特許第6233792号(P6233792)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6233792
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】導電性ペースト
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/22 20060101AFI20171113BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20171113BHJP
   C08K 3/08 20060101ALI20171113BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20171113BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20171113BHJP
   H05K 3/12 20060101ALN20171113BHJP
【FI】
   H01B1/22 A
   H01B1/00 J
   C08K3/08
   C08L75/04
   C08L63/00 C
   !H05K3/12 610B
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-13735(P2013-13735)
(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-146482(P2014-146482A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅博
(72)【発明者】
【氏名】多田 泰徳
【審査官】 小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−238614(JP,A)
【文献】 特開2010−176894(JP,A)
【文献】 特開2011−187194(JP,A)
【文献】 特開昭61−040316(JP,A)
【文献】 特開昭63−162758(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/046076(WO,A1)
【文献】 特開2012−216287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/00−1/24
C08K 3/08
C08L 75/04
H05K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が2μm以上15μm以下の平板状の銀粒子、平均粒子径が1μm以上10μm以下の球状の銀粒子、及び平均粒子径が1μm以上10μm以下の不定形状の銀粒子からなる群から選ばれる銀粒子と、
バインダ樹脂の全質量に対して50質量%以上95質量%以下の溶剤系ウレタン樹脂、及びバインダ樹脂の全質量に対して5質量%以上50質量%以下の脂肪族又は脂環式のエポキシ樹脂を含むバインダ樹脂と、
を含有する導電性ペースト。
【請求項2】
前記溶剤系ウレタン樹脂の含有量が、前記バインダ樹脂の全質量に対して80質量%以上95質量%以下であり、前記脂肪族又は脂環式のエポキシ樹脂の含有量が、前記バインダ樹脂の全質量に対して5質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の導電性ペースト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フレキシブル基板として樹脂で構成された基板が用いられているが、このような基板は、加熱温度が200℃を超えると損傷することがある。そのため、基板上に導電材料を形成する導電性ペーストは、200℃以下で加熱して硬化することが求められている。
従来の導電性ペーストでは、バインダ樹脂の内部でミクロサイズの銀粒子が機械的に接触することで導電性が発現する。この場合、銀粒子同士は樹脂等から構成される電気的絶縁バリア層を介して接触するため、界面電気抵抗が高くなり、導電性が抑制される傾向にある。
導電性ペーストの電気抵抗率を抑制するためには、バインダ樹脂の内部で銀粒子を焼結させることにより界面電気抵抗を低下させることが有効である。

そこで、導電性ペーストに含まれる銀粒子は、200℃以下の低温であっても焼結を実現するため、平均粒子径が小さな銀粒子を用いることが考えられる。
例えば、球状でナノサイズの銀粒子とロッド状でナノサイズの銀粒子とを用いることにより、低温での焼結を実現し、安定した導電性を得ることが特許文献1に開示されている。
【0003】
しかし、ナノサイズの銀粒子を用いた導電性ペーストは、例えば、厚い導電層を形成するため導電性ペーストを多量に用いて低温で焼結すると、形成された導電材料の中心部近傍の銀粒子が焼け残り、未焼結領域において界面電気抵抗を十分に抑制することができず、電気抵抗率が上昇する傾向にある。また、ナノサイズの銀粒子を使用するため、材料コストが高くなる傾向にある。
さらに、ナノサイズの銀粒子を用いた導電性ペーストは、キュア(硬化)過程での収縮率が大きい、ナノサイズの銀粒子が有する毒性による健康被害が生じる、材料コストが高い、といった課題がある。
加えて、低温で加熱して銀粒子同士を焼結することを目的とした導電性ペーストは、導電性ペーストに含まれるバインダ樹脂が粒子同士の焼結阻害因子となる傾向にあることを考慮してバインダ樹脂の量を抑制することとなるため、接着力の弱い導電性ペーストとなる傾向にある。
【0004】
また、非特許文献1及び非特許文献2には、電気抵抗率の抑制に加えて、接着力の向上を両立させるため、バインダ樹脂中にミクロサイズの銀粒子とナノサイズの銀粒子との両方を含む導電性ペーストが開示されている。
しかし、これらの導電性ペーストも、上述のような、材料コストが高い、凝集し易くハンドリング性に劣る、厚い導電層を形成した場合に導電層中心部近傍に未焼結領域が生じて電気抵抗率が高くなる、といった課題がある。
【0005】
その他、特許文献2には、導電性ペースト中のミクロサイズの銀粒子を増量することによって導電性を向上させつつ、バインダ樹脂としてフタル酸系グリシジルエステル型エポキシ樹脂を含むバインダ樹脂を用いることによって、銀粒子の増量に伴ってバインダ樹脂の比率が低下した場合であっても接着力を維持する導電性ペーストが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−70300号公報
【特許文献2】特開2005−19398号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Rongwei Zhang「Preparation of highly conductive polymer nanocomposites by low temperature sintering of silver nanoparticles」Journal of Materials Chemistry 2010, pp.2018-2023
【非特許文献2】Hongjin Jiang「Ultra High Conductivity of Isotropic Conductive Adhesives」2006 Electronic Components and Technology Conference, pp.485-490
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、含まれている銀粒子が低温加熱により焼結され、電気抵抗率が低い導電材料を形成しうる導電性ペーストを得るためには、上記のような課題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、含まれている銀粒子が低温加熱により焼結され、電気抵抗率が低い導電材料を形成しうる導電性ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1>最短径が1μm以上である銀粒子と、溶剤系ウレタン樹脂を50質量%以上100質量%以下含むバインダ樹脂と、を含有する導電性ペーストである。
【0010】
<2>前記バインダ樹脂が、さらにエポキシ樹脂を含む<1>に記載の導電性ペーストである。
【0011】
<3>前記エポキシ樹脂の含有量が、前記バインダ樹脂全体に対して5質量%以上50質量%以下である<1>又は<2>に記載の導電性ペーストである。
【0012】
<4>前記銀粒子が、平板状の銀粒子を含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電性ペーストである。
【0013】
<5>前記銀粒子が、さらに、球状の銀粒子及び不定形状の銀粒子から選ばれる1種以上を含む<4>に記載の導電性ペーストである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、含まれている銀粒子が低温加熱により焼結され、電気抵抗率が低い導電材料を形成しうる導電性ペーストを提供する。
そして、本発明の導電性ペーストは、例えば、導電性を必要とした、配線同士の接合、部材同士の接着、電極の形成、といった、導電性及び接着性を要する様々な用途に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
本実施形態に係る導電性ペーストは、最短径が1μm以上である銀粒子(以下、「銀ミクロ粒子」と称する場合がある)と、溶剤系ウレタン樹脂の含有量が50質量%以上100質量%以下であるバインダ樹脂と、を含有する。
【0017】
一般的に、含まれている粒子が銀ミクロ粒子である導電性ペーストは、ナノサイズの銀粒子を含む導電性ペーストに比較して、含まれている粒子が低温加熱により焼結され難いため、低温での加熱により電気抵抗率が低い導電材料を形成することが困難な傾向にあると考えられている。
しかし、本実施形態に係る導電性ペーストにおいては、銀ミクロ粒子と、溶剤系ウレタン樹脂を含むバインダ樹脂と、を含有した構成とすることにより、銀ミクロ粒子の低温での焼結を可能とし、低温加熱による電気抵抗率が低い導電材料の形成を実現する。
この理由は不明であるが、本実施形態に係る導電性ペーストにおいては、溶剤系ウレタン樹脂を含むバインダ樹脂が、銀ミクロ粒子の焼結を促進する働きをしていると推定される。
【0018】
以上から、本実施形態に係る導電性ペーストは、含まれている銀粒子が低温加熱により焼結され、電気抵抗率が低い導電材料を形成しうるものとなる。
【0019】
また、本実施形態に係る導電性ペーストは、低温加熱であっても焼結され易く、多量に用いた場合であっても形成された導電材料の中心部近傍まで焼結され易いため、厚みがある導電材料(例えば、80μm以上)の形成に使用してもよい。
他方、公知のナノサイズの銀粒子を含有する導電性ペーストでは、既述のように、単位面積当たりの使用量を増加させると、形成された導電材料の中心部近傍では銀粒子の焼結が進行せず、十分な導電性を得難いことから、厚みのある導電材料の形成には使用し難い。
【0020】
なお、本明細書においては、低温加熱による焼結とは焼結温度が200℃以下である場合を示す。
【0021】
以下、銀粒子について詳細に説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストに含有される銀粒子は、最短径が1μm以上の銀粒子(銀ミクロ粒子)である。
銀ミクロ粒子は、最短径が1μm以上であれば形状には特に制限がない。また、銀粒子は、主成分が銀で構成されているものであれば、銀含有合金の粒子であってもよい。
ここで、主成分が銀で構成されているとは、銀粒子の80質量%以上が銀で構成されていることをいう。
【0022】
銀ミクロ粒子の形状は、特に制限はないが、例えば、平板状、球状、不定形状といった形状が挙げられる。
平板状とは、例えば、フレーク(薄片)状、鱗片状などが挙げられ、球状とは、後述のように、必ずしも真球を意味しない。また、不定形状とは、例えば、粉状が挙げられる。
これらの中でも、銀粒子同士の接触面積を高め、低温で焼結し易くする観点から、平板状の銀ミクロ粒子が望ましく、フレーク状の銀ミクロ粒子がより望ましい。
【0023】
銀ミクロ粒子は、形状が異なるものを併用してもよく、例えば、平板状の銀ミクロ粒子と、球状の銀ミクロ粒子及び不定形状の銀ミクロ粒子から選ばれる1種以上と、を含む銀ミクロ粒子であってもよい。
平板状の銀ミクロ粒子と、球状の銀ミクロ粒子及び不定形状の銀ミクロ粒子から選ばれる1種以上と、を含む銀ミクロ粒子を用いる場合、平板状の銀ミクロ粒子は、銀ミクロ粒子全体に対して、5質量%以上90質量%以下含まれていることがよく、30質量%以上80質量%以下含まれていることが望ましく、40質量%以上60質量%以下含まれていることがより望ましい。
【0024】
平板状の銀ミクロ粒子と、球状の銀ミクロ粒子及び不定形状の銀ミクロ粒子から選ばれる1種以上と、を分散させた導電性ペーストは、塗布して加熱した場合、導電性ペーストを塗布した面に対して垂直の方向への熱伝導率が向上すると考えられる。
これは、以下のことが理由として挙げられる。
平板状の銀ミクロ粒子は、硬化皮膜の面内方向に長軸を向ける形で配向分散する傾向があり、面内方向への熱伝導率は高くなる。しかし、垂直方向では粒子間の界面数が多くなるため、界面熱抵抗の影響から熱伝導率が抑制される傾向がある。球状の銀ミクロ粒子の添加により、平板状の銀ミクロ粒子の配向分散の効果が緩和されることになるため垂直の方向への熱伝導率が向上する。
その結果、本実施形態に係る導電性ペーストによれば、熱伝導材料(Thermal Interface Material)としての機能を有し、且つ低温加熱により焼結されて電気抵抗率が低い導電材料が形成されると考えられる。
【0025】
平板状の銀ミクロ粒子の比表面積は、0.2m/g以上3.0m/g以下がよく、0.4m/g以上2.0m/g以下が望ましい。
【0026】
平板状の銀ミクロ粒子の平均粒子径は、2μm以上15μm以下が望ましく、3μm以上10μm以下がより望ましい。
【0027】
平板状の銀ミクロ粒子として具体的には、例えば、AgC−A(福田金属箔粉工業(株))、Ag−XF301(福田金属箔粉工業(株))、AgC−224(福田金属箔粉工業(株))が挙げられる。
これらの中でも、フレーク状であるAgC−A(福田金属箔粉工業(株))が望ましい。
【0028】
球状の銀ミクロ粒子について説明する。
ここで、球状とは必ずしも真球であることを意味せず、表面に凹凸を有する球であってもよい。
【0029】
球状の銀ミクロ粒子の比表面積は、0.1m/g以上1.0m/g以下がよく、0.3m/g以上0.5m/g以下が望ましい。
【0030】
球状の銀ミクロ粒子の平均粒子径は、1μm以上10μm以下が望ましく、2μm以上5μm以下がより望ましい。
【0031】
球状の銀ミクロ粒子として具体的には、例えば、Ag−HWQ 5μm(福田金属箔粉工業(株))、Ag−HWQ 2.5μm(福田金属箔粉工業(株))、Ag−HWQ 1.5μm(福田金属箔粉工業(株))、が挙げられる。
【0032】
不定形状の銀ミクロ粒子について説明する。
不定形状の銀ミクロ粒子は、例えば、粉状の銀ミクロ粒子が挙げられ、例えば、主成分が銀である、電解粉、化学還元粉が挙げられる。
【0033】
不定形状の銀ミクロ粒子として具体的には、例えば、AgC−156I(福田金属箔粉工業(株))、AgC−132(福田金属箔粉工業(株))、AgC−143(福田金属箔粉工業(株))、が挙げられる。
【0034】
不定形状の銀ミクロ粒子の比表面積は、0.1m/g以上3.0m/g以下がよく、0.5m/g以上1.5m/g以下が望ましい。
【0035】
不定形状の銀ミクロ粒子の平均粒子径は、1μm以上10μm以下が望ましく、3μm以上5μm以下がより望ましい。
【0036】
銀ミクロ粒子の比表面積は、所定のガラス製容器の中に粉末を充填し、窒素ガスの物理吸着を利用したBET法により測定する。具体的には、トライスターII 3020(島津製作所)を用いて測定する。
【0037】
銀ミクロ粒子の平均粒子径は、粒度分布を日機装株式会社製マイクロトラックMT3300を用いて測定し、測定した粒度分布の粒度範囲を基にして累積分布を描き、累積50%となる粒子径(体積平均粒子径)として求める。
【0038】
導電性ペーストの組成分全体に対する銀ミクロ粒子の含有量は、70質量%以上95質量%以下がよく、80質量%以上90質量%以下が望ましく、85質量%がより望ましい。
導電性ペーストの組成分全体に対する銀ミクロ粒子の含有量は、70質量%以上とすることで、形成される導電材料の電気抵抗率を低くすることとなると考えられる。
導電性ペーストの組成分全体に対する銀ミクロ粒子の含有量は、95質量%以下とすることで、導電性ペーストの接着力を確保し、形成される導電材料の割れを抑制すると考えられる。
【0039】
次に、バインダ樹脂について説明する。
バインダ樹脂は、溶剤系ウレタン樹脂の含有量が50質量%以上100質量%以下のバインダ樹脂である。
バインダ樹脂には、溶剤系ウレタン樹脂の他、エポキシ樹脂やその硬化剤が含まれていてもよく、また、導電性ペーストの機能を損なわない範囲でその他の樹脂を含んでいてもよい。
ここで、溶剤系ウレタン樹脂とは、例えば、非水溶媒を含む一液あるいは二液型ポリウレタン樹脂であるウレタン樹脂を示す。
【0040】
溶剤系ウレタン樹脂としては、導電性ペースト用に用いられる熱硬化型の樹脂として公知の溶剤系ウレタン樹脂が用いられ、特に制限はない。
溶剤系ウレタン樹脂は市販品であってもよく、例えば、エーテル系ウレタン樹脂のユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業株式会社)、ニッポラン3116(日本ポリウレタン工業)、コロネート2507(日本ポリウレタン工業)、SG410(セイコーアドバンス)が挙げられる。
【0041】
バインダ樹脂に含まれる溶剤系ウレタン樹脂の含有量は、電気抵抗率低下の観点から、バインダ樹脂の全質量に対して、50質量%以上100質量%以下であり、70質量%以上99質量%以下が望ましく、80質量%以上95質量%以下がより望ましい。
溶剤系ウレタン樹脂の含有量は、50質量%以上であることにより、銀ミクロ粒子であっても焼結が低温で可能であり、低温加熱により電気抵抗率が低い導電材料を形成しうる導電性ペーストを実現することとなる。
【0042】
バインダ樹脂に含まれるエポキシ樹脂は、オキシラン基を1つ以上有しているものであり、溶剤系ウレタン樹脂との相溶性を有するものであればよく、例えば、芳香環を有さないエポキシ樹脂であって、脂肪族又は脂環式のエポキシ樹脂がよい。
また、エポキシ樹脂の官能基は、1以上4以下の官能基を有するエポキシ樹脂が望ましい。
本実施形態に係る導電性ペーストは、バインダ樹脂にエポキシ樹脂が含まれることにより、含まれている銀粒子の焼結がより低温で可能となり、より低温での加熱により電気抵抗率が低い導電材料を形成しうる導電性ペーストとなる。
なお、本実施形態における相溶性とは、溶剤系ウレタン樹脂とエポキシ樹脂との混合液を室温(25℃)で静置し、12時間を経過しても分離しないことを示すこととする。
【0043】
バインダ樹脂に含まれるエポキシ樹脂として具体的には、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジル1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、2,3エポキシ−1−プロパノール、2−エチルヘキシル-グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルが挙げられる。
【0044】
バインダ樹脂に含まれるエポキシ樹脂の含有量は、バインダ樹脂の全質量に対して、5質量%以上50質量%以下がよく、5質量%以上20質量%以下が望ましい。
【0045】
バインダ樹脂に含まれるその他の樹脂としては、導電性ペーストのバインダ樹脂として通常用いられているものが挙げられ、例えば、メラミン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。
【0046】
本実施形態に係る導電性ペーストは、上記銀ミクロ粒子と上記バインダ樹脂と共に、バインダ樹脂が溶解又は安定に分散するような溶媒を含んでいてもよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、α-テルピネオール、エチレングリコール等のアルコール類、メチルグリコール、イソプロピルグリコール、ヘキシルグリコール等のグリコールエーテル類、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類又はこれらの混合物が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
溶媒として、具体的には、例えば、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メチルエチルケトンが挙げられ、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが望ましく、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノールがより望ましい。
【0047】
本実施形態に係る導電性ペーストから導電材料を形成する場合の加熱温度は、例えば、形成される導電材料の電気抵抗率を10μΩcm以下とする場合は、150℃以上200℃以下で加熱することがよい。ここで、加熱温度とは、加熱ゾーン内の雰囲気温度を示す。
本実施形態に係る導電性ペーストは、200℃以下で加熱することにより含まれている銀粒子が焼結され、電気抵抗率が10μΩcm以下の導電材料を形成しうる。
また、本実施形態に係る導電性ペーストは、この方法によって導電性に優れた導電材料を形成しうる。
【0048】
本実施形態に係る導電性ペーストは、電気抵抗率が10μΩcmより大きく20μΩcm以下の導電材料を形成する場合、120℃以上180℃未満で加熱してもよい。
導電性ペーストの加熱時間は、加熱温度や導電性ペーストの量によっても変化するが、5分以上60分以下がよく、30分以上60分以下が望ましい。
なお、バインダ樹脂にエポキシ樹脂を含む場合は、さらに低い加熱温度で、上記の電気抵抗率である導電材料を形成しうると考えられる。
【0049】
本実施形態に係る導電性ペーストの用途としては、例えば、導電性を必要とした、配線同士の接合、部材同士の接着、電極および配線の形成、といった、導電性及び接着性を要する様々な用途が挙げられる。
具体的には、例えば、ダイアタッチメント、チップ部品の表面実装、ビアフィリング、メンブラン配線板等の回路の印刷形成、RF−IDや非接触ICカード等におけるアンテナ形成が、用途として挙げられる。
特に、本実施形態に係る導電性ペーストは、含まれている銀粒子が低温加熱により焼結され、電気抵抗率が低い導電材料を形成しうるため、はんだを使用することができないような耐熱性が低い基板、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、といった材料から構成される基板上に導電材料を形成する場合に適している。
つまり、本実施形態に係る導電性ペーストは、基板の選択性を向上させることとなるので、コストの削減も実現すると考えられる。
【0050】
また、本実施形態に係る導電性ペーストは、低温での焼結であっても導電性ペースト内部の銀粒子が焼け残り難いため、導電性ペーストの使用量を増やすことが可能となり、電気抵抗率が低く、且つ厚みがある導電材料を形成することができる。
その結果、本実施形態に係る導電性ペーストは、形成された導電材料に対してガラスフリット等により被覆することなく、例えば、太陽電池用集電配線の形成に用いることができる。
【0051】
本実施形態に係る導電性ペーストから形成される導電材料の電気抵抗率は、形成される導電材料の用途に応じて加熱温度を変更し、調整することが可能である。
例えば、形成される導電材料を電極、配線等に用いる場合は、10μΩcm以下がよい。
また、形成される導電材料をチップ部品の接続等に用いる場合は、10μΩcmより大きく20μΩcm以下であればよい。
【0052】
形成された導電材料の電気抵抗率は、以下のようにして測定する。
シリケートガラス等の無機ガラス、アルミナ等のセラミックス、ポリイミド等の有機高分子フィルムからなる絶縁性基板上にペーストを塗布し、所定の加熱条件で硬化させる。その後、四端子法、四探針法、ファンデルパウ法等の定電流法によりリード線やプローブの接触抵抗の影響を排除する形で電気抵抗率の測定を行う。
【0053】
導電性ペーストに含まれている銀粒子の焼結は、形成された導電材料の断面を電子顕微鏡によって観察する方法によって確認する。
まず、観察対象となる断面を得る方法としては、機械研磨による荒仕上げで行う方法と、イオンビームを用いたクロスセクションポリッシャーによる精密仕上げで行う方法とが挙げられ、本実施形態のように、観察対象(導電材料)の硬度が低い場合、クロスセクションポリッシャー(IB−09010CP、日本電子社製)により断面を得ることが望ましい。
そして、このようにして得られた断面を、走査型電子顕微鏡によって観察する。
焼結していることの判断基準としては、例えば、銀粒子間でネッキングが生じていること、銀粒子の粒成長が観察できること、が挙げられる。一方で、銀粒子が混合前の形状を維持して分散している場合は、焼結していないことを示す。
【実施例】
【0054】
[実施例1]
(導電性ペースト1の作製)
−バインダ樹脂1の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 100質量部
【0055】
−導電性ペースト1の組成−
・バインダ樹脂1 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製、比表面積1.2m2/g、50%平均粒子径3.5μm) 83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0056】
上記組成の各成分を以下のようにして、導電性ペースト1を作製した。
所定量のバインダ樹脂1と銀ミクロ粒子を樹脂製あるいはガラス製容器に測り取り、遊星型撹拌脱泡装置を用いて混合した。その後、混合物に溶剤である2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールを添加し、再び、遊星型撹拌脱泡装置を用いて混合を行い、導電性ペースト1を得た。
【0057】
(導電材料1の作製)
上記で作製した導電性ペースト1を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で180℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)1を作製した。
【0058】
(評価)
作製された導電材料1について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
−電気抵抗率の測定−
既述の方法で、導電材料1の電気抵抗率を測定した。
【0060】
[実施例2]
(導電性ペースト2の作製)
−バインダ樹脂2の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・エチレングリコールジグリシジルエーテル(和光純薬工業) 10質量部
【0061】
−導電性ペースト2の組成−
・バインダ樹脂2 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0062】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト2を作製した。
【0063】
(導電材料2の作製)
上記で作製した導電性ペースト2を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で150℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)2を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
[実施例3]
(導電性ペースト3の作製)
−バインダ樹脂3の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・ジグリシジル1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート(シグマアルドリッチジャパン株式会社) 10質量部
【0065】
−導電性ペースト3の組成−
・バインダ樹脂3 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0066】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト3を作製した。
【0067】
(導電材料3の作製)
上記で作製した導電性ペースト3を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で150℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)3を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
[実施例4]
(導電性ペースト4の作製)
−バインダ樹脂4の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・2,3エポキシ−1−プロパノール(和光純薬工業) 10質量部
【0069】
−導電性ペースト4の組成−
・バインダ樹脂4 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(AgC−A、福田金属箔粉工業(株))
83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0070】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト4を作製した。
【0071】
(導電材料4の作製)
上記で作製した導電性ペースト4を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で150℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)4を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0072】
[実施例5]
(導電性ペースト5の作製)
−バインダ樹脂5の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・2−エチルヘキシル-グリシジルエーテル(シグマアルドリッチ) 10質量部
【0073】
−導電性ペースト5の組成−
・バインダ樹脂5 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(AgC−A,福田金属箔粉工業(株))
83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0074】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト5を作製した。
【0075】
(導電材料5の作製)
上記で作製した導電性ペースト5を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で150℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)5を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】
[実施例6]
(導電性ペースト6の作製)
−バインダ樹脂6の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・メタクリル酸グリシジル(東京化成) 10質量部
【0077】
−導電性ペースト6の組成−
・バインダ樹脂6 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(AgC−A,福田金属箔粉工業(株))
83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0078】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト6を作製した。
【0079】
(導電材料6の作製)
上記で作製した導電性ペースト6を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で150℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)6を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0080】
[実施例7]
(導電性ペースト7の作製)
−バインダ樹脂7の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・エチレングリコールジグリシジルエーテル(和光純薬工業) 10質量部
【0081】
−導電性ペースト7の組成−
・バインダ樹脂7 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
37.62質量部
・粉状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−1561、福田金属箔粉工業(株)製、比表面積1.1m/g、50%粒子径3μm) 45.98質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0082】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト7を作製した。
【0083】
(導電材料7の作製)
上記で作製した導電性ペースト7を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で180℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)7を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0084】
[実施例8]
(導電性ペースト8の作製)
−バインダ樹脂8の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・エチレングリコールジグリシジルエーテル(和光純薬工業) 10質量部
【0085】
−導電性ペースト8の組成−
・バインダ樹脂8 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
58.52質量部
・粉状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−1561,福田金属箔粉工業(株)製)
25.08質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0086】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト8を作製した。
【0087】
(導電材料8の作製)
上記で作製した導電性ペースト8を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で180℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)8を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0088】
[実施例9]
(導電性ペースト9の作製)
−バインダ樹脂9の組成−
・ユリアーノU301ウレタンベース(荒川化学工業) 90質量部
・エチレングリコールジグリシジルエーテル(和光純薬工業) 10質量部
【0089】
−導電性ペースト9の組成−
・バインダ樹脂9 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
75.24質量部
・粉状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−1561,福田金属箔粉工業(株)製)
8.36質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0090】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト9を作製した。
【0091】
(導電材料9の作製)
上記で作製した導電性ペースト9を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で180℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)9を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0092】
[実施例10]
−バインダ樹脂10の組成−
・SG410(セイコーアドバンス製) 90質量部
・エチレングリコールジグリシジルエーテル(和光純薬製) 10質量部
【0093】
−導電性ペースト10の組成−
・バインダ樹脂10 14.8質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
83.6質量部
・2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(和光純薬工業) 1.6質量部
【0094】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、導電性ペースト10を作製した。
【0095】
(導電材料10の作製)
上記で作製した導電性ペースト10を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で180℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、導電材料(硬化被膜)10を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0096】
[比較例1]
(比較導電性ペースト1の作製)
−比較バインダ樹脂1の組成−
・ETERNACOLL UW−5502(水性のバインダ樹脂、宇部興産製) 100質量部
【0097】
−比較導電性ペースト1の組成−
・比較バインダ樹脂1 15.0質量部
・フレーク状の銀ミクロ粒子(商品名AgC−A、福田金属箔粉工業(株)製)
85.0質量部
【0098】
上記組成の成分を用いて、導電性ペースト1と同様にして、比較導電性ペースト1を作製した。
【0099】
(比較導電材料1の作製)
上記で作製した比較導電性ペースト1を、シリケートガラスから構成される基板上に矩形状のパターンで塗布し、加熱炉内で200℃の温度で60分間加熱処理を行い、室温(25℃)で放冷し、比較導電材料(硬化被膜)1を作製した。
また、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0100】
【表1】

【0101】
上記の結果より、本実施例においては、含まれている銀粒子の焼結が低温で可能であり、低温加熱により電気抵抗率が低い導電材料が形成されていることが明らかである。
また、バインダ樹脂にエポキシ樹脂が含まれていることにより、バインダ樹脂にエポキシ樹脂が含まれていない場合に比べ、より低温で低い電気抵抗率を実現している。
さらに、本実施例においては、導電性ペーストに含まれる銀ミクロ粒子が、フレーク状の銀ミクロ粒子と粉状の銀ミクロ粒子とを併用して用いた場合であっても、低温加熱により電気抵抗率が低い導電材料が形成しうることが示されている。