特許第6234400号(P6234400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234400
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-112137(P2015-112137)
(22)【出願日】2015年6月2日
(65)【公開番号】特開2016-225202(P2016-225202A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】笹木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中岸 巧
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 哲広
(72)【発明者】
【氏名】水野 清隆
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−110522(JP,A)
【文献】 特開2012−079596(JP,A)
【文献】 実開平03−091678(JP,U)
【文献】 特開2003−157943(JP,A)
【文献】 特開2004−281370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/62〜13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け部を有する相手側コネクタに嵌合され、前記相手側コネクタとの嵌合状態を維持するために、前記受け部に係止する係止アームが設けられたコネクタであって、
前記係止アームが、前記相手側コネクタとの嵌合方向に延在するアーム部と、該アーム部の先端乃至その近傍であって、前記嵌合方向に交差する方向に突出して設けられて前記受け部に係止する係止部と、を備え、
前記係止部には、その先端部に、前記相手側コネクタとの嵌合反対方向に向けて突出形成されるとともに前記受け部に引っ掛かる爪部が形成され
前記受け部を前記アーム部側に押し付けるための押付け部が、前記アーム部に向けて突出して設けられ、
前記相手側コネクタに嵌合する際において、
前記係止部が前記相手側コネクタに接触した後に、前記押付け部が前記相手側コネクタに接触する位置に当該押付け部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、特許文献1に開示された従来のコネクタであって、第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合状態を示す断面図である。従来、図8に示すように、第1ハウジング101及び第2ハウジング102を備え、第1ハウジング101に設けられたロックアーム110と、第2ハウジング102に設けられたロック突起120との係止により、両ハウジング101、102が嵌合状態に維持されるように構成されたコネクタ100が開示されている(例えば特許文献1)。
【0003】
ロックアーム110は、第1ハウジング101の外面から第2ハウジング102への嵌合方向と略同方向に延在形成されたアーム111と、該アーム111の先端部において、第2ハウジング102のロック突起120に向けて突出形成されて当該ロック突起120に係止する係止突起112と、を有して構成されている。このロックアーム110は、第1ハウジング101の外面から離隔するロック解除方向へ弾性変位可能なように構成されている。
【0004】
係止突起112には、ロック突起120に係止する第1係止面113が設けられている。この第1係止面113は、ロックアーム110が弾性変位していない自然状態において、上端(係止突起112の基端)よりも下端(突出端)がアーム111の付け根側に位置するように傾斜して設けられている。また、ロック突起120には、両ハウジング101、102の嵌合方向に略垂直な第2係止面121が形成されている。
【0005】
このような両ハウジング101、102が嵌合する過程では、係止突起112がロック突起120を乗り越え、ロックアーム110が弾性復帰して、第1係止面113が第2係止面121に係止する。この状態において、第1ハウジング101は第2ハウジング102に対し離脱する方向への移動が規制されて、両ハウジング101、102の嵌合状態が維持される。
【0006】
図9は、従来の一般的なコネクタの問題点を説明するための図であり、(A)は、ロックアーム110が第2係止面121に係止した状態を示す図であり、(B)は、(A)の状態において、両ハウジング101、102のうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られた状態を示す図であり、(C)は、(B)の状態からさらに引っ張られた状態を示す図である。即ち、両ハウジング101、102のうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られると、第1係止面113は、図9(A)に示すように、上端(係止突起112の基端)よりも下端(突出端)がアーム111の付け根側に位置するように傾斜した状態から、図9(B)に示すように、第1係止面113の下端がアーム111の付け根から離れた側に変位され、第1係止面113が両ハウジング101、102の嵌合方向に略垂直となる。そして、第1係止面113が第2係止面121を滑って、ロックアーム110が上方に逃げていく。さらに、引っ張られて離隔が進むと、図9(C)に示すように、第1係止面113の下端がさらにアーム111の付け根から離れた側に変位され、第1係止面113の第2係止面121への係止が解除され、両コネクタの嵌合が解除されてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−243008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、嵌合状態の両コネクタが離隔する方向に引っ張られても両者の嵌合が解除され難いコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決するために本発明は以下の構成を備える。即ち、請求項1に記載の本発明は、受け部を有する相手側コネクタに嵌合され、前記相手側コネクタとの嵌合状態を維持するために、前記受け部に係止する係止アームが設けられたコネクタであって、 前記係止アームが、前記相手側コネクタとの嵌合方向に延在するアーム部と、該アーム部の先端乃至その近傍であって、前記嵌合方向に交差する方向に突出して設けられて前記受け部に係止する係止部と、を備え、前記係止部には、その先端部に、前記相手側コネクタとの嵌合反対方向に向けて突出形成されるとともに前記受け部に引っ掛かる爪部が形成され、前記受け部を前記アーム部側に押し付けるための押付け部が、前記アーム部に向けて突出して設けられ、前記相手側コネクタに嵌合する際において、前記係止部が前記相手側コネクタに接触した後に、前記押付け部が前記相手側コネクタに接触する位置に当該押付け部が設けられていることを特徴とするコネクタである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載された発明によれば、係止アームには、係止部の先端部に、相手側コネクタとの嵌合反対方向に向けて突出形成されるとともに受け部に引っ掛かる爪部が形成されている。このようなコネクタは、両コネクタのうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られたとしても、爪部が受け部に引っ掛かっているから、係止アームの受け部への係止が解除される方向に動かされ難くなる。従って、嵌合状態の両コネクタが離隔する方向に引っ張られても両者の嵌合が解除され難いコネクタを提供することができる。
【0013】
また、相手側コネクタが嵌合された際に、受け部をアーム部側に押し付けるために相手側コネクタを付勢する押付け部が、アーム部に向けて突出して設けられている。これにより、両コネクタが嵌合する際に、受け部がアーム部側に押し付けられ、爪部が受け部に確実に引っ掛かる。従って、係止アームの受け部への係止を確実なものにすることができるとともに、係止アームの受け部への係止を、より一層、解除し難くすることができる。
【0014】
また、相手側コネクタに嵌合する際において、係止部が相手側コネクタに接触した後に、押付け部が相手側コネクタに接触する位置に当該押付け部が設けられている。即ち、係止部が相手側コネクタに接触した後に、押付け部が相手側コネクタに接触することとなり、係止部及び押付け部が相手側コネクタに同時に接触する場合に比して、係止アームの受け部への係止に必要な力を分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態にかかるコネクタを示す斜視図である。
図2図1に示されたコネクタを示す正面図である。
図3】(A)は、図1に示されたコネクタにおいて、保護壁が省略された側面図であり、(B)は(A)の要部拡大図である。
図4図1に示されたコネクタに形成された押付け部の作用を説明するための図であり、(A)は、押付け部が形成されていない場合を示す図であり、(B)は、押付け部により受け部がアーム部側に押し付けられた状態を示す図である。
図5図1に示されたコネクタに嵌合される相手側コネクタを示す正面図である。
図6図3(A)に示されたコネクタと相手側コネクタとの嵌合状態を示す図であり、一部断面を示す図である。
図7図6に示された相手側コネクタの変形例を示す断面図である。
図8】特許文献1に開示された従来のコネクタであって、第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合状態を示す断面図である。
図9】従来のコネクタの問題点を説明するための図であり、(A)は、ロックアームがロック突起に係止した状態を示す図であり、(B)は、(A)の状態において、両ハウジングのうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られた状態を示す図であり、(C)は、(B)の状態からさらに引っ張られた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施の形態に係るコネクタ、及び、このコネクタを有するコネクタユニットを、図1図6を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態にかかるコネクタを示す斜視図である。図2は、図1に示されたコネクタを示す嵌合面から見た正面図である。図3の(A)は、図1に示されたコネクタにおいて、保護壁5が省略された側面図であり、(B)は(A)の要部拡大図である。図4は、図1に示されたコネクタに形成された押付け部の作用を説明するための図であり、(A)は、押付け部が形成されていない場合を示す図であり、(B)は、押付け部により受け部がアーム側に押し付けられた状態を示す図である。図5は、図1に示されたコネクタに嵌合される相手側コネクタを示す正面図である。図6は、図3(A)に示されたコネクタと相手側コネクタとの嵌合状態を示す図であり、一部断面を示す図である。
【0018】
図1図6に示すように、コネクタユニット10は、雌コネクタ1(コネクタ)と、この雌コネクタ1に嵌合する雄コネクタ7(相手側コネクタ)と、を備えて構成されている。
【0019】
ここで、図1等に示す矢印Y、X、Zは互いに直交する方向を示す。以下の説明では、図1に示す矢印Yは、雌コネクタ1と雄コネクタ7の嵌合方向を示している。また、本明細書における「嵌合方向」とは、雌コネクタ1と雄コネクタ7とが互いに近付く方向であり、雌コネクタ1の嵌合方向(「前方」と記す場合がある)は、図2における紙面垂直方向の手前に向かう方向のことである。また、雌コネクタの嵌合反対方向(「後方」と記す場合がある)とは、図2における紙面垂直方向の奥側に向かう方向のことである。同様に、雄コネクタ7についても、嵌合方向側を「前方」と記し、嵌合反対方向を「後方」と記す場合がある。また、図1、2等に示す矢印X(「左右方向」と記す場合がある)は、矢印Yに対して直交する一方向である。図1、2等に示す矢印Z(「上下方向」と記す場合がある)は、矢印Yと矢印Xとの双方に対して直交する方向であり、係止アーム4が弾性変形する方向を示している。
【0020】
まず、雌コネクタ1の構造について、図1図3を参照して説明する。雌コネクタ1は、複数の雌端子(不図示)と、雌端子を収容する雌側ハウジング2と、を備えている。雌端子は、導電部材から構成され、後述する雄コネクタ7の雄端子70に電気的に接続される周知の雌端子である。雌端子は、電源線に接続される3個の第1雌端子と、信号線に接続される1個の第2雌端子と、を有している。
【0021】
雌側ハウジング2は、図1図2に示すように、合成樹脂等から構成され、複数の雌端子それぞれが収容される複数の端子収容部30を有するハウジング本体3と、このハウジング本体3と一体に設けられて、雄コネクタ7との嵌合状態を維持するための係止アーム4と、この係止アーム4を覆って保護するための保護壁5と、を一体に備えている。
【0022】
複数の端子収容部30は、それぞれ、嵌合方向(矢印Y方向)に沿って貫通して設けられているとともに、その内部に各雌端子が収容可能なように、それぞれ角筒状に形成されている。これら複数の端子収容部30は、後端部同士が連結されている。複数の端子収容部30は、第1雌端子それぞれを収容する3個の第1端子収容部31、32、33と、第2雌端子を収容する1個の第2端子収容部34と、を備えて構成されている。
【0023】
3個の第1端子収容部31、32、33は、図2に示すように、第1端子収容部31が中央部に設けられ、残りの第1端子収容部32,33が中央に位置する第1端子収容部31の左右の両側において、下方にずれた位置に設けられている。さらに、中央部の第1端子収容部31は、その上面における左右の端縁が略同じ高さ位置になるように設けられ、左方側の第1端子収容部32は、その上面における左方側の端縁32bが右方側の端縁32aよりも低い位置になるように斜めに設けられ、右方側の第1端子収容部33は、その上面における右方側の端縁33bが左方側の端縁33aよりも低い位置になるように斜めに設けられている。
【0024】
第2端子収容部34は、図2に示すように、中央に位置する第1端子収容部31の下方に隣接して設けられるとともに、第1端子収容部32、33の間に設けられている。また、第2端子収容部34は、図3(A)に示すように、その前端が、第1端子収容部31、32,33の前端よりも後方側にずれた位置に設けられ、その後端が、第1端子収容部31、32、33の後端から後方に突出して設けられている。
【0025】
係止アーム4は、図2図3(A)に示すように、左右方向(矢印X方向)に離間して並べて設けられているとともに、嵌合方向(矢印Y方向)に沿って長尺状の一対のアーム部41と、一対のアーム部41の自由端(先端部)同士を連結する連結部42(図2に示す)と、連結部42から下方に向けて突出形成された係止本体43と、この係止本体43の突出方向側の端部から後方(嵌合反対方向)に向けて突出形成された爪部44と、を備えている。係止本体43と爪部44とは、請求項中の「係止部」(符号40を付す)を構成する。このような係止アーム4は、アーム部41が上下方向(矢印Z方向)に弾性変形するように設けられているとともに、このアーム部41が弾性変形することで、係止部40が、上下に変位するように設けられている。なお、本実施形態では、係止部40は、アーム部41の先端部に設けられているが、係止部は、アーム部41の先端から基端側に離間した位置に設けられていてもよい。つまり、係止部が上下に変位可能な位置に設けられていれば、アーム部41における何れの位置に設けられていてもよい。
【0026】
また、係止アーム4は、図3(B)に示すように、各アーム部41、係止本体43及び爪部44が、略コ字状となるように形成されている。さらに、係止アーム4は、各アーム部41と爪部44とが上下に離間して設けられ、これらの間に、係止アーム4が係止する雄コネクタ7の受け部81(図4に示す)が収容可能なように構成されている。
【0027】
係止本体43には、図3(B)に示すように、係止部40が受け部81に乗り上げ易くするためのテーパ43Aと、係止部40が受け部81を係止した状態で、受け部81の端面81aに対向する係止面43Bと、が設けられている。また、係止面43Bは、アーム部41が弾性変形していない自然状態において、嵌合方向(矢印Y方向)に略垂直になるように設けられている。
【0028】
爪部44は、図3(B)に示すように、側面視が、角部を有さない曲面から構成された楕円状になるように形成されている。このような爪部44により、係止アーム4が受け部81を係止する際に、アーム部41と爪部44との間に、受け部81が収容され易くなるように構成されている。本実施形態では、爪部44は、側面視が、角部を有さない曲面から構成された楕円状になるように形成されているが、本発明はこれに限らず、側面視において、上下に角部を有する矩形状になるように形成されていてもよく、下方側のみが角部から構成され、上方側の角部に当たる位置は、角部を有さない曲面から構成されていてもよい。
【0029】
さらに、図3(A)に示すように、係止アーム4には、該係止アーム4の受け部81への係止を解除するための操作部45が設けられ、この操作部45を押圧することで、係止アーム4の受け部81への係止を解除可能なように構成されている。
【0030】
保護壁5は、図1図2に示すように、係止アーム4の左右の両側に設けられて、左右に対向する一対の側壁51と、一対の側壁51の上端同士を連結する天壁52と、一対の側壁51それぞれの下端から左右に延出形成される一対の延出壁53と、を備えて構成されている。天壁52は、その一部が矩形状に切り欠かれている。これにより、係止アーム4の係止状態を視認できる。
【0031】
このような保護壁5は、係止アーム4を保護するのに加えて、係止アーム4を受け部81に向けて係止案内するように構成されている。即ち、保護壁5における一対の側壁51に、雄コネクタ7に設けられて一対の側壁51に対向される側板83が摺動して、後方側に案内されるように構成されている。
【0032】
さらに、雌側ハウジング2には、図2図3(A)に示すように、受け部81を上方に向けて押し上げるためのリブ6(押付け部)が形成されている。このリブ6は、一対の延出壁53の下方側において当該延出壁53と対向する対向壁54に設けられ、当該対向壁54の上方に向けて突出形成されているとともに嵌合方向(矢印Y方向)に延在して設けられている。
【0033】
このようなリブ6は、該リブ6と各延出壁53との間に、雄コネクタ7のフード部82(図5に示す)の周壁の一部(以下、「被押上げ部84」と記す)が進入した際に、図4(A)に示す状態から、図4(B)に示すように、被押上げ部84が上方に押し上げられ、被押上げ部84に連続された受け部81を押し上げる。これにより、両コネクタ1、7が嵌合した際に、各アーム部41と爪部44との間に受け部81が収容される。この状態で、両コネクタ1、7のうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られたとしても、爪部44が受け部81に引っ掛かり、係止アーム4の受け部81への係止が解除される方向に動かされ難くなる。このように、爪部44は、両コネクタ1、7のうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られた際に、受け部81に引っ掛かり得るように構成されている。
【0034】
また、係止部40が雄コネクタ7に接触する時に、リブ6が雄コネクタ7に接触していない。詳細には、係止部40が、乗上げ部85を乗り上げて、平坦面85A上に位置した状態で、リブ6の前端6aが雄コネクタ7に接触するように構成されている。または、係止部40が、平坦面85Aにおける前端から後端までを摺動する間に、リブ6の前端6aが雄コネクタ7に接触するように構成されていればよい。これにより、係止部40が乗上げ部85を乗り上げるための力と、リブ6を乗り上げるための力が同時に作業者にかからない。よって、係止部40及びリブ6が雄コネクタ7に同時に接触する場合に比して、係止アーム4の受け部81への係止に必要な力を分散させることができる。
【0035】
次に、雄コネクタ7の構造について、図4図5図6を参照して説明する。雄コネクタ7は、図5に示すように、雄端子70と、雄側ハウジング8と、を備えている。雄端子70は、導電部材から構成され、雌端子に電気的に接続される周知の雄端子である。雄端子70は、第1雌端子それぞれに接続される3個の第1雄端子71と、第2雌端子に接続される1個の第2雄端子72と、を有している。
【0036】
雄側ハウジング8は、図5に示すように、受け部81と、嵌合方向(矢印Y方向)を軸とした軸周りに雄端子を囲むフード部82と、を有して筒状に形成されている。受け部81は、矩形板状に形成されているとともに、上下方向(矢印Z方向)が板厚方向となるように配置されている。フード部82は、雌側ハウジング2の各端子収容部30が進入可能なように、その内部が隔壁86により仕切られている。フード部82には、受け部81の左右の縁端から下方に立設する一対の側板83と、一対の側板83の下端から左右方向(矢印X方向)に延在して設けられて、リブ6によって押上げられる被押上げ部84と、が設けられている。
【0037】
受け部81は、図4に示すように、その中央部に形成されているとともに、前方側に係止アーム4が係止する端面81aを有する貫通孔80と、貫通孔80よりも前方側の乗上げ部85と、を有して構成されている。貫通孔80の端面81aは、嵌合方向(矢印Y方向)に略垂直になるように設けられている。
【0038】
乗上げ部85は、図5図6に示すように、その前端85a(受け部81の前端85aと同じ位置)が、フード部82の前端82aよりも後方側に位置するように設けられている。また、乗上げ部85の上面は、端面81aよりも前方側の平坦面85Aと、この平坦面85Aよりも前方側の傾斜面85Bと、を有して構成されている。
【0039】
次に、上述した係止アーム4が受け部81を係止する際の動作について説明する。
【0040】
雌側ハウジング2を、雄コネクタ7のフード部82内に進入させる。係止アーム4が乗上げ部85の前端85aに当接する。さらに進入させると、アーム部41が弾性変形して、係止部40が上方に変位して傾斜面85Bを乗り上げる。さらに進入させると、係止部40が、平坦面85Aに摺動する。この後、リブ6の前端6aが、被押上げ部84に当接する。さらに進入させるに伴って、被押上げ部84がリブ6を乗り上げて、受け部81を押し上げる。この後、係止部40が貫通孔80に落下して、アーム部41が自然状態となる。こうして、係止部40の係止面43Bが端面81aに係止する。アーム部41と爪部44との間に、受け部81が収容される。この際、爪部44は、両コネクタ1、7のうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られた際に、端面81aの下端に引っ掛かり得るように設けられている。これにより、係止アーム4が受け部81を係止して、雌コネクタ1と雄コネクタ7とが嵌合する。
【0041】
このようなコネクタユニット10は、両コネクタ1、7のうち一方が他方から離隔する方向に引っ張られたとしても、爪部44が端面81aの下端に引っ掛かっているから、係止アーム4の受け部81への係止が解除される方向に動かされ難くなる。従って、嵌合状態の両コネクタ1、7が離隔する方向に引っ張られても両者の嵌合が解除され難くできる。
【0042】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、雌側ハウジング2において、ハウジング本体3と係止アーム4は一体に設けられているが、本発明はこれに限らず、係止アームは、ハウジング本体3と別体に設けられていてもよい。また、係止アーム4は、一対のアーム部41を有しているが、対を有して構成していなくともよく、アーム部は、1以上から構成されていればよい。
【0043】
また、雄側ハウジング8において、受け部81の板厚は、アーム部41と爪部44との離間寸法よりも小さくなるように形成されて、アーム部41と爪部44との間に、受け部81が収容可能なように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図7に示すように、受け部81´の板厚を厚くしたい場合には、端面81aに爪部44を引っ掛けるための凹部87が形成されていてもよい。
【0044】
また、コネクタ1、7は、電気的に接続される4組の端子を有しているが、本発明はこれに限らず、電気的に接続される1組以上の端子を有していれよい。また、コネクタユニットとして、雌コネクタ1と雄コネクタ7とが互いに電気的に接続されるものを一例として説明したが、本発明はこれに限らず、互いに光接続されるコネクタユニットに用いてもよい。
【0045】
上述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のコネクタの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 雌コネクタ(コネクタ)
4 係止アーム
6 リブ(押付け部)
7 雄コネクタ(相手側コネクタ)
40 係止部
41 アーム部
44 爪部
81 受け部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9