【0023】
油性成分としては、エステル油、植物油のような油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油などが例示できる。
エステル油としては、例えば、エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3−ブチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸1,3−ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリル等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコーン油として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン、シクロペンタシロキサン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール等が挙げられる。
塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリルPEG−10ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリシリコーン−13等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
pH調製剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
防腐剤としては、フェノキシエタノール、パラベン等が挙げられる。
セラミドとしては、セチルPGヒドロキシエチルパルミタイド、セレブロシド等が挙げられる。
【実施例】
【0025】
試験例1
以下に実施例、比較例のW/O/W型乳化組成物を用いた試験例により、本発明の特徴と効果をさらに詳細に説明する。
(1)W/O/W型乳化組成物の調製方法
前述のとおり、本発明においては、まず、W/O/W型乳化組成物の内相となるW/O
型乳化組成物(一次乳化物)を調製し、次にW/O型乳化組成物(一次乳化物)を、界面
活性剤を含む水相に投入しW/O/W型乳化組成物を調製する。
【0026】
<一次乳化物(W/O型乳化組成物)の調製>
表1に示す油相と水相をそれぞれ別に80℃に加熱して溶解させ、十分に攪拌・混合後、
水相を油相へ添加し、ホモミキサーで6000rpm、2分間攪拌して乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、W/O型の一次乳化物を調製する。
【0027】
【表1】
【0028】
<W/O/W型乳化組成物の調製>
次いで、表2に示す組成の外水相の各成分を混合し、80℃に加熱しながら十分に攪拌
溶解する。次に、先に調製しておいた一次乳化物を50℃まで再加温し、外水相に投入し
て撹拌乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、W/O/W型乳化組成物を調製
する。
【0029】
【表2】
【0030】
(2)乳化状態・安定性の評価
乳化組成物(W/O/W型乳化組成物)について、乳化状態、粘度、安定性の評価を下
記基準により行った。
【0031】
<乳化状態(顕微鏡観察)>
OLYMPUS社製のシステム偏光顕微鏡BX−50−33P−Dを用いて乳化組成物を倍率400で観察し、下記の基準で乳化状態を判定した。
○;W/O/W型を均一に形成している
△;W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない
×;W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
【0032】
<粘度>
乳化組成物を直径約3cmのガラス容器に充填し25℃に保存して、翌日に粘度を測定
(B型粘度計、4号ローター、12rpm、30秒)した。
【0033】
<乳化安定性>
乳化組成物を、それぞれ直径約3cmのガラス容器に充填し、25℃、40℃、50℃
の恒温室に保存して、30日後に乳化状態を顕微鏡観察し、乳化安定性を以下の基準によ
り評価した。
(各温度での評価基準)
○:ほぼ、温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持している
△:W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない(合一がみられる)
×:W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
【0034】
(3)結果(W/O/W乳化組成物の評価)
表1の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有
する油相と内水相から成るW/O型乳化物(一次乳化物1)を、ジ脂肪酸アシルグルタミ
ン酸リシン塩を含む水相に投入して乳化した表2に示す実施例の乳化組成物は、W/O/
W型を均一に形成していることが顕微鏡観察により確認できた(
図1)。実施例のW/O/
W型乳化組成物を25℃、40℃、50℃の恒温室に保存して、30日後に乳化状態を顕
微鏡観察したところ、ほぼ、温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持していた。
図2は実施例のW/O/W型乳化組成物を25℃で30日間保管後の乳化状態(安定性)
を観察した画像である。
図3は実施例のW/O/W型乳化組成物を50℃で30日間保管
後の乳化状態(安定性)を観察した画像である。いずれの画像でも、きれいにW/O/W
型が維持できていることが確認できた。
一方、表1の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内水相から成るW/O型乳化物(一次乳化物1)を、表2に示す比較例
の組成で調製した乳化組成物は、温度試験開始前の観察では
図4に示すようにW/O/W
型乳化組成物を形成していることが確認できたが、高温(50℃)で30日保管後に観察
したところ、
図6に示すように温度試験開始前のW/O/W型乳化状態が維持できておら
ず、O/W型の乳化物となっていた。比較例のW/O/W型乳化組成物は粘度が2110
0mPa・sと比較的高いが、高温保存によって合一が生じたものと考えられる。比較例の
W/O/W型乳化組成物は、製品移送時などの高温となる環境下では、製品の安定性が不
良になり、十分な品質保証が得られないことがわかった。
【0035】
試験例2
次に各種組成の一次乳化物2−10を調製し、この一次乳化物を用いた、実施例2−11、比較例2−10のW/O/W型乳化組成物を調製し、さらに試験1と同様に安定性試験を実施した。この結果に基づき、さらに本発明の特徴と効果を説明する。
(1)W/O/W型乳化組成物の調製方法
W/O/W型乳化組成物の内相となるW/O型乳化組成物として一次乳化物2−10を調製し、試験例1と同様にして一次乳化物を、界面活性剤を含む水相に投入しW/O/W型乳化組成物を調製する。
【0036】
<一次乳化物(W/O型乳化組成物)の調製>
表3に示す油相と水相をそれぞれ別に80℃に加熱して溶解させ、十分に攪拌混合後、水相を油相へ添加し、ホモミキサーで6000rpm、2分間攪拌して乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、W/O型の一次乳化物2−10を調製する。
なお一次乳化物2〜6は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含む組成であり、一次乳化物7〜10は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含まない組成である。
【0037】
【表3】
【0038】
<W/O/W型乳化組成物の調製>
次いで、表4−1(実施例2〜10)、表4−2(比較例2〜10)に示す組成となるように外水相の各成分を混合し、80℃に加熱しながら十分に攪拌溶解する。次に、先に調製しておいた一次乳化物を50℃まで再加温し、外水相に投入して撹拌乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、実施例2〜11の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルの濃度を変えたW/O/W型乳化組成物を調製した。
比較例4〜8は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有しない一次乳化物7〜9を配合し、多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有しないW/O/W型乳化組成物を調製したもので、多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルの安定性に及ぼす効果を確認するために行った。また比較例9、10は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有するがジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを含有しない場合の乳化組成物の安定性を確認したものである。
【0039】
【表4-1】
【0040】
【表4-2】
【0041】
(2)乳化状態・安定性の評価
各乳化組成物(W/O/W型乳化組成物実施例2−11、比較例2−10)について、乳化状態、粘度、安定性の評価を下記基準により行った。
【0042】
<乳化状態(顕微鏡観察)>
OLYMPUS社製のシステム偏光顕微鏡BX−50−33P−Dを用いて乳化組成物を倍率400で観察し、下記の基準で乳化状態を判定した。
○:W/O/W型を均一に形成している
△:W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない
×:W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
【0043】
<粘度>
乳化組成物を直径約3cmのガラス容器に充填し25℃に保存して、翌日に粘度を測定(B型粘度計、4号ローター、12rpm、30秒)した。
【0044】
<乳化安定性>
乳化組成物を、直径約3cmのガラス容器に充填し、25℃、40℃、50℃の恒温室にそれぞれ保存して、30日後に乳化状態を顕微鏡観察し、乳化安定性を以下の基準により評価した。
(各温度での評価基準)
○:温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持している
△:W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない(合一がみられる)
×:W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
【0045】
(3)結果(W/O/W型乳化組成物の評価)
表3の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内水相から成るW/O型乳化物(一次乳化物2−9)を、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を含む水相に投入して乳化した表4−1に示す実施例2−11の乳化組成物は、W/O/W型を均一に形成していることが顕微鏡観察により確認できた。実施例2−11のW/O/W型乳化組成物を25℃、40℃、50℃の恒温室にそれぞれ保存して、30日後に乳化状態を顕微鏡観察したところ、ほぼ、温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持していた。
一方、表3の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有しないW/O型乳化物(一次乳化物7−10)を、表4−2に示す比較例2−8の組成で調製した乳化組成物は、温度試験開始前の観察では一部の組成物はW/O/W型乳化組成物を形成していることが確認できたが、高温(50℃)で30日保管後に観察したところ、W/O/W型乳化状態が維持できておらず、O/W型の乳化物となっていた。比較例のW/O/W型乳化組成物は、製品移送時などの高温となる環境下では、製品の安定性が不良になり、品質保証が十分得られないことが明らかであった。また表3の一次乳化物で多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する組成物を配合してもジラウロイルグルタミン酸リシンを含有しない比較例9、10の組成物はW/O/W型乳化組成物は形成するが高温での長期間安定性が不良であった。
【0046】
以上の試験例1、試験例2の結果から、一次乳化物の親油性界面活性剤としてジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30を用いた場合に、外水相にジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を配合すると高温での保存安定性に優れたW/O/W型乳化組成物が得られることがわかった。
このW/O/W型乳化組成物は、高温(50℃)の環境下でも保存安定性に優れているので製品移送時などの高温となる環境下でも品質低下が無く、様々な化粧料に応用できる。
【0047】
以下に本発明の構成のW/O/W型乳化組成物からなる化粧料の処方例および、特性を示す。
〔処方例1〕
(1)乳液の処方
成分 配合量(質量%)
1.ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩(ペリセアL−30) 0.5
2.ヒドロキシエチルセルロース 0.1
3.グリセリン 4
4.ペンチレングリコール 2
5.1,3−ブチレングリコール 5
6.フェノキシエタノール 0.2
7.精製水 残余
8.一次乳化物1の油中水型乳化組成物 30
成分1〜7を混合し、80℃に加熱する。先に調製しておいた成分8を50℃に加温し、成分1〜7に投入しホモミキサーで撹拌する。その後、室温まで冷却しW/O/W型乳化組成物を調製する。
(2)特性
本処方の乳液は保存安定性に優れていた。べたつきがなく優れた使用感であった。
【0048】
〔処方例2〕
(1)クリームの処方
成分 配合量(質量%)
1.ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩(ペリセアL−30) 1.5
2.(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー 2.5
3.グリセリン 5
4.ペンチレングリコール 2
5.1,3−ブチレングリコール 3
6.フェノキシエタノール 0.2
7.精製水 残余
8.一次乳化物1の油中水型乳化組成物 30
成分1〜7を混合し、80℃に加熱する。先に調製しておいた成分8を50℃に加温し、成分1〜7に投入しホモミキサーで撹拌する。その後、室温まで冷却しW/O/W型乳化組成物を調製する。
(2)特性
本処方のクリームは保存安定性に優れていた。べたつきがなく優れた使用感であった。