(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の乾式分離装置は、有底筒状であって、底面に気体分散板を設けた分離槽と、この分離槽の底面部に一方端を連通連結した通気配管と、この通気配管内に空気を圧送する送気手段とを備えた乾式分離装置であって、分離槽を揺動させる揺動手段を設けているものである。
【0013】
図1は、第1実施例の乾式分離装置の概略模式図であり、第1実施例の乾式分離装置は、有底筒状であって、底面に気体分散板を設けた分離槽11と、この分離槽11の底面部に一方端を連通連結した通気配管21と、この通気配管21内に空気を圧送する送気手段30とを備えた乾式分離装置であって、分離槽11を揺動させる揺動手段40を設けているものである。
【0014】
送気手段30は、上流側から、コンプレッサ31と、レギュレーター32と、マスフローコントローラ33と、三方コック34とを順次連通連結させて、分離槽11内に所定の空塔速度の気流を生成可能としている。
【0015】
分離槽11は、揺動手段40を介して基台12の上方に設けている。揺動手段40は、振動を発生させるための揺動装置41と、この揺動装置41を支持するとともに分離槽11と基台12とを連結するフレーム42と、このフレーム42と基台12との間で振動を吸収するゴム製の緩衝材43とで構成している。本実施例では2つの揺動装置41を備えており、揺動装置41をそれぞれ水平に装着して、水平方向の振動を互いに打ち消し合わせることで、上下方向の振動を生じさせることとしている。揺動装置41としては、具体的には、ユーラステクノ株式会社製のKEE-1.5-4 3PHASEを用いた。この揺動装置41は、アンバランスウェイトの調整により加振力を0〜1.5kNの範囲で操作可能となっている。
【0016】
分離槽11は、本実施例では、内径103mm、高さ400mm、厚さ5mmのアクリル円筒管とし、分離槽11の底部には気体分散板11aを取り付けている。本実施例の気体分散板11aは多孔質材料、具体的にはフィルタ材料で構成しているが、空気を分離槽11内に通気させる一方で、分離槽11内の収容物の漏出を防止可能となっていれば、気体分散板11aは、どのように構成してもよい。特に、気体分散板11aは、円筒状とした分離槽11内にできるだけ一様な上昇気流を生じさせることができるように分散されて、分離槽11内に圧送可能とすることが望ましい。また、本実施例では、気体分散板11aの外周縁にフレーム42に装着するための外縁部11bを設けており、この外縁部11bを介して分離槽11をフレーム42に装着している。
図1中、11cは、通気配管21と分離槽11とを連結するための連結ガイドである。
【0017】
本実施例では、気体分散板11aは、具体的には、SUS304のパンチングメタルをろ布で挟んで構成している。パンチングメタルは、具体的には、厚みが2.0mmの平板で、穴径がφ2.5mm、穴ピッチが5.0mm、開孔率が22.7%で60度千鳥型であるパンチングメタルを用いた。
【0018】
このように構成した乾式分離装置において、揺動手段40による振動の状態の確認を行った。具体的には、分離槽11の外表面に目印としてのマークを設けて、揺動装置41を様々な条件下で駆動させながらマークをハイスピードカメラで撮影し、振動の周波数及び振幅を計測した。この結果に基づいて、揺動装置41の駆動条件を特定した。本実施形態の揺動手段40では、想定通りに分離槽11に上下方向の振動を生じさせることができた。
【0019】
分離槽11に収容される分離対象物として、本実施形態では、ガラスビーズとユニビーズの二成分の混合粉体とした。ガラスビーズとユニビーズは、それぞれJIS試験用ふるい(JIS Z 8801)によってふるい分けし、それぞれ粒径を180〜212
μmに調整した。
【0020】
本実施形態では、ガラスビーズとユニビーズの混合粉体の分離の評価として、かさ密度を用いることとした。特に、本実施形態では、試料粉体を適量とってメスフラスコに投入し、メスフラスコを5回タッピングして粉体を充填させた後にメスフラスコの目盛を読み取ることで体積V[cm
3]とし、その後、電子天秤で質量m[g]を測定して、
ρ=m/V
とすることでかさ密度ρを算出した。
【0021】
なお、ガラスビーズのかさ密度は1.50g/cm
3であり、ユニビーズのかさ密度は2.51g/cm
3であって、ユニビーズの方がガラスビーズよりもかさ密度が約1.67倍大きかった。また、ガラスビーズとユニビーズとを等量ずつ混合した混合粉体のかさ密度は2.05g/cm
3であって、
図2に示すように、混合粉体のかさ密度によって、ユニビーズとガラスビーズのかさ体積混合割合を特定できることが確認できた。なお、
図2において横軸は、ユニビーズのかさ体積混合割合である。
【0022】
通常の乾式分離方法では、このような密度差の小さいガラスビーズとユニビーズの混合粉体の分離は不可能であった。念のため、上述した本実施形態の乾式分離装置であって、分離槽11を振動させない場合に、ガラスビーズとユニビーズの混合粉体の分離が可能かどうかを検証した。
【0023】
まず、ガラスビーズとユニビーズとを等量ずつ混合した混合粉体を分離槽11に、高さ105mmとなるように入れて、送気手段30によって空気を分離槽11に圧送してガラスビーズまたはユニビーズの偏析を促した。所定時間の間、分離槽11に空気を圧送した後に、空気の圧送を停止し、偏析の発生状況を確認した。偏析の発生状況の確認は、具体的には、分離槽11内の混合粉体に対して、分離槽11の高さ90〜105mmの間の厚さ15mm分の混合粉体を取り出して、第1層分としてかさ密度を測定し、次いで、分離槽11の高さ80〜90mmの間の厚さ10mm分の混合粉体を取り出して、第2層分としてかさ密度を測定し、以下、厚さ10mm分の混合粉体を順次取り出してかさ密度を測定し、第10層分までのかさ密度を測定し、かさ密度の変化を調べた。
【0024】
なお、乾式分離装置では、分離槽11に収容された分離対象物が、送気手段30によって分離槽11に送られた空気によって流動状態とする必要がある。通常、この流動状態となる最小の空塔速度を最小流動化速度と呼んでいる。本実施形態では、最小流動化速度は3.4cm/sであり、これを基準とした。送気手段30による送気時間は600秒とした。
【0025】
最小流動化速度は、具体的には次のようにして決定した。まず、分離槽11内には、あらかじめ差圧計のプローブを設けておき、分離槽11に分離対象物を収容して分離槽11に送気手段30から空気を送り込みながら、分離対象物の粒子層の圧力損失を差圧計で検出する。空塔速度を増加させながら圧力損失を計測すると、圧力損失が分離対象物の粒子層の自重と釣り合った後は、圧力損失が変化しなくなる。この圧力損失と離対象物の粒子層の自重と釣り合う最小の空塔速度を最小流動化速度としている。
【0026】
図3は、分離槽11を振動させない場合であって、送気手段30によって分離槽11に送られた空気の空塔速度を調整した場合の結果であり、左側上段は空塔速度が0cm/sの場合であり、左側中段は空塔速度が最小流動化速度の半分の場合であり、左側下段は空塔速度が最小流動化速度の場合であり、右側上段は空塔速度が最小流動化速度の1.5倍の場合であり、右側中段は空塔速度が最小流動化速度の2倍の場合である。各横軸は、測定したかさ密度から特定されるユニビーズのかさ体積混合割合である。
図3から明らかなように、分離槽11を振動させない場合では、ガラスビーズとユニビーズの混合粉体に密度偏析は生じなかった。
【0027】
一方、揺動手段40によって分離槽11を加振力1.5kN、周波数60Hzの条件で振動させた場合の結果を
図4及び
図5に示す。
図4の左側最上段は空塔速度が0cm/sの場合であり、左側の上から二段目は空塔速度が最小流動化速度の0.125倍の場合であり、左側の上から三段目は空塔速度が最小流動化速度の0.25倍の場合であり、左側の上から四段目は空塔速度が最小流動化速度の0.5倍の場合であり、右側最上段は空塔速度が最小流動化速度の0.75倍の場合であり、右側の上から二段目は空塔速度が最小流動化速度の0.875倍の場合であり、右側の上から三段目は空塔速度が最小流動化速度の場合であり、右側の上から四段目は空塔速度が最小流動化速度の1.125倍の場合である。また、
図5の上段は空塔速度が最小流動化速度の1.25倍の場合であり、中段は空塔速度が最小流動化速度の1.5倍の場合であり、下段は空塔速度が最小流動化速度の2倍の場合である。各横軸は、測定したかさ密度から特定されるユニビーズのかさ体積混合割合である。
【0028】
図4の左側の最上段の空塔速度が0cm/sの場合において、ガラスビーズよりも比重の大きいユニビーズが浮揚する一方で、比重の軽いガラスビーズが沈降する現象が生じているが、これは、今回の実験系での特異な現象であると考えている。
【0029】
図6は、
図3〜5の結果をまとめたグラフであり、横軸は最小流動化速度U
mfに対する空塔速度U
0の比である空塔速度比U
0/U
mfとし、縦軸は分離グレードとして評価したものである。
図6から明らかなように、分離槽11の空塔速度を最小流動化速度の0.75〜1.25倍として分離槽11を振動させることで密度偏析が生じ、通常では密度偏析が生じない微細な粒子状の分離対象物に対しても密度偏析を生じさせることができる。
【0030】
次に、分離槽11の振動条件の密度偏析への関連性の確認を、上記の実験と同様に行った。
【0031】
図7は、空塔速度を0cm/sとして、分離槽11を加振力1.5kNで振動させた場合であり、左側上段は振動の周波数が15Hzの場合であり、左側中段は振動の周波数が27.5Hzの場合であり、左側下段は振動の周波数が35Hzの場合であり、右側上段は振動の周波数が50Hzの場合であり、右側中段は振動の周波数が60Hzの場合である。各横軸は、測定したかさ密度から特定されるユニビーズのかさ体積混合割合である。
【0032】
上述したように、空塔速度を0cm/sの状態で、分離槽11を加振力1.5kN、周波数60Hzの条件で振動させた場合は、今回の実験系での特異な現象であるとは明らかである。さらに、
図7から明らかなように、振動だけでは混合粉体に密度偏析は生じない。
【0033】
次に、空塔速度を最小流動化速度として、揺動手段40による振動条件を様々に変更して振動させた場合の結果を
図8〜10に示す。
図8の左側最上段は加振力0.375kN、周波数15Hzの場合であり、左側の上から二段目は加振力0.75kN、周波数15Hzの場合であり、左側の上から三段目は加振力1.125kN、周波数15Hzの場合であり、左側の上から四段目は加振力1.5kN、周波数15Hzの場合であり、右側最上段は加振力0.375kN、周波数27.5Hzの場合であり、右側の上から二段目は加振力0.75kN、周波数27.5Hzの場合であり、右側の上から三段目は加振力1.125kN、周波数27.5Hzの場合であり、右側の上から四段目は加振力1.5kN、周波数27.5Hzの場合である。また、
図9の左側最上段は加振力0.375kN、周波数35Hzの場合であり、左側の上から二段目は加振力0.75kN、周波数35Hzの場合であり、左側の上から三段目は加振力1.125kN、周波数35Hzの場合であり、左側の上から四段目は加振力1.5kN、周波数35Hzの場合であり、右側最上段は加振力1.5kN、周波数40Hzの場合であり、右側の上から二段目は加振力1.5kN、周波数45Hzの場合であり、右側の上から三段目は加振力1.5kN、周波数50Hzの場合であり、右側の上から四段目は加振力1.5kN、周波数55Hzの場合である。また、
図10の左側上段は加振力0.375kN、周波数60Hzの場合であり、左側下段は加振力0.75kN、周波数60Hzの場合であり、右側上段は加振力1.125kN、周波数60Hzの場合であり、右側下段は加振力1.5kN、周波数60Hzの場合である。各横軸は、測定したかさ密度から特定されるユニビーズのかさ体積混合割合である。
【0034】
周波数が15Hzの場合では、
図8から明らかなように、最上層と最下層でわずかに偏析が見られる。周波数が27.5Hzと35Hzの場合には、
図8及び
図9に示されるように、上層から下層にいくにつれ徐々にユニビーズのかさ体積混合割合が大きくなっており、特に最上層と最下層では顕著な偏析が生じている。このような偏析の状態を「傾斜状偏析」と呼ぶこととする。
【0035】
周波数が60Hzの場合には、
図10に示されるように、上層側において顕著な偏析が生じることが確認できた。また、加振力が0.375〜0.75kNの小さいうちは、傾斜状偏析が見られるが、加振力が1.125kNより大きくなると、分離槽11の上下方向の中央部分から下側において、ユニビーズのかさ体積混合割合がほぼ一定となる現象が見られた。また、
図9の右側に示されるように、周波数が40Hz、45Hz、50Hz及び55Hzの場合でも、分離槽11の上下方向の中央部分から下側において、ユニビーズのかさ体積混合割合がほぼ一定となる現象が見られた。このように、分離槽11の一定の高さ以上では顕著な偏積が生じる一方で、分離槽11の一定の高さ以上ではかさ体積混合割合がほぼ一定となる偏析の状態を「ステップ状偏析」と呼ぶこととする。
【0036】
図7〜10の結果から、振動の振動数と振幅が偏析の状態に相関している可能性が高いことから、揺動手段40による振動の振幅をa、振動数をfとし、重力加速度をgとして、
G=a・(2π・f)
2/g
として定義される振動強度Gを導入し、
図7〜10の結果の解析を行った。
【0037】
図11は、横軸を振動強度Gとし、縦軸を分離グレードとして評価したものであり、グラフ中の・印は偏析なし、△印は傾斜状偏析、○印はステップ状偏析であることを示している。
【0038】
図11より、振動強度Gが3.0以上であれば、ステップ状偏析が生じることで、分離対象物の分離効率を向上させることができることが分かる。
【0039】
上述した実施例では、分離槽11を上下方向に振動させているが、揺動装置41の駆動条件を調整することで、分離槽11を上下方向に振動させるだけでなく、水平方向成分の振動を生じさせることも可能であり、この水平方向成分の振動を加えることで、全体としては斜め方向に振動させてもよい。特に、この斜め方向の向きを一定とせず、可変として、振動方向が回転する状態を生じさせてもよい。
【0040】
図12は、第2実施例の乾式分離装置の概略模式図であり、第2実施例の乾式分離装置は、分離槽11を揺動させる揺動手段としてエアーノッカー51を用いた乾式分離装置である。揺動手段以外は、第1実施例の乾式分離装置と同じであり、以下において、第1実施例の乾式分離装置と同一の構造物には同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0041】
第2実施例の乾式分離装置も、底面に気体分散板11aを設けた分離槽11と、この分離槽11の底面部に一方端を連通連結した通気配管21と、この通気配管21内に空気を圧送する送気手段30とを備えた乾式分離装置である。
【0042】
送気手段30は、上流側から、コンプレッサ31と、レギュレーター32と、マスフローコントローラ33と、三方コック34とを順次連通連結させて、分離槽11内に所定の空塔速度の気流を生成可能としている。なお、第1実施例では、コンプレッサ31として株式会社日立製作所のPOD-7.5MB5/6を用いたが、第2実施例では株式会社日立製作所のPOD-3.7GXA6を用いている。
【0043】
分離槽11の下端には、基台12に装着するための装着用フランジ11dを設け、この装着用フランジ11dを介して基台12に設けた支持基体12aに装着することで、エアーノッカー51で揺動される分離槽11を強固に支持可能としている。
【0044】
エアーノッカー51は、通気配管21と分離槽11とを連結している円筒状の連結ガイド11cの側面に装着して、連結ガイド11cに向けて打撃による衝撃を加えることとしている。図示していないが、エアーノッカー51には、圧縮空気を送気する加圧ポンプと、適宜のレギュレーター及びコントロールボックスを介して接続して、レギュレーター及びコントロールボックスを調整することで、衝撃力の大きさや、衝撃の発生頻度を調整している。エアーノッカー51としては、株式会社セイシン企業のSK-40を用い、コントロールボックスとしては、株式会社セイシン企業のSE-710を用いた。
【0045】
分離槽11は、第1実施例と同様に、内径103mm、高さ400mm、厚さ5mmのアクリル円筒管とし、分離槽11の底部には気体分散板11aを取り付けている。本実施例でも、気体分散板11aは、SUS304のパンチングメタルをろ布で挟んで構成している。パンチングメタルは、具体的には、厚みが2.0mmの平板で、穴径がφ2.5mm、穴ピッチが5.0mm、開孔率が22.7%で60度千鳥型であるパンチングメタルを用いた。
【0046】
分離槽11に収容される分離対象物として、本実施例でも、ガラスビーズとユニビーズの二成分の混合粉体とし、ガラスビーズとユニビーズの混合粉体の分離の評価として、上記のかさ密度を用いた。
【0047】
はじめに、本実施例でのエアーノッカー51を作動させていない状態での最小流動化速度を計測したところ、ガラスビーズは3.9cm/s、ユニビーズは7.0cm/s、ガラスビーズとユニビーズの混合粉体では5.2cm/sであった。
【0048】
ついで、エアーノッカー51を作動させた状態での最小流動化速度を計測した。ここで、ノック条件として、レギュレーターによって圧力を0.5MPaとし、コントロールボックスによって打撃時間であるON時間を0.1s、インターバル時間であるOFF時間を0.4sとして打撃を加えたところ、ガラスビーズは3.2cm/s、ユニビーズは4.9cm/s、ガラスビーズとユニビーズの混合粉体では3.8cm/sであった。
【0049】
ついで、ノック条件による最小流動化速度への影響を確認した。なお、ノック頻度を同程度としてON時間とOFF時間のみを調整した場合では、最小流動化速度の変化がなかったため、ON時間を0.1sに固定して、OFF時間を変動させることでノック頻度を変化させた。ここで、ノック頻度は、1秒間あたりのノック回数として[Hz]を用いて表すこととする。
【0050】
ノック頻度を2.0Hzとし、レギュレーターによって圧力を0.3,0.5,0.7MPaとした場合の最小流動化速度の測定結果を
図13に示す。
図13において、□印はガラスビーズ、○印はユニビーズ、△印はガラスビーズとユニビーズの混合粉体を示している。同様に、レギュレーターによって圧力を0.5MPaとし、ノック頻度を0.2〜5.0Hzの8条件とした合の最小流動化速度の測定結果を
図14に示す。
図14においても、□印はガラスビーズ、○印はユニビーズ、△印はガラスビーズとユニビーズの混合粉体を示している。
【0051】
これらの計測結果から、レギュレーターによって圧力を0.5MPaとし、ノック頻度を2.0Hzとして、空塔速度を異ならせた場合の、乾式分離装置によるガラスビーズとユニビーズの混合粉体の分離状況を
図15に示す。空塔速度は、最小流動化速度u
mfを基準として、最小流動化速度u
mfの0倍(無風)、0.5倍、0.75倍、0.875倍、1.0倍、1.125倍、1.25倍、1.5倍、1.75倍、2.0倍としてそれぞれ計測を行った。流動化時間は600秒とした。
【0052】
図15の左側最上段は最小流動化速度u
mfの0倍の場合であり、左側の上から二段目は最小流動化速度u
mfの0.5倍の場合であり、左側の上から三段目は最小流動化速度u
mfの0.75倍の場合であり、左側の上から四段目は最小流動化速度u
mfの0.875倍の場合であり、左側の上から五段目は最小流動化速度u
mfの1.0倍の場合であり、右側最上段は最小流動化速度u
mfの1.125倍の場合であり、右側の上から二段目は最小流動化速度u
mfの1.25倍の場合であり、右側の上から三段目は最小流動化速度u
mfの1.5倍の場合であり、右側の上から四段目は最小流動化速度u
mfの1.75倍の場合でり、右側の上から五段目は最小流動化速度u
mfの2.0倍の場合である。各横軸は、測定したかさ密度から特定されるユニビーズのかさ体積混合割合である。
図15より、最小流動化速度u
mf近傍で偏積が生じやすいことが確認できた。
【0053】
以上の結果から、最小流動化速度u
mfでガラスビーズとユニビーズの混合粉体を流動化させた状態で、ノック条件、すなわち、レギュレーターの圧力を0.3〜0.7MPa、ノック頻度を0.5〜5.0Hzで異ならせて、各条件での乾式分離装置によるガラスビーズとユニビーズの混合粉体の分離状況を確認した。流動化時間は600秒とした。
【0054】
ここで、密度偏析の進行を定量化するために、下式で偏析度Eを定義した。
【数1】
式中の記号V
50は、ユニビーズのかさ体積混合割合V
U.B. = 50vol%を示し、記号V
iは、i層目のユニビーズのかさ体積混合割合V
U.B.を示している。これは密度偏析の進行具合を0〜100% で示したものとなっており、E = 0% は密度偏析現象が起こらないことを、E = 100 % は密度偏析現象が顕著であることを示示している。
【0055】
図16に圧力に対する偏析度Eの傾向を示すグラフを示す。
図16に示すように、レギュレーターの圧力としては0.4MPa程度が良いことが分かる。また、
図17に、ノック頻度に対する偏析度Eの傾向を示すグラフを示す。
図17に示すように、ノック頻度は大きければ大きい方が望ましい。以上のことから、好適なノック条件としては、レギュレーターの圧力を0.4MPa、ノック頻度を5.0Hzとすることが望ましい。