特許第6234009号(P6234009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234009
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】津波対策工及び津波対策工法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/06 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   E02B3/06 301
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-94636(P2012-94636)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-221352(P2013-221352A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222668
【氏名又は名称】東洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】藤原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】山野 貴司
【審査官】 竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−154518(JP,A)
【文献】 特開2008−038451(JP,A)
【文献】 特開平08−081932(JP,A)
【文献】 米国特許第06305877(US,B1)
【文献】 特開2006−249914(JP,A)
【文献】 特開2009−228268(JP,A)
【文献】 特開2007−063896(JP,A)
【文献】 特開2013−023874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04−3/14
E02B 7/20−7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
河口部に面する海域に、高潮位波を反射するための不透過壁が、
その下端部の高さが、通常時における河川からの水流を河口部に面する海域から沖合へと拡散するための当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように、かつ、その上端部の高さが、当該海域から河川への、津波襲来による高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぐように構成され、
杭によって水底からの設置高さが一定に固定されてなることを特徴とする津波対策工。
【請求項2】
前記不透過壁の下方に沿って、前記所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁が固定されてなることを特徴とする請求項1記載の津波対策工。
【請求項3】
前記不透過壁が、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の津波対策工。
【請求項4】
前記不透過壁が、平面視で沖合に向けて、間隔を空けて複数列設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の津波対策工。
【請求項5】
前記所定の潮位が当該海域の朔望平均満潮位であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の津波対策工。
【請求項6】
河口部に面する海域に、高潮位波を反射するための不透過壁を、
その下端部の高さが、通常時における河川からの水流を河口部に面する海域から沖合へと拡散するための、当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように、かつ、その上端部の高さが、当該海域から河川への、津波襲来による高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぐように構成し、
杭によって水底からの設置高さを一定に固定することを特徴とする津波対策工法。
【請求項7】
前記不透過壁の下方に沿って、前記所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁を固定することを特徴とする請求項6記載の津波対策工法。
【請求項8】
前記不透過壁を、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置することを特徴とする請求項6又は7記載の津波対策工法。
【請求項9】
前記不透過壁を、平面視で沖合に向けて、間隔を空けて複数列設けることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の津波対策工法。
【請求項10】
前記所定の潮位を当該海域の朔望平均満潮位とすることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載の津波対策工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波対策工及び津波対策工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、河川を逆流して津波が内陸へと侵入し、洪水を引き起こすことを防ぐための津波対策工が開発されており、一般的な津波対策工としては、河口部に津波水門を設置するものがある(例えば、特許文献1、2参照)。この津波水門の場合、設計計画上の津波の発生時に洪水が同時生起することは稀なケースで、考慮不要と考えられていることから、津波水門を閉めることによって河川の水位が上昇する影響よりも、津波襲来による水位上昇や堤防の破堤を食い止めることを優先する、といった設計思想に基づくことが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−228330号公報
【特許文献2】特開2006−257716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上記のごとき津波水門は、設置コストが大きく、中小河川を含む全ての河川に設置することは、現実的ではない。又、仮に設置可能であったとしても、津波襲来時に水門を締め切る作業には大きなリスクを伴うことから、その作業を実施するための迅速かつ適切な対応についての検討は困難を極めるものである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、津波水門よりも低コストで、かつ、水門の締め切り作業等、津波襲来時のオペレーションを行うことなく、津波の被害を減災することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)河口部に面する海域に、高潮位波を反射するための不透過壁が、その下端部の高さが、通常時における河川からの水流を河口部に面する海域から沖合へと拡散するための当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように、かつ、その上端部の高さが、当該海域から河川への、津波襲来による高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぐように構成され、杭によって水底に固定されてなる津波対策工(請求項1)。
本項に記載の津波対策工は、高潮位波を反射するための不透過壁が、杭によって水底からの設置高さが一定に固定されてなるものであり、河口部に面する海域に設置することで、河川に設置される場合の制限(河川の断面積の4%以内)を受けることなく、大きな断面積の杭で不透過壁を設置するものである。ここで用いられる不透過壁としては、現場にて施工されるRC壁、又は、工場から現場に搬入されるPC壁等が挙げられる。そして、不透過壁の設置高さ及び設置長さは、設置現場の地形や予想される波高等を勘案して、適宜設定されるものである。又、ここで用いられる杭としては、鋼管杭等が挙げられる。そして、不透過壁の下端部よりも低い部分においては、不透過壁を支える杭の間を波又は水流が抜けるが、不透過壁はその下端部の高さが、当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように設置されることから、当該海域から河川への高潮位波の到達を防ぎ、又、仮に不透過壁の高さを越える津波が襲来しても、河川への高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぎ、減災作用を奏するものとなる。又、通常時における河川からの水流は、不透過壁を支える杭の間を抜けて、河口部に面する海域から沖合へと拡散することとなる。
【0007】
(2)上記(1)項において、前記不透過壁の下方に沿って、前記所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁が固定されてなる津波対策工(請求項2)。
本項に記載の津波対策工は、不透過壁の下方に沿って固定され、所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁によって、更に、不透過壁の下端部よりも低い部分における波又は水流の抜けを部分的に阻害し、当該海域から河川への高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぎ、減災作用を奏するものとなる。なお、スリット壁についても不透過壁と同様に、現場にて施工されるRC壁、又は、工場から現場に搬入されるPC壁等が挙げられる。そして、スリット壁は、不透過壁と一体であっても別体であってもよく、別体の場合には、不透過壁の下端部に直接固定され、又は、杭を介して固定されるものである。後者の場合には、不透過壁との間に適宜隙間を設けることとしてもよい。更に、スリット壁のスリットの開口形状及び開口面積は、スリット壁の強度やスリットに求められる流量等を勘案して、適宜設定されるものである。同様にして、スリット壁の下端部の高さも適宜設定されるものであり、必要に応じ、水底に当接し、或いは、水底よりも更に下方へと伸びて、水底に一部沈設されるものであってもよい。そして、通常時における河川からの水流は、スリット壁のスリットを抜けて、河口部に面する海域から沖合へと拡散することとなる。
【0008】
(3)上記(1)(2)項において、前記不透過壁が、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置されている津波対策工(請求項3)。
本項に記載の津波対策工は、不透過壁が、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置されていることで、沖合からの津波襲来方向の如何に係らず、不透過壁による高潮位波の反射作用、又はスリット壁による、不透過壁の下端部よりも低い部分における波又は水流の、阻害作用を奏するものとなる。なお、弧形状は、設置現場の地形や予想される波高等を勘案して、その曲率が一定又は変化する態様で、適宜設定されるものである。
【0009】
(4)上記(1)から(3)項において、前記不透過壁が、平面視で沖合に向けて、間隔を空けて複数列設けられている津波対策工(請求項4)。
本項に記載の津波対策工は、平面視で沖合に向けて、間隔を空けて設けられた複数列の不透過壁の各々による高潮位波の反射作用、又はスリット壁の各々による、不透過壁の下端部よりも低い部分における波又は水流の阻害作用を奏するものとなる。この場合、複数列の不透過壁の設置間隔は、設置現場の地形や予想される波高等を勘案して、適宜設定されるものである。
【0010】
(5)上記(1)から(4)項において、前記所定の潮位が当該海域の朔望平均満潮位である津波対策工(請求項5)。
本項に記載の津波対策工は、所定の潮位が当該海域の朔望平均満潮位であることにより、当該海域に通常現れる潮位を超える高潮位波が到来した場合に、当該海域から河川への高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぎ、減災作用を奏するものとなる。
【0011】
(6)河口部に面する海域に、高潮位波を反射するための不透過壁を、その下端部の高さが、通常時における河川からの水流を河口部に面する海域から沖合へと拡散するための、当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように、かつ、その上端部の高さが、当該海域から河川への、津波襲来による高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぐように構成し、杭によって水底からの設置高さを一定に固定する津波対策工法(請求項6)。
(7)上記(6)項において、前記不透過壁の下方に沿って、前記所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁を固定する津波対策工法(請求項7)。
(8)上記(6)(7)項において、前記不透過壁を、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置する津波対策工法(請求項8)。
(9)上記(6)から(8)項において、前記不透過壁を、平面視で沖合に向けて、間隔を空けて複数列設ける津波対策工法(請求項9)。
(10)上記(6)から(9)項において、前記所定の潮位を当該海域の朔望平均満潮位とする津波対策工法(請求項10)。
【発明の効果】
【0012】
本発明はこのように構成したので、津波水門よりも低コストで、かつ、水門の締め切り作業等、津波襲来時のオペレーションを行うことなく、津波の被害を減災することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る津波対策工を示すものであり、(a)は河口部に面する海域に設置された津波対策工の側断面図、(b)は同正面図である。
図2】本発明の実施の形態の応用例に係る津波対策工を示すものであり、(a)は河口部近傍における津波対策工の側断面図、(b)は同正面図である。
図3】(a)は図1又は図2に示される津波対策工の平面図であり、(b)は、同津波対策工が沖合に向けて間隔を空けて二列配置された例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1には、本発明の実施の形態に係る津波対策工10が示されている。この津波対策工10は、河川12の河口部14に面する海域16に、高潮位波TUを反射するための不透過壁18が、その下端部の高さが、通常時における河川からの水流を河口部に面する海域から沖合へと拡散するための当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように、かつ、その上端部の高さが、当該海域16から河川12への、津波襲来による高潮位波TUの到達を少なくとも部分的に防ぐように構成され、杭20によって水底22からの設置高さが一定に固定されてなるものである。ここで用いられる不透過壁18としては、現場にて施工されるRC壁、又は、工場から現場に搬入されるPC壁等が挙げられる。又、ここで用いられる杭20としては、鋼管杭等が挙げられる。更に、図1(b)に示される例では、四本の杭20によって支持される不透過壁18が1ユニットとなって、複数ユニット(図示省略)が連続する態様が示されているが、1ユニットの構成については、適宜設定されるものである(以下、図2の例も同様)。
そして、不透過壁18の下端部の高さを定める所定の潮位として、当該海域の朔望平均満潮位が設定されている。なお、不透過壁18の設置高さ(上端部の高さ)及び設置長さは、設置現場の地形や予想される波高等を勘案して、適宜設定されるものである。
【0015】
又、図2には、本発明の実施の形態に係る津波対策工10の応用例が示されている。この例では、不透過壁18の下方に沿って、所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁24が固定されたものである。図2の例では、スリット壁24は不透過壁18と一体構造をなしているが、不透過壁18と別体であってもよい。別体の場合には、スリット壁24は不透過壁18の下端部に直接固定され、又は、杭20を介して固定されるものである。この場合には、不透過壁18との間に適宜隙間を設けることとしてもよい。
更に、スリット壁24のスリット24aの開口形状及び開口面積は、スリット壁24の強度や、スリット24aに求められる流量等を勘案して、適宜設定されるものである。同様にして、スリット壁24の下端部の高さも、適宜設定されるものである。図2の例では、スリット壁24の下端部は、傾斜する水底22に一部当接しているが、水底22との間に隙間が設けられていてもよい。或いは、スリット壁24が水底22よりも更に下方へと伸びて、水底22に一部沈設されるものであってもよい。
【0016】
又、図1又は図2に示される津波対策工10の不透過壁18(及びスリット壁24)は、図3(a)に示されるように、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置されている。また、図3(b)に示されるように、不透過壁18(及びスリット壁24)が、平面視で沖合に向けて、間隔を空けて二列ないしそれ以上の複数列設けられる場合もある。なお、不透過壁18(及びスリット壁24)の弧形状は、設置現場の地形や予想される波高等を勘案して、その曲率が一定又は変化する態様で、適宜設定される。又、不透過壁18(及びスリット壁24)が複数列設置される場合の設置間隔も、同様に適宜設定されるものである。又、図示の例では、不透過壁18(及びスリット壁24)の弧形状の両端部が、河川12の河口部14に面する海域16で止められているが、必要に応じて陸地まで延びるように設置することとしてもよい。
【0017】
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、本発明の実施の形態に係る津波対策工10は、高潮位波TUを反射するための不透過壁18が、杭20によって水底22からの設置高さが一定に固定されてなるものであり、河口部14に面する海域16に設置することで、杭20の断面積に、河川12に設置される場合の制限(河川の断面積の4%以内)を受けることなく、大きな断面積の杭20で不透過壁18を設置することが可能となる。そして、不透過壁18の下端部よりも低い部分においては、不透過壁18を支える杭20の間を波又は水流が抜けるが、不透過壁18はその下端部の高さが、当該海域の所定の潮位以上の高さとなるように設置されることから、図1(a)、に示されるように、不透過壁18によって高潮位波TUを反射し、河川12への高潮位波TUの到達を防ぐことができる。
【0018】
しかも、津波対策工10の下端部の高さが当該海域16の朔望平均満潮位であることにより、当該海域に通常現れる潮位を超える高潮位波が到来した場合に、河川12への高潮位波TUの到達を少なくとも部分的に防ぎ、必要な減災効果を得ることが可能となる。又、仮に、不透過壁18の高さを越える高潮位波TUが襲来しても、図3(a)に破線の矢印で示されるように、不透過壁18を越える波の勢いを減少させて、当該海域から河川12への高潮位波の到達を部分的に防ぐことが可能となる。
一方、図1(a)に示されるように、通常時における河川12からの水流WFは、不透過壁18を支える杭20の間を抜けて、河口部14に面する海域16から沖合へと拡散することとなる。
【0019】
又、図2に示されるように、不透過壁18の下方に沿って固定され、所定の潮位を下回る高さまで伸びるスリット壁24を設けた場合には、スリット壁24によって、更に、不透過壁18の下端部よりも低い部分における波又は水流の抜けを部分的に阻害し、河川への高潮位波の到達を少なくとも部分的に防ぎ、減災効果をより一層高めるものとなる。この場合にも、通常時における河川12からの水流は、スリット壁24のスリット24aを抜けて、河口部に面する海域16から沖合へと拡散することとなる。
【0020】
又、図3(a)に示されるように、不透過壁18(及びスリット壁24)が、平面視で沖合に向けて弧を描くように突出する態様で設置されていることで、沖合からの津波襲来方向の如何に係らず、不透過壁18による高潮位波TUの反射作用、又はスリット壁24による、不透過壁18の下端部よりも低い部分における波又は水流の、抜けの阻害作用を奏するものとなる。したがって、河川12への高潮位波TUの到達防止効果を、より一層高めることが可能となる。
【0021】
更に、図3(b)に示されるように、平面視で、沖合に向けて複数列の津波対策工10(10A、10B)を、間隔を空けて複数列設けることとすれば、津波対策工10A、10Bの各々の、不透過壁18による高潮位波TUの反射作用、又は、スリット壁24の各々による、不透過壁18の下端部よりも低い部分における波又は水流の、抜けの阻害作用によって、更なる減災効果を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0022】
10、10A、10B:津波対策工、14:河口部、16:河口部に面する海域、18:不透過壁、20:杭、22:水底、24:スリット壁、24a:スリット、TU:高潮位波
図1
図2
図3