(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
親水性重合体微粒子(A)、ポリアクリルアミド樹脂(B)及び下記特徴のアニオン性界面活性剤(C)を含有する親水性塗料組成物であって、親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、該アニオン性界面活性剤(C)を5〜20質量部含有する親水性塗料組成物。
アニオン性界面活性剤(C):
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤及びアルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤(c1)、並びにスルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(c2)を含むアニオン性界面活性剤
親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、親水性重合体微粒子(A)を50〜90質量部、ポリアクリルアミド樹脂(B)を10〜50質量部含有する請求項1に記載の親水性塗料組成物。
親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、アルカリ金属水酸化物(D)を0.1〜5質量部含有する請求項1又は2に記載の親水性塗料組成物。
親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、ポリオキシアルキレン化合物(E)を1〜20質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水性塗料組成物。
親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)を1〜10質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の親水性塗料組成物。
プライマー塗膜を有していてもよいアルミニウム又はアルミニウム合金上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の親水性塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化塗膜を形成する熱交換器用アルミニウムフィン材の塗膜形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、親水性重合体微粒子(A)、ポリアクリルアミド樹脂(B)、特定のアニオン性界面活性剤(C)を含有する親水性塗料組成物に関する。以下、詳細に説明する。
【0012】
[親水性塗料組成物]
親水性重合体微粒子(A)
本発明の親水性塗料組成物における親水性重合体微粒子(A)は、塗料組成物中で安定に微粒子の状態で存在し、この微粒子を配合した塗料組成物から得られる塗膜表面に親水性を付与できれば、いずれの親水性重合体微粒子であっても使用できる。
【0013】
親水性重合体微粒子(A)の中でも、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー2〜50質量%及びその他モノマー50〜98質量%からなるモノマー混合物の共重合体である親水性重合体微粒子が好ましい。
【0014】
さらには、親水性重合体微粒子(A)の中でも、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(a1)2〜50質量%、(メタ)アクリルアミド(a2)11〜60質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)3〜65質量%、1分子中に2個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4) 0〜5質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a5)2〜50質量%、上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)及び(a5)以外の、1分子中に1個の重合性不飽和基を有するその他モノマー(a6)0〜72質量%からなるモノマー混合物の共重合体である親水性重合体微粒子が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミドとメタクリルアミドの総称である。
【0015】
上記、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(a1)は、1分子中に少なくとも1個の重合性二重結合と、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する化合物であり、その代表例としては、下記式(1)、式(2)又は式(3)で示される化合物を挙げることができる。
【0017】
式(1)
(式(1)中、R
1、R
2およびR
3は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又はメチル基を表わし、R
4は−OH、−OCH
3、−SO
3−M
+を表わし、ここでM
+はH
+、Na
+、K
+、Li
+、NH
4+又は有機アンモニウムイオンを表わし、nは8〜200の数であり、そしてn個の式
【0019】
の単位における各R
3は同一であってもよく或いは互に異なっていてもよい、ここで、上記有機アンモニウム基は、1級、2級、3級および4級のいずれであってもよく、その窒素原子には少なくとも1個の有機基と0〜3個の水素原子が結合したものであり、上記有機基としては、O、S、N原子などを含有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基などを挙げることができる)
【0021】
式(2)
(式(2)中、R
3、R
4およびnはそれぞれ前記と同じ意味を有する)
【0023】
式(3)
(式(3)中、R
1およびR
2は前記と同じ意味を有し、XはO、S又はN原子を含有してもよい炭素原子数5〜10の二価の有機基を表わし、mは10〜100の整数である)
上記式(3)において、Xによって表わされる「O、S又はN原子を含有してもよい炭素原子数5〜10の二価の有機基」の具体例としては、下記式で表わされる基などを挙げることができる。
【0024】
【化5】
上記式(1)、式(2)又は式(3)で示される化合物は一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記モノマー(a1)としては、分散安定性等の観点から、nが50〜200である式(1)又は式(2)で表される化合物が好ましい。
【0025】
前記N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)におけるN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミドを挙げることができる。
【0026】
1分子中に2個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4)としては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのうち、得られる重合体微粒子の分散安定性および親水性等の観点から、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドが好適である。
【0027】
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a5)としては、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と1個の重合性不飽和基を有する化合物であれば特に制限なく使用でき、その代表例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができる。カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a5)は、親水性処理用組成物の硬化性に寄与することもできる。
【0028】
1分子中に1個の重合性不飽和基を有する上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)及び(a5)以外の、他のモノマー(a6)は、1分子中に1個の重合性不飽和基を有し、前記モノマー(a1)、(a2)、(a3)、(a4)及び(a5)と共重合可能な、前記モノマー(a1)、(a2)、(a3)、(a4)及び(a5)以外の化合物であり、必要に応じて使用されるものである。
【0029】
上記以外のその他のモノマー(a6)としては、水酸基含有重合性不飽和モノマー等の親水基を有するモノマーを使用することが好ましい。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステルを挙げることができる。
【0030】
上記水酸基含有重合性不飽和モノマー以外のモノマー(a6)の代表例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの重合性不飽和ニトリル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8の含窒素アルキルエステル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテルなどのビニルエーテル;N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系不飽和化合物を挙げることができる。
【0031】
また、1分子中に加水分解性シリル基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1個の官能基と1個の重合性二重結合とを有する化合物を使用することもできる。上記化合物の代表例としては、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの加水分解性シリル基を有する不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不飽和化合物;などを挙げることができる。
【0032】
前記モノマー(a6)は1種で又は2種以上の混合物として使用することができるが、疎水性の化合物を多く用いると重合体粒子の親水性が損なわれるため注意が必要である。
親水性重合体微粒子(A)の中でも、より好ましい親水性重合体微粒子は、以上に述べたポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(a1)、(メタ)アクリルアミド(a2)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)、1分子中に2個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a5)並びに必要に応じてモノマー(a6)からなるモノマー混合物を、該モノマー混合物は溶解するが生成する共重合体を実質的に溶解しない、水中、水混和性有機溶媒中、又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒中で重合することにより製造することができる。
【0033】
その際の各モノマーの使用割合は、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(a1)2〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、(メタ)アクリルアミド(a2)11〜60質量%、好ましくは15〜55質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)3〜65質量%、好ましくは3〜40質量%、1分子中に2個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4) 0〜5質量%、好ましくは0.1〜5質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a5)2〜50質量%、好ましくは3〜30質量%、並びに上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)及び(a5)以外の他のモノマー(a6)を0〜72質量%、好ましくは0〜68質量%の範囲内であることが適している。
【0034】
前記モノマー混合物の共重合は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行なわれる。ラジカル重合開始剤としては、それ自体既知のものを使用することができ、その使用量は、通常、モノマーの合計量に対して0.2〜5質量%の範囲内が好ましい。
【0035】
重合温度は、使用する重合開始剤の種類等によって変えることができるが、通常、約50〜約160℃、さらには90〜160℃の範囲内の温度が適当であり、反応時間は0.5〜10時間程度とすることができる。また、重合反応後にモノマー(a4)による架橋を進行させるために、より高温に加熱してもよい。さらに、粒子内架橋反応を行う場合には、重合反応中や重合反応後における粒子内架橋反応をより速やかに進行させるために、必要に応じて、架橋反応触媒を加えてもよい。架橋反応触媒としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の強酸触媒;トリエチルアミンなどの塩基触媒などを挙げることができ、適宜選定すればよい。
【0036】
以上に述べたように製造される親水性重合体微粒子(A)の粒子径は、特に限定されるものではないが、親水性重合体微粒子(A)の安定性、凝集物の発生抑制などの点から、一般に0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.6μmの範囲内の平均粒子径を有することが適当である。この平均粒子径は、粒子径測定装置、例えばコールター(coulter)モデルN4MD(コールター社製)によって測定することができる。
【0037】
上記親水性重合体微粒子(A)において、モノマー(a1)を使用する場合には、モノマー(a1)に由来するポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖が重合体微粒子表面に化学的に結合した状態で外側に向って配向しているため、分散安定剤の不存在下であっても重合安定性及び経時での分散安定性(貯蔵安定性)が極めて優れており、しかも表面が親水性に富んでいる。
【0038】
また、親水性重合体微粒子(A)において、モノマー(a4)を使用する場合には、モノマー(a4)成分の存在により、粒子内架橋されており、有機溶剤型塗料中においても、その形態を保持し、また、加熱によっても容易に溶融せず、塗料から処理膜を形成した際に処理膜に微細な凹凸を形成することができる。なお本発明の親水性塗料組成物に、粒子内架橋された前記親水性重合体微粒子(A)を配合することによって耐水性を向上することができる。
【0039】
ポリアクリルアミド樹脂(B)
本発明の親水性塗料組成物に用いるポリアクリルアミド樹脂(B)は、該樹脂(B)を構成するラジカル重合性モノマーの合計質量に対して、(メタ)アクリルアミドを70質量%以上含むラジカル重合性モノマーの混合物を重合反応して得られた重合体であれば使用でき、例えば、(メタ)アクリルアミドの単独重合体、又は(メタ)アクリルアミドとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体のいずれであってもよい。
【0040】
詳細には、ポリアクリルアミド樹脂(B)は、例えば、(メタ)アクリルアミド、必要に応じて、その他のラジカル重合性モノマーとの混合物を重合開始剤(アゾ系、過酸化物系、酸化還元型など)の存在下で、水、有機溶剤などの溶媒中で重合反応させることによって得ることができる。上記重合温度は、使用する重合開始剤の種類等によって変えることができるが、通常、約50〜約200℃、さらには90〜160℃の範囲内の温度が適当であり、反応時間は0.5〜10時間程度である。
【0041】
なおポリアクリルアミド樹脂(B)の粘度(注1)は、50〜9,000mPa・秒、好ましくは3,000〜8,000mPa・秒の範囲が、塗料安定性、耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性向上のために望ましい。
(注1)粘度:粘度は、ポリアクリルアミド樹脂(B)を固形分20%に調整し、25℃にて、B型粘度計(RE−80U型粘度計、東機産業社製、回転粘度計法による粘度測定器)を用いて、回転数60rpmでの粘度(mPa・s)を求めた。
【0042】
なおポリアクリルアミド樹脂(B)は、市販品も使用することができ、例えば、ハリコートG−50(3,500mPa・秒)、ハリコートG−51(4,000mPa・秒)、ハリコート1057(5,000mPa・秒)(以上、ハリマ化成、商品名)、ポリマセット305(5,500mPa・秒)、ポリマセット500(4,000mPa・秒)、ポリマセット512(3,500mPa・秒)(以上、荒川化学工業(株)、商品名)などが挙げられる。なお( )内の数値は、上記(注1)による粘度を示す。
上記ポリアクリルアミド樹脂(B)の製造に使用できるその他のラジカル共重合性モノマーとしては、例えば、カチオン性ビニルモノマー(b1)、アニオン性ビニルモノマー(b2)、N−置換(メタ)アクリルアミド(b3)及びその他のビニルモノマー(b4)等が挙げられる。
【0043】
上記カチオン性ビニルモノマー(b1)は、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの第三級アミノ基を有するビニルモノマーまたはそれらの塩類、ジアリルアミン、トリアリルアミン、アリルアミン等のアリルアミン系化合物またはそれらの塩類を挙げることができる。
【0044】
上記アニオン性ビニルモノマー(b2)は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの有機スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等である。
上記N−置換(メタ)アクリルアミド(b3)は、カチオン性ビニルモノマー(b1)以外のN−置換(メタ)アクリルアミドであれば特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
【0045】
上記その他のビニルモノマー(b4)は、(b1)〜(b3)成分以外のビニルモノマーであれば特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類;アリルアルコール等のアリル基を含有するアリル系モノマー類;(メタ)アクリロニトリル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビスアクリルアミド系モノマー類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジアクリレート系モノマー類;ジビニルベンゼン;1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどの多官能ビニルモノマー類を挙げることができる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
【0046】
なお、親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)の配合量は、親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、親水性重合体微粒子(A)が50〜90質量部、好ましくは55〜80質量部、ポリアクリルアミド樹脂(B)が10〜50質量部、好ましくは20〜45質量部の範囲内であることが、塗料安定性、親水持続性に優れた塗膜を得ることができる点から好適である。
【0047】
アニオン性界面活性剤(C)
本発明の親水性塗料組成物に用いるアニオン性界面活性剤(C)は、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤及びアルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤(c1)、並びにスルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(c2)を含むことを特徴とする。
本発明の親水性塗料組成物による塗膜中に、上記アニオン性界面活性剤(c1)と上記アニオン性界面活性剤(c2)の少なくとも2種類のアニオン性界面活性剤(C)を配合することによって、耐汚染性、親水持続性を高めることができる。
【0048】
アニオン性界面活性剤(c1)
アニオン性界面活性剤(c1)におけるアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤としては、下記一般式(4)で表される構造式のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその金属塩を挙げることができる。これらの中でも、特に、耐汚染性、親水持続性の向上の点からアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
【0050】
式(4)
(式(4)中のRは炭素数1〜15のアルキル基を表し、M
+はH
+、Na
+、K
+、Li
+、NH
4+又は有機アンモニウムイオンを表す)
上記アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤の市販品としては、ペレックスSS−L、ペレックスSS−H(花王株式会社)、ニューコール261−A、ニューコール271−A(日本乳化剤株式会社)等が挙げられる。
【0051】
アニオン性界面活性剤(c1)におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤としては、下記一般式(5)で表される構造式のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその金属塩を挙げることができる。これらの中でも、特に、耐汚染性、親水持続性の向上の点からポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩が好ましい。
【0053】
式(5)
(式(5)中のRは炭素数1〜50の炭化水素基、nは1〜30を表し、M
+はH
+、Na
+、K
+、Li
+、NH
4+又は有機アンモニウムイオンを表す)
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、ニューコール707SN、ニューコール714SF、ニューコール2308SF、ニューコール2360SN(日本乳化剤株式会社)、 ラテムルE−118B、ラテルムE−150、ラテムルWX、ラテムルPD−140(花王株式会社)等が挙げられる。
【0054】
アニオン性界面活性剤(c1)におけるアルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤としては、下記一般式(6)で表される構造式のアルキルベンゼンスルホン酸又はその金属塩を挙げることができる。これらの中でも、特に、耐汚染性、親水持続性の向上の点からアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
【0056】
式(6)
(式(6)中のRは炭素数1〜15の炭化水素基を表し、M
+はH
+、Na
+、K
+、Li
+、NH
4+又は有機アンモニウムイオンを表す)
上記アルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤の市販品としては、ニューコール210、ニューコール220−L(日本乳化剤株式会社)、ネオペレックスG−15、ネオペレックスG−25(花王株式会社)等が挙げられる。
【0057】
上記スルホコハク酸塩系のアニオン性界面活性剤(c2)としては、下記一般式(7)で表される構造式のジアルキルスルホコハク酸又はその金属塩を挙げることができる。
【0059】
式(7)
(式(7)中のR
1、R
2は、それぞれ同一又は異なって炭素数1〜15のアルキル基を表し、M
+はH
+、Na
+、K
+、Li
+、NH
4+又は有機アンモニウムイオンを表す)。
【0060】
具体的には、例えば、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルアミンオキサイドビストリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、イソデシルスルホコハク酸ジナトリウム、N−オクタデシルスルホコハク酸アミドジナトリウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミドテトラナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐汚染性、親水持続性の向上の点からジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩が好ましい。
【0061】
上記スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤の市販品としては、ペレックスOT−P、ペレックスTR、ペレックスCS、ペレックスTA(花王株式会社)、ニューコール290−A、ニューコール290−M、ニューコール291−M、ニューコール291−PG、ニューコール291−GL、ニューコール292−PG、ニューコール293(日本乳化剤株式会社)、ネオコールSW−C、ネオコールYSK、ネオコールP(第一工業製薬株式会社)が挙げられる。
【0062】
また、上記アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤及びアルキルベンゼンスルホン酸塩系のアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤(c1)と、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤の界面活性剤(c2)とは、両者の固形分合計質量部を基準にして、アニオン性界面活性剤(c1)/アニオン性界面活性剤(c2)=20/80〜75/25(質量比)、好ましくは44/56〜70/30(質量比)の範囲が、耐汚染性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性に優れた塗膜を得るために望ましい。
なお、アニオン性界面活性剤(C)の配合量は、親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、5〜20質量部、好ましくは7〜16質量部であることが、耐汚染性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び密着性に優れた塗膜を得ることができる点から好適である。
【0063】
アルカリ金属水酸化物(D)
本発明の親水性塗料組成物は、必要に応じて、アルカリ金属水酸化物(D)を含有できる。アルカリ金属水酸化物(D)としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどを例示することができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。アルカリ金属水酸化物(D)の中でも水酸化ナトリウムが、特にヒートサイクル試験後の親水持続性向上の為に好ましい。
【0064】
アルカリ金属水酸化物(D)を配合する場合、その配合量は、親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは1〜4質量部であることが、耐汚染性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性に優れた塗膜を得るために望ましい。
【0065】
ポリオキシアルキレン化合物(E)
本発明の親水性塗料組成物は、必要に応じて、ポリオキシアルキレン化合物(E)を含有できる。ポリオキシアルキレン化合物(E)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とがブロック状に結合したブロック化ポリオキシアルキレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、及び前記化合物にメトキシなどの低級アルコキシル基が結合したエーテル化合物が挙げられる。
上記のポリオキシアルキレン化合物(E)の中でも、塗料安定性、親水持続性、塗装作業性の点からポリエチレングリコールが好ましい。ポリエチレングリコールとしては、PEG−200、PEG−300、PEG−600、PEG−1000、PEG−2000、PEG−4000、PEG−6000、PEG−20000(以上、三洋化成社製、商品名)が挙げられる。
【0066】
ポリオキシアルキレン化合物(E)の重量平均分子量としては、100〜30,000、好ましくは2,000〜9,000の範囲が、耐汚染性に優れた塗膜を得るために望ましい。
【0067】
また、ポリオキシアルキレン化合物(E)としては、ポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー、及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノマーを(共)重合反応して得られるポリオキシアルキレン化合物も使用できる。
なおポリオキシアルキレン化合物(E)を配合する場合、その配合量は、前記親水性重合体微粒子(A)と前記ポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは5〜17質量部であることが、耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び密着性に優れた塗膜を得るために望ましい。
【0068】
タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)
本発明の親水性塗料組成物は、必要に応じて、タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)を配合できる。これらの中でも特に、没食子酸が密着性向上の面からも好ましい。以下、タンニン酸、没食子酸及びアスコルビン酸並びにその塩類から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)を化合物(F)と称することがある。
【0069】
上記化合物(F)を配合する場合、その配合量は、親水性重合体微粒子(A)とポリアクリルアミド樹脂(B)との固形分合計100質量部に対して、化合物(F)の固形分合計量で0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲内であることが、塗料安定性、密着性向上の面から望ましい。
【0070】
また、本発明の親水性塗料組成物は、さらに必要に応じて、架橋剤(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物)、水性有機樹脂(カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリグリセリンなど)、着色顔料、それ自体既知の防錆顔料(たとえばクロム酸塩系、鉛系、モリブデン酸系など)、フイチン酸、ホスフィン酸などの有機リン酸、重リン酸の金属塩類、亜硝酸塩などを含有することもできる。
本発明の親水性塗料組成物は、例えば、上記親水性重合体微粒子(A)、ポリアクリルアミド樹脂(B)、アニオン性界面活性剤(C)、および必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に溶解ないしは分散することにより調製することができる。水性媒体は、水を主成分とするものであり、さらに有機溶剤や中和剤などを含有していてもよい。
【0071】
熱交換器用アルミニウムフィン材の塗膜形成方法について
本発明の塗膜形成方法は、プライマー塗膜を有していてもよいアルミニウム又はアルミニウム合金上に、本発明の親水性塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化塗膜を形成する方法である。
上記アルミニウム又はアルミニウム合金は、表面が脱脂され、必要に応じて化成処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金板(熱交換器に組立てられたものであってもよい)を用いることができる。なお表面が化成処理されていることが、付着性、耐食性などの点から好適である。上記化成処理としては、りん酸塩処理、ジルコニウム処理及びクロメート処理等が挙げられる。
【0072】
上記プライマー塗膜の形成に用いられるプライマー塗料組成物は、例えば、基体樹脂として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオキシアルキレン樹脂、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレンアイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂などの有機化合物系のプライマー塗料組成物が挙げられる。プライマー塗料組成物は、水系塗料であっても有機溶剤系塗料であってもよい。
また、プライマー塗料組成物は、無機化合物系のプライマー塗料組成物であってもよく、例えば、特開2006−22370号公報に記載されている塗料組成物(チタン含有水性液/有機リン酸化合物/水溶性又は水分散性有機樹脂/メタバナジン酸塩/ジルコニウム弗化塩/炭酸ジルコニウム塩)が使用できる。
【0073】
本発明に用いるプライマー塗料組成物は、必要に応じて、架橋剤、顔料、防錆剤、フェノール樹脂、レオロジーコントロール剤、表面調整剤、消泡剤、造膜助剤などの塗料用添加剤を適宜含有せしめることができ、また希釈溶媒として水または適当な有機溶剤を用いることができる。
【0074】
プライマー塗料組成物の塗装は、それ自体既知の方法、例えば浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電気泳動塗装などによって行うことができ、通常、乾燥膜厚が0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μmとなるように塗布され、常温によるセッティング又は焼付け乾燥などによってプライマー塗膜が形成される。
プライマー塗膜の焼付け温度、時間は素材到達最高温度が約80〜約250℃、好ましくは190〜240℃で、焼付時間が6秒間〜約30分間、好ましくは8秒間〜10分間の条件下で行なわれる。
また、本発明の親水性塗料組成物の塗装は、それ自体既知の方法、例えば浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電気泳動塗装などによって行うことができ、通常、乾燥膜厚が0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μmとなるように塗装され、常温によるセッティング又は焼付け乾燥などによって親水性塗膜が形成される。
【0075】
なお塗装された親水性塗料の焼付け乾燥は、通常、素材到達最高温度が約150〜約250℃、好ましくは190〜240℃、焼付け時間が10秒間〜約20分間、好ましくは11秒間〜10分間の条件下で行われる。
【実施例】
【0076】
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
【0077】
[親水性塗料組成物の製造]
親水性重合体微粒子(A)の製造例
製造例1 親水性重合体微粒子No.1分散液の製造
窒素導入管、玉入りコンデンサ、滴下ロート及びメカニカルスターラーを備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル200部を入れ、118℃に昇温した。次に、フラスコ内に下記モノマー、溶媒及び開始剤の混合物を5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間118℃に保持して親水性重合体微粒子No.1分散液を得た。
ブレンマーPME−4000(注2) 30部
アクリルアミド 15部
N−メチロールアクリルアミド 37部
メチレンビスアクリルアミド 3部
アクリル酸 13部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 2部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は336nmであった。
(注2)ブレンマーPME−4000:BASFコーティングス ジャパン(株)社製、商品名、ポリオキシアルキレン基含有モノマー、式(6)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数n=9(平均値)
【0078】
【化10】
【0079】
式(6)。
【0080】
製造例2 親水性重合体微粒子No.2分散液の製造
製造例1においてモノマー、溶媒及び開始剤の混合物を下記の組成とする以外は製造例1と同様にして製造し、親水性重合体微粒子No.2分散液を得た。
【0081】
ブレンマーPME−4000(注2) 22部
アクリルアミド 50部
N−メチロールアクリルアミド 10部
メチレンビスアクリルアミド 3部
アクリル酸 13部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 2部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は258nmであった。
【0082】
製造例3 親水性重合体微粒子No.3分散液の製造
製造例1においてモノマー、溶媒及び開始剤の混合物を下記の組成とする以外は製造例1と同様にして製造し、親水性重合体微粒子No.3分散液を得た。
ブレンマーPME−4000(注2) 20部
アクリルアミド 62部
N−メチロールアクリルアミド 2部
メチレンビスアクリルアミド 3部
アクリル酸 13部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は185nmであった。
【0083】
製造例4 親水性重合体微粒子No.4分散液の製造
窒素導入管、玉入りコンデンサ、滴下ロート及びメカニカルスターラーを備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル200部を入れ、118℃に昇温した。次に、フラスコ内に下記モノマー、溶媒及び開始剤の混合物を5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間118℃に保持して親水性重合体微粒子No.4分散液を得た。
ブレンマーPME−4000(注2) 30部
アクリルアミド 18部
N−メチロールアクリルアミド 37部
アクリル酸 13部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 2部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は340nmであった。
【0084】
ポリオキシアルキレン化合物(E)の製造
製造例5 ポリオキシアルキレン化合物溶液の製造例
温度計、サーモスタット、還流冷却器、モノマー槽No.1とモノマー槽No.2、攪拌機、水分離器等を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテル70部を仕込み、窒素気流下で110℃に加熱して保持し、
「アクリル酸10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート25部、メチルメタクリレート5部、ラジカル重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.7部」からなる混合物をモノマー槽No.1に仕込み、ブレンマーPME−4000(注2)の50質量%水溶液を100部(モノマー量で50部)と酢酸エチル5部」からなる混合物をモノマー槽No.2に仕込んだ。
モノマー槽No.1とモノマー槽No.2内のモノマー混合物を同時に、2時間かけて反応槽内に滴下した。滴下終了後、さらに同温度で0.5時間保持してから、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部とプロピレングリコールモノメチルエーテル5部との混合物を0.5時間かけて滴下した。その後、同温度で1時間保持してから50℃まで冷却し、プロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し固形分50%のポリオキシアルキレン化合物溶液を得た。
なお重合中は水分離器により、系中の水分を酢酸エチルと共沸し、分離除去した。得られたポリオキシアルキレン化合物は、酸価78mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/g、重量平均分子量21,000を有していた。
【0085】
[プライマー塗料組成物の製造]
製造例6 プライマー塗料組成物の製造例
ガラス製容器に、スーパーフレックス130(第一工業製薬株式会社、商品名、水性ウレタン樹脂)228.6部、下記の配合内容にて得たポリエチレングリコール水溶液47.5部、ノイゲンEA−152B(第一工業製薬株式会社、商品名、ノニオン系界面活性剤、HLB=14)1部を仕込み、脱イオン水223部を加え十分に撹拌し、固形分20%のプライマー塗料組成物を得た。
ポリエチレングリコール水溶液:
四つ口フラスコ中に水を150部仕込み、50℃にて撹拌しながらフレーク状のPEG6000(三洋化成工業社製、ポリエチレングリコール、数平均分子量6,000)を100部添加して溶解させ、固形分40%のポリエチレングリコール水溶液を得た。
【0086】
[親水性塗料組成物の製造]
実施例1 親水性塗料組成物No.1の製造
親水性重合体微粒子No.1分散液を75.0部(固形分)、ハリコート1057(注3)を25.0部(固形分)、ニューコール271−A(注6)10.0部(固形分)、ニューコール290−A(注12)5.0部(固形分)の水溶液を混合攪拌し、脱イオン水で調整して、固形分10%の親水性塗料組成物No.1を得た。
【0087】
実施例2〜40 親水性塗料組成物No.2〜No.40の製造
表1〜表3に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分10%の親水性塗料組成物No.2〜No .40を得た。
【0088】
比較例1〜16 親水性塗料組成物No.41〜No.56の製造
表4に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分10%の親水性塗料組成物No.41〜No.56を得た。
【0089】
試験板(1)の作成
アルミニウム板(A1050、板厚0.1mm)を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂を行った。
次いで、製造例6で得られたプライマー塗料組成物を1.0μmとなるように塗布し、素材到達最高温度が190℃で10秒間焼付けた。さらに、各親水性塗料組成物を乾燥塗膜の塗布量が0.7g/m
2となるように塗布し、素材到達最高温度が220℃となる条件で10秒間焼付けして試験板(1)を得た。
【0090】
試験板(2)の作成
アルミニウム板(A1050、板厚0.1mm)を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂を行い、ついでジルコニウム化成処理を施した。次いで、各親水性塗料組成物を乾燥塗膜の塗布量が0.7g/m
2となるように塗布し、素材到達最高温度が220℃となる条件で10秒間焼付けして試験板(2)を得た。
【0091】
塗膜性能試験
上記の試験板(1)及び試験板(2)を用い、後記の試験条件に従って塗膜性能試験に供した。結果を表1〜表4中に併せて示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
(注3)ハリコート1057:ハリマ化成社製、商品名、ポリアクリルアミド、5,000mPa・秒(25℃・粘度)
(注4)ポリマセット305:荒川化学社製、商品名、ポリアクリルアミド、5,500mPa・秒(25℃・粘度)
(注5)ポリアクリルアミド:アルドリッチ社製、商品名、ポリアクリルアミド、100mPa・秒(25℃・粘度)。
(注6)ニューコール271−A:日本乳化剤社製、商品名、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤
(注7)ペレックスSS−L:花王社製、商品名、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤
(注8)ニューコール707SN:日本乳化剤社製、商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤
(注9)ラテムルE−118B:花王社製、商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系のアニオン性界面活性剤
(注10)ニューコール210:日本乳化剤社製、商品名、アルキルベンゼンスルホン酸系のアニオン性界面活性剤
(注11)ネオペレックスG−15:花王社製、商品名、アルキルベンゼンスルホン酸系のアニオン性界面活性剤
(注12)ニューコール290−A:日本乳化剤社製、商品名、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤
(注13)ネオコールSW−C:第一工業製薬社製、商品名、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤
(注14)ニューコール2308:日本乳化剤社製、商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ノニオン性界面活性剤、HLB=13.2
(注15)PEG−4000:三洋化成社製、商品名、数平均分子量約4,000、ポリオキシアルキレン化合物
(注16)PEG−6000:三洋化成社製、商品名、数平均分子量約8,300、ポリオキシアルキレン化合物
(注17)ショーノールBKM−262:昭和高分子社製、商品名、フェノール樹脂
(注18)サイメル325:日本サイテックインダストリーズ社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂、固形分80%。
【0097】
(注19)塗料安定性:各塗料組成物を100mLのガラス容器に入れ、40℃の恒温室にて1ヶ月間貯蔵し、処理組成物の状態を目視で観察し、下記基準で評価した。
◎は、相分離、沈降、凝集のいずれも確認がみられず良好である
○は、わずかに沈降がみられるが、簡単な攪拌で戻る
△は、相分離、凝集のいずれかが発生する
×は、相分離、凝集のいずれかが著しく発生する。
【0098】
(注20)耐水性:
各試験板(1)を用いて、3枚重ねのガーゼに水をしみ込ませてこすった時に、素地露出までの往復回数を下記基準で評価した。
◎は、30回以上で問題なし。
○は、20回以上でかつ30回未満であり、実用の範囲である
△は、10回以上で20回未満でありやや問題がある
×は、10回未満であり著しく不十分である。
【0099】
(注21)耐汚染性:
試験板(1)を流水に72時間浸漬した。次いで、デシケータの底部に、ステ
アリン酸水溶液(ステアリン酸(1g)/脱イオン水(1L))を入れて、各試験板(1)を上部に吊るした。その後、デシケータを100℃にて24時間加熱し、その後室温に放冷した後に試験板を取り出し、該塗面に水を0.03ml滴下し、その水滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製、「接触角計CA−X150」(商品名)を用いて測定することによって、耐汚染性を評価した。
Sは、接触角が20°未満で、耐汚染性がAランク以上の良好なレベル
Aは、接触角が20°以上でかつ30°未満で、耐汚染性が良好なレベル
Bは、接触角が30°以上でかつ40°未満で、耐汚染性が実用性の範疇である
Cは、接触角が40°以上でかつ50°未満で、耐汚染性が不十分である
Dは、接触角が50°以上であり、耐汚染性が著しく不十分である。
【0100】
(注22)親水持続性:
各試験板(1)を用いて、揮発性プレス油AF−2C(出光興産社製)を塗布し、180℃にて5分間乾燥させた。この試験板(1)を水道水の流水(流水量は、塗板1m
2当り15kg/時)に120時間浸漬し、80℃で5分間乾燥したのち、該塗面に水を0.03ml滴下し、その水滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製、「接触角計CA−X150」(商品名)を用いて測定することによって、ヒートサイクル性を評価した。
Sは、接触角が20°未満で、親水持続性がAランク以上の良好なレベル
Aは、接触角が20°以上でかつ30°未満で、親水持続性が良好なレベル
Bは、接触角が30°以上でかつ40°未満で、親水持続性が実用性の範疇である
Cは、接触角が40°以上でかつ50°未満で、親水持続性が不十分である
Dは、接触角が50°以上であり、親水持続性が著しく不十分である。
【0101】
(注23)ヒートサイクル性:
各試験板(1)を用いて、揮発性プレス油AF−2C(出光興産社製)を塗布し180℃にて5分間乾燥させた。次いで、「水道水の流水(流水量は、塗板1m
2当り15kg/時)に17時間浸漬−80℃で7時間の乾燥」を1サイクルとして、10サイクル繰り返した。その後の該塗面に水を0.03ml滴下し、その水滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製、「接触角計CA−X150」(商品名)を用いて測定することによって、ヒートサイクル性を評価した。
Sは、接触角が20°未満で、ヒートサイクル性がAランク以上の良好なレベル
Aは、接触角が20°以上でかつ30°未満で、ヒートサイクル性が良好なレベル
Bは、接触角が30°以上でかつ40°未満で、ヒートサイクル性が実用性の範疇である
Cは、接触角が40°以上でかつ50°未満で、ヒートサイクル性が不十分である
Dは、接触角が50°以上であり、ヒートサイクル性が著しく不十分である。
【0102】
(注24)密着性:
各試験板(1)及び各試験板(2)を用いて、試験板の素地に達するように鋭利な刃物で塗膜に大きさ1mm×1mmのゴバン目を100個作り、その表面に粘着テープで貼着し、それを急激に剥離した後の残存したマス目数を求めて下記基準で評価した。
◎は、残存個数/全体個数=100個/100個
○は、残存個数/全体個数=90個〜99個/100個
△は、残存個数/全体個数=70個〜89個/100個
×は、残存個数/全体個数=69個以下/100個。