(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の制御信号及び第2の制御信号のそれぞれは、前記第1のバランス補正部を介して、前記第1の蓄電セル及び前記第2の蓄電セルの接続点に流れる第1の電流と、前記第2のバランス補正部を介して、前記第1の蓄電セル及び前記第2の蓄電セルの接続点に流れる第2の電流とが、異なる波形又は位相を有するように生成される、
請求項3に記載のバランス補正装置。
第1の制御信号及び第2の制御信号のそれぞれは、前記第1の蓄電セル及び前記第2の蓄電セルに並列に接続されるバランス補正部の個数をN個(Nは、2以上の整数である。)とし、N個の前記並列に接続されるバランス補正部をM個(Mは、1より大きくN以下の整数である。)のグループに分類した場合に、前記第1の電流及び前記第2の電流の位相差が360°/Mの倍数となるように生成される、
請求項4に記載のバランス補正装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面を参照して、実施形態について説明するが、図面の記載において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して重複する説明を省く場合がある。
【0012】
図1は、蓄電システム100の内部構成の一例を概略的に示す。蓄電システム100は、モータなどの負荷(図示されていない。)に電気的に接続され、当該負荷に電力を供給する(蓄電システムの放電と称する場合がある。)。蓄電システム100は、充電装置(図示されていない。)に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄積する(蓄電システムの充電と称する場合がある。)。蓄電システム100は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気二輪車、鉄道車両、飛行機、昇降機などの輸送装置、又は、PC、携帯電話などの電気機器に使用される。
【0013】
本実施形態において、蓄電システム100は、外部端子112と、外部端子114と、蓄電セル120、蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126及び蓄電セル128と、電圧監視回路140と、モジュール制御部150と、バランス補正モジュール160とを備える。バランス補正モジュール160は、バランス補正回路162と、バランス補正回路164と、バランス補正回路166と、バランス補正回路168とを有する。
【0014】
蓄電セル120〜蓄電セル128は、複数の蓄電セル又はN個(Nは3以上の整数である。)の蓄電セルの一例であってよい。電圧監視回路140は、電圧測定部の一例であってよい。モジュール制御部150は、制御部の一例であってよい。バランス補正モジュール160及びバランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれは、バランス補正装置の一例であってよい。バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれは、第1のバランス補正部又は第2のバランス補正部の一例であってよい。バランス補正回路162〜バランス補正回路168は、複数のバランス補正部又はN個(Nは2以上の整数である。)のバランス補正部の一例であってよい。
【0015】
ここで、「電気的に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが直接接続される場合に限定されない。特定の要素と他の要素との間に、第三の要素が介在してもよい。また、特定の要素と他の要素とが物理的に接続されている場合に限定されない。例えば、変圧器の入力巻線と出力巻線とは物理的には接続されていないが、電気的には接続されている。さらに、特定の要素と他の要素とが現実に電気的に接続されている場合だけでなく、蓄電セルとバランス補正回路とが電気的に接続されたときに、特定の要素と他の要素とが電気的に接続される場合をも含む。また、「直列に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが直列に電気的に接続されることを示し、「並列に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが並列に電気的に接続されることを示す。
【0016】
外部端子112及び外部端子114は、負荷、充電装置などのシステム外部の装置と、蓄電システム100とを電気的に接続する。蓄電セル120〜蓄電セル128は、直列に接続される。蓄電セル120〜蓄電セル128の少なくとも1つは、二次電池またはキャパシタであってよい。蓄電セル120〜蓄電セル128の少なくとも1つは、リチウムイオン電池であってよい。蓄電セル120〜蓄電セル128の少なくとも1つは、当該蓄電セルの内部に、さらに直列又は並列に接続された複数の蓄電セルを含んでもよい。
【0017】
電圧監視回路140は、蓄電セル120〜蓄電セル128のそれぞれの電圧を測定する。電圧監視回路140は、外部端子112、外部端子114、接続点132、接続点134、接続点136及び接続点138と電気的に接続されてよい。電圧監視回路140は、蓄電セル120〜蓄電セル128のそれぞれのSOC(State Of Charge)を決定してよい。電圧監視回路140は、各蓄電セルの電圧の測定結果に基づいて各蓄電セルのSOCを決定してもよく、例えば電流検出回路(図示されていない。)を用いて、各蓄電セルの充電電気量及び放電電気量を測定し、当該結果に基づいて各蓄電セルのSOCを決定してもよい。電圧監視回路140は、各蓄電セルの電圧及びSOCの少なくとも一方に関する情報をモジュール制御部150に送信してよい。
【0018】
本実施形態によれば、電圧監視回路140が複数の蓄電セルのそれぞれの電圧を測定するので、電圧監視回路140としてコストの高い高精度の電圧測定装置を使用しても、蓄電システム100の製造コストの上昇幅を抑制することができる。電圧監視回路140は、バランス補正モジュール160と同一のチップに形成されてもよく、バランス補正モジュール160とは別のチップに形成されてもよい。
【0019】
モジュール制御部150は、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれの動作を制御する。モジュール制御部150は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。例えば、モジュール制御部150は、CPU、ROM、RAM、通信インターフェース等を有するデータ処理装置等を備えた一般的な情報処理装置において、バランス補正モジュール160を制御するためのプログラムが実行されることにより実現されてよい。
【0020】
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係るモジュール制御部150の一部として機能させるプログラムは、モジュール制御部150の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、モジュール制御部150の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の装置を構築することができる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。
【0021】
本実施形態において、モジュール制御部150は、蓄電セル120〜蓄電セル128のそれぞれの電圧及びSOCの少なくとも一方に関する情報を電圧監視回路140から受け取る。モジュール制御部150は、蓄電セル120〜蓄電セル128のそれぞれの電圧及びSOCの少なくとも一方に関する情報に基づいて、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれを制御するモジュール制御信号12〜18を生成する。モジュール制御部150は、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれに対して、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれを制御するモジュール制御信号12〜18のそれぞれを送信する。
【0022】
モジュール制御信号12〜18のそれぞれは、対応するバランス補正回路の均等化動作の対象となる2つの蓄電セル(動作対象セルと称する場合がある。)の電圧差を示す信号、対応するバランス補正回路が動作するタイミングを制御する信号、対応するバランス補正回路による電荷の移動速度を制御する信号及び対応するバランス補正回路の動作モードを規定する信号の少なくとも1つを含んでよい。バランス補正回路の動作モードとしては、(1)動作対象セルのうち電圧又はSOCの値が大きな方の蓄電セルから、他方の蓄電セルに電荷を移動させる通常モード、(2)動作対象セルのうち外部端子112側の蓄電セルから、他方の蓄電セルに電荷を移動させる順方向モード及び(3)動作対象セルのうち外部端子114側の蓄電セルから、他方の蓄電セルに電荷を移動させる逆方向モード、(4)均等化動作を停止する停止モードを例示することができる。
【0023】
モジュール制御信号が、対応するバランス補正回路の動作モードを規定する信号を含む場合について、いくつかの具体例を用いて説明する。モジュール制御部150は、特定のバランス補正回路の動作対象セルの電圧若しくはSOCの値の値が等しくなった場合、又は、当該電圧若しくはSOCの値が予め定められた値よりも小さくなった場合に、当該バランス補正回路を停止モードとするようなモジュール制御信号を生成してよい。これにより、均等化がほぼ完了した時点でバランス補正回路を停止させることができる。その結果、バランス補正モジュール160の動作に伴う電力の消費量を低減することができる。
【0024】
モジュール制御部150は、下記の手順に従って、特定のバランス補正回路に対するモジュール制御信号を生成してもよい。まず、蓄電セル120〜蓄電セル128のうち、特定のバランス補正回路の動作対象セルの接続点と外部端子112との間に配される1以上の蓄電セルについて、SOCの平均値(第1の平均値と称する場合がある。)を算出する。次に、蓄電セル120〜蓄電セル128のうち、動作対象セルの接続点と外部端子114との間に配される1以上の蓄電セルについて、SOCの平均値(第2の平均値と称する場合がある。)を算出する。その後、第1の平均値の大きさと、第2の平均値の大きさとを比較して、比較の結果に基づいて、特定のバランス補正回路に対するモジュール制御信号を生成する。
【0025】
一実施形態において、モジュール制御部150は、第1の平均値が第2の平均値よりも大きい場合、当該バランス補正回路を順方向モードとするようなモジュール制御信号を生成してよい。同様に、モジュール制御部150は、第1の平均値が第2の平均値よりも小さい場合、当該バランス補正回路を逆方向モードとするようなモジュール制御信号を生成してよい。これにより、特定のバランス補正回路は、外部端子112側に配される蓄電セルの電圧又はSOCを減少させ、外部端子114側に配される蓄電セルの蓄電セルの電圧又はSOCを増加させることができる。
【0026】
他の実施形態において、モジュール制御部150は、第1の平均値が第2の平均値よりも大きく、かつ、動作対象セルのうち外部端子112側に配される蓄電セルのSOCの値が、他方の蓄電セルのSOCの値よりも小さい場合、当該バランス補正回路を順方向モード又は停止モードとするようなモジュール制御信号を生成してよい。同様に、モジュール制御部150は、第1の平均値が第2の平均値よりも小さく、かつ、動作対象セルのうち外部端子112側に配される蓄電セルのSOCの値が、他方の蓄電セルのSOCの値よりも大きい場合、当該バランス補正回路を逆方向モード又は停止モードとするようなモジュール制御信号を生成してよい。これにより、バランス補正モジュール160の無駄な動作を抑制することができ、その結果、バランス補正モジュール160の動作に伴う電力の消費量を低減することができる。
【0027】
例えば、蓄電セル120〜蓄電セル128に中古の蓄電セルを使用した場合又は蓄電セル120〜蓄電セル128の製造メーカ、製造ロットなどが異なる場合、蓄電システム100が充電サイクル及び放電サイクルを繰り返すうちに、蓄電セル120〜蓄電セル128のSOCの値にバラつきが生じることがある。蓄電セル120〜蓄電セル128のSOCの値にバラつきが生じている状態で、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれを通常モードで動作させた場合、無駄な均等化動作が実施される可能性がある。
【0028】
蓄電セル120、蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126及び蓄電セル128のSOCの値が、それぞれ、95%、35%、50%、20%及び20%である場合を例として、無駄な均等化動作について説明する。この場合において、バランス補正回路162〜バランス補正回路168が通常モードで動作すると、均等化の過程で、バランス補正回路164において無駄な均等化動作が発生する。
【0029】
バランス補正回路164は、均等化動作を開始してしばらくの間は、SOCの値が50%である蓄電セル124から、SOCの値が35%である蓄電セル122に電荷を移動させる。その間、蓄電セル122には、バランス補正回路162を介して、蓄電セル120から電荷が転送される。また、蓄電セル124からは、バランス補正回路166を介して、蓄電セル126にも電荷が転送される。そのため、均等化動作を開始してしばらくすると、蓄電セル122のSOCの値が蓄電セル124のSOCの値よりも大きくなる。
【0030】
蓄電セル122のSOCの値が蓄電セル124のSOCの値よりも大きくなると、今度は、バランス補正回路164は、蓄電セル122から蓄電セル124に電荷を移動させる。このように、バランス補正回路164は、一度、蓄電セル124から蓄電セル122に電荷を移動させた後、蓄電セル122から蓄電セル124に電荷を移動させることになり、無駄な均等化動作が発生してしまう。
【0031】
バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれが、電圧検知機能を有する場合であっても、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれは、それぞれの動作対象セルの電圧差を検知することができるにすぎず、その他の蓄電セルの電圧を検知することはできない。そのため、蓄電セル120〜蓄電セル128のSOCの値にバラつきがあることを検知することができない。その結果、無駄な均等化動作が発生してしまう場合がある。
【0032】
これに対して、本実施形態によれば、モジュール制御部150が、蓄電セル120〜蓄電セル128のそれぞれの電圧及びSOCの少なくとも一方に関する情報に基づいて、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれを制御するモジュール制御信号12〜18を生成する。そのため、蓄電セル120〜蓄電セル128のSOCの値にバラつきがある場合であっても、バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれが適切な動作を実行するように制御することができる。その結果、無駄な均等化動作の発生を抑制することができる。
【0033】
モジュール制御信号が、対応するバランス補正回路が動作するタイミングを制御する信号を含む場合について、いくつかの具体例を用いて説明する。一実施形態において、モジュール制御部150は、対応するバランス補正回路を通常モードで動作させることを決定した場合に、当該バランス補正回路の動作を開始させることを示すモジュール制御信号を生成してよい。同様に、モジュール制御部150は、対応するバランス補正回路を停止モードにすることを決定した場合に、当該バランス補正回路を停止させることを示すモジュール制御信号を生成してよい。
【0034】
他の実施形態において、モジュール制御部150は、直列に接続された2つの蓄電セルと、2以上のバランス補正回路のそれぞれとが並列に接続されている場合、並列に接続された2以上のバランス補正回路のそれぞれからの出力電流が、異なる波形又は位相を有するように、モジュール制御信号12〜〜18を生成してよい。この場合、並列に接続された2以上のバランス補正回路のそれぞれからの出力電流の波形が合成されることにより、並列に接続された2以上のバランス補正回路のそれぞれのリップル電流が少なくとも部分的に相殺される。これにより、蓄電システム100の出力電流に生じるノイズを低減することができる。
【0035】
例えば、並列に接続されるバランス補正部の個数をN(Nは2以上の整数である。)とした場合、N個のバランス補正回路のそれぞれが、360°/Nずつの位相差を有する出力電流を順番に出力するように、モジュール制御信号12〜〜18を生成してよい。この場合、並列に接続された2以上のバランス補正回路のそれぞれのリップル電流をほぼ相殺することができる。
【0036】
バランス補正モジュール160は、蓄電システム100の充電サイクル及び放電サイクルの少なくとも一方の間に、モジュール制御部150からの信号に基づいて、蓄電セル120〜蓄電セル128の間で電荷を移動させる。バランス補正モジュール160は、1つのチップにより構成されていてもよく、複数のチップにより構成されていてもよい。
【0037】
バランス補正回路162〜バランス補正回路168のそれぞれは、アクティブ方式のバランス補正回路であってよい。アクティブ方式のバランス補正回路は、特開2006−067742号公報に記載されているような、2つの蓄電セルの間でインダクタを介して電荷を移動させるバランス補正回路であってもよく、特開2012−210109号公報に記載されているような、キャパシタを用いて電荷を移動させるバランス補正回路であってもよい。
【0038】
バランス補正回路162は、モジュール制御信号12に基づいて動作し、蓄電セル120及び蓄電セル122の電圧を均等化する。例えば、バランス補正回路162がインダクタを介して電荷を移動させる回路である場合、バランス補正回路162は、第1の端子、第2の端子及び第3の端子と、信号入力端子とを有してよい。第1の端子は、蓄電セル120の外部端子112側の端子と電気的に接続され、第2の端子は、蓄電セル122の外部端子114側の端子と電気的に接続され、第3の端子は、蓄電セル120及び蓄電セル122の接続点132と電気的に接続される。また、信号入力端子には、モジュール制御部150からのモジュール制御信号12が入力される。
【0039】
同様にして、バランス補正回路164は、モジュール制御信号14に基づいて動作し、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧を均等化する。バランス補正回路166は、モジュール制御信号16に基づいて動作し、蓄電セル124および蓄電セル126の電圧を均等化する。バランス補正回路168は、モジュール制御信号18に基づいて動作し、蓄電セル126および蓄電セル128の電圧を均等化する。
【0040】
図2は、バランス補正回路164の内部構成の一例を概略的に示す。なお、バランス補正回路162、バランス補正回路166及びバランス補正回路168も、バランス補正回路164と同様の内部構成を有してよい。
【0041】
本実施形態において、バランス補正回路164は、均等化制御部210と、均等化作動部220とを備える。均等化作動部220は、インダクタ250と、スイッチング素子252と、スイッチング素子254と、ダイオード262と、ダイオード264とを有する。なお、バランス補正回路164は、蓄電セル122及び蓄電セル124のそれぞれの電圧を検知する電圧検知部(図示されていない。)を備えてもよい。均等化制御部210は、制御部の一例であってよい。均等化作動部220は、第1のバランス補正部又は第2のバランス補正部の一例であってよい。
【0042】
本実施形態において、バランス補正回路164は、蓄電セル122の正極側と、蓄電セル122の負極側及び蓄電セル124の正極側の接続点134と、蓄電セル124の負極側とに電気的に接続される。これにより、蓄電セル122と、スイッチング素子252と、インダクタ250とを含む第1の開閉回路が形成される。また、蓄電セル124と、インダクタ250と、スイッチング素子254とを含む第2の開閉回路が形成される。蓄電セル122及び蓄電セル124は、隣接する2つの蓄電セルの一例であってよい。
【0043】
均等化制御部210は、均等化作動部220の動作を制御する。均等化制御部210は、スイッチング素子252のオン・オフ動作を制御する均等化制御信号22をスイッチング素子252に供給する。均等化制御部210は、スイッチング素子254のオン・オフ動作を制御する均等化制御信号24をスイッチング素子254に供給する。均等化制御信号22及び均等化制御信号24は、第1の制御信号又は第2の制御信号の一例であってよい。
【0044】
均等化制御部210は、予め定められた周期のパルス列を発生するパルス発生器により、均等化制御信号22及び均等化制御信号24を生成してよい。パルス発生器は、均等化制御信号22及び均等化制御信号24の少なくとも一方のデューティ比を可変制御する可変パルス発生器であってもよい。デューティ比は、方形波の周期に対するON期間の割合として算出することができる。
【0045】
均等化制御部210は、スイッチング素子252及びスイッチング素子254が交互にオン・オフ動作を繰り返すように均等化制御信号22及び均等化制御信号24を供給してよい。これにより、第1の開閉回路に電流が流れている状態と、第2の開閉回路に電流が流れている状態とが交互に切り替わるスイッチング動作が繰り返される。
【0046】
均等化制御部210は、バランス補正回路164がスイッチング動作を予め定められた周期で繰り返すように、スイッチング素子252及びスイッチング素子254に対して、均等化制御信号22及び均等化制御信号24を供給してよい。ここで、「予め定められた周期」とは、スイッチング動作の繰り返しの周期が予め設定されている場合だけなく、何らかの制御によって当該周期を変動させる場合を含む。例えば、特定のアルゴリズムに基づいて次のサイクルにおける周期を決定する場合も含まれる。
【0047】
スイッチング動作は、スイッチング素子252及びスイッチング素子254の一方のスイッチング素子がオン動作し、他方のスイッチング素子がオフ動作する第1の動作と、当該一方のスイッチング素子がオフ動作し、当該他方のスイッチング素子がオン動作する第2の動作とを含んでよい。スイッチング動作は、第1の動作及び第2の動作に加えて、スイッチング素子252及びスイッチング素子254の両方がオフ動作する第3の動作を含んでよい。第1の動作、第2の動作及び第3の動作の順序は、任意に決定されてよいが、第1の動作に引き続いて第2の動作が実施されることが好ましい。なお、スイッチング動作は、他の動作を含んでもよい。
【0048】
均等化制御部210は、モジュール制御部150からモジュール制御信号14を受信する。均等化制御部210は、モジュール制御信号14に基づいて、均等化制御信号22及び均等化制御信号24を生成してよい。例えば、モジュール制御信号14に、バランス補正回路164の動作モードを規定する信号(モード選択信号と称する場合がある。)が含まれる場合、均等化制御部210は、バランス補正回路164が、モード選択信号によって規定される動作モードで動作するように、均等化制御信号22及び均等化制御信号24を生成する。
【0049】
例えば、バランス補正回路164を通常モードで動作させる場合、均等化制御部210は、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比が等しくなるように、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比を調整してよい。これにより、バランス補正回路164がスイッチング動作を繰り返すことで、電圧又はSOCの値が大きな方の蓄電セルから他方の蓄電セルに電荷が移動する。例えば、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比がそれぞれ50%である場合、バランス補正回路164は、蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧が等しくなるまで、スイッチング動作を繰り返す。
【0050】
また、バランス補正回路164を通常モードで動作させる場合、均等化制御部210は、バランス補正回路164の動作対象セルのうち電圧又はSOCの値が大きな方の蓄電セルに対応するスイッチング素子のON時間が、他方の蓄電セルに対応するスイッチング素子のON時間よりも長くなるように、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比を調整する。本実施形態によれば、スイッチング素子252及びスイッチング素子254の製造誤差などにより、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比が等しくなるように制御すると、平衡状態において蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧差が0にならない場合であっても、蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧差が0になるタイミングを作り出すことができる。その結果、蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧差が0になるタイミング又は当該電圧差が非常に小さくなるタイミングで、バランス補正回路164を停止させることができる。
【0051】
同様に、バランス補正回路164を順方向モードで動作させる場合、均等化制御部210は、バランス補正回路164の動作対象セルのうち外部端子112側の蓄電セルに対応するスイッチング素子のON時間が、他方の蓄電セルに対応するスイッチング素子のON時間よりも長くなるように、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比を調整する。バランス補正回路164を逆方向モードで動作させる場合、均等化制御部210は、バランス補正回路164の動作対象セルのうち外部端子114側の蓄電セルに対応するスイッチング素子のON時間が、他方の蓄電セルに対応するスイッチング素子のON時間よりも長くなるように、均等化制御信号22及び均等化制御信号24のデューティ比を調整する。
【0052】
バランス補正回路164を停止モードにする場合、均等化制御部210は、スイッチング素子252をオフ動作させるための均等化制御信号22と、スイッチング素子254をオフ動作させるための均等化制御信号24とを生成する。なお、モジュール制御信号14に、蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧差に関する情報が含まれている場合、均等化制御部210は、当該電圧差に基づいて、バランス補正回路164を停止させるタイミングを決定してもよい。
【0053】
インダクタ250は、蓄電セル122とスイッチング素子252との間に、蓄電セル122及びスイッチング素子252に直列に接続され、蓄電セル122と蓄電セル124との間で電荷を移動させる。本実施形態において、インダクタ250の一端は、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134に電気的に接続される。インダクタ250の他端は、スイッチング素子252及びスイッチング素子254の接続点245に電気的に接続される。スイッチング素子252及びスイッチング素子254が、交互にオン動作及びオフ動作(オン・オフ動作という場合がある。)を繰り返すことで、インダクタ250にインダクタ電流I
Lが生じる。これにより、蓄電セル122と蓄電セル124との間でインダクタを介して電気エネルギーを授受することができる。その結果、蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧を均等化させることができる。
【0054】
スイッチング素子252は、インダクタ250の他端と蓄電セル122の正極側との間に電気的に接続される。スイッチング素子252は、均等化制御部210から均等化制御信号22を受信して、均等化制御信号22に基づいてオン動作又はオフ動作を行う。これにより、第1の開閉回路を開閉する。スイッチング素子252は、MOSFETなどのトランジスタであってよい。
【0055】
スイッチング素子254は、インダクタ250の他端と蓄電セル124の負極側との間に電気的に接続される。スイッチング素子254は、均等化制御部210から均等化制御信号24を受信して、均等化制御信号24に基づきオン動作又はオフ動作を行う。これにより、第2の開閉回路を開閉する。スイッチング素子254は、MOSFETなどのトランジスタであってよい。
【0056】
ダイオード262は、スイッチング素子252と並列に配され、インダクタ250の他端から蓄電セル122の正極側への方向に電流を流す。ダイオード264は、スイッチング素子254と並列に配され、蓄電セル124の負極側からインダクタ250の他端への方向に電流を流す。ダイオード262及びダイオード264は、MOSFETのソース・ドレイン間に等価的に形成される寄生ダイオードであってよい。
【0057】
ダイオード262及びダイオード264を設けることで、スイッチング素子252及びスイッチング素子254が共にオフ状態となった期間にインダクタ電流I
Lが残留した場合であっても、当該インダクタ電流I
Lがダイオード262又はダイオード264を通して流れ続けることができる。これにより、インダクタ250に一旦生じたインダクタ電流I
Lを無駄なく利用することができる。また、インダクタ電流I
Lを遮断した場合に生じるサージ電圧の発生を抑制することができる。
【0058】
本実施形態において、バランス補正回路164の均等化制御部210が、均等化制御信号22及び均等化制御信号24を生成する場合について説明した。しかし、バランス補正回路164は本実施形態に限定されない。バランス補正回路164は、均等化制御部210を有しなくてもよい。この場合において、スイッチング素子252及びスイッチング素子254は、モジュール制御部150により生成された均等化制御信号22及び均等化制御信号24に基づいて動作してよい。
【0059】
本実施形態において、モジュール制御部150がモジュール制御信号14を生成し、均等化制御部210がモジュール制御信号14に基づいて均等化制御信号22及び均等化制御信号24を生成する場合について説明した。しかし、バランス補正回路164は本実施形態に限定されない。均等化制御部210は、電圧監視回路140から情報を受け取り、受け取った情報に対してモジュール制御部150と同様の処理を実行することで、均等化制御信号22及び均等化制御信号24を生成してよい。
【0060】
本実施形態において、バランス補正回路164が蓄電セル122及び蓄電セル124の電圧を均等化する場合について説明した。しかし、バランス補正回路164は本実施形態に限定されない。バランス補正回路164は、蓄電セル122及び蓄電セル128のように、隣接していない2つの蓄電セルの電圧を均等化してもよい。この場合、インダクタ250の一端は、蓄電セル122及び蓄電セル128の接続点と接続される。また、スイッチング素子254は、インダクタ250の他端と蓄電セル128の負極側との間に電気的に接続される。他の実施形態において、バランス補正回路164は、蓄電セル122及び蓄電セル124の直列電圧と、蓄電セル124及び蓄電セル126の直列電圧とを均等化してよい。この場合、インダクタ250の一端は、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134と接続される。また、スイッチング素子252は、インダクタ250の他端と蓄電セル120の正極側との間に電気的に接続され、スイッチング素子254は、インダクタ250の他端と蓄電セル126の負極側との間に電気的に接続される。
【0061】
図3、
図4及び
図5を用いて、バランス補正回路164の他の例について説明する。なお、バランス補正回路162、バランス補正回路166及びバランス補正回路168も、バランス補正回路164と同様の内部構成を有してよい。
【0062】
図3は、バランス補正回路164の内部構成の他の例を概略的に示す。
図4は、
図3に関連して説明したバランス補正回路164において、均等化制御部210及び均等化制御部310から出力される信号の一例を概略的に示す。
図5は、
図3に関連して説明したバランス補正回路164において、蓄電セル122及び蓄電セル124の均等化動作時に流れる電流の波形の一例を概略的に示す。
【0063】
図3に示すとおり、本実施形態に係るバランス補正回路164は、均等化制御部310及び均等化作動部320を備える点で、
図2に関連して説明したバランス補正回路164と相違する。均等化制御部310は、制御部の一例であってよい。均等化作動部320は、第1のバランス補正部又は第2のバランス補正部の一例であってよい。
【0064】
均等化制御部310は、均等化制御部210と同様の構成を有し、均等化作動部320の動作を制御する。均等化制御部310は、モジュール制御部150からモジュール制御信号14を受信する。均等化制御部310は、モジュール制御信号14に基づいて、均等化制御信号32及び均等化制御信号34を生成してよい。例えば、モジュール制御信号14に、モード選択信号が含まれる場合、均等化制御部310は、バランス補正回路164が、モード選択信号によって規定される動作モードで動作するように、均等化制御信号32及び均等化制御信号34を生成する。
【0065】
本実施形態において、モジュール制御信号14は、均等化制御信号22、均等化制御信号24、均等化制御信号32及び均等化制御信号34の位相を調整するための信号を含む。均等化制御部210及び均等化作動部320は、モジュール制御信号14に基づいて、均等化作動部220のインダクタ250を流れるインダクタ電流I
L1と、均等化作動部320のインダクタ250を流れるインダクタ電流I
L2とが、異なる波形又は位相を有するように、均等化制御信号22、均等化制御信号24、均等化制御信号32及び均等化制御信号34を生成する。
【0066】
本実施形態においては、バランス補正回路164が2つの均等化作動部を有するので、インダクタ電流I
L1とインダクタ電流I
L2との位相差が、360÷2=180[°]となるように、均等化制御信号22、均等化制御信号24、均等化制御信号32及び均等化制御信号34を生成することが好ましい。この場合、均等化作動部220及び均等化作動部320のそれぞれから動作対象セルの接続点への出力電流の波形が合成されることにより、当該出力電流のそれぞれのリップル電流がほぼ相殺される。その結果、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134を流れる電流I
L0の波形の振幅を特に小さくすることができる。
【0067】
均等化作動部320は、直列に接続された蓄電セル122及び蓄電セル124と、均等化作動部220と、均等化作動部320とが並列に接続するように、蓄電セル122及び蓄電セル124と電気的に接続する。これにより、
図2に関連して説明したバランス補正回路164と比較して、2つの蓄電セルの間における電荷の移動速度を向上させることができる。また、均等化制御信号22、均等化制御信号24、均等化制御信号32及び均等化制御信号34の位相を調整することにより、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134を流れる電流I
L0の波形の振幅を小さくすることができる。
【0068】
均等化作動部320のインダクタ250の一端は、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134に電気的に接続される。均等化作動部320インダクタ250の他端は、均等化作動部320のスイッチング素子252及びスイッチング素子254の接続点245に電気的に接続される。
【0069】
均等化作動部320のスイッチング素子252は、均等化作動部320のインダクタ250の他端と蓄電セル122の正極側との間に電気的に接続される。均等化作動部320のスイッチング素子252は、均等化制御部310から均等化制御信号32を受信して、均等化制御信号32に基づいてオン動作又はオフ動作を行う。
【0070】
均等化作動部320のスイッチング素子254は、均等化作動部320インダクタ250の他端と蓄電セル124の負極側との間に電気的に接続される。均等化作動部320のスイッチング素子254は、均等化制御部210から均等化制御信号34を受信して、均等化制御信号34に基づきオン動作又はオフ動作を行う。
【0071】
本実施形態において、バランス補正回路164が、蓄電セル122及び蓄電セル124と並列に接続される2つの均等化作動部を有する場合について説明した。しかし、バランス補正回路164は、本実施形態に限定されない。バランス補正回路164は、蓄電セル122及び蓄電セル124と並列に接続されるN個の均等化作動部を有してよい。なお、Nは2以上の整数である。N個の均等化作動部は、M個のグループに分類されてよい。なお、Mは、1より大きくN以下の整数であってよい。また、Nは、Mの倍数(1倍を含む。)であることが好ましい。
【0072】
この場合において、N個の均等化作動部のそれぞれは、M個のグループのうちの異なる2つのグループから出力されるインダクタ電流の位相差が、360/M[°]の倍数(1倍を含む。)となるように制御されてよい。例えば、
図3のバランス補正回路164において、均等化作動部220及び均等化作動部320が、インダクタ電流I
L1とインダクタ電流I
L2との位相差が180[°]となるように制御される場合、N=2かつM=2である。
【0073】
また、バランス補正回路164が、6個の均等化作動部A〜Fを有する場合を例として説明すると、6個の均等化作動部A〜Fは、例えば、A及びBからなる第1グループと、C及びDからなる第2グループと、E及びFからなる第3グループとに分類される。3個のグループのうちの異なる2つのグループから出力されるインダクタ電流の位相差が360/3=120[°]の倍数となるように、6個の均等化作動部A〜Fを制御することで、各均等化作動部からの出力電流のリップル電流をほぼ相殺することができる。この場合において、同一のグループに含まれる均等化作動部(例えば、均等化作動部A及びB)から出力されるインダクタ電流の位相差は、0[°]であり、均等化作動部A又はBから出力されるインダクタ電流と、均等化作動部C又はDから出力されるインダクタ電流との位相差は、120[°]であり、均等化作動部A又はBから出力されるインダクタ電流と、均等化作動部E又はFから出力されるインダクタ電流との位相差は、240[°]であり、均等化作動部C又はDから出力されるインダクタ電流と、均等化作動部E又はFから出力されるインダクタ電流との位相差は、120[°]である。
【0074】
図4及び
図5を用いて、均等化制御部210及び均等化制御部310が、インダクタ電流I
L1とインダクタ電流I
L2との位相差が180°となるように、均等化制御信号22、均等化制御信号24、均等化制御信号32及び均等化制御信号34を生成する場合について説明する。
図4は、均等化制御信号22、均等化制御信号24、均等化制御信号32及び均等化制御信号34の波形の一例を概略的に示す。
図5は、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134を流れる電流I
L0の電流値の経時変化を示す。
図5において、点線で示す丸の中に、電流I
L0、インダクタ電流I
L1及びインダクタ電流I
L2の波形の一例を概略的に示す。
【0075】
図4に示すとおり、均等化制御信号22及び均等化制御信号32は180°の位相差を有し、均等化制御信号24及び均等化制御信号34は180°の位相差を有する。この場合、
図5に示すとおり、インダクタ電流I
L1及びインダクタ電流I
L2が順番に出力される。また、インダクタ電流I
L1及びインダクタ電流I
L2が、180°の位相差を有する。その結果、電流I
L0の振幅がほぼ0となる。本実施形態によれば、蓄電セル122及び蓄電セル124の接続点134を流れる電流I
L0の振幅を抑制することができるので、蓄電システム100の出力電流に生じるノイズを低減することができる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
また、本願明細書には下記の技術的思想も記載されていることが明らかである。
(項目1)
直列に接続された複数の蓄電セルのうちの2つの蓄電セルの電圧を均等化させる第1のバランス補正部と、
上記複数の蓄電セルのうちの2つの蓄電セルの電圧を均等化させる第2のバランス補正部と、
上記第1のバランス補正部及び上記第2のバランス補正部の動作を制御する制御部と、
を備え、
上記制御部は、上記複数の蓄電セルのそれぞれのSOC(State Of Charge)に基づいて、上記第1のバランス補正部の動作を制御する第1の制御信号と、上記第2のバランス補正部の動作を制御する第2の制御信号とを生成する、
バランス補正装置。
(項目2)
上記第1のバランス補正部は、上記複数の蓄電セルに含まれる第1の蓄電セル及び第2の蓄電セルの電圧を均等化させ、
上記第1の蓄電セルの負極は、上記第2の蓄電セルの正極と接続されており、
上記制御部は、
上記複数の蓄電セルのうち、上記複数の蓄電セルの上記正極側の端部と、上記第1の蓄電セル及び上記第2の蓄電セルとの接続点との間に配される1以上の蓄電セルのSOCの値を平均して得られる第1の値と、上記複数の蓄電セルのうち、上記複数の蓄電セルの上記負極側の端部と、上記第1の蓄電セル及び上記第2の蓄電セルとの接続点との間に配される1以上の蓄電セルのSOCの値を平均して得られる第2の値とを比較し、
上記比較の結果に基づいて、上記第1の制御信号を生成する、
項目1に記載のバランス補正装置。
(項目3)
上記制御部は、上記第1の値が上記第2の値より大きい場合に、上記第1の蓄電セルの電圧又はSOCを減少させ、上記第2の蓄電セルの電圧又はSOCを増加させるような上記第1の制御信号を生成する、
項目1又は項目2に記載のバランス補正装置。
(項目4)
上記制御部は、上記第1の値が上記第2の値より大きく、かつ、上記第1の蓄電セルのSOCの値が上記第2の蓄電セルのSOCの値より小さい場合に、上記第1のバランス補正部の動作を停止させるような上記第1の制御信号を生成する、
項目1から項目3までの何れか一項に記載のバランス補正装置。
(項目5)
直列に接続された複数の蓄電セルと、
上記複数の蓄電セルの電圧を均等化させる、項目1から項目4までの何れか一項に記載のバランス補正装置と、
を備える、蓄電システム。
(項目6)
上記複数の蓄電セルのそれぞれの電圧を測定する電圧測定部をさらに備える、
項目5に記載の蓄電システム。
(項目7)
直列に接続された複数の蓄電セルのうちの2つの蓄電セルの電圧を均等化させる第1のバランス補正部と、上記複数の蓄電セルのうちの2つの蓄電セルの電圧を均等化させる第2のバランス補正部とを備えるバランス補正回路の動作を制御するためのコンピュータに、上記複数の蓄電セルのそれぞれの電圧又はSOCの値を受信する手順と、上記電圧又はSOCの値に基づいて、上記第1のバランス補正部の動作を制御する第1の制御信号と、上記第2のバランス補正部の動作を制御する第2の制御信号とを生成する手順とを実行させるためのプログラム。
(項目8)
直列に接続された複数の蓄電セルのうちの2つの蓄電セルの電圧を均等化させる第1のバランス補正部と、上記複数の蓄電セルのうちの2つの蓄電セルの電圧を均等化させる第2のバランス補正部とを備えるバランス補正回路の動作を制御するための制御装置であって、上記複数の蓄電セルのそれぞれの電圧又はSOCの値を受信する受信部と、上記電圧又はSOCの値に基づいて、上記第1のバランス補正部の動作を制御する第1の制御信号と、上記第2のバランス補正部の動作を制御する第2の制御信号とを生成する制御信号生成部とを備える制御装置。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。