(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.擬似接着シート
本発明の擬似接着シートは、第1の基材と剥離層と第2の基材とをこの順に有する。本発明においては、剥離層を介して、第1の基材と第2の基材とを剥離することが可能である。剥離後の剥離面において、剥離層の少なくとも一部は第1の基材の全面を覆う。本発明によれば、剥離層と第1の基材との間の接着力(例えば、剥離強度)が剥離層と第2の基材との間の接着力よりも大きくなるよう、剥離層を2層構造とした場合には第1の基材と隣接する剥離層との間の接着力(例えば、剥離強度)が第2の基材と隣接する剥離層との間の接着力よりも大きくなるよう、あるいは、剥離層と第1の基材との界面で剥離することなく剥離層が凝集破壊するよう各層の材料、厚み等を最適化することにより、上記のような特徴的な剥離挙動を実現することができる。以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
【0011】
<第1の実施形態>
図1(a)は、本発明の1つの実施形態による擬似接着シートの剥離前の状態を説明する概略断面図であり、
図1(b)は
図1(a)の擬似接着シートの剥離時の状態を説明する概略断面図である。なお、以下のすべての図面においては、見やすくするために、各層の厚みの比率は実際とは異なっている。図示例の擬似接着シート100は、第1の基材10と剥離層20と第2の基材30とをこの順に有する。
【0012】
第1の基材10は、少なくとも第1の芯材層11を含む。第1の芯材層11は、例えば、紙、合成紙、樹脂フィルム等で構成される。本発明の擬似接着シートは、第1の芯材層11として印刷の施されていない紙を用いて印刷用紙(例えば、インクジェット用印刷用紙)として提供されてもよく、印刷の施された紙または樹脂フィルムを用いて印刷物として提供されてもよい。印刷物として提供される場合、第1の芯材層11の上面(剥離層とは反対側の面)に印刷が施されていてもよく、下面(剥離層側の面)に印刷が施されていてもよく、上下面に印刷が施されていてもよい。例えば、第1の芯材層11の下面に印刷を施せば、印刷面が一時的に隠蔽可能な葉書に使用され得る擬似接着シートを得ることができる。
【0013】
第1の基材10は、
図1に示すように第1の芯材層11からなる単層であってもよく、印刷が施されている場合など必要に応じて、
図2および
図3に示すように保護層12を備えていてもよい。保護層12は、適切な接着剤または粘着剤(図示せず)を介して、第1の芯材層11の上面側に配置されていてもよく(
図2)、芯材層11の下面側に配置されていてもよく(
図3)、芯材層11の上下面に配置されていてもよい。保護層12は、代表的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたは(メタ)アクリレート系樹脂で構成される。基材、芯材層および保護層の厚みは、目的に応じて適切に設定され得る。第1の基材10(すなわち、第1の芯材層11または保護層12)には、任意の適切な表面処理が施されてもよい。例えば、第1の芯材層11の下面(剥離層側の面)には易接着処理(例えば、コロナ処理)が施され得る。
【0014】
また、第1の基材10は、
図4に示すように、第1の芯材層11の剥離層20側に粘着剤層13をさらに備えていてもよい。このとき、第1の基材10は、粘着剤層13を剥離層20側にして配置される。なお、第1の基材が剥離層側に保護層を備える場合、粘着剤層13は、該保護層と剥離層との間に設けられることが好ましい。粘着剤層を備えていれば、凝集破壊による層内剥離をとりわけ良好に実現することができる。また、本発明の擬似接着シートが粘着剤層13を備える場合、第1の基材10はブロック層14をさらに備えることが好ましい(
図5)。擬似接着シートにおいてブロック層14は、粘着剤層13と剥離層20との間に配置される。ブロック層は、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂で構成され得る。ブロック層を設けることにより、接着剤または粘着剤の剥離層への浸入が防止され、剥離時に剥離層を良好に凝集破壊させることができる。
【0015】
粘着剤層13は、任意の適切な粘着剤で構成される。粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとする粘着剤が挙げられる。粘着剤層13の厚みは、好ましくは5.0μm〜50μmであり、より好ましくは10μm〜30μmである。粘着剤層13の厚みがこのような範囲であれば、剥離層の凝集破壊を良好に実現することができる。
【0016】
第2の基材30は、少なくとも第2の芯材層31を含む。第2の芯材層31は、例えば、紙、合成紙、樹脂フィルム等で構成される。第2の芯材層31もまた、第1の芯材層と同様に、その上面(剥離層側の面)および/または下面(剥離層とは反対側の面)に印刷が施され得る。第2の基材30は、第1の基材と同様に、第2の芯材層31の上面および/または下面には保護層が配置されていてもよい(図示せず)。また、第2の基材30(すなわち、第2の芯材層31または保護層)には、任意の適切な表面処理が施されてもよい。例えば、第2の芯材層31の上面(剥離層側の面)には易接着処理(例えば、コロナ処理)が施され得る。また、第2の基材30は、第1の基材と同様に、粘着剤層13を備えていてもよく、さらにブロック層14を備えていてもよい。なお、第2の基材の構成は、第1の基材の構成と同様であってもよく、異なっていてもよい。
【0017】
本実施形態においては、剥離層20は、
図1(b)に示すように、第1の基材10と第2の基材30とを剥離する際には凝集破壊により剥離層内で剥離し、第1の基材10側の部分20aと第2の基材側の部分20bとに分割された状態となる。その結果、剥離面において、第1の基材10側の部分20aが第1の基材10の全面を覆う。
【0018】
本実施形態においては、剥離層20は、好ましくは、ワックスとバインダーとを含む。ワックスとしては、任意の適切なワックスを使用することができる。具体例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)ワックス、パラフィンワックス、カルバナワックス、モンタン酸エステルワックス、ステアリン酸、金属石鹸(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、オクチル酸亜鉛)が挙げられる。バインダーとしては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が挙げられる。ワックス/バインダーの配合比(重量基準)は、好ましくは50/50〜95/5であり、より好ましくは80/20〜95/5であり、さらに好ましくは90/10〜95/5である。ワックスおよびバインダーを上記のような配合比で用いることにより、
図6に模式的に示すように、ワックス粒子23の隙間をバインダー24が埋めるような構造を有する剥離層が形成され得る。その結果、凝集破壊による層内剥離を良好に実現することができる。剥離層20の厚みは、好ましくは0.5μm〜20μmであり、より好ましくは1.0μm〜10μmである。このような厚みであれば、凝集破壊による層内剥離をさらに良好に実現することができる。ワックス粒子の粒径は、好ましくは0.05μm〜10μmであり、より好ましくは0.1μm〜1.0μmである。このような粒径であれば、凝集破壊による層内剥離をとりわけ良好に実現することができる。
【0019】
本実施形態においては、剥離層が凝集破壊を起こす剥離強度は、好ましくは、第1の基材と剥離層との間の剥離強度、ならびに、第2の基材と剥離層との間の剥離強度より小さい。剥離層が凝集破壊を起こす剥離強度は、例えば、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、20(g/50mm)〜100(g/50mm)であることが好ましく、20(g/50mm)〜80(g/50mm)であることがより好ましく、30(g/50mm)〜60(g/50mm)であることがさらに好ましい。また例えば、第1の基材と剥離層との間の剥離強度、ならびに、第2の基材と剥離層との間の剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、300(g/50mm)〜2500(g/50mm)であることが好ましく、500(g/50mm)〜2000(g/50mm)であることがさらに好ましい。さらに、第1の基材と剥離層との間の剥離強度および第2の基材と剥離層との間の剥離強度は、剥離層が凝集破壊を起こす剥離強度の5倍以上の剥離強度であることが好ましい。
【0020】
<第2の実施形態>
図7(a)は、本発明の別の実施形態による擬似接着シートの剥離前の状態を説明する概略断面図であり、
図7(b)は
図7(a)の擬似接着シートの剥離時の状態を説明する概略断面図である。図示例の擬似接着シート101は、第1の基材10と剥離層20’と第2の基材30とをこの順に有する。第1の基材10は、第1の実施形態と同様に、粘着剤層およびブロック層を含んでいてもよい。簡単のため、本実施形態についての特徴的な部分についてのみ説明する。それ以外の部分については、上記の実施形態に関して説明したとおりである。
【0021】
本実施形態の擬似接着シートは、
図7(b)に示すように、第2の基材30と剥離層20’とがそれらの界面で剥離する。その結果、剥離面において、剥離層20’が第1の基材10の全面を覆う。なお、図示例では、第2の基材30がいわゆる台紙の役割を果たし、第1の基材10が剥離される形態を図示しているが、天地逆、すなわち、第1の基材が台紙の役割を果たすように、第2の基材を剥離してもよい。
【0022】
本実施形態においては、剥離層20’は、任意の適切な熱可塑性樹脂で構成され得る。好ましくは、熱可塑性樹脂は、第1の基材10または第2の基材30に対して押出しラミネート可能な熱可塑性樹脂である。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
【0023】
また、本実施形態において、剥離層20’は、上記第1の実施形態と同様に、ワックスとバインダーとを含む剥離層であってもよい。ワックスとバインダーとを含む剥離層を備える場合、擬似接着シートの剥離形態、すなわち、剥離層内で剥離する(第1の実施形態)か、あるいは、第2の基材と剥離層との界面で剥離するか(第2の実施形態)は、擬似接着シートの製造工程における熱履歴により制御することができる。詳細は後述する。
【0024】
剥離層20’の厚みは、好ましくは5μm〜30μmであり、より好ましくは5μm〜10μmである。本実施形態によれば、汎用のポリマーを用いた単一層で剥離層を構成できるので、コストおよび製造効率が非常に優れる。
【0025】
なお、本実施形態においては、第2の基材30の上面(剥離層側の面)は、コロナ処理のような易接着処理を行わないことが好ましい。易接着処理を行わないことにより、第2の基材30と剥離層20’との界面での剥離を促進することができる。
【0026】
本実施形態においては、好ましくは、第2の基材と剥離層との間の剥離強度は、第1の基材と剥離層との間の剥離強度よりも小さい。例えば、第2の基材と剥離層との間の剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、20(g/50mm)〜100(g/50mm)であることが好ましく、30(g/50mm)〜60(g/50mm)であることがさらに好ましい。また例えば、第1の基材と剥離層との間の剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、300(g/50mm)〜2500(g/50mm)であることが好ましく、500(g/50mm)〜2000(g/50mm)であることがさらに好ましい。さらに、第1の基材と剥離層との間の剥離強度は、第2の基材と剥離層との間の剥離強度の5倍以上であることが好ましい。
【0027】
<第3の実施形態>
図8(a)は、本発明のさらに別の実施形態による擬似接着シートの剥離前の状態を説明する概略断面図であり、
図8(b)は
図8(a)の擬似接着シートの剥離時の状態を説明する概略断面図である。図示例の擬似接着シート102は、第1の基材10と剥離層20”と第2の基材30とをこの順に有する。第1の基材10は、第1の実施形態と同様に、粘着剤層およびブロック層を含んでいてもよい。簡単のため、本実施形態についても、特徴的な部分についてのみ説明する。それ以外の部分については、上記の実施形態に関して説明したとおりである。
【0028】
本実施形態においては、剥離層20”は、
図8(a)に示すように、第1の剥離層21と第2の剥離層22とを有する。この場合、
図8(b)に示すように、第1の基材10と第2の基材30とを剥離する際には、剥離層20”は、第1の剥離層21と第2の剥離層22とがそれらの界面で剥離することにより、分割される。その結果、剥離面において、第1の剥離層21が第1の基材10の全面を覆う。なお、図示例では、第2の基材30がいわゆる台紙の役割を果たし、第1の基材10が剥離される形態を図示しているが、天地逆、すなわち、第1の基材が台紙の役割を果たすように、第2の基材を剥離してもよい。
【0029】
本実施形態においては、第2の剥離層22は、上記の剥離層20’と同様に任意の適切な熱可塑性樹脂(好ましくは第2の基材30に対して押出しラミネート可能な熱可塑性樹脂)で構成される。第2の剥離層22の厚みは、好ましくは5μm〜30μmであり、より好ましくは5μm〜10μmである。第1の剥離層21は、第2の剥離層22に塗布可能な任意の適切な樹脂で構成される。そのような樹脂の具体例としては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−アクリル樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、SBRとスチレン−アクリル樹脂との組み合わせである。この場合、SBR/スチレン−アクリル樹脂の配合比(重量比)は、好ましくは40/60〜60/40であり、より好ましくは50/50近傍である。なお、第1の剥離層21の厚みは、好ましくは0.5μm〜3μmであり、より好ましくは1.0μm〜2.0μmである。
【0030】
なお、本実施形態においては、第1の基材10の下面(剥離層側の面)および第2の基材の上面(剥離層側の面)には、コロナ処理のような易接着処理を施すことが好ましい。易接着処理を施すことにより、第1の基材10および第2の基材30と剥離層との剥離が防止されるので、第1の剥離層21と第2の剥離層22との界面での剥離を促進することができる。
【0031】
本実施形態においては、好ましくは、第1の基材と第1の剥離層との間の剥離強度、ならびに、第2の基材と第2の剥離層との間の剥離強度に比して、第1の剥離層と第2の剥離層との間の剥離強度が小さい。例えば、第1の剥離層と第2の剥離層との間の剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、20(g/50mm)〜100(g/50mm)であることが好ましく、30(g/50mm)〜60(g/50mm)であることがさらに好ましい。さらに、第1の基材と第1の剥離層との間の剥離強度および/または第2の基材と第2の剥離層との間の剥離強度は、好ましくは300(g/50mm)〜2500(g/50mm)であることが好ましく、500(g/50mm)〜2000(g/50mm)であることが更に好ましい。さらに、第1の基材と第1の剥離層との間の剥離強度および/または第2の基材と第2の剥離層との間の剥離強度は、第1の剥離層と第2の剥離層との間の剥離強度の5倍以上であることが好ましい。なお、第1の基材と第1の剥離層との間の剥離強度と、第2の基材と第2の剥離層との間の剥離強度との関係は、目的に応じて適切に設定され得る。
【0032】
上記した実施形態のいずれにおいても、第1の基材と第2の基材とは、折り返し線で連接していてもよい。
図9は、
図1に示す実施形態の変形として、第1の基材10と第2の基材30とが、折り返し線1で連接している実施形態の一例を示す。この擬似接着シート100’は、折り返し線1を基準に第1の基材10と第2の基材30とを折りたたむことにより、第1の基材10と第2の基材30とが剥離層20を介して擬似接着される。このような実施形態は、本発明の擬似接着シートを、印刷面が一時的に隠蔽可能な葉書(例えば、
図11に示す葉書)に用いる場合に好適に採用され得る。
【0033】
B.擬似接着シートの製造方法
本発明の擬似接着シートは、任意の適切な方法により製造することができる。本発明の擬似接着シートは、例えば、第2の基材上に剥離層を形成するための組成物(剥離層形成用組成物)を塗布し、その後乾燥して剥離層を形成し、該剥離層を介して、第1の基材と第2の基材とを貼り合わせることにより製造することができる。このような製造方法によれば、
図1で示した形態(第1の実施形態)または
図7で示した実施形態(第2の実施形態)の擬似接着シートを製造することができる。また、本発明の擬似接着シートの第1の基材が粘着剤層およびブロック層を備える場合、当該擬似接着シートは、例えば、(1)第2の基材上に剥離層形成用組成物を塗布・乾燥して剥離層を形成し、(2)該剥離層上にブロック層形成用組成物を塗布・乾燥してブロック層を形成し、(3)該ブロック層上に粘着剤を塗布・乾燥して粘着剤層を形成し、(4)該粘着剤層上に第1の芯材層を積層することにより製造することができる。
【0034】
上記剥離層形成用組成物としては、例えば、上記ワックスおよびバインダーを含む水分散体が用いられ得る。該水分散体の固形分濃度は、好ましくは20重量%〜60重量%であり、より好ましくは30重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは40重量%〜60重量%である。ワックス/バインダーの配合比(重量基準)は、好ましくは50/50〜95/5であり、より好ましくは80/20〜95/5であり、さらに好ましくは90/10〜95/5である。剥離層形成用組成物の塗布量は、剥離層の乾燥後重量が0.5g/m
2〜20g/m
2となるように設定することが好ましい。
【0035】
上記剥離層形成用組成物の乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。乾燥温度は、好ましくは50℃〜150℃であり、より好ましくは60℃〜120℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜60分であり、より好ましくは1分〜30分である。
【0036】
上記ブロック層形成用組成物としては、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂を含む水分散体(エマルジョン)が用いられ得る。ブロック層形成用組成物の塗工量は、ブロック層の乾燥後重量が0.5g/m
2〜20g/m
2となるように設定することが好ましい。
【0037】
上記ブロック層形成用組成物の乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。乾燥温度は、好ましくは50℃〜150℃であり、より好ましくは60℃〜120℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜60分であり、より好ましくは1分〜30分である。
【0038】
上記粘着剤層を形成するための粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとする粘着剤が挙げられる。粘着剤の塗工量は、粘着剤層の乾燥後重量が3g/m
2〜30g/m
2となるように設定することが好ましい。
【0039】
上記粘着剤層を形成するための粘着剤の乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。
【0040】
本発明の擬似接着シートの剥離形態は、擬似接着シートの製造工程における熱履歴により制御することができる。上記粘着剤の乾燥温度を、例えば、100℃未満、好ましくは60℃〜90℃、より好ましくは60℃〜80℃とすることにより、剥離層内で剥離する擬似接着シート(第1の実施形態)を得ることができる。また、上記粘着剤の乾燥温度を、例えば、100℃以上、好ましくは105℃〜130℃、より好ましくは105℃〜120℃とすることにより、第2の基材と剥離層との界面で剥離する擬似接着シート(第2の実施形態)を得ることができる。
【0041】
上記粘着剤層を形成するための粘着剤の乾燥時間は、好ましくは1分〜60分であり、より好ましくは1分〜30分である。
【0042】
上記剥離層は、押し出しラミネートにより形成してもよい。すなわち、本発明の擬似接着シートは、第1の基材および/または第2の基材上に、剥離層の材料となる溶融状態の熱可塑性樹脂を塗布して塗布層を形成し、その後、冷却し、該塗布層を介して第1の基材と第2の基材とを積層することによっても製造することができる。押し出しラミネートの条件は、用いる熱可塑性樹脂の種類に応じて、任意の適切な条件に設定し得る。このような製造方法によれば、
図7で示した形態(第2の実施形態)の擬似接着シートを製造することができる。該熱可塑性樹脂の具体例は、上記で説明したとおりである。
【0043】
また、上記剥離層が2層構造の場合は、押し出しラミネートによる熱可塑性樹脂の塗布と、樹脂溶液の塗布とを組み合わせて剥離層を形成してもよい。例えば、
図8で示した形態(第3の実施形態)の擬似接着シートは、(1)第2の基材上に、剥離層の材料となる溶融状態の熱可塑性樹脂を塗布し、その後、冷却して、第2の剥離層を形成し、(2)該第2の剥離層上に第1の剥離層を形成するための樹脂溶液を塗布・乾燥して第1の剥離層を形成し、(3)次いで、該第1の剥離層上に、第1の基材を積層することにより製造することができる。なお、第1の基材(第1の芯材層)を積層する前に、第1の剥離層上に、上記の方法で、粘着剤層、あるいは、ブロック層および粘着剤層を形成してもよい。
【0044】
第1の剥離層を形成するための樹脂溶液に含まれる樹脂としては、例えば、上記のように、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−アクリル樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ゴム等が挙げられる。
【0045】
本発明においては、上記のように、加圧が不要のため、圧着用の大型設備を必要とせず、簡便容易かつ安価に擬似接着シートを製造することができる。また、剥離層を構成する部材や積層条件を適宜選択することにより、擬似接着部分の剥離強度を調整することが容易に可能である。
【0046】
C.用途
図10は、本発明の擬似接着シートの使用形態の一例を示す概略平面図である。本発明によれば、第1の基材10側または第2の基材側(図示例では第1の基材10)から、任意の形状で切り込みaを入れることにより、該形状の小片紙票Aを剥離し得る擬似接着シートを提供することができる。擬似接着シート自体は、汎用サイズ(例えば、B5、A4サイズの用紙、ロール状の用紙)で提供され得るので、該擬似接着シートを汎用印刷装置に供して、小片紙票に印刷を施すことができる。また、印刷後は、切断工程を必要とせずに、容易に小片紙票を得ることができる。
【0047】
図11は、本発明の擬似接着シートの使用形態の別の例を示す概略図である。本発明によれば、第1の基材10と第2の基材30とを折り返し線1で連接させ、該折り返し線1を基準に第1の基材10と第2の基材とを折りたたみ、第1の基材10と第2の基材とを剥離層を介して擬似接着させることにより、
図11に示すような、印刷面が一時的に隠蔽可能な葉書を提供することができる。なお、
図11において、剥離層の図示は省略している。
【0048】
図10および
図11に示すいずれの形態においても、第1の基材の外面(実質的には第1の芯材層の剥離層とは反対側の面)、第1の基材の剥離面(実質的には第1の芯材層の剥離層側の面)、第2の基材の外面(実質的には第2の芯材層の剥離層とは反対側の面)および/または第2の基材の剥離面(実質的には第2の芯材層の剥離層側の面)には、印刷が施され得る。
【実施例】
【0049】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
【0050】
<実施例1>
単層構造の第2の基材(すなわち、第2の芯材層)として、上質紙を準備した。一方、ポリエチレンワックス(固形分濃度30%)とSBRラテックスとを、重量比85/15で混合して、剥離層形成用組成物を調製した。この剥離層形成用組成物を、乾燥後重量が5g/m
2となるように、上記上質紙上に塗布し、その後、80℃で1分間乾燥して、剥離層(厚み:5μm)を形成した。次いで、ブロック層形成用組成物として、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂水性エマルジョンを、乾燥後重量が5g/m
2となるように、上記剥離層上に塗布し、その後、80℃で1分間乾燥して、ブロック層を形成した。次いで、アクリル系粘着剤を、乾燥後重量が13g/m
2となるように、上記ブロック層上に塗布し、その後、60℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、インクジェット紙(第1の芯材層)を貼着し、擬似接着シートを得た。
本実施例は、上記第1の実施形態に対応する。すなわち、この擬似接着シートにおいて、第2の基材を剥離したところ、剥離層が凝集破壊により層内剥離し、該剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、80g/50mmであった。また、剥離後の剥離面に糊残りはなく、べたついたり、手にひっついたりすることはなかった。
【0051】
<実施例2>
粘着剤の乾燥温度を105℃とした以外は、実施例1と同様にして、擬似接着シートを得た。
本実施例は、上記第2の実施形態に対応する。すなわち、上記のようにして得られた擬似接着シートは、剥離層と第2の基材との間の剥離強度が最も弱く、該剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、40g/50mmであった。また、剥離後の剥離面に糊残りはなく、べたついたり、手にひっついたりすることはなかった。
【0052】
<実施例3>
単層構造の第2の基材(すなわち、第2の芯材層)として、上質紙を準備した。押出ラミネート用LDPEを溶融状態で押し出し、上質紙上に塗布し、その後、冷却し、厚み10μmの剥離層を形成した。次いで、アクリル系粘着剤を、乾燥後重量が13g/m
2となるように、上記第1の剥離層上に塗布し、その後、105℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、インクジェット紙(第1の芯材層)を貼着し、擬似接着シートを得た。
本実施例は、上記第2の実施形態に対応する。すなわち、上記のようにして得られた擬似接着シートは、剥離層と第2の基材との間の剥離強度が最も弱く、該剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、40g/50mmであった。また、剥離後の剥離面に糊残りはなく、べたついたり、手にひっついたりすることはなかった。
【0053】
<実施例4>
単層構造の第2の基材(すなわち、第2の芯材層)として、上質紙を準備した。押出ラミネート用LDPEを溶融状態で押し出し、上質紙上に塗布し、その後、冷却し、厚み10μmの第2の剥離層を形成した。次いで、SBRエマルジョンとスチレン−アクリル樹脂を50/50で混合して得られた混合物を、乾燥後重量が1g/m
2となるように、第2の剥離層上に塗布し、その後、70℃で1分間乾燥して、第1の剥離層(厚み1.0μm)を形成した。次いで、アクリル系粘着剤を、乾燥後重量が13g/m
2となるように、上記第1の剥離層上に塗布し、その後、105℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、インクジェット紙(第1の芯材層)を貼着し、擬似接着シートを得た。
本実施例は、上記第3の実施形態に対応する。すなわち、上記のようにして得られた擬似接着シートにおいて、第2の基材を剥離したところ、第1の剥離層と第2の剥離層との界面で剥離し、該剥離強度は、180°剥離、剥離速度300(mm/分)の剥離試験において、40g/50mmであった。また、剥離後の剥離面に糊残りはなく、べたついたり、手にひっついたりすることはなかった。