(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隣接する前記第1突出部同士は、それぞれ尾根部を介して、平面視、前記の異なる方向のそれぞれに対して斜め方向に連続して連なり、前記第1突出部と前記第2突出部とが壁部で一体化され、隣接する前記第1突出部同士を繋ぐ尾根部は、該尾根部が圧せられた圧着部を有する請求項1に記載の不織布。
前記壁部は、前記第1方向と前記第2方向とで定義される面方向のいずれの箇所においても、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ方向に沿った繊維配向性を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の不織布。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態について、
図1から
図5を参照しながら、以下に説明する。まず、本発明の不織布の基本形態について、
図1および
図2を参照して説明する。
本発明の不織布10は例えば生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁パッドなどの吸収性物品の表面シートに適用することが好ましく、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用い、第2面側Z2を物品内部の吸収体(図示せず)側に配置して用いることが好ましい。以下、図面に示した不織布10の第1面側Z1を着用者の肌面に向けて用いる実施態様を考慮して説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
【0010】
図1および
図2に示すように、本発明の不織布10の基本形態は、連続した凹凸曲面を形成したもので、継ぎ目のないシート面を形成している。すなわち、シート体の不織布を平面視した第1面側Z1に突出し内部空間11Kを有する第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出し内部空間12Kを有する第2突出部12とを有している。これらの第1突出部11、第2突出部12は、不織布10の例えば全面にわたって平面視交差する異なる方向として、第1方向(X方向)と第2方向(Y方向)のそれぞれに交互に連続して配されている。本実施形態では、第1方向と第2方向とは直交しているが、直交していなくともよく、例えば60°から120°程度の範囲で交差していてもよい。
上記第1面側Z1からみた凸部が第1突出部11であり、凹部が第2突出部12となる。また、第2面側Z2からみた凸部が第2突出部12であり、凹部が第1突出部11となる。したがって、第1突出部11と第2突出部12とは一部が共有されている。
【0011】
上記のようにして面内の第1方向及び第2方向にそれぞれ延び配列された第1突出部1と第2突出部2とは、面状に矛盾無く連続し、不織布10を構成している。ここで、矛盾無く連続するとは、特定の形状部分が連なって面状になるとき、屈折したり不連続になったりせず、緩やかな曲面で全体が連続した状態になることをいう。なお、上記第1突出部と第2突出部との配列形態は上記に限定されず、矛盾無く連続しうる配列で配置しうる形態であればよく、例えば、第1突出部を中心に6角形の頂点に6つの第2突出部が配置し、そのパターンが面内に広がる配列であってもよい。なお、この場合、第2突出部の数が第1突出部の数を上回るため、第2突出部同士が隣接する状態が生じるが、全体において連続したシート状態が構成される限りにおいて、このような形態の配列も第1突出部と第2突出部とが「交互」に配列したという意味に含まれる。
【0012】
第1突出部11と第2突出部12とには明確な境界はないが、本明細書においては、第1突出部11と第2突出部12の内部空間12Kとをそれぞれが有する空間を基準に次のように定義する。すなわち、第1突出部11は、内部空間11Kとこれを覆う第1面側Z1の不織布10の第1面側Z1に突出した部分である。不織布10の第1面側Z1に突出した部分は、第1突出部頂部11Tから壁部13(14)を介して周囲の内部空間12Kの底部までを繋いだ部分である。また内部空間12Kを含む第2突出部12は、内部空間12Kとこれを覆う第2面側Z2の不織布10の第2面側Z2に突出した部分である。不織布10の第2面側Z2に窪んだ部分は、内部空間12Kの底部から壁部13(14)を介して周囲の第1突出部頂部11Tまでを繋いだ部分である。第1突出部頂部11Tと内部空間12Kの底部との間は、第1突出部11と第2突出部12とで共有されており、2つの内部空間11Kおよび内部空間12Kを仕切るのが壁部13(14)となっている。
さらに第1突出部11、第2突出部12、壁部13を明確にするために、不織布10の厚み方向の高さを3等分して、上部を第1突出部11、中間部を壁部13(14)、下部を第2突出部12と定義する。また、隣接する第1突出部11同士を連続させる第1面側Z1方向で最も高い位置を繋ぐ部分が尾根部であるが、第1突出部11と尾根部15とでみた場合に、第1突出部頂部11Tと尾根部15の最も低い位置とを第1面側Z1方向で2等分した下部を尾根部15とする。
【0013】
そして隣接する第1突出部11同士は、平面視、尾根部15を介して、第1方向、第2方向に対して斜め方向に連続して連なっている。言い換えれば、第1突出部11は第1方向および第2方向に対して斜め方向に、尾根部15を介して山脈ように連なっている。斜め方向とは、第1方向および第2方向が直交している場合、それぞれの方向に対して例えば45°斜め方向である。さらに隣接する第2突出部12同士は、第2面側Z2からみて尾根部15を介して前記第1方向および第2方向に対して第1突出部11と同様に斜め方向に連続して連なっている。
【0014】
第1突出部11の厚み方向の高さh1(図示せず)は、尾根部15の厚み方向の高さh5(図示せず)より高くなっている。各高さh1、h5は、第2突出部頂部12の頂点12Tに接する平面(図示せず)に対して垂直方向の高さをいい、尾根部15の高さは、第1突出部11間の尾根部15の最も低い部位の高さをいう。このように第1突出部11の厚み方向の高さh1が尾根部15の高さh5より高いことから、第1突出部11で四方を囲まれる第2突出部12の内部空間12Kに液を溜めて、隣接する第2突出部12の内部空間12K方向に尾根部15を乗り越えて液が流れる。この場合、尾根部15の下部も液が流れるが、第1面側Z1に漏れることはない。
【0015】
壁部13を構成する繊維は、第1方向と第2方向とで定義される面方向のいずれの箇所においても、第1突出部11と第2突出部12とを結ぶ方向に沿った繊維配向性を有する。
具体的には、第1突出部頂部11Tとその内部空間11Kの開口部11Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。言い換えれば、壁部13の起立する方向に繊維配向性を有する。したがって、第1突出部頂部11Tに向かうような放射状の繊維配向性を有している。なお、第1突出部頂部11Tと内部空間11Kの開口部11Hの縁部を結ぶ方向、及び壁部13の起立する方向とは、不織布における厚み方向に概ね一致している。
第2突出部12の壁部14(13)を構成する繊維は、第2突出部頂部12Tとその内部空間12Kの開口部12Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。この壁部14の繊維配向性は、上述の壁部13と共通部分では、壁部13の繊維配向性と同じになっている。なお、第2突出部頂部12Tと内部空間12Kの開口部12Hの縁部を結ぶ方向、及び壁部13の起立する方向とは、不織布における厚み方向に概ね一致している。
【0016】
このように第1突出部11の壁部13が第1突出部11の頂部11Tと第1突出部11の内部空間11Kの開口部11Hとを結ぶ方向に繊維配向性を有することから、着用者が寝ているような高加圧下でも第1突出部11、第2突出部12が潰れにくいため、形状保持性に優れ、高い通気性を有して蒸れの問題も解決される。また壁部13にしっかりとしたコシが生まれ、繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性も有する。さらに、壁部13の繊維配向性により、押圧力を受けて不織布10が潰されても、その形状復元力が大きく、梱包状態や着用が継続されても初期のクッション力が維持されやすい。すなわち、着用者の着座圧でも不織布10の形状保持性に優れ、高加圧時でも肌接触面積が少なく保たれ、第1、第2突出部は、潰れ難く、変形が起こっても回復し易い。
壁部13の厚み方向に配向した繊維によって、液がスムースに繊維を伝い流れることによって、不織布10の下面に配された吸収体(図示せず)に移行し、且つ、壁部13の繊維配向性により液戻りが少なくなることからも、サラッとした肌触りが実現される。また、上述した構造の維持による不織布10自体の通気性に優れることにより、カブレの防止に役立つ。
【0017】
上記第1突出部11、第2突出部12は、それぞれの頂部11T、12Tが丸みをもった円錐台形もしくは半球にされている。より詳細にみれば、第1突出部11の突出形状はどちらかというと円錐台形であり、他方、第2突出部12の突出形状は頂部に丸みのある円錐ないし円錐台形状になっている。なお、第1、第2突出部11、12は上記形状に限定されず、どのような突出形態でもよく、例えば、様々な錐体形状(本明細書において錐体形状とは、円錐、円錐台、角錐、角錐台、斜円錐等を広く含む意味である。)であることが実際的である。第1突出部11はその外径と相似する頂部に丸みのある円錐台形状の内部空間11Kを保持している。また第2突出部12はその外径と相似する頂部に丸みのある円錐台形状もしくは半球状の内部空間12Kを保持している。
【0018】
上記第1突出部11の頂部(以下、第1突出部頂部ともいう。)11Tとその開口部11Hとの間に壁部13を有する。この壁部13は、第1突出部11において環状構造を成している。また第2突出部12の頂部(以下、第2突出部頂部ともいう。)12Tとその開口部12Hとの間に壁部14を有する。この壁部14は、第2突出部12において環状構造を成している。そして、この壁部14は上記壁部13の一部分と共有している。ここでいう「環状」とは、平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、平面視において円、楕円、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。シートの連続状態を好適に維持する上では円または楕円が好ましい。さらに、「環状」を立体形状としていえば、円柱、斜円柱、楕円柱、円錐台(切頭円錐)、斜円錐台(切頭斜円錐)、斜楕円錐台(切頭楕円錐)、四角錐台(切頭四角錐)、斜四角錐台(切頭斜四角錐)などの側面で構成される任意の環構造が挙げられ、連続したシート状態を実現する上では、円柱、楕円柱、円錐台、楕円錐台が好ましい。
【0019】
上述のように配設された第1、第2突出部11、12を有する不織布10は、屈曲部を有さず、全体が連続した曲面で構成されている。
このように上記不織布10は、面方向に連続した構造を有していることが好ましい。この「連続」とは、断続した部分や小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は上記小孔に含めない。上記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1.0mm以上のものと定義することができる。
【0020】
ここで上述した基本形態の不織布10に基づく作用について説明する。
・クッション性
基本形態の不織布10は表裏の片面だけではなく、両面において突出した第1突出部11および第2突出部12を有するため、その構造に特有のクッション性を発現する。例えば片面の突起ではどうしても面としての弾力性を発現することとなるが、本実施形態によれば三次元的な動きに対してもよく追従して両面において点で支持された立体的なクッション性を奏する。また、壁部13においてはその壁の起立する方向に向け配向した繊維の配向性を有する。そのため、ここにしっかりとしたコシが生まれ、繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性を実現する。さらに、上述した壁部13の繊維配向性により、押圧力を受けて不織布が潰されても、その形状復元力が大きく、梱包状態や着用が継続されても初期のクッション力を喪失しにくい。
・肌触り
基本形態の不織布10には両面方向に第1突出部11及び第の突出部12があり、それらの頂部11T、12Tは丸みを帯びている。そのため、そのどちらの面を肌面側にしても、不織布10(例えば、表面シート)が肌に対して点で柔らかく接触する良好な肌触りが実現される。上記の良好なクッション性に起因する作用もあり、点接触による動的な作用と相俟って、独特の良好な肌触りが得られる。また、排泄等を受けたときにも、上述した点接触が効果を奏し、サラッとした肌触りが実現される。
・排泄物の捕集性
基本形態の不織布10においては、その両面に突出する第1突出部11および第2突出部12がある。そしてそのそれぞれに、内部に形成された第1内部空間11K及び第2内部空間12Kがある。したがって、排泄液や排泄物の物性に応じて多様な形態でこれらを捕集し対応することができる。例えば、
図1の不織布10の第1面側Z1を肌面側としたと想定して説明すると、粘度が高く浸透性の低い排泄物であれば、不織布10の表面シートを透過せずに、内部空間12Kに一時その排泄物がストックされる。一方、粘度が低く透過しやすい排泄液であれば、表面シートを透過したのち、内部空間11Kに、あるいはその下方に下層シートがある場合にはその上にこれが捕集される。このいずれの場合にも、肌面にまず当たる部分が第1突出部の頂部11Tであり、上記捕集された排泄液ないし排泄物は肌に接触しにくくされている。これにより、尿や便、経血や下り物の排泄ののちにも、幅広く対応して極めて良好なサラッと感じが持続される。
【0021】
次に、本発明の実施形態の不織布の特徴的な構造である、圧着部について説明する。
図3に示すように、第1実施形態の不織布10aは、上記基本形態の不織布10において、第1突出部11と第2突出部12とが壁部13(14)で一体化され、第1突出部11と第2突出部12とを繋ぐ壁部13(14)は、該壁部13(14)が圧せられた圧着部(以下、壁部圧着部ともいう。)16を有する。
壁部圧着部16の平面視した形状は、円形、楕円形、長円形、矩形、等の種々の形状をとることができるが、円形もしくは長円形、楕円形が好ましい。この壁部圧着部16の面積は、弾性を向上させて、不織布のヨレを抑制し、クッション性を向上させるという観点から、好ましくは0.25mm
2以上、より好ましくは1.0mm
2以上であり、柔らかさを有するという観点から、好ましくは5.0mm
2以下、より好ましくは3.0mm
2以下である。そして好ましくは0.25mm
2以上5.0mm
2以下であり、より好ましくは1.0mm
2以上3.0mm
2以下である。
壁部圧着部16の厚みは、ヨレ難さという観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、弾性を向上させて、壁部のヨレを抑制し、クッション性を向上させるという観点から、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。そして好ましくは0.1mm以上1.0mm以下であり、より好ましくは0.2mm以上0.5mm以下である。
また、壁部圧着部16の面積率は、弾性を向上させて、壁部のヨレを抑制し、液残り量を低減させるという観点から、好ましくは5%以上、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは30%以上であり、ヨレ難くするという観点から、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは55%以下である。そして好ましくは5%以上70%以下であり、より好ましくは15%以上60%以下であり、さらに好ましくは30%以上55%以下である。
【0022】
壁部13に圧着部16を配した不織布10aは、壁部13が圧着部16によって密になるので、弾性が高められることによって、クッション性に優れたヨレにくい不織布となる。
【0023】
図4に示すように、第2実施形態の不織布10bは、隣接する第1突出部11同士、および隣接する第2突出部12同士が、それぞれ尾根部15を介して第1方向(X方向)と第2方向(Y方向)のそれぞれに対して平面視斜め方向の45°方向に連続して連なり、第1突出部11と第2突出部12とが壁部13(14)で一体化され、隣接する第1突出部11同士を結ぶ尾根部15は、該尾根部15が圧せられた圧着部(以下、尾根部圧着部ともいう。)17を有する。
尾根部圧着部17は、の平面視した形状は、円形、楕円形、長円形、矩形、等の種々の形状をとることができるが、円形もしくは長円形、楕円形が好ましい。この尾根部圧着部17の面積は、密度が増し、液残り量を低減させるという観点から、好ましくは0.25mm
2以上、より好ましくは1.0mm
2以上であり、硬くならないためという観点から、好ましくは5.0mm
2以下、より好ましくは3.0mm
2以下である。そして好ましくは0.25mm
2以上5.0mm
2以下であり、より好ましくは1.0mm
2以上3.0mm
2以下である。
尾根部圧着部17の厚みは、液残り量低減という観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、肌触りを向上させるという観点から、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。そして好ましくは0.1mm以上1.0mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。
また、尾根部圧着部17の面積率は、密度が増し、液残り量を低減させるという観点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは25%以上であり、肌触りという観点から、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下である。そして好ましくは5%以上50%以下であり、より好ましくは15%以上40%以下であり、さらに好ましくは25%以上35%以下である。
そして、図示はしていないが、上記壁部圧着部16とともに尾根部圧着部17を配することがより好ましい。
【0024】
尾根部15に圧着部17を配した構成の不織布10bでは、尾根部15が密になることから、液の引き込み性が増し、液残り性に優れた不織布となる。
【0025】
図5に示すように、第3実施形態の不織布10は、基本形態の不織布10に、第2突出部12が圧せられた圧着部(以下、第2突出部圧着部ともいう。)19を有する。
第2突出部圧着部18は、の平面視した形状は、円形、楕円形、長円形、矩形、等の種々の形状をとることができるが、円形もしくは長円形、楕円形が好ましい。この第2突出部圧着部18の面積は、第1突出部や壁部より密度が増し、液残り量を低減させるという観点から、好ましくは0.25mm
2以上、より好ましくは1.0mm
2以上であり、柔らかさという観点から、好ましくは5.0mm
2以下、より好ましくは3.0mm
2以下である。そして好ましくは0.25mm
2以上5.0mm
2以下であり、より好ましくは1.0mm
2以上3.0mm
2以下である。
第2突出部圧着部18の厚みは、第2突出部の密度を向上させて、液の引き込み性という観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、柔らかさを向上させるという観点から、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。そして好ましくは0.1mm以上1.0mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。
また、第2突出部圧着部18の面積率は、第2突出部の密度を向上させて、液の引き込み性を向上させるという観点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは25%以上であり、柔らかさという観点から、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下、さらに好ましくは40%以下である。そして好ましくは5%以上50%以下であり、より好ましくは10%以上45%以下であり、さらに好ましくは25%以上40%以下である。
そして、図示はしていないが、上記壁部圧着部16とともに第2突出部圧着部18を配することがより好ましく、上記壁部圧着部16、尾根部圧着部17とともに第2突出部圧着部18を配することがさらに好ましい。
【0026】
第2突出部12に圧着部18を配した不織布10cの構成では、第2突出部12が密になることから、液の引き込み性が増し、液残り性に優れた不織布となる。
【0027】
上記面積率の算出方法について説明する。
まず壁部圧着部の面積率について説明する。4個の隣接する第1突出部11の頂点(平面視した場合の中心点)を結ぶ線で描かれる四角形(方形)の面積Sに対してその四角形内に含まれる圧着部16の総面積Saの比率を面積率とする。したがって、面積率は、面積率(%)=(Sa/S)×100%で表せる。
尾根部圧着部の面積率は、4個の隣接する第1突出部11の頂点(平面視した場合の中心点)を結ぶ線で描かれる四角形(方形)の面積Sに対してその四角形内に含まれる圧着部17の総面積Saの比率を面積率とする。したがって、面積率は上記同様に、面積率(%)=(Sa/S)×100%で表せる。
第2突出部圧着部の面積率は、隣接する第2突出部圧着部18の中心間を対角線とする四角形(方形)の面積Sに対してその四角形内に含まれる圧着部18の総面積Saとの比率を面積率とする。したがって、面積率は上記同様に、面積率(%)=(Sa/S)×100%で表せる。
【0028】
第2突出部圧着部17の面積率よりも壁部圧着部16の面積率のほうが大きいことが好ましい。
壁部の圧着部は密度が高くなることにより壁部が弾性的に振る舞い、且つ、多く存在することによって、凹凸形状を維持しやすくなるので、ヨレ難い効果が得られる。
【0029】
上記各圧着部16、17および18はエンボスで形成されていることが好ましい。エンボスで形成されていることから、所望のエンボスパターンや面積を得やすいので、低いコストで作成できるという利点がある。
【0030】
上記の不織布10に用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、下記の繊維などが挙げられる。ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維があり、また、芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維がある。本発明では複合繊維を用いるのが好ましい。ここでいう複合繊維とは、高融点成分が芯部分で低融点成分が鞘部分とする芯鞘繊維、また高融点成分と低融点成分とが並列するサイドバイサイド繊維が挙げられる。その好ましい例として、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、芯鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)とPE(鞘)、PP(芯)とPE(鞘)、ポリ乳酸(芯)とPE(鞘)、PP(芯)と低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維があげられる。さらに具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、ポリエチレンテレフタレートと低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)とPE(鞘)、PET(芯)と低融点PP(鞘)が挙げられる。また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせた混繊として用いることもできる。
【0031】
次に、上記不織布10における寸法諸元について以下に説明する。
不織布10の厚さについては、不織布10を側面視したときの全体の厚さをシート厚みTSとし、その凹凸に湾曲したシートの局部的な厚さを層厚みTLとする。シート厚みTSは、用途によって適宜調節すればよいが、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm以上7mm以下が好ましく、1.5mm以上5mm以下がより好ましい。その範囲とすることにより、使用時の体液吸収速度が速く、吸収体からの液戻りを抑え、さらには、適度なクッション性を実現することができる。層厚みTLは、不織布内の各部位において異なっていてよく、用途によって適宜調節すればよい。おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、第1突出部頂部11Tの層厚みTL1は0.1mm以上3mm以下であることが好ましく、0.4mm以上2mm以下がより好ましい。好ましい層厚みの範囲としては第2突出部頂部12Tの層厚みTL2および壁部13の層厚みTL3も同様である。各層厚みTL1、TL2、TL3の関係は、TL1>TL3>TL2であることが好ましい。なお、各層厚みTL1、TL2、TL3は圧着部16、17、18を含まない。これにより、第1突出部11において、特に肌面側では、繊維密度が低く、良好な肌当たりを実現することができる。一方、第2突出部12は繊維密度が高くなり、潰れにくく、型崩れせずに良好なクッション性と液体の吸収速度に優れた不織布とすることができる。そして、壁部13(14)に圧着部16を配することでヨレ難くなり、さらにクッション性が優れる。また尾根部15に圧着部17を配することで、または、第2突出部12の頂部12Tに圧着部18を配することで、さらに液の引き込み性が増し、液残り性に優れる。
上記第1突出部11と第2突出部12との間隔は、用途によって適宜調節すればよく、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm以上15mm以下が好ましく、3mm以上10mm以下がより好ましい。また上記不織布10の目付は特に限定されないが、シート全体の平均値で15g/m
2以上50g/m
2以下が好ましく、20g/m
2以上40g/m
2以下がより好ましい。
【0032】
上記実施形態で説明した不織布10は、以下のような効果を奏する。
上述の不織布10は、壁部13(14)に壁部圧着部16を配したことにより、圧着部16を配した部分の壁部13(14)の繊維密度が高められることにより、弾性が高められ、それに伴ってクッション性がさらに向上する。また圧着部16の部分がしっかりするのでヨレ難くなる。
また尾根部15、第2突出部12の頂部12Tに尾根部圧着部17、第2突出部圧着部18を配したことにより、圧着部17、18を配した部分の尾根部15、第2突出部12の頂部12Tの繊維密度が密になる、言い換えれば繊維同士に間隔が短くなることにより、毛細管現象により液の引き込み性が高められ、液残り性に優れる。
【0033】
次に、上述の不織布10aないし10cの製造方法の好ましい一実施形態について、
図6を参照しながら、以下に説明する。
上述の不織布10の製造方法は、以下の製造方法を適宜採用すればよい。
【0034】
ウエブ賦形の支持体の一例として、
図6(a)に示した構成の支持体110を用いる。この支持体110は、第2突出部12が賦形される位置に対応して多数の突起111を有し、第1突出部11が賦形される位置に対応して孔112が配されている。すなわち、支持体110は凹凸形状を有しており、突起111と孔112とが異なる方向に交互に配されていて、例えば、X方向とY方向のそれぞれに突起111と孔112とが交互に配されている。
上記支持体110上にウエブ(繊維ウエブともいう)50を配して、ウエブ50に向けて第1の熱風W1を吹き付けた場合、
図6(b)に示すように、支持体110の孔112に対応して第1突出部11が賦形され、突起111の位置に対応して第2突出部12が賦形される。したがって、平面視した側の第1面側Z1に突出し内部空間11Kを有する第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出し内部空間12Kを有する第2突出部12とは、平面視交差する異なるX方向とY方向のそれぞれに交互に連続して配されて、基本形態の不織布10が賦形される。この場合、突起111に対応して賦形された第2突出部12より孔112に対応して賦形された第1突出部11の繊維密度が低くなる。
なお、図面矢印は第1の熱風W1の流れを模式的に示している。
【0035】
この製造方法の具体的一例を挙げると、下記のような態様が挙げられる。
融着する前のウエブ50を、所定の厚みとなるようカード機(図示せず)からウエブを賦形する装置に供給する。賦形装置では、まず上記支持体110上に上記ウエブ50を搬送して定着させる。次いで、その支持体110上のウエブ50に第1の熱風W1を吹きつける(
図6(a)の状態。)。そしてウエブ50を支持体110の形状に沿うように賦形する(
図6(b)の状態。)。このときの第1の熱風W1の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、ウエブ50を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0℃から70℃低いことが好ましく、5℃から50℃低いことがより好ましい。第1の熱風W1の風速は、支持体110の突起111の高さにもよるが、賦形性と風合いの観点から、20m/s以上150m/s以下に設定され、好ましくは30m/s以上100m/s以下である。風速がこの下限値より遅くなると、十分に賦形されなくなり、クッション性と排泄物のストック性と通気性の効果が十分に発揮されない。風速がこの上限値を超えると、第2突出部12の頂部に開孔が生じることになり、潰れやすくなり、クッション性と排泄物のストック性と通気性の効果が十分に発揮されない。さらに、開口部が生じると排泄物がその開孔部を通って逆戻りしやすくなる。
このようにして、凹凸形状に賦形した不織布10とする。
【0036】
なお、支持体110の突起111の高さは、賦形されるシート全体の厚みやシートの層厚みによって適宜決定される。例えば、1mm以上10mm以下に設定され、好ましくは1.5mm以上9mm以下に設定され、より好ましくは2mm以上8mm以下に設定される。
【0037】
次に、
図6(c)に示すように、ウエブ50の各繊維が適度に融着可能な温度の第2の熱風W2を吹きつけて、繊維同士を融着させる。このときの第2の熱風W2の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、ウエブ50を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0℃から70℃高いことが好ましく、5℃から50℃高いことがより好ましい。第2の熱風W2の風速は、1m/s以上10m/s以下に設定され、好ましくは3m/s以上8m/s以下に設定される。この第2の熱風W2の風速は、遅すぎると繊維への熱伝達ができず、繊維同士が融着せず凹凸形状の固定が不十分になる。一方、風速が速すぎると、繊維へ熱が当たりすぎるため、風合いが悪くなる傾向となる。
また、第2の熱風W2を吹き付けた後、ウエブ50の更なる形状安定化や毛羽立ちを減少させることを目的にさらにエアースルー工程を付与してもよい。
【0038】
熱可塑性繊維としては、前述した繊維が用いられる。例えば熱可塑性繊維として低融点成分および高融点成分を含む複合繊維を用いる場合、ウエブ50に吹き付ける第2の熱風W2の温度は、低融点成分の融点以上で、かつ高融点成分の融点未満であることが好ましい。より好ましくは、低融点成分の融点以上高融点成分の融点より10℃低い温度であり、さらに好ましくは、低融点成分の融点より5℃以上高く高融点成分の融点より20℃以上低い温度である。
【0039】
またウエブ50は、熱可塑性繊維を、30質量%以上100質量%以下を含んでいることが好ましく、より好ましくは40質量%以上100質量%以下である。ウエブ50は、本来的に熱融着性を有さない繊維(例えばコットンやパルプ等の天然繊維、レーヨンやアセテート繊維など)を含んでいてもよい。
【0040】
上記製造方法においては、不織布10の厚みは、第1の熱風W1の風速によって、適宜決定される。例えば、風速を速くすると厚くなり、遅くすると薄くなる。また、風速を速くすると第1突出部と第2突出部の繊維密度差が大きくなり、風速を遅くすると第1突出部と第2突出部の繊維密度差が小さくなる。
【0041】
以上説明したようにして、不織布10が作製される。
上記製造方法は、連続生産を考慮すると、製造装置(図示せず)は、上記支持体110を搬送可能なコンベア式またはドラム式のものとし、搬送されてくる凹凸形状を固定された不織布10を、ロール(図示せず)で巻き取っていく態様が挙げられる。
【0042】
次に、上記支持体から離型した不織布10に圧着部を作製する。この工程を、
図7を参照して説明する。
不織布10の設計における第1突出部11および第2突出部12の配置から壁部13(14)の配置を求め、壁部13(14)に所定の壁部圧着部16が形成されるように、エンボスロール210には、矢印方向に回転自在となっており、ロール面210Sにエンボス加工用突起(以下、エンボス突起という。)211が配置されている。このエンボス突起211は、不織布10に圧着部を作製する位置に対応して配置される。例えば、前記
図3に示したように、第1突出部11および第2突出部12の周囲の壁部13(14)において、一つの突出部に対して16個の圧着部16が方形に囲むように配されるように、ロール面210Sに配されている。すなわち、エンボス突起211の配置が転写されて、不織布10に圧着部16がなされる。
【0043】
上記エンボスロール210のロール表面温度が40℃以上200℃以下の範囲の温度に設定可能とされている。
上記エンボス突起211は、柱状を成し、好ましくは円柱、楕円中、長円中、角柱であり、より好ましくは円柱や角柱である。
このエンボスロール210に対向する位置には、矢印方向に回転自在となっている受けロール220が配されている。受けロール220は、エンボスロール210と同等の径を有していることが好ましいが、エンボスロール210よりも大きくても小さな径であってもエンボス加工は可能である。
【0044】
前記
図3ないし
図5を参照して説明した圧着部16ないし18を形成する場合には、以下にように設定する。
壁部圧着部16を形成する場合には、前記
図3に示した第1突出部11および第2突出部12の周囲の壁部13(14)に、各突出部のそれぞれに対して16個の圧着部16が点状にかつ方形に囲むように配されるように、各圧着部16を形成する位置に対応させてエンボス突起211をエンボスロール面210Sに配置する。すなわち、エンボス突起211の配置が転写されて圧着部16が形成されるように、エンボスロール面210S上にエンボス突起211が配置される。
上記エンボス突起211は、例えば、円柱端面の面積が2mm
2(直径は1.6mm)の円柱である。エンボスロールのロール表面温度が130℃に設定されている。
【0045】
賦形工程で賦形された不織布10は、エンボスロール210と受けロール220との間に搬送される。このとき、不織布10の壁部13(14)の圧着部が配される位置とエンボス突起211の位置が対応するように不織布10の位置を調整する。そして、エンボスロール210および受けロール220の回転により不織布10が送られるとともにエンボス突起211が不織布10を受けロール220に押圧して、不織布10に所定の圧力がかけられ、圧着部16が作製される。このとき、エンボス突起211の先端部の圧力が700kPaになるように、ロール間隔が調整される。このようにして不織布10にエンボス加工を施し、壁部圧着部16を作製する。
【0046】
尾根部圧着部17を形成する場合には、前記
図4に示した尾根部15に、例えば、第1突出部11間に第1突出部11を含めて4個の圧着部17が点状に配されるように、各圧着部17を形成する位置に対応させてエンボス突起211をエンボスロール面210Sに配置する。すなわち、エンボス突起211の配置が転写されて圧着部17が形成されるように、エンボスロール面210S上にエンボス突起211が配置される。
上記エンボス突起211は、例えば、円柱端面の面積が1mm
2(直径は1.1mm)の円柱である。エンボスロール210のロール表面温度が130℃に設定されている。このエンボスロール210に対向する位置には受けロール220が配されている。
【0047】
賦形工程で賦形された不織布10は、エンボスロール210と受けロール220との間に搬送される。このとき、不織布10の尾根部15の圧着部が配される位置とエンボス突起211の位置が対応するように不織布10の位置を調整する。そして、エンボスロール210および受けロール220の回転により不織布10が送られるとともにエンボス突起211が不織布10を受けロール220に押圧して、不織布10に所定の圧力がかけられ、圧着部17が作製される。このとき、エンボス突起211の先端部の圧力が700kPaになるように、ロール間隔が調整される。このようにして不織布10にエンボス加工を施し、尾根部圧着部17を作製する。
【0048】
第2突出部圧着部18を形成する場合には、前記
図5に示した第2突出部12の頂部12Tに、例えば1個の圧着部16が配されるように、圧着部18を形成する位置に対応させてエンボス突起211をエンボスロール面210Sに配置する。すなわち、エンボス突起211の配置が転写されて圧着部18が形成されるように、エンボスロール面210S上にエンボス突起211が配置される。
上記エンボス突起211は、例えば、円柱端面の面積が3mm
2(直径は2.0mm)ロール表面温度が130℃に設定されている。このエンボスロール210に対向する位置には受けロール220が配されている。
【0049】
賦形工程で賦形された不織布10は、エンボスロール210と受けロール220との間に搬送される。このとき、不織布10の第2突出部12の頂部12Tの圧着部が配される位置とエンボス突起211の位置が対応するように不織布10の位置を調整する。そして、エンボスロール210および受けロール220の回転により不織布10が送られるとともにエンボス突起211が不織布10を受けロール220に押圧して、不織布10に所定の圧力がかけられ、圧着部18が作製される。このとき、エンボス突起211の先端部の圧力が700kPaになるように、ロール間隔が調整される。このようにして不織布10にエンボス加工を施し、第2突出部圧着部18を作製する。
【0050】
上記圧着部16ないし18は、圧着部16と圧着部17もしくは18とを組み合わせて配することが好ましい。または圧着部16ないし18を組み合わせて配することが好まし。このように組み合わせることによって、壁部13(14)の弾性の向上を図って、クッション性を高めるとともにヨレ難くする。それとともに圧着部17、18によって繊維密度が高められることにより、液の引き込み性が増し、液残り性により一層優れた不織布10となる。
【0051】
本発明の不織布10aないし10cは、各種用途に用いることができる。例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド等の吸収性物品の表面シートとして好適に使用することができる。さらに不織布10の両面が凹凸構造であることに起因する通気性や液拡散性、押圧力時の変形特性、などに優れていることから、おむつや生理用品等の表面シートと吸収体との間に介在させるサブレイヤーとして用いることもできる。その他、吸収性物品のギャザー、外装シート、ウイングとして利用する形態も挙げられる。さらに、おしり拭きシート、清掃シート、フィルタとして利用する形態も挙げられる。
【0052】
次に、
図8を参照しながら本発明に係る不織布を表面シートに用いた吸収性物品の好ましい一実施形態として使い捨ておむつ100の本体4への適用例について以下に説明する。同図に示した使い捨ておむつはテープ型の乳幼児用使い捨ておむつであり、平面に展開した状態のおむつを多少曲げて内側(肌当接面側)からみた状態で示している。
【0053】
図8に示すように、使い捨ておむつ100は、肌当接面側に配された液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配された液難透過性の裏面シート2、及び前記両シートの間に介在配置された液保持性の吸収体3を備える。
表面シート1には上記実施形態の不織布10が適用され、その第1突出部11側が肌当接面とされている。
【0054】
裏面シート2は展開状態で、その両側縁が長手方向中央部Cにおいて内側に括れた形状を有しており、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートからなるものであってもよい。
裏面シート2としては、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されないが、例えば、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高密度ないし低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。
【0055】
吸収体3としては、液保持性を有するものであれば、この種の物品に用いられる様々の態様ものを広く採用できる。例えば、パルプ繊維をコアラップシートで被覆したものや、エアレイド不織を用いたシート状のものや、高吸水性ポリマーを繊維シートで挟持してなるシート状のものなど様々ある。前記パルプ繊維としては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維などが挙げられる。その他、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオフィレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維を一部に含んでもよい。また、前記高吸水性ポリマーとしては、この種の物品に通常使用されている各種のポリマー材料を用いることがでる。吸水性ポリマーは、自重の20倍以上の水または生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するような超吸収性高分子化合物であることが好ましい。
また被覆シートは、親水性の部材であり、例えば、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、クレープ紙、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布、例えばエアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等からなるものを用いることができる。
【0056】
サイドシート5としては、撥水性の不織布が好ましく、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、または撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。
【0057】
本例においては、サイドシート5がなす横漏れ防止ギャザー7が設けられており、これにより乳幼児の運動等による股関節部分における液体等の横漏れを効果的に防止しうる。本実施形態のおむつにおいては、さらに機能的な構造部やシート材等を設けてもよい。なお、
図5においては各部材の配置関係や境界を厳密には図示しておらず、この種のおむつの一般的な形態とされていれば特にその構造は限定されない。
【0058】
上記おむつはテープ型のものとして示しており、背側Rのフラップ部にはファスニングテープ6が設けられている。ファスニングテープ6を腹側Fのフラップ部に設けたテープ貼付部(図示せず)に貼付して、おむつを装着固定することができる。このとき、おむつ中央部Cを緩やかに内側に折り曲げて、吸収体3が乳幼児の臀部から下腹部にわたって沿わされるように着用する。これにより排泄物が的確に吸収体3に吸収保持される。このような形態で用いることにより、特に不織布10を表面シート1として適用したことにより、多量な液の排泄があった場合でも、またそれが高荷重下の場合であっても、肌当接面上での液流れの防止と非肌当接面側からの液戻りの防止の両立を図ることができる。また、内部空間11Kの連なりによる空間によってより高い通気性が得られ、捕捉した多量の液を上記空間の連なり方向に拡散させることができ、横方向への液漏れを防止できる。さらに捕捉された排泄液ないし排泄物は肌に接触しにくくされていることにより、尿、経血、下り物等の排泄ののちにも、幅広く対応して極めて良好なサラッと感じが持続される。
【0059】
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態の使い捨ておむつに制限されるものではなく、例えば生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、尿とりパッド等に適用することができる。なお吸収性物品の構成部材として、表面シート1、裏面シート2、吸収体3の他にも用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。
【0060】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品及びその製造方法を開示する。
<1>
シート体の不織布を平面視した第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1突出部および前記第2突出部とは該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに壁部を介して交互に連続して配された不織布であり、前記第1突出部と前記第2突出部とが壁部で一体化され、前記第1突出部と前記第2突出部とを繋ぐ壁部は、該壁部が圧せられた圧着部を有する不織布。
<2>
前記第2突出部が圧せられた圧着部を有する<1>に記載の不織布。
<3>
前記壁部に存する圧着部の面積率よりも前記第2突出部に存する圧着部の面積率のほうが小さい<2>に記載の不織布。
<4>
前記壁部が圧せられた圧着部の面積は、好ましくは0.25mm
2以上、より好ましくは1.0mm
2以上であり、好ましくは5.0mm
2以下、より好ましくは3.0mm
2以下である<1>から<3>のいずれか1に記載の不織布。
<5>
前記壁部が圧せられた圧着部の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下である<1>から<4>のいずれか1に記載の不織布。
<6>
前記第2突出部が圧せられた圧着部の面積は、好ましくは0.25mm
2以上、より好ましくは1.0mm
2以上であり、好ましくは5.0mm
2以下、より好ましくは3.0mm
2以下である<2>から<5>のいずれか1に記載の不織布。
<7>
第2突出部が圧せられた圧着部18の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である<2>または<6>に記載の不織布。
<8>
第2突出部が圧せられた圧着部の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは25%以上であり、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下、さらに好ましくは40%以下である<2>から<7>のいずれか1に記載の不織布。
<9>
前記壁部が圧せられた圧着部の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは30%以上であり、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは55%以下である<1>から<8>のいずれか1に記載の不織布。
<10>
隣接する前記第1突出部同士は、それぞれ尾根部を介して、平面視、前記の異なる方向のそれぞれに対して斜め方向に連続して連なり、前記第1突出部と前記第2突出部とが壁部で一体化され、隣接する前記第1突出部同士を繋ぐ尾根部は、該尾根部が圧せられた圧着部を有する<1>から<9>のいずれか1に記載の不織布。
<11>
前記尾根部が圧せられた圧着部の面積は、好ましくは0.25mm
2以上、より好ましくは1.0mm
2以上であり、好ましくは5.0mm
2以下、より好ましくは3.0mm
2以下である<10>に記載の不織布。
<12>
前記尾根部が圧せられた圧着部の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である<10>または<11>に記載の不織布。
<13>
前記尾根部が圧せられた圧着部の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは25%以上であり、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下である<10>から<12>のいずれか1に記載の不織布。
<14>
前記圧着部はエンボスで形成されている<1>から<13>のいずれか1に記載の不織布。
<15>
前記壁部は、前記第1方向と前記第2方向とで定義される面方向のいずれの箇所においても、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ方向に沿った繊維配向性を有する<1>から<14>のいずれか1に記載の不織布。
<16>
前記第1突出部の頂部とその内部空間の開口部の縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する<1>から<15>のいずれか1に記載の不織布。
<17>
前記壁部の起立する方向に繊維配向性を有する<1>から<16>のいずれか1に記載の不織布。
<18>
前記第1突出部の頂部に向かう放射状の繊維配向性を有している<1>から<17>のいずれか1に記載の不織布。
<19>
前記第2突出部の壁部を構成する繊維は、前記第2突出部の頂部とその内部空間の開口部の縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する<1>から<18>のいずれか1に記載の不織布。
【0061】
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
【0062】
[実施例1−3]
実施例1は、芯がポリエチレンテレフタレート(融点258℃)で鞘がポリエチレン(融点135℃)からなり、2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維を目付30g/m
2となるようカード機からウエブ50として賦形装置に供給した。賦形装置では、多数の突起を有し通気性を有する支持体110の上に上記ウエブ50を定着させた。この支持体110の突起111の平面視におけるMDピッチを8mm、CDピッチを5mmとし、突起111の高さを3.5mmとした。また支持体110における孔112の孔径を2.8mmとした。
次いで、その支持体110上のウエブ50に第1の熱風W1(温度130℃、風速50m/s)を吹きつけて、支持体110上の突起111にそってウエブ50を賦形する。次に、温度145℃、風速5m/sの第2の熱風W2に切り替えて各芯鞘構造の繊維同士を融着させて賦形形状を固定し、その後、温度139℃、風速1.5m/sの熱風を付与した。
次に、不織布10の壁部13(14)、第2突出部12、尾根部15に圧着部16を形成した。圧着部16は2mm
2の円形とし、壁部圧着部16の面積率が50%になるようにした(設計値)。また圧着圧力は700kPaとし、圧着温度は130℃に設定した。このようにして、厚みが2.1mm、目付が30g/m
2となる不織布10が作製された。
実施例2は、上記実施例1において、不織布10の壁部13(14)、第2突出部12、尾根部15に圧着部17を形成した。圧着部17は1mm
2の円形とし、尾根部圧着部17の面積率が30%になるようにした(設計値)。また圧着圧力は700kPaとし、圧着温度は130℃に設定した。それ以外、実施例1と同様に作製した。このようにして、厚みが2.5mm、目付が33g/m
2となる不織布10が作製された。
実施例3は、上記実施例1において、不織布10の壁部13(14)、第2突出部12T、尾根部15に圧着部18を形成した。圧着部18は3mm
2の円形とし、第2突出部圧着部18の面積率が19%になるようにした(設計値)。また圧着圧力は700kPaとし、圧着温度は130℃に設定した。それ以外、実施例1と同様に作製した。このようにして、厚みが2.8mm、目付が32g/m
2となる不織布10が作製された。
【0063】
[比較例1]
比較例1は、上記実施例1において、圧着部を形成しなかった以外、実施例1と同様に作製した。なお、この不織布10は、厚みが3.3mm、目付が31g/m
2となった。
【0064】
次に、測定方法および評価方法について説明する。上述の各不織布試験体を用い、下記の測定試験を行った。
【0065】
<繊維配向性(配向角、配向強度)の測定>
日本電子(株)社製の走査電子顕微鏡JCM−5100(商品名)を使用し、
図1におけるz軸方向が上下となるようにサンプルを静置し、サンプルの測定する面に対して垂直の方向から撮影した画像(測定する繊維が10本以上計測できる倍率に調整;100ないし300倍)を印刷し、透明PET製シート上に繊維をなぞった。前記の画像をパソコン内に取り込み、株式会社ネクサス社製のnexusNewQube[商品名](スタンドアロン版)画像処理ソフトウエアを使用し、前記画像を二値化した。次いで、前記二値化した画像を、繊維配向解析プログラムである、Fiber Orientation Analysis 8.13 Singleソフト(商品名)を用い、フーリエ変換し、パワースペクトルを得、楕円近似した分布図から、配向角と配向強度を得た。
配向角は繊維が最も配向している角度を示し、配向強度はその配向角における強度を示している。壁部中間部分の測定においては、配向角が90°に近い値ほど、頂部11Tの中心方向に繊維が配向していることを示し、60°以上120°以下であれば、頂部11Tの中心方向に繊維が配向していると判断する。
また、配向強度の値が大きいほど繊維の向きがそろっていることを表す。配向強度が1.05以上の場合を配向しているとする。
測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの配向角と配向強度とした。
【0066】
上述の繊維配向性は、繊維の配向角と配向強度からなる概念である。
繊維の配向角は、色々な方向性を有する複数の繊維が全体としてどの方向に配向しているかを示す概念で、繊維の集合体の形状を数値化している。繊維の配向強度は、配向角を示す繊維の量を示す概念であり、配向強度は、1.05未満では、ほとんど配向しておらず、1.05以上で配向を有しているといえる。しかしながら、本実施形態においては、繊維配向がその部位によって変化している。すなわち、ある配向角の状態の部位から異なる配向角の部位へと変化する間(繊維がある方向に配向強度が強い状態から異なる配向に強い強度を示す部位へ変化する間)に、配向強度が弱い状態や再配向することで高い状態へ至る等の様々な状態を有する。そのため、ある強い配向角を示す部位と別の方向に強い配向角を示す部位との間においては、繊維の配向強度が弱くとも繊維の配向角が変わっていることが好ましく、配向強度が高いことがより好ましい。配向角、配向強度について本実施形態において一例を示すと、第1突出部11の壁部13の曲面構造に対して配向角は、50°以上130°以下が好ましく、より好ましくは60°以上120°以下であり、配向強度は1.05以上が好ましく、より好ましくは1.10以上である。第2突出部12の壁部14は上記壁部13と同様になる。
不織布10を吸収性物品の表面シートとして用いた場合、各々の壁部13の繊維配向性により高加圧下においても不織布10は十分な耐圧縮性を有し、不織布10の第1突出部11、第2突出部12の潰れを防ぐ。これにより十分な捕捉空間を確保でき、肌接触面積を小さくする効果、高い通気性、多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉し、漏れを抑制する効果を十分に発揮する。
【0067】
<クッション性の測定>
KES圧縮試験機(カトーテック(株)製 KES FB−3)を用い、通常モードで5.0kPaまでの圧縮特性評価を行い、最大圧力5.0kPaまでの仕事量WC値を読み取る。測定値としては、不織布10内の3点を測定してその平均値を求め、それを3回行ってその平均値を圧縮回復性とした。KES圧縮試験機の不織布の圧縮面積は2cm
2、圧縮速度は0.02mm/secであり、最大圧力5.0kPaで圧縮方向を反転させ、回復過程に移行した。
クッション感の評価基準は、WC値が0.30以下の場合は優れているとして「A」で表し、WC値が0.30より大きく0.50以下の場合は良好であるとして「B」で表し、WC値が0.50より大きく0.80以下の場合は普通であるとして「C」で表した。
【0068】
<ヨレ難さの測定>
KES曲げ試験機(カトーテック(株)製KES FB2−AUTO−A)を用い、不織布10を円弧状に曲げることを仮定した。純曲げ方式曲率K=−2.5〜+2.5(cm
−1)の範囲で、変形速度は0.50cm
−1/secとした。
曲げのヒステリシス2HBを測定値として求めた。測定は、不織布10内の3点を測定してその平均値を求め、それを6回行ってその平均値をヨレ難さとした。
ヨレ難さの評価基準は、2HB値が0.23以下の場合は優れているとして「A」で表し、2HB値が0.23より大きく0.35以下の場合は良好であるとして「B」で表し、2HB値が0.36より大きく0.50以下の場合は普通であるとして「C」で表した。
【0069】
<液残り量の測定>
おむつをその表面シートが上を向くように水平な台の上に載置する。その上に、内寸が20cm×10cmの矩形の枠を置く。枠の内側を油性ペンでなぞり、表面シート上に枠の内側の形状を書き写す。次いで枠内に200gの生理食塩水を均一に注入する。注入後10分間放置する。枠は、注入後1分経過したら取り外す。10分放置後、表面シートに書いた枠の形に沿って表面シートを切り出し、その質量を測定する。次いで、切り出した不織布を、キッチンペーパー(日本製紙株式会社のキムタオル(商品名))に挟み、その状態下にマングル間を一往復させ人工尿をキッチンペーパーに吸収させる。この操作を2回行う。人工尿が吸収された後の不織布の質量を再び測定し、その質量を、初めに測定した不織布の質量から差し引く。その値を不織布の液残り量の値とした。
液残り量の評価基準は、液残り量が0.25g以下の場合は優れているとして「A」で表し、液残り量が0.25gより大きく0.30g以下の場合は良好であるとして「B」で表し、液残り量が0.27gより大きく0.60g以下の場合は普通であるとして「C」で表した。なお、0.60gより大きい場合は、Dとする。
【0070】
不織布10について、物性(配向角、配向強度、厚み、目付)および性能(クッション性(圧縮)、ヨレ難さ(曲げ)、液残り量)の結果を下記の表1に示す。
【0072】
上記の表1が示すとおり、実施例1はクッション性、ヨレ難さに優れており(評価A)、液残り性も良好であった(評価B)。また実施例2および3は液残り量が少なく、液残り性に優れており(評価A)、クッション性およびヨレ難さが良好であった(評価B)。
一方、比較例1は、クッション性、ヨレ難さ、液残り用とも普通(並)であった(評価C)。
上記したように実施例1から3は、クッション感、ヨレ難さ、液残り量のいずれも良好もしくは優れており、比較例1では達成できない3者を同時に向上させることの両立を実現することができた。これにより、長時間着用しても、ヨレ難く、クッション性が持続され、液残り性に優れたサラッとした感触を持続できる吸収性物品を提供することができる。