリント基板が該光源ベースプレートの第2段状溝内に嵌め込み、装着され、該光源パネルが該光源ベースプレートの第1段状溝内に嵌め込んで装着されることを特徴とする、請求項2に記載の嵌め込み型光源の実装構造。
【請求項4】
該光源パネルの側面が第1段状溝の内壁に接触し、1本の継ぎ目が形成され、該継ぎ目部分に嵌入型係止溝が設けられ、光源パネルの側面と第1段状溝の内壁とに、それぞれ半分の係止溝が設けられ、2つの側面が接着して完全な嵌入型係止溝を構成し、ドリルロッドを両者の間の嵌入型係止溝内に挿入して、光源パネルおよび光源ベースプレートを係止することを特徴とする、請求項3に記載の嵌め込み型光源の実装構造。
【請求項5】
該嵌入型係止溝の断面が円形であり、該ドリルロッドの断面が円形であり、ドリルロッドの直径が、嵌入型係止溝の円形断面の直径と適応することを特徴とする、請求項4に記載の嵌め込み型光源の実装構造。
【請求項6】
該ドリルロッドおよび該嵌入型係止溝が締り嵌めされることを特徴とする、請求項5に記載の嵌め込み型光源の実装構造。
【請求項7】
嵌め込み型光源の実装構造であって、該構造が光源パネル、光源ベースプレート、プリント基板、ドリルロッドを含み、このうち光源パネル、プリント基板、光源ベースプレートを重ねて接着し、一体に組み立て、光源ベースプレートにくぼみが設けられ、該光源ベースプレートの一端にランプアダプタを有し、プリント基板および光源パネルが光源ベースプレートのくぼみ内に装着され、光源ベースプレートの導線引出端の両端に、それぞれ固定構造が設けられ、このうち各固定構造がドリルロッド挿入溝および1本のドリルロッドを含み、ドリルロッド挿入溝が、相互に接着する光源パネルおよび光源ベースプレートからなり、ドリルロッドを両者の継ぎ目部分に形成されるドリルロッド挿入溝に挿入する、実装構造。
【請求項8】
該ドリルロッド挿入溝の断面が円形であり、該ドリルロッドの断面が円形であり、該ドリルロッドおよび該ドリルロッド挿入溝が締り嵌めされることを特徴とする、請求項7に記載の嵌め込み型光源の実装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED照明の分野に関し、特にLED照明光源の実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の係る光源の実装構造は、既存の実装構造を大幅に改良したものである。既存のLED照明の実装構造は、一般にレンズ、発光ダイオード、プリント基板、リードフレーム、放熱器、後面カバーなどを含む。各部材は接着、係止、ネジ固定などの方式により取り付け、固定され、構造は複雑である。多重位置合わせ、定位、固定過程が関与し、人の手作業による加工を必要とし、取付が複雑で、効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上の状況に対して、嵌め込み型光源の実装構造を示している。実装部材の構造を簡略化することを基にして、取付、固定工程を簡略化することにより、製品の外観を簡潔にする。実装構造は分解されにくく、より良好に光源を保護することができる。部材の加工が簡単であり、実装構造を部材化し、組立が簡単であり、コストを節約する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の係る嵌め込み型光源の実装構造において、該構造は光源パネル、光源ベースプレート、プリント基板、ドリルロッドを含み、このうち光源パネル、プリント基板、光源ベースプレートを重ねて接着し、一体に組み立てる。ドリルロッドを光源パネルおよび光源ベースプレートの継ぎ目部分に挿入し、光源パネルおよび光源ベースプレートを嵌入係止する。
【0005】
該光源ベースプレートの光源パネルに面する一面に、段状溝が設けられる。第1段状溝は光源パネルに対応し、該第1段状溝の大きさ、形状および深さは、光源パネルの大きさ、形状および厚さに対応する。該第1段状溝の中央に第2段状溝が設けられ、該第2段状溝の大きさ、形状および深さは、プリント基板の大きさ、形状および厚さに対応する。
【0006】
該プリント基板は、該光源ベースプレートの第2段状溝内に嵌め込み、装着される。該光源パネルは、該光源ベースプレートの第1段状溝内に嵌め込んで装着される。
【0007】
該光源パネルの側面は第1段状溝の内壁と接触し、1本の継ぎ目が形成され、該継ぎ目部分に嵌入型係止溝が設けられる。光源パネルの側面と第1段状溝の内壁とに、それぞれ半分の係止溝が設けられ、2つの側面が接着して完全な嵌入型係止溝を構成する。ドリルロッドを両者の間の嵌入型係止溝内に挿入して、光源パネルおよび光源ベースプレートを係止する。
【0008】
該嵌入型係止溝の断面は円形であり、該ドリルロッドの断面は円形である。ドリルロッドの直径は、嵌入型係止溝の円形断面の直径と適応する。
【0009】
該ドリルロッドおよび該嵌入型係止溝は、締り嵌めされる。
【0010】
嵌め込み型光源の実装構造において、該構造は光源パネル、光源ベースプレート、プリント基板、ドリルロッドを含み、このうち光源パネル、プリント基板、光源ベースプレートを重ねて接着し、一体に組み立てる。光源ベースプレートにくぼみが設けられ、該光源ベースプレートの一端に導線引出端を有し、プリント基板および光源パネルは光源ベースプレートのくぼみ内に装着される。光源ベースプレートの導線引出端の両側に、それぞれ固定構造が設けられ、このうち各固定構造はドリルロッド挿入溝および1本のドリルロッドを含む。ドリルロッド挿入溝は、相互に接続する光源パネルおよび光源ベースプレートからなり、ドリルロッドを両者の継ぎ目部分に形成されるドリルロッド挿入溝に挿入する。
【0011】
該ドリルロッド挿入溝の断面は円形であり、該ドリルロッドの断面は円形である。ドリルロッドの直径は、ドリルロッド挿入溝の円形断面の直径と適応する。
【0012】
該ドリルロッドおよび該ドリルロッド挿入溝は、締り嵌めされる。
【0013】
本発明の嵌め込み型光源の実装構造は、ドリルロッドを嵌め込むことを採用して固定、組立を行う。ドリルロッドを実装構造の内部に嵌め込むことにより、製品の外観を簡潔にする。ボルト、ナットの接続、リベット接続および溶接、割ピンなどによる固定の煩雑さを避けることにより、実装構造は分解されにくく、堅固であり、より良好に光源を保護することができる。部材の加工が簡単であり、生産コストを節約する。実装構造を部材化し、組立が簡単であり、コストを節約する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1における嵌め込み型光源の実装構造の概要図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1の断面構造の概要図である。
【
図3】
図3は、本発明の嵌め込み型光源の実装構造における光源ベースプレートの構造概要図である。
【
図4】
図4は、本発明の嵌め込み型光源の実装構造における光源パネルの構造概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の図および具体的実施方式を組み合わせて、本発明の嵌め込み型光源の実装構造について、さらに詳細に説明する。
【0016】
図1を参照されたい。
図1は、嵌め込み型光源の実装構造を示している。該構造は、光源パネル10、光源ベースプレート20、プリント基板30、ドリルロッド40を含み、このうち光源パネル10、プリント基板30、光源ベースプレート20を重ねて接着し、一体に組み立てる。光源ベースプレートは、プリント基板30および光源パネル10を定位、収容する作用を示し、プリント基板30は、発光部材であるいくつかのLED発光チップが固定設置され、光源パネルは集光、放熱作用を示す構造部材であり、これらは順番に組み立てられる。ドリルロッドを光源パネルおよび光源ベースプレートの継ぎ目部分に挿入して、光源パネルおよび光源ベースプレートを嵌入係止し、組立を完成する。
【0017】
図3に基づくと、該光源ベースプレート20の光源パネル10に面する一面に、段状溝が設けられることがわかる。段状溝の作用は、プリント基板30および光源パネル10を収容し、あるべき位置に限定することである。段状溝は第1段状溝21および第2段状溝22を含み、第1段状溝21の大きさ、形状および深さは、光源パネル10の大きさ、形状および厚さに対応し、光源パネル10を入れるのに適している。該第1段状溝21の中央に第2段状溝22が設けられ、該第2段状溝22の大きさ、形状および深さは、プリント基板30の大きさ、形状および厚さに対応する。すなわち、第2段状溝の底面から光源ベースプレート20の表面までの実際の深さは、プリント基板30の厚さ、光源パネル10の厚さ、両者の間に存在する一定の間隔の和である。
【0018】
光源ベースプレートに予め準備したプリント基板30を装着するのに適した第2段状溝22は、プリント基板30のための空間および間隔を保持している。このように、光源パネルをプリント基板30上に取り付けるとき、プリント基板30を押さえることはなく、チップを保護している。
【0019】
実際に取り付けるとき、プリント基板30を第2段状溝22に対応させて配置し、その後、その上面カバーに光源パネル10を取り付け、光源パネルを光源ベースプレートの第1段状溝21内に嵌め込んで装着する。最後に、光源パネル10および光源ベースプレート20を固定、係止すればよい。
【0020】
図2に基づくと、該光源パネル10の側面は第1段状溝21の内壁と接触し、1本の継ぎ目が形成され、該継ぎ目部分に嵌入型係止溝50が設けられる。光源パネルの側面と第1段状溝の内壁とに、それぞれ半分の係止溝11、211が設けられ、2つの側面が接着して完全な嵌入型係止溝50を構成する。ドリルロッド40を両者の間の嵌入型係止溝50内に挿入して、光源パネル10および光源ベースプレート20を係止する。
【0021】
実施例1において、該嵌入型係止溝50の断面が円形の場合、光源パネルの側面および第1段状溝の内壁に、半円溝を加工すればよい。該ドリルロッド40の断面は円形であり、ドリルロッド40の直径は嵌入型係止溝の円形断面の直径と適応する。工業的加工において、半円溝の加工は簡単で、組み立てやすく、加工コストを節約する。さらにドリルロッド40を嵌入型係止溝50内に挿入する組立作業も比較的簡単であり、加工効率が高い。
【0022】
よりさらに説明すると、製品の組合せをより安定、堅固にするため、該ドリルロッド40および該嵌入型係止溝50の嵌め合いを、締り嵌めにする。
【0023】
実施例2
本発明の係る嵌め込み型光源の実装構造について、より詳細に説明する。この嵌め込み型光源の実装構造は、パネルの形式が矩形であるLED光源の実装構造に、より適応する。この矩形のパネルは、必然的に一辺をランプアダプタが位置する辺として設計するため、ランプアダプタが位置する辺と隣接する2つの辺を、嵌め込み、固定する構造の部位とする。該嵌め込み型光源の実装構造において、該構造は光源パネル10、光源ベースプレート20、プリント基板30、ドリルロッド40を含み、このうち光源パネル10、プリント基板30、光源ベースプレート20を重ねて接着し、一体に組み立てる。光源ベースプレートにくぼみが設けられ、該光源ベースプレートの一端にランプアダプタを有する。プリント基板および光源パネルは光源ベースプレートのくぼみ内に装着され、光源ベースプレートのランプアダプタの両側に、それぞれ固定構造が設けられる。ランプアダプタの両側に固定構造を設計することによって、ランプアダプタが必然的に有する導線に対して干渉および影響が生じるのを防ぐことができ、また対称な両側の固定は、特に光源パネル全体を光源ベースプレートのくぼみ内に嵌め込んで配置させた状況においては、実装の確実性および安定性を保証することができる。
【0024】
該固定構造について、各部分の固定構造は、いずれも1つのドリルロッド挿入溝および1つのドリルロッドを含む。ドリルロッド挿入溝は、相互に接着する光源パネルおよび光源ベースプレートからなり、光源パネルは光源ベースプレートのくぼみ内に嵌め込んで装着される。光源パネルの側面は光源ベースプレートの側壁と接着し、この相互に接着する2つの壁面はそれぞれ半溝を有し、2つの半溝を合わせて固定構造のドリルロッド挿入溝を構成する。ドリルロッドを両者の継ぎ目部分に形成されるドリルロッド挿入溝に挿入し、嵌め込んで係止し、光源パネルおよび光源ベースプレートを固定する。
【0025】
該ドリルロッド挿入溝の断面は円形であり、該ドリルロッドの断面は円形である。該ドリルロッドおよび該ドリルロッド挿入溝は、締り嵌めされる。
【0026】
ドリルロッドを嵌め込むことを採用して固定、組立を行う。ドリルロッドを実装構造の内部に嵌め込むことにより、製品の外観を簡潔にする。ボルト、ナットの接続、リベット接続および溶接、割ピンなどによる固定の煩雑さを避けることにより、実装構造は分解されにくく、堅固であり、より良好に光源を保護することができる。部材の加工が簡単であり、生産コストを節約する。実装構造を部材化し、組立は簡単であり、コストを節約する。
【0027】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明に対してどのような形式でも制限を行わない。本発明は、好ましい実施例により上記のように開示したが、本発明を限定するものではない。当業者は本発明の技術案を逸脱しない範囲内で、上記に示した技術内容を利用して、同等に変化した同等の実施例に変更または修飾することができるが、いずれも本発明の技術案の内容を逸脱しない。本発明に基づく技術とは、以上の記載に対して行った簡単な修正、同等の変化および修飾を指し、いずれも本発明の技術案の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0028】
10 光源パネル
11 半分の係止溝
20 光源ベースプレート
21 第1段状溝
211 半分の係止溝
22 第2段状溝
30 プリント基板
40 ドリルロッド
50 嵌入型係止溝