特許第6234300号(P6234300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6234300無線端末、無線システム及び通信接続方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234300
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】無線端末、無線システム及び通信接続方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20171113BHJP
   H04W 12/06 20090101ALI20171113BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20171113BHJP
   H04W 76/02 20090101ALI20171113BHJP
【FI】
   H04M1/00 V
   H04W12/06
   H04W84/10 110
   H04W76/02
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-67854(P2014-67854)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-192282(P2015-192282A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】高木 邦宏
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−046171(JP,A)
【文献】 特開2006−024241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末であって、
ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出手段と、
ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行い、当該認証装置に格納された認証IDと前記無線端末に格納された認証IDとの比較に基づいてID認証を行うID認証手段と、
前記装着検出手段によってユーザが装着したことが検出され、前記ID認証手段によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信手段と、
を備える無線端末。
【請求項2】
通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末であって、
ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出手段と、
ユーザの生体認証を行う生体認証手段と、
前記装着検出手段によってユーザが装着したことが検出され、前記生体認証手段によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信手段と、
を備える無線端末。
【請求項3】
前記無線端末の状態変化を検出する状態変化検出手段をさらに備え、
前記装着検出手段は、前記状態変化検出手段によって状態変化が検出された場合に、ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する、
請求項1又は2に記載の無線端末。
【請求項4】
ユーザが前記無線端末を外したことを検出する非装着検出手段と、
前記非装着検出手段によって装着を外したことが検出された場合に、前記通信装置において優先接続端末としての前記無線端末の登録の解除を指示する解除指示情報を当該通信装置に送信する解除指示情報送信手段と、
をさらに備える請求項1〜の何れか一項に記載の無線端末。
【請求項5】
前記通信装置において優先接続端末としての前記無線端末の登録が完了した旨を示す登録完了情報を当該通信装置から受信する登録完了情報受信手段と、
前記登録完了情報受信手段によって登録完了情報が受信された場合に、前記無線端末が優先接続端末として登録された旨をユーザに通知する登録完了通知手段と、
をさらに備える請求項1〜の何れか一項に記載の無線端末。
【請求項6】
複数の端末に対して無線通信で接続可能な通信装置と、前記通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末とを含む無線システムであって、
前記無線端末は、
ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出手段と、
ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行い、当該認証装置に格納された認証IDと前記無線端末に格納された認証IDとの比較に基づいてID認証を行うID認証手段と、
前記装着検出手段によってユーザが装着したことが検出され、前記ID認証手段によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信手段と、
を備え、
前記通信装置は、
登録指示情報を前記無線端末から受信する登録指示情報受信手段と、
前記登録指示情報受信手段によって登録指示情報が前記無線端末から受信された場合に、当該無線端末を優先接続端末として登録する優先接続登録手段と、
端末に対して無線通信で接続を行う場合に、前記優先接続登録手段によって優先接続端末として登録された前記無線端末に優先接続を行う通信接続手段と、
を備える無線システム。
【請求項7】
複数の端末に対して無線通信で接続可能な通信装置と、前記通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末とを含む無線システムであって、
前記無線端末は、
ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出手段と、
ユーザの生体認証を行う生体認証手段と、
前記装着検出手段によってユーザが装着したことが検出され、前記生体認証手段によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信手段と、
を備え、
前記通信装置は、
登録指示情報を前記無線端末から受信する登録指示情報受信手段と、
前記登録指示情報受信手段によって登録指示情報が前記無線端末から受信された場合に、当該無線端末を優先接続端末として登録する優先接続登録手段と、
端末に対して無線通信で接続を行う場合に、前記優先接続登録手段によって優先接続端末として登録された前記無線端末に優先接続を行う通信接続手段と、
を備える無線システム。
【請求項8】
通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末により実行される通信接続方法であって、
ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出ステップと、
ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行い、当該認証装置に格納された認証IDと前記無線端末に格納された認証IDとの比較に基づいてID認証を行うID認証ステップと、
前記装着検出ステップにおいてユーザが装着したことが検出され、前記ID認証ステップにおいて当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信ステップと、
を含む通信接続方法。
【請求項9】
通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末により実行される通信接続方法であって、
ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出ステップと、
ユーザの生体認証を行う生体認証ステップと、
前記装着検出ステップにおいてユーザが装着したことが検出され、前記生体認証ステップにおいて当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信ステップと、
を含む通信接続方法。
【請求項10】
複数の端末に対して無線通信で接続可能な通信装置と、前記通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末とを含む無線システムにより実行される通信接続方法であって、
前記無線端末が、ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出ステップと、
ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行い、当該認証装置に格納された認証IDと前記無線端末に格納された認証IDとの比較に基づいてID認証を行うID認証ステップと、
前記無線端末が、前記装着検出ステップにおいてユーザが装着したことが検出され、前記ID認証ステップにおいて当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信ステップと、
前記通信装置が、登録指示情報を前記無線端末から受信する登録指示情報受信ステップと、
前記通信装置が、前記登録指示情報受信ステップにおいて登録指示情報が前記無線端末から受信された場合に、当該無線端末を優先接続端末として登録する優先接続登録ステップと、
前記通信装置が、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、前記優先接続登録ステップにおいて優先接続端末として登録された前記無線端末に優先接続を行う通信接続ステップと、
を含む通信接続方法。
【請求項11】
複数の端末に対して無線通信で接続可能な通信装置と、前記通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末とを含む無線システムにより実行される通信接続方法であって、
前記無線端末が、ユーザが前記無線端末を装着したことを検出する装着検出ステップと、
ユーザの生体認証を行う生体認証ステップと、
前記無線端末が、前記装着検出ステップにおいてユーザが装着したことが検出され、前記生体認証ステップにおいて当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、前記通信装置が優先接続する優先接続端末として前記無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信ステップと、
前記通信装置が、登録指示情報を前記無線端末から受信する登録指示情報受信ステップと、
前記通信装置が、前記登録指示情報受信ステップにおいて登録指示情報が前記無線端末から受信された場合に、当該無線端末を優先接続端末として登録する優先接続登録ステップと、
前記通信装置が、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、前記優先接続登録ステップにおいて優先接続端末として登録された前記無線端末に優先接続を行う通信接続ステップと、
を含む通信接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信により通信を行う無線端末、無線システム及び通信接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の近距離無線通信による通信機能を有している携帯電話やスマートフォン等の通信装置が知られている。例えば、下記特許文献1では、Bluetooth(登録商標)にて音声信号を送受信する無線機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−239551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話やスマートフォン等の通信装置は、近距離無線通信で接続可能な複数の無線端末を登録し、利用時に各無線端末に接続することが可能である。無線端末としてBluetooth(登録商標)等の無線型イヤホンや無線型ヘッドフォンを通信装置にて複数登録している場合、通話や音楽及び動画再生時に、通信装置側にて登録されている任意の無線端末に自動で接続もしくは事前に優先設定された無線端末に接続を開始する。その場合、例えばユーザが無線型イヤホンや無線型ヘッドフォン等の無線端末を耳に装着している等、ユーザが身につけている場合でも、据え置きの無線型スピーカー等の別の無線端末に通信装置が接続してしまう等、本来意図していない無線端末に通信装置が接続してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明はかかる課題に鑑みて為されたものであり、ユーザが装着している無線端末に通信装置が優先的に接続することができる無線端末、無線システム及び通信接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の無線端末は、通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末であって、ユーザが無線端末を装着したことを検出する装着検出手段と、装着検出手段によって装着したことが検出された場合に、通信装置が優先接続する優先接続端末として無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信手段と、を備える。
【0007】
このような無線端末によれば、ユーザが無線端末(自端末)を装着したことが検出された場合に、通信装置が優先接続する優先接続端末として無線端末(自端末)の登録を指示する登録指示情報が当該通信装置に送信される。かかる構成を採れば、無線端末によって送信された登録指示情報を受信した通信装置は、ユーザが装着したことが検出された当該無線端末を優先接続端末として登録するため、当該通信装置は、ユーザが装着している無線端末に優先的に接続することができる。
【0008】
また、本発明の無線端末において、無線端末の状態変化を検出する状態変化検出手段をさらに備え、装着検出手段は、状態変化検出手段によって状態変化が検出された場合に、ユーザが無線端末を装着したことを検出することが好ましい。かかる構成を採れば、状態変化が検出された場合に、ユーザが装着したことが検出される。一般的に、ユーザが無線端末を装着する直前に、当該無線端末の状態が変化する場合が多く、予め状態変化を検出することで、例えば装着される可能性が高いことを判定でき、より確実にユーザが装着したことを検出することができる。
【0009】
また、本発明の無線端末において、ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行い、当該認証装置に格納された認証IDと無線端末に格納された認証IDとの比較に基づいてID認証を行うID認証手段をさらに備え、登録指示情報送信手段は、装着検出手段によってユーザが装着したことが検出され、ID認証手段によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、登録指示情報を通信装置に送信することが好ましい。かかる構成を採れば、例えば、無線端末とユーザが携帯する認証装置とに同一の認証IDを予め格納し、当該無線端末が装着された際に、ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行って認証IDの同一性に基づいてユーザ認証が行われることで、本来意図しているユーザが装着した無線端末のみが登録指示情報を送信することができる。それにより、通信装置は、本来意図している無線端末に優先接続することができる。
【0010】
また、本発明の無線端末において、ユーザの生体認証を行う生体認証手段をさらに備え、登録指示情報送信手段は、装着検出手段によってユーザが装着したことが検出され、生体認証手段によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、登録指示情報を通信装置に送信することが好ましい。かかる構成を採れば、無線端末が装着された際に、ユーザの生体認証にてユーザ認証が行われることで、本来意図しているユーザが装着した無線端末のみが登録指示情報を送信することができる。それにより、通信装置は、本来意図している無線端末に優先接続することができる。
【0011】
また、本発明の無線端末において、ユーザが無線端末を外したことを検出する非装着検出手段と、非装着検出手段によって外したことが検出された場合に、通信装置において優先接続端末としての無線端末の登録の解除を指示する解除指示情報を当該通信装置に送信する解除指示情報送信手段と、をさらに備えることが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザが無線端末を外した(無線端末の装着をやめた)際に、当該無線端末の優先接続端末としての登録の解除を指示する解除指示情報が通信装置に送信され、解除指示情報を受信した通信装置は、当該無線端末を優先接続端末としての登録を解除するため、通信装置は、ユーザが外した無線端末に対しては優先接続しなくなる。それにより、通信装置は、本来意図している無線端末のみに優先接続することができる。
【0012】
また、本発明の無線端末において、通信装置において優先接続端末としての無線端末の登録が完了した旨を示す登録完了情報を当該通信装置から受信する登録完了情報受信手段と、登録完了情報受信手段によって登録完了情報が受信された場合に、無線端末が優先接続端末として登録された旨をユーザに通知する登録完了通知手段と、をさらに備えることが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザは、自分の無線端末が優先接続端末として通信装置に登録されたことをより確実に知ることができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明の無線システムは、複数の端末に対して無線通信で接続可能な通信装置と、通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末とを含む無線システムであって、無線端末は、ユーザが無線端末を装着したことを検出する装着検出手段と、装着検出手段によって装着したことが検出された場合に、通信装置が優先接続する優先接続端末として無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信手段と、を備え、通信装置は、登録指示情報を無線端末から受信する登録指示情報受信手段と、登録指示情報受信手段によって登録指示情報が無線端末から受信された場合に、当該無線端末を優先接続端末として登録する優先接続登録手段と、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、優先接続登録手段によって優先接続端末として登録された無線端末に優先接続を行う通信接続手段と、を備える。
【0014】
このような無線システムによれば、ユーザが無線端末を装着したことが検出された場合に、通信装置が優先接続する優先接続端末として当該無線端末の登録を指示する登録指示情報が当該通信装置に送信される。無線端末から登録指示情報を受信した通信装置は、当該無線端末を優先接続端末として登録する。そして、通信装置は、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、優先接続端末として登録された無線端末に優先接続を行う。かかる構成を採れば、通信装置は、ユーザが装着したことが検出された無線端末を優先接続端末として登録し、当該無線端末に優先接続を行う。そのため、通信装置は、ユーザが装着している無線端末に優先的に接続することができる。
【0015】
ところで、本発明は、上記のように無線端末及び無線システムの発明として記述できる他に、以下のようにそれぞれ通信接続方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0016】
すなわち、本発明に係る通信接続方法は、通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末により実行される通信接続方法であって、ユーザが無線端末を装着したことを検出する装着検出ステップと、装着検出ステップにおいて装着したことが検出された場合に、通信装置が優先接続する優先接続端末として無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信ステップと、を含む。
【0017】
また、本発明に係る別の通信接続方法は、複数の端末に対して無線通信で接続可能な通信装置と、通信装置と無線通信で接続可能であり、ユーザが装着可能な無線端末とを含む無線システムにより実行される通信接続方法であって、無線端末が、ユーザが無線端末を装着したことを検出する装着検出ステップと、無線端末が、装着検出ステップにおいて装着したことが検出された場合に、通信装置が優先接続する優先接続端末として無線端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置に送信する登録指示情報送信ステップと、通信装置が、登録指示情報を無線端末から受信する登録指示情報受信ステップと、通信装置が、登録指示情報受信ステップにおいて登録指示情報が無線端末から受信された場合に、当該無線端末を優先接続端末として登録する優先接続登録ステップと、通信装置が、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、優先接続登録ステップにおいて優先接続端末として登録された無線端末に優先接続を行う通信接続ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザが装着している無線端末に通信装置が優先的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る無線システムのシステム概要図である。
図2】本発明の実施形態に係る無線端末及び通信装置の機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る無線端末及び通信装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】ユーザ情報のテーブル例を示す図である。
図5】接続先情報のテーブル例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る通信装置において、登録指示情報の受信時の通知例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る通信装置において、優先接続端末への自動接続時の通知例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る通信装置において、登録されている接続端末リストの表示例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る無線端末及び通信装置により実行される優先接続端末の登録時の処理(通信接続方法)を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係る無線端末及び通信装置により実行される優先接続端末登録の解除時の処理を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態に係る通信装置により実行される優先接続先切り替え時の処理を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態に係る通信装置により実行される接続イベント発生時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面とともに本発明による無線端末、通信装置、無線システム及び通信接続方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、無線システム3のシステム概要図である。図1に示す通り、無線システム3は、無線端末1及び通信装置2を含んで構成される。無線端末1と通信装置2とは、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の近距離無線通信によって互いに接続可能及び通信可能である。図1では一つの無線端末1が示されているが、通信装置2は近距離無線通信が可能な様々な種類の複数の端末と通信可能である。無線端末1から通信装置2へ通信を行う場合は、無線端末1は、無線端末1に格納された通信装置2の接続先情報を参照し、無線端末1から通信装置2に通信接続を行い、通信を行う。同様に、通信装置2から無線端末1へ通信を行う場合は、通信装置2は、通信装置2に格納された無線端末1の接続先情報を参照し、通信装置2から無線端末1に通信接続を行い、通信を行う。
【0022】
無線端末1は、近距離無線通信による通信が可能なコンピュータ装置であり、無線端末1のユーザ(以降、無線端末1のユーザのことを単にユーザと呼ぶ)が装着可能である。無線端末1の具体例としては、無線型イヤホンや無線型ヘッドフォン(以降、本実施形態では無線型イヤホン及び無線型ヘッドフォンを総称して無線型イヤホンと呼ぶ)、無線型メガネ、無線型腕時計及び無線型リストバンドがあげられる。本実施形態では、無線端末1として主に無線型イヤホンを想定して説明する。
【0023】
例えば、無線型イヤホンは、小型スピーカーを備え、通信装置2から送信された音信号に対応する音を小型スピーカーから出力する。無線型イヤホンを耳に装着したユーザは、無線型イヤホンから出力された音を聞くことができる。また、無線型メガネは、メガネレンズあるいはメガネレンズ付近に映像出力装置を備え、通信装置2から送信された映像信号に対応する映像を映像出力装置から出力する。無線型メガネを目にかけたユーザは、無線型メガネから出力された映像を見ることができる。また、無線型腕時計又は無線型リストバンドは、表示装置を備え、通信装置2から送信された文字情報を表示する。無線型腕時計又は無線型リストバンドを手に装着したユーザは、無線型腕時計又は無線型リストバンドに表示された文字情報を確認することができる。
【0024】
通信装置2は、近距離無線通信による通信が可能なコンピュータ装置であり、より具体的にはスマートフォンや携帯電話(以降、本実施形態ではスマートフォン及び携帯電話を総称してスマートフォンと呼ぶ)である。本実施形態では、通信装置2として主にスマートフォンを想定して説明する。
【0025】
図2は、無線端末1及び通信装置2の機能ブロック図である。図1に示す通り、無線端末1は、通信接続部10、状態変化検出部11(状態変化検出手段)、装着検出部12(装着検出手段及び非装着検出手段)、ユーザ情報格納部13、ユーザ認証部14(ID認証手段及び生体認証手段)、指示情報送信部15(登録指示情報送信手段及び解除指示情報送信手段)、完了情報受信部16(登録完了情報受信手段)及び通知部17(登録完了通知手段)を含んで構成される。一方、通信装置2は、イベント検出部20、切替判定部21、接続先情報格納部22、通信接続部23(通信接続手段)、指示情報受信部24(登録指示情報受信手段)、優先接続登録部25(優先接続登録手段)及び完了情報送信部26を含んで構成される。
【0026】
無線端末1及び通信装置2は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図3は、無線端末1及び通信装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示される無線端末1及び通信装置2は、物理的にはそれぞれ、図3に示すように、CPU100、主記憶装置であるRAM101及びROM102、タッチパネルやスピーカー等の入出力装置103、近距離無線通信を行う通信モジュール104、及び補助記憶装置105などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0027】
図2に示す無線端末1及び通信装置2の各機能ブロックの機能は、図3に示すCPU100、RAM101等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU100の制御のもとで入出力装置103、通信モジュール104、及び補助記憶装置105を動作させるとともに、RAM101におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0028】
以下、図2に示す無線端末1の各機能ブロックについて説明する。
【0029】
通信接続部10は、通信装置2との近距離無線通信での接続を確立し、接続を行う等の接続処理を行う。通信接続部10は、無線端末1から通信装置2への無線接続を行うための接続処理を行うことが可能であり、通信装置2から無線端末1への無線接続を行うための接続処理を行うことも可能である。通信接続部10は、無線端末1のユーザからの指示、無線端末1の他の機能ブロックからの指示、及び通信装置2からの接続指示に基づき、接続処理を行う。
【0030】
状態変化検出部11は、自端末の状態変化を検出する。より具体的には、状態変化検出部11は、無線端末1に組み込まれている磁気センサ、近接センサ又は圧力センサ等の感知式センサを用いて、無線端末1の状態変化(磁気の変化、近接を感知、圧力の変化等)を検出し、ユーザに装着された可能性があることを検出する。例えば、無線端末1が無線型腕時計の場合、ユーザが無線型腕時計を装着する際に無線型腕時計でバンドを留める等、特定の形状になることを利用し、無線型腕時計の留め具部分に磁気センサを配置し、状態変化検出部11が、当該磁気センサを利用してユーザが無線型腕時計を装着しようとしていることを検出する。状態変化検出部11は、状態変化の検出結果、又はユーザに装着された可能性がある旨等を示す検出結果を装着検出部12に出力する。
【0031】
装着検出部12は、ユーザが自端末を装着したこと、ユーザが自端末を装着中であること、及びユーザが自端末を外した(自端末の装着をやめた)ことを検出する。より具体的には、装着検出部12は、無線端末1に組み込まれている脈検出センサによる脈波や脈拍等のユーザの脈の検出、赤外線センサ等の人感センサによるユーザの身体の検出、接触センサによるユーザの接触の検出、照度センサによる照度変更の検出、近接センサによるユーザの近接の検出等に基づいて、ユーザの装着状態を検出する。装着検出部12は、ユーザが自端末を装着した旨の検出結果、ユーザが自端末を装着中である旨の検出結果、及びユーザが自端末を外した旨の検出結果を、後述のユーザ認証部14及び指示情報送信部15に出力する。
【0032】
装着検出部12は、ユーザが自端末を外したことを検出した場合、後述のユーザ情報格納部13によって格納されたユーザ情報(図4のテーブル例参照)のうち対応する優先接続登録状態を取得し、優先接続登録状態が「YES」の場合に限り、後段のユーザ認証部14又は指示情報送信部15による処理を進め、優先接続登録状態が「NO」の場合は処理を打ち切ってもよい。
【0033】
装着検出部12は、状態変化検出部11によって状態変化が検出された場合に、ユーザが自端末を装着したことを検出してもよい。より具体的には、装着検出部12は、状態変化検出部11から状態変化が検出された旨を示す検出結果が入力された場合や、状態変化検出部11からユーザに装着された可能性がある旨を示す検出結果が入力された場合に、ユーザが無線端末1を装着したことを検出してもよい。その他に、装着検出部12は、ユーザの指示、無線端末1の他の機能ブロックからの指示、又は通信装置2からの指示に基づき、ユーザが無線端末1を装着したことを検出してもよい。
【0034】
ユーザ情報格納部13は、ユーザを識別するためのユーザIDと、パスワードなど当該ユーザのユーザ認証用の認証IDと、通信装置2からの接続時に利用するための通信装置2を識別するための通信装置IDと、当該通信装置において自端末が優先接続端末として登録されている状態か否かを示す優先接続登録状態とを対応付けたユーザ情報を格納する。図4は、ユーザ情報格納部13によって格納されたユーザ情報のテーブル例を示す図である。無線端末1は複数のユーザによって利用可能であり、その場合、ユーザ情報は、認証IDと通信装置IDとを対にして複数格納が可能である。ユーザ情報格納部13は、ユーザ情報としてユーザの名前等をさらに対応付けて格納することができ、例えば表示デバイスがついている通信装置2から通信を介して、ユーザ情報格納部13によって格納されているユーザ情報の閲覧及び編集が可能な場合、通信装置2は、ユーザ情報格納部13によって格納されているユーザの名前等のユーザ情報を表示することができる。
【0035】
ユーザ認証部14は、ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行い、当該認証装置に格納された認証IDと自端末に格納された認証IDとの比較に基づいてID認証を行う。より具体的には、ユーザ認証部14は、装着検出部12からユーザが自端末を装着した旨の検出結果、ユーザが自端末を装着中である旨の検出結果又はユーザが自端末を外した旨の検出結果が入力されると、無線端末1の登録者(ユーザ)の認証確認のため、Bluetooth(登録商標)や人体通信(BAN、Body Area Network)等の近接通信を利用し、ユーザが携帯するタグ等の認証装置(不図示)と通信を行う。そしてユーザ認証部14は、認証装置に格納された認証IDを取得し、ユーザ情報格納部13によって格納されたユーザ情報に含まれる認証IDと比較し、認証IDが一致するか否かを判定することでID認証を行う。すなわち、ユーザ認証部14は、予め登録されているユーザと一致するかの認証処理を行う。ユーザが携帯する認証装置は、タグ以外に、指輪、ブレスレット、ネックレス等のアクセサリー型装置、時計型装置、携帯装置、スマートフォン、又は入れ歯等の人体埋め込み型装置であってもよい。ユーザ認証部14は、ID認証が成功したか否かの認証結果を後述の指示情報送信部15に出力する。
【0036】
ユーザ認証部14は、ユーザの生体認証を行ってもよい。より具体的には、無線端末1に静脈認証、指紋認証、又は耳介認証が可能な装置を配置し、ユーザ認証部14は当該装置を利用して、ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの生体認証を行う。無線端末1が無線型メガネの場合は、虹彩認証又は網膜認証が可能な装置を配置し、ユーザ認証部14が当該装置を利用して生体認証を行ってもよい。ユーザ認証部14は、ユーザが予め登録されたユーザであるか否かを示す生体認証結果を後述の指示情報送信部15に出力する。
【0037】
なお、ユーザ認証部14の認証時に、例えば通信経路が人体通信の場合等、ユーザが無線端末1を装着していると判定できる場合は、状態変化検出部11による状態変化の検出や、装着検出部12による装着状態の検出処理を省くことが可能である。つまり、ユーザ認証部14の処理から始まり、後段の指示情報送信部15による処理を進める。
【0038】
指示情報送信部15は、装着検出部12によって装着したことが検出された場合に、通信装置2が優先接続する優先接続端末として自端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置2に送信する。より具体的には、指示情報送信部15は、装着検出部12からユーザが自端末を装着した旨の検出結果、又はユーザが自端末を装着中である旨の検出結果が入力されると、通信装置2が優先接続する優先接続端末として自端末の登録を指示する登録指示情報を当該通信装置2に送信する。登録指示情報には、無線端末1の無線端末IDや後述の種別情報が含まれる。
【0039】
指示情報送信部15は、装着検出部12によってユーザが装着したことが検出され、ユーザ認証部14によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、登録指示情報を通信装置2に送信してもよい。より具体的には、装着検出部12からユーザが自端末を装着した旨の検出結果、又はユーザが自端末を装着中である旨の検出結果がユーザ認証部14に入力され、当該入力に基づいてユーザ認証部14にてユーザ認証が行われ、ユーザ認証部14からID認証が成功した旨の認証結果、又はユーザが予め登録されたユーザであることを示す生体認証結果が指示情報送信部15に入力されると、指示情報送信部15は、登録指示情報を通信装置2に送信する。
【0040】
指示情報送信部15は、装着検出部12によって外したことが検出された場合に、通信装置2において優先接続端末としての自端末の登録の解除を指示する解除指示情報を当該通信装置2に送信してもよい。より具体的には、指示情報送信部15は、装着検出部12からユーザが自端末を外した旨の検出結果が入力されると、通信装置2において優先接続端末としての自端末の登録の解除を指示する解除指示情報を当該通信装置2に送信する。解除指示情報には、無線端末1の無線端末IDが含まれる。
【0041】
指示情報送信部15は、装着検出部12によってユーザが外したことが検出され、ユーザ認証部14によって当該ユーザのユーザ認証が行われ、ユーザ認証が成功した場合に、解除指示情報を通信装置2に送信してもよい。より具体的には、装着検出部12からユーザが自端末を外した旨の検出結果がユーザ認証部14に入力され、当該入力に基づいてユーザ認証部14にてユーザ認証が行われ、ユーザ認証部14からID認証が成功した旨の認証結果、又はユーザが予め登録されたユーザであることを示す生体認証結果が指示情報送信部15に入力されると、指示情報送信部15は、解除指示情報を通信装置2に送信する。
【0042】
完了情報受信部16は、通信装置2において優先接続端末としての自端末の登録が完了した旨を示す登録完了情報を当該通信装置2から受信する。通信装置2から登録完了情報を受信した完了情報受信部16は、ユーザ情報格納部13によって格納されたユーザ情報のうち、当該ユーザや登録完了情報に含まれる通信端末IDに対応する優先接続登録状態を「YES」(登録状態)に登録する等、通信装置2において優先接続端末としての登録が完了し、優先接続登録状態である旨を無線端末1内に保存する。完了情報受信部16は、受信した登録完了情報、又は登録完了情報を受信した旨を通知部17に出力する。
【0043】
また、完了情報受信部16は、通信装置2において優先接続端末としての自端末の登録の解除が完了した旨を示す解除完了情報を当該通信装置2から受信する。通信装置2から解除完了情報を受信した完了情報受信部16は、ユーザ情報格納部13によって格納されたユーザ情報のうち、当該ユーザや登録完了情報に含まれる通信端末IDに対応する優先接続登録状態を「NO」(非登録状態)に登録する等、通信装置2において優先接続端末としての登録の解除が完了し、優先接続登録状態でない旨を無線端末1内に保存する。完了情報受信部16は、受信した解除完了情報、又は解除完了情報を受信した旨を通知部17に出力する。
【0044】
通知部17は、完了情報受信部16によって登録完了情報が受信された場合に、自端末が優先接続端末として登録された旨をユーザに通知する。より具体的には、通知部17は、完了情報受信部16から受信した登録完了情報、又は登録完了情報を受信した旨が入力されると、自端末が優先接続端末として登録された旨をユーザに通知する。
【0045】
また、通知部17は、完了情報受信部16によって解除完了情報が受信された場合に、自端末が優先接続端末としての登録が解除された旨をユーザに通知する。より具体的には、通知部17は、完了情報受信部16から受信した解除完了情報、又は解除完了情報を受信した旨が入力されると、自端末が優先接続端末としての登録が解除された旨をユーザに通知する。
【0046】
通知部17は、ユーザに通知する方法として、無線端末1が備えるディスプレイに文字情報として表示する方法、無線端末1が備えるスピーカーに音として出力する方法、無線端末1が備えるバイブレーション機能を利用して振動として出力する方法、及び無線端末1が備えるLEDライトを利用して光として出力方法等が挙げられる。
【0047】
続いて、図2に示す通信装置2の各機能ブロックについて説明する。
【0048】
イベント検出部20は、無線端末1を含む外部の端末に接続が必要な各種イベントを検出する。イベントの具体例としては、音声再生、音楽再生、動画再生、テレビ再生、音声着信、メール着信、発信、アラーム通知等が挙げられる。イベント検出部20は、イベントを検出した旨やイベント内容を含む検出結果を後述の切替判定部21や通信接続部23に出力する。検出結果には後述の種別情報が含まれていてもよい。
【0049】
切替判定部21は、通信装置2による外部の端末との通信接続状態に基づき、接続先の切り替えが必要か否かを判定する。より具体的には、切替判定部21は、イベント検出部20から検出結果を入力すると、当該検出結果に含まれるイベント内容と、通信装置2による外部の端末との通信接続状態とに基づいて、接続先の切り替えが必要か否かを判定する。
【0050】
切替判定部21は、切り替えが必要と判定した場合、切り替えを指示する切替指示情報を通信接続部23に出力する。切替指示情報には、切り替え前の無線端末ID及び切り替え後の無線端末IDが含まれる。切替指示情報には、接続の切り替えに必要なその他の情報が含まれていてもよい。また、切替判定部21は、切り替えが必要と判定した場合、後述の接続先情報格納部22によって格納された接続先情報(図5のテーブル例参照)に優先接続端末が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に限り、切り替えを指示する切替指示情報を通信接続部23に出力してもよい。
【0051】
切替判定部21は、後述の指示情報受信部24から登録指示情報や解除指示情報が入力された場合に切り替え判定を行ってもよい。また、切替判定部21は、切り替えが必要と判定した場合、切り替えが必要な状態であることを一時的に保持してもよい。
【0052】
接続先情報格納部22は、接続先となる一つ以上の外部の端末に関する接続先情報を格納する。図5は、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報のテーブル例を示す図である。図5(b)に示す接続先情報のテーブル例では、接続先の無線端末1のIDである接続先無線端末IDと、種別(種別情報)とが対応付いている。種別情報とは、当該無線端末1に接続する目的を示す情報であり、例えば音声通話やメール通知等が挙げられる。図5(a)に示す接続先情報の別のテーブル例では、接続先無線端末ID及び種別以外に、さらに、接続の優先順である接続順位と、当該無線端末1をユーザが装着中であるか否かを示す装着中情報とが対応付いている。このように、接続先情報には、優先接続する無線端末1の情報が含まれる。なお、接続順位等の接続先情報に含まれる情報は、通信装置2のユーザによって登録及び編集することが可能である。
【0053】
通信接続部23は、無線端末1との近距離無線通信での接続を確立し、接続を行う等の接続処理を行う。通信接続部23は、無線端末1から通信装置2への無線接続を行うための接続処理を行うことが可能であり、通信装置2から無線端末1への無線接続を行うための接続処理を行うことも可能である。通信接続部23は、通信装置2のユーザからの指示、通信装置2の他の機能ブロックからの指示、及び無線端末1からの接続指示に基づき、接続処理を行う。
【0054】
通信接続部23は、イベント検出部20から検出結果が入力されると、検出結果に含まれる種別情報と、接続先情報格納部22によって格納されている接続先情報とに基づいて、対応する無線端末1に対する接続処理を行ってもよい。
【0055】
通信接続部23は、切替判定部21から切替指示情報が入力されると、当該切替指示情報に含まれる切り替え前の無線端末ID及び切り替え後の無線端末ID等に基づいて、切り替え前の無線端末1との接続の切断処理を行い、切り替え後の無線端末1との接続処理を行う等、接続の切替処理を行ってもよい。なお、通信接続部23は、切替処理を行う場合であって、切替判定部21によって切り替えが必要な状態であることを一時的に保持されている場合、後述の完了情報送信部26による登録指示情報又は解除指示情報の送信後に、切替処理を行ってもよい。
【0056】
通信接続部23は、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、後述の優先接続登録部25によって優先接続端末として登録された無線端末1に優先接続を行ってもよい。より具体的には、通信接続部23は、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報のうち、接続順位が上位の接続先無線端末に対して優先接続を行う。
【0057】
指示情報受信部24は、登録指示情報を無線端末1から受信する。指示情報受信部24は、受信した登録指示情報を切替判定部21又は後述の優先接続登録部25に出力する。
【0058】
また、指示情報受信部24は、解除指示情報を無線端末1から受信する。指示情報受信部24は、受信した解除指示情報を切替判定部21又は後述の優先接続登録部25に出力する。
【0059】
優先接続登録部25は、指示情報受信部24によって登録指示情報が無線端末1から受信された場合に、当該無線端末1を優先接続端末として登録する。より具体的には、優先接続登録部25は、指示情報受信部24から登録指示情報が入力されると、当該登録指示情報に含まれる無線端末IDと種別情報を、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報に登録する。優先接続登録部25は、接続情報に登録時に、装着中「YES」を登録する等、その他の情報を登録してもよい。優先接続登録部25は、登録が完了すると、登録が完了した旨や、登録が完了した無線端末1に関する情報等を後述の完了情報送信部26及び通知部27に出力する。
【0060】
また、優先接続登録部25は、指示情報受信部24によって解除指示情報が無線端末1から受信された場合に、当該無線端末1を優先接続端末としての登録を解除する。より具体的には、優先接続登録部25は、指示情報受信部24から解除指示情報が入力されると、当該解除指示情報に含まれる無線端末IDに基づき、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報のうち当該無線端末IDのレコードを削除する、接続順位を下げる、又は装着中「YES」を「NO」に変更する。優先接続登録部25は、登録の解除が完了すると、登録の解除が完了した旨や、登録の解除が完了した無線端末1に関する情報等を後述の完了情報送信部26及び通知部27に出力する。
【0061】
完了情報送信部26は、優先接続端末の登録が完了した旨を示す登録完了情報を、指示情報受信部24によって受信された登録指示情報の送信元である無線端末1に送信する。登録完了情報には、当該通信装置2の通信装置IDが含まれる。
【0062】
また、完了情報送信部26は、優先接続端末としての登録の解除が完了した旨を示す解除完了情報を、指示情報受信部24によって受信された解除指示情報の送信元である無線端末1に送信する。解除完了情報には、当該通信装置2の通信装置IDが含まれる。
【0063】
完了情報送信部26は、登録指示情報又は解除指示情報の送信が完了した旨を通信接続部23に出力してもよい。
【0064】
通知部27は、通信接続部23によって優先接続端末に対して接続する際に、その旨をユーザに通知する。図6は、指示情報受信部24によって登録指示情報が受信された際、あるいは優先接続登録部25によって優先接続端末の登録が完了した際に、通知部27が、通信装置2が備えるディスプレイにその旨の文字情報を表示した例を示す図である。図7は、イベント検出部20によって音声着信イベントが検出され、通信接続部23が優先接続端末に自動接続する際に、通知部27が、通信装置2が備えるディスプレイにその旨の文字情報を表示した例を示す図である。通知部27は、通知を行う際に、通知に必要な情報を接続先情報格納部22によって格納された接続先情報から適宜取得する。
【0065】
通知部27は、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報に含まれる装着中情報に基づき、ユーザが装着中の無線端末1の一覧を表示してもよいし、その際に接続先情報格納部22によって格納された接続先情報に含まれる接続順位を同時に表示してもよい。図8は、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報に含まれる装着中情報の内容を、通知部27が、通信装置2が備えるディスプレイに表示した例を示す図である。図8(a)は、図5(b)のテーブル例に示す接続先情報の一部内容を通知部27が表示した例である。図8(a)に示す通り、接続先情報が、種別情報ごとに、接続順位順に上から下に向かって表示されている。また、装着中の無線端末1については黒丸が表示され、装着中の無線端末1については接続順位に関係なく種別のうち一番上に表示される。図8(a)の状態でユーザが時計を装着すると、図8(b)に示す通り、時計に黒丸が表示され、一番上に表示される。
【0066】
通知部27は、優先接続登録部25から登録が完了した旨が入力されると、その旨をユーザに通知してもよい。また、通知部27は、優先接続登録部25から登録の解除が完了した旨が入力されると、その旨をユーザに通知してもよい。また、通知部27は、接続先情報格納部22によって格納された接続先情報において複数ユーザごとの無線端末1が登録可能な場合、当該ユーザごとの設定情報を表示してもよい。
【0067】
通知部17は、ユーザに通知する方法として、通信装置2が備えるディスプレイに文字情報として表示する方法、通信装置2が備えるスピーカーにブザー音等の音として出力する方法、通信装置2が備えるバイブレーション機能を利用して振動として出力する方法、及び通信装置2が備えるLEDライトを利用して光として出力方法等が挙げられる。
【0068】
続いて、図9〜12に示すフローチャート図を用いて、本実施形態に係る無線端末1及び通信装置2における通信接続方法の処理について説明する。図9は、無線端末1が非装着状態から装着状態に変化した際の処理を示すフローチャート図である。
【0069】
まず、無線端末1において、状態変化検出部11により状態変化が検出されるまで待機される(ステップS1)。状態変化検出部11により状態変化が検出されると(ステップS2:Yes)、続いて装着検出部12によりユーザが装着したか否かが判定される(ステップS3、装着検出ステップ)。S2にて状態変化が検出されなかった場合、あるいはS3にて装着していないことが判定された場合、S1に戻る。S3にて装着したことが判定された場合、指示情報送信部15により登録指示情報が通信装置2に送信される(ステップS4、登録指示情報送信ステップ)。
【0070】
次に、通信装置2において、S4にて送信された登録指示情報が指示情報受信部24により受信される(ステップS5、登録指示情報受信ステップ)。次に、優先接続登録部25により無線端末1が優先接続端末として登録される(ステップS6、優先接続登録ステップ)。次に、完了情報送信部26により、登録完了情報が無線端末1に送信され(ステップS7)、無線端末1の完了情報受信部16により当該登録完了情報が受信される(ステップS8)。
【0071】
続いて、図10は、無線端末1が装着状態から非装着状態に変化した際の処理を示すフローチャート図である。
【0072】
まず、無線端末1において、状態変化検出部11により状態変化が検出されるまで待機される(ステップS10)。状態変化検出部11により状態変化が検出されると(ステップS11:Yes)、続いて装着検出部12によりユーザが外したか否かが判定される(ステップS12)。S12にてユーザが外したことが判定された場合、装着検出部12によりユーザ情報格納部13によって格納されたユーザ情報が取得され、無線端末1が優先接続登録状態「YES」として登録されているか否かが判定される(ステップS13)。S11にて状態変化が検出されなかった場合、S12にて外したことが判定されなかった場合、あるいはS13にて登録されていないと判定された場合、S10に戻る。S13にて登録されていることが判定された場合、指示情報送信部15により解除指示情報が通信装置2に送信される(ステップS14)。
【0073】
次に、通信装置2において、S14にて送信された解除指示情報が指示情報受信部24により受信される(ステップS15)。次に、優先接続登録部25により無線端末1の優先接続端末としての登録が解除される(ステップS16)。次に、完了情報送信部26により、解除完了情報が無線端末1に送信され(ステップS17)、無線端末1の完了情報受信部16により当該解除完了情報が受信される(ステップS18)。
【0074】
続いて、図11は、無線端末1が非装着状態から装着状態に変化したと同時に通信装置2が無線端末1に接続する場合の通信装置2の処理を示すフローチャート図である。なお、この場合の無線端末1の処理、及び通信装置2の処理のうちS5、S6及びS7の処理は図9と同様のため説明を省略する。
【0075】
通信装置2において、S5にて登録指示情報を受信すると、切替判定部21により優先接続先の切り替えが必要か否かが判定される(ステップS20)。S20にて切り替えが必要でないと判定されると処理を終了する(適宜、無線端末1に対して切り替えが必要でない旨の情報を送信してもよい)。S20にて切り替えが必要であると判定されると、前述のS6及びS7の処理が行われ、続いて通信接続部23により、今までの接続を切断し、優先接続端末として登録された無線端末1に優先接続を行う等の、優先接続先の切り替えが行われる(ステップS21、通信接続ステップ)。
【0076】
続いて、図12は、無線端末1への接続イベントが検出された際に無線端末1への接続を行う場合の通信装置2の処理を示すフローチャート図である。
【0077】
まず、通信装置2において、イベント検出部20により接続イベントが検出されるまで待機される(ステップS30)。イベント検出部20により接続イベントが検出されると(ステップS31:Yes)、続いてイベント検出部20により優先接続端末の登録があるか否かが判定される(ステップS32)。S31にて接続イベントが検出されなかった場合、あるいはS32にて登録がないと判定された場合、S30に戻る。S32にて登録があると判定された場合、通信接続部23により優先接続端末として登録された無線端末1に優先接続が行われる(ステップS33、通信接続ステップ)
【0078】
次に、本実施形態のように構成された無線端末1、通信装置2及び無線システム3の作用効果について説明する。
【0079】
本実施形態の無線端末1によれば、ユーザが無線端末1を装着したことが検出された場合に、通信装置2が優先接続する優先接続端末として自端末の登録を指示する登録指示情報が当該通信装置2に送信される。かかる構成を採れば、無線端末1によって送信された登録指示情報を受信した通信装置2は、ユーザが装着したことが検出された当該無線端末1を優先接続端末として登録するため、当該通信装置2は、ユーザが装着している無線端末1に優先的に接続することができる。
【0080】
また、本実施形態の無線端末1によれば、状態変化が検出された場合に、ユーザが装着したことが検出される。一般的に、ユーザが無線端末1を装着する直前に、当該無線端末1の状態が変化する場合が多く、予め状態変化を検出することで、例えば装着される可能性が高いことを判定でき、より確実にユーザが装着したことを検出することができる。
【0081】
また、本実施形態の無線端末1によれば、例えば、無線端末1とユーザが携帯する認証装置とに同一の認証IDを予め格納し、当該無線端末1が装着された際に、ユーザが携帯する認証装置に対して無線通信を行って認証IDの同一性に基づいてユーザ認証が行われることで、本来意図しているユーザが装着した無線端末1のみが登録指示情報を送信することができる。それにより、通信装置2は、本来意図している無線端末1に優先接続することができる。
【0082】
また、本実施形態の無線端末1によれば、無線端末1が装着された際に、ユーザの生体認証にてユーザ認証が行われることで、本来意図しているユーザが装着した無線端末1のみが登録指示情報を送信することができる。それにより、通信装置2は、本来意図している無線端末1に優先接続することができる。
【0083】
また、本実施形態の無線端末1によれば、ユーザが無線端末1を外した際に、当該無線端末1の優先接続端末としての登録の解除を指示する解除指示情報が通信装置2に送信され、解除指示情報を受信した通信装置2は、当該無線端末1を優先接続端末としての登録を解除するため、通信装置2は、ユーザが外した無線端末1に対しては優先接続しなくなる。それにより、通信装置2は、本来意図している無線端末1のみに優先接続することができる。
【0084】
また、本実施形態の無線端末1によれば、ユーザは、自分の無線端末1が優先接続端末として通信装置に登録されたことをより確実に知ることができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0085】
また、本実施形態の無線システム3によれば、ユーザが無線端末1を装着したことが検出された場合に、通信装置2が優先接続する優先接続端末として当該無線端末1の登録を指示する登録指示情報が当該通信装置2に送信される。無線端末1から登録指示情報を受信した通信装置2は、当該無線端末1を優先接続端末として登録する。そして、通信装置2は、端末に対して無線通信で接続を行う場合に、優先接続端末として登録された無線端末1に優先接続を行う。かかる構成を採れば、通信装置2は、ユーザが装着したことが検出された無線端末1を優先接続端末として登録し、当該無線端末1に優先接続を行う。そのため、通信装置2は、ユーザが装着している無線端末1に優先的に接続することができる。
【0086】
以上の通り、本実施形態の無線システム3において、無線端末1の接続優先度が自動的に変更される。より具体的には、ユーザが無線端末1を身につけたことを自動で判定し、通信装置2は、ユーザが身につけている無線端末1に対して優先的に接続を行う。それにより、通信装置2は本来意図している無線端末1、又はユーザの便宜上最も的確な無線端末1に優先接続することができる。
【符号の説明】
【0087】
1…無線端末、2…通信装置、3…無線システム、10…通信接続部、11…状態変化検出部、12…装着検出部、13…ユーザ情報格納部、14…ユーザ認証部、15…指示情報送信部、16…完了情報受信部、17…通知部、20…イベント検出部、21…切替判定部、22…接続先情報格納部、23…通信接続部、24…指示情報受信部、25…優先接続登録部、26…完了情報送信部、27…通知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12