(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6233907
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】荷役作業支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20171113BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20171113BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
G06Q10/08ZIT
B66F9/24 A
B66F9/24 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-2654(P2017-2654)
(22)【出願日】2017年1月11日
【審査請求日】2017年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 絢介
【審査官】
山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】
特許第6053085(JP,B1)
【文献】
特開2001−166679(JP,A)
【文献】
特開2015−133050(JP,A)
【文献】
特開2007−299370(JP,A)
【文献】
特開2005−276003(JP,A)
【文献】
特開2013−191077(JP,A)
【文献】
特開2008−70643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役作業を支援する荷役作業支援システムであって、
有人運転および無人運転が可能なフォークリフトと、
前記フォークリフトを運転する作業者の生態情報を取得する生態情報取得部と、
前記生態情報取得部により取得された前記生態情報を、通信ネットワークを介して収集する管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、
収集された前記生態情報を記憶するための収集情報記憶部と、
前記生態情報に基づいて、前記各作業者の不得手な前記荷役作業を特定する特定部と、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられているか否かを判定する判定部と、を備え、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられていると判定されたとき、支援指示を当該作業者が運転する前記フォークリフトに前記通信ネットワークを介して送信し、
前記フォークリフトは、
前記支援指示を受信すると、不得手な前記荷役作業を無人運転でする、
ことを特徴とする荷役作業支援システム。
【請求項2】
前記荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部をさらに備え、
前記生態情報取得部は、心拍数を前記生態情報として測定するものであり、
前記特定部は、前記荷役作業中に前記作業者の前記心拍数が基準心拍数を所定数越えた時間が所定時間以上続いたとき、当該荷役作業は当該作業者にとって不得手であると特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の荷役作業支援システム。
【請求項3】
前記フォークリフトの稼動情報を取得する稼動情報取得部をさらに備え、
前記管理サーバは、前記稼動情報取得部により取得された前記稼動情報を、前記通信ネットワークを介して収集して、前記収集情報記憶部に記憶し、
前記特定部は、前記生態情報および前記稼動情報に基づいて、前記各作業者の不得手な前記荷役作業を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の荷役作業支援システム。
【請求項4】
荷役作業を支援する荷役作業支援システムであって、
有人運転および無人運転が可能なフォークリフトと、
前記フォークリフトの稼動情報を取得する稼動情報取得部と、
前記稼動情報取得部により取得された前記稼動情報を、通信ネットワークを介して収集する管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、
収集された前記稼動情報を記憶するための収集情報記憶部と、
前記稼動情報に基づいて、前記フォークリフトを運転する各作業者の不得手な前記荷役作業を特定する特定部と、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられているか否かを判定する判定部と、を備え、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられていると判定されたとき、支援指示を当該作業者が運転する前記フォークリフトに前記通信ネットワークを介して送信し、
前記フォークリフトは、
前記支援指示を受信すると、不得手な前記荷役作業を無人運転でする、
ことを特徴とする荷役作業支援システム。
【請求項5】
前記荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部をさらに備え、
前記稼動情報取得部は、前記フォークリフトの作業時間を前記稼動情報として取得するものであり、
前記特定部は、前記作業者の前記荷役作業における前記作業時間が、複数の前記作業者の当該荷役作業における前記作業時間の平均値以上であるとき、当該荷役作業は当該作業者にとって不得手であると特定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の荷役作業支援システム。
【請求項6】
前記荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部をさらに備え、
前記稼動情報取得部は、前記フォークリフトの消費電力を前記稼動情報として取得するものであり、
前記特定部は、前記作業者の前記荷役作業における前記消費電力が、複数の前記作業者の当該荷役作業における前記消費電力の平均値以上であるとき、当該荷役作業は当該作業者にとって不得手であると特定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の荷役作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役作業を支援する荷役作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信を利用して荷役作業を支援する様々な荷役作業支援システムが開発されている。例えば、特許文献1では、管理サーバが、複数の荷役作業を複数の作業者に対して割り当て、その割当結果を、無線通信を介して作業者に提示している。
【0003】
ところで、荷役作業の内容は様々である。例えば、ある荷役作業は、狭い通路を走行する必要があり、他の荷役作業は、高所での荷物の積み込み、積み降ろしを必要するといったように、荷役作業の内容は異なる。それゆえに、荷役作業はその内容により得手・不得手があり、しかもこれは作業者によって異なる。
【0004】
しかしながら、荷役作業の得手・不得手を考慮した支援システムはない。実際、特許文献1では、作業者にその作業者にとって不得手な荷役作業が割り当てられることがあり、作業者の負担が大きくなることがある。また、これは、全体の作業効率の低下を招く虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−052887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、不得手な荷役作業を割り出し、荷役作業を支援する荷役作業支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、荷役作業を支援する荷役作業支援システムであって、
有人運転および無人運転が可能なフォークリフトと、
前記フォークリフトを運転する作業者の生態情報を取得する生態情報取得部と、
前記生態情報取得部により取得された前記生態情報を、通信ネットワークを介して収集する管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、
収集された前記生態情報を記憶するための収集情報記憶部と、
前記生態情報に基づいて、前記各作業者の不得手な前記荷役作業を特定する特定部と、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられているか否かを判定する判定部と、を備え、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられていると判定されたとき、支援指示を当該作業者が運転する前記フォークリフトに前記通信ネットワークを介して送信し、
前記フォークリフトは、
前記支援指示を受信すると、不得手な前記荷役作業を無人運転でする、
ことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、(1)において、
荷役作業支援システムは、前記荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部をさらに備え、
前記生態情報取得部は、心拍数を前記生態情報として測定するものであり、
前記特定部は、前記荷役作業中に前記作業者の前記心拍数が基準心拍数を所定数越えた時間が所定時間以上続いたとき、当該荷役作業は当該作業者にとって不得手であると特定する。
【0009】
好ましくは、(1)において、
荷役作業支援システムは、前記フォークリフトの稼動情報を取得する稼動情報取得部をさらに備え、
前記管理サーバは、前記稼動情報取得部により取得された前記稼動情報を、前記通信ネットワークを介して収集して、前記収集情報記憶部に記憶し、
前記特定部は、前記生態情報および前記稼動情報に基づいて、前記各作業者の不得手な前記荷役作業を特定する。
【0010】
また、本発明(2)は、荷役作業を支援する荷役作業支援システムであって、
有人運転および無人運転が可能なフォークリフトと、
前記フォークリフトの稼動情報を取得する稼動情報取得部と、
前記稼動情報取得部により取得された前記稼動情報を、通信ネットワークを介して収集する管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、
収集された前記稼動情報を記憶するための収集情報記憶部と、
前記稼動情報に基づいて、前記フォークリフトを運転する各作業者の不得手な前記荷役作業を特定する特定部と、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられているか否かを判定する判定部と、を備え、
前記作業者に当該作業者にとって不得手な前記荷役作業が割り当てられていると判定されたとき、支援指示を当該作業者が運転する前記フォークリフトに前記通信ネットワークを介して送信し、
前記フォークリフトは、
前記支援指示を受信すると、不得手な前記荷役作業を無人運転でする、
ことを特徴とする。
【0011】
好ましくは、(2)において、
荷役作業支援システムは、前記荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部をさらに備え、
前記稼動情報取得部は、前記フォークリフトの作業時間を前記稼動情報として取得するものであり、
前記特定部は、前記作業者の前記荷役作業における前記作業時間が、複数の前記作業者の当該荷役作業における前記作業時間の平均値以上であるとき、当該荷役作業は当該作業者にとって不得手であると特定する。
【0012】
好ましくは、(2)において、
荷役作業支援システムは、前記荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部をさらに備え、
前記稼動情報取得部は、前記フォークリフトの消費電力を前記稼動情報として取得するものであり、
前記特定部は、前記作業者の前記荷役作業における前記消費電力が、複数の前記作業者の当該荷役作業における前記消費電力の平均値以上であるとき、当該荷役作業は当該作業者にとって不得手であると特定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業者の生態情報またはフォークリフトの稼動情報の少なくともいずれか一方に基づいて、各作業者の不得手な荷役作業が割り出される。そして、不得手な荷役作業が作業者に割り当てられているとき、その不得手な荷役作業は、無人運転のフォークリフトによって自動で行なわれる。したがって、作業者は不得手な荷役作業をする必要はなくなり、作業者の負担は軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例に係る荷役作業支援システムを示す概略図である。
【
図2】
図2Aは、フォークリフトの側面図、
図2Bは、フォークリフトのブロック図である。
【
図5】各作業者の得手・不得手な荷役作業を特定した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例に係るに荷役作業支援システム(以下、単に支援システムとする)が説明される。
【0016】
図1を参照して、支援システムは、複数のフォークリフト1、複数の生態情報取得部2、および、管理サーバ3を備える。周知の通信ネットワーク4が設けられており、通信ネットワーク4によって、各フォークリフト1と管理サーバ3とが、さらに各生態情報取得部2と管理サーバ3とが無線通信できるように構成されている。
【0017】
フォークリフト1は、各作業者5に一台ずつ割り当てられている。作業者5は、自身に割り当てられたフォークリフト1を運転して荷役作業をする。
図2Aの通り、フォークリフト1は、作業者5が搭乗する運転席を有する車両本体10、荷物を支持するフォーク11などを備える。
【0018】
図2Bの通り、フォークリフト1は、車両本体10の走行およびフォーク11の動作のためにオペレータによって操作される操作部12(油圧レバー、走行レバー、操舵ハンドル等で構成される)、車両本体10を走行させかつフォーク11を動作させる駆動部13(走行・操舵モータ、油圧シリンダ、マスト等で構成される)と、操作部12からの入力に従って駆動部13を制御する等、フォークリフト1の各種の制御を行なう制御部14(処理装置)とを備える。
【0019】
フォークリフト1は、作業者5が車両本体10の運転席に搭乗し、操作部12を操作して運転する有人運転と、操作部12の操作なしに自動運転する無人運転とが可能である。フォークリフト1は、作業者5が有人運転と無人運転とを切り替えるためのモード切替部15(切替スイッチ)を備える。フォークリフト1は、情報を表示する表示部16(ディスプレイ)と、必要な情報を記憶する記憶部17(記憶媒体)と、通信ネットワーク4を介して管理サーバ3と無線通信するための通信部18(無線モジュール)とを備える。
【0020】
フォークリフト1が作業する空間は、フォークリフト1が無人運転できるように構成されている。例えば、無人運転での車両本体10の走行は、画像誘導方式や磁気誘導方式によって実施され、無人運転でのフォーク11による荷物の積み込み、積み降ろしは、フォーク11に設けられたセンサ、ラック等に設けられ、センサで検出されるマーク等によって実施される。これらは周知技術であるためその詳細な説明は省略される。
【0021】
さらに、支援システムは、フォークリフト1の稼動情報を取得するための稼動情報取得部19をフォークリフト1に備える。実施例では、稼動情報取得部19は、フォークリフト1の作業時間を稼動情報として取得する。このために、稼動情報取得部19は、作業時間を計測するタイマーを含む。
【0022】
なお、この実施例では、フォークリフト1が行う荷役作業は、ある作業開始場所(例えば、第1倉庫)に移動してから、そこで荷物をフォーク11に積み込み、そこから作業終了場所(例えば、第2倉庫)へ移動して荷物を搬送し、そこで荷物をフォーク11から積み降ろすまでの作業を意味する。
【0023】
支援システムは、荷役作業の開始および終了を検出する作業検出部(図示略)を各フォークリフト1に備える。作業検出部は、例えば、フォークリフト1が作業開始場所および作業終了場所に移動したことを検出するために車両本体10に設けられた位置検出部(位置検出センサ、GPS受信器など)、フォーク11上に荷物があるか否かを検出するためにフォーク11に設けられた荷重検出部(荷重センサ)等で構成される。
【0024】
生態情報取得部2は、
図1の通り、作業者5に装着される周知のウェアラブル端末であり、各作業者5に一台ずつ割り当てられている。実施例では、生態情報取得部2は、作業者5の心拍数を生態情報として取得する。このために、
図3の通り、生態情報取得部2は、作業者5の心拍数を測定する心拍数測定部20(心拍数測定器)を備える。生態情報取得部2は、通信ネットワーク4を介して管理サーバ3と無線通信するための通信部21を備える。
【0025】
管理サーバ3は、例えば汎用性を有するコンピュータ、後述する処理を実行するためのプログラムや収集した情報を記憶する記憶媒体等で構成されている。
【0026】
管理サーバ3は、
図4の通り、記憶部を備えており、この記憶部は、収集情報記憶部30および作業記憶部31を含む。管理サーバ3は、制御部を備えており、この制御部は、割当部32、特定部33、および判定部34を含む。
【0027】
管理サーバ3は、フォークリフト1および生態情報取得部2から通信ネットワーク4を介して管理サーバ3に送信された情報を収集する。収集情報記憶部30は、収集されたこれらの情報を記憶するためのものである。具体的に、稼動情報取得部19からの稼動情報、作業検出部からの作業開始終了情報、および、生態情報取得部2からの生態情報が、収集情報記憶部30に記憶され、蓄積される。その他、収集情報記憶部30には、作業者5の識別情報、作業者5に割り当てられたフォークリフト1の識別情報、および、作業者5に割り当てられた生態情報取得部2の識別情報が、作業者5毎に関連付けて記憶されている。
【0028】
作業記憶部31には、一日にすべき全ての荷役作業の情報が日毎に記憶されている。荷役作業の情報には、作業開始場所、作業終了場所、および、作業開始場所から作業終了場所までの搬送ルート、搬送する荷物などが含まれる。
【0029】
内容の異なる複数の荷役作業がある。例えば、ある荷役作業は、狭い通路を走行する必要があり、他の荷役作業は、高所での荷物の積み下ろしを必要とし、また別の荷役作業は、荷物が長尺物であり、さらに別の荷役作業は、冷蔵庫、冷凍庫での作業となる。実施例では、作業開始場所、作業終了場所、搬送ルート、搬送する荷物の種類が同じ荷役作業は同一の荷役作業と規定され、これらの少なくとも一つが異なればそれは別の荷役作業と規定される。
【0030】
割当部32は、作業記憶部31に記憶されたその日にすべき荷役作業をその日に作業する各作業者5に割り当てる。その割当結果は、作業記憶部31に記憶される。また、各作業者5の割当結果は、その作業者5に割り当てられたフォークリフト1に通信ネットワーク4を介して送信され、フォークリフト1の記憶部17に記憶され、さらにその表示部16に表示できるようになっている。
【0031】
特定部33は、収集情報記憶部30に記憶され、蓄積された生態情報、稼動情報、および作業開始終了情報に基づいて、各作業者5の不得手な荷役作業を特定する。そして、判定部34は、作業者5にとって不得手であると特定部33により特定された荷役作業が、割当部32によりその作業者5に割り当てられているか否かを判定する。特定部33および判定部34による処理は以下で詳述される。
【0032】
管理サーバ3は、不得手な荷役作業の特定のために必要な情報を収集する。
各作業者5は、生態情報取得部2(ウェアラブル端末)を装着してフォークリフト1を運転して、内容が異なる各荷役作業を少なくとも1回行なっており、この際に得られた生態情報、稼動情報、作業開始終了情報などが、通信ネットワーク4を介して管理サーバ3に送信され、収集され、収集情報記憶部30に記憶され、蓄積されていく。
【0033】
特定部33は、収集情報記憶部30に蓄積されたこれらの情報を用いて演算処理をして、各作業者5の各荷役作業における作業時間を得る。実施例では、作業検出部が荷役作業の開始を検出してから終了を検出するまでの間に稼動情報取得部19が測定した時間が、当該荷役作業における作業時間になる。ある作業者5が同一の荷役作業を複数回行なっているときには、複数回の平均や、最新の作業時間が採用されてもよい。
【0034】
特定部33は、各荷役作業において、複数の作業者5の、好ましくは全作業者5の作業時間から当該作業時間の平均値を演算する。特定部33は、各作業者5および各荷役作業において、作業者5の荷役作業における作業時間が、その荷役作業における上記の平均値以上であるか否かを演算する。
【0035】
上記に加えて、特定部33は、収集情報記憶部30に蓄積された情報を用いて演算処理をして、各作業者5の各荷役作業時の心拍数を得る。実施例では、作業検出部が荷役作業の開始を検出してから終了を検出するまでの間に、生態情報取得部2により測定された心拍数が、当該荷役作業時の心拍数となる。ある作業者5が同一の荷役作業を複数回行なっているときには、最新の心拍数が採用されてもよい。
【0036】
各作業者5の平常時の心拍数が基準心拍数として予め測定され、収集され、収集情報記憶部30に記憶されている。特定部33は、各作業者5および各荷役作業において、作業者5の荷役作業中の心拍数がその作業者5の基準心拍数を所定数(例えば10bpm)越えており、かつ、この越えた時間が所定時間以上(例えば20秒以上)であるか否かを演算する。
【0037】
そして、特定部33は、作業者5の荷役作業における作業時間がその荷役作業における作業時間の平均値以上であり、かつ、その荷役作業中にその作業者5の心拍数が基準心拍数を所定数越えた時間が所定時間以上続いたとき、その荷役作業は、その作業者5にとって不得手であると特定する。一方、そうでなければ、特定部33は、その荷役作業は、その作業者5にとって得手であると特定する。というのも、作業者5は、不得手な荷役作業をするとき、その作業時間が長くなってしまい、また、ストレスを感じたり、疲労したり、緊張したりし、結果的に心拍数が通常よりも上昇することがわかっているからである。なお、この特定結果は収集情報記憶部30に記憶される。
【0038】
例えば、
図5のように、内容が異なる5つの荷役作業A〜Eがあり、4人の作業者5a〜5dがいるとき、各作業者5a〜5dの各荷役作業A〜Eの得手・不得手が特定部33によって特定される。
【0039】
支援システムは、各作業者5の不得手な荷役作業を特定できることを利用して、以下のように荷役作業を支援する支援機能を備えている。
【0040】
支援機能が使用されるとき、管理サーバ3において、判定部34が、作業者5にとって不得手であると特定部33により特定された荷役作業が、割当部32によりその作業者5に割り当てられているか否かを作業者5毎に判定する。すなわち、作業者5に割り当てられている複数の荷役作業の中に、その作業者5にとって不得手な荷役作業が含まれているか否かが作業者5毎に判定される。この判定は、収集情報記憶部30に記憶された特定結果と、作業記憶部31に記憶された割当結果に基づいて行われる。
【0041】
例えば、
図5においては、作業者5aに、荷役作業Cが割り当てられているか否かが判定され、作業者5bに、荷役作業Bおよび荷役作業Dが割り当てられているか否かが判定される。なお、作業者5cのように、不得手な荷役作業がない場合もある。
【0042】
不得手な荷役作業が作業者5に割り当てられていると判定部34により判定されたとき、管理サーバ3は、不得手な荷役作業の情報を含む支援指示をその作業者5が運転するフォークリフト1に通信ネットワーク4を介して無線通信で送信する。
【0043】
フォークリフト1(制御部14)は、管理サーバ3から支援指示を受信すると、これを記憶部17に記憶する。そして、作業者5がそのフォークリフト1を運転してある荷役作業を終え、これが作業検出部により検出され、不得手な荷役作業をする順番がきたとき、フォークリフト1は、モード切替部15の操作とは関係なく、有人運転から無人運転に自動で切り替わり、無人運転でこの荷役作業をする。即ち、不得手な荷役作業は、フォークリフト1が無人運転によって行なう。なお、この際に、フォークリフト1が無人運転で荷役作業を行う旨が表示部16に表示されて、作業者5に提示される。
【0044】
例えば、
図5の作業者5aの場合、荷役作業Cは、無人運転のフォークリフト1によって行なわれ、その他の荷役作業A、B、D、Eは、作業者5aがフォークリフト1を運転することで行なわれることとなる。
【0045】
フォークリフト1は、荷役作業の終了後、停止し、自動でまたは作業者5のモード切替部15の操作により有人運転に切り替わる。そして、作業者5はフォークリフト1を運転して次の荷役作業をする。なお、その次の荷役作業も不得手なものであるとき、フォークリフト1は、無人運転のままその次の荷役作業もする。
【0046】
以上のように、本発明は、作業者5が不得手な荷役作業をするとき、フォークリフト1の稼動情報、および、作業者5の生態情報が変化することに着目し、作業者5の不得手な荷役作業を割り出している。そして、作業者5に、その作業者5にとって不得手な荷役作業が割り当てられているとき、その荷役作業は無人運転のフォークリフト1が行う。したがって、作業者5は、不得手な荷役作業をする必要はなく、作業者5の負担は軽減される。その結果、全体の作業効率も改善し得る。
【0047】
以上、本発明の好ましい一実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
【0048】
上記実施例では、不得手な荷役作業は、稼動情報および生態情報の双方に基づいて特定されていたが、いずれか一方だけに基づいて特定されてもよい。
【0049】
荷役作業における作業時間は、荷役作業が開始してから終了するまでの時間としていたが、これに代えて、荷役作業が開始してから終了するまでにフォークリフト1が実際に作業者5に操縦されている時間としてもよい。この場合、稼動情報取得部19は、操作部12が操作されているまたは駆動部13が駆動していることを検出するセンサ(操作レバー、操舵ハンドルの操作を検出するポテンショメータ、油圧モータの回転を検出するエンコーダ等で構成される)をさらに備える。そして、作業者5が荷役作業中に実際にフォークリフト1を操縦している操縦時間がタイマーによって測定され、この操縦時間が、その荷役作業における作業時間とされる。
【0050】
稼動情報は、フォークリフト1の駆動源となるバッテリの消費電力であってもよい。この場合、稼動情報取得部19は、フォークリフト1のバッテリの消費電力を測定する消費電力測定部(消費電力測定センサ)を備える。特定部33は、各作業者5および各荷役作業において、作業者5の荷役作業における消費電力を演算し、そして複数の作業者5のその荷役作業における消費電力の平均値を演算し、作業者5の消費電力が前記平均値以上であるとき、その荷役作業はその作業者5にとって不得手であると特定する。というのも、不得手な荷役作業をするとき、作業時間が長くなったり、フォーク11を何度も操作し直したりし、結果的に荷役作業における消費電力が大きくなるからである。
【0051】
生態情報は、作業者5の発汗量であってもよい。この場合、生態情報取得部2は、作業者5が発する汗の量を測定する発汗量測定部(発汗量測定センサ)を備える。発汗量測定部は、例えば、フォークリフト1の操作部12に設けられ、作業者5の掌の汗の量を測定する、または、作業者5の体の所定の部位に装着され、その部位での汗の量を測定する。特定部33は、作業者5の荷役作業における汗の量が所定以上であるとき、その荷役作業がその作業者5にとって不得手であると特定する。というのも、不得手な荷役作業をするとき、作業者5は、通常よりも汗を多くかく傾向にあるからである。
【0052】
生態情報は、作業者5の体温であってもよい。この場合、生態情報取得部2は、作業者5の体温を測定する体温測定部(体温計)を備える。特定部33は、荷役作業時に作業者5の体温が所定以上を越えた時間が所定時間以上続いたとき、その荷役作業はその作業者5にとって不得手であると特定する。というのも、不得手な荷役作業をするとき、作業者5の体温は、平常時よりも上昇する傾向にあるからである。
【符号の説明】
【0053】
1 フォークリフト
19 稼動情報取得部
2 生態情報取得部
20 心拍数測定部
3 管理サーバ
30 収集情報記憶部
33 特定部
34 判定部
4 通信ネットワーク
5 作業者
【要約】
【課題】不得手な荷役作業を割り出し、荷役作業を支援する。
【解決手段】荷役作業支援システムは、有人運転および無人運転が可能なフォークリフト1、および、管理サーバ3を備える。この支援システムは、フォークリフト1を運転する作業者5の生態情報を取得する生態情報取得部2、または、フォークリフト1の稼動情報を取得する稼動情報取得部を備える。管理サーバ3は、生態情報または稼動情報の少なくともいずれか1つを、通信ネットワーク4を介して収集する。管理サーバ3は、これらの情報の少なくともいずれか1つに基づいて、作業者5の不得手な荷役作業を特定する。荷役作業支援システムは、作業者5に、その作業者5にとって不得手な荷役作業が割り当てられている場合、その荷役作業を、無人運転のフォークリフト1にさせる。
【選択図】
図1