(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底板の側端部の前後方向一端側に、外方に向けて突出する軸部材が設けられるとともに、前記側板の下端部の前後方向一端側に、前記軸部材が挿入される軸挿入部が形成され、
前記底板および前記側板の前後方向他端側に、前記突出部材および前記挿入凹部が配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組立式ロッカー。
前記底板の側端部に、前記軸部材に直交し、前記軸挿入部に前記軸部材を挿入した状態で前記側板を前記軸部材回りに回動させるときに、前記側板をガイドするガイド面が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の組立式ロッカー。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明による組立式ロッカーを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
なお、以下の説明において、上方、下方、前方、後方といった方向は、組立式ロッカー10を床面上に設置して使用するときの状態に対応した方向としている。すなわち、組立式ロッカー10が設置される床面側を「下方」、その反対方向を「上方」、この組立式ロッカー10を使用するユーザが組立式ロッカー10に対向する側を「前方」、その反対側を「後方」または「背面側」と称する。さらに、組立式ロッカー10において、床面に平行で、前後方向に直交する方向を「幅方向」と称する。また、組立式ロッカー10を構成する各部品を説明するに際しては、各部品を組み付けた状態での方向(「下方」、「上方」、「前方」、「後方」等)を用いることとする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る組立式ロッカー10の外観を示す斜視図である。
図2は、組立式用ロッカー10の部品構成を示す平面図である。
図1、
図2に示すように、組立式ロッカー10は、床面上に設置される矩形平板状の底板20と、底板20の幅方向両端部に上方に向けて立設された一対の側板30,30と、これら側板30,30上に架設された天板40と、これら底板20、一対の側板30,30、天板40によって囲まれた空間の後方側を覆う背面板50と、を備えている。
【0016】
さらに、組立式ロッカー10は、底板20上において一対の側板30,30の間に、底板20の幅方向に間隔を隔てて立設された仕切板60を備えている。これにより、底板20と、天板40と、両側の側板30,30とによって囲まれる空間が、仕切板60によって幅方向に複数に区切られて、例えば3つの個別収容空間Sが画成されている。
【0017】
そして、組立式ロッカー10の前面側には、各個別収容空間Sの前方を塞ぐ扉70が、一側端に設けられた不図示のヒンジピンで構成されるヒンジ機構を介して、開閉自在に設けられている。このように、組立式ロッカー10は、個別収容空間Sが3つ形成され、この個別収容空間Sに対応して扉70が3枚設けられた3人用のロッカーである。
【0018】
図3は、底板の斜視図である。
図3に示すように、底板20は、平板状で、個別収容空間Sの数に応じた幅を有している。底板20の上面20uには、背面板50および仕切板60の下端部、扉70のヒンジピンを差し込むための背面板用スリット21、仕切板用スリット22A,22B、扉用ヒンジ孔23が所定の位置に形成されている。なお、本実施形態では、扉70を右開き、左開きのいずれにもできるよう、それぞれの個別収容空間Sに対応する部分の幅方向両側に扉用ヒンジ孔23が設けられている。
また、底板20の幅方向両端部の側面20sには、それぞれ、側板30を係止する係止部25が設けられている。係止部25の構成については、後に詳述する。
【0019】
図4は、側板30を示す図であって、(a)は側板30の斜視図、(b)は側板30の下端部を内側面側から見た図である。
図4に示すように、側板30は、上下方向に長尺な帯板状で、底板20(
図3参照)に接続した状態で底板20の側面20s(
図3参照)側(以下、これを内方と称することがある)を向く内面30fの下端部に、係止部25(
図3参照)に係止される被係止部材31が設けられている。この被係止部材31の構成についても後に詳述する。
側板30の上端部には、上方に向けて突出し、後述する天板40(
図5参照)の補剛リブ41(
図5参照)の内側に差し込まれる突出リブ32が形成されている。
また、側板30には、前後の端部がそれぞれ内面30fから内方に向けて断面J字状に折り曲げられることによって、上下方向に連続する補剛部33,33が一体に形成されている。
そして、側板30の後端側の補剛部33の先端部には、背面板50や扉70が突き当たるフランジ34が、内面30fに直交する方向に突出形成されている。
【0020】
図5は、天板40を下方から見た斜視図である。
図5に示すように、天板40は、矩形の平板状で、底板20と同じ大きさを有している。
天板40において、底板20側を向く下面40fには、その外周部の四辺に沿って、断面U字状に折り曲げ形成された補剛リブ41が設けられている。そして、天板40において後端側の補剛リブ41には、背面板50の上端部を内側から差し込むための背面板用スリット42が形成されている。また、前端側の補剛リブ41には、扉70のヒンジピンを差し込むための扉用ヒンジ孔43が所定の位置に形成されている。
また、天板40の下面40fには、仕切板60を設ける位置に、前後方向に連続する補強リブ44が形成されている。そして、補強リブ44には、仕切板60の上端部を差し込む仕切板用スリット45が形成されている。
【0021】
図6は、仕切板60の斜視図である。
図6に示すように、仕切板60は、上下方向に長尺な帯板状で、その下端部に、底板20(
図3参照)の仕切板用スリット22A,22B(
図3参照)に差し込まれる係止突起61A,61Bが下方に向けて突出形成されている。また、仕切板60の上端部には、天板40(
図5参照)の仕切板用スリット45(
図5参照)に差し込まれる係止突起62が上方に向けて突出形成されている。さらに、仕切板60の後端側には、後方に向けて突出する係止爪63が形成されている。
【0022】
図1に示したように、扉70は、上下方向に長い帯板状で、幅方向一方の端部の上下端部に、上方および下方に突出する不図示のヒンジピンを備えている。このヒンジピンを、底板20の扉用ヒンジ孔23及び天板40の扉用ヒンジ孔43に挿入することで、扉70は、上下方向を軸線方向とする軸周りに回動自在に設けられている。
さらに、扉70には、扉70を開閉するための把手71や、扉70を閉状態で施錠する不図示のロック装置等を備えることもできる。
【0023】
図2に示したように、背面板50は、1つの個別収容空間Sの背面側の領域を閉塞する第一背面板51と、第一背面板51とは異なる数である2つの個別収容空間Sの背面側の領域を閉塞する第二背面板52と、を備える。
【0024】
図7は、(a)は第一背面板51の外観を示す斜視図、(b)は側板30に設けられた段付きネジ100を示す断面図である。
図8は、第二背面板52の外観を示す斜視図である。
図7(a)、
図8に示すように、第一背面板51,第二背面板52のそれぞれは、上下方向に長い帯板状で、その四辺が組立式ロッカー10の内側に向けて折り曲げられている。そして、第一背面板51は、1つの個別収容空間Sに応じた幅寸法を有し、第二背面板52は、2つの個別収容空間Sに応じた幅寸法を有している。
【0025】
第一背面板51,第二背面板52は、その上端部に、上方に向けて突出し、天板40の補剛リブ41の内側に差し込まれる突出リブ53,54が形成されている。突出リブ53,54の上端部には、第一背面板51,第二背面板52を所定の位置に組み付けた状態で組立式ロッカー10の後方を向く側に突出し、背面板用スリット42に差し込まれる係止突起55がそれぞれ形成されている。
また、第一背面板51,第二背面板52は、その下端部に、下方に向けて突出し、底板20の背面板用スリット21に差し込まれる係止突起56がそれぞれ形成されている。
さらに、第一背面板51の幅方向一方の端部51L,第二背面板52の幅方向両端部52R,52Lには、それぞれ、係止フック57が上下方向に間隔をあけて複数個所に形成されている。
【0026】
第一背面板51の幅方向一方の端部51Lと、第二背面板52の幅方向他方の端部52Rは、それぞれ、
図4(a)に示した側板30の後端側の補剛部33に突き当てられる。そして、補剛部33に取り付けられた段付きネジ100(
図7(a)参照)に、係止フック57を係止させるようになっている。
また、第二背面板52は、幅方向一方の端部52Lを第一背面板51の幅方向他方の端部51Rに突き当て、この端部51Rに設けられた段付きネジ100(
図7(a)では不図示)に、係止フック57を係止させるようになっている。
ここで、
図7(b)に示すように、段付きネジ100は、ネジ軸部101とネジ頭部102との間に、ネジ軸部101よりも外径が大きく、ネジ頭部102よりも外径が小さな段部103を有したものである。この段付きネジ100のネジ軸部101をネジ孔104にねじ込むことによって、段部103に、係止フック57や、後述する軸挿入溝(軸挿入部)36を係止できるようになっている。
【0027】
上記したような基本構成を有する組立式ロッカー10において、上記の例では3人用のロッカーを構成したが、これ以外に、4人以上用の組立式ロッカー10は、以下のようにして構成する。
図9は、(a)は4人用ロッカーの部品構成を示す平面図、(b)は5人用ロッカーの部品構成を示す平面図である。
すなわち、例えば、
図9(a)に示すように、4人用の組立式ロッカー10を構成する場合、この組立式ロッカー10は、底板20と、底板20の両端部に立設された一対の側板30,30と、一対の側板30,30上に架設された天板40と、一対の側板30,30間に設けられた複数枚の仕切板60と、各個別収容空間Sの前面を閉塞する複数枚の扉70と、を備える。
【0028】
底板20および天板40は、4つの個別収容空間Sの数に応じた幅を有するものとする。そして、底板20の幅方向両側に設ける一対の側板30,30は、上記3人用の組立式ロッカー10で用いたのと同じものを用いる。
さらに、側板30,30間に設ける、個別収容空間Sの数に応じた数〔(個別収容空間Sの数)−1〕の仕切板60も、上記3人用の組立式ロッカー10で用いたのと同じものを用いる。
【0029】
背面板50は、上記3人用の組立式ロッカー10で用いた、1つの個別収容空間Sの背面側を閉塞する第一背面板51と、第一背面板51とは異なる数である2つの個別収容空間Sの背面側を閉塞する第二背面板52の中から、複数枚を組み合わせて、最小枚数で組立式ロッカー10を構成する。
すなわち、
図9に示した4人用の組立式ロッカー10の場合、第二背面板52を2枚用いることで、背面板50を構成する。
【0030】
さらに、
図9(b)に示すように、例えば5人用の組立式ロッカー10を構成する場合には、2枚の第二背面板52と、1枚の第一背面板51とを組み合わせて背面板50を構成する。
【0031】
すなわち、偶数人数用の組立式ロッカー10であれば、2つの個別収容空間Sの背面側を閉塞する第二背面板52のみを複数枚組み合わせて背面板50を構成できる。奇数人数用の組立式ロッカー10であれば、1枚の第一背面板51と、1枚以上の第二背面板52とを組み合わせて背面板50を構成できる。
なお、組立式ロッカー10が偶数人数用であっても奇数人数用であっても、1枚の第二背面板52に代えて、2枚の第一背面板51に代えることで、第一背面板51と第二背面板52とで背面板50を構成することもできる。ただし、組立の手間等の面から、背面板50を、第一背面板51、第二背面板52の中から選択した最小限の枚数で構成するのが好ましい。
【0032】
図10は、底板20の側端部の構成を示す斜視図である。
図11は、底板20の側端部の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図12は、底板20に設けられる突出部材80の構成を示す図であり、(a)は突出部材80の斜視図、(b)は突出部材80の側面図である。
図13は、底板20に側板30を取り付ける前の状態を示す図である。
図14は、側板30の下端部を斜め下方から見た斜視断面図である。
図15は、底板20に側板30を取り付けた状態を示す側面図である。
図16は、底板20に側板30を取り付ける途中で、側板30を回動させている状態を示す斜視図である。
図17は、底板20に側板30を取り付ける途中で、側板30を回動させている状態を示す側面図である。
さて、上記したような基本構成を有する組立式ロッカー10において、側板30の組立性向上のため、以下に示すような構成が採用されている。
図3、
図10、
図11に示すように、底板20の幅方向両端部の側面20sに設けられ、側板30を係止する係止部25として、底板20の側端部20aには、側板30の下端部を受ける受け部材26が形成されている。この受け部材26は、側面20sの下端部から側面20sに直交して外方に延び、側板30の下端部を支持する支持面26aと、支持面26aの先端部から上方に立ち上がるよう形成され、側板30の下端部が底板20から外方側に変位するのを拘束するストッパ部26bと、が一体に形成されている。
【0033】
さらに、側端部20aの後端側には、側面20sに直交して外方に向けて突出する軸部材27が、係止部25として設けられている。この軸部材27としては、
図7(b)に示したのと同様の段付きネジ100を用いることができる。
【0034】
また、側端部20aの前端側には、側面20sを貫通するスリット部28が形成されている。このスリット部28は、上下方向に連続する上下スリット(スリット)28aと、上下スリット28aの上下方向中間部から上下スリット28aと直交して延びる横スリット28bとが、略T字状に形成されている。
【0035】
このスリット部28には、突出部材80が、係止部25として装着される。
図12(a)、(b)に示すように、突出部材80は、上下方向に延びる帯状のベース部81と、ベース部81の一方の側端部から直交して延びるガイド部82と、ベース部81の上下端部にそれぞれ設けられ、ベース部81の他方の側端部からガイド部82と同じ方向に直交して延びるプレート部83,84と、ベース部81の上下方向中間部から、プレート部83,84が形成されている側に突出形成されたアーム部85と、アーム部85の先端側で、アーム部85に直交して延びるブラケット部(挿入部)86と、を備えている。
そして、上方のプレート部83と、ブラケット部86には、それぞれネジ孔(第一の貫通孔)83h、ネジ孔86hが形成されている。
【0036】
この突出部材80が、アーム部85およびブラケット部86を、スリット部28の上下スリット28aの下側および横スリット28bに沿って、底板20の内方に挿入される。すると、突出部材80は、アーム部85の基端側が、上下スリット28a内で上下方向に移動自在となる。これにより、突出部材80は、スリット部28において、上下方向に移動自在とされている。このとき、上下のプレート部83,84は底板20の側端部20aの側面20sに沿い、突出部材80が下降した状態でガイド部82の下端部がストッパ部26bに沿うようになっている。
【0037】
そして、
図10に示すように、突出部材80を、スリット部28において上昇させたときには、ベース部81,ガイド部82の上部および上方のプレート部83が、底板20の上面20uより下方に位置した状態から上方に向けて突出可能となっている。
このとき、ブラケット部86は、横スリット28b以外の部分では、底板20の側端部20aの内側面と干渉する。このため、突出部材80は、スリット部28において上下方向に移動させても、横スリット28b以外の部分では、スリット部28から抜けないようになっている。
また、突出部材80のブラケット部86を挿入した後に手を離すと、自重により突出部材80が下降し、ブラケット部86が横スリット28bよりも下方に位置するようになっている。これにより、突出部材80がスリット部28から不用意に脱落するのを防ぐことができる。
【0038】
また、底板20の上面20uには、不図示の貫通孔を通してボルト(操作部材)90が挿入され、その先端部が、ブラケット部86に形成されたネジ孔86hにねじ込まれている。これにより、ボルト90を軸周りに回転させると、ブラケット部86が上下方向に移動するよう操作される。このようにして、突出部材80のうちベース部81、ガイド部82及び上方のプレート部83の部分が、底板20の上面20uより下方に位置した状態から上方に突出可能とされている。
【0039】
図13、
図14に示すように、側板30側の被係止部材31は、側板30の内面30fと間隔をあけて平行に配置されたプレート部31aと、プレート部31aの上下端部から直交して折り曲げられた直交壁部31b,31cと、直交壁部31b、31cに直交して折り曲げ形成され、内面30fに突き当たって接合されたフランジ部31d,31eと、を有した、断面ハット状とされている。
【0040】
さらに、被係止部材31には、下方のフランジ部31eの下端に、断面U字状で、受け部材26によって支持される被支持部35が一体に形成されている。この被支持部35は、側板30の内面30fに直交する被支持面35aと、被支持面35aの幅方向両端から上方に向けて立ち上がる立ち上がり壁35b,35cとを有している。側板30の内面30fに近接する側の立ち上がり壁35cの上端部には、立ち上がり壁35cおよび内面30fに直交する直交壁35dが形成されている。この直交壁35dは、フランジ部31eの下端に連続して形成されている。この直交壁35dにより、被支持部35の立ち上がり壁35cと内面30fとの間に、受け部材26のストッパ部26bが下方から挿入される隙間35sが形成されている。
被支持部35が受け部材26内に挿入され被支持部35の被支持面35aが受け部材26の支持面に支持されることで、側板30が底板20の側端部20aに支持されて下方への移動が規制されるようになっている。また、立ち上がり壁35cと内面30fとの隙間35sに、受け部材26のストッパ部26bが挿入されることで、側板30の下端部が底板20から外方側に変位するのが拘束される。
【0041】
側板30の下端部の少なくとも後端側において、被係止部材31には、軸部材27が挿入される軸挿入溝36が、プレート部31aおよび直交壁31cの一部を切欠くことで形成されている。軸部材27が軸挿入溝36に挿入された状態で、底板20の側面20sとネジ頭部102との間にプレート部31aが挟まれる。
【0042】
さらに、側板30の下端部の少なくとも前端側において、被係止部材31には、直交壁31c、フランジ部31e、被支持部35の前端部を切欠くことで、下方に向けて開口した挿入凹部38が形成されている。この挿入凹部38には、突出部材80を上昇させたときに、底板20の上面20uから上方に突出したベース部81、ガイド部82及び上方のプレート部83の部分が、下方から挿入されるようになっている。そして、突出部材80を挿入凹部38に挿入した状態で、被係止部材31のプレート部31aの内側面に突出部材80のプレート部83が沿い、側板30の内面30fに突出部材80のガイド部82が沿うようになっている。
【0043】
また、被係止部材31のプレート部31aには、挿入凹部38の上方に貫通孔(第二の貫通孔)39が形成されている。底板20の上面20uから上方に突出させた状態の突出部材80を挿入凹部38に挿入し、被支持部35が受け部材26に支持された状態、つまり側板30が底板20に対して所定の位置関係に配置された状態で、貫通孔39はプレート部83のネジ孔83hに連続するよう形成されている。
そして、側板30は、貫通孔39を貫通してネジ孔83hにねじ込まれる締結ボルト(締結部材)91(
図15参照)により、突出部材80に固定されるようになっている。
【0044】
このようにして、底板20および側板30の後端側には、軸部材27および軸挿入溝36が配置され、前端側には、突出部材80および挿入凹部38が配置されている。
なお、本実施形態の側板30においては、側板30を組立式ロッカー10の幅方向左右のいずれの側にも設置できるよう、軸挿入溝36および挿入凹部38は、前後両端部にそれぞれ形成されている。
【0045】
図16、
図17に示すように、側板30を底板20に取り付けるには、まず、側板30を、後端側に対して前端側を上方に上げて傾斜させた状態で、軸挿入溝36に軸部材27を挿入する。これにより、側板30は、軸部材27を中心として回動自在に支持される。
そして、この状態から、側板30を、軸部材27を中心として回動させて前端側を下降させる。このとき、軸部材27のネジ頭部102と底板20の側面20sとの間に側板30に設けられたプレート部31aが挟まれているため、側板30が底板20に対して幅方向に離間することなく回動する。よって、側板30の被支持部35の立ち上がり壁35bおよび被係止部材31のプレート部31aが、底板20の側面20sに沿うようにして、側板30が回動する。つまり、側板30を軸部材27回りに回動させるときに、底板20の側面20sは側板30の回動動作をガイドするガイド面として機能するようになっている。
また、側板30を回動させていくと、受け部材26のストッパ部26bが、側板30側の被支持部35の立ち上がり壁35cと内面30fとの間の隙間35sに入り込んでいく。これによっても、側板30の回動動作がガイドされる。
【0046】
そして、
図15に示したように、側板30を回動させて前端側を下降させ、被支持部35が受け部材26内に入り込み被支持部35の被支持面35aが受け部材26の支持面に支持されることで、側板30が底板20に対して所定の位置にセットされる。
【0047】
また、側板30を回動させるにともない、底板20の前端側に配置された突出部材80が挿入凹部38に挿入されていく。
この突出部材80は、挿入凹部38に挿入されていく過程で、被係止部材31のプレート部31aに突出部材80のプレート部83が沿い、側板30の内面30fに突出部材80のガイド部82が沿う。これにより、突出部材80は、側板30が倒れるのを防ぐとともに、側板30を底板20に装着するときのガイドとなる。
【0048】
このようにして側板30を底板20に対して所定の位置にセットした後、底板20の上面20uに頭部が露出しているボルト90を締め込む。すると、このボルト90に噛み合った突出部材80のブラケット部86が上昇し、これによって突出部材80が、底板20の上面20uから上方に突出する。そして、ブラケット部86の上面が底板20の下面に突き当たった状態で、突出部材80が上昇端に到達する。すると、側板30の貫通孔39が、プレート部83のネジ孔83hに連通する。そこで、締結ボルト91を、貫通孔39を貫通させてネジ孔83hにねじ込むことで、側板30が突出部材80を介して底板20に固定される。
【0049】
上述したように、組立式ロッカー10の背面板50は、1つの個別収容空間Sの背面側を閉塞する第一背面板51と、第一背面板51とは異なる2つの個別収容空間Sの背面側を閉塞する第二背面板52と、を備えるようにした。
これにより、第一背面板51と第二背面板52を適宜組み合わせることによって、3人用に限らず、4人用、5人用、それ以上の人数用の組立式ロッカー10を構成することができる。したがって、さまざまな人数用の組立式ロッカー10を構成する部品を共通化することができる。その結果、製作する部品の種類を減らすことができる。また、部品の保管スペースや管理の手間を抑えることができる。その結果、組立式ロッカー10の低コスト化を図ることが可能となる。
【0050】
また、上述した組立式ロッカー10によれば、底板20の幅方向両側の側端部20aに、上方に向けて突出可能に設けられた突出部材80と、突出部材80を上方に突出させるボルト90と、側板30の下端部に形成され、突出部材80が下方から挿入される挿入凹部38と、を備えている。
これにより、底板20の側端部20aに沿わせて側板30を立てた状態で、突出部材80が挿入凹部38に下方から挿入される。これにより、側板30が倒れるのを防ぐことができる。この状態で、ボルト90により突出部材80を上方に向けて突出させて、底板20と側板30とを接続すれば、側板30の取り付けを容易に行うことができる。
また、組立前の状態では、突出部材80を上方に突出させない状態としておくことで、底板20に突起部分が生じるのを防ぐ。これにより、底板20に他の部品を積み重ねたり、段ボール等で梱包したりしたときに、他の部品や段ボールを損傷させるのを防ぐことができる。
【0051】
また、突出部材80は、底板20の側端部20aに形成された上下スリット28aから底板20の内側に挿入されるブラケット部86と、ブラケット部86に形成されたネジ孔86hと、を備え、ボルト90が、底板20の上面から下方に貫通し、ネジ孔86hに螺合している。
これにより、ボルト90を回転させると、ブラケット部86を有した突出部材80が上昇し、上方に向けて突出する。これにより、突出部材80の突出動作を容易かつ確実に行うことができる。
【0052】
また、組立式ロッカー10は、突出部材80の上端部にネジ孔83hが形成され、側板30に、突出部材80を突出させた状態でネジ孔83hに連続する貫通孔39が形成されている。そして、側板30は、ネジ孔83h及び貫通孔39を貫通する締結ボルト110により突出部材80に固定されている。
このようにして、突出した突出部材80の上端部で、側板30が突出部材80に固定されることで、側板30が強固に突出部材80に締結される。
【0053】
さらに、組立式ロッカー10は、底板20の側端部20aに、側板30の下端部を受ける受け部材26が形成され、受け部材26の先端部にストッパ部26bが形成されている。
これにより、受け部材26上に側板30の下端部を載せると、ストッパ部26bにより側板30の下端部が外方に変位するのを防ぐことができる。これにより側板30が倒れるのを防止する。
したがって、受け部材26上に側板30の下端部を載せた状態で、上記突出部材80を突出させることにより、組み立てをより容易に行うことができる。
【0054】
加えて、組立式ロッカー10は、底板20の後端側に、外方に向けて突出する軸部材27が設けられ、側板30の後端側に、軸部材27が挿入される軸挿入溝36が形成されている。さらに、底板20および側板30の前端側には、突出部材80および挿入凹部38が配置されている。
これにより、側板30を傾斜させて軸挿入溝36に軸部材27を挿入した後、側板30を軸部材27回りに回動させて前端側を下降させて、突出部材80を挿入凹部38に挿入させる。これにより、側板30を安定的かつ容易に取り付けることが可能となる。
【0055】
また、組立式ロッカー10は、底板20の側端部20aに、軸挿入溝36に軸部材27を挿入した状態で、側板30を軸部材27回りに回動させるときに、側板30をガイドするガイド面として機能する側面20sが形成されている。
これにより、側板30の回動動作がガイドされ、側板30を安定的かつ容易に取り付けることが可能となる。
【0056】
さらに、側板30を回動させていくと、受け部材26のストッパ部26bが、側板30側の被支持部35の立ち上がり壁35cと内面30fとの間の隙間に入り込んでいくようになっている。これによっても、側板30の回動動作がガイドされ、側板30を容易に取り付けることが可能となる。
【0057】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、組立式ロッカー10は、幅方向に複数の個別収容空間Sを有するようにしたが、さらに上下方向に複数段に区切られていてもよい。また、扉70は必須の構成ではなく、扉70を備えないオープン式の組立式ロッカー10にも本発明は適用できる。
【0058】
また、例えば
図18に示すように、第一背面板51、第二背面板52は、側板30や仕切板60と一体化してもよい。これにより、組立式ロッカー10の組立が、より効率的に行える。
【0059】
また、上記実施形態では、第一背面板51は1つの個別収容空間Sに対応した幅を有し、第二背面板52は、2つの個別収容空間Sに対応した幅を有するようにしたが、これに限るものではない。例えば、第一背面板51は2つの個別収容空間Sに対応した幅を有し、第二背面板52は、3つの個別収容空間Sに対応した幅を有するような組み合わせとしてもよい。
さらには、第一背面板51、第二背面板52に加え、これら第一背面板51、第二背面板52とは異なる数の個別収容空間Sの背面側を閉塞する第三背面板を組み合わせて組立式ロッカー10を構成するようにしてもよい。
【0060】
また、所要の強度が確保できるのであれば、底板20や天板40についても、背面板50と同様に、異なる数の個別収容空間Sの下面側、上面側を閉塞する複数種のパネルから構成してもよい。
【0061】
加えて、組立式ロッカー10を構成する各部品の接続構造は、上記実施形態で示したものに限るものではなく、公知のいかなる接続構造を適用してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、側板30と底板20に接続するのに、後端側に軸部材27を設け、前端側に突出部材80を設け、側板30を回動させながら底板20に装着するようにしたが、これに限るものではない。
例えば、後端側に突出部材80を設け、前端側に軸部材27を設けてもよい。
さらに、軸部材27を設けず、前端側および後端側にそれぞれ突出部材80を設けてもよい。この場合、側板30は、上方から鉛直下方に下降させながら、各突出部材80を挿入凹部38に挿入する。
このような軸部材27は、底板20の側端部20aに少なくとも一つ設けられていれば良く、その位置については、例えば前後方向中間部等、他の位置でもよい。そして、軸部材27ではなく、例えばL字状の金具等と組み合わせて側板30を底板20に接続するようにしてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。