(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像分割手段は、隣り合う前記分割画像同士の境界部分が重なる状態で、前記分割画像を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体物上印刷システム。
前記印刷制御手段は、前記立体物上に前記印刷画像を印刷する場合、前記指定角度毎に、前記ノズル面に直交する方向における前記記録ヘッドおよび前記立体物支持装置の相対的な位置である直交方向位置を、前記指定角度に対して設定されている前記直交方向位置である直交方向設定位置に変更し、
前記立体物上印刷システムは、外部から入力された前記立体物のサイズと、前記指定角度とに基づいてこの指定角度に対する前記直交方向設定位置を設定する直交方向位置設定手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の立体物上印刷システム。
前記印刷制御手段は、前記立体物上に前記印刷画像を印刷する場合、前記指定角度毎に、前記ノズル面に平行な方向における前記記録ヘッドおよび前記立体物支持装置の相対的な位置である平行方向位置を、前記指定角度に対して設定されている前記平行方向位置である平行方向設定位置に変更し、
前記立体物上印刷システムは、外部から入力された前記立体物のサイズと、前記指定角度とに基づいてこの指定角度に対する前記平行方向設定位置を設定する平行方向位置設定手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の立体物上印刷システム。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る立体物上印刷システムのブロック図である。
【
図2】
図1に示すインクジェットプリンターによって画像が印刷される立体物の外観斜視図である。
【
図3】
図1に示すインクジェットプリンターの外観斜視図である。
【
図4】
図3に示す立体物支持装置の外観斜視図である。
【
図5】
図3に示すインクジェットプリンターのブロック図である。
【
図6】
図1に示すコンピューターのブロック図である。
【
図7】
図6に示すコンピューターの動作のフローチャートである。
【
図8】
図6に示す表示部に表示される印刷条件受付画面の一例を示す図である。
【
図9】
図8に示す印刷条件受付画面によって指定される条件で生成される第1分割画像、第2分割画像および第3分割画像の一例を示す図である。
【
図10】(a)は、指定角度が90度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図である。(b)は、指定角度が270度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図である。(c)は、指定角度が0度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図である。
【
図11】指定角度が0度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(c)に示す例とは異なる例を示す図である。
【
図12】(a)は、
図6に示す直交方向位置設定手段による直交方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材の回転の角度が0度である場合の記録ヘッドの近傍の側面図である。(b)は、
図6に示す直交方向位置設定手段による直交方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材の回転の角度が90度である場合の記録ヘッドの近傍の側面図である。
【
図13】(a)は、
図6に示す平行方向位置設定手段による平行方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材の回転の角度が0度である場合の記録ヘッドの近傍の側面図である。(b)は、
図6に示す平行方向位置設定手段による平行方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材の回転の角度が90度である場合の記録ヘッドの近傍の側面図である。
【
図14】(a)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部のうち一方のみに立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が90度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。(b)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部のうち一方のみに立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が270度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。(c)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部のうち一方のみに立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が0度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。
【
図15】(a)は、指定角度が90度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(a)に示す例とは異なる例を示す図である。(b)は、指定角度が270度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(b)に示す例とは異なる例を示す図である。(c)は、指定角度が0度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(c)および
図11に示す例とは異なる例を示す図である。
【
図16】(a)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部のうち一方のみに立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が45度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。(b)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部のうち一方のみに立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が315度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。
【
図17】(a)は、指定角度が90度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(a)および
図15(a)に示す例とは異なる例を示す図である。(b)は、指定角度が270度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(b)および
図15(b)に示す例とは異なる例を示す図である。(c)は、指定角度が0度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図であって、
図10(c)、
図11および
図15(c)に示す例とは異なる例を示す図である。(d)は、指定角度が180度である場合に
図6に示す表示部に表示される角度別印刷プレビュー画面の一例を示す図である。
【
図18】(a)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部の両方に立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が90度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。(b)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部の両方に立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が270度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。(c)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部の両方に立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が0度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。(d)は、
図4に示す立体物支持部の2個の立体物取付部の両方に立体物が取り付けられている場合に軸部材の回転の角度が180度であるときに立体物に印刷が実行されている状態での記録ヘッドの近傍の側面図である。
【
図19】
図2に示す立体物とは異なる立体物が立体物支持部に取り付けられている状態での、
図4に示す軸部材の回転の角度が0度である場合の記録ヘッドの近傍の側面図である。
【
図20】隣り合う分割画像同士が離隔して印刷された場合の
図2に示す立体物の外観斜視図である。
【
図21】隣り合う分割画像同士の境界部分において各分割画像の端に近付くほど濃度が薄くなる状態で、隣り合う分割画像同士の境界部分が重なって印刷された場合の
図2に示す立体物の外観斜視図である。
【
図22】隣り合う分割画像同士の境界部分において濃度が変更されずに、隣り合う分割画像同士の境界部分が重なって印刷された場合の
図2に示す立体物の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
まず、本実施の形態に係る立体物上印刷システムの構成について説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る立体物上印刷システム10のブロック図である。
【0024】
図1に示すように、立体物上印刷システム10は、スマートフォンなどの携帯端末のカバーなどの立体物90(
図2参照。)上に画像を印刷するインクジェットプリンター20と、インクジェットプリンター20に印刷データを入力するコンピューター60とを備えている。インクジェットプリンター20と、コンピューター60とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどのケーブル11を介して互いに通信可能に接続されている。なお、インクジェットプリンター20と、コンピューター60とは、ケーブル11ではなく、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能に接続されていても良い。
【0025】
図2は、インクジェットプリンター20によって画像が印刷される立体物90の外観斜視図である。
【0026】
図2に示すように、立体物90は、主要な面である主面が形成されている主面部90aと、主面と略直交する面であって主面と連なっている第1側面が形成されている第1側面部90bと、主面と略直交する面であって第1側面とは反対側で主面と連なっている第2側面が形成されている第2側面部90cとを備えている。
【0027】
図3は、インクジェットプリンター20の外観斜視図である。
【0028】
図3に示すように、インクジェットプリンター20は、床などの設置場所に設置される設置部21aを備えているテーブル21と、矢印20aで示す主走査方向に延在する本体22と、テーブル21に取り付けられていて立体物90を回転可能に支持する立体物支持装置30とを備えている。
【0029】
テーブル21は、矢印20aで示す主走査方向と直交する矢印20bで示す副走査方向に延在していて本体22を矢印20bで示す副走査方向に移動可能に支持しているガイド機構21bを、矢印20aで示す主走査方向における両側に備えている。また、テーブル21は、立体物支持装置30を搭載している支持装置搭載台21cを備えている。支持装置搭載台21cは、矢印20aで示す主走査方向および矢印20bで示す副走査方向の両方に直交する矢印20cで示す方向に設置部21aに対して移動可能である。
【0030】
本体22は、矢印20aで示す主走査方向に延在しているガイドレール23と、矢印20aで示す主走査方向に移動可能にガイドレール23に支持されているキャリッジ24とを内部に備えている。キャリッジ24は、矢印20cで示す方向において紫外線硬化型のインクをテーブル21に向けて吐出するための複数の記録ヘッド25と、記録ヘッド25によって吐出された紫外線硬化型のインクを硬化させるための紫外線をテーブル21に向けて照射するためのLED(Light Emitting Diode)などの紫外線照射装置26とを搭載している。記録ヘッド25は、インクを吐出する図示していないノズルが形成されているノズル面25aを備えている。
【0031】
図4は、立体物支持装置30の外観斜視図である。
【0032】
図4に示すように、立体物支持装置30は、テーブル21(
図3参照。)の支持装置搭載台21c(
図3参照。)に取り付けられる筐体31と、筐体31に回転可能に支持されている3本の軸部材32と、1本の軸部材32に2個ずつ固定されていて立体物90(
図3参照。)を支持する立体物支持部33と、軸部材32の一端に固定されているプーリー34と、軸部材32が回転するための駆動力を発生させるステッピングモーター35と、ステッピングモーター35の駆動力を3個のプーリー34に同時に伝達するためのタイミングベルト36とを備えている。
【0033】
3本の軸部材32は、矢印20cで示す方向における位置が互いに同一であって矢印20aで示す主走査方向に延在するように、平行に並べられて配置されている。
【0034】
立体物支持部33は、立体物90が取り付けられる2個の立体物取付部33aが軸部材32の中心軸を中心として線対称に配置されている。したがって、立体物支持装置30は、1個の立体物支持部33、すなわち、2個の立体物取付部33aで合計2個の立体物90を支持することができ、1本の軸部材32、すなわち、2個の立体物支持部33で合計4個の立体物90を支持することができ、全体、すなわち、3本の軸部材32で合計12個の立体物90を支持することができる。
【0035】
以下、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち所定の一方に取り付けられている立体物90の主面が記録ヘッド25のノズル面25aと略平行であって、この主面がテーブル21側とは反対側に向いている場合の軸部材32の回転の角度を0度と定義する。また、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち上記一方に取り付けられている立体物90の第2側面が記録ヘッド25のノズル面25aと略平行であって、この第2側面がテーブル21側とは反対側に向いているとともに、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち他方に取り付けられている立体物90の第1側面が記録ヘッド25のノズル面25aと略平行であって、この第1側面がテーブル21側とは反対側に向いている場合の軸部材32の回転の角度を90度と定義する。このように定義した場合、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち上記他方に取り付けられている立体物90の主面が記録ヘッド25のノズル面25aと略平行であって、この主面がテーブル21側とは反対側に向いている場合の軸部材32の回転の角度は180度である。また、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち上記一方に取り付けられている立体物90の第1側面が記録ヘッド25のノズル面25aと略平行であって、この第1側面がテーブル21側とは反対側に向いているとともに、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち上記他方に取り付けられている立体物90の第2側面が記録ヘッド25のノズル面25aと略平行であって、この第2側面がテーブル21側とは反対側に向いている場合の軸部材32の回転の角度は270度である。
【0036】
図5は、インクジェットプリンター20のブロック図である。
【0037】
図5に示すように、インクジェットプリンター20は、上述した記録ヘッド25およびステッピングモーター35と、設置部21a(
図3参照。)に対して支持装置搭載台21c(
図3参照。)を移動させる台駆動部41と、テーブル21(
図3参照。)に対して本体22(
図3参照。)を矢印20b(
図3参照。)で示す副走査方向に移動させる本体駆動部42と、ガイドレール23(
図3参照。)に対してキャリッジ24(
図3参照。)を矢印20a(
図3参照。)で示す主走査方向に移動させるキャリッジ駆動部43と、ケーブル11(
図1参照。)またはネットワークを介してコンピューター60(
図1参照。)などの外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部44と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部45と、インクジェットプリンター20全体を制御する制御部46とを備えている。
【0038】
制御部46は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部45に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0039】
制御部46は、記憶部45に記憶されているプログラムを実行することによって、立体物支持部33(
図4参照。)によって立体物90(
図3参照。)を回転させながら記録ヘッド25によって立体物90に画像を印刷させる印刷制御手段46aとして機能する。印刷制御手段46aは、指定されている角度である指定角度毎に、指定角度で立体物支持部33に立体物90を支持させて、立体物90に印刷される画像である印刷画像から分割されてこの指定角度に対して設定されている画像である分割画像を、この立体物90上に記録ヘッド25によって印刷させる機能を有している。
【0040】
図6は、コンピューター60のブロック図である。
【0041】
図6に示すように、コンピューター60は、種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部61と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部62と、ケーブル11(
図1参照。)またはネットワークを介してインクジェットプリンター20(
図1参照。)などの外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部63と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部64と、コンピューター60全体を制御する制御部65とを備えている。コンピューター60は、例えばPC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
【0042】
記憶部64は、インクジェットプリンター20に立体物90(
図3参照。)上に画像を印刷させるためのプログラムである立体物上印刷用プログラム64aを記憶している。立体物上印刷用プログラム64aは、コンピューター60の製造段階でコンピューター60にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体からコンピューター60に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からコンピューター60に追加でインストールされても良い。
【0043】
制御部65は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部64に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0044】
制御部65は、記憶部64に記憶されている立体物上印刷用プログラム64aを実行することによって、印刷画像を受け付ける画像受付手段65a、画像受付手段65aによって受け付けられた印刷画像を指定角度毎に対応付けて分割して指定角度に対する分割画像を設定する画像分割手段65b、ノズル面25a(
図3参照。)に直交する方向、すなわち、矢印20c(
図3参照。)で示す方向における記録ヘッド25(
図3参照。)および立体物支持装置30(
図3参照。)の相対的な位置である直交方向位置であって、指定角度に対して設定される直交方向設定位置を、指定角度に対して設定する直交方向位置設定手段65c、および、ノズル面25aに平行な方向、すなわち、矢印20b(
図3参照。)で示す副走査方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置である平行方向位置であって、指定角度に対して設定される平行方向設定位置を、指定角度に対して設定する平行方向位置設定手段65dとして機能する。
【0045】
次に、立体物上印刷システム10の動作について説明する。
【0046】
まず、コンピューター60によってインクジェットプリンター20に印刷データが送信されるまでの流れの概要を説明する。
【0047】
図7は、コンピューター60の動作のフローチャートである。
【0048】
コンピューター60の制御部65は、操作部61を介した指示に応じて、立体物上印刷用プログラム64aを起動して、
図7に示す動作を実行する。
【0049】
図7に示すように、制御部65の画像受付手段65aは、操作部61を介した指示に応じて、画像を受け付ける(S201)。例えば、画像受付手段65aは、記憶部64に記憶されている画像、または、通信部63を介して外部の装置から受信した画像を、操作部61を介した指示に応じて受け付けることができる。
【0050】
次いで、制御部65は、画像の印刷時の軸部材32の回転の角度、S201において受け付けられた画像のうちこの角度で印刷される範囲などの種々の印刷条件を、操作部61を介した指示に応じて受け付ける(S202)。
【0051】
次いで、制御部65は、S201において受け付けられた画像と、S202において受け付けられた印刷条件とに基づいて、操作部61を介した指示に応じて印刷データを生成する(S203)。
【0052】
最後に、制御部65は、S203において生成した印刷データを通信部63を介してインクジェットプリンター20に送信して(S204)、
図7に示す動作を終了する。
【0053】
なお、制御部65は、S202において受け付けられた印刷条件を次回以降の印刷において再利用することができるように、記憶部64に記憶するようになっていても良い。
【0054】
次に、S202における印刷条件の受け付けについて詳細に説明する。
【0055】
コンピューター60の制御部65は、操作部61を介した指示に応じて、
図8に示す印刷条件受付画面100を表示部62に表示する。
【0056】
図8は、表示部62に表示される印刷条件受付画面100の一例を示す図である。
【0057】
図8に示すように、印刷条件受付画面100は、印刷画像のサイズのうち矢印20aで示す主走査方向における長さ(以下「印刷画像幅」と言う。)を表示するための印刷画像幅テキストボックス101aと、印刷画像のサイズのうち矢印20bで示す副走査方向における長さ(以下「印刷画像高さ」と言う。)を表示するための印刷画像高さテキストボックス101bとを含んでいる。なお、印刷画像幅テキストボックス101aに表示されている値は、立体物90の主面、第1側面および第2側面の矢印20aで示す主走査方向における長さであり、コンピューター60に予め設定されているこれらの長さによって定まっている。また、印刷画像高さテキストボックス101bに表示されている値は、軸部材32の回転の角度が0度または180度である場合に立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の主面の矢印20bで示す副走査方向における長さと、軸部材32の回転の角度が90度または270度である場合に立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の第1側面の矢印20bで示す副走査方向における長さと、軸部材32の回転の角度が90度または270度である場合に立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の第2側面の矢印20bで示す副走査方向における長さとの合計であり、コンピューター60に予め設定されているこれらの長さによって定まっている。なお、コンピューター60は、例えば、立体物90の各種の長さの情報を立体物90の種類毎に対応付けて含んでいるテンプレートデータを記憶部64に記憶しておき、操作部61を介して立体物90の種類が指定された場合に、このテンプレートデータ中の情報のうち、指定された立体物90の種類に対応付けられている情報を読み込むことによって、立体物90の各種の長さを予め設定するようになっていても良い。
【0058】
また、印刷条件受付画面100は、印刷画像の分割の数を指定するための分割数スピンボックス102を含んでいる。
図8に示す個別設定の欄は、分割数スピンボックス102において指定されている分割の数に応じて設定の項目の数が変更される。分割数スピンボックス102のデフォルト値は、立体物90の種類に応じて予め設定されており、例えば、「3」である。例えば、このデフォルト値は、上述したテンプレートデータに含まれていても良い。以下、分割数スピンボックス102において指定されている分割の数が「3」である場合について説明する。
【0059】
また、印刷条件受付画面100は、印刷画像のうち分割の数である「3」で分割された1つ目の画像である第1分割画像の矢印20bで示す副走査方向における本来の長さ(以下「第1分割画像本来高さ」と言う。)を指定するための第1分割画像高さスピンボックス103aと、第1分割画像が印刷される場合の軸部材32の回転の指定角度を指定するための第1分割画像角度スピンボックス103bと、印刷画像のうち分割の数である「3」で分割された2つ目の画像であって第1分割画像と隣り合う第2分割画像の矢印20bで示す副走査方向における本来の長さ(以下「第2分割画像本来高さ」と言う。)を表示するための第2分割画像高さテキストボックス103cと、第2分割画像が印刷される場合の軸部材32の回転の指定角度を指定するための第2分割画像角度スピンボックス103dと、印刷画像のうち分割の数である「3」で分割された3つ目の画像であって第2分割画像と隣り合う第3分割画像の矢印20bで示す副走査方向における本来の長さ(以下「第3分割画像本来高さ」と言う。)を指定するための第3分割画像高さスピンボックス103eと、第3分割画像が印刷される場合の軸部材32の回転の指定角度を指定するための第3分割画像角度スピンボックス103fとを含んでいる。第1分割画像高さスピンボックス103a、第1分割画像角度スピンボックス103b、第2分割画像高さテキストボックス103c、第2分割画像角度スピンボックス103d、第3分割画像高さスピンボックス103e、第3分割画像角度スピンボックス103fのデフォルト値は、立体物90の種類に応じて予め設定されており、例えば、それぞれ「10」、「270」、「60」、「0」、「10」、「90」である。例えば、これらのデフォルト値は、上述したテンプレートデータに含まれていても良い。
【0060】
なお、
図8に示す印刷条件受付画面100においては、第1分割画像本来高さ、第2分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さの合計が印刷画像高さテキストボックス101bに表示されている値と等しいという前提の下、第1分割画像本来高さ、第2分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さのうち、第1分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さの値を直接的に変更可能にすることによって、第1分割画像本来高さ、第2分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さの全てを変更可能にしているが、これ以外の方法によって第1分割画像本来高さ、第2分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さを変更可能にしていても良い。例えば、立体物90において第1分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さが等しいという前提がある場合、第1分割画像本来高さ、第2分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さのうち、第1分割画像本来高さおよび第3分割画像本来高さの何れか一方の値のみを直接的に変更可能にしていても良い。
【0061】
印刷条件受付画面100は、第1分割画像および第2分割画像の境界部分(以下「第1境界部分」と言う。)の重なりの矢印20bで示す副走査方向における長さ(以下「第1境界部分高さ」と言う。)を指定するための第1境界部分高さスピンボックス104aと、第1分割画像の第1境界部分のうち第2分割画像の端と重なる端の濃度を指定するための濃度スピンボックス104bと、第1分割画像の第1境界部分のうち第1分割画像の端の濃度を指定するための濃度スピンボックス104cと、第2分割画像の第1境界部分のうち第1分割画像の端と重なる端の濃度を指定するための濃度スピンボックス104dと、第2分割画像の第1境界部分のうち第2分割画像の端の濃度を指定するための濃度スピンボックス104eとを含んでいる。濃度スピンボックス104c、104eは、それぞれ濃度スピンボックス104b、104d以下の値のみが指定可能である。第1境界部分高さスピンボックス104a、濃度スピンボックス104b、104c、104d、104eのデフォルト値は、立体物90の種類に応じて予め設定されている。例えば、これらのデフォルト値は、上述したテンプレートデータに含まれていても良い。
【0062】
また、印刷条件受付画面100は、第2分割画像および第3分割画像の境界部分(以下「第2境界部分」と言う。)の重なりの矢印20bで示す副走査方向における長さ(以下「第2境界部分高さ」と言う。)を指定するための第2境界部分高さスピンボックス105aと、第2分割画像の第2境界部分のうち第3分割画像の端と重なる端の濃度を指定するための濃度スピンボックス105bと、第2分割画像の第2境界部分のうち第2分割画像の端の濃度を指定するための濃度スピンボックス105cと、第3分割画像の第2境界部分のうち第2分割画像の端と重なる端の濃度を指定するための濃度スピンボックス105dと、第3分割画像の第2境界部分のうち第3分割画像の端の濃度を指定するための濃度スピンボックス105eとを含んでいる。濃度スピンボックス105c、105eは、それぞれ濃度スピンボックス105b、105d以下の値のみが指定可能である。第2境界部分高さスピンボックス105a、濃度スピンボックス105b、105c、105d、105eのデフォルト値は、立体物90の種類に応じて予め設定されている。例えば、これらのデフォルト値は、上述したテンプレートデータに含まれていても良い。
【0063】
また、印刷条件受付画面100は、印刷内容を疑似的に表示するプレビュー領域106を含んでいる。プレビュー領域106は、印刷画像幅テキストボックス101aおよび印刷画像高さテキストボックス101bで表示されている印刷画像のサイズを表す印刷画像枠106aと、第1分割画像高さスピンボックス103aで指定されている第1境界部分の中心線を表す第1境界中心線106bと、第3分割画像高さスピンボックス103eで指定されている第2境界部分の中心線を表す第2境界中心線106cと、
図7に示すS201において利用者によって入力された画像106dとを含んでいる。利用者は、画像106dのうち印刷画像枠106a内に収まる部分を変更するようにプレビュー領域106内で画像106dの位置およびサイズを操作部61を介して変更することができる。
【0064】
画像106dのうち印刷画像枠106a内に収まる部分は、
図7に示すS203において印刷データが生成される場合に、画像受付手段65aによって印刷画像として受け付けられる部分である。ここで、画像受付手段65aによって受け付けられた印刷画像は、S203において印刷データが生成される場合に、第1分割画像角度スピンボックス103bにおいて指定されている指定角度と、第2分割画像角度スピンボックス103dにおいて指定されている指定角度と、第3分割画像角度スピンボックス103fにおいて指定されている指定角度とのそれぞれに対して、印刷条件受付画面100における種々の設定に応じて画像分割手段65bによって分割される。そして、このようにして分割された画像は、指定角度のそれぞれに対する分割画像として画像分割手段65bによって設定される。指定角度に対する分割画像は、S201において受け付けられた画像のうちこの指定角度で印刷される範囲の部分である。
【0065】
図9は、印刷条件受付画面100によって指定される条件で生成される第1分割画像111、第2分割画像112および第3分割画像113の一例を示す図である。なお、
図9において、破線は、説明のために描いており、実際の画像には含まれていない。
【0066】
図9に示すように、第1分割画像111は、矢印20bで示す副走査方向における長さ111aが、第1分割画像高さスピンボックス103aによって指定されている第1分割画像本来高さ111bと比較して、第1境界部分高さスピンボックス104aによって指定されている第1境界部分高さ114の半分の長さだけ長い。第1分割画像111は、第1境界部分のうち第2分割画像112の端112dと重なる端111cの濃度が濃度スピンボックス104bで指定された濃度になり、第1境界部分のうち第1分割画像111の端111dの濃度が濃度スピンボックス104cで指定された濃度になるように、第1境界部分において端111dに近付くほど濃度が薄くなっている。
【0067】
第2分割画像112は、矢印20bで示す副走査方向における長さ112aが、第2分割画像高さテキストボックス103cに表示されている第2分割画像本来高さ112bと比較して、第1境界部分高さスピンボックス104aによって指定されている第1境界部分高さ114の半分の長さと、第2境界部分高さスピンボックス105aによって指定されている第2境界部分高さ115の半分の長さとの合計の長さだけ長い。第2分割画像112は、第1境界部分のうち第1分割画像111の端111dと重なる端112cの濃度が濃度スピンボックス104dで指定された濃度になり、第1境界部分のうち第2分割画像112の端112dの濃度が濃度スピンボックス104eで指定された濃度になるように、第1境界部分において端112dに近付くほど濃度が薄くなっている。第2分割画像112は、第2境界部分のうち第3分割画像113の端113dと重なる端112eの濃度が濃度スピンボックス105bで指定された濃度になり、第2境界部分のうち第2分割画像112の端112fの濃度が濃度スピンボックス105cで指定された濃度になるように、第2境界部分において端112fに近付くほど濃度が薄くなっている。
【0068】
第3分割画像113は、矢印20bで示す副走査方向における長さ113aが、第3分割画像高さスピンボックス103eによって指定されている第3分割画像本来高さ113bと比較して、第2境界部分高さスピンボックス105aによって指定されている第2境界部分高さ115の半分の長さだけ長い。第3分割画像113は、第2境界部分のうち第2分割画像112の端112fと重なる端113cの濃度が濃度スピンボックス105dで指定された濃度になり、第2境界部分のうち第3分割画像113の端113dの濃度が濃度スピンボックス105eで指定された濃度になるように、第2境界部分において端113dに近付くほど濃度が薄くなっている。
【0069】
なお、各分割画像は、境界部分における濃度を低減する場合、面積当たりのドットの占める割合であるデューティーを低減する、すなわち、ドットの抜けを生成することによって濃度の低減を実現している。画像分割手段65bは、ドットの有無を決定するために画像データを2値化する際の閾値を変化させることによって、各分割画像の境界部分における濃度の低減を実現することができる。また、他の方法として、画像分割手段65bは、立体物90に印刷された画像において分割画像同士の境界部分でドットの抜けが発生することを防止するために、隣り合う分割画像同士で相互にドットの抜けを補い合うように、各分割画像の境界部分における濃度の低減を実現することもできる。隣り合う分割画像同士で相互にドットの抜けを補い合うように境界部分における濃度の低減を実現する場合に、各分割画像の境界部分における濃度の合計が100%を超えるとき、100%を超える部分のドットの配置の方法としては、画像のうち黒、シアンなどの濃い色の画素のドットを増やす方法、画像のランダムな画素のドットを増やす方法など、種々の方法が採用されることが可能である。
【0070】
コンピューター60の制御部65は、立体物上印刷用プログラム64aを起動している場合、操作部61を介した指示に応じて、表示部62に
図10に示す角度別印刷プレビュー画面120を表示する。
【0071】
図10(a)は、指定角度が90度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図である。
図10(b)は、指定角度が270度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図である。
図10(c)は、指定角度が0度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図である。
【0072】
制御部65は、第1分割画像角度スピンボックス103bに指定されている指定角度と、第2分割画像角度スピンボックス103dに指定されている指定角度と、第3分割画像角度スピンボックス103fに指定されている指定角度とのうち、操作部61を介して選択された角度に対する角度別印刷プレビュー画面120を表示部62に表示させる。角度別印刷プレビュー画面120は、6個の立体物支持部33に取り付けられている立体物90に印刷される場合の各分割画像の様子を利用者に認識させることができる。
【0073】
なお、
図8に示す印刷条件受付画面100には、各分割画像の四隅のそれぞれに対して、角丸にするか否かという設定と、この角丸の半径の設定とを実行するためのGUI(Graphical User Interface)が含まれていても良い。
【0074】
図11は、指定角度が0度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図11に示す例とは異なる例を示す図である。
【0075】
例えば、第2分割画像112の四隅を角丸にするように設定されている場合、
図7に示すS203における印刷データの生成において、
図11に示すような第2分割画像112が生成される。立体物90の印刷面の隅が角丸である場合、隅が直角である分割画像がその印刷面に印刷されることによって、印刷時に立体物90の印刷面の隅からインクがはみ出して立体物90、立体物支持装置30などを汚してしまうことがある。しかしながら、立体物90の印刷面の隅が角丸である場合、隅が同様に角丸である分割画像がその印刷面に印刷されることによって、印刷時に立体物90の印刷面の隅からインクがはみ出して立体物90、立体物支持装置30などを汚してしまう可能性を低減することができる。
【0076】
次に、
図7に示すS203における印刷データの生成について説明する。
【0077】
S203における印刷データの生成において、制御部65の画像受付手段65aは、上述したように、印刷画像を受け付ける。
【0078】
また、S203における印刷データの生成において、制御部65の画像分割手段65bは、上述したように、画像受付手段65aによって受け付けられた印刷画像を指定角度毎に対応付けて分割して指定角度に対する分割画像を設定する。
【0079】
また、S203における印刷データの生成において、制御部65の直交方向位置設定手段65cは、指定角度に対して直交方向設定位置を設定する。
【0080】
図12(a)は、直交方向位置設定手段65cによる直交方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材32の回転の角度が0度である場合の記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図12(b)は、直交方向位置設定手段65cによる直交方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材32の回転の角度が90度である場合の記録ヘッド25の近傍の側面図である。
【0081】
図12(a)に示すように、軸部材32の回転の角度が0度である場合、軸部材32の中心軸から記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離131aは、軸部材32の中心軸から立体物取付部33aのうち立体物90の主面部90aの取り付け面までの矢印20cで示す方向における距離131bと、立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の主面部90aの厚み131cと、立体物90の主面部90aから記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離131dとの合計である。ここで、距離131aは、直交方向設定位置の設定に応じて変更される値である。また、距離131bは、立体物支持部33に応じた一定の値である。また、厚み131cは、立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターであるので、例えば操作部61を介して入力されることが可能である値である。したがって、直交方向位置設定手段65cは、軸部材32の回転の角度が0度である場合、立体物90の主面部90aから記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離131dがインクジェットプリンター20におけるインクの飛翔に適切な距離(例えば2mm)になるように、外部から入力された立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターである厚み131cに基づいて、直交方向設定位置を適切に設定することができる。
【0082】
また、
図12(b)に示すように、軸部材32の回転の角度が90度である場合、軸部材32の中心軸から記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離131aは、軸部材32の中心軸から立体物取付部33aのうち立体物90の第2側面部90cの取り付け面までの矢印20cで示す方向における距離132bと、立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の第2側面部90cの厚み132cと、立体物90の第2側面部90cから記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離132dとの合計である。ここで、距離131aは、直交方向設定位置の設定に応じて変更される値である。また、距離132bは、立体物支持部33に応じた一定の値である。また、厚み132cは、立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターであるので、例えば操作部61を介して入力されることが可能である値である。したがって、直交方向位置設定手段65cは、軸部材32の回転の角度が90度である場合、立体物90の第2側面部90cから記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離132dがインクジェットプリンター20におけるインクの飛翔に適切な距離になるように、外部から入力された立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターである厚み132cに基づいて、直交方向設定位置を適切に設定することができる。なお、軸部材32の回転の角度が90度である場合において立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の主面部90aの矢印20cで示す方向における長さ132eの半分である距離132fと、距離132dとの合計が距離131aであると捉えることもできる。ここで、長さ132eは、立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターであるので、例えば操作部61を介して入力されることが可能である値である。したがって、直交方向位置設定手段65cは、軸部材32の回転の角度が90度である場合、立体物90の第2側面部90cから記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離132dがインクジェットプリンター20におけるインクの飛翔に適切な距離になるように、外部から入力された立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターである長さ132eに基づいて、直交方向設定位置を適切に設定することができる。
【0083】
以上においては、軸部材32の回転の角度が0度である場合と、軸部材32の回転の角度が90度である場合とについて説明している。しかしながら、直交方向位置設定手段65cは、軸部材32の回転の角度が0度および90度以外の角度である場合も同様に、立体物90から記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離がインクジェットプリンター20におけるインクの飛翔に適切な距離になるように、外部から入力された立体物90のサイズに基づいて、直交方向設定位置を適切に設定することができる。すなわち、直交方向位置設定手段65cは、外部から入力された立体物90のサイズと、指定角度とに基づいてこの指定角度に対する直交方向設定位置を設定することができる。
【0084】
S203における印刷データの生成において、制御部65の平行方向位置設定手段65dは、指定角度に対して平行方向設定位置を設定する。
【0085】
図13(a)は、平行方向位置設定手段65dによる平行方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材32の回転の角度が0度である場合の記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図13(b)は、平行方向位置設定手段65dによる平行方向設定位置の設定の方法を説明するための図であって、軸部材32の回転の角度が90度である場合の記録ヘッド25の近傍の側面図である。
【0086】
図13(a)に示すように、軸部材32の回転の角度が0度である場合、立体物90の主面部90aのうち矢印20bで示す副走査方向において記録ヘッド25のノズル面25aの中心から最も遠い端と、記録ヘッド25のノズル面25aの中心との矢印20bで示す副走査方向における距離133aは、軸部材32の中心軸から記録ヘッド25のノズル面25aの中心までの矢印20bで示す副走査方向における距離133bと、軸部材32の中心軸から立体物取付部33aのうち立体物90の第1側面部90bの取り付け面までの矢印20bで示す副走査方向における距離133cと、立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の第1側面部90bの厚み133dとの合計である。ここで、距離133bは、平行方向設定位置の設定に応じて変更される値である。また、距離133cは、立体物支持部33に応じた一定の値である。また、厚み133dは、立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターであるので、例えば操作部61を介して入力されることが可能である値である。したがって、平行方向位置設定手段65dは、軸部材32の回転の角度が0度である場合、立体物90の主面への画像の印刷時に矢印20bで示す副走査方向において立体物90の主面部90aと、記録ヘッド25とを適切に位置合わせすることができるように、外部から入力された立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターである厚み133dに基づいて、平行方向設定位置を適切に設定することができる。なお、軸部材32の回転の角度が0度である場合において立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の主面部90aの矢印20bで示す副走査方向における長さ132eの半分である距離132fと、距離133bとの合計が距離133aであると捉えることもできる。ここで、長さ132eは、立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターであるので、例えば操作部61を介して入力されることが可能である値である。したがって、平行方向位置設定手段65dは、軸部材32の回転の角度が0度である場合、立体物90の主面への画像の印刷時に矢印20bで示す副走査方向において立体物90の主面部90aと、記録ヘッド25とを適切に位置合わせすることができるように、外部から入力された立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターである長さ132eに基づいて、平行方向設定位置を適切に設定することができる。
【0087】
また、
図13(b)に示すように、軸部材32の回転の角度が90度である場合、立体物90の第2側面部90cのうち矢印20bで示す副走査方向において記録ヘッド25のノズル面25aの中心から最も遠い端と、記録ヘッド25のノズル面25aの中心との矢印20bで示す副走査方向における距離134aは、軸部材32の中心軸から記録ヘッド25のノズル面25aの中心までの矢印20bで示す副走査方向における距離133bと、軸部材32の中心軸から立体物取付部33aのうち立体物90の主面部90aの取り付け面までの矢印20bで示す副走査方向における距離131bと、立体物取付部33aに取り付けられている立体物90の主面部90aの厚み131cとの合計である。ここで、距離133bは、平行方向設定位置の設定に応じて変更される値である。また、距離131bは、立体物支持部33に応じた一定の値である。また、厚み131cは、立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターであるので、例えば操作部61を介して入力されることが可能である値である。したがって、平行方向位置設定手段65dは、軸部材32の回転の角度が90度である場合、立体物90の第2側面への画像の印刷時に矢印20bで示す副走査方向において立体物90の第2側面部90cと、記録ヘッド25とを適切に位置合わせすることができるように、外部から入力された立体物90のサイズのうちの1つのパラメーターである厚み131cに基づいて、平行方向設定位置を適切に設定することができる。
【0088】
以上においては、軸部材32の回転の角度が0度である場合と、軸部材32の回転の角度が90度である場合とについて説明している。しかしながら、平行方向位置設定手段65dは、軸部材32の回転の角度が0度および90度以外の角度である場合も同様に、立体物90への画像の印刷時に矢印20bで示す副走査方向において立体物90と、記録ヘッド25とを適切に位置合わせすることができるように、外部から入力された立体物90のサイズに基づいて、平行方向設定位置を適切に設定することができる。すなわち、平行方向位置設定手段65dは、外部から入力された立体物90のサイズと、指定角度とに基づいてこの指定角度に対する平行方向設定位置を設定することができる。
【0089】
制御部65は、S203における印刷データの生成において、画像分割手段65bによって指定角度に対して設定された分割画像と、直交方向位置設定手段65cによって指定角度に対して設定された直交方向設定位置と、平行方向位置設定手段65dによって指定角度に対して設定された平行方向設定位置とを含む印刷データを指定角度毎に生成する。
【0090】
次に、コンピューター60によって送信されてきた印刷データに基づいて立体物90に印刷を実行する場合のインクジェットプリンター20の動作について説明する。
【0091】
インクジェットプリンター20の制御部46の印刷制御手段46aは、通信部44を介して受信した指定角度毎の印刷データに基づいて立体物90に印刷を実行する。
【0092】
まず、印刷制御手段46aは、軸部材32の回転の角度が印刷データに含まれる指定角度になるように、ステッピングモーター35を制御する。これによって、記録ヘッド25のノズル面25aに対する立体物90の角度が変更される。
【0093】
次に、印刷制御手段46aは、印刷データに含まれる直交方向設定位置に基づいて台駆動部41を制御することによって、記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を適切に変更する。したがって、利用者によって立体物支持装置30に予め取り付けられていた立体物90から記録ヘッド25のノズル面25aまでの矢印20cで示す方向における距離は、インクジェットプリンター20におけるインクの飛翔に適切な距離になる。
【0094】
次に、印刷制御手段46aは、印刷データに基づいて記録ヘッド25、本体駆動部42およびキャリッジ駆動部43を制御することによって、立体物支持装置30に取り付けられている立体物90に、印刷データに含まれる分割画像を印刷する。ここで、印刷制御手段46aは、立体物90と、記録ヘッド25のノズル面25aとの矢印20bで示す副走査方向における距離を印刷データに含まれる平行方向設定位置に基づいて適切に把握しながら、本体駆動部42を制御することによって立体物90と、記録ヘッド25のノズル面25aとの矢印20bで示す副走査方向における位置を適切に変更する。
【0095】
印刷制御手段46aは、以上の一連の処理を、指定角度毎の印刷データのそれぞれについて、順次実行する。
【0096】
図14(a)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち一方のみに立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が90度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図14(b)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち一方のみに立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が270度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図14(c)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち一方のみに立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が0度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
【0097】
印刷制御手段46aは、通信部44を介して受信した指定角度毎の印刷データに基づいて、
図14(a)に示すように指定角度が90度である場合の立体物90の第2側面部90cへの印刷と、
図14(b)に示すように指定角度が270度である場合の立体物90の第1側面部90bへの印刷と、
図14(c)に示すように指定角度が0度である場合の立体物90の主面部90aへの印刷とを、この順番で実行する。このように、印刷制御手段46aは、主面部90aへの印刷を最後に実行することによって、第2側面部90cへの印刷と、第1側面部90bへの印刷とによって主面部90aに不要なインクが付いていたとしても、最後の主面部90aへの印刷によって主面部90aを上書きすることによって、主面部90aへの印刷の質を向上することができる。このような印刷の順序は、主面部90aへの印刷の質を向上する上で有益であるが、S202における印刷条件の受け付けにおいて変更されることも可能である。印刷の順序は、立体物90の種類に応じて上述した順序が予め設定されていても良い。例えば、この順序は、上述したテンプレートデータに含まれていても良い。
【0098】
以上においては、6個の立体物支持部33のそれぞれに取り付けられた立体物90に対して同一の画像が印刷される例について説明している。しかしながら、コンピューター60は、S201において複数の画像を受け付けた場合、6個の立体物支持部33のそれぞれに取り付けられた立体物90に対して、互いに異なる画像をインクジェットプリンター20に印刷させることができる。
【0099】
図15(a)は、指定角度が90度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図10(a)に示す例とは異なる例を示す図である。
図15(b)は、指定角度が270度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図10(b)に示す例とは異なる例を示す図である。
図15(c)は、指定角度が0度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図10(c)および
図11に示す例とは異なる例を示す図である。
【0100】
コンピューター60は、S201において複数の画像を受け付けた場合、
図15に示すように、6個の立体物支持部33のそれぞれに取り付けられた立体物90に対して、互いに異なる画像をインクジェットプリンター20に印刷させることができる。何れの画像を何れの立体物90に印刷させるかは、S202における印刷条件の受け付けにおいて設定されることができる。立体物上印刷システム10は、6個の立体物支持部33のそれぞれに取り付けられた立体物90に対して互いに異なる画像を印刷する場合、印刷されている画像のデザインが異なる複数の立体物90を一度に生成することができる。
【0101】
以上においては、分割数スピンボックス102において分割の数が「3」であると指定されている場合の印刷について説明している。しかしながら、分割数スピンボックス102において指定される分割の数は、「3」以外の数であっても良い。
【0102】
図16(a)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち一方のみに立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が45度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図16(b)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち一方のみに立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が315度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
【0103】
例えば、分割数スピンボックス102において分割の数が「5」であると指定されていて、印刷画像のうち分割の数である「5」で分割された5個の分割画像が印刷される場合の軸部材32の回転の指定角度がそれぞれ90度、45度、0度、315度、270度であるとき、インクジェットプリンター20の制御部46の印刷制御手段46aは、通信部44を介して受信した指定角度毎の印刷データに基づいて、例えば、
図14(a)に示すように指定角度が90度である場合の立体物90の第2側面部90cへの印刷と、
図14(b)に示すように指定角度が270度である場合の立体物90の第1側面部90bへの印刷と、
図16(a)に示すように指定角度が45度である場合の立体物90の第2側面部90cおよび主面部90aへの印刷と、
図16(b)に示すように指定角度が315度である場合の立体物90の第1側面部90bおよび主面部90aへの印刷と、
図14(c)に示すように指定角度が0度である場合の立体物90の主面部90aへの印刷とを、この順番で実行する。立体物上印刷システム10は、分割の数が多いほど、適切な角度で立体物90に画像を印刷することができるので、立体物90上の印刷の質を向上することができる。
【0104】
以上においては、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aのうち一方のみに立体物90が取り付けられている場合の印刷について説明している。しかしながら、立体物上印刷システム10は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合についても同様に印刷を実行することができる。
【0105】
図17(a)は、指定角度が90度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図10(a)および
図15(a)に示す例とは異なる例を示す図である。
図17(b)は、指定角度が270度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図10(b)および
図15(b)に示す例とは異なる例を示す図である。
図17(c)は、指定角度が0度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図であって、
図10(c)、
図11および
図15(c)に示す例とは異なる例を示す図である。
図17(d)は、指定角度が180度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120の一例を示す図である。
【0106】
図18(a)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が90度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図18(b)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が270度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図18(c)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が0度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
図18(d)は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合に軸部材32の回転の角度が180度であるときに立体物90に印刷が実行されている状態での記録ヘッド25の近傍の側面図である。
【0107】
立体物上印刷システム10は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの一方に取り付けられている立体物90(以下「一方側立体物」と言う。)に対する印刷条件については上述した通りに設定するが、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの他方に取り付けられている立体物90(以下「他方側立体物」と言う。)に対する印刷条件については指定角度を自動的にオフセットして設定する。例えば、分割の数が「3」であり、指定角度が90度、0度、270度である場合、一方側立体物に印刷される画像の分割画像をそれぞれ第1分割画像111、第2分割画像112、第3分割画像113とし、他方側立体物に印刷される画像の分割画像をそれぞれ第1分割画像121、第2分割画像122、第3分割画像123とすると、指定角度が90度、270度、0度、180度である場合に表示部62に表示される角度別印刷プレビュー画面120は、それぞれ
図17(a)、
図17(b)、
図17(c)、
図17(d)に示す画面のようになる。
図17においては、理解を容易にするために、一方側立体物に印刷される画像を立体物支持部33によらず同一の図柄としており、他方側立体物に印刷される画像を立体物支持部33によらず同一の図柄としている。
図17に示す分割画像が設定されている場合、インクジェットプリンター20の制御部46の印刷制御手段46aは、通信部44を介して受信した指定角度毎の印刷データに基づいて、例えば、
図18(a)に示すように指定角度が90度である場合の一方側立体物91の第2側面部90cおよび他方側立体物92の第1側面部90bへの印刷と、
図18(b)に示すように指定角度が270度である場合の一方側立体物91の第1側面部90bおよび他方側立体物92の第2側面部90cへの印刷と、
図18(c)に示すように指定角度が0度である場合の一方側立体物91の主面部90aへの印刷と、
図18(d)に示すように指定角度が180度である場合の他方側立体物92の主面部90aへの印刷とを、この順番で実行する。立体物上印刷システム10は、立体物支持部33の2個の立体物取付部33aの両方に立体物90が取り付けられている場合についても、全ての立体物90に対して異なる画像を印刷することができるし、任意の分割の数で画像を印刷することができる。
【0108】
以上においては、
図2に示すように、主面が形成されている主面部90aと、主面と略直交する面であって主面と連なっている第1側面が形成されている第1側面部90bと、主面と略直交する面であって第1側面とは反対側で主面と連なっている第2側面が形成されている第2側面部90cとを備えている立体物90への印刷について説明している。しかしながら、立体物上印刷システム10は、任意の形状の立体物に印刷を実行することができる。
【0109】
図19は、
図2に示す立体物90とは異なる立体物が立体物支持部33に取り付けられている状態での、軸部材32の回転の角度が0度である場合の記録ヘッド25の近傍の側面図である。
【0110】
例えば、立体物上印刷システム10は、
図19に示すように全体的に曲面で形成されている立体物93の表面93aに印刷を実行することができる。立体物上印刷システム10は、全体的に曲面で形成されている立体物93の表面93aに印刷を実行する場合にも、任意の数で印刷画像を分割した分割画像を立体物93上に印刷することができる。
【0111】
以上に説明したように、立体物上印刷システム10は、ノズル面25aに対する立体物90の支持の角度と、ノズル面25aに対して立体物90がその角度で支持されている場合に立体物90に印刷される画像とを自動的に変更して印刷するので、立体物90上への複数の方向からの画像の印刷を従来より容易化することができる。
【0112】
また、立体物上印刷システム10は、立体物90に印刷される画像を複数の指定角度に対して自動的に分割するので、立体物90上への複数の方向からの画像の印刷を従来より容易化することができる。
【0113】
図20は、隣り合う分割画像同士が離隔して印刷された場合の立体物90の外観斜視図である。
図21は、隣り合う分割画像同士の境界部分において各分割画像の端に近付くほど濃度が薄くなる状態で、隣り合う分割画像同士の境界部分が重なって印刷された場合の立体物90の外観斜視図である。
【0114】
立体物上印刷システム10は、隣り合う分割画像同士の境界部分が重ならずに立体物90上に各分割画像が印刷される場合、
図20に示すように、隣り合う分割画像同士が印刷時の各種の誤差によって離隔して立体物90上に印刷されて、隣り合う分割画像同士の間に不自然な切れ目94が発生する可能性がある。しかしながら、立体物上印刷システム10は、
図9に示すように隣り合う分割画像同士の境界部分が重なって立体物90上に各分割画像が印刷されるので、隣り合う分割画像同士が印刷時の各種の誤差によって離隔して立体物90上に印刷されることを防止することができ、結果として、隣り合う分割画像同士の間に不自然な切れ目94が発生することを防止することができる。したがって、立体物上印刷システム10は、隣り合う分割画像同士の境界部分が重ならずに立体物90上に各分割画像が印刷される構成と比較して、
図21に示すように立体物90上の印刷の質を向上することができる。
【0115】
図22は、隣り合う分割画像同士の境界部分において濃度が変更されずに、隣り合う分割画像同士の境界部分が重なって印刷された場合の立体物90の外観斜視図である。
【0116】
立体物上印刷システム10は、隣り合う分割画像同士の境界部分において濃度が変更されずに立体物90上に各分割画像が印刷される場合、
図22に示すように、隣り合う分割画像同士の境界部分のうち互いに重なっている部分が他の部分より著しく濃度が濃くなる状態で立体物90上に各分割画像が印刷されて、隣り合う分割画像同士の境界部分のうち互いに重なっている部分に画像の不自然な変り目95が発生する可能性がある。しかしながら、立体物上印刷システム10は、
図9に示すように隣り合う分割画像同士の境界部分において各分割画像の端に近付くほど濃度が薄くなる状態で立体物90上に各分割画像が印刷されるので、隣り合う分割画像同士の境界部分のうち互いに重なっている部分が他の部分より著しく濃度が濃くなることによる画像の不自然な変り目95の発生を防止することができる。したがって、立体物上印刷システム10は、隣り合う分割画像同士の境界部分において濃度が変更されずに立体物90上に各分割画像が印刷される構成と比較して、
図21に示すように立体物90上の印刷の質を向上することができる。
【0117】
また、立体物上印刷システム10は、ノズル面25aに直交する方向、すなわち、矢印20cで示す方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を、立体物90のサイズと、指定角度とに応じた適切な位置に自動的に変更するので、矢印20cで示す方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を指定角度毎に利用者が入力しなければならない構成と比較して、立体物90上への複数の方向からの画像の印刷を容易化することができる。なお、立体物上印刷システム10は、矢印20cで示す方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を指定角度毎に利用者が入力しなければならない構成であっても良い。
【0118】
また、立体物上印刷システム10は、ノズル面25aに平行な方向、すなわち、矢印20bで示す副走査方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を、立体物90のサイズと、指定角度とに応じた適切な位置に自動的に変更するので、矢印20bで示す副走査方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を指定角度毎に利用者が入力しなければならない構成と比較して、立体物90上への複数の方向からの画像の印刷を容易化することができる。なお、立体物上印刷システム10は、矢印20bで示す副走査方向における記録ヘッド25および立体物支持装置30の相対的な位置を指定角度毎に利用者が入力しなければならない構成であっても良い。
【0119】
立体物上印刷システム10は、本実施の形態において、インクジェットプリンター20の制御部46と、コンピューター60の制御部65との協働によって立体物90への画像の印刷を実行している。しかしながら、本実施の形態におけるコンピューター60の制御部65の機能の少なくとも一部は、インクジェットプリンター20の制御部46によって実現されるようになっていても良い。
【0120】
インクジェットプリンター20は、本実施の形態において、矢印20cで示す方向における記録ヘッド25および立体物90の相対的な位置を、設置部21aに対する支持装置搭載台21cの移動による設置部21aに対する立体物支持装置30の移動によって変更するようになっている。しかしながら、インクジェットプリンター20は、矢印20cで示す方向における記録ヘッド25および立体物90の相対的な位置を、設置部21aに対する記録ヘッド25の移動によって変更するようになっていても良い。
【0121】
インクジェットプリンター20は、本実施の形態において紫外線硬化型のインクによって画像を印刷する装置であるが、例えばソルベントインクなど、紫外線硬化型のインク以外のインクによって画像を印刷する装置であっても良い。