(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Aが、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、又はs−ペンチル基である、請求項1に記載の化合物。
前記阻害剤がイピリムマブ、レブリミド、ベルケイド、ベムラフェニブ、ST−3−06、ST−2−92、ツバスタチンA、ツバシンのうちの1つ以上と共に使用される、請求項23乃至25のいずれか一項に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に具体化され及び広く記載される、開示した材料、化合物、組成物、物品、装置及び方法の目的によれば、開示した主題は、組成物、並びに該組成物の作製及び使用方法に関する。別の態様において、開示した主題は、選択的HDAC6阻害剤としての活性を有する化合物、該化合物の作製及び使用方法、並びに該化合物を含む組成物に関する。所定の態様において、開示した主題は、本明細書に定義した式I又はII、特に式I−A、I−B及びI−Cに示す化学構造を有する化合物に関する。尚更なる態様において、開示した主題は、患者における腫瘍学的疾患の処置のための方法に関する。例えば、本明細書には、有効量の本明細書に開示した化合物又は組成物を、腫瘍学的疾患を有する、例えば黒色腫を有する、及びその処置を必要とする患者に投与する方法が開示される。腫瘍細胞を阻害又は殺滅、HDAC6を阻害、及び腫瘍炎症性応答を増強するための、開示した化合物の使用方法も開示する。
【0008】
開示した主題の更なる利点は、以下の記載及び図面に部分的に示され、また該記載から部分的に明らかとなり、又は下記に記載される態様の実践により学習され得る。下記に記載する利点は、特に添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組み合わせにより実現及び達成されるであろう。前述の一般的な記載と、以下の詳細な説明は、単に例示的及び説明的であり、制限的ではないことを理解するべきである。
【0009】
本明細書に記載した材料、化合物、組成物、物品及び方法は、開示した主題の特定の態様の以下の詳細な記載、及びそこに含まれる実施例及び図面を参照することによりより容易に理解することができる。
【0010】
本材料、化合物、組成物及び方法を開示及び記載する前に、以下に記載する態様は、特定の合成方法又は特定の試薬が勿論変動し得るため、その特定の合成方法又は特定の試薬に限定されないことを理解するべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の態様を記載することのみを目的とし、限定を意図するものではないことも理解するべきである。
【0011】
また、本明細書全体を通して様々な刊行物が参照される。これらの刊行物の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれて、開示した問題が関連する技術水準をより完全に記載する。開示した参考文献はまた、該参考文献が依存する、文章中に述べられるそれらに含まれる材料に関して、個々に及び特に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
一般的な定義 本明細書及び続く特許請求の範囲において、多数の用語を参照するが、これらの用語は以下の意味を有するように定義される。
【0013】
本明細書の記載及び特許請求の範囲の全体を通して、単語「含む(comprise)」並びにこの単語の他の形態、「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprises)」は、含むがそれらに限定されないことを意味し、例えば、他の付加物、構成要素、整数又は工程を排除することを意図するものではない。
【0014】
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに別に指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「組成物」に対する参照は、2つ以上のそのような組成物の混合物を含み、「化合物」に対する参照は、2つ以上のそのような化合物の混合物を含み、「薬剤」に対する参照は、2つ以上のそのような薬剤の混合物を含み、他の場合も同様である。
【0015】
「随意の」又は「随意に」は、続いて記載する事象又は状況が起こり得る又は起こり得ないことを意味し、その記載は、事象又は状況が起こる場合と、起こらない場合を含む。
【0016】
範囲は、本明細書で、「約」1つの特定の値から、及び/又は、他の「約」1つの特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表現される場合、別の態様は、1つの特定の値から、及び/又は、他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を使用することによって近似値として表される場合、この特定の値は、他の態様を形成すると理解されるであろう。各範囲の端点は、他方の端点に関連して、及び、他方の端点とは独立して、の両方で有意であることを更に理解するであろう。本明細書に開示した多数の値が存在し、その各値は、その値自体に加えて、「約」その特定の値としても開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。値が開示された際、当業者により適切に理解されるように、該値「以下」、「該値以上」、及び値の間の可能な範囲も開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示された場合、「10以下」及び「10以上」も開示される。明細書全体を通して、データが多数の異なる形式で提供され、このデータは終点及び始点、並びにデータ点の任意の組み合わせの範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータ点「10」と特定のデータ点「15」とが開示された場合、10及び15を超える、10及び15以上の、10及び15未満の、10及び15以下の、10及び15と等しい、並びに10〜15の間が開示されていると理解される。また2つの特定の単数の間の各単数も開示されていると理解される。例えば、10及び15が開示される場合、11、12、13及び14も開示されている。
【0017】
本明細書で使用するように、「対象」は、個人を意味する。それ故、「対象」は、飼い慣らされた動物(例えば、猫、犬等)、家畜(例えば、畜牛、馬、豚、羊、山羊等)、研究室動物(例えば、マウス、兎、ラット、モルモット等)、及び鳥を含んでもよい。「対象」はまた、霊長類又はヒト等の哺乳動物も含み得る。
【0018】
「低減する」、又は「低減している」若しくは「低減」等の該単語の他の形態は、事象又は特徴(例えば、腫瘍成長)の低下を意味する。これは典型的には、ある基準又は予想値との関連であることが理解され、換言すれば、これは相対的であるが、常に基準又は相対値を参照する必要はない。例えば、「腫瘍成長を低減する」は、基準又は対照に対して成長速度を低減することを意味する。
【0019】
「予防する」、又は「予防している」若しくは「予防」等の該単語の他の形態は、特定の事象若しくは特徴を停止し、特定の事象若しくは特徴の発達若しくは進行を安定化若しくは遅延させ、又は特定の事象若しくは特徴が発生する機会を最小限にすることを意味する。予防するは、典型的には、例えば、低減するよりも絶対的であるため、対照との比較を必要としない。本明細書で使用されるように、ある事柄は、低減されるが予防されない場合があるが、低減される事柄はまた、予防される場合がある。同様に、ある事柄は、予防されるが低減されない場合があるが、予防される事柄はまた、低減される場合がある。低減する又は予防するが使用される場合、特に別に示されない限り、他方の単語の使用も明白に開示されることが理解される。
【0020】
「処置する」、又は「処置した」若しくは「処置」等の該単語の他の形態は、組成物を投与し又は方法を実行して特定の特徴又は事象(例えば、腫瘍成長又は生存)を低減、予防、阻害又は排除することを意味する。用語「制御する」は、用語「処置する」と同義に使用される。
【0021】
用語「抗癌」は、任意の濃度で細胞増殖及び/又は腫瘍成長を処置又は制御する能力を指す。
【0022】
本明細書全体を通して、識別子「第1」及び「第2」は、開示した主題の様々な構成要素及び工程を単に区別することを補助するよう使用されることが理解される。識別子「第1」及び「第2」は、これらの用語で修飾された構成要素又は工程に、任意の特定の順番、量、優先度又は重要度を暗示することを意図するものではない。
【0023】
化学的定義 本明細書で使用する用語「置換された」は、有機化合物の許容される置換基の全部を含むことが想定される。広い態様において、許容される置換基としては、有機化合物の非環式及び環式、分枝及び非分枝、炭素環式及び複素環式、並びに芳香族及び非芳香族置換基が挙げられる。例示的な置換基としては、例えば下記に記載するものが挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物に関して1つ以上であってもよく、また同一又は異なってもよい。本発明の目的のために、窒素等のヘテロ原子は、水素置換基、及び/又は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載した有機化合物の任意の許容される置換基を有してもよい。この開示は、有機化合物の許容される置換基に限定することを如何様にも意図するものではない。また、用語「置換」又は「で置換された」は、そのような置換が、置換原子及び置換基の許容された原子価に従い、また、その置換が、安定な化合物、例えば再配置、環化、排除等の転換を自発的に受けない化合物をもたらす、暗黙の条件を含む。
【0024】
「Z
1」「Z
2、」「Z
3」及び「Z
4」は、様々な特定の置換基を表す一般的記号として本明細書で使用される。これらの記号は、本明細書に開示したものに限定されない任意の置換基であってもよく、また、それらがある場合に所定の置換基であると定義される場合、それらは別の場合に、いくつかの他の置換基として定義され得る。
【0025】
本明細書で使用する用語「脂肪族」は、非芳香族炭化水素基を指し、分枝及び非分枝のアルキル、アルケニル又はアルキニル基を含む。
【0026】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等の、1〜24個の炭素原子からなる分枝又は非分枝の飽和炭化水素基である。アルキル基はまた、置換され又は非置換であってもよい。アルキル基は、下記に記載するように、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、又はチオールを含むが、これらに限定されない1つ以上の基で置換されてもよい。
【0027】
明細書全体を通して、「アルキル」は、一般に非置換アルキル基及び置換アルキル基の両方を指すように使用され;しかしながら、置換アルキル基はまた、アルキル基上の特定の置換基を特定することによって、本明細書で特に参照される。例えば、用語「ハロゲン化アルキル」は、1つ以上のハロゲン化物、例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素で置換されたアルキル基を特に指す。用語「アルコキシアルキル」は、下記に記載する1つ以上のアルコキシ基で置換されたアルキル基を特に指す。用語「アルキルアミノ」は、下記に記載する1つ以上のアミノ基で置換されたアルキル基を特に指す。ある場合に「アルキル」が使用され、他の場合に「アルキルアルコール」等の特定の用語が使用されるとき、用語「アルキル」は、「アルキルアルコール」等の特定の用語を指さないと暗示することを意味しない。
【0028】
この慣例は、本明細書に記載した他の基にも使用される。即ち、「シクロアルキル」等の用語は、非置換及び置換シクロアルキル部分の両方を指すが、置換部分は、本明細書で更に詳細に特定される;例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば「アルキルシクロアルキル」と称され得る。同様に、置換アルコキシは、特に例えば「ハロゲン化アルコキシ」と称され得、特定の置換アルケニルは、例えば「アルケニルアルコール」等と称され得る。再度、「シクロアルキル」等の一般的用語、及び「アルキルシクロアルキル」等の特定の用語の使用の慣例は、一般的用語が特定の用語を含まないと暗示することを意味しない。
【0029】
本明細書で使用する用語「アルコキシ」は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルキル基であり;即ち「アルコキシ」基は−OZ
1として定義することができ、Z
1は上記で定義したアルキルである。
【0030】
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む構造式を有する、2〜24個の炭素原子からなる炭化水素基である。(Z
1Z
2)C=C(Z
3Z
4)等の非対称構造は、E及びZ異性体の両方を含むことが意図される。構造式において非対称アルケンが存在することを仮定することができ、又は、結合記号C=Cによって明白に示すことができる。アルケニル基は、下記に記載するように、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換されてもよい。
【0031】
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む構造式を有する、2〜24個の炭素原子からなる炭化水素基である。アルキニル基は、下記に記載するように、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換されてもよい。
【0032】
本明細書で使用する用語「アリール」は、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼン等を含むがこれらに限定されない任意の炭素系芳香族基を含む基である。用語「ヘテロアリール」は、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を含む基として定義される。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、硫黄及びリンが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アリール」に含まれる用語「非ヘテロアリール」は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義する。アリール又はヘテロアリール基は、置換され又は非置換であってもよい。アリール又はヘテロアリール基は、本明細書に記載したように、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換されてもよい。用語「ビアリール」は、特定のタイプのアリール基であり、アリールの定義に含まれる。ビアリールは、ナフタレンにおけるような、縮合環構造を介して互いに結合した、又はビフェニルにおけるような、1つ以上の炭素−炭素結合を介して取り付けられた2つのアリール基を指す。
【0033】
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、少なくとも3つの炭素原子から構成された非芳香族炭素系環である。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキル」は、環の炭素原子の少なくとも1つが、窒素、酸素、硫黄又はリン等であるがこれらに限定されないヘテロ原子で置換されている、上記に定義したシクロアルキル基である。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、置換され又は非置換であってもよい。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、本明細書に記載したように、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換されてもよい。
【0034】
本明細書で使用する用語「シクロアルケニル」は、少なくとも3つの炭素原子から構成され、かつ少なくとも1つの二重結合、即ちC=Cを含む非芳香族炭素系環である。シクロアルケニル基の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルケニル」は、上記に定義したシクロアルケニル基の一タイプであり、環の炭素原子の少なくとも1つが、窒素、酸素、硫黄又はリン等であるがこれらに限定されないヘテロ原子で置換されている用語「シクロアルケニル」の意味に含まれる。シクロアルケニル基及びヘテロシクロアルケニル基は、置換され又は非置換であってもよい。シクロアルケニル基及びヘテロシクロアルケニル基は、本明細書に記載したように、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換されてもよい。
【0035】
用語「環式基」は、アリール基、非アリール基(即ち、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニル基)のいずれか、又は両方を指すように使用される。環式基は、置換され又は非置換であってもよい1つ以上の環系を有する。環式基は、1つ以上のアリール基、1つ以上の非アリール基、又は1つ以上のアリール基及び1つ以上の非アリール基を含んでもよい。
【0036】
本明細書で使用する用語「アルデヒド」は、式−C(O)Hにより表される。本明細書全体を通して、「C(O)」又は「CO」は、本明細書で「カルボニル」とも称されるC=Oに関する略語である。
【0037】
本明細書で使用する用語「アミン」又は「アミノ」は、式−NZ
1Z
2により表され、Z
1及びZ
2は、各々、水素、上述したアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアルケニル基等の、本明細書に記載した置換基であってもよい。「アミド」は、−C(O)NZ
1Z
2である。
【0038】
本明細書で使用する用語「カルボン酸」は、式−C(O)OHにより表される。本明細書で使用する「カルボキシレート」又は「カルボキシル」基は、式−C(O)O
−により表される。
【0039】
本明細書で使用する用語「エステル」は、式−OC(O)Z
1又は−C(O)OZ
1により表され、Z
1は、上述したアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル基であってもよい。
【0040】
本明細書で使用する用語「エーテル」は、式Z
1OZ
2により表され、Z
1及びZ
2は、独立して、上述したアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル基であってもよい。
【0041】
本明細書で使用する用語「ケトン」は、式Z
1(O)Z
2により表され、Z
1及びZ
2は、独立して、上述したアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル基であってもよい。
【0042】
本明細書で使用する用語「ハロゲン化物」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
【0043】
本明細書で使用する用語「ヒドロキシル」は、式−OHにより表される。
【0044】
本明細書で使用する用語「ニトロ」は、式−NO
2により表される。
【0045】
本明細書で使用する用語「シリル」は、式−SiZ
1Z
2Z
3により表され、Z
1、Z
2及びZ
3は、独立して、水素、上述したアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル基であってもよい。
【0046】
用語「スルホニル」は、本明細書では、式−S(O)
2Z
1により表されるスルホオキソ基を指し、Z
1は、水素、上述したアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル基であってもよい。
【0047】
本明細書で使用する用語「スルホニルアミノ」又は「スルホンアミド」は、式−S(O)
2NH−により表される。
【0048】
本明細書で使用する用語「チオール」は、式−SHにより表される。
【0049】
本明細書で使用する用語「チオ」は、式−S−により表される。
【0050】
本明細書で使用する「R
1」、「R
2」、「R
3」、「R
n」等(nは、ある整数である)は独立して、上記に列挙した基の1つ以上を所有してもよい。例えば、R
1が直鎖アルキル基の場合、アルキル基の水素原子の1つは、随意にヒドロキシル基、アルコキシ基、アミン基、アルキル基、ハロゲン化物等で置換されてもよい。 選択される基に応じて、第1の基は第2の基に組み込まれてもよく、又は代替的に、第1の基は第2の基に懸垂(即ち取り付け結合)されてもよい。例えば、「アミノ基を含むアルキル基」という表現により、アミノ基は、アルキル基のバックボーンに組み込まれてもよい。代替的に、アミノ基は、アルキル基のバックボーンに取り付けられてもよい。選択される基の性質は、第1の基が第2の基に埋め込まれるか又は取り付けられるかを決定するであろう。
【0051】
反対に述べない限り、実線のみで示され、くさび又は破線で示されない化学結合を有する式は、各々の可能な異性体、例えば各エナンチオマー、ジアステレオマー、及びメソ化合物、並びに、ラセミ又はスカレミック混合物等の異性体の混合物を想定している。
【0052】
ここで、開示した材料、化合物、組成物、物品及び方法の特定の態様を詳細に参照し、それらの例は、添付の実施例及び図面に示されている。
【0053】
化合物 多様なHDAC6阻害剤が研究されている(Butler et al.,「Rational Design and Simple Chemistry Yield a Superior,Neuroprotective HDAC6 Inhibitor,Tubastatin A」,J Am Chem Soc 2010,132(31):10842−10846;Kalin et al.,「Second−Generation Histone Deacetylase 6 Inhibitors Enhance the Immunosuppressive Effects of Foxp3+T−Regulatory Cells」,J Med Chem 2012,55(2):639−651)。これらの薬剤の特徴は、基準の阻害剤中に構築される、「キャップ−リンカー−亜鉛結合基」系を含むベンジルリンカーの存在である。亜鉛結合基(ZBG)を有さないHDACiを開示している報告が存在する(Vickers et al,「Discovery of HDAC Inhibitors That Lack an Active Site Zn
2+−Binding Functional Group」,ACS Med Chem Lett 2012,3(6):505−508)。これらの薬剤は、クラス1酵素に対して中程度の活性を所有する。
【0054】
本明細書に開示した化合物は、ZBG、最も好ましくはヒドロキサム酸基を維持する。更に、開示した化合物は、ベンジルヒドロキサム酸骨格に組み込まれた所定の尿素ベースのキャップ基を含んで、インビトロでの抗黒色腫活性を有する強力かつ選択的なHDAC6阻害剤をもたらす。従って、本明細書には、式I:
【0055】
【化1】
を有する化合物、又はその薬学的に許容可能な塩又は水和物を開示し、
式中、Aは、アリール、ヘテロアリール、又はC
1〜C
8アルキルであり、これらのいずれかは、随意にアセチル、C
1〜C
5アルキル、アミノ、−NR
6R
7、−C(O)NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシ、チオール、シアノ、又はニトロから選択される1つ以上の基で置換され;R
1及びR
2は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルケニル、C
1〜C
8アルキニル、C
1〜C
8ハロアルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、C
1〜C
3アルキルアリール、アリール、C
1〜C
3アルキルヘテロアリール、又はヘテロアリールから独立して選択され、これらのいずれかは、随意にアセチル、C
1〜C
5アルキル、アミノ、−NR
6R
7、−C(O)NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル、ハロ、ヒドロキシ、チオール、シアノ、又はニトロで置換され;又はR
1及びR
2は、一緒になって2個の原子を含むアルキレン架橋を形成して、−NC(O)N−部分と共に5員環が形成されるように連結され、その場合、Aは、上記に定義した通りであり又は水素であり、またその5員環は、随意にR
1’、R
2’、R
1’’、及びR
2’’で置換され、これらは独立して、水素、又はC
1〜C
8アルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、C
1〜C
3アルキルアリール、アリール、C
1〜C
3アルキルヘテロアリール、若しくはヘテロアリールであり、これらのいずれかは、随意にアミノ、アリール、C
1〜C
4アルコキシ、ハロ、又はヒドロキシで置換され;又はR
1’及びR
1’’は一緒になって若しくはR
2’’及びR
2’は一緒になってカルボニル(即ち、=O)を形成し;又はR
1’及びR
2’は存在せず、R
1’’及びR
2’’は一緒になって縮合フェニル基を形成し;R
6及びR
7は、独立してH、C
1〜C
4アルキルであり、又は一緒になって4若しくは5個の原子を含むアルキレン架橋を形成して、窒素と共に5または6員環が形成されるように連結される。
【0056】
いくつかの例において、R
1及びR
2は両方とも水素の場合、Aはヒドロキシフェニルではない。
【0057】
特定の例において、Aは、随意にC
1〜C
5アルキル、アミノ、アルコキシ、アルキルヒドロキシ、ハロ、ヒドロキシ、又はチオールで置換されたフェニル、ピリジル、オキサゾリジル、又はピリミジルであってもよい。尚別の例において、Aは、フェニル、又はC
1〜C
5アルキル、C
1〜C
4アルコキシル、若しくはハロで置換されたフェニルであってもよい。尚別の例において、Aは、ピリジル、又はC
1〜C
5アルキル、C
1〜C
4アルコキシル、若しくはハロで置換されたピリジルであってもよい。好ましい例において、Aは、フェニル、又はメトキシル置換フェニル、又はハロ置換フェニルである。更なる例では、Aは、フェニルであってもよい。尚更なる例では、Aは、1つ以上のメトキシル、エトキシル、又はプロポキシル基で置換されたフェニルであってもよく、例えば、Aは、オルト−、パラ−、又はメタ−位にて1つのメトキシル基で置換されたフェニルであってもよい。最も好ましい例では、Aは、オルト−位にてメトキシル基で置換されたフェニルであってもよい。尚更に、Aは、1つ以上のハロ基で置換されたフェニルであってもよく、例えば、Aは、オルト−、パラ−、又はメタ−位に1つのハロ(例えば、Cl、Br、又はF)基を有するフェニルであってもよい。別の例では、Aは、1つ以上のカルボン酸基又はアルキルエステル基(例えば、アセチル基)を有するフェニルであってもよい。Aは、C
1〜C
8アルキル基であってもよい。尚別の例では、Aは、1つ以上のC
1〜C
4アルキル基で置換されたフェニルであってもよい。Aは、オルト−、パラ−、又はメタ−位にて1つのメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、i−ブチル基で置換されたフェニルであってもよい。Aは、1つ以上のNH
2又はN(C
1〜C
4)
2基で置換されたフェニルであってもよい。
【0058】
別の例では、Aは、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、又はs−ペンチル基であってもよい。
【0059】
特定の例では、R
1は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであってもよく、これらのいずれかは、随意にC
1〜C
3アルキル、アミノ、−NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、カルボニル、ヒドロキシ、チオール、又はシアノで置換される。特定の例では、R
1は、C
1〜C
8アルキル、例えばC
1〜C
4アルキルであってもよい。別の例では、R
1は、随意にアセチル、NH
2、N(C
1〜C
4)
2C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、カルボニル、ハロ、又はヒドロキシで置換されたC
1〜C
8アルキルであってもよい。好ましい例において、R
1は、水素である。
【0060】
特定の例では、R
2は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであってもよく、これらのいずれかは、随意にC
1〜C
5アルキル、アミノ、−NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、カルボニル、ヒドロキシ、チオール、又はシアノで置換される。特定の例では、R
2は、C
1〜C
5アルキル、又は、メトキシ、アミノ、−NR
6R
7、アルキルヒドロキシ、カルボニル、ヒドロキシ、シアノで置換されたC
1〜C
5アルキルであってもよい。別の例では、R
2は、イミダゾール又はインドール等のヘテロアリールで置換されたC
1〜C
4アルキルであってもよい。別の例では、R
2は、フェニル、ヒドロキシ置換フェニル、メトキシ置換フェニル、ハロ置換フェニル、又はアミノ置換フェニルで置換されたC
1〜C
4アルキルであってもよい。
【0061】
更なる例では、開示した化合物は、式I−A
【0062】
【化2】
を有してもよく、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物であり、
式中、R
2は、本明細書に記した通りであり;各Wは、他とは独立してCH又はNであり;R
5は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルケニル、C
1〜C
8アルキニル、C
1〜C
8ハロアルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらのいずれかは、随意にアセチル、C
1〜C
5アルキル、アミノ、−NR
6R
7、−C(O)NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル、ハロ、ヒドロキシ、チオール、シアノ、又はニトロで置換される。
【0063】
更なる例では、開示した化合物は、式I−B
【0064】
【化3】
を有してもよく、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物であり、
式中、R
1は本明細書に記した通りであり;各Wは、他とは独立してCH又はNであり;R
5は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルケニル、C
1〜C
8アルキニル、C
1〜C
8ハロアルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらのいずれかは、随意にアセチル、C
1〜C
5アルキル、アミノ、−NR
6R
7、−C(O)NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル、ハロ、ヒドロキシ、チオール、シアノ、又はニトロで置換される。
【0065】
開示した化合物は、選択的HDAC6iであってもよい。相同性モデル(Butler et al,J Am Chem Soc 2010,132(31):10842−10846)は、結合部位への入口は、HDAC1と比較してHDAC6でより広くかつ浅いことを示している。このモデルは、親油性の空洞も示す。従って、開示した化合物は、主にA、R
1及び/又はR
2においてアリール尿素キャップ基に組み込まれた所定の分枝要素を含んでもよく、前記分枝要素は、この側部空洞にアクセスすることによる有効性及び選択性の両方の向上と、HDAC6の表面とのより良好な相互作用とをもたらす。
【0066】
この側部空洞へのアクセスは、一態様では、ベンジルリンカーに対して近位の、尿素リンカーの窒素原子、即ち式IのR
2の置換を介して達成されてもよい。これらの分枝非環状尿素の合成は、スキーム1に概略したように達成される。一例として、多様なアミンは、メチル4−ホルミルベンゾエート2との還元的アミノ化を経て、所望の第2級アミン3a〜hを形成する。続いて、3a〜hを適切なイソシアネートと反応させることにより、分枝尿素エステル4a〜hが得られる。アリールイソシアネートが、スキーム1に示されている;しかしながら、他のイソシアネートを使用して、式Iの「A」基を変動させてもよい(例えば、ヘテロアリール、又はアルキル)。この化学反応(chemistry)は、ベンジルリンカーに対して近位の窒素上に分枝置換(R
2)を有する一連の尿素を生成する。塩基性条件下でヒドロキシルアミンを使用してヒドロキサム酸基を導入して、ヒドロキサム酸5a〜hを提供する。
【0067】
スキーム1:近位N−置換ヒドロキサム酸の合成
【0068】
【化4】
試薬及び条件:(a)R
2−NH
2、NaCNBH
3、rt、5%AcOH/DCM、16h;(b)アリール−NCO、DCM、rt、16h;(c)50重量%NH
2OH、NaOH、THF/MeOH(1:1)、0℃〜rt、30分間。
【0069】
別の態様において、この側部空洞へのアクセスは、ベンジルリンカーに対して遠位の、尿素リンカーの窒素原子、即ち式IのR
1の置換を介して達成されてもよい。これらの分枝非環状尿素の合成は、スキーム2に概略したように達成される。一例として、多銅仲介によるBuchwaldカップリング反応を用いて、ヨードベンゼンからアニリン6a、bを組み立て、これは、これらの中間体が市販されていないためである(Kwong et al.,「Copper−catalyzed coupling of alkylamines and aryl iodides:An efficient system even in an air atmosphere」Org Lett 2002,4(4):581−584)。トリホスゲン化学反応を実施して、メチル4−(アミノメチル)ベンゾエートを対応するイソシアネートに変換し、これは第2級アミン6a〜cとの反応を経て、最後から2番目のエステル7a〜cを提供する。ヒドロキサム酸への最終的な変換はスキーム1のように達成されて、8a〜cの合成を完了する。
【0070】
スキーム2:遠位N−置換ヒドロキサム酸の合成
【0071】
【化5】
試薬及び条件:(a)R
1−NH
2、CuI、K
3PO
4、エチレングリコール、iPrOH、80℃、18h;(b)i.トリホスゲン、sat.aq重炭酸塩/DCM(1:1)、0℃、30分間;ii.メチル4−(アミノメチル)ベンゾエート−HCl、Et
3N、DCM、rt、16h;(c)50重量%NH
2OH、NaOH、THF/MeOH(1:1)、0℃〜rt、30分間。
【0072】
式Iによる特定の化合物は、以下の通りであり、
【0074】
【化7】
又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物である。
【0075】
尚別の態様において、HDAC6の側部空洞へのアクセスはまた、アルキレン橋を介した尿素リンカーの遠位及び近位窒素原子の結合を介して、即ちR
1及びR
2を互いに連結して、式Iの−NC(O)N−部分と共に5員環とすることにより、達成されてもよい。それ故、更なる例では、開示した化合物は、式I−C
【0076】
【化8】
を有してもよく、
式中、Aは、水素であり、又はAは、アリール、ヘテロアリール、又はC
1〜C
8アルキルであり、これらのいずれかは、随意にアセチル、C
1〜C
5アルキル、アミノ、−NR
6R
7、−C(O)NR
6R
7、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルヒドロキシ、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシ、チオール、シアノ、又はニトロから選択される1つ以上の基で置換され、ここでR
6及びR
7は上記に定義した通りであり;
R
1、R
2、R
1’’、及びR
2’’は、独立して水素であり、又はC
1〜C
8アルキル、C
5〜C
6シクロアルキル、C
5〜C
6ヘテロシクロアルキル、C
1〜C
3アルキルアリール、アリール、C
1〜C
3アルキルヘテロアリール、若しくはヘテロアリールであり、これらのいずれかは、随意にアミノ、アリール、C
1〜C
4アルコキシ、ハロ、又はヒドロキシで置換され;又はR
1’及びR
1’’は一緒になって若しくはR
2’’及びR
2’は一緒になってカルボニル(即ち、=O)を形成し;又はR
1’及びR
2’は存在せず、R
1’’及びR
2’’は一緒になって縮合フェニル基を形成する。
【0077】
所定の例では、R
2’及びR
2’’は、両方ともメチルである。別の例では、R
2’は水素であり、R
2’’はメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、ベンジル、トシル、ヒドロキシフェニル、C
1〜C
4アルコキシフェニル、又はアミノフェニルである。別の例では、R
2’及びR
2’’は、カルボキシル(即ち、=O)基を形成してもよく、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物である。
【0078】
所定の例では、R
1’及びR
1’’は両方ともメチルである。別の例では、R
1’は水素であり、R
1’’は、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、ベンジル、トシル、ヒドロキシフェニル、C
1〜C
4アルコキシフェニル、又はアミノフェニルである。別の例では、R
1’及びR
1’’は、カルボキシル(即ち、=O)基を形成する。
【0079】
これらの環状尿素の合成は、スキーム3に概略したように達成される。
【0080】
スキーム3:環状尿素ヒドロキサム酸の合成
【0081】
【化9】
試薬及び条件:(a)i.aq NaOH、ii.H+60℃ 1h;(b)KOtBu、DMF、0℃〜RT;(c)aqNH
2OH、NaOH、THF/MeOH;(d)トリホスゲン、Et
3N。
【0082】
式I−Cの化合物の特定の例は、以下の通りである。
【0083】
【化10】
又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物。
【0084】
一態様では、開示した化合物は、基準のHDACiプラットホーム内に導入された分枝アリール若しくはアルキル尿素キャップ基、又は環状尿素キャップ基を含む。分枝要素の導入、特に尿素モチーフの近位の窒素原子への導入は、HDACの完全パネルに対して、HDAC6に関する卓越した選択性を示し、またヒストンタンパク質と比較して、α−チューブリンの選択的超アセチル化を誘導することが可能な、強力な阻害剤の発見を誘導した。この時点までで開発されているSARは、分枝尿素骨格が、所望の生化学的活性に実質的な利益を付与することを示す。これらの化合物はまた細胞系内にてスクリーニングされ、5g及び5hの両方がB16黒色腫細胞株の成長を阻害できることが見出された。
【0085】
また、尿素モチーフを欠いたヒドロキサメート化合物を開示する。そのような化合物は、式II
【0086】
【化11】
を有し、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物であり、
式中、R
2は上記に定義した通りであり、R
8は、アセチル、C
1〜C
5アルキルオキシカルボニル、カルボベンジルオキシ、メトキシベンジルカルボニル、ベンゾイル、ベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、メトキシフェニル、C
1〜C
5アルキルカルバメート、又はアリールスルホニル、即ちR
9(SO
2)であり、R
9は、随意にC
1〜C
5アルキル、アミノ、メトキシル、ハロ、又はヒドロキシで置換されたアリールである。好ましい例では、R
8は、C
1〜C
5アルキルオキシカルボニル又はアリールスルホニルであってもよい。式IIの化合物の特定の例は、以下の通りである。
【0087】
【化12】
又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物。
【0088】
開示した化合物の薬学的に許容可能な塩及び水和物も開示する。薬学的に許容可能な塩は、化合物上に見出される特定の置換基に応じて、酸又は塩基と共に調製される開示した化合物の塩を含む。本明細書に開示した化合物が、安定な無毒の酸又は塩基塩を形成するのに十分に塩基性又は酸性であるという条件下で、塩としての化合物の投与は適切であり得る。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、又はマグネシウム塩が挙げられる。生理学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、炭酸、硫酸、及び、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、コハク酸、フマル酸、マンデル酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、アスコルビン酸、α−ケトグルタル酸、α−グリコリン酸、マレイン酸、トシル酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。それ故、本明細書には、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、α−グリコリン酸塩、マレイン酸塩、トシル酸塩、及びメシル酸塩が開示される。化合物の薬学的に許容可能な塩は、当技術分野にて周知の標準的な手順を用いて得ることができ、例えば、アミン等の十分に塩基性の化合物を好適な酸と反応させることにより、生理学的に許容可能なアニオンを得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩も作製することができる。
【0089】
使用方法 更に、本明細書には、対象における癌の処置又は予防方法を提供し、該方法は、有効量の、本明細書に開示した化合物又は組成物を対象に投与することを含む。加えて、方法は更に、有効量の電離放射線を対象に投与することを含んでもよい。
【0090】
腫瘍細胞の殺滅方法も本明細書に提供する。方法は、腫瘍細胞を有効量の本明細書に開示した化合物又は組成物と接触させることを含む。方法は更に、第2の化合物若しくは組成物(例えば、抗癌剤)を対象に投与し、又は有効量の電離放射線を対象に投与することを含んでもよい。
【0091】
本明細書には、腫瘍の放射線療法も提供し、該方法は、腫瘍を有効量の本明細書に開示した化合物又は組成物と接触させることと、腫瘍に有効量の電離放射線を照射することを含む。本明細書には、対象における炎症の処置方法も更に提供し、該方法は、有効量の本明細書に開示した化合物又は組成物を対象に投与することを含む。随意に、方法は更に、第2の化合物又は組成物(例えば、抗炎症薬)を投与することを含んでもよい。
【0092】
開示した主題は、腫瘍学的疾患又は状態を有する対象を処置するための方法にも関する。一実施形態において、有効量の本明細書に開示した1つ以上の化合物又は組成物を、腫瘍学的疾患を有し、その処置を必要とする対象に投与する。開示した方法は、随意に、腫瘍学的疾患の処置を必要とする又は必要とし得る対象を特定することを含んでもよい。対象は、ヒト若しくは霊長類(猿、チンパンジー、類人猿等)、犬、猫、雌牛、豚、若しくは馬等の他の哺乳動物、又は腫瘍学的疾患を有する他の動物であってもよい。対象に投与するための化合物の投与及び処方手段は、当技術分野にて既知であり、その例は本明細書に記載されている。腫瘍学的疾患としては、肛門、胆管、膀胱、骨、骨髄、腸(結腸及び直腸を含む)、乳房、眼、胆嚢、腎臓、口腔、喉頭、食道、胃、精巣、子宮頸部、頭部、頸部、卵巣、肺、中皮腫、神経内分泌、陰茎、皮膚、脊髄、甲状腺、腟、外陰、子宮、肝臓、筋肉、膵臓、前立腺、血液細胞(リンパ球及び他の免疫系細胞を含む)、及び脳の癌及び/又は腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。処置が想定される特定の癌としては、癌腫、カルポジ(Karposi’s)肉腫、黒色腫、中皮腫、軟組織肉腫、膵臓癌、肺癌、白血病(急性白血病、急性骨髄性、慢性リンパ性、慢性骨髄性、及び他の)、及びリンパ腫(ホジキン及び非ホジキン)、並びに多発性骨髄腫が挙げられる。
【0093】
本明細書に開示した方法に従って処置され得る癌の他の例は、副腎皮質癌、副腎皮質癌、脳星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、乳癌、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、中枢神経系リンパ腫、頸部癌、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、胆嚢癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、グリア細胞種、有毛細胞白血病、頭部及び頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、下咽頭癌、視床下部及び視覚路グリア細胞種、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、膵島細胞癌腫(内分泌膵臓)、喉頭癌、口唇及び口腔癌、肝癌、髄芽腫、メルケル細胞癌腫、潜在性菌状息肉腫(occult mycosis fungoides)を有する扁平上皮頸部癌、骨髄形成異常症候群、骨髄性白血病、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽腫、非小細胞肺癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫、松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、細胞形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング肉腫、軟組織肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、睾丸癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行上皮癌、絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮癌、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、及びウィルムス腫瘍である。
【0094】
黒色腫及びマントル細胞リンパ腫 本明細書に開示した本明細書の好ましい実施形態は、有効量の式1又はIIの化合物を投与することによる、黒色腫を有する対象の処置方法である。黒色腫は、世界保健機関(World Health Organization)によれば、現在発生率が最も急速に増加している癌である。現在、転移性黒色腫における生存期間の有意な延長を提供する治療法は殆ど存在しない。免疫療法は適応免疫の抗原特異性に起因して、潜在的に副作用が殆ど存在しない魅力的なモダリティーである。FDAにより認可された黒色腫処置のための最新の治療法は、T細胞活性の主要なレギュレーターであるCTLA−4に対する抗体、イピリムマブであった;しかしながら、この治療法は、全生存率に中程度の改善を提供する。
【0095】
腫瘍仲介による免疫抑制の機構を克服するには、複数の経路を標的とすることが必要である。注目を集めている1つの戦略は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)の使用である。実際に、HDACi処置は、MHC及び同時刺激分子等の免疫学的に関連する遺伝子の発現を増強することが示されている。IL−10の阻害は、HDACiを用いたマクロファージの処理後の、強力な抗炎症薬サイトカインである。しかしながら;今日までの殆どの研究が、11種の全部の亜鉛−依存性HDACを阻害するパン−HDACiを使用していた。従って、副作用を最小限にするためには、より選択的なHDACiの使用が好ましい。
【0096】
本明細書に示すように、HDAC6は、少なくとも黒色腫における分子標的である。各々、HDAC6−選択的阻害剤(HDAC6i)及び標的shRNA(HDAC6KD)を使用した、B16マウス黒色腫細胞におけるHDAC6の薬理的及び遺伝子破壊の両方が、DNA含有量に関するヨウ化プロピジウム染色により測定したG1停止により特徴付けられる増殖の阻害をもたらした。更に、HDAC6iを用いて、MHC−I及びMHC−IIを含む免疫学的に関連する受容体の発現の向上がもたらされた。インビボで、野生型マウス内へのHDAC6KD B16細胞の皮下注射により、対照細胞と比較して遅延した腫瘍成長がもたらされた。しかしながら、この効果は、T及びB細胞を欠いたSCIDマウスを使用した実験では抑制され、インビボで、腫瘍制御に関する重要な免疫構成成分が示唆された。
【0097】
HDAC6が腫瘍免疫原性を調節する機構は、未だ明らかにされていない。1つの可能な機構は、タンパク質免疫沈降試験から生じ、該試験は、HDAC6が、黒色腫において重要な生存及び病原性因子であり、また免疫寛容にも関与するSTAT3と相互作用し、該STAT3を潜在的に調節することを示す。
【0098】
発現HDAC6は、遺伝子マイクロアレイ分析により、正常な皮膚と比較して、大部分の黒色腫患者の腫瘍生検において上方調節されていることが見出された。この観察は、免疫組織化学的に染色された、患者の黒色腫組織のマイクロアレイにより支持された。
【0099】
総じて、HDAC6阻害は、腫瘍成長を遅延させること、及び、より魅力的な免疫標的を与えることの両方により、黒色腫及びマントル細胞リンパ腫における魅力的な治療標的であり、選択的HDAC6iの開発及び使用のための理論的根拠を提供する。
【0100】
炎症性応答 腫瘍抗原特異的CD8+T細胞は、黒色腫を有する患者において非応答性であることが以前に示されている(Lee et al.,Nat.Med.1999,5:677−85)。多発性骨髄腫を有する患者の骨髄に浸潤しているT細胞も、非応答性である(Noonan et al.Cancer Res.65:2026−34,2005)。これらの研究の結論は、文献中の数個の他の報告と共に、CD4+T細胞が腫瘍進行の早期に腫瘍抗原に対して寛容にされているということである。このことは、効果的な癌免疫療法の開発に重大な障害を提示する。
【0101】
APCにおける炎症性応答のエピジェネティック調節におけるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の役割は、本明細書に開示されている。HDACは、ヒストン上のリシン残基からアセチル基を除去して、クロマチン構造及び遺伝子発現を調節する酵素のグループである。HDACは、
図1に示す4つの異なるクラスに分類される。
【0102】
HDACは、
図2に示すように、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)の標的である。HDACiは、数個のHDACを標的とすることが可能な、構造的に多様な化合物である。HDACiは、癌細胞内で分化、細胞周期及び成長停止を誘導する。炎症及び抗腫瘍応答のモジュレーターとしてのHDACiの新たな役割が存在する。
【0103】
パン−HDACi LAQ824は、IL−10の転写調節を介して、マクロファージにおける炎症性応答を増強することが以前に見出されている。パン−HDACI LAQ824はまた、寛容性T細胞の応答性を回復することが見出された(Wang et al.J Immunol 2011,186:3986−96)。パン−HDACIの機構及び関連する標的は、それらの複数の効果を考慮すると、解明が困難である。APCにおける特定のHDACの発現及び機能の理解により、免疫活性化対免疫寛容に影響を与える新規な標的が明らかにされ得る。次いで、特定された標的は、イソ型−選択的HDACiを用いた薬理的阻害を受けやすい。
【0104】
HDAC6は、
図3に示すように、APC内でIL−10遺伝子発現に影響を与えることが見出された。HDAC6は、X染色体上にコードされた131kDaタンパク質であり、主に細胞質性である;しかしながら、最近のデータは、HDAC6が核内にも存在し得ることを示唆している。HDAC6は、細胞運動性及びT細胞/APCシナプスに関連したチューブリンデアセチラーゼ活性を有する。利用可能なイソ型−選択的HDAC6阻害剤が存在する。
図4は、HDAC6の遺伝子又は薬理的破壊がIL−10を阻害することを示す。
図5は、HDAC6の遺伝子破壊がAPC機能を向上させることを示す。
図6に示すように、マクロファージにおけるIL−10遺伝子プロモーターのCHIP分析により示された機構は、H3及びH4アセチル化;HDAC6動員;並びにLPS刺激後のいくつかの時点でのSTAT3及び他の転写因子の結合を含む。
【0105】
図7は、HDAC6のノックダウンが、IL−10遺伝子プロモーターへの転写活性化因子STAT3の動員の低減をもたらすことを示す。HDAC6のC末端が、HDAC11との相互作用に必要である。
図8は、遺伝子プロモーターに対するSTAT3結合の破壊が、HDAC6の動員の低減と、IL−10産生の減少とをもたらしたことを示す。
図9は、HDAC6の破壊がSTAT3リン酸化を阻害することを示す。
【0106】
図10は、ヒト黒色腫においてHDAC6及びIL−10mRNAの発現の増大が存在することを示す。
図11は、マウス及びヒト黒色腫細胞株におけるHDAC6発現を示す一連の画像である。
図12は、黒色腫におけるHDACタンパク質発現を示す一連の画像である。
図13は、HDAC6を欠いた黒色腫細胞における増殖の低下及び細胞周期停止を示す一連の画像である。
図14は、HDAC6を欠いた黒色腫細胞が、より免疫原性であることを示す一連の画像である。
【0107】
図14A及び14Bに示すように、HDAC6i ST−2−92で処理したB16細胞は、未処理B16細胞と比較して高いMHC−I及び−II分子の発現を示した。MHC発現の同様の変化が、HDAC6がノックダウンされたB16細胞で観察された。注目すべきことに、インビボでB16−KDHDAC6細胞でチャレンジしたC57BL16マウスに、腫瘍成長の遅延が観察された(
図14C)。KDHDAC6黒色腫細胞におけるこの腫瘍成長の遅延は、それらの増殖の減少(
図12、13)並びに/又は、免疫認識及びクリアランスの改善をもたらすそれらの免疫原性の増大の反映であり得る。この疑問に対処するために、C57BL16 SCIDマウスをKDHDAC6又はWTB16黒色腫細胞のいずれかでチャレンジした。KDHDAC6腫瘍成長の遅延が観察された免疫コンピテントマウスとは異なり(
図14C);そのような効果は、同一のKDHDAC6細胞でチャレンジしたSCIDマウスには観察されなかった(
図14D)。これらの結果は、黒色腫細胞においてHDAC6の破壊により誘導される免疫学的効果が、免疫系によってこれらの細胞を「より深く理解する」ようにすることを示唆する。
【0108】
図15は、黒色腫細胞におけるHDAC6の薬理的阻害が、細胞周期停止及びMHC分子の発現の増大をもたらしたことを示す一連の画像である。HDAC6特異的な阻害剤で処理した黒色腫細胞が、T細胞(CD4及び/又はCD8)のより良好な活性化因子であることも見出された。この発見に関する手順は、OVA−ペプチドを黒色腫細胞(ツバスタチンAで処理した又はしていない)内に負荷し、OT−lor OT−IIトランスジェニックT細胞(ナイーブ又は寛容化)を加え、それらのIL−2及びIFN−γの産生を決定することを含む。
【0109】
図16は、ツバスタチンAが、インビボにてB16マウス黒色腫細胞内でJAK2/STAT3リン酸化を阻害することを示す画像である。
図17は、黒色腫支持マウス内で、ツバスタチンAが、ワクチン接種に対する抗原特異的CD4+T細胞応答を増強することを示す一連の画像である。インビボで、ツバスタチンAの投与後に抗黒色腫効果が存在する(単独で又は抗CLTA4との組み合わせで)。
【0110】
図18は、ツバスタチンA、選択的HDAC6阻害剤が、APCにおいてSTAT3リン酸化及びIL−10遺伝子プロモーターへの動員を低下させたことを示す。
図19は、ツバスタチンAで処理したAPC内での表現型及び機能的変化を示す。
図20は、ツバスタチンA処理APCがナイーブT細胞のより良好な活性化因子であり、反応不顕性T細胞の応答性を回復することを示す。
図21は、インビボでのツバスタチンAの抗腫瘍効果を示すグラフである。
図22は、ツバスタチンAがPEMに影響しないことを示す。
図23は、マクロファージに対するツバスタチンAの免疫学的効果を示す一連の画像である。
図24は、ツバスタチンAがマクロファージにおけるJAKISTAT3経路を破壊することによりIL−10転写を阻害することを示す一連の画像である。
図25は、IL−10産生に対するツバスタチンAの阻害効果が、HDAC6の不在下で損失することを示すグラフである。
図26は、インビトロでの抗原提示試験の実験設計を示すフローチャートである。
図27は、ツバスタチンA処理マクロファージが、ナイーブT細胞のより良好な活性化因子であり、反応不顕性T細胞の機能を回復することを示す一連の画像である。
図28は、インビボでのツバスタチンAを用いた処理が、ワクチン接種に対する抗原特異的T細胞の応答を増強することを示す一連の画像である。
【0111】
上記のAPCにおけるツバスタチンAを用いた実験は、マクロファージをツバスタチンAで処理すると、同時刺激分子の発現が増大し、これらの細胞によるIL−10産生を阻害することを示す。ツバスタチンA処理マクロファージは、ナイーブT細胞のより良好な活性化因子であり、インビトロで反応不顕性T細胞の機能を回復する。インビボでのツバスタチンAを用いた処理は、ワクチン接種に対する抗原特異的T細胞の応答を増強する。機構的に、ツバスタチンAはJAKISTAT3/IL−iO経路を破壊し、免疫寛容原性ではなく免疫原性マクロファージへと均衡を傾ける。
【0112】
図29は、ヒトMCL内でのHDAC6発現を示す画像である。
図30は、ヒトMCL細胞株内でのHDAC6の破壊を示す一連の画像である。
図31は、マウスFC−muMCLI細胞でのHDAC6の破壊を示す画像である。
図32は、MCL内でのHDAC6阻害の免疫学的効果を示す画像である。LPS又はCpG+/−ST−3−06又はツバスタチンAに応答した、MHC、同時刺激分子及び/又はサイトカイン産生における変化を示す。
図33は、ST−3−06で処理されたFC−muMCLI細胞の抗原提示機能を示す一連の画像である。
図34は、ツバスタチンAで処理されたFC−muMCLI細胞の抗原提示機能を示す一連の画像である。
図35は、インビボでのツバスタチンAの抗腫瘍効果を示す画像である。データは、HDAC6阻害がMCL細胞の免疫原性を増強することを示す。HDAC6はAPC内でSTAT3活性化に必要であり、STAT3は腫瘍細胞の免疫原性を減少させる。
【0113】
図36は、HDAC6の破壊がAPC内でSTAT3リン酸化を阻害することを示す一連の画像である。HDAC6のC末端は、HDAC11との相互作用に必要である。(A)異なる長さのタンパク質をコードし、FLAGエピトープを保有するHDAC6のコンストラクト。(B)HDAC6コンストラクトはHeLa細胞内で過剰発現し、それらの発現は抗FLAG抗体を使用してウェスタンブロットにより評価され、又は(C)免疫沈降して、それらのHDAC11との相互作用を評価した。
【0114】
図37は、ST−3−06が、APCにおけるSTAT3リン酸化及びIL−10遺伝子プロモーターへの動員を低下させたことを示す一連の画像である。ヒトMCL細胞は、HDAC6の発現の向上を示す。悪性B細胞内でのHDAC6の破壊は、それらの増殖を阻害し、アポトーシスの誘導に関連している。MCL細胞内でのHDAC6の薬理的又は遺伝子破壊は、インビトロで、それらの抗原提示能力を増強し、より良好なT細胞活性化と反応不顕性T細胞の機能の回復とをもたらす。インビボでのツバスタチンAを用いたMCL−支持マウスの処理は、強力な抗腫瘍効果に関連している。機構的に、HDAC6はAPC内でSTAT3と相互作用することが見出されている。MCL内でHDAC6特異的阻害剤を単独で又はSTAT3阻害剤との組み合わせで使用することの理論的根拠を本明細書に開示する。
【0115】
組成物、製剤及び投与方法 開示した化合物、及びそれらを含む組成物のインビボでの適用は、当業者に現在又は将来的に既知の任意の好適な方法及び技術により達成することができる。例えば、開示した化合物は、生理学的に又は薬学的に許容可能な形態で処方され、例えば、経口、経鼻、直腸、局所、及び非経口投与経路を含む当技術分野にて既知の任意の好適な経路により投与されてもよい。本明細書で使用するように、用語、非経口は、注射による等、皮下、皮内、静脈内、筋内、腹腔内、及び胸骨内投与を含む。開示した化合物又は組成物の投与は、当業者により容易に決定され得るように、単回投与、又は連続投与若しくは個別の間隔投与であってもよい。
【0116】
本明細書に開示した化合物、及びそれらを含む組成物はまた、リポソーム技術、遅延放出カプセル剤、埋め込みポンプ、及び生分解性容器を使用して投与することができる。これらの送達方法は、有利には、長期間に亘って均一投与量を提供することができる。化合物はまた、それらの塩誘導体形態又は結晶形態で投与されてもよい。
【0117】
本明細書に開示した化合物は、薬学的に許容可能な組成物を調製するための既知の方法に従って処方されてもよい。処方は、当業者に周知であり、かつ容易に入手できる多数の情報源に詳細に記載されている。例えば、E.W.Martin(1995)によるRemington’s Pharmaceutical Scienceは、開示した方法に関連して使用できる処方を記載している。一般に、本明細書に開示した化合物は、有効量の化合物を好適な担体と共に混合して、化合物の効果的な投与を促進するように処方されてもよい。また使用される組成物は、多様な形態にあってもよい。それらは、例えば錠剤、丸剤、散剤、液体溶液又は縣濁液、坐薬、注射可能な及び注入可能な溶液、並びにスプレー等の固体、半固体、及び液体剤形を含む。好ましい剤形は、意図する投与モード及び治療用途に依存する。組成物はまた、当業者に既知の薬学的に許容可能な従来の担体及び希釈剤を含むことが好ましい。化合物と共に使用される担体又は希釈剤の例としては、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アルミナ、澱粉、生理食塩水、並びに等価な担体及び希釈剤が挙げられる。所望の治療的処置のためにそれらの投与量を投与するには、本明細書に開示した組成物は、有利には、担体又は希釈剤を含む総組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜99重量%、特に、1〜15重量%の1つ以上の全対象化合物を含んでもよい。
【0118】
投与に好適な製剤としては、例えば、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び、製剤を、意図するレシピエントの血液と等張等浸透圧にする溶質を含み得る水性無菌注射用溶液;並びに懸濁剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性無菌縣濁液が挙げられる。製剤は、単位用量又は多用量容器、例えば密封アンプル及びバイアル内に存在してもよく、また、使用前に無菌液体担体の状態、例えば、注射用蒸留水のみ必要とする凍結乾燥(freeze dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保管されてもよい。即時注射溶液及び縣濁液は、無菌粉末、顆粒、錠剤等から調製することができる。上記に特に述べた成分に加えて、本明細書に開示した組成物は、当該製剤のタイプに関連した、当技術分野にて慣習的な他の薬剤を含んでもよいことを理解するべきである。
【0119】
本明細書に開示した化合物、及びそれらを含む組成物は、細胞との直接接触により、又は担体手段を介して細胞に送達され得る。化合物及び組成物を細胞に送達するための担体手段は、当技術分野にて既知であり、例えば組成物をリポソーム部分内にカプセル化することを含む。本明細書に開示した化合物及び組成物を細胞に送達するための他の手段としては、化合物を、標的細胞への送達を標的としたタンパク質又は核酸に取り付けることが挙げられる。米国特許第6,960,648号明細書、並びに米国特許出願公開第20030032594号明細書及び同第20020120100号明細書は、他の組成物に結合することができ、該組成物が生体膜を横切って移行することを可能にするアミノ酸配列を開示している。また米国特許出願公開第20020035243号明細書は、細胞内送達のために、生物学的部分を細胞膜を横切って輸送するための組成物を記載している。化合物はまたポリマーに組み込まれてもよく、該ポリマーの例としては、頭蓋内腫瘍の場合、ポリ(D−Lラクチド−コ−グリコリド)ポリマー;20:80モル比でのポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン:セバシン酸](GLIADEL内で使用されるような);コンドロイチン;キチン;及びキトサンが挙げられる。
【0120】
腫瘍学的疾患の処置のために、本明細書に開示した化合物は、他の抗腫瘍若しくは抗癌物質、並びに/又は、放射線及び/若しくは光線力学的療法、並びに/又は、腫瘍を除去する外科的処置との組み合わせで、処置を必要とする患者に投与することができる。これらの他の物質又は処置は、本明細書に開示した化合物と同時に又は異なる時間に与えることができる。例えば、本明細書に開示した化合物は、タキソール若しくはビンブラスチン等の有糸分裂阻害剤、シクロホスアミド(cyclophosamide)若しくはイホスファミド等のアルキル化剤、5−フルオロウラシル若しくはヒドロキシ尿素等の代謝拮抗薬、アドリアマイシン若しくはブレオマイシン等のDNA介入物、エトポシド若しくはカンプトテシン等のトポイソメラーゼ阻害剤、アンジオスタチン等の抗血管新生薬、タモキシフェン等の抗エストロゲン剤、及び/又は、例えば、各々GLEEVEC(Novartis Pharmaceuticals Corporation)及びHERCEPTIN(Genentech,Inc.)等の他の抗癌薬物若しくは抗体、又はイピリムマブ及びボルテゾミブ等の免疫治療薬との組み合わせで使用することができる。別の態様では、開示した化合物は、ACY−1215、ツバシン、ツバスタチンA、ST−3−06、またはST−2−92のような他のHDAC阻害剤と共投与される。
【0121】
所定の例では、本明細書に開示した化合物及び組成物は、随意に不活性希釈剤等の薬学的に許容可能な担体との組み合わせで、1つ以上の解剖学的部位に、例えば、望ましくない細胞成長の部位に局部的に投与されてもよい(腫瘍部位又は良性皮膚成長等、例えば腫瘍又は皮膚成長に注射又は局所適用する)。本明細書に開示した化合物及び組成物は、随意に不活性希釈剤、又は、経口送達の場合、吸収可能な食用担体等の薬学的に許容可能な担体との組み合わせで、静脈内又は経口等、全身投与されてもよい。化合物及び組成物は、硬又は軟シェルゼラチンカプセル剤内に封入されてもよく、錠剤に圧縮されてもよく、又は患者の食事の食物に直接組み込まれてもよい。経口的治療投与では、活性化合物は、1つ以上の賦形剤と組み合わされ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤(troch)、カプセル剤、エリキシル剤、縣濁液、シロップ剤、オブラート剤、エアロゾルスプレー等の形態で使用されてもよい。
【0122】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤等は、以下も含み得る:ガムトラガカント、アカシア、トウモロコシ澱粉又はゼラチン等の結合剤;リン酸二カルシウム等の賦形剤;トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、アルギン酸等の錠剤崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;及びショ糖、果糖、乳糖、若しくはアスパルテーム等の甘味剤又はペパーミント、ウィンターグリーン油、若しくはサクランボ風味等の矯味矯臭薬を添加してもよい。単位剤形がカプセル剤の場合、カプセル剤は上記のタイプの材料に加えて、植物油又はポリエチレングリコール等の液体担体を含んでもよい。コーティング、又は固体単位剤形の物理的形態を別様に変更する様々な他の材料が存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤、又はカプセル剤は、ゼラチン、蝋、セラック、又は糖等で被覆されてもよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてショ糖又は果糖、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素、並びに、サクランボ又はオレンジ風味等の風味剤を含んでもよい。勿論、任意の単位剤形の調製に使用される任意の材料は、使用される量において薬学的に許容され得、かつ実質的に非毒性である必要がある。加えて、活性化合物は、徐放製剤及び装置に組み込まれてもよい。
【0123】
その薬学的に許容可能な塩、又は水和物を含む、本明細書に開示した化合物及び組成物は、注入又は注射により、静脈内、筋内、又は腹腔内に投与されてもよい。活性剤又はその塩の溶液は、随意に非毒性界面活性剤と混合されて水中で調製されてもよい。分散液も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びこれらの混合物、並びに油中で調製することができる。保管及び使用の通常の条件下で、これらの製剤は、保存剤を含んで微生物の成長を防止してもよい。
【0124】
注射又は注入に好適な医薬剤形は、随意にリポソーム中にカプセル化された、注射可能な又は注入可能な無菌溶液又は分散液の即時製剤に適合された、活性成分を含む無菌水性溶液若しくは分散液又は無菌粉末を含んでもよい。最終的な剤形は、無菌であり、流体であり、製造及び保管の条件下で安定である必要がある。液体担体又はビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステル、及びこれらの好適な混合物を含む溶媒又は液体分散媒体であってもよい。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、又は分散液の場合、必要な粒径の維持、又は界面活性剤の使用により維持することができる。随意に、微生物の活動の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等の様々な他の抗菌及び抗真菌剤によりもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば糖、緩衝液又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の長期間吸収は、吸収を遅延させる、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含ませることによりもたらすことができる。
【0125】
無菌注射剤は、必要な量の本明細書に開示した化合物及び/又は薬剤を、必要に応じて上記に列挙した様々な他の成分と共に、適切な溶媒に組み込んだ後、濾過滅菌することにより調製される。無菌注射剤の調製のための無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、活性成分と、以前滅菌濾過した溶液中に存在する任意の追加の所望の成分の粉末とを提供する真空乾燥及び凍結乾燥技術である。
【0126】
局所投与の場合、本明細書
に開示した化合物及び薬剤は、液体又は固体として適用されてもよい。しかしながら、一般に、皮膚科学的に許容可能な担体との組み合わせで、固体又は液体であり得る組成物として皮膚に局所投与されることが望ましいであろう。本明細書に開示した化合物及び薬剤、並びに組成物は、対象の皮膚に局所適用されて、悪性若しくは良性成長のサイズを低減し(完全な除去を含み得る)、又は感染部位を処置することができる。本明細書に開示した化合物及び薬剤は、成長又は感染部位に直接適用することができる。化合物及び薬剤は、軟膏、クリーム、ローション、溶液、チンキ等の製剤にて成長又は感染部位に適用されることが好ましい。
【0127】
有用な固体担体としては、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナ等の微細に分割された固体が挙げられる。有用な液体担体としては、化合物が、随意に非毒性界面活性剤の補助により、有効なレベルにて溶解又は分散され得る水、アルコール若しくはグリコール、又は水−アルコール/グリコールのブレンドが挙げられる。香料及び追加の抗菌剤等の補助剤は、所定の使用のために特性を最適化するように添加され得る。得られた液体組成物は、例えば、吸収パッドから適用されてもよく、絆創膏及び他の包帯材を含浸するのに使用されてもよく、又はポンプ型若しくはエアロゾル噴霧器を使用して、冒された範囲上に噴霧されてもよい。
【0128】
液体担体と共に合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩及びエステル、脂肪アルコール、修飾セルロース、又は修飾無機材料等の増粘剤も使用されて、使用者の皮膚に直接適用するための、塗布可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸等を形成してもよい。
【0129】
本明細書に開示した化合物及び薬剤、並びに医薬組成物の有用な投与量は、それらのインビトロでの活性、及び動物モデルにおけるインビボでの活性を比較することにより決定することができる。マウス、及び他の動物における有効投与量をヒトに外挿のための方法は、当技術分野にて既知である。
【0130】
本明細書に開示した化合物を、薬学的に許容可能な担体との組み合わせで含む医薬組成物も開示する。ある量の化合物を含む、経口、局所又は非経口投与に適合された医薬組成物は、好ましい態様を構成する。患者、特にヒトに投与される用量は、理想的な時間枠に亘って、致死毒性を有することなく、患者にて治療的応答を達成するのに十分である必要があり、また許容可能なレベル以下の副作用又は病的状態を生じることが好ましい。当業者は、投与量が、対象の状態(健康)、対象の体重、存在する場合、併用処置の種類、処置の頻度、治療可能比、並びに、病態の重篤さ及び段階を含む多様な因子に依存することを認識するであろう。
【0131】
キット 開示した主題は、1つ以上の容器内に、本明細書に開示した少なくとも1つの阻害剤化合物又は組成物、例えば式I〜IIの任意の化合物を収容する包装された用量製剤にも関する。包装された用量製剤は、随意に、1つ以上の容器内に、薬学的に許容可能な担体又は希釈剤を収容してもよい。包装された用量製剤は、随意に、本明細書に開示した阻害剤化合物又は組成物に加えて、他のHDAC阻害剤、又はイピリムマブ等の免疫療法薬も含み得る。
【0132】
処置される疾患又は疾病状態に応じて、好適な用量は、標的細胞の増殖又は成長を低減するであろう量であってもよい。癌の状況下では、好適な用量は、悪性腫瘍等の癌組織内で所望の応答を達成することが既知である、活性薬剤の濃度をもたらすであろう用量である。好ましい投与量は、管理不能な副作用を有することなく癌細胞成長の最大阻害をもたらす量である。化合物及び/又は薬剤の投与は、当業者が容易に決定できるような、連続投与又は個別の間隔投与であってもよい。
【0133】
所望の治療的処置のためにそれらの投与量を投与するには、いくつかの実施形態では、本明細書に開示した医薬組成物は、担体又は希釈剤を含む総組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜45重量%、特に、1〜15重量%の1つ以上の全対象化合物を含んでもよい。例示的には、投与される活性成分の投与レベルは:静脈内、0.01〜約20mg/kg;腹腔内、0.01〜約100mg/kg;皮下、0.01〜約100mg/kg;筋内、0.01〜約100mg/kg;経口、0.01〜約200mg/kg、好ましくは約1〜100mg/kg;鼻腔内滴下、0.01〜約20mg/kg;及びエアロゾル、0.01〜約20mg/kg動物(体)重であってもよい。
【0134】
本明細書に開示した化合物を含む組成物を1つ以上の容器内に収容するキットも開示する。開示したキットは、随意に、薬学的に許容可能な担体及び/又は希釈剤を含んでもよい。一実施形態において、キットは、本明細書に記載した、1つ以上の他の構成要素、付属物、又は補助剤を含む。別の実施形態では、キットは、本明細書に記載した1つ以上の抗癌剤等を含んでもよい。一実施形態では、キットは、キットの化合物又は組成物の投与方法を記載した説明書又は包装材料を含む。キットの容器は、任意の好適な材料、例えばガラス、プラスチック、金属等のものであってもよく、任意の好適なサイズ、形状、又は構成のものであってもよい。一実施形態では、本明細書に開示した化合物及び/又は薬剤は、錠剤、丸剤、又は粉末形態等の固体としてキット内に提供される。別の実施形態では、本明細書に開示した化合物及び/又は薬剤は、液体又は溶液としてキット内に提供される。一実施形態では、キットは、本明細書に開示した化合物及び/又は薬剤を液体又は溶液形態で収容するアンプル又は注射器を含む。
【実施例】
【0135】
以下の実施例は、開示した主題に従った方法、組成物、及び結果を説明するために以下に示される。これらの実施例は、本明細書に開示した主題の全態様を含むことを意図するものではなく、代表的な方法、組成物、及び結果を説明するためのものである。これらの実施例は、当業者に明らかな本発明の等価物及び変更物を排除することを意図するものではない。
【0136】
数(例えば、量、温度等)に関する正確性を確実にする努力がなされているが、幾分かの誤差及び偏差を考慮する必要がある。別に示さない限り、部は重量部であり、温度は℃であり又は周囲温度であり、圧力は大気圧又はほぼ大気圧にある。記載したプロセスから得られる生成物の純度及び収率を最適化するのに用いられ得る反応条件、例えば構成成分の濃度、温度、圧力、並びに他の反応範囲及び条件の多数の変更及び組み合わせが存在する。理想的かつ日常的な実験のみが、それらのプロセス条件を最適化するのに必要であろう。
【0137】
内部基準としてTMSを使用して、Bruker分光計上で
1H及び
13Cスペクトルを得た。多重度に関する以下の略語を使用した:s=一重項、d=二重項、t=三重項、m=多重項、dd=二重の二重項、br=幅広。プレコートシリカゲルプレート(Merckシリカゲル60 F
254、厚さ250μm)を使用したTLCにより反応を監視し、UV光下で可視化した。LRMS実験は、Agilent 1946A LC−MSDを使用して、0.1%ギ酸をスパイクしたMeCN及びH
2Oを移動相として用いて行った。HRMS決定は、0.1%ギ酸をスパイクしたMeCN及びH
2Oを移動相として用いてShimadzu IT−TOF機器により行った。フラッシュクロマトグラフィーは、Teledyne ISCO製の自動化CombiFlash R
fシステム、及びプレパックシリカゲルカートリッジを推奨負荷能力に従って使用して達成した。
【0138】
以下の仕様を有するShimadzu分取液体クロマトグラフを使用して、分取(Preparatory)HPLCを全ての最終化合物の精製に使用した:カラム:5μmの粒径を有するACE 5AQ(150×21.2mm)。方法1−25〜100%MeOH/H
2O、30分間;100%MeOH、5分間;100〜25%MeOH/H
2O、4分間。方法2−8〜100%MeOH/H
2O、30分間;100%MeOH、5分間;100〜8%MeOH/H
2O、4分間。方法3−0%MeOH、5分間;0〜100%MeOH/H
2O、25分間;100%MeOH、5分間;100〜0%MeOH/H
2O、4分間。流速−17mL/分、254及び280nmで監視。両方の溶媒を0.05%TFAでスパイクした。以下の仕様を有するAgilent 1100シリーズ機器を使用して分析HPLCを行った:カラム:Luna 5C18(2)100A(150×4.60mm)5μm粒径;勾配−10〜100%MeOH/H
2O、18分間、100%MeOH、3分間;100〜10%MeOH/H
2O、3分間;10%MeOH/H
2O、5分間。両方の溶媒を0.05%TFAでスパイクした。全ての試験化合物の純度は、分析HPLCにより決定して>95%であった。
【0139】
化合物の合成:スキーム1を参照メチル4−(((3−(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)メチル)ベンゾエート(3a)
3aの合成は、代表的な一般的手順Aである:メチル4−ホルミルベンゾエート(328mg、2mmol)及び3−ジメチルアミノプロピルアミン(0.252mL、2mmol)を入れた丸底フラスコを、5%AcOHのDCM(10mL)溶液中に取り上げた。5分後、NaCNBH
3(126mg、2mmol)を一部ずつ加え、得られた混合物をAr雰囲気下にて室温で一晩撹拌した。反応を1N NaOH(10mL)でクエンチし、水性層をDCM(3×10mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーを介して精製して、生成物を蝋様固体(313mg、63%)として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.98(d、J=8.0Hz、2H)、7.38(d、J=8.0Hz、2H)、3.89(s、3H)、3.84(s、2H)、2.79(brs、1H)、2.68(t、J=6.8Hz、2H)、2.35(t、J=6.8Hz、2H)、2.23(s、6H)、1.70(quint、J=6.8Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.96、145.27、129.71、128.87、127.95、58.04、53.42、51.99、47.87、45.36、27.41。LRMS ESI:[M+H]
+=251.1。
【0140】
メチル4−(((3−ヒドロキシプロピル)アミノ)メチル)ベンゾエート(3b)
一般的手順Aに従って作製して、蝋様固体(89mg、29%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.00(d、J=8.0Hz、2H)、7.39(d、J=8.0Hz、2H)、3.91(s、3H)、3.90(s、2H)、3.78(幅広、4H)、2.93(t、J=5.6Hz、2H)、1.78〜1.73(m、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.79、143.16、129.77、129.44、128.26、63.55、53.14、52.10、48.88、30.18。LRMS ESI:[M+H]
+=224.2。
【0141】
メチル4−(((2−(1H−インドール−3−イル)エチル)アミノ)メチル)ベンゾエート(3c)
一般的手順Aに従って作製して、蝋様固体(446mg、72%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.28(brs、1H)、7.98(d、J=8.0Hz、2H)、7.62(d、J=7.6Hz、1H)、7.36〜7.34(m、3H)、7.21(t、J=7.6Hz、1H)、7.13(t、J=7.6Hz、1H)、7.00(s、1H)、3.92(s、3H)、3.87(s、2H)、3.02〜2.98(m、4H)、1.68(brs、1H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 167.06、145.66、136.34、129.60、128.62、127.85、127.31、122.02、121.89、119.13、118.74、113.47、111.15、53.36、51.97、49.28、25.64。LRMS ESI:[M+H]
+=309.1。
【0142】
メチル4−(((4−ヒドロキシフェネチル)アミノ)メチル)ベンゾエート(3d)
一般的手順Aに従って作製して、蝋様固体(130mg、46%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.97(d、J=8.0Hz、2H)、7.32(d、J=8.0Hz、2H)、7.01(d、J=8.4Hz、2H)、6.71(d、J=8.4Hz、2H)、3.90(s、3H)、3.86(s、2H)、2.86(t、J=6.8Hz、2H)、2.76(t、J=6.8Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 167.07、154.60、145.02、131.05129.78、129.75、128.91、128.04、115.55、53.29、52.08、50.37、35.02。LRMS ESI:[M+H]
+=268.1。
【0143】
メチル4−(((3−メトキシプロピル)アミノ)メチル)ベンゾエート(3e)
一般的手順Aに従って作製して、無色油(127mg、54%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.94(d、J=8.0Hz、2H)、7.35(d、J=8.0Hz、2H)、3.86(s、3H)、3.80(s、2H)、3.41(t、J=6.4Hz、2H)、3.28(s、3H)、2.67(t、J=6.4Hz、2H)、1.72(m、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.88、145.78、129.54、128.58、127.76、71.17、58.48、53.50、51.85、46.72、29.83。LRMS ESI:[M+H]
+=238.2。
【0144】
メチル4−(((2−メトキシエチル)アミノ)メチル)ベンゾエート(3f)
一般的手順Aに従って作製して、無色油(29mg、13%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.97(d、J=8.0Hz、2H)、7.38(d、J=8.0Hz、2H)、3.88(s、3H)、3.84(s、2H)、3.49(t、J=5.2Hz、2H)、3.33(s、3H)、2.77(t、J=5.2Hz、2H)、1.88(br、1H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.98、145.58、129.65、128.74、127.90、71.85、58.74、53.47、51.94、48.69。LRMS ESI:[M+H]
+=224.2。
【0145】
メチル4−((ブチルアミノ)メチル)ベンゾエート(3g)
一般的手順Aに従って作製して、無色油(150mg、68%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.99(d、J=8.0Hz、2H)、7.39(d、J=8.0Hz、2H)、3.91(s、3H)、3.84(s、2H)、2.62(t、J=7.2Hz、2H)、1.49(m、2H)、1.34(m、3H)、0.91(t、J=7.2Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 167.00、145.89、129.65、128.70、127.87、53.63、51.95、49.14、32.14、20.38、13.93。LRMS ESI:[M+H]
+=222.1。
【0146】
メチル4−((フェネチルアミノ)メチル)ベンゾエート(3h)
一般的手順Aに従って作製して、無色油(203mg、75%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.01(m、2H)、7.35(m、4H)、7.22(m、3H)、3.93(s、3H)、3.88(s、2H)、2.89(m、4H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.97、145.66、139.81、129.65、128.65、128.43、127.82、126.15、53.38、51.96、50.46、36.29。LRMS ESI:[M+H]
+=270.1。
【0147】
メチル4−((1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−ベンゾエート(4a)
4aの合成は、代表的な一般的手順Bである。3a(99mg、0.395mmol)のDCM(5mL)溶液を、Ar雰囲気下にて室温で適切なイソシアネート(0.053mL、0.395mmol)に加え、得られた溶液を一晩撹拌した。反応を飽和重炭酸塩(10mL)でクエンチし、DCM(3×10mL)で抽出した。一緒にした有機物をブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーを介して精製して、尿素エステルを蝋様固体(156mg、98%)として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.64(brs、1H)、8.18(d、J=7.2Hz、1H)、7.99(d、J=8.0Hz、2H)、7.40(d、J=8.0Hz、2H)、6.97〜6.94(m、2H)、6.84(d、J=7.2Hz、1H)、4.64(s、2H)、3.91(s、3H)、3.81(s、3H)、3.42(t、J=6.0Hz、2H)、2.34(t、J=6.0Hz、2H)、2.20(s、6H)、1.74(quint、J=6.0Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.85、156.64、148.86、143.75、129.77、129.43、129.02、127.53、122.25、120.94、120.36、109.92、55.52、54.60、51.96、49.19、44.64、44.18、24.98。LRMS ESI:[M+H]
+=400.2。
【0148】
メチル4−((1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)ベンゾエート(4b)
一般的手順Bに従って作製して、蝋様固体(113mg、74%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.07〜8.03(m、3H)、7.39(d、J=8.0Hz、2H)、7.20(brs、1H)、6.93〜6.90(m、2H)、6.77〜6.47(m、1H)、4.59(s、2H)、3.91(s、3H)、3.67〜3.62(m、7H)、1.80〜1.77(m、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.65、156.31、147.85、142.24、130.14、129.70、128.43、126.77、122.44、121.04、119.48、109.88、58.25、55.53、52.12、50.41、44.00、30.32。LRMS ESI:[M+H]
+=373.2。
【0149】
メチル4−((1−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−ベンゾエート(4c)
一般的手順Bに従って作製して、固体(200mg、95%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.23〜8.21(m、1H)、8.15(brs、1H)、7.99(d、J=8.0Hz、2H)、7.60(d、J=7.6Hz、1H)、7.36〜7.34(m、3H)、7.22〜7.10(m、3H)、7.02(s、1H)、6.97〜6.94(m、2H)、6.81〜6.79(m、1H)、4.59(s、2H)、3.91(s、3H)、3.70〜3.67(m、5H)、3.12(t、J=7.6Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.83、155.17、147.60、143.28、136.29、129.98、129.34、128.79、127.30、127.13、122.18、122.08、121.15、119.51、118.96、118.46、112.53、111.29、109.29、55.56、52.10、50.89、48.98。LRMS ESI:[M+H]
+=458.2。
【0150】
メチル4−((1−(4−ヒドロキシフェネチル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−ベンゾエート(4d)
一般的手順Bに従って作製して、固体(178mg、90%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.15(d、J=4.8Hz、1H)、8.01(d、J=7.6Hz、2H)、7.35(d、J=8.0Hz、2H)、7.11(s、1H)、7.02(d、J=8.0Hz、2H)、6.95〜6.93(m、2H)、6.80〜6.77(m、3H)、6.43(brs、1H)、4.53(s、2H)、3.91(s、3H)、3.73(s、3H)、3.56(t、J=6.8Hz、2H)、2.87(t、J=6.8Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.89、155.25、154.99、147.69、142.93、130.04、129.83、129.76、129.40、128.50、127.21、122.35、121.18、119.10、115.67、109.78、55.60、52.15、50.97、50.33、33.88。LRMS:[M+H]
+=435.2。
【0151】
メチル4−((1−(3−メトキシプロピル)−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(4e)
一般的手順Bに従って作製して、無色油(70mg、73%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.00(d、J=8.4Hz、2H)、7.84(s、1H)、7.45(d、J=8.4Hz、2H)、7.40(d、J=8.0Hz、2H)、7.30(m、2H)、7.02(t、J=7.6Hz、1H)、4.64(s、2H)、3.92(s、3H)、3.49(t、J=5.2Hz、2H)、3.44(s、3H)、3.415(t、J=6.4Hz、2H)、1.77(m、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.87、156.36、143.76、139.85、129.88、129.18、128.81、127.72、122.45、119.17、68.16、58.63、52.05、49.41、43.05、27.55。LRMS ESI:[M+H]
+=358.2。
【0152】
メチル4−((1−(2−メトキシエチル)−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(4f)
一般的手順Bに従って作製して、無色油(40mg、91%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.33(br、1H)、8.02(d、J=8.0Hz、2H)、7.35(m、6H)、7.02(t、J=7.2Hz、1H)、4.68(s、2H)、3.93(s、3H)、3.50(s、3H)、3.46(s、4H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.88、157.07、143.81、139.37、129.92、129.28、128.81、127.73、122.34、119.15、72.59、59.28、52.07、50.90、48.44。LRMS ESI:[M+H]
+=343.2。
【0153】
メチル4−((1−ブチル−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(4g)
一般的手順Bに従って作製して、無色油(59mg、98%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.04(d、J=8.0Hz、2H)、7.39(d、J=8.0Hz、2H)、7.27(m、4H)、7.03(t、J=7.2Hz、1H)、6.32(s、1H)、4.65(s、2H)、3.93(s、3H)、3.36(t、J=7.2Hz、2H)、1.64(m、2H)、1.37(m、2H)、0.96(t、J=7.2Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.74、155.30、143.11、138.83、130.14、129.50、128.85、127.04、123.16、119.90、52.12、50.49、47.74、30.52、20.18、13.81。LRMS ESI:[M+H]
+=341.1。
【0154】
メチル4−((1−フェネチル−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(4h)
一般的手順Bに従って作製して、無色油(113mg、92%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 8.02(d、J=8.4Hz、2H)、7.36(m、4H)、7.30(d、J=7.2Hz、1H)、7.21(m、4H)、7.08(d、J=8.0Hz、2H)、6.99(t、J=7.2Hz、1H)、6.00(s、1H)、4.58(s、2H)、3.91(s、3H)、3.59(t、J=6.8Hz、2H)、2.90(t、J=6.8Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.71、155.61、142.99、138.86、138.72、130.06、129.43、129.00、128.86、128.65、127.28、126.92、122.95、119.83、52.08、50.38、49.94、34.74。LRMS ESI:[M+H]
+=389.2。
【0155】
4−((1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−N−ヒドロキシベンズアミド(5a)
5aの合成は、代表的な一般的手順Cである。固体NaOH(125mg、3.12mmol)を0℃でaq.溶液(50重量%、1mL)に溶解した。次いで、4a(156mg、0.390mmol)のTHF/MeOH(1:1、合計6mL)溶液を滴加し、二層溶液は、完全な添加後、均質となった。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。反応をAcOH(0.223mL、3.90mmol)でクエンチし、真空下で濃縮し、HPLC方法2を介して粗生成物を精製し、重炭酸塩洗浄液で中和して表題の化合物を得た(20mg、13%)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.22(brs、1H)、9.02(brs、1H)、7.80〜7.76(m、3H)、7.39(d、J=8.4Hz、2H)、7.00〜6.94(m、2H)、6.88〜6.84(m、2H)、4.62(s、2H)、3.72(s、3H)、3.43〜3.40(m、2H)、2.82(brs、2H)、2.56(s、6H)、1.91〜1.86(m、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 155.35、149.62、141.56、131.69、128.60、127.24、127.15、127.02、123.14、121.40、120.23、110.78、55.62、54.33、49.32、44.24、42.76、23.45。HRMS ESI:計算値C
21H
28N
4O
4[M+H]
+m/z=401.2183;実測値401.2164。
【0156】
N−ヒドロキシ−4−((1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−ベンズアミド(5b)
一般的手順Cに従って作製し、方法3により精製して表題の化合物(95mg、84%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.19(brs、1H)、7.82(d、J=7.6Hz、1H)、7.76〜7.71(m、3H)、7.37(d、J=8.0Hz、2H)、6.95(d、J=4.0Hz、2H)、6.88〜6.85(m、1H)、4.58(s、2H)、3.74(s、3H)、3.48(t、J=5.6Hz、2H)、3.40(t、J=6.8Hz、2H)、1.73〜1.69(m、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.10、155.18、149.08、141.99、131.56、128.91、127.18、127.10、126.93、122.61、120.49、120.29、110.76、57.59、55.69、49.28、43.97、30.61。HRMS ESI:計算値C
19H
23N
3O
5[M+H]
+m/z=374.1710;実測値374.1693。
【0157】
4−((1−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−N−ヒドロキシベンズアミド(5c)
一般的手順Cに従って作製し、方法1により精製して表題の化合物(62mg、57%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.21(brs、1H)、10.86(s、1H)、10.12(brs、1H)、7.86(t、J=7.6Hz、1H)、7.75(d、J=8.0Hz、2H)、7.56(d、J=8.0Hz、1H)、7.42〜7.40(m、3H)、7.34(d、J=8.0Hz、1H)、7.18(s、1H)、7.07(t、J=7.2Hz、1H)、7.01〜6.96(m、3H)、6.90〜6.86(m、1H)、4.64(s、2H)、3.71(s、3H)、3.62(t、J=7.6Hz、2H)、3.00(t、J=7.6Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 163.97、158.37、154.72、148.88、141.90、136.21、131.65、128.70、127.12、122.98、122.65、120.97、120.35、118.31、118.18、111.41、111.11、110.66、55.66、49.77、48.47、23.89。HRMS ESI:計算値C
26H
26N
4O
4[M+H]
+m/z=459.2027;実測値459.2030。
【0158】
N−ヒドロキシ−4−((1−(4−ヒドロキシフェネチル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイド)メチル)−ベンズアミド(5d)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して表題の化合物(63mg、63%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.20(brs、1H)、9.20(brs、1H)、7.82(d、J=8.0Hz、2H)、7.74(d、J=8.0Hz、2H)、7.38(d、J=8.4Hz、2H)、7.37(s、1H)、7.04(d、J=8.4Hz、2H)、6.98(d、J=8.0Hz、2H)、6.89〜6.85(m、1H)、6.69(d、J=8.4Hz、2H)、4.57(s、2H)、3.75(s、3H)、3.49(t、J=7.6Hz、2H)、2.75(t、J=7.6Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.00、155.76、154.62、148.97、141.88、131.63、129.63、128.83、127.12、122.72、120.44、120.33、115.22、110.69、55.69、49.68、49.49、33.21。HRMS ESI:計算値C
24H
25N
3O
5[M+H]
+m/z=436.1867;実測値436.1858。
【0159】
N−ヒドロキシ−4−((1−(3−メトキシプロピル)−3−フェニルウレイド)メチル)ベンズアミド(5e)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して表題の化合物(48mg、76%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.19(br、1H)、8.36(s、1H)、7.72(d、J=8.4Hz、2H)、7.45(d、J=7.6Hz、2H)、7.32(d、J=8.4Hz、2H)、7.23(m、2H)、6.94(t、J=7.2Hz、1H)、4.61(s、2H)、3.34(m、4H)、3.21(s、3H)、1.74(m、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.04、155.30、142.25、140.42、131.49、128.31、127.06、121.87、119.88、69.16、57.88、49.08、43.56、27.81。HRMS ESI:計算値C
19H
23N
3O
4[M+H]
+m/z=358.1761;実測値358.1785。
【0160】
N−ヒドロキシ−4−((1−(2−メトキシエチル)−3−フェニルウレイド)メチル)ベンズアミド(5f)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して表題の化合物(20mg、50%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.17(s、1H)、9.01(br、1H)、8.44(s、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、2H)、7.42(d、J=7.6Hz、2H)、7.32(d、J=8.0Hz、2H)、7.23(t、J=7.6Hz、2H)H、6.94(t、J=7.2Hz、1H)、4.64(s、2H)、3.49(s、4H)、3.28(s、3H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.06、155.46、142.17、140.30、131.43、128.32、126.97、121.83、119.64、70.88、58.31、49.82、46.35。HRMS ESI:計算値C
18H
21N
3O
4[M+H]
+m/z=344.1605;実測値344.1601。
【0161】
4−((1−ブチル−3−フェニルウレイド)メチル)−N−ヒドロキシベンズアミド(5g)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して表題の化合物を得た(40mg、68%)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.17(br、1H)、8.36(s、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、2H)、7.46(d、J=7.6Hz、2H)、7.32(d、J=8.0Hz、2H)、7.22(t、J=7.6Hz、2H)、6.94(t、J=7.2Hz、1H)、4.62(s、2H)、3.30(m、1H)、1.48(m、2H)、1.27(m、2H)、0.86(t、J=7.6Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.01、155.22、142.30、140.45、131.42、128.19、127.00、126.96、121.80、120.04、49.01、46.11、29.64、19.43、13.77。HRMS ESI:計算値C
19H
23N
3O
3[M+H]
+m/z=342.1812;実測値342.1802。
【0162】
N−ヒドロキシ−4−((1−フェネチル−3−フェニルウレイド)メチル)ベンズアミド(5h)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して表題の化合物(71mg、63%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.15(br、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、2H)、7.45(d、J=8.0Hz、2H)、7.31(d、J=8.0Hz、2H)、7.24(m、7H)、6.95(t、J=7.2Hz、1H)、4.60(s、2H)、3.54(t、J=7.6Hz、2H)、2.82(t、J=7.6Hz、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.04、155.12、142.12、140.35、139.04、131.50、128.77、128.31、128.20、127.09、127.05、126.16、121.91、120.13、49.20、48.04、33.91。HRMS ESI:計算値C
23H
23N
3O
3[M+H]
+m/z=390.1812;実測値390.1793。
【0163】
化合物の合成:スキーム2を参照 以前報告されたものと類似した方法で(Org Lett,4,581)
11、N−ブチルアニリン(6a)を合成した。手短には、CuI(19mg、0.1mmol)、及び新たに挽いたK
3PO
4(849mg、4mmol)を密封チューブ内に配置した後、イソプロパノール(2mL)、エチレングリコール(0.222mL、4.0mL)、ヨウ化フェニル(0.224mL、2.0mmol)及びn−ブチルアミン(0.237mL、2.4mmol)を連続して加えた。次いで、チューブを密封し、80℃で18hの撹拌を開始した。室温に冷却後、反応物を水:エチルエーテル(1:1、10mL)で希釈した。水性層をエーテル(3×5mL)で抽出し、ブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーを介して精製して、表題の化合物を黄色油(235mg、79%)として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.19(m、2H)、6.70(t、J=7.2Hz、1H)、6.61(d、J=8.4Hz、2H)、3.60(br、1H)、3.12(t、J=7.2Hz、2H)、1.62(m、2H)、1.44(m、2H)、0.98(t、J=7.2Hz、3H)。スペクトルは、Okano et al.,「Synthesis of secondary arylamines through copper−mediated intermolecular aryl animation」,Org Lett 2003,5(26):4987−4990に報告されたものと一致した。
【0164】
N−(3−メトキシプロピル)アニリン(6b)
6aと同一の手順に従って作製して、薄黄色油(282mg、85%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.18(m、2H)、6.69(t、J=7.2Hz、1H)、6.61(d、J=8.4Hz、2H)、3.92(br、1H)、3.52(t、J=6.0Hz、2H)、3.60(s、3H)、3.23(t、J=6.8Hz、2H)、1.90(m、2H)。スペクトルは、Guo et al.,Efficient Iron−Catalyzed N−Arylation of Aryl Halides with Amines」,Org Lett 2008,10(20):4513−4516に報告されたものと一致した。
【0165】
メチル4−((3−ブチル−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(7a)
メチル4−(アミノメチル)ベンゾエート塩酸塩(101mg、0.5mmol)をDCM:sat.重炭酸塩(1:1、4mL)の二層溶液中に取り上げ、0℃でトリホスゲン(49mg、0.17mmol)を加えた。30分後、水性層をDCM(3×5mL)で抽出し、ブライン(15mL)で洗浄し、真空下で濃縮した。粗イソシアネートをDCM(2mL)中に取り上げ、6a(75mg、0.5mmol)及びEt
3N(0.209mL、1.5mmol)を加え、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。反応をsat.重炭酸塩(5mL)でクエンチし、DCM(3×5mL)で抽出した。一緒にした有機物をブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーを介して粗物質を精製して、表題の化合物を灰白色蝋様固体(93mg、55%)として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.95(d、J=8.0Hz、2H)、7.42(t、J=7.6Hz、2H)、7.32(m、1H)、7.25(m、4H)、4.45(t、J=5.6Hz、1H)、4.41(d、J=6.0Hz、2H)、3.89(s、3H)、3.70(t、J=7.6Hz、2H)、1.48(m、2H)、1.31(m、2H)、0.89(t、7.2Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.89、156.87、145.14、141.61、130.08、129.78、128.85、128.73、127.81、126.96、52.01、49.21、44.25、30.68、19.92、13.82。LRMS ESI:[M+H]
+=341.1。
【0166】
メチル4−((3−(3−メトキシプロピル)−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(7b)
6bを第2級アミンとして使用した以外は、7aの手順に従って作製し、表題の化合物を灰白色蝋様固体(65mg、36%)として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.96(d、J=8.0Hz、2H)、7.43(t、J=7.6Hz、2H)、7.33(m、1H)、7.27(m、4H)、4.69(br、1H)、4.42(6.0Hz、2H)、3.90(s、3H)、3.80(t、J=7.2Hz、2H)、3.43(t、J=6.4Hz、2H)、3.27(s、3H)、1.83(m、2H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.88、156.95、145.05、141.63、130.10、129.80、128.90、127.79、127.00、70.23、58.54、52.03、46.86、44.29、28.82。LRMS ESI:[M+H]
+=357.1。
【0167】
メチル4−((3−エチル−3−フェニルウレイド)メチル)ベンゾエート(7c)
市販のN−エチルアニリンを第2級アミンとして使用した以外は、7aの手順に従って作製し、表題の化合物を灰白色蝋様固体(197mg、63%)として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ 7.94(d、J=8.4Hz、2H)、7.24(t、J=7.6Hz、2H)、7.32(t、J=7.2Hz、1H)、7.26(m、4H)、4.57(br、1H)、4.41(d、J=5.6Hz、1H)、3.88(s、3H)、3.76(dd、J=14、7.2Hz、2H)、1.12(t、J=7.2Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ 166.82、156.64、145.09、141.22、130.03、129.72、128.79、127.82、126.92、51.95、44.17、44.09、13.82。LRMS ESI:[M+H]
+=313.1。
【0168】
4−((3−ブチル−3−フェニルウレイド)メチル)−N−ヒドロキシベンズアミド(8a)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して、表題の化合物を灰白色固体(74mg、80%)として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.13(br、1H)、8.72(br、1H)、7.66(d、J=8.0Hz、2H)、7.43(t、J=7.6Hz、2H)、7.27(m、5H)、6.23(t、J=5.6Hz、1H)、4.20(d、J=5.6Hz、2H)、3.57(t、J=6.8Hz、2H)、1.35(m、2H)、1.23(m、2H)、0.82(t、J=6.8Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.17、156.48、144.50、142.12、130.129.55、128.22、126.67、126.61、48.44、43.38、30.21、19.35、13.72。HRMS ESI:計算値C
19H
23N
3O
3[M+H]
+m/z=342.1812;実測値342.1825。
【0169】
N−ヒドロキシ−4−((3−(3−メトキシプロピル)−3−フェニルウレイド)メチル)ベンズアミド(8b)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して灰白色固体(59mg、91%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.14(br、1H)、7.66(d、J=8.0Hz、2H)、7.43(t、J=7.6Hz、2H)、7.27(m、5H)、6.27(t、J=6.0Hz、1H)、4.21(d、J=5.8Hz、2H)、3.62(t、J=7.2Hz、2H)、3.28(t、J=6.4Hz、2H)、3.14(s、3H)、1.63(m、2H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.13、156.51、144.44、142.19、130.89、129.57、128.18、126.70、126.64、69.49、57.80、46.35、43.39、28.32。HRMS ESI:計算値C
19H
23N
3O
4[M+H]
+m/z=358.1761;実測値358.1749。
【0170】
4−((3−エチル−3−フェニルウレイド)メチル)−N−ヒドロキシベンズアミド(8c)
一般的手順Cに従って作製し、方法2により精製して灰白色固体(91mg、96%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 11.13(br、1H)、7.67(d、J=8.0Hz、2H)、7.43(t、J=7.6Hz、2H)、7.26(m、5H)、6.30(t、J=6.0Hz、1H)、4.21(d、J=5.6Hz、2H)、3.61(dd、J=14、7.2Hz、2H)、0.99(t、J=7.2Hz、3H)。
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ 164.21、156.34、144.54、142.00、130.92、129.57、128.32、126.75、126.67、43.70、43.39、13.76。HRMS ESI:計算値C
17H
19N
3O
3[M+H]
+m/z=314.1499;実測値314.1489。
【0171】
HDAC阻害アッセイ Reaction Biology Corp.(Malvern,PA)により、Sf9細胞内のバキュロウィルス発現システムからの単離されたヒト組み換え完全長HDAC1及び−6を使用して、HDAC阻害アッセイを行った。p53の残基379〜382に由来するアセチル化蛍光ペプチド、RHKK
ACを、基質として使用した。反応緩衝液を50mM Tris−HCl pH8.0、127mM NaCl、2.7mM KC1、1mM MgCl
2、1mg/mL BSA、及び1%DMSOの最終濃度で作製した。化合物をDMSO及び酵素混合物に供給し、5〜10分間プレインキュベートした後、基質を加え、30℃で2hインキュベートした。トリコスタチンA及び展開液を加えて反応をクエンチし、各々の蛍光を生成した。用量応答曲線を30μΜ化合物から出発して3倍段階希釈を用いて生成し、10−用量プロットを生成した。次いで、得られたプロットからIC
50値を生成し、表された値は、二重試験の平均±標準偏差である。
【0172】
化合物1は、マイクロモル以下のHDAC阻害活性を所有すると特定された;しかしながら、該化合物は、Zn
2+−依存性クラス1及び2の代表的なメンバー(各々、HDAC1及びHDAC6)に対して選択的ではなかった。HDAC6に関する活性及び選択性は、HDAC6表面上の独特の空洞へのアクセスにより改善し得ることが発見された。このことは、尿素窒素上の置換により達成された。HDAC6上には、HDAC1と比較して短い基質チャネルが存在し、この特徴は、重要なイソ型選択性を付与する卓越した戦略を示した(Butler et al.,J Am Chem Soc 2010,132(31):10842−10846;Kalin et al.,J Med Chem 2012,55(2):639−651)。尿素モチーフ上に置換基を組み込むことにより、更なる分枝分子表面が、HDAC6表面における僅かな相違により価値のある接触を形成し得る一方、ベンジルリンカーは、HDAC1阻害から離れることを優先する、より短いリンカーを与える。得られたHDAC1及びHDAC6阻害データの概要を、表1に示す。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】
【表3】
【0176】
1に基づく類似体は、同一の2−メトキシフェニルキャップ基を維持したが、尿素の近位結合窒素上に様々な置換を含んでいた(5a〜d)。この位置への分枝要素の導入は、HDAC1の活性の低下において劇的な影響を有した。興味深いことに、HDAC6における阻害は、この置換の性質に依存することが見出された。5aのようなジメチルアミノ置換、及び5cのような3−インドイル置換の両方は、化合物1と比較して3倍を超えて低い強度であったため、HDAC6阻害に有害であることが証明された。しかしながら、これらはHDAC1にて低いマイクロモル阻害活性を維持した;しかし、HDAC6に対する活性は、マイクロモル以下のみの範囲であった。5aの第3級アミンは生理学的pHでプロトン化されるため、正電荷は、適切な標的結合に不都合である可能性がある。同様に、5cのより大きいインドール基は、活性部位により適切に収容されるには、単に過剰に大きい立体的嵩高さを呈する可能性がある。しかしながら、3−ヒドロキシプロピル誘導体、5b、及び4−ヒドロキシフェニルエチル誘導体、5dは、HDAC6の阻害に有意な増大をもたらした。これらの置換は、HDAC1活性上に僅かな効果のみを有した。5b及び5dのヒドロキシル基は、H結合アクセプター又はドナーとして機能することができ、HDAC6表面上の主要なアミノ酸残基との都合のよい相互作用を有するため、結合親和性を改善する。
【0177】
1に基づいた第1シリーズの化合物は、アリール尿素キャップ内の2−メトキシ基を維持した。フェノールの酸化可能性はインビボでの効力に相当のハードルを呈するため、構造活性関連性(SAR)の研究は同一の化学的構造を用いたフェニルキャップを有するシリーズの合成により前進した。H結合アクセプターの影響を示すために、自由ヒドロキシル部分を遮蔽した。自由ヒドロキシルをメチル基でキャッピングすることにより5eがもたらされ、これもまたHDAC6に対する>400倍の選択性を有する低いナノモル阻害剤として見出された。5fのエチレン架橋の短縮により、HDAC6阻害は有意に制止されなかったが、HDAC1に対する活性を僅かに増大させ、最終的にHDAC6に対する選択性を低下させた。確立された一般的な傾向は、H結合ドナー及び大きい芳香族基が活性を阻止する一方、H結合アクセプターを有するより小さい基が、選択的HDAC6活性に有利に働くことであった。興味深いことに、n−ブチル5g及びフェネチル5hは低いナノモル範囲で熟達したHDAC6iであり、5gはHDAC1上に卓越した選択性を有した(600倍)。これらの結果は、特定のH結合相互作用が活性に必要であるという考えを否定した。
【0178】
分枝要素を遠位尿素窒素に移動することにより類似体8a〜cがもたらされた。このシリーズで最も強力な8aは、5eと同一のn−ブチル置換を所有していた。8aはナノモルHDAC6Iであるが、強さは5倍低く、より興味深いことに、近位的に置換された同族体5eよりも選択性が低い。メトキシ変異体8bは、HDAC6に対する有効性が劇的に低下した。近位窒素上でのアルキルからヘテロアルキルへの切替えは、遠位窒素上で等効力の阻害をもたらしたが、この修飾は、更に強力なHDAC6Iの開発には有害であった。8cでアルキル分枝の長さを低減することもまた、HDAC6阻害を低下させた。これらのデータは、非環状尿素を含むキャップ基で飾られた阻害剤に関する特定の必要性と、強力かつ選択的な阻害が、殆どが分枝キャップ基を生成する近位窒素上の尿素置換に由来することとを指摘する。
【0179】
開示した化合物を他者が開発した他のHDACiに対して評価すると、「Nexturastat A」と称される5gが、実際に、強力及び選択的HDAC6iであることが明らかとなる。例えば、5gを、別のHDAC6iであるツバスタチンA(Butler et al.,J Am Chem Soc 2010,132(31):10842−10846)と比較すると、HDAC1に対する卓越した選択性を維持しながら、HDAC6の阻害が改善されたことが明らかとなる。5gはまた、トリコスタチンA(TSA)に匹敵するHDAC6有効性を示す(表1参照)。加えて、アミノ−ベンズアミドZBGがHDACiに組み込まれており、その導入によりクラス2阻害が低下し、クラス1選択性がもたらされる;このことは、抗増殖活性を所有し、最近臨床試験が開始されたHDACIであるMGCD0103により象徴化される(Zhou et al.,「Discovery of N−(2−aminophenyl)4−4−pyridin−3−ylpyrimidin−2−ylamino)methyl benzamide(MGCD0103),an orally active histone deacetylase inhibitor」,J Med Chem 2008,51(14):4072−4075)。MGCD0103と比較すると、5gは、HDAC1における活性に30倍の低下をもたらす。
【0180】
式I−Cの環状尿素である化合物10a、10b及び11aを用いて同様の実験を行った(表2)。
【0181】
【表4】
【0182】
HDACイソ型は互いに高く一致しているため、選択性の獲得は、標的外(off−target)効果を避けるために重要であり、開示したHDAC6iの開発に最重要である。クラス1阻害は、パン−選択的HDACiに関連した細胞毒性の原因となることが周知であり;従って、5gは、11の全部のイソ型に対してスクリーニングされた(表3)。類似したクラス1及びクラス4イソ型において、5gは、HDAC6の低いナノモル活性と比較して低いマイクロモル活性を示した。更に、5gは、関連したクラス2HDACイソ型のメンバーに対して高いレベルの選択的阻害を示し、ある場合には>1000倍の選択性に達した。これらのデータは、5g、及び同様の類似体が、強力であり、イソ型選択的HDAC6iであることを確立する。
【0183】
【表5】
【0184】
チューブリン及びヒストンアセチル化ウェスタンブロットアッセイ 5gが、アセチル化ヒストンのレベルを上昇させることなく、α−チューブリンの超アセチル化、HDAC6阻害の顕著な特徴を誘導する能力について評価した。B16黒色腫細胞を10
5細胞/ウェルで12ウェルプレート内に蒔き、一晩接着させた。次いで、50mMのストックの化合物を、示した濃度へ段階希釈することにより完全培地内に加えた。細胞を加湿条件(37℃、5%CO
2)下で24時間インキュベートした。次いで、ウェルを冷PBSで洗浄し、細胞を10mM Tris−HCl pH8.0、10%SDS、4mM尿素、100mM DTT、及び1xプロテアーゼ阻害剤(Roche)を含む緩衝液中に溶解した。細胞は氷上で30分間溶解された後、8分間超音波処理された(30sの8サイクル/30sの静止)。次いで、細胞を6xゲル負荷緩衝液と共に10分間沸騰させ、4〜15%勾配ゲル上で分離し、続いてニトロセルロース膜上に移した。膜をPBS−T中5%ミルクでブロックし、アセチル−H3及びH3(Cell Signaling)に、並びにアセチル−α−チューブリン及びα−チューブリン(Sigma)に対する抗体を使用して特定の抗原を検出した。LI−COR Odyssey撮像システムを用いて、700及び800チャネルの両方を使用して、ブロットを走査することによりバンドを検出した。
【0185】
HDAC6は2つの触媒ドメインを含む。そのC末端ドメインは、合成及び生理学的基質の両方に関する機能的ドメインである一方、N末端ドメインは酵素活性を欠いている(Zou et al.,「Characterization of the two catalytic domains in histone deacetylase 6」,Biochem Biophys Res Commun 2006,341(1):45−50)。B16マウス(murine)黒色腫細胞に対する5gの低ナノモル処理により、ヒストンH3アセチル化のコンカマネント(concamanent)な上昇を有することなく、アセチルα−チューブリンレベルの用量依存的な増大がもたらされ(
図39)、これは第2の、触媒的に活性な触媒ドメインに対する結合を示している。1及び10μΜの濃度が使用される直前に、ヒストンH3アセチル化の観察可能な増大が見出された。ヒストンアセチル化の原因となる、クラス1 HDACに対する5gの生物化学的IC
50が、マイクロモル範囲内であるため、このことは予想された。選択的HDAC6阻害に対応する、細胞環境内での5gの活性に関する明らかな優先度が存在する。
【0186】
B16黒色腫細胞成長阻害アッセイ 化合物をMTSアッセイにて評価して、選択的HDAC6iがB16マウス黒色腫細胞上に抗増殖効果を発現する能力を決定した。B16マウス黒色腫細胞を5×l0
3/ウェルで96ウェル平底プレート内に蒔いた。翌日、培地を様々な濃度のHDACiを含む培地と交換し、又は、完全培地中で希釈してDMSOビヒクル濃度を一致させ、これを三重に行った。細胞を37℃及び5%CO
2で48時間インキュベートした。生存する、代謝的に活性な細胞の密度を、標準的なMTSアッセイ(CellTiter 96(商標)AQ
ueous One,Promega,Madison,WI)を用いて、製造業者の指示に従って定量した。手短には、ウェル当たり20μLの試薬を加え、37℃で3時間インキュベートした。分光測定により490nMでの吸光度を、690nMでの背景差分を用いて測定した。次いで、全部の値を正規化し、培地対照(100%)の百分率として表した。
【0187】
化合物を48h処理することにより、発癌性黒色腫細胞の用量依存的な成長阻害をもたらし、これを表4に纏めた。細胞成長の阻害の一般的な傾向は、HDAC6に関する有効性と相関する。しかしながら、強力かつ選択的な5bは、おそらく高い極性と効率的な細胞浸透性を有さないことから、細胞アッセイでは非常に不完全に作用した。この全細胞アッセイにて最も活性の化合物5d及び5f〜hと比較すると、最も選択的なHDAC6iは、細胞成長を阻害する最大の効力を有することが明らかとなる。それらはまた、細胞浸透性の改善に寄与する可能性がある、より高いcLogP値を有することに注目するべきである。5g(cLogP=2.20)に関して例示したように、cLogPがより最適なレベルに調整されるにつれて、細胞効力が回復され、生理化学的パラメーターの適切なバランスが維持される筈であることを示している。
【0188】
【表6】
【0189】
パン−選択的HDACi LBH589と比較すると、5gはマウスB16黒色腫細胞死の誘導においておよそ100倍、効果が低い。この効力の低下は、上記に示したように、ナノモル用量の5gによるB16細胞の処理によりアセチル−チューブリンレベルの増大がもたらされたため、乏しい細胞浸透性に起因する可能性は低い(
図39)。加えて、両方の化合物は同様のcLogP値を所有する(LBH589及び5gに関して、各々2.64対2.20)。むしろ、LBH589処理による非選択的HDAC阻害の効果は、その有効性、特にそのクラス1活性の増大に寄与する可能性がある。5gがツバスタチンAと比較して、B16細胞に対する有効性が増大していることに注目することも興味深い(表4)。細胞活性の相違に関する決定的な説明は存在しないが、5gのHDAC6活性の改善によるものである可能性がある。HDAC6−選択的阻害剤は今日まで癌治療法に役割を有さなかったが、データはこの領域において有用性を有することを示している。それ故、この研究は、黒色腫細胞に対する抗増殖効果を所有するHDAC6選択的阻害剤の最初の報告を構成している。
【0190】
添付の特許請求の範囲の材料及び方法は、特許請求の範囲の数個の態様の例示を意図する、本明細書に記載した特定の材料及び方法によりその範囲を限定されず、機能的に等価な任意の材料及び方法は、本開示の範囲内に含まれる。本明細書に示し及び記載したものに加えて、材料及び方法の様々な変更が添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。更に、所定の代表的な材料、方法、並びにそれらの材料及び方法の態様のみが詳細に記載されているが、特に引用されなくとも、他の材料及び方法、並びに該材料及び方法の様々な特徴の組み合わせが添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。従って、工程、要素、構成要素、又は構成成分の組み合わせが本明細書に明確に言及され得るが、明確に言及されなくとも、工程、要素、構成要素、又は構成成分の他の全ての組み合わせが含まれる。