(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサ(104)は更に、前記光方向に加えて第2の光方向に基づいて前記ボリューム・レンダリング画像(402)に陰影付けするように構成されている、請求項1記載のシステム(100)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳しい説明では、明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面には、実施することのできる複数の特定の実施形態を例示のために示す。これらの実施形態は、それらの実施形態を当業者が実施できる程度に充分詳しく説明するが、当然のことであるが、他の実施形態を利用することができ、またこれらの実施形態の範囲から逸脱せずに論理的、機械的、電気的及び他の変更を行うことができる。従って、以下の詳しい説明は、本発明の範囲を制限するものと取るべきではない。
【0013】
図1は、一実施形態に従って体積測定すなわち3Dデータと相互作用するためのシステムの概略図である。システム100は、メモリ102、プロセッサ104、ユーザー入力106、及び表示装置108を含む。メモリ102は、限定するものではないが、ハードディスク、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、コンパクト・ディスク(CD)、コンパクト・ディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)を含めて、ディジタル・データを記憶するための任意の既知の媒体を含むことができる。プロセッサ104はメモリに通信接続される。プロセッサ104は、1つ以上の別々の処理装置を含むことができる。例えば、プロセッサ104は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、グラフィック処理装置(GPU)、又は特定の論理命令に従って入りされたデータを処理する任意の他の電子装置を含むことができる。プロセッサにGPUを含めることは、大きな3Dデータセットのボリューム・レンダリングのような計算集中型演算にとって有利と考えられる。実施形態によっては、メモリ102はプロセッサ104と同一場所に配置することができる。しかしながら、他の実施形態によれば、メモリ102は、プロセッサ104に対して離れた場所に配置し、また無線ネットワーク、インターネット又はイントラネットを含む技術を介してアクセスすることができる。
【0014】
ユーザー入力106がプロセッサ104に通信接続される。ユーザー入力106は、模範的な一実施形態によれば、トラックボール及び1つ以上のボタンを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、ユーザー入力106は、マウス、トラック・パッド、タッチス・クリーン、回転式制御器、或いは定められた機能を持つハード又はソフト・キーの組合せの内の1つ以上を含むことができる。表示装置108が同様にプロセッサ104に通信接続される。表示装置108は、モニタ又は表示装置、例えば、モニタ、LCDスクリーン、LEDスクリーン、投影機、又はボリューム・レンダリング画像を表示するのに適した任意の他の装置を含むことができる。他の実施形態では、2つ以上のLEDスクリーンのような複数の表示装置を含むことができる。
【0015】
システム100は、随意選択により、1つ以上の3Dデータセットを取得するように構成された取得装置110を含むことができる。取得装置110は、3Dデータを取得するように構成された任意の装置を含むことができる。例えば、取得装置110は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴断層撮影(MR)システム、超音波システム、核医学システム、陽電子放出断層撮影(PET)システム、又は光学的イメージングのような3Dデータを取得することのできる任意の他のイメージング・モダリティのような、医用イメージング装置を含むことができる。他の実施形態によれば、取得システムは、3Dデータを取得することのできる非医用装置を含むことができる。他の実施形態によれば、システム100は、システム100とは別個の装置により取得され又は生成された1つ以上の3Dデータセットを受け取ることができる。
【0016】
図2は、一実施形態に従ってボリューム・レンダリング画像を作成するために用いることのできる幾何学的構成を表す概略図である。
図2は、3Dデータセット150及び観察平面154を含む。
【0017】
図1及び
図2の両方を参照して説明すると、プロセッサ104は、多数の異なる技術に従ってボリューム・レンダリング画像を作成することができる。模範的な一実施形態によれば、プロセッサ104は、観察平面154からのレイ・キャスティング技術によりボリューム・レンダリング画像を作成することができる。プロセッサ104は、観察平面154から3Dデータセット150へ複数の平行な射線を投射することができる。
図2は、観察平面154と境を接する射線156、射線158、射線160及び射線162を示している。当然ことながら、観察平面154内の全ての画素163に値を割り当てるために追加の射線を投射することができる。3Dデータセット150はボクセル・データを有し、各々のボクセル、すなわち、ボリューム(体積)要素には、値又は強度が割り当てられる。実施形態によっては、各ボクセルには、不透明度を割り当てることもできる。一実施形態によれば、プロセッサ104は、射線が交差する観察平面154内の各画素に値を割り当てるために、ボリューム組成について標準的な「前から後へ」の技術を使用することができる。例えば、そこから画像を観察する方向である前方から始めて、対応する射線に沿った全てのボクセルの強度を合算することができる。次いで、随意選択により、射線に沿ったボクセルに対応する不透明度を該強度に乗算して、不透明度で重み付けした値を生成することができる。これらの不透明度で重み付けした値は、次いで、各々の射線163に沿って前後方向に累算される。この処理は、ボリューム・レンダリング画像を作成するために、観察平面154内の各々の画素163について繰り返される。一実施形態によれば、観察平面154からの画素値を、ボリューム・レンダリング画像として表示することができる。ボリューム・レンダリング・アルゴリズムは、不透明度ゼロ(完全に透明)から1.0(完全に不透明)まで漸進的に移行する不透明度関数を使用するように構成することができる。ボリューム・レンダリング・アルゴリズムは、観察平面154内の各々の画素63に値を割り当てるとき、各々の射線に沿ったボクセルの不透明度を考慮することができる。例えば、1.0に近い不透明度を持つボクセルは、射線に沿った更に遠いボクセルからの寄与分の殆どを阻止し、それに対して、ゼロに近い不透明度を持つボクセルは、射線に沿った更に遠いボクセルからの寄与分の殆どを許可する。また、表面を視覚化するとき、ボクセルの不透明度を値に基づいて再割り当てする閾値判別動作を遂行することができる。模範的な閾値判別動作によれば、閾値よりも大きい値を持つボクセルの不透明度を1.0に設定することができ、他方、閾値よりも小さい値を持つボクセルの不透明度をゼロに設定することができる。他の種類の閾値判別方式もまた使用することができる。例えば、不透明度関数を用いて、閾値よりも明瞭に大きいボクセルを1.0(不透明度である)に設定し且つ閾値よりも明瞭に小さいボクセルをゼロ(半透明)に設定することができる。しかしながら、不透明度関数を用いて、閾値に近い値を持つボクセルにゼロ及び1.0以外の不透明度を割り当てることができる。この「移行」区域は、簡単なバイナリ(二値)閾値判別アルゴリズムを用いるときに生じることのあるアーティファクトを低減するために用いることができる。例えば、値に対して不透明度をマッピングする線形関数を用いることにより、「移行」区域内の値を持つボクセルに不透明度を割り当てることができる。ゼロから1.0まで進む他の種類の関数もまた用いることができる。他の実施形態によれば、上述したもの以外のボリューム・レンダリング技術もまた、3Dデータセットからボリューム・レンダリング画像を作成するために用いることができる。
【0018】
ボリューム・レンダリング画像は、深さについてのより良い知覚をユーザーに提供するために陰影付けすることができる。例えば、複数の表面を、3Dデータセットに基づいて定めることができる。次いで、模範的な実施形態によれば、各々の画素において勾配を計算することができる。次いで、プロセッサ104(
図1に示す)により、各々の画素に対応する表面上の位置における光反射を計算し、また勾配及び特定の光方向に基づいて標準的な陰影付け方法を適用することができる。
【0019】
図3は、一実施形態に従った方法300を例示する流れ図である。個々のブロックは、方法300に従って遂行することのできる各段階を表す。方法300の技術的効果は、ボリューム・レンダリング画像の陰影付けを決定するために用いられる光方向を示すための光方向インジケータ及び
ソリッドモデルを表示することである。
【0020】
図4は、一実施形態に従った表示装置の一画面を表す概略図である。画面400は、ボリューム・レンダリング画像402と、光ナビゲータ409とを含む。光ナビゲータ409は、縮尺のボリューム・レンダリング画像404と、光方向インジケータ405と、
ソリッドモデル406とを含む。この開示の目的のために、用語「光ナビゲータ」とは、光方向インジケータと
ソリッドモデルとの組合せを含むものと定義する。光ナビゲータ409はまた、
図4の実施形態に示されているように実施形態によっては、縮尺のボリューム・レンダリング画像404を含むことができる。画面400についての更に詳しい説明は後で行う。
【0021】
図1、
図3及び
図4を参照して説明すると、方法の段階302において、プロセッサ104が3Dデータセットを入手する。前に述べたように、3Dデータセットは、模範的な実施形態によれば医用イメージング装置から入手することができる。3Dデータセットはボクセル・データを含むことができ、この場合、各ボクセルには強度(intensity) に対応する値が割り当てられている。段階304において、プロセッサ104が3Dデータセットからボリューム・レンダリング画像を作成する。一実施形態によれば、プロセッサ104は、
図2に関して述べた技術の内の1つに従ってボリューム・レンダリング画像を作成することができる。段階304におけるボリューム・レンダリング画像の作成の一部として、プロセッサ104はボリューム・レンダリング画像についての陰影付けを決定する。
図2に関して前に述べたように、画像の陰影付けには、特定の光方向からの光がボリューム・レンダリング画像中に表された構造と相互作用する仕方を計算することを含むことができる。陰影付けを制御するアルゴリズムは、ボリューム・レンダリング画像中に表された表面の配向に基づいて光が反射、屈折及び拡散する仕方を計算することができる。光方向の配向はボリューム・レンダリング画像に陰影付けする仕方に直接的に影響する。ボリューム・レンダリング画像の陰影付けは当業者には周知であり、従って、更に詳細には説明しない。
【0022】
段階306において、プロセッサ104が、段階304で作成されたボリューム・レンダリング画像を表示装置108上に表示する。ボリューム・レンダリング画像402(
図4に示す)は、一実施形態に従って作成し表示することのできるボリューム・レンダリング画像の一例である。以後、方法300について、
図4に例示された模範的な実施形態に従って説明する。当業者には、他の実施形態が模範的な実施形態から異なることがあることが理解されたい。
【0023】
図1、
図3及び
図4を参照して説明すると、段階308において、プロセッサ104は、
ソリッドモデル40
6を表示する。ソリッドモデル406は、
図4に示された実施形態に従って球のモデルとすることができる。他の実施形態によれば、ソリッドモデルは、楕円体のモデル又は大体凸状の外表面を持つ他の形状のモデルのような、異なる形状のモデルを含むことができる。更に別の実施形態によれば、ソリッドモデルは、大体滑らかな外表面を持つ任意の形状のモデルを含むことができる。次に、段階310において、プロセッサ104は光方向インジケータ405のような光方向インジケータを表示する。一実施形態によれば、光方向インジケータ405は、光源アイコン408及び強調表示(ハイライト)411の両方を含むことができる。光源アイコン408は、ボリューム・レンダリング画像402に陰影付けするために用いられる光方向を指示する。一実施形態によれば、光源アイコン408は、矢尻415を持つ矢印413のモデルとすることができる。光源アイコン408は、ユーザーが一方の端を反対側の端から明瞭に識別することができるような形状又は指向性を持つ多角形モデルの表現を含むことができる。このように、指向性モデルは、ボリューム・レンダリング画像に陰影付けするために用いられる光方向を明瞭に指示するように用いることができる。強調表示411は、ソリッドモデル406上の明るい領域を含む。強調表示411は、光方向からの
ソリッドモデルの照明に起因した反射率の増大した領域を示すことができる。強調表示411は、
ソリッドモデル406のレンダリングの一部として含めることができる。
【0024】
随意選択により、プロセッサ104(
図1に示す)は、縮尺のボリューム・レンダリング画像404のような、縮尺のボリューム・レンダリング画像を作成して表示することができる。縮尺のボリューム・レンダリング画像404は、ボリューム・レンダリング画像402の相対的に小さくした表現である。縮尺のボリューム・レンダリング画像404は、ボリューム・レンダリング画像402と同じ透視方向から示されている。実施形態によっては、縮尺のボリューム・レンダリング画像404は、随意選択により、ボリューム・レンダリング画像402と同様に同じ相対的光方向に従って陰影付けすることができる。すなわち、ボリューム・レンダリング画像402に対する光方向の位置は、縮尺のボリューム・レンダリング画像404に対する光方向の位置と同じである。
図4に示された実施
形態では、光方向は、光源アイコン408によって指示されているように左上から来る。
図4における光方向はまた、僅かに前側からである。本書での説明のために、用語「前側」及び「後側」は、画像に対する光方向の配向を記述するために用いる。観察方向は、ユーザーが画像を見る方向である。観察方向は、典型的には、ユーザーから表示装置へ向かう方向において表示装置に対して垂直である。本書での説明のために、用語「前側」は、観察方向から見ることのできるモデル又はボリューム・レンダリング内の表面を含むと定義される。逆に、本書での説明のために、用語「後側」は、観察方向から180度の方向から見ることのできるモデル又はボリューム・レンダリング内の表面を含むと定義される。ボリューム・レンダリング画像402、縮尺のボリューム・レンダリング画像404、光源アイコン408及び
ソリッドモデル406の全てについてボリューム・レンダリングすることができるので、用語「前側」及び「後側」は、上述の要素のいずれにも適用することができる。従って、陰影410は、ボリューム・レンダリング画像402の右及び下側に顕著である。画面400の概略図には示されていないが、ボリューム・レンダリング画像402の陰影付けは、反射領域を含めて、より微妙な効果も含む。更に、陰影付けは、光方向に基づいて拡散陰影付け及び鏡面陰影付けの一方又は両方を含むことができる。
【0025】
ソリッドモデル406及び光源アイコン408の両方は、一実施形態に従って多角形モデルから作成することができる。光源アイコン408を作成するために多角形モデルを使用することにより、プロセッサ104(
図1に示す)は、
ソリッドモデル406に対して様々な異なる透視方向から光源アイコン408の3次元性を表現することができる。そこで、一実施形態によれば、光源アイコン408は、縮尺のボリューム・レンダリング画像404及び
ソリッドモデル406に対して様々な異なる位置及び配向で示すことができる。一実施形態によれば、
ソリッドモデル406は、光源アイコン408又は強調表示411が
ソリッドモデル406の後側にあるときでさえも光源アイコン408及び/又は強調表示411の位置を観察者が見ることができるようにするために、透明又は半透明にすることができ
る。プロセッサ104(
図1に示す)は、光源アイコン408の配向に関してより良い透視感をユーザーに与えるために、光源アイコン408に対して幾分かの陰影付けを適用することができる。
【0026】
次に、段階315において、ユーザーは、光方向インジケータ405を動かすのが望ましいかどうか判定する。光方向インジケータ405を動かすのが望ましくない場合、方法は終了する。しかしながら、光方向インジケータ405を動かすのが望ましい場合、方法300は段階316へ進む。段階316において、ユーザーは、光方向インジケータ405を位置決めし直すために、ユーザー入力106(
図1に示す)を介して指令を入力することができる。ユーザーは、光方向インジケータ405の位置を動かすためにユーザー入力106を使用することができる。模範的な一実施形態によれば、ユーザー入力106は、仮想トラックボールとして機能するように構成設定されたトラックボール又はマウスを含むことができる。例えば、マウス又はトラックボールの動きは仮想トラックボール上に
投影することができ、仮想トラックボールは光方向インジケータ405の回転を制御する。ユーザー入力106による並進移動により、結果として、並進移動の方向に仮想トラックボールの回転を生じさせる。例えば、画面400に表された実施形態では、光方向インジケータ405は光源アイコン408及び強調表示411の両方を含む。仮想トラックボールは、
ソリッドモデル406に対して光源アイコン408及び強調表示411の位置を制御する。例えば、光源アイコン408及び強調表示411の両方は、仮想トラックボールの回転に基づいて実時間で
ソリッドモデル406の周りを回転することができる。別の実施形態では、ユーザー入力はトラックボールを含むことができる。トラックボールの動きを直接的に仮想トラックボールにマッピングすることができる。すなわち、単純に画面上のポインターの並進を制御する代わりに、プロセッサ104(
図1に示す)は、トラックボールによるユーザーの動きを反映して、
ソリッドモデル406の周りを回転するように光方向インジケータ405を動かすことができる。トラックボール又は仮想トラックボールを用いて光方向を3次元で制御することはユーザーにとって非常に直感的に分かりやすい。いずれの実施形態でも、ユーザーは、ユーザー入力106の機能を仮想トラックボールとして初期化するために光ナビゲータ409(
図4に示す)などに対して、ボタンを選択し、或いはカーソル、ポインター又はアイコンを特定の位置に置くことを必要とすることがある。ここで、ユーザー入力106が他の実施形態に従って他の方法で光方向を制御できることを理解されたい。
【0027】
一実施形態によれば、プロセッサ104は、段階304においてボリューム・レンダリング画像402に陰影付けするために用いたのと同じ光方向に基づいて、縮尺のボリューム・レンダリング画像404に陰影付けすることができる。例えば、前に述べたように、縮尺のボリューム・レンダリング画像404は、ボリューム・レンダリング画像402を小さくしたものであってよい。これは、縮尺のボリューム・レンダリング画像404が、ボリューム・レンダリング画像402と同じ配向で同じ構造を示していることを意味する。更に、一実施形態によれば、陰影付けは、同じ相対的な光方向に基づいて、ボリューム・レンダリング画像402及び縮尺のボリューム・レンダリング画像404に適用できる。すなわち、縮尺のボリューム・レンダリング画像404についての陰影付けは、ボリューム・レンダリング画像402について陰影を生成するために用いられた光方向と同じ光方向に基づいて為される。当業者には理解されるように、必ずしも、縮尺のボリューム・レンダリング画像404について陰影付けを独立に計算する必要はない。代わりに、プロセッサ104は、任意の陰影を含んでいるボリューム・レンダリング画像402を小さくしたものを、縮尺のボリューム・レンダリング画像404として使用することができる。その結果、陰影はボリューム・レンダリング画像402及び縮尺のボリューム・レンダリング画像404の両方において同じにすることができる。また、縮尺のボリューム・レンダリング画像404はボリューム・レンダリング画像402よりも小さいので、縮尺のボリューム・レンダリング画像404の解像度をボリューム・レンダリング画像402より
も低くする必要があることを理解されたい。
【0028】
一実施形態によれば、陰影付けのために、プロセッサ104は、各々のボクセルの色、不透明度及び位置を入力として使用して、ボリューム・レンダリング画像に表された様々な構造で光がどのように反射し、屈折し、拡散するかを計算し、もってより現実的なボリューム・レンダリング画像を作成することができる。
【0029】
一実施形態によれば、
ソリッドモデル406は少なくとも半透明とすることができる。これは、
ソリッドモデル406が完全に透明であり得ること(この場合、
ソリッドモデル406は光方向からの光と相互作用する状態に基づいて視覚可能になるに過ぎない)、或いは
ソリッドモデル406が部分的に不透明であり得ることを意味する。
ソリッドモデル406が半透明である(すなわち、部分的に不透明である)実施形態では、ソリッドモデル406は縮尺のボリューム・レンダリング画像404を部分的に遮ることができる。強調表示411は、一実施形態に従って、ソリッドモデル406が光源アイコン408又は光方向から出た光をどのように反射し及び屈折するかを計算することによって作成することができる。ここで、強調表示411は
図4に一様な領域として示されているが、反射の領域で、矢尻415の中心からの半径方向の距離につれて強度を減少させることができることを理解されたい。例えば、反射の領域は、矢尻415の中心からの半径方向の距離につれて強度を滑らかに減少させることができる。他の実施形態では、ソリッドモデル406上に強調表示411を含まないようにすることができる。
【0030】
図5は、一実施形態に従って第1の位置に光方向インジケータ405を持つ光ナビゲータ409を表す概略図である。
図6は、一実施形態に従って第2の位置に光方向インジケータ405を表す概略図である。
図7は、一実施形態に従って第3の位置に光方向インジケータ405を表す概略図である。
図4、5、6及び7に示されている光ナビゲータ409において同じ構成要素を識別するために共通の参照符号を使用している。
【0031】
次に
図3、
図4、
図5、
図6及び
図7を参照して説明すると、前に述べたように、段階316において、ユーザーは光方向インジケータ405(
図4に示す)を第1の位置から第2の位置へ動かすことができる。例えば、ユーザーは光方向インジケータ405を(
図4に示されている位置のような)第1の位置から(
図5、
図6及び
図7に示されている模範例の位置のいずれかを含む)第2の位置へ動かすことができる。例えば、第1の模範例の位置が
図5に示され、第2の模範例の位置が
図6に示され、また第3の模範例の位置が
図7に示されている。
【0032】
図5について説明すると、光方向インジケータ405が
ソリッドモデル406の右側に位置決めされている。これは、光方向が右から出ている状況に対応する。矢尻415は明瞭に左を指している。これは、ボリューム・レンダリング画像の陰影付けが右からの光方向に基づいて行われたことに対応する。縮尺のボリューム・レンダリング画像404は、光源アイコン408及び強調表示411によって指示されているような光方向と一致する陰影412を含む。
【0033】
図6について説明すると、第2の模範例の位置は、右上に配置されて、ほぼ時計の2時の位置にある光源アイコン408を持つ。しかしながら、光源アイコン408の幾何学的形状に基づいて、且つ
ソリッドモデル406が光源アイコン408より前にあることに注意すると、光源アイコン408が僅かに
ソリッドモデル406の背後に配置されていると云うことはユーザーにとって容易である。換言すると、矢尻415の方向は僅かに観察方向に対して向かってくる方向である。
【0034】
図7について説明すると、第3の模範例の位置では、光源アイコン408はほぼ時計の7時の位置にある。しかしながら、光源アイコン408は
ソリッドモデル406より前に配置される。これは、光方向が球のモデルの前側からであることを表している。矢尻415は球のモデル406の方を指している。縮尺のボリューム・レンダリング画像404は、光源アイコン408によって指示されているような光方向と一致する陰影412を含む。
【0035】
一実施形態によれば、プロセッサ104(
図1に示す)は、最も現実的な透明度の値を得るために、光源アイコン408、
ソリッドモデル406及び縮尺のボリューム・レンダリング画像404をレンダリングする順序を制御することができる。例えば、光が前側から来ていることを光源アイコン408が表しているときの実施形態又は構成では、プロセッサ104は、レンダリングを遂行するために、先ず
ソリッドモデル406の後側をレンダリングすることができる。次いで、プロセッサ104は、縮尺のボリューム・レンダリング画像404をレンダリングすることができる。次いで、プロセッサ104は、
ソリッドモデル406の前側をレンダリングすることができる。最後に、プロセッサ104、光方向アイコン408をレンダリングすることができる。
【0036】
対照的に、
図6におけるように、光が後側から来ているときの実施形態又は構成では、レンダリング順序は逆にされる。すなわち、先ず光源アイコン408がレンダリングされ、次いで
ソリッドモデル406の後側、次いで縮尺のボリューム・レンダリング画像404、そして最後に
ソリッドモデル406の前側がレンダリングされる。
【0037】
図3及び
図4を参照して説明すると、段階318において、プロセッサ104(
図1に示す)は、新しい又は第2の光方向に基づいてボリューム・レンダリング画像402の陰影を更新する。一実施形態によれば、縮尺のボリューム・レンダリング画像404に対する光源アイコン408の位置は、ボリューム・レンダリング画像402に対する新しい又は第2の光方向の位置と同じである。プロセッサ102は、第2の光方向を用いてボリューム・レンダリング画像402の陰影を計算する。
【0038】
プロセッサ104は、次いで、第2の光方向に基づいて縮尺のボリューム・レンダリング画像404の陰影を更新することができる。一実施形態によれば、プロセッサ104は、ボリューム・レンダリング画像402を用いて第2の光方向インジケータ405に基づいた陰影を計算し、それと同じ陰影を縮尺のボリューム・レンダリング画像404に適用することができる。次に、プロセッサ104は、第2の光方向に基づいて
ソリッドモデル406の陰影を更新することができる。縮尺のボリューム・レンダリング画像404及び
ソリッドモデル406に対して光源アイコン408を動かすことによって、ユーザーは、ボリューム・レンダリング画像402に陰影付けするために用いられる光方向を制御することができる。一実施形態によれば、段階316及び318は、ユーザーが光源アイコン408を動かしているときに実時間で生じることができる。この結果として、ボリューム・レンダリング画像402、縮尺のボリューム・レンダリング画像404及び
ソリッドモデル406上の陰影が全て、光源アイコン408の位置によって制御された通りに実時間の光方向を反映するように更新される。これにより、ユーザーは、光源アイコン408の動きによって生じた光方向の変化の効果を素速く且つ容易に見ることができる。段階320において、ユーザーは、随意選択により、再び光源アイコン408を動かすことができる。ユーザーが光源アイコン408を動かすことを選んだ場合、方法300は段階316へ戻り、そこで段階316、318、320を繰り返す。
【0039】
縮尺のボリューム・レンダリング画像404と
ソリッドモデル406と光源アイコン408との組合せにより、ユーザーはボリューム・レンダリング画像402に陰影付けするために用いられる光方向の正確な位置を素速く且つ正確に把握するのが可能になる。一実施形態に従って、縮尺のボリューム・レンダリング画像404及び
ソリッドモデル406の両方が光方向に基づいて陰影付けされるので、ユーザーが光源アイコン408の3次元位置を理解するのが非常に直感的である。また、
ソリッドモデル406上の陰影を利用することは、ユーザーが光源アイコン408の相対的な位置を把握するのに大いに役立つ。例えば、ユーザーが光源アイコン408を動かすにつれて、
ソリッドモデル406上の陰影が、光方向の変化に対応して実時間で変化することができる。
ソリッドモデル406に適用される
陰影付けは、ユーザーに非常に親しみのある態様で明るい領域と陰影領域とを生成する。これは、ユーザーがボリューム・レンダリング画像上に所望の陰影を得るために光源を正確に位置決めするを容易にし且つ素速くさせる。
【0040】
本明細書は、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施できるようにするために、様々な例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。例えば、光方向は、ボリューム・レンダリング画像に陰影付けするために用いられる光線の方向を表すことができる。ボリューム・レンダリング画像の陰影を決定するために用いられる光線は、(例えば、コリメートされたペンシル・ビームから投光照明のような拡散パターンまで、或いは両者の間の任意の範囲内で変化する)幅及び/又は拡がりの程度、(例えば、「寒色」の青/緑の色合いから「暖色」の赤/黄の色合いまで又は自然な肌の色合いまでも変化する)カラーパレット、強度及び/又は侵入深さに関して、臨床医によって調節可能にすることができる。これらの及び他の例は、それらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【0041】
本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施できるようにするために、様々な例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。