特許第6234036号(P6234036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234036
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】光通信装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20171113BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G02B6/12 301
   G02B6/42
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-36449(P2013-36449)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-164198(P2014-164198A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年1月29日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】森山 聡史
(72)【発明者】
【氏名】大工原 治
(72)【発明者】
【氏名】奥山 毅
【審査官】 下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0126064(US,A1)
【文献】 特開2006−091753(JP,A)
【文献】 特開平11−186609(JP,A)
【文献】 特開2011−081071(JP,A)
【文献】 特開2011−237531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B6/12− 6/14
6/26− 6/27
6/30− 6/34
6/42− 6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する基板と、
受光又は発光を行う光端子を有し、前記光端子が前記貫通孔の一端側に対向するように、前記基板の一方の面に実装される光学素子と、
樹脂により一体的に成型され、前記光端子に対向する第1レンズと、前記基板の一方の面側から前記光学素子に向けて突出し前記第1レンズの周囲を囲繞する囲繞部と、前記貫通孔の内部に配設され、前記第1レンズ及び前記囲繞部が配設される前記一端側と他端側との間で光を誘導するガイド部とを有する光ガイド部材と、
前記基板の他方の面側に配設され、前記光ガイド部材の他端側と光学的に接続される光導波路を有する光導波路部材と
を含む、光通信装置。
【請求項2】
前記囲繞部は、前記光学素子との間に隙間が形成される高さを有する、請求項1記載の光通信装置。
【請求項3】
前記囲繞部は、平面視で前記貫通孔よりも外側に延出し、前記基板の一方の面に接する、請求項1又は2記載の光通信装置。
【請求項4】
前記囲繞部は、平面視で前記ガイド部と等しい大きさを有する、請求項1又は2記載の光通信装置。
【請求項5】
前記光ガイド部材は、前記他端側に配設され、前記光導波路部材に光学的に接続される第2レンズをさら有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の光通信装置。
【請求項6】
前記光ガイド部材と前記基板は、一体的に成型されている、請求項1乃至5のいずれか一項記載の光通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、光学素子が実装され、光信号伝送用光路が形成されたIC(Integrated Circuit:集積回路)チップ実装用基板であって、光学素子の外周に接するように、光学素子封止層が形成されているICチップ実装用基板がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−091753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、封止層が光学素子の周囲に存在すると、光学特性に影響が生じ、信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、信頼性の高い光通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面の光通信装置は、貫通孔を有する基板と、受光又は発光を行う光端子を有し、前記光端子が前記貫通孔の一端側に対向するように、前記基板の一方の面に実装される光学素子と、樹脂により一体的に成型され、前記光端子に対向する第1レンズと、前記基板の一方の面側から前記光学素子に向けて突出し前記第1レンズの周囲を囲繞する囲繞部と、前記貫通孔の内部に配設され、前記第1レンズ及び前記囲繞部が配設される前記一端側と他端側との間で光を誘導するガイド部とを有する光ガイド部材と、前記基板の他方の面側に配設され、前記光ガイド部材の他端側と光学的に接続される光導波路を有する光導波路部材とを含む。


【発明の効果】
【0007】
信頼性の高い光通信装置を提供できるという特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】前提技術による光通信装置を示す断面図である。
図2】実施の形態1の光通信装置100を示す図である。
図3】実施の形態2の光通信装置200を示す図である。
図4】実施の形態3の光通信装置300を示す図である。
図5】実施の形態4の光通信装置400を示す図である。
図6】実施の形態5の光通信装置500を示す図である。
図7】実施の形態6の光通信装置600を示す図である。
図8】実施の形態7の光通信装置700を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、図1を用いて、本発明の光通信装置の前提技術について説明する。
【0010】
図1は、前提技術による光通信装置を示す断面図である。
【0011】
前提技術による光通信装置50は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ40を含む。
【0012】
基板10は、光学素子20が実装されるとともに、光導波路部材30を補強するための補強層として機能する部材であり、例えば、FPC(Flexible Circuit Board)を用いることができる。FPCは、例えば、ポリイミド等の樹脂基板であればよい。
【0013】
基板10の上面には、光学素子20に電力を供給するための配線12、又は、光学装置20から出力される電気信号を伝送するための配線12等を形成されている。
【0014】
基板10は貫通孔11を有しており、貫通孔11は基板10を厚さ方向に貫通している。貫通孔11の上側には、光学素子20の光端子21が位置しており、貫通孔11の下側にはレンズ40が位置している。貫通孔11内には、光端子21とレンズ40の間に矢印で示す光路が形成される。
【0015】
光学素子20は、例えば、レーザ素子のように光を発光する素子、フォトダイオード等のように光を受光して電気信号に変換する素子、又は、発光及び受光を行う素子であればよい。光学素子20は、基板10の一方の面(図1中の上面)に、バンプ22及び封止樹脂23によってフリップチップ実装されている。
【0016】
光学素子20が基板10にフリップチップ実装されることにより、光学素子20の端子に接合されるバンプ22と、基板10の配線12が超音波接合等によって電気的に接続される。このようにバンプ22及び封止樹脂23を用いて光学素子20を基板10にフリップチップ実装によって強固に接合するのは、光学素子20は駆動によって発熱し、発熱による膨張等で基板10との接続部分に応力が生じるからである。なお、バンプ22と基板10の配線12との間には、配線12の表面に形成されるメッキの一部が溶融することによってメッキ層22Aが形成される。
【0017】
なお、基板10には、光学素子20の他に、電子部品20Aが実装されていてもよい。
【0018】
光導波路部材30は、シート状の部材であり、光導波路31とミラー32を有する。光導波路31は、例えば、光ファイバのように光を伝送する部分であり、屈折率の高いコア層と、屈折率の低いクラッド層とによって実現される。ミラー32は、光導波路部材30に、断面が三角形の溝を形成することによって実現される。
【0019】
光導波路部材30は、図1に示すように、光導波路31に対して45度に形成される面を有することにより、光導波路31内を伝送される光を全反射して90度方向転換させ、レンズ40に伝送する。
【0020】
光導波路部材30は、基板10の下面に接着されている。
【0021】
レンズ40は、シート部41と、シート部41の中央に形成されるレンズ部42とを有する。レンズ40は、貫通孔11の下端に位置するため、レンズ40と、光学素子20の光端子21との間の光路は、貫通孔11の内部と、光学素子20と基板10との間の隙間の部分とにわたって形成される。
【0022】
ところで、このような前提技術の光通信装置50を製造する段階では、光学装置20をフリップチップ実装する際に、貫通孔11の上端側から封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入するおそれがある。
【0023】
これは、貫通孔11の上端側に、封止樹脂23の流入を抑制する部材が存在しないためである。
【0024】
このように封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入すると、光学素子20の光端子21とレンズ40との間の光路が遮られるおそれがある。封止樹脂23によって光学素子20の光端子21とレンズ40との間の光路が遮られると、光学素子20と光導波路部材30との間における光通信に悪影響が生じる場合があり、光通信装置50の信頼性が低下するおそれがある。
【0025】
このような光学素子20の実装には、高精度な位置合わせ精度が求められることがあるため、高精度なマウンターを用いて実装が行われる。しかしながら、実装に伴う封止樹脂23の接着工程が煩雑である場合には、製品間にばらつきが生じやすいことから、製品の信頼性が低下するおそれがあった。
【0026】
このため、以下では、信頼性の高い光通信装置を提供することを目的とする。
【0027】
以下、本発明の光通信装置を適用した実施の形態について説明する。
【0028】
<実施の形態1>
図2は、実施の形態1の光通信装置100を示す図である。以下において、前提技術の光通信装置50と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0029】
図2(A)に示すように、実施の形態1の光通信装置100は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ110を含む。
【0030】
図2(B)、(C)に示すように、レンズ110は、レンズ部111、囲繞部112、及びガイド部113を有する。レンズ110は、光ガイド部材の一例である。
【0031】
レンズ部111、囲繞部112、及びガイド部113は、例えば、ポリイミドのような樹脂製であり、一体的に形成されている。レンズ110は、基板10の貫通孔11に差し込まれて接着されている。
【0032】
レンズ部111は、ガイド部113の一端(図2中の上端)に形成されており、囲繞部112によって囲まれている。
【0033】
囲繞部112は、図2(C)に示すように、ガイド部113の一端において、レンズ部111の周囲を囲むように形成されている。囲繞部112は、平面視でレンズ部111及びガイド部113よりも外側に延出した状態で、レンズ111の周囲に平面視で矩形状に形成される壁部である。
【0034】
囲繞部112の高さは、図2(A)、(B)に示すようにレンズ110を基板10に設置した状態で、囲繞部112の上端が、光学素子20の下面に当接しない高さに設定されている。
【0035】
ガイド部113は、一端側にレンズ部111と囲繞部112が形成される円筒状の部材である。ガイド部113の円筒形状の直径は、基板10に形成される円筒状の貫通孔11の直径とサイズが合わされており、ガイド部113が貫通孔11に嵌着されるようになっている。
【0036】
ガイド部113は、基板10の貫通孔11の内部に挿入される。ガイド部113の下端は、光導波路部材30のミラー32と位置が合わされており、レンズ部111と光導波路31との間で光路を形成している。また、ガイド部113は、下端が基板10の下面と面一になるように長さが設定されている。
【0037】
このような実施の形態1の光通信装置100は、基板10に光学素子20をフリップチップ実装する際に、囲繞部112が封止樹脂23を遮るため、前提技術の光通信装置50のように、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0038】
従って、実施の形態1によれば、光学素子20と光導波路部材30との間の光路が封止樹脂23によって遮られることが抑制され、信頼性の高い光通信装置100を提供することができる。
【0039】
また、レンズ110は、基板10と一体的に形成されていてもよい。レンズ110と基板10を一体的に形成する場合は、レンズ110及び基板10を、例えば、ポリイミドのような透明な樹脂で形成すればよい。このようにレンズ110と基板10を一体的に成型する場合は、レンズ110の位置合わせ、又は、レンズ110の取り付けに伴う接着剤の塗布、硬化処理、セパレータの剥離等の工程を削除することができる。
【0040】
<実施の形態2>
図3は、実施の形態2の光通信装置200を示す図である。以下において、実施の形態1の光通信装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
図3(A)に示すように、実施の形態2の光通信装置200は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ210を含む。実施の形態2の光通信装置200は、実施の形態1の光通信装置100のレンズ110をレンズ210に置き換えたものである。
【0042】
図3(B)、(C)、(D)に示すように、レンズ210は、レンズ部211、囲繞部212、ガイド部213、及びレンズ部214を有する。レンズ部211及び囲繞部212は、実施の形態1のレンズ110のレンズ部111及び囲繞部112と同様である。
【0043】
ガイド部213は、下端にレンズ部214が形成されている。ガイド部213は、実施の形態1のガイド部113の下端にレンズ部111と同様のレンズ部214を形成したものである。レンズ部113は、基板10の下面と面一であってもよいし、図3(A)、(B)に示すように、基板10の下面よりも内側にオフセットしていてもよい。
【0044】
このような実施の形態2の光通信装置200では、光学素子20と光導波路部材30との間に、レンズ部214を有するレンズ210を含む光路が形成される。
【0045】
このような実施の形態2の光通信装置200は、基板10に光学素子20をフリップチップ実装する際に、囲繞部212が封止樹脂23を遮るため、前提技術の光通信装置50のように、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0046】
従って、実施の形態2によれば、光学素子20と光導波路部材30との間の光路が封止樹脂23によって遮られることが抑制され、信頼性の高い光通信装置200を提供することができる。
【0047】
<実施の形態3>
図4は、実施の形態3の光通信装置300を示す図である。以下において、実施の形態1の光通信装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
図4(A)に示すように、実施の形態3の光通信装置300は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ310を含む。実施の形態3の光通信装置300は、実施の形態1の光通信装置100のレンズ110をレンズ310に置き換えたものである。
【0049】
図4(B)、(C)に示すように、レンズ310は、レンズ部311、囲繞部312、及びガイド部313を有する。レンズ部311は、実施の形態1のレンズ110のレンズ部111と同様である。
【0050】
実施の形態3のレンズ310の囲繞部312は、平面視でガイド部313と同一の大きさを有している。囲繞部312は、円筒状のガイド部313の外周部をレンズ部311の周囲に延長したような形状を有する。すなわち、囲繞部312は、レンズ部311の周囲を囲繞する円筒状の壁部を有する。なお、囲繞部312の高さは、実施の形態1の囲繞部112の高さと同様である。
【0051】
このような実施の形態3の光通信装置300では、光学素子20と光導波路部材30との間に、レンズ310を含む光路が形成される。
【0052】
このような実施の形態3の光通信装置300は、基板10に光学素子20をフリップチップ実装する際に、囲繞部312が封止樹脂23を遮るため、前提技術の光通信装置50のように、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0053】
従って、実施の形態3によれば、光学素子20と光導波路部材30との間の光路が封止樹脂23によって遮られることが抑制され、信頼性の高い光通信装置300を提供することができる。
【0054】
<実施の形態4>
図5は、実施の形態4の光通信装置400を示す図である。以下において、実施の形態3の光通信装置300と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
図5(A)に示すように、実施の形態4の光通信装置400は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ410を含む。実施の形態4の光通信装置400は、実施の形態3の光通信装置300のレンズ310をレンズ410に置き換えたものである。
【0056】
図5(B)、(C)、(D)に示すように、レンズ410は、レンズ部411、囲繞部412、ガイド部413、レンズ部414、及び囲繞部415を有する。レンズ部411、囲繞部412、及びガイド部413は、実施の形態3のレンズ310のレンズ部311、囲繞部312、及びガイド部313と同様である。
【0057】
実施の形態4のレンズ410は、実施の形態3のレンズ310のガイド部313の下端に、レンズ部311と同様のレンズ部414を形成するとともに、レンズ部414の周囲に囲繞部415を形成したものである。
【0058】
このようなレンズ410は、上端側のレンズ部411及び囲繞部412と、下端側のレンズ部414及び囲繞部415とが同一の形状を有している。すなわち、レンズ410は、円筒形状の中心軸の一端側(上端側)と他端側(下端側)とが対称な形状を有する。
【0059】
従って、レンズ410は、上端側と下端側とを区別することなく、基板10の貫通孔11に実装することができる。
【0060】
このような実施の形態4の光通信装置400では、光学素子20と光導波路部材30との間に、レンズ410を含む光路が形成される。
【0061】
このような実施の形態4の光通信装置400は、基板10に光学素子20をフリップチップ実装する際に、囲繞部412が封止樹脂23を遮るため、前提技術の光通信装置50のように、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0062】
また、レンズ410を天地逆にして基板10の貫通孔11に実装した場合でも、囲繞部415が封止樹脂23を遮るため、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0063】
従って、実施の形態4によれば、光学素子20と光導波路部材30との間の光路が封止樹脂23によって遮られることが抑制され、信頼性の高い光通信装置400を提供することができる。
【0064】
また、レンズ410が天地方向で対称な形状を有しているため、基板10の貫通孔11に実装する際の取り扱いが非常に容易である。
【0065】
<実施の形態5>
図6は、実施の形態5の光通信装置500を示す図である。以下において、実施の形態4の光通信装置400と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
図6(A)に示すように、実施の形態5の光通信装置500は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、レンズ410、及びプレート550を含む。実施の形態5の光通信装置500は、実施の形態4の光通信装置400の基板10と光導波路部材30との間にプレート550を追加したものである。
【0067】
プレート550は、樹脂製又は金属製の板状の部材であり、貫通孔551を有する。貫通孔551の開口径は、基板10の貫通孔11の開口径に等しい。
【0068】
プレート550は、基板10と光導波路部材30との間に設けられており、基板10及び光導波路部材30に接着されている。
【0069】
また、実施の形態5では、プレート550を追加したことにより、レンズ410が中心軸方向に延長されている。実施の形態5では、レンズ410の下端側の囲繞部415がプレート550の貫通孔551に嵌着されている。
【0070】
このため、実施の形態5の光通信装置500は、基板10、光導波路部材30、及びレンズ410をより安定的な状態に保持することができる。
【0071】
このような実施の形態5の光通信装置500は、組み立てる際に、例えば、図6(C)に示すように、プレート550の貫通孔551に、レンズ410を予め嵌着しておけばよい。これにより、組み立てが容易になる。
【0072】
なお、実施の形態5の光通信装置500では、実施の形態4の光通信装置400と同様に、基板10に光学素子20をフリップチップ実装する際に、囲繞部412が封止樹脂23を遮るため、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0073】
従って、実施の形態5によれば、光学素子20と光導波路部材30との間の光路が封止樹脂23によって遮られることが抑制され、信頼性の高い光通信装置500を提供することができる。
【0074】
また、基板10、光導波路部材30、及びレンズ410をより安定的な状態に保持できる構成を実現できるとともに、組み立てを容易に行うことができる。
【0075】
<実施の形態6>
図7は、実施の形態6の光通信装置600を示す図である。以下において、実施の形態6の光通信装置600と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図7(A)に示すように、実施の形態6の光通信装置600は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ610を含む。実施の形態6の光通信装置600は、実施の形態5の光通信装置500のレンズ410をレンズ610に置き換えたものである。
【0077】
レンズ610は、レンズ部611、囲繞部612、ガイド部613、レンズ部614、及び台座部615を有する。
【0078】
レンズ部611、囲繞部612、ガイド部613、レンズ部614は、実施の形態5のレンズ部511、囲繞部512、ガイド部513、レンズ部514に対応するが、実施の形態6では、囲繞部612とガイド部613は矩形状である。
【0079】
また、台座部615は、実施の形態5のプレート550と囲繞部415をレンズ610の台座として一体的にしたものである。
【0080】
なお、ガイド部613を四角柱状にしたことにより、基板10の貫通孔11の形状も四角柱状に変更されている。
【0081】
このように、台座部615を有することにより、実施の形態5のプレート550を用いた場合と同様に、基板10と光導波路部材30との間をより安定的な構造にすることができる。
【0082】
また、ガイド部613と基板10の貫通孔11を四角柱状にすることにより、レンズ610を基板10に対してより安定的な状態で設置することができる。
【0083】
なお、レンズ610の囲繞部612によって封止樹脂23を遮るため、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制されることは、他の実施の形態と同様である。
【0084】
また、ここでは、ガイド部513と基板10の貫通孔11が四角柱状の形状である場合について説明したが、ガイド部513と基板10の貫通孔11は、平面視で三角形、五角形、又は六角形等の多角形であってもよい。
【0085】
<実施の形態7>
図8は、実施の形態7の光通信装置700を示す図である。以下において、実施の形態1の光通信装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
図8(A)に示すように、実施の形態7の光通信装置700は、基板10、光学素子20、光導波路部材30、及びレンズ710を含む。実施の形態7の光通信装置700は、実施の形態1の光通信装置100のレンズ110をレンズ710に置き換えたものである。
【0087】
図8(B)、(C)に示すように、レンズ710は、レンズ部711、囲繞部712、及びガイド部713を有する。
【0088】
レンズ710は、実施の形態1のレンズ110のレンズ部111が基板10の貫通孔11の内部に収まるように、オフセットさせたものである。
【0089】
このような実施の形態7の光通信装置700では、光学素子20と光導波路部材30との間でレンズ710を含む光路が形成される。
【0090】
このような実施の形態7の光通信装置700は、基板10に光学素子20をフリップチップ実装する際に、囲繞部712が封止樹脂23を遮るため、前提技術の光通信装置50のように、封止樹脂23が貫通孔11の内部に流入することが抑制される。
【0091】
従って、実施の形態7によれば、光学素子20と光導波路部材30との間の光路が封止樹脂23によって遮られることが抑制され、信頼性の高い光通信装置700を提供することができる。
【0092】
以上、本発明の例示的な実施の形態の光通信装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
100、200、300、400、500、600、700 光通信装置
10 基板
11 貫通孔
20 光学素子
30 光導波路部材
110、210、310、410、610、710 レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8