(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を詳細に説明する。
1.フタロシアニン化合物
本発明のフタロシアニン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0041】
(式中、X
1、X
2及びX
3は、同一又は異なって、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を示す。R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。R
3は、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
【0042】
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、文献未記載の新規化合物であり、800〜1200nmの近赤外線波長領域に吸収能を有し、耐光性及び耐熱性に優れることから、近赤外線吸収剤として有用な化合物である。
【0043】
より詳細には、本発明のフタロシアニン化合物は、下記一般式(1a)〜(1d)で表される少なくとも1種からなる。
【0045】
(式中、X
1、X
2、X
3、R
1、R
2、R
3、Mは、前記に同じ。)
R
1及びR
2で示されるアリール基としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、フルオレニル基等が挙げられる。
【0046】
R
1及びR
2で示されるヘテロアリール基としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、フラニル基、ベンゾフラニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。
【0047】
該アリール基又はヘテロアリール基上の置換基としては、例えば、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルキルチオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。該置換基はアリール基上に1〜3個有していてもよい。
【0048】
上記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖状或いは環状アルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基等を挙げることができる。好ましくは、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基であり、特に好ましくは、t−ブチル基、t−オクチル基である。なお、本明細書において、「n−」はnormal、「s−」はsecondary(sec−)、「t−」はtertiary(tert-)を意味する。
【0049】
上記ハロアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のハロアルキル基が挙げられる。具体的には、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
【0050】
上記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、t−オクチルオキシ基等を挙げることができる。
【0051】
上記ヒドロキシアルキル基としては、例えば、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基等を挙げることができる。
【0052】
上記アルキルチオキシ基としては、例えば、炭素数1〜8のチオアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、n−プロピルチオキシ基、イソプロピルチオキシ基、n−ブチルチオキシ基、イソブチルチオキシ基、s−ブチルチオキシ基、t−ブチルチオキシ基、n−ペンチルチオキシ基、イソペンチルチオキシ基、ネオペンチルチオキシ基、n−ヘキシルチオキシ基、n−ヘプチルチオキシ基、n−オクチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、t−オクチルチオキシ基等を挙げることができる。
【0053】
上記アルキルアミノ基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖状或いは環状アルキル基が置換したアミノ基が挙げられる。アルキルアミノ基のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基等を挙げることができる。
【0054】
上記ジアルキルアミノ基としては、例えば、同一又は異なって炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖状或いは環状アルキル基が2つ置換したアミノ基が挙げられる。ジアルキルアミノ基のアルキル基として、具体的には、上記アルキルアミノ基のアルキル基として挙げたものと同じアルキル基を挙げることができる。
【0055】
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及び沃素が挙げられる。
【0056】
上記アシル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
【0057】
上記アルコキシカルボニル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したカルボニル基が挙げられる。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0058】
R
3で示されるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖状或いは環状アルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基等を挙げることができる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基である。
【0059】
該アルキル基上の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。該置換基は、アルキル基上に1〜10個有していてもよい。
【0060】
置換基を有するアルキル基として、具体的には、2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、4−ヒドロキシブチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−イソプロポキシエチル基等を挙げることができる。
【0061】
Mで示される2価の金属としては、例えば、周期律表第3族〜第15族に属する金属原子が挙げられる。具体的には、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Pb等を挙げることができる。
【0062】
また、Mで示される3価若しくは4価の金属化合物としては、例えば、周期律表第3族〜第15族に属する金属の、ハロゲン化物、水酸化物及び酸化物等が挙げられる。具体的には、AlCl、AlOH、InCl、FeCl、MnOH、SiCl
2、SnCl
2、GeCl
2、Si(OH)
2、Si(OCH
3)
2、Si(OPh)
2、Si(OSiCH
3)
2、Sn(OH)
2、Ge(OH)
2、VO、TiO等を挙げることができる。
【0063】
上記一般式(1)又は(1a)〜(1d)で表されるフタロシアニン化合物において、X
1及びX
2としては、少なくとも一方が酸素原子であることが好ましく、X
1及びX
2が共に酸素原子であることがより好ましい。また、X
3としては、硫黄原子が好ましい。また、R
1及びR
2としては、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基が好ましい。特に好ましくは、同一又は異なって、フェニル基又はナフチル基である。また、溶解性を向上させるという観点からは、当該フェニル基又はナフチル基が、アルキル基で置換されていることが好ましい。R
3としては、水素原子が好ましく、Mとしては、Cu、Zn、Co、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl
2、VO又はTiOが好ましく、VO又はCuがより好ましい。
【0064】
2.フタロシアニン化合物の製造方法
本発明のフタロシアニン化合物は、下記反応式−1に示すとおり、化合物(2)と、金属又は無機若しくは有機金属化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより、製造することができる。
【0066】
(式中、X
1、X
2、X
3、R
1、R
2、R
3及びMは、前記に同じ)
【0067】
上記化合物(2)も、文献未記載の新規化合物であり、本発明のフタロシアニン化合物の製造原料になり得る、有用な物質である。当該化合物の製造方法については、下記「3.フタロシアニン化合物製造用中間体及びその製造方法」において説明する。
【0068】
上記化合物(2)と反応させる金属としては、例えば、周期律表第3族〜第15族に属する金属が挙げられる。具体的には、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pb等が挙げられる。
【0069】
無機金属化合物としては、例えば、上記金属の、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物、錯体等が挙げられる。具体的には、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、沃化銅、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、酢酸コバルト(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム(III)、オキシ三塩化バナジウム、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム(III)、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、塩化ルテニウム(III)、塩化白金(II)、四塩化ケイ素等が挙げられる。
【0070】
有機金属化合物としては、例えば、上記金属のカルボニル化合物が挙げられる。具体的には、アセチルアセトンマンガン等が挙げられる。
【0071】
金属又は無機若しくは有機金属化合物の使用量は、化合物(2)1モルに対し、通常、0.2モル以上であればよく、好ましくは0.25〜0.5モルである。
【0072】
塩基としては、例えば、金属アルコキシド、ジアザビシクロウンデセン(以下、DBUと称することもある)、ジアザビシクロノネン等が挙げられる。
【0073】
金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウム又はカリウムの、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、ペントキシド等が挙げられる。具体的には、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド(以下、tBuOK又はt−BuOKと称することもある)等が挙げられる。好ましくは、カリウム−t−ブトキシド又はDBUである。
【0074】
塩基は、化合物(2)1モルに対し、通常、1〜3モル程度、好ましくは1.2〜1.8モル程度使用される。
【0075】
また、上記化合物(2)と、金属又は無機若しくは有機金属化合物との反応においては、必要に応じて、窒素源として、例えば、ホルムアミド、アンモニア、尿素等を配合してもよい。好ましくは、ホルムアミドである。
【0076】
窒素源は、化合物(2)1モルに対し、例えば、1モル以上、好ましくは1〜3モル程度使用することができる。
【0077】
上記化合物(2)と、金属又は無機若しくは有機金属化合物との反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができる。例えば、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、ニトリル類の他、ニトロベンゼン等が挙げられる。
【0078】
芳香族炭化水素類としては、具体的には、キシレン、メチルナフタレン等を挙げることができる。
【0079】
ハロゲン化炭化水素類としては、具体的には、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等を挙げることができる。
【0080】
エーテル類としては、具体的には、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。
【0081】
アルコール類としては、具体的には、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール(以下、HexOHと称することもある)、n−アミルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エタンジオール、プロピレングリコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等を挙げることができる。
【0082】
アミン類としては、具体的には、トリ−n−ブチルアミン等を挙げることができる。
【0083】
アミド類としては、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと称することもある)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAと称することもある)、N−メチルピロリドン(以下、NMPと称することもある)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等を挙げることができる。
【0084】
スルホキシド類としては、具体的には、スルホラン、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと称することもある)等を挙げることができる。
【0085】
ニトリル類としては、ベンゾニトリル等を挙げることができる。
【0086】
これらの溶媒は、1種を単独で又は2種以上混合して使用される。好ましくは、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノールである。
【0087】
これらの溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、化合物(2)1重量部に対し、通常、1〜100重量部程度、好ましくは2〜30重量部程度使用される。
【0088】
該反応は、通常、90〜240℃、好ましくは、110〜200℃、更に好ましくは、120〜170℃で行われる。
【0089】
反応時間は、原料化合物の種類及び反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、1〜24時間程度である。
【0090】
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、公知の分離及び精製手段を広く使用でき、例えば、再結晶法、溶媒抽出法、カラムクロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、プレパラティブクロマトグラフィー等が挙げられるが、晶析、濾過、洗浄、乾燥等の従来公知の方法によっても、効率よくかつ高純度で、フタロシアニン化合物を得ることができる。
【0091】
3.フタロシアニン化合物製造用中間体及びその製造方法
本発明の、上記一般式(2)で表される、フタロシアニン化合物を製造するための中間体のうち、下記一般式(2’)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば、次の反応式−2に示す方法により製造することができる。
【0093】
(式中、X
1、X
2、X
3、R
1及びR
2は、前記に同じ)
【0094】
上記反応式−2に示したとおり、まず、化合物(5)に、化合物(a)を反応させて、化合物(4)を製造する(工程1)。次いで、工程1で得られた化合物(4)に、化合物(6)を反応させ、さらに非プロトン性極性溶媒を加えることにより、化合物(3)に変換する(工程2)。さらに、得られた化合物(3)に、化合物(b)を反応させて、化合物(2’)を製造することができる(工程3)。
【0095】
(
工程1)
化合物(4)は、通常、溶媒中で、塩基の存在下に、化合物(5)と化合物(a)を反応させることにより製造される。例えば、特開平01−045474号公報、特開平08−120186号公報に開示される公知の方法を用いることができるが、より詳細には、下記のとおりである。
【0096】
化合物(a)としては、フェノール類、ナフトール類、チオフェノール類等が挙げられる。具体的には、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、2,4−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、2,3,6−トリエチルフェノール、2,4,5−トリエチルフェノール、2,4,6−トリエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、3−n−プロピルフェノール、4−n−プロピルフェノール、2,3−ジ−n−プロピルフェノール、2,4−ジ−n−プロピルフェノール、2,5−ジ−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2,3,5−トリ−n−プロピルフェノール、2,3,6−トリ−n−プロピルフェノール、2,4,5−トリ−n−プロピルフェノール、2,4,6−トリ−n−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2,3−ジイソプロピルフェノール、2,4−ジイソプロピルフェノール、2,5−ジイソプロピルフェノール、2,6−ジイソプロピルフェノール、2,3,5−トリイソプロピルフェノール、2,3,6−トリイソプロピルフェノール、2,4,5−トリイソプロピルフェノール、2,4,6−トリイソプロピルフェノール、2−n−ブチルフェノール、3−n−ブチルフェノール、4−n−ブチルフェノール、2,3−ジ−n−ブチルフェノール、2,4−ジ−n−ブチルフェノール、2,5−ジ−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチルフェノール、2,3,5−トリ−n−ブチルフェノール、2,3,6−トリ−n−ブチルフェノール、2,4,5−トリ−n−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−n−ブチルフェノール、2−s−ブチルフェノール、3−s−ブチルフェノール、4−s−ブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、3−イソブチルフェノール、4−イソブチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,3−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,3,5−トリ−t−ブチルフェノール、2,3,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,4,5−トリ−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2−n−ペンチルフェノール、3−n−ペンチルフェノール、4−n−ペンチルフェノール、2−t−アミルフェノール、3−t−アミルフェノール、4−t−アミルフェノール、2,4−ジ−t−アミルフェノール、2−n−ヘキシルフェノール、3−n−ヘキシルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、2−n−ヘプチルフェノール、3−n−ヘプチルフェノール、4−n−ヘプチルフェノール、2−n−オクチルフェノール、3−n−オクチルフェノール、4−n−オクチルフェノール、2−(2−エチルヘキシル)フェノール、3−(2−エチルヘキシル)フェノール、4−(2−エチルヘキシル)フェノール、2−t−オクチルフェノール、3−t−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−n−ノニルフェノール、3−n−ノニルフェノール、4−n−ノニルフェノール、2−n−デシルフェノール、3−n−デシルフェノール、4−n−デシルフェノール、2−n−ウンデシルフェノール、3−n−ウンデシルフェノール、4−n−ウンデシルフェノール、2−n−ドデシルフェノール、3−n−ドデシルフェノール、4−n−ドデシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジイソプロピルフェノール、4−s−ブチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−ドデシルクレゾール、2−(ジメチルアミノ)フェノール、3−(ジメチルアミノ)フェノール、4−(ジメチルアミノ)フェノール、2−(ジエチルアミノ)フェノール、3−(ジエチルアミノ)フェノール、4−(ジエチルアミノ)フェノール、2−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、3−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、4−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、8−ヒドロキシジュロリジン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジメチルエチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、5−フルオロフェノール、6−フルオロフェノール、2,3−ジフルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,3,5−トリフルオロフェノール、2,3,6−トリフルオロフェノール、2,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、2−トリフルオロメチルフェノール、3−トリフルオロメチルフェノール、4−トリフルオロメチルフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、5−クロロフェノール、6−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,3,5−クロロフェノール、2,3,6−トリクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、5−ニトロフェノール、6−ニトロフェノール、2,3−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、5−シアノフェノール、6−シアノフェノール、1−ナフトール(α−ナフトール)、2−ナフトール(β−ナフトール)、4−メトキシ−1−ナフトール、5−メトキシ−1−ナフトール、5−ジメチルアミノ−1−ナフトール、6−ジメチルアミノ−1−ナフトール、6−シアノ−2−ナフトール、4−ニトロ−1−ナフトール、ベンゼンチオール、2−トルエンチオール、3−トルエンチオール、4−トルエンチオール、2,3−ジメチルベンゼンチオール、2,4−ジメチルベンゼンチオール、2,5−ジメチルベンゼンチオール、3,4−ジメチルベンゼンチオール、3,5−ジメチルベンゼンチオール、2,3,4−トリメチルベンゼンチオール、2,3,5−トリメチルベンゼンチオール、2,3,6−トリメチルベンゼンチオール、2,4,5−トリメチルベンゼンチオール、2,4,6−トリメチルベンゼンチオール(2,4,6−トリメチルチオフェノール)、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2,4,6−トリエチルベンゼンチオール、2−n−プロピルベンゼンチオール、3−n−プロピルベンゼンチオール、4−n−プロピルベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−n−ブチルベンゼンチオール、3−n−ブチルベンゼンチオール、4−n−ブチルベンゼンチオール、2−t−ブチルベンゼンチオール、3−t−ブチルベンゼンチオール、4−t−ブチルベンゼンチオール、2,4,6−トリ−t−ブチルベンゼンチオール、2−n−ペンチルベンゼンチオール、3−n−ペンチルベンゼンチオール、4−n−ペンチルベンゼンチオール、2−t−アミルベンゼンチオール、3−t−アミルベンゼンチオール、4−t−アミルベンゼンチオール、4−n−ヘキシルベンゼンチオール、5−t−ブチル−2−メチルベンゼンチオール、2−フルオロベンゼンチオール、3−フルオロベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、2,3−ジフルオロベンゼンチオール、2,4−ジフルオロベンゼンチオール、2,5−ジフルオロベンゼンチオール、3,4−ジフルオロベンゼンチオール、3,5−ジフルオロベンゼンチオール、2,3,4−トリフルオロベンゼンチオール、2,3,5−トリフルオロベンゼンチオール、2,3,6−トリフルオロベンゼンチオール、2,4,5−トリフルオロベンゼンチオール、2,4,6−トリフルオロベンゼンチオール、2−クロロベンゼンチオール、3−クロロベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、2,3−ジクロロベンゼンチオール、2,4−ジクロロベンゼンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,4−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、2,3,4−トリクロロベンゼンチオール、2,3,5−トリクロロベンゼンチオール、2,3,6−トリクロロベンゼンチオール、2,4,5−トリクロロベンゼンチオール、2,4,6−トリクロロベンゼンチオール、2−ブロモベンゼンチオール、3−ブロモベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオール、2−メトキシベンゼンチオール、3−メトキシベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール、3,4−ジメトキシベンゼンチオール、2−(メチルチオ)ベンゼンチオール、3−(メチルチオ)ベンゼンチオール、4−(メチルチオ)ベンゼンチオール、1−ナフタレンチオール、2−ナフタレンチオールが挙げられる。また、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾフラン、8−メルカプトキノリン等を使用することもできる。好ましくは、2,4,6−トリメチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、2,4,6−トリメチルベンゼンチオール、4−t−オクチルフェノールである。
【0097】
化合物(a)の使用量は、通常、化合物(5)に対して、0.9〜2当量、好ましくは0.9〜1.5当量、より好ましくは0.95〜1.1当量程度である。
【0098】
本反応で使用する塩基としては、例えば、アルカリ性物質等が挙げられる。具体的には、フッ化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。好ましくは、フッ化カリウム、炭酸カリウムである。
【0099】
このような塩基の使用量は、使用する塩基の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(5)に対して、0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1〜1.3当量程度とすればよい。
【0100】
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができるが、アセトン、アセトニトリル等を用いるのが望ましい。
【0101】
これらの溶媒の使用量は、使用する塩基の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(5)1重量部に対して、1〜50重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度、より好ましくは1.5〜10重量部程度使用すればよい。
【0102】
本反応は、通常、−10〜40℃、好ましくは、−5〜15℃で行われる。
【0103】
反応時間は、使用する塩基の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常1〜12時間程度で該反応は完結する。
【0104】
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
【0105】
(
工程2)
化合物(3)は、通常、塩基の存在下に、第一の溶媒中、化合物(4)と化合物(6)とを反応させた後、さらに、第一の溶媒とは異なる第二の溶媒を加えることにより製造される。
【0106】
化合物(6)は、以下の一般式(6):
【0108】
(式中、X
3は、酸素原子又は硫黄原子を示す。)
で表される化合物である。つまり、化合物(6)は、2−アミノフェノール又は2−アミノチオフェノールである。
【0109】
化合物(6)の使用量は、通常、化合物(4)に対して、0.8〜1.5当量、好ましくは0.9〜1.3当量、より好ましくは0.95〜1.2当量程度である。
【0110】
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。
【0111】
無機塩基としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリフッ化物等が挙げられる。また、有機塩基としては、例えば、アミン等が挙げられる。
【0112】
アルカリ金属炭酸塩としては、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0113】
アルカリ金属水酸化物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
【0114】
アルカリ金属水素化物としては、具体的には、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を挙げることができる。
【0115】
アルカリフッ化物としては、具体的には、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等を挙げることができる。
【0116】
アミンとしては、具体的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を挙げることができる。
【0117】
これらの塩基は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。好ましくは、炭酸カリウムである。
【0118】
このような塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(4)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜8当量、より好ましくは1.2〜3.5当量程度とすればよい。
【0119】
本反応に使用される第一の溶媒としては、該反応に対して不活性な非プロトン性溶媒を広く使用することができる。例えば、アセトニトリル、アセトン、THF、ジオキサン等を使用することができる。好ましくは、アセトニトリルである。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。
【0120】
上記第一の溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(4)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
【0121】
本反応に使用される第二の溶媒としては、該反応に対して不活性な非プロトン性溶媒であって、第一の溶媒とは異なる溶媒を広く使用することができる。例えば、DMSO、DMF、DMA、NMP、スルホラン等を使用することができる。好ましくは、DMAである。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。第二の溶媒は、前記化合物(6)の消失を確認した後で添加することが好ましい。
【0122】
上記第二の溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(4)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
【0123】
本反応は、通常、20〜100℃程度、好ましくは、40〜85℃で行われる。
【0124】
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、第一の溶媒での反応時間は、0.1〜2時間程度、第二の溶媒を添加した後の反応時間は0.4〜10時間程度であり、工程2全体としては、通常、0.5〜12時間程度で該反応は完結する。
【0125】
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
【0126】
(
工程3)
化合物(2’)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(3)と化合物(b)とを反応させることにより製造される。
【0127】
化合物(b)としては、フェノール類、ナフトール類、チオフェノール類等が挙げられる。具体的には、上記化合物(a)として挙げた化合物と同じ化合物を挙げることができる。
【0128】
化合物(b)の使用量は、通常、化合物(3)に対して、1〜2.5当量、好ましくは1.1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.6当量程度である。
【0129】
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。例えば、上記(工程2)で挙げた塩基と同じものを使用することができる。
【0130】
上記塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(3)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜8当量、より好ましくは1.2〜3.5当量程度とすればよい。
【0131】
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な公知の非プロトン性極性溶媒を広く使用することができる。例えば、DMA、DMSO等を挙げることができる。
【0132】
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(3)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
【0133】
本反応は、通常、20〜120℃程度、好ましくは、40〜90℃で行われる。
【0134】
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常0.5〜10時間程度で該反応は完結する。
【0135】
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
【0136】
さらに、上記反応により得られた、フタロシアニン化合物を製造するための中間体化合物(2’)は、例えば、次の反応式−3に示す方法により、中間体化合物(2”)に変換することもできる。
【0138】
(式中、X
1、X
2、X
3、R
1及びR
2は、前記に同じ。R
4は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Yは脱離基を示す。)
【0139】
化合物(2”)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(2’)と化合物(c)とを反応させることにより製造される。
【0140】
化合物(c)におけるR
4の、置換基を有していてもよいアルキル基としては、上記R
3と同じものを挙げることができる。
【0141】
化合物(c)におけるYの脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられる。
【0142】
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、沃素が挙げられる。
【0143】
化合物(c)としては、具体的には、ベンジルクロリド、ブロモメタン、ブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、t−ブチルブロミド、1−ブロモペンタン(以下、n−アミルブロマイド又はn-AmylBrと称することもある)、1−ブロモ−2−メチルブタン、1−ブロモ−3−メチルブタン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ブロモシクロペンタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモ−4−メチルペンタン、1−ブロモ−2−エチルブタン、ブロモシクロヘキサン、1−ブロモヘプタン、2−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、1−ブロモオクタン、2−ブロモオクタン、3−ブロモオクタン、4−ブロモオクタン、1−ブロモ−2−エチルヘキサン、1−ブロモノナン、1−ブロモデカン、1−ブロモウンデカン、1−ブロモドデカン、2−フェニルエチルブロミド、3−フェニルプロピルブロミド、4−フェニルブチルブロミド、5−フェニルペンチルブロミド、1−ブロモ−2−メトキシエタン、1−ブロモ−3−メトキシプロパン、3−(2−メトキシエトキシ)プロピルブロミド、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン、4−ブロモ−1−ブタノール、5−ブロモ−1−ペンタノール、6−ブロモ−1−ヘキサノール、7−ブロモ−1−ヘプタノール、8−ブロモ−1−オクタノール、9−ブロモ−1−ノナノール、10−ブロモ−1−デカノール、11−ブロモ−1−ウンデカノール、12−ブロモ−1−ドデカノール、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、2−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、t−ブチルヨージド、1−ヨードペンタン、2−ヨードペンタン、3−ヨードペンタン、1−ヨード−3−メチルブタン、1−ヨード−2−メチルブタン、1−ヨードヘキサン、2−ヨードヘキサン、3−ヨードヘキサン、ヨードシクロヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、1−ヨードウンデカン、1−ヨードドデカン、メチルトリフラート、エチルトリフラート、プロピルトリフラート、ブチルトリフラート、ペンチルトリフラート、ヘキシルトリフラート、ヘプチルトリフラート、オクチルトリフラート、2−エチルヘキシルトリフラート、ノニルトリフラート、デシルトリフラート、ウンデシルトリフラート、ドデシルトリフラート、2,2,2−トリフルオロエチルトリフラート、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ペンチル、p−トルエンスルホン酸−2−メチルブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、p−トルエンスルホン酸ヘプチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸−2−エチルヘキシル、p−トルエンスルホン酸ヘプチル、p−トルエンスルホン酸デシル、p−トルエンスルホン酸ウンデシル、p−トルエンスルホン酸ドデシル、p−トルエンスルホン酸−2−クロロエチル、p−トルエンスルホン酸−2,2,2−トリフルオロエチル、p−トルエンスルホン酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、p−トルエンスルホン酸−2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸−2−メチルブチル、p−トルエンスルホン酸フェネチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸プロピル、メタンスルホン酸ブチル、メタンスルホン酸ペンチル、メタンスルホン酸ヘキシル、メタンスルホン酸シクロヘキシル、メタンスルホン酸ヘプチル、メタンスルホン酸オクチル、メタンスルホン酸−2−エチルヘキシル、メタンスルホン酸ノニル、メタンスルホン酸デシル、メタンスルホン酸ウンデシル、メタンスルホン酸ドデシル、メタンスルホン酸−2,2,2−トリフルオロエチル、メタンスルホン酸−2−メトキシエチル、メタンスルホン酸−2−クロロエチル、メタンスルホン酸−2−イソプロポキシエチル等を挙げることができる。
【0144】
化合物(c)の使用量は、通常、化合物(2’)に対して、0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.8当量程度である。
【0145】
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。例えば、上記(工程2)で挙げた塩基と同じものを使用することができる。
【0146】
上記塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(2’)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1.2〜2.5当量程度とすればよい。
【0147】
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な公知の非プロトン性極性溶媒を広く使用することができる。例えば、DMF、DMA、DMSO等を挙げることができる。
【0148】
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(2’)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
【0149】
本反応は、通常、50〜140℃程度、好ましくは、60〜120℃で行われる。 反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常1〜6時間程度で該反応は完結する。
【0150】
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
【0151】
4.近赤外線吸収色素
本発明のフタロシアニン化合物は、800〜1200nmの近赤外線波長領域に吸収能を有することから、近赤外線吸収色素として使用することができる。即ち、本発明の近赤外線吸収色素は、本発明のフタロシアニン化合物からなる。
【0152】
5.近赤外線吸収材料
本発明のフタロシアニン化合物は、800〜1200nmの近赤外線波長領域に吸収能を有することから、近赤外線吸収材料、より詳細には、近赤外線吸収フィルター、保護眼鏡、農業用フィルム、熱線遮断フィルター、受光素子、長波長レーザー対応光記録媒体、偽造防止用の印刷インク、カモフラージュ用塗装等に使用することができる。即ち、本発明の近赤外線吸収材料は、本発明のフタロシアニン化合物を含有する。
【0153】
本発明のフタロシアニン化合物は、そのまま、あるいはバインダー樹脂や添加物と共に、紙、プラスチックシート、プラスチックフィルム、ガラス、樹脂等に塗布又は混練したり、ハードコートしたり、モノマーと混合して重合させたりすることにより、近赤外線吸収材料として種々の用途に使用できる。
【0154】
バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、セルロース系ポリマー、ビニル系ポリマー、縮合系ポリマー、ゴム系熱可塑性ポリマー、光重合性化合物の重合体等が挙げられる。
【0155】
アクリル酸系モノマーとしては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0156】
セルロース系ポリマーとしては、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート等を挙げることができる。
【0157】
ビニル系ポリマーとしては、具体的には、ポリスチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0158】
縮合系ポリマーとしては、具体的には、ポリエステル、ポリアミド等を挙げることができる。
【0159】
ゴム系熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、ブタジエン−スチレン共重合体等を挙げることができる。
【0160】
光重合性化合物としては、具体的には、エポキシ化合物等を挙げることができる。
【0161】
本発明のフタロシアニン化合物を塗布又は混合する樹脂としては、例えば、透明樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリアクリロニトリル樹脂、メタクリルニトリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明樹脂を挙げることができる。
【0162】
また、本発明のフタロシアニン化合物を混合するモノマーとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メシチレントリイソシアネート、1,4−ビス(α,α’−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−チオプロピル)イソシアヌレート、2,2’−ジメチルプロパンジオールビス(2−チオアセテート)等が挙げられる。本発明のフタロシアニン化合物を、これらのモノマーと混合した後に重合することによって、成形品を得ることができる。
【0163】
6.光熱変換材料
本発明のフタロシアニン化合物は、800〜1200nmの近赤外線波長領域に吸収能を有することから、この領域のレーザー光を吸収して熱に変換する光熱変換材料、より詳細には、レーザーダイレクト製版(CTP)用原版、記録材料(レーザー感熱記録材料、レーザー熱転写記録材料等)等に使用することができる。即ち、本発明の光熱変換材料は、本発明のフタロシアニン化合物を含有する。
【0164】
当該光熱変換材料は、光熱変換剤としての本発明のフタロシアニン化合物以外に、バインダー樹脂等を含有してもよく、当該バインダー樹脂としては、上記近赤外線吸収材料と同様のものを挙げることができる。
【0165】
また、当該光熱変換材料は、光熱変換剤として、本発明のフタロシアニン化合物以外に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、公知の種々の近赤外線吸収剤を併用することができる。例えば、公知のカーボンブラック、アニリンブラック等の顔料、ポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン(類似)系色素、アミニウム系色素、ジイモニウム系色素、アゾ系色素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素、染料系の色素等が挙げられる。
【0166】
6−1.記録材料(レーザー感熱記録材料、レーザー熱転写記録材料)
光熱変換材料を、レーザー感熱記録材料又はレーザー熱転写記録材料等の記録材料とする場合、当該材料には、発色成分又は着色成分等を配合して使用してもよいし、発色成分又は着色成分等を含有する層を別途設けてもよい。
【0167】
発色成分又は着色成分としては、特に限定されず、公知の成分を用いることができる。例えば、昇華性染顔料、電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物の組み合わせ、熱によって物理的、化学的な変化で画像を形成するもの(重合性ポリマー等)等を挙げることができる。
【0168】
レーザー感熱記録材料に用いられる電子供与性染料前駆体としては、具体的には、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられる。電子受容性化合物としては、フェノール性化合物、有機酸若くはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0169】
また、レーザー熱転写記録材料に用いられる着色成分としては、具体的には、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等の無機顔料、アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系、フタロシアニン系、キナクリドン系等の有機顔料が挙げられる。染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料等が挙げられる。
【0170】
6−2.ダイレクト製版用平版印刷原版
光変換材料を、ダイレクト製版用平版印刷原版とする場合、支持体上に光熱変換層を設ける。光熱変換層上には、シリコンゴム層を積層してもよいし、更に、保護層等を積層してもよい。
【0171】
支持体としては、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅等のような金属の板、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0172】
光熱変換層は、画像形成成分、バインダー樹脂等を含み、当該バインダー樹脂としては、上記近赤外線吸材料と同様のものを挙げることができる。また、画像形成成分を含む層を、光熱変換層の上に積層して設けてもよい。
【0173】
画像形成成分としては、特に限定されず、熱によって物理的、化学的な変化で画像を形成する、公知の成分を用いることができる。場合によっては、光熱変換層(感光層または感熱記録層)上にシリコンゴム層を積層し、露光後、シリコンゴム層を密着または剥離することにより画像部を形成してもよい。
【0174】
通常、光熱変換材料、画像形成成分、バインダー樹脂等を有機溶剤等に分散または溶解させ、支持体に塗布することにより、印刷用平版印刷原版を作製する。
【0175】
支持体と光熱変換層との間には、接着性向上や印刷特性向上のためのプライマー層を設けてもよいし、支持体自身を表面処理してもよい。用いるプライマー層としては、特に限定されず、公知の成分を用いることができる。
【0176】
光熱変換層又はシリコンゴム層には、表面保護のために保護膜を形成してもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン等をラミネートしたり、これらのフィルムを延伸したりして、保護膜とすることができる。
【0177】
7.熱線吸収材料
本発明のフタロシアニン化合物は、800〜1200nmの近赤外線波長領域に吸収能を有することから、熱線吸収材料に使用することができる。即ち、本発明の熱線吸収材料は、本発明のフタロシアニン化合物を含有する。なお、本明細書において、熱線吸収材料とは、800〜2500nmの波長領域に吸収能を有する材料を意味するものである。本発明の熱線吸収材料は、本発明のフタロシアニン化合物を含有するため、800〜1200nmの近赤外線波長領域での吸収能に特に優れる。
【0178】
具体的な熱線吸収材料としては、合わせガラス用中間膜、遮熱フィルム等が挙げられる。また、当該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスも、本発明の熱線吸収材料に含まれる。当該遮熱フィルムや合わせガラスの用途は、それぞれ特に限定されない。合わせガラスの具体的な用途としては、例えば、車両用、建築物用等が挙げられる。
【0179】
当該熱線吸収材料は、本発明のフタロシアニン化合物以外に、熱線吸収剤を使用する。当該熱線吸収剤としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化タングステン等の無機微粒子が挙げられる。当該熱線吸収剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0180】
当該熱線吸収材料は、本発明のフタロシアニン化合物以外に、バインダー樹脂等を含有してもよい。当該バインダー樹脂としては、上記近赤外線吸収材料におけるバインダー樹脂と同様のものを挙げることができる。
【0181】
本発明の熱線吸収材料を製造する方法としては、特に限定されない。
【0182】
ここで、本発明の代表的な熱線吸収材料として、本発明のフタロシアニン化合物を含有する合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの製造方法について、具体的に説明する。最初に、本発明のフタロシアニン化合物を、バインダー樹脂、熱線吸収剤、及びその他各種添加剤等とともに押出機、カレンダーロール等を用いて混練する。次いで、当該混練物を押出法、カレンダー法等の製膜法によって製膜することにより、シート状のガラス用中間膜(本発明の熱線吸収材料)を得ることができる。次に、当該ガラス用中間膜を2枚以上のガラスの間に挟んで、所定の条件下(温度・圧力等)で圧着することにより、合わせガラス(本発明の熱線吸収材料)を得ることができる。また、本発明のフタロシアニン化合物を含んでなる第1の層と、熱線吸収剤を含んでなる第2の層とを積層して多層構造の中間膜としてもよい。
【実施例】
【0183】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0184】
本発明において、各値は以下のとおり測定した。
<GCMS>
(株)島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析装置GCMS−QP2010Plus(EI法)
<LCMS>
(株)島津製作所製高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS−2010EV(ESI法)
<ESI−TOFMS>
日本電子(株)製質量分析計JMS−T100−LC
<MALDI TOF−MS>
Applied Biosystems社製Voyager−DE STR
<波長(λmax)>
日本分光(株)製分光光度計V−570
測定には、8.0×10
−6〜11×10
−6mol/Lのクロロホルム溶液を調製し、光路長1cmの石英セルを用いた。
<
1H−NMR>
日本電子(株)製Lambda300(300MHz)
実施例1【0185】
【化16】
【0186】
(1)化合物(4−1)の調製
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル(化合物(5))3.0g(15mmol)、フッ化カリウム15g(1.2eq.)及びアセトニトリル20mlを仕込み、撹拌下、5℃に冷却した。ここに、2,4,6−トリメチルチオフェノール(化合物(a−1);純度77%)3.0g (1.0eq.)を滴下した。滴下終了後、混合物を20℃まで昇温し、20〜25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物を、イソプロパノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(4−1)3.7gを、白色固体として得た(収率74%)。
GCMS m/z=332(M
+)
【0187】
(2)化合物(3−1)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた300mlの4つ口反応器に、化合物(4−1)8.3g(25mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム8.6g(63mmol、2.5eq.)及びアセトニトリル75mlを仕込み、撹拌した。ここに、2−アミノチオフェノール(化合物(6−1))3.1g(25mmol、1.0eq.)を滴下し、75℃に昇温して、30分反応させた。ここにDMA80mlを加え、さらに1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(3−1)7.1gを、オレンジ固体として得た(収率68%)。
LCMS m/z=416((M−H)
−)
【0188】
(3)化合物(2−1)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(3−1)5.8g(14mmol、1.0eq,)、炭酸カリウム 3.9g(28mmol、2.0eq.)、DMSO35ml及び4−tert−オクチルフェノール(化合物(b−1)) 4.0g(20mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をメタノールでよく洗い、化合物(2−1)7.4gを、オレンジ固体として得た(収率87%)。
LCMS m/z=602((M−H)
−)
1H−NMR (CDCl
3:δ ppm)7.14(d,2H)、7.08−7.02(m,1H)、6.95−6.87(m,2H)、6.75(s,2H)、6.61(d,1H)、6.37(t,3H)、2.17(d,9H)、1.68(s,2H)、1.31(s,6H)、0.70(d,9H)
【0189】
(4)化合物(1−1)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−1)7.2g(12mmol、1.0eq.)、n−ヘキサノール33ml 、ホルムアミド 0.82g(17mmol、1.4eq.)及びt−BuOK 2.0g(16.8mmol、1.4eq.)を仕込み、110℃で1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料が僅かなことを確認した後、反応液に、VCl
30.8g(4.8mmol、0.4eq.)を、90℃で加えた。反応液を145℃に昇温し、2時間反応させた後、エアー気流下に3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、トルエン30mlを加えた。反応混合物を、メタノール(MeOH)150mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、メタノールで洗浄した。100℃で乾燥して、粗生成物を5.1g得た。得られた固体をトルエン150mlに溶かし、活性白土20g、シリカゲル10gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮し、メタノールでよく洗い、130℃で乾燥して、化合物(1−1)2.4gを、黒色固体として得た(収率24%)。
ESI-TOFMS m/z=2503.9((M+Na)
+)
λmax 1005nm ε 114000(クロロホルム)
実施例2【0190】
【化17】
【0191】
(1)化合物(4−2)の調製
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル(化合物(5))6.0g(30mmol)、フッ化カリウム15g(1.2eq.)及びアセトニトリル20mlを仕込み、撹拌下、0℃に冷却した。ここに、β−ナフトール(化合物(a−2))4.3g(1.0eq.)を少しずつ投入した。投入終了後、混合物を5℃以下で1時間反応させた後、20℃まで昇温し、20〜25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗製物をメタノールでよく洗い、化合物(4−2)6.7gを、白色固体として得た(収率69%)。
GCMS m/z=324(M
+)
【0192】
(2)化合物(3−2)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(4−2)6.5g(20mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム6.9g(50mmol、2.5eq.)及びアセトニトリル30mlを仕込み、撹拌した。ここに、2−アミノチオフェノール(化合物(6−1)) 2.5g(20mmol、1.0eq.)を滴下し、75℃に昇温して、30分反応させた。ここに、DMA30mlを加え、さらに1時間反応した。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗った後、乾燥させて、化合物(3−2)5.0gを、オレンジ固体として得た(収率61%)。
LCMS m/z=408((M−H)
−)
【0193】
(3)化合物(2−2)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた200mlの4つ口反応器に、化合物(3−2)24.5g(60mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム 16.6g(120mmol、2.0eq.)、DMSO35ml及び4−tert−オクチルフェノール(化合物(b−1))17.9g(84mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。粗製物をメタノール/アセトン 1/2でよく洗い、目的物26.1gをオレンジ固体として得た(収率73%)。
LCMS m/z=594((M−H)
−)
1H−NMR (CDCl
3:δ ppm)7.80−7.64(m,3H)、7.49−7.38(m,2H)、7.16(d,2H)、7.06(t,1H)、6.94−6.76(m,4H)、6.66(d,1H)、6.52(m,3H)、1.68(s,2H)1.29(s,6H)、0.72(s,9H)
【0194】
(4)化合物(1−2)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−2) 15.5g(26mmol、1.0eq.)、n−ヘキサノール52ml 、ホルムアミド 1.6g(36mmol、1.4eq.)、t−BuOK 4.1g(36.4mmol、1.4eq.)を仕込み、110℃で1時間撹拌した。TLCで原料が僅かなことを確認した後、反応液に、VCl
31.6g(10mmol、0.4eq.)を、90℃で加えた。反応液を145℃に昇温し、2時間反応した後、エアー気流下に20時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷まし、トルエン30mlを加えた。反応混合物をMeOH200mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、メタノールで洗浄した。100℃で乾燥して、粗生成物を15g得た。得られた固体をトルエン150mlに溶かし、活性白土30g、シリカゲル45gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮し、メタノールで固体をよく洗った。130℃で乾燥して、目的物8.9gを、黒色固体として得た(収率56%)。
λmax 990nm ε 98000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2471.8(M
+)
実施例3【0195】
【化18】
【0196】
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−2)を 9.5g(16mmol、1.0eq. )、n−ヘキサノール32ml及びDBU3.4g(22mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃に昇温した。ここにCuCl 0.52g(5.3mmol、0.33eq. )を加えた。反応液を140℃に昇温し、18時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷まし、トルエン30mlを加えた。反応混合物をMeOH200mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、固体をメタノールで洗浄した。100℃で乾燥して粗精製物を15g得た。得られた固体をトルエン150mlに溶かし、活性白土30g、シリカゲル45gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮しメタノールで固体をよく洗った。130℃で乾燥して、目的物3.0gを、黒色固体として得た(収率31%)。
λmax 1014nm ε 113000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2444.8(M
+)
実施例4【0197】
【化19】
【0198】
(1)化合物(2−3)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(3−2)6.1g(15mmol、1.0eq,)、炭酸カリウム 4.1g(30mmol、2.0 eq.)、DMSO 35ml及び2,4,6−トリメチルチオフェノール(化合物(b−2);純度80%)4.0g(21mmol、1.4eq.)を仕込み、70℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物を、メタノール/アセトン 1/1でよく洗って、目的物8.0gを、オレンジ固体として得た(収率99%)。
LCMS m/z=540((M−H)
−)
【0199】
(2)化合物(2−4)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−3)7.6g(14mmol、1.0eq,)、炭酸カリウム 3.9g(28mmol、2.0 eq.)、DMSO 30ml及びn−アミルブロマイド 3.2g(21mmol、1.5eq.)を仕込み、100℃で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物を、エタノールでよく洗って、目的物7.7gを、黄色固体として得た(収率89%)。
LCMS m/z= 611(M
+)
1H−NMR (CDCl
3:δ ppm)7.79−7.70(m,2H)、7.53−7.35(m,3H)、7.23−7.18(m,1H)、7.02−6.84(m,4H)、6.57(s,2H)、6.47(d,1H)、4.19(t,2H)、2.24(s,6H)1.82(s,3H)1.72−1.57(m,2H)、1.41−1.19(m,4H)、0.84(t,3H)
【0200】
(3)化合物(1−4)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−4)7.3g(12mmol、1.0eq.)、n−ヘキサノール36ml 、ホルムアミド 0.76g(17mmol、1.4eq.)及びt−BuOK 1.9g(17mmol、1.4eq.)を仕込み、100℃で1時間撹拌した。TLCで原料が僅かなことを確認した後、反応液に、VCl
30.73g(4.8mmol、0.4eq.)を、90℃で加えた。反応液を145℃に昇温し、2時間反応させた後、エアー気流下に3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷まし、トルエン50mlを加えた。反応混合物をMeOH300mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、メタノールで洗浄した。洗浄後の固体を100℃で乾燥して、粗生成物を4.5g得た。得られた固体をトルエン60mlに溶かし、活性白土20g、シリカゲル20gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮し、メタノールで固体をよく洗い、130℃で乾燥して、目的物2.3gを、黒色固体として得た(収率30%)。
λmax 1014nm ε 113000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2513.7((M+H)
+)
実施例5【0201】
【化20】
【0202】
(1)化合物(3−3)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(4−2)13.0g(40mmol、1.0eq.)、フッ化カリウム5.8g(100mmol、2.5eq.)及びアセトニトリル40mlを仕込み撹拌した。ここに、2−アミノフェノール4.4g(40mmol、1.0eq.)を滴下した。75℃に昇温し30分反応させた。ここに、DMA 40mlを加え、さらに1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノール/アセトン 1/1溶液で洗った後、乾燥させて化合物(3−3)5.9gを、黄色固体として得た(収率37%)。
GCMS m/z=393(M
+)
【0203】
(2)化合物(2−5)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(3−3)5.9g(15mmol、1.0eq,)、炭酸カリウム4.1g(30mmol、2.0 eq.)、DMSO30ml及び4−tert−オクチルフェノール4.3g(21mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をクロロホルムに溶かし活性白土を加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮し、アセトン/メタノールで再結晶して目的物2.4gを黄色固体として得た(収率27%)。
LCMS m/z=578((M−H)
−)
1H−NMR (THF−d8:δ ppm)8.5(s,1H),7.72(m,3H),7.37(m,2H),7.23(m,2H),7.15(d,J=2.7,1H),6.97(dd,J=9.0,2.4,1H),6.75(m,3H),6.61(m,1H),6.42(d,J=8.1,1H),2.61(s,1H),1.71(s,2H),1.28(s,6H),0.70(s,9H)
【0204】
(3)化合物(1−5)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた25mlの3つ口反応器に、化合物(2−5) 2.3g(4.0mmol、1.0eq.)、n−ヘキサノール8ml 、ホルムアミド0.25g(5.6mmol, 1.4eq.)及びt−BuOK 0.63g (5.6mmol, 1.4eq.)を仕込み110℃で1時間撹拌した。TLCで原料が僅かなことを確認した後、反応液に、VCl
3 0.24g (1.6mmol, 0.4eq.)を、90℃で加えた。反応液を145℃に昇温し、2時間反応させた後、エアー気流下に10時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、トルエン8mlを加えた。反応混合物を、MeOH 60mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、固体をメタノールで洗浄した。100℃で乾燥して、粗生成物を2.0g得た。得られた固体をトルエン20mlに溶かし、活性白土10g、シリカゲル10gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮し、メタノールでよく洗い、130℃で乾燥して化合物(1−5)0.9gを暗緑色固体として得た(収率38%)。
λmax 964nm ε 91000 クロロホルム
MALDI TOF-MS m/z=2383(M
+)
実施例6【0205】
【化21】
【0206】
(1)化合物(4−3)の調製
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル6.0g(30mmol)、フッ化カリウム15g(1.2eq.)及びアセトニトリル20mlを仕込み、攪拌下、0℃に冷却した。ここに、α−ナフトール4.3g(1.0eq.)を少しずつ投入した。投入終了後、混合物を5℃以下で1時間反応させた後、20℃まで昇温し、20〜25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をメタノールでよく洗い、化合物(4−3)7.2gを、白色固体として得た(収率74%)。
GCMS m/z=324(M
+)
【0207】
(2)化合物(3−4)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた200mlの4つ口反応器に、化合物(4−3)16.2g(50mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム17.3g(125mmol、2.5eq.)及びアセトニトリル100mlを仕込み、攪拌した。ここに、2−アミノチオフェノール6.3g(50mmol、1.0eq.)を滴下し、75℃に昇温して、30分反応させた。ここに、DMA100mlを加え、更に1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(3−4)14.3gをオレンジ色固体として得た(収率70%)。
LCMS m/z=408((M−H)
−)
【0208】
(3)化合物(2−6)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた200mlの4つ口反応器に、化合物(3−4)20.5g(50mmol、1.0eq,)、炭酸カリウム14g(100mmol、2.0 eq.)、DMSO75ml及び2−メチルフェノール7.6g(70mmol、1.4eq.)を仕込み、70度で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をメタノール/アセトン 2/1でよく洗い、化合物(2−6)19gを、オレンジ色固体として得た(収率76%)。
LCMS m/z=496((M−H)
−)
【0209】
(4)化合物(2−7)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−6)17g(35mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム10g(70mmol、2.0eq.)、DMSO50mL及びn−アミルブロマイド7.9g(53mmol、1.5eq.)を仕込み、70℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をエタノールでよく洗って、化合物(2−7)17.8gを、黄色固体として得た(収率90%)。
LCMS m/z=568((M+H)
+)
1H−NMR (THF−d8:δ ppm)7.80(d,J=7.8,1H),7.56(d,J=9.0,1H),7.42(m,2H),7.26(m,4H),7.03(m,3H),6.84(t,J=6.0,1H),6.69(m,3H),4.30(t,J=6.9,2H),1.78(m,2H),1.46(m,7H),0.89(t,J=7.1,3H)
【0210】
(5)化合物(1−6)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた200mlの4つ口反応器に、化合物(2−7)を17g(30mmol、1.0eq.)、n−ヘキサノール60ml 、ホルムアミド1.9g(42mmol, 1.4eq.)及びt−BuOK4.7g (42mmol, 1.4eq.)を仕込み、100℃で1時間撹拌した。TLCで原料が僅かなことを確認した後、反応液に、VCl
31.8g(12mmol, 0.4eq.)を90℃で加えた。反応液を145℃に昇温し、2時間反応させた後、エアー気流下3時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、トルエン40mlを加えた。反応混合物をMeOH300mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、メタノールで洗浄した。100℃で乾燥して、粗生成物を14g得た。得られた固体をトルエン140mlに溶かし、活性白土42gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮し、メタノールでよく洗い、130℃で乾燥して、化合物(1−6)6.8gを、黒色固体として得た(収率39%)。
λmax 958nm ε 109000 クロロホルム
MALDI TOF-MS m/z=2335(M
+)
【0211】
試験例1(耐熱性評価)
実施例2で得られたフタロシアニン化合物について、(株)島津製作所製熱重量測定装置TGA−50により熱分解温度を測定した。
【0212】
また、比較例1として、特開平11−269399号公報に記載される、下記式で表される化合物について、同様に熱分解温度を測定した。
【0213】
結果を表1に示した。
【0214】
【化22】
【0215】
試験例2(耐光性評価)
<薄膜作製>
実施例2で得られたフタロシアニン化合物10mgを、ポリメタクリレート18wt%トルエン溶液5mlに溶解し、ガラス基板上にスピンコート法により塗布して乾燥させて、膜厚1.4μmの薄膜を作製した。
【0216】
また、比較例1の化合物についても、同様にして膜厚1.4μmの薄膜を作製した。
<耐光試験>
上記<薄膜作成>で得られた薄膜に、キセノン光(142klux)を336時間照射し、照射後の色素残存率をそれぞれ測定した。残存率は次式に従い計算した。透過率とは、作製した薄膜の、吸収極大波長で測定した値である。結果を表1に示した。
【0217】
色素残存率(%)=100×(照射後の透過率)/(照射前の透過率)
【0218】
【表1】