特許第6234411号(P6234411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許62344112,3,3,3−テトラフルオロプロペンを生成するための総合プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234411
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを生成するための総合プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/25 20060101AFI20171113BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20171113BHJP
   B01J 23/26 20060101ALI20171113BHJP
   B01J 38/02 20060101ALI20171113BHJP
   B01J 38/12 20060101ALI20171113BHJP
   B01J 27/10 20060101ALI20171113BHJP
   B01J 27/138 20060101ALI20171113BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20171113BHJP
【FI】
   C07C17/25
   C07C21/18
   B01J23/26 Z
   B01J38/02
   B01J38/12 B
   B01J27/10 Z
   B01J27/138 Z
   !C07B61/00 300
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-175770(P2015-175770)
(22)【出願日】2015年9月7日
(62)【分割の表示】特願2013-232227(P2013-232227)の分割
【原出願日】2009年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-26173(P2016-26173A)
(43)【公開日】2016年2月12日
【審査請求日】2015年9月30日
(31)【優先権主張番号】61/038,327
(32)【優先日】2008年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/404,130
(32)【優先日】2009年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・シー・マーケル
(72)【発明者】
【氏名】シュー スン・トゥン
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン・エイ・ポクロヴスキ
(72)【発明者】
【氏名】セルマ・ベクテセヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・シー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ハイユー・ウォン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/079431(WO,A1)
【文献】 特許第5571903(JP,B2)
【文献】 特許第5856130(JP,B2)
【文献】 特表2010−505806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−409/44
C07B 31/00− 61/00
B01J 21/00− 38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンを調製するための方法であって:
(a)式IIIから選択される構造を有する少なくとも一つの化合物を含む出発組成物を提供し、
CX−CHCl−CHX(式III)
(式中、少なくとも一つのXがフッ素でないという条件で、XはF、Cl、Br、およびIから独立に選択される);
(b)前記出発組成物を第一のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび第一の塩素含有副生成物を含む第一の中間組成物を生成し;
(c)前記第一の中間組成物を第二のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを含む第二の中間組成物を生成し;そして、
(d)前記2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの少なくとも一部に
脱塩化水素化を行い、2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンおよび第二の塩素含有副生成物を含む反応生成物を生成することを含み、工程(b)が200〜400℃および0〜200psig(0〜1.38×10PaG)で実施される気相工程である、前記方法。
【請求項2】
式IIIに従う化合物が1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンである、請求項1の方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、
第一および第二のフッ素化剤がフッ化水素であり、
工程(b)に続いて、または工程(b)と同時であって、工程(c)より前に、前記2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンから前記フッ化水素の少なくとも一部を分離する工程と、工程(c)に続いて、または工程(c)と同時であって、工程(d)より前に、前記2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンから前記フッ化水素の少なくとも一部を分離する工程とを更に含み、
ここで、前記第一のフッ素化剤が前記2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンから分離された前記フッ化水素の少なくとも一部を含み、前記第二のフッ素化剤が前記2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンから分離された前記フッ化水素の少なくとも一部を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフッ素化された有機化合物を調製するための新規な方法、より特定的にはフッ
素化されたオレフィンを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テトラフルオロプロペン(2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(HFO
−1234yf)を含む)などのハイドロフルオロオレフィン類(HFO類)は、有効な
冷媒、消火剤、伝熱媒体、推進剤、起泡剤、発泡剤、ガス誘電体、滅菌担体、重合媒体、
微粒子除去液、分散媒、バフ研磨剤、排水乾燥剤、動力サイクル作動流体として知られて
いる。クロロフルオロカーボン類(CFC類)およびハイドロクロロフルオロカーボン類
(HCFC類)は、両方とも潜在的に地球のオゾン層に損害を与えるが、これらと異なり
、HFO類は塩素を含有せず、それ故に、オゾン層にとって脅威をもたらすものではない
。加えて、HFO−1234yfは毒性が低く低地球温暖化化合物であり、従って、車両
用空調における冷媒としての高い差し迫った要求を満たすことが出来る。
【0003】
HFO類を調製するいくつかの方法が知られている。例えば、米国特許第4,900,
874号(イハラ(Ihara)ら)は、水素ガスをフッ素化されたアルコールと接触さ
せることによってフッ素を含有するオレフィンを作り出す方法について記載している。こ
れは比較的高収率のプロセスであるように思われるが、高温下で水素ガスを商業的規模で
取り扱うことは危険である。また、現場での水素プラントの建設などの、商業的に水素ガ
スを生成する費用は経済的に高価である。
【0004】
米国特許第2,931,840号(マルキス(Marquis))は、塩化メチルと、
テトラフルオロエチレンまたはクロロジフルオロメタンとを熱分解することによって、フ
ッ素を含有するオレフィンを作り出す方法について記載している。このプロセスは比較的
低収率であり、有機出発材料が非常に高いパーセンテージで、不必要な、および/または
重要でない副生成物に転化する。これら副生成物は、本プロセスにおいて用いられる触媒
を不活性化する傾向を持つ多量のカーボンブラックを含む。
【0005】
トリフルオロアセチルアセトンおよび四フッ化硫黄からHFO−1234yfを調製す
ることが、記載されている(バンクス(Banks)ら,ジャーナル・オブ・フルオリン
・ケミストリー(Journal of Fluorine Chemistry),V
ol.82,Iss.2,p.171−174(1997)を参照のこと)。また、米国
特許第5,162,594号(クレスパン(Krespan))は、テトラフルオロエチ
レンが別のフッ化エチレンと液相において反応して、ポリフルオロオレフィン生成物を生
成するプロセスを開示している。
【0006】
しかし、HFO−1234yfなどのハイドロフルオロオレフィン類を生成する経済的
な手段が依然として必要とされている。本発明は、とりわけこの必要性を満足する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,900,874号
【特許文献2】米国特許第2,931,840号
【特許文献3】米国特許第5,162,594号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】バンクス(Banks)ら,ジャーナル・オブ・フルオリン・ケミストリー(Journal of Fluorine Chemistry),Vol.82,Iss.2,p.171−174(1997)
【発明の概要】
【0009】
出願人は、HFO−1234yfなどのハイドロフルオロプロペン類を含む、フッ素化
された有機化合物を生成するための方法を見出した。一つの側面においては、本発明は、
塩素化されたハイドロカーボンまたは塩素化されたオレフィンから2,3,3,3−テト
ラフルオロプロペンを生成する総合製造プロセスを含む。好ましくは、総合製造プロセス
は三つの独立した反応工程を含み、これらは各々任意に一つまたはそれより多い精製プロ
セスを伴う。本発明は、HFO−1234yfを生成するための他の既知のプロセスより
も有利である。それは、本プロセスが、未反応の出発材料を再利用して、原材料の利用お
よび生成収率を最大化できることを含んでいるからである。本発明は、商業的に価値のあ
る副生成物を分離できることによっても特徴付けられる。
【0010】
従って、2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンを調製するための方法であ
って:(a)式I、II、およびIIIから選択される構造を有する、少なくとも一つの
化合物を含む出発組成物を提供し、
CX=CCl−CHX(式I)
CX−CCl=CH(式II)
CX−CHCl−CHX(式III)
(式中、XはCl、Br、およびIから独立に選択される);(b)前記出発組成物を
第一のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび
第一の塩素含有副生成物を含む第一の中間組成物を生成し;(c)前記第一の中間組成物
を第二のフッ素化剤と接触させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパ
ンを含む第二の中間組成物を生成し;そして、(d)前記2−クロロ−1,1,1,2−
テトラフルオロプロパンの少なくとも一部に触媒作用による脱塩化水素化を行い、2,3
,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンおよび第二の塩素含有副生成物を含む反応生
成物を生成することを含む、前記方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発してHFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第一工程の、第一の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図2図2は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して、HFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第一工程の、第二の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図3図3は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して、HFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第一工程の、第三の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図4図4は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して、HFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第二工程の、第一の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図5図5は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して、HFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第二工程の、第二の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図6図6は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して、HFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第三工程の、第一の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図7図7は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して、HFO−1234yfを生成するための、三工程の総合プロセスにおける第三工程の、第二の好ましい実施形態を示すフロー図である。
図8図8は、第二工程の、選択肢Bにおける、HCFC−244bb/HCFO−1233xf/HF混合物の相分離によるHFの回収に関する温度の関数として、HFをプロットしたものである。
図9図9は、本発明のある実施形態に従ったHFO−1234yfの選択率およびHCFC−244bbの転化割合を、様々な温度および圧力で、時間の関数としてプロットしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施形態に従えば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−
エンを作り出すための総合製造プロセスを含む。好ましい出発材料は、式I、IIおよび
/またはIIIに従った一つまたはそれより多くの塩素化された化合物である。
【0013】
CX=CCl−CHX(式I)
CX−CCl=CH(式II)
CX−CHCl−CHX(式III)
(式中、少なくとも一つのXがフッ素でないという条件で、XはF、Cl、Br、およ
びIから独立に選択される。)
好ましくは、これらの化合物は少なくとも一つの塩素を含有し、より好ましくはXの大
部分が塩素であり、更により好ましくは全てのXが塩素である。
【0014】
好ましくは、本方法は、一般的に少なくとも3つの反応工程を含む。第一工程において
、好ましくは1,1,2,3−テトラクロロプロペン(TCP)および/または1,1,
1,2,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240db)を含む出発組成物は、第一の
気相反応器(フッ素化反応器)において無水のHFと反応し、HCFO−1233xf(
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)およびHClの混合物を生成する。好
ましくは、この反応はフッ化クロム酸化物(Fluorinated Chromium
Oxide)などの触媒の存在下で行う。この反応は第一の気相反応器において、好ま
しくは約200〜400℃の反応温度および約0〜200psig(0〜1.38×10
PaG)の反応圧力で実施する。気相反応器を出て行く留出流は、任意に未反応のHF
、重質中間体およびHFC−245cbなどの追加の構成物を含んでよい。
【0015】
この反応は、気相フッ素化反応に適した任意の反応器において実施することが出来る。
好ましくは、反応器は、ハステロイ(Hastalloy)、インコネル(Incone
l)、モネル(Monel)などの、フッ化水素および触媒による腐食作用に耐性のある
材料で構成される。気相プロセスの場合には、反応器を気相フッ素化触媒で満たす。当技
術分野において知られている任意のフッ素化触媒を、このプロセスにおいて用いることが
出来る。適切な触媒としては、クロム、アルミニウム、コバルト、マンガン、ニッケル、
および鉄の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、ハロゲン酸化物、無機塩ならびにこれらの
混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に適した触媒の組み合
わせとしては、非排他的に、Cr、FeCl/C、Cr/Al、C
/AlF、Cr/炭素、CoCl/Cr/Al、NiC
/Cr/Al、CoCl/AlF、NiCl/AlFおよびこ
れらの混合物が挙げられる。酸化クロム/酸化アルミニウム触媒は、参照により本明細書
中に援用する米国特許第5,155,082号に記載されている。酸化クロム結晶または
非晶質酸化クロムなどの三酸化クロムは好ましく、中でも非晶質酸化クロムは最も好まし
い。酸化クロム(Cr)は、様々な粒子径で購入可能な、商業的に入手可能な材料
である。少なくとも98%の純度を有するフッ素化触媒が好ましい。フッ素化触媒は、過
剰に、または少なくとも反応を進めるのに十分な量存在する。
【0016】
第二工程においては、HCFO−1233xfを、好ましくはTFEまたはPFAでラ
イニングされた液相反応器において、HCFC−244bbに転化させる。好ましくは、
このプロセスは約70〜120℃、および約50〜120psig(3.4×10〜8
.27×10PaG)で実施する。
【0017】
任意の液相フッ素化触媒を、本発明において用いることが出来る。網羅的ではないリス
トには、ルイス酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属酸化物、IVb属の金属ハロゲン化
物、Vb属の金属ハロゲン化物、またはこれらの組み合わせが含まれる。液相フッ素化触
媒の排他的でない例は、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化錫、ハロゲン化タンタル、ハ
ロゲン化チタン、ハロゲン化ニオブ、およびハロゲン化モリブデン、ハロゲン化鉄、フッ
化クロムハロゲン化物(Fluorinated Chrome Halide)、フッ
化クロム酸化物、またはこれらの組み合わせである。液相フッ素化触媒の具体的で排他的
でない例は、SbCl、SbCl、SbF、SnCl、TaCl、TiCl
、NbCl、MoCl、FeCl、SbClのフッ化形態、SbClのフッ化
形態、SnClのフッ化形態、TaClのフッ化形態、TiClのフッ化形態、N
bClのフッ化形態、MoClのフッ化形態、FeClのフッ化形態、またはこれ
らの組み合わせである。五塩化アンチモンが最も好ましい。
【0018】
これらの触媒は、不活性になった場合には、当技術分野において知られている任意の手
段によって容易に再生可能である。触媒を再生する一つの適切な方法は、塩素流を、触媒
を通して流すことを必要とする。例えば、液相フッ素化触媒1ポンドあたり、約0.00
2〜約0.2lb/時(9.072×10−4〜9.07×10−2Kg/時)の塩素を
、液相反応に加えることが出来る。これは、例えば、約1〜約2時間で、または連続的に
、約65℃〜約100℃の温度で行ってもよい。
【0019】
第三工程において、HCFC−244bbを脱塩化水素化するために第二の気相反応器
(脱塩化水素反応器)に供給して、望ましい生産物であるHFO−1234yf(2,3
,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン)を作り出す。この反応器は触媒を含有し、
これによってHCFC−244bbを触媒作用により脱塩化水素化し、HFO−1234
yfを作り出す。
【0020】
この触媒は金属ハロゲン化物、ハロゲン化金属酸化物、中性(または無酸化状態)の金
属または金属合金、あるいは、バルクまたは担持された形態の活性炭である。金属ハロゲ
ン化物触媒または金属酸化物触媒を用いる場合は、好ましくは1、2、および3価の金属
ハロゲン化物、酸化物およびそれらの混合物/組み合わせ、ならびにより好ましくは1お
よび2価の金属ハロゲン化物およびそれらの混合物/組み合わせである。構成物である金
属としては、Cr3+、Fe3+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Zn2+、Pd2+
、Li、Na、K、およびCsが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。構成物であるハロゲンとしては、F、Cl、Br、およびIが挙げられるが
、これらに限定されるものではない。有用な1または2価の金属ハロゲン化物の例として
は、LiF、NaF、KF、CsF、MgF、CaF、LiCl、NaCl、KCl
、およびCsClが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化処理は
、先行技術において知られている任意のものを含み、特にHF、F、HCl、Cl
HBr、Br、HI、およびIのハロゲン化源としての使用を含む。
【0021】
中性、すなわち0価の場合には、金属、金属合金およびそれらの混合物を用いる。有用
な金属としては、Pd、Pt、Rh、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Cr、Mn、およ
び合金または混合物としての前記金属の組み合わせが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。触媒は、担持されていてもされていなくてもよい。有用な金属合金の例と
しては、SS316、モネル 400(Monel 400)、インコネル 825(I
nconel 825)、インコネル 600(Inconel 600)、およびイン
コネル 625(Inconel 625)が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0022】
好ましい触媒としては、活性炭、ステンレス鋼(例えばSS 316)、オーステナイ
ト系ニッケル基合金(たとえばインコネル 625)、ニッケル、フッ素化された10%
CsCl/MgO、および10%CsCl/MgFが挙げられる。反応温度は、好まし
くは約300〜550℃であり、反応圧力は、好ましくは約0〜150psig(0〜1
.03×10PaG)である。好ましくは、反応器の留出物を苛性スクラバーまたは蒸
留カラムに供給し、HClの副生成物を取り除き、酸を含まない有機生産物を生成する。
また、任意に更なる精製を経ても良い。
【0023】
一般的な反応経路を以下に提供する。
【0024】
【化1】
【0025】
これらの三つの一般的な工程に加えて、好ましい実施形態は、一つまたはそれより多く
の以下の工程(未反応のHFおよび中間体の再利用、HClの除去、過剰のHFの再利用
、HFの回収/再利用のための硫酸抽出または相分離、最終生産物の精製)を含む。
【0026】
未反応のHFおよび中間体の再利用
上記の第一工程に続いて、気相反応器を出て行く留出流を、第一の再利用カラムに供給
する。未反応のHFおよび重質中間体の大部分を、第一の再利用カラムの底部から分離し
、気相反応器に再供給する。HCl、HCFO−1233xf、HCFC−244bb、
HFC−245cb、および少量のHFを含む、より軽質の構成物は、粗第一中間流とし
て次の単位操作に供給する。
【0027】
HClの除去
粗中間流におけるHClを、HClカラムを用いて取り除く。高純度のHClを、カラ
ムの頂部から分離し、任意に販売のために回収可能な高濃度のHClとして、脱イオン水
中に吸収する。残りの構成物は、HClカラムの底部から出して、精製された第一中間流
として、第二工程の液相反応器に供給する。
【0028】
過剰のHFの再利用
上記の第二工程に続いて、反応副生成物としてHCFC−244bbおよびHFを含む
粗第二中間流を、液相反応器から出し、第二の再利用カラムに供給し、カラムの底部の留
出物として過剰のHFを回収して、液相反応器に再利用する。塔頂留出物は主にHCFC
−244bbおよびHFを含有する。塔頂留出流は次の単位操作に供給する。
【0029】
HFの回収/再利用のための硫酸抽出または相分離
HCFC−244bbおよび約30重量%のHFの粗生産混合物を含有する、液相再利
用カラムからの塔頂留出流を、この混合物からHFを取り除くために、硫酸抽出器または
相分離器に供給する。HFは硫酸に溶解させるか、または有機混合物から相分離させる。
加熱および蒸留によってHFを硫酸/HF混合物から脱離し、反応器に再利用する。相分
離器を用いる場合には、HFを相分離し、反応器に再利用する。硫酸抽出器の塔頂留出物
または相分離器の下層から得られる有機混合物はどちらも、第三工程の脱塩化水素反応器
に供給する。
【0030】
最終生産物の精製
第三工程において生成される、酸を含まない有機生産物を、最終生産物を精製するため
に、一つまたはそれより多くの、好ましくは2つの蒸留カラムに供給する。第一のカラム
はより軽質の構成物を取り除くために用い、第二のカラムは最終生産物を精製するために
用いる。未反応のHCFC−244bbおよびHCFO−1233xfは第二の蒸留カラ
ムの底部から分別し、第二工程(HCFO−1233xfの脱塩化水素化)に再利用する
【0031】
図1を参照して、操作1〜3の好ましい実施形態を示す。ここで、TCP(またはHC
C−240db)および過剰のHFは同時に気化器HX−1A−1に供給され、次いで気
相反応器R−1A−1に供給される。反応温度は約200〜400℃、反応圧力は約0〜
200psig(0〜1.38×10PaG)である。R−1A−1における触媒は、
フッ化クロム酸化物である。未反応のTCP(またはHCC−240db)、部分的にフ
ッ素化された中間体および副生成物、過剰にフッ素化された副生成物、HF、HCFO−
1233yf、ならびにHClを含む反応器の留出物は、次いで再利用カラムD−1A−
1に導入される。ここで、主に未反応のTCP(またはHCC−240db)、部分的に
フッ素化された中間体、および大部分のHFを含む流れは、再利用カラムの底部から出て
、気化器HX−1A−1を通って第一工程の反応器R−1A−1に再利用される。主にH
CFO−1233xf、HF、およびHClからなる流れは、再利用カラムの頂部から出
て、HClカラムD−1A−2に導入される。主にHCl副生成物からなる流れは、HC
lカラムの頂部から出て、HCl回収系に供給される。回収されたHCl副生成物は収益
のために販売可能である。主にHCFO−1233xfおよびHFからなるHClカラム
の底部留出物は、次いでHF回収系に供給される。HF回収系は、HCFO−1233x
f/HF流から始まり、熱交換器HX−1A−2において気化され、そしてHF吸収カラ
ムA−1A−1に供給される。ここで50〜80%HSOの液体流がガスのHCFO
−1233xf/HF流と接触し、大部分のHFを吸収する。A−1A−1の底部を出て
行く流れはHF/HSO/HOからなり、熱交換器HX−1A−3に供給され、こ
こで、少量のHOおよびHSOとともに大部分のHFをフラッシュするのに十分な
温度に加熱される。この流れは、HF回収蒸留カラムD−1A−3に供給される。HFを
フラッシュした後にHX−1A−3に残る液は、主にHSOおよびHO(0〜4%
のHFとともに)からなり、HX−1A−4において冷却され、そしてHF吸収カラムA
−1A−1に再利用される。HF回収カラムD−1A−3において、底部からの流れは主
にHSOおよびHOからなり、熱交換器HX−1A−3に再利用される。無水のH
FはHF回収カラムD−1A−3の頂部から回収され、そして気化器HX−1A−1を通
って第一工程の反応器R−1A−1に再利用される。HF吸収カラムA−1A−1の頂部
から出て行く流れは、主にHCFO−1233xf(と微量のHF)からなり、第二工程
に送られる。任意に、第二工程に送られる前に、流れは研磨装置A−1A−2に供給され
、ここで、ガス流れを水または苛性溶液に接触させ、微量のHFを取り除き、続いて吸湿
剤で乾燥が行われる。反応器R−1A−1において触媒が不活性化した場合には、その場
で300〜400℃に加熱し、所定の時間、OまたはClなどの酸化剤を通過させる
ことによって再生可能である。
【0032】
図2を参照して、操作1〜3の別の好ましい実施形態を示す。ここで、TCP(または
HCC−240db)および過剰のHFは同時に気化器HX−1B−1に供給され、次い
で気相反応器R−1B−1に供給される。反応温度は約200〜400℃、反応圧力は約
0〜200psig(0〜1.38×10PaG)である。R−1B−1における触媒
は、フッ化クロム酸化物である。未反応のTCP(またはHCC−240db)、部分的
にフッ素化された中間体および副生成物、過剰にフッ素化された副生成物、HF、HCF
O−1233yf、ならびにHClからなる反応器の留出物を、次いで再利用カラムD−
1B−1に導入する。ここで、主に未反応のTCP(またはHCC−240db)、部分
的にフッ素化された中間体、および大部分のHFからなる流れは、再利用カラムの底部か
ら出て、気化器HX−1B−1を通って第一工程の反応器R−1B−1に再利用される。
主にHCFO−1233xf、HF、およびHClからなる流れは、再利用カラムの頂部
から出て、HClカラムD−1B−2に導入される。主にHCl副生成物からなる流れは
、HClカラムの頂部から出て、HCl回収系に供給される。回収されたHCl副生成物
は収益のために販売可能である。主にHCFO−1233xfおよびHFからなるHCl
カラムの底部留出物は、次いでHF回収系に供給される。HF回収系は、HCFO−12
33xf/HF流から始まり、相分離装置PS−1B−1に供給される。ここで、流れは
−40〜0℃に冷却される。HFが豊富な上層(<10% HCFO−1233xf)は
、再利用カラムD−1B−1に再利用される。主にHCFO−1233xfを含有する(
<4% HF)、有機物が豊富な下層は、第二工程に送られる。任意に、第二工程に送ら
れる前に、流れは蒸留カラムD−1B−3に供給される。主にHCFO−1233xf/
HF共沸組成物からなる流れはカラムの頂部から出て、第一工程の相分離器PS−1B−
1に再利用される。主にHCFO−1233xfからなるカラムの底部留出物は、第二工
程に送られる。反応器R−1B−1において触媒が不活性化した場合には、その場で30
0〜400℃に加熱し、所定の時間、OまたはClなどの酸化剤を通過させることに
よって再生できる。
【0033】
図3を参照して、操作1〜3の別の好ましい実施形態を示す。ここで、TCP(または
HCC−240db)および過剰のHFは同時に気化器HX−1C−1に供給され、次い
で気相反応器R−1C−1に供給される。反応温度は約200〜400℃、反応圧力は約
0〜200psig(0〜1.38×10PaG)である。R−1C−1における触媒
は、フッ化クロム酸化物である。未反応のTCP(またはHCC−240db)、部分的
にフッ素化された中間体および副生成物、過剰にフッ素化された副生成物、HF、HCF
O−1233yf、ならびにHClからなる反応器の留出物を、次に再利用カラムD−1
C−1に導入する。ここで、主に未反応のTCP(またはHCC−240db)、部分的
にフッ素化された中間体、および大部分のHFからなる流れは、再利用カラムの底部から
出て、気化器HX−1C−1を通って第一工程の反応器R−1C−1に再利用される。主
にHCFO−1233xf、HF、およびHClからなる流れは、再利用カラムの頂部か
ら出て、HClカラムD−1C−2に導入される。主にHCl副生成物からなる流れは、
HClカラムの頂部から出て、HCl回収系に供給する。回収されたHCl副生成物は収
益のために販売可能である。主にHCFO−1233xfおよびHFからなるHClカラ
ムの底部留出物は、次いでHFを取り除くことなく第二工程に送られる。反応器R−1C
−1において触媒が不活性化した場合には、その場で300〜400℃に加熱し、所定の
時間、OまたはClなどの酸化剤を通過させることによって再生できる。
【0034】
図4を参照して、操作4〜6の好ましい実施形態を示す。ここで、第一工程の選択肢A
、B、またはCからの流れを含有するHCFO−1233xfおよび過剰のHFは同時に
気化器HX−2A−1に供給され、次いで液相反応器R−2A−1に供給される。R−2
A−1は、TFEまたはPFAでライニングされた液相反応器であり、70〜120℃、
および50〜120psig(3.4×10〜8.27×10PaG)で動作する。
R−2A−1における触媒はSbClまたは他のルイス酸触媒である。触媒抜き取りカ
ラムCS−2A−1を反応器R−2A−1に接続して、同伴する触媒、いくらかのHF、
およびいくらかの未反応のHCFO−1233xfを分離し、更なる反応のために反応器
に送り返す目的に用いる。触媒を活性に保つために、Clもまた反応器に供給してもよ
い。必要に応じ、Clは連続的にでも回分式にでも供給可能である。触媒抜き取り器C
S−2A−1の頂部から出て行く流れは、主にHCFC−244bbおよびHF(更に少
量の未反応HCFO−1233xfおよびClもまた存在し得る)からなり、再利用カ
ラムD−2A−1に供給される。ここで、主にHF(と微量の有機物)からなる流れは再
利用カラムの底部から出て、気化器HX−2A−1を通って第二工程の反応器R−2A−
1に再利用される。主にHCFC−244bbおよびHF(更に少量の未反応HCFO−
1233xfおよびClもまた存在し得る)からなる流れは、再利用カラムの頂部から
出て、HF回収系に供給される。HF回収系は、ガスのHCFC−244bb/HF(更
に少量の未反応HCFO−1233xfおよびClもまた存在し得る)流から始まり、
HF吸収カラムA−2A−1に供給される。ここで、50〜80%HSOの液体流が
ガスのHCFC−244bb/HF流と接触し、大部分のHFを吸収する。A−2A−1
の底部を出て行く流れはHF/HSO/HOからなり、熱交換器HX−2A−2に
供給され、ここで、少量のHOおよびHSOとともに大部分のHFをフラッシュす
るのに十分な温度に加熱される。この流れはHF回収蒸留カラムD−2A−3に供給され
る。HFをフラッシュした後にHX−2A−2に残る液は、主にHSOおよびH
(0〜4%のHFとともに)からなり、HX−2A−3において冷却され、HF吸収カラ
ムA−2A−1に再利用される。HF回収カラムD−2A−3において、底部からの流れ
は主にHSOおよびHOからなり、熱交換器HX−2A−2に再利用される。無水
のHFはHF回収カラムD−2A−3の頂部から回収され、気化器HX−2A−1を通っ
て第二工程の反応器R−2A−1に再利用される。HF吸収カラムA−2A−1の頂部か
ら出て行く流れは、おもにHCFC−244bb(更に少量の未反応HCFO−1233
xfおよびClもまた存在し得る)からなり、第三工程に送られる。任意に、第三工程
に送られる前に、流れはみがき(Polishing)装置A−2A−2に供給され、こ
こで、ガス流れを水または苛性溶液(およびClの効力を消失させる必要があるときは
亜硫酸水素塩)に接触させ、微量のHFを取り除き、続いて吸湿剤で乾燥が行われる。
【0035】
他の選択肢としては、再利用カラムD−2A−1の後で、HFの回収より前に、Cl
回収蒸留カラムD−2A−2および熱交換器HX−2A−4を加えることが挙げられる。
再利用カラムの頂部から出て行く流れはCl回収カラムに供給され、Clはオーバー
ヘッドから回収されて第二工程の反応器R−2A−1に再利用される。Cl回収カラム
の底部流は主にHCFC−244bbおよびHF(更に少量の未反応HCFO−1233
xf)からなり、熱交換器HX−2A−4において気化され、そして前述のHF回収系に
供給される。これにより、任意のHCFC−244bbみがき装置における亜硫酸水素塩
が必要でなくなる。
【0036】
図5を参照して、操作4〜6の別の好ましい実施形態を示す。ここで、第一工程の選択
肢A、B、またはCからの流れを含有するHCFO−1233xfおよび過剰のHFは同
時に気化器HX−2B−1に供給され、次いで液相反応器R−2B−1に供給される。R
−2B−1は、TFEまたはPFAでライニングされた液相反応器であり、70〜120
℃、および50〜120psig(3.4×10〜8.27×10PaG)で動作す
る。R−2B−1における触媒はSbClまたは他のルイス酸触媒である。触媒抜き取
りカラムCS−2B−1を反応器R−2B−1に接続し、同伴する触媒、いくらかのHF
、およびいくらかの未反応のHCFO−1233xfを分離し、更なる反応のために反応
器に送り返す目的に用いる。触媒を活性に保つために、Clもまた反応器に供給しても
よい。必要に応じ、Clは連続的にでも回分式にでも供給可能である。触媒抜き取り器
CS−2B−1の頂部から出て行く流れは、主にHCFC−244bbおよびHF(更に
少量の未反応HCFO−1233xfおよびClもまた存在し得る)からなり、再利用
カラムD−2B−1に供給される。ここで、主にHF(と微量の有機物)からなる流れは
再利用カラムの底部から出て、気化器HX−2B−1を通って第二工程の反応器R−2B
−1に再利用される。主にHCFC−244bbおよびHF(更に少量の未反応HCFO
−1233xfおよびClもまた存在し得る)からなる流れは、再利用カラムの頂部か
ら出て、Cl回収蒸留カラムD−2B−1に供給される。再利用カラムの頂部から出て
行く流れはCl回収カラムに供給され、Clはオーバーヘッドから回収されて第二工
程の反応器R−2B−1に再利用される。Cl回収カラムの底部流は主にHCFC−2
44bbおよびHF(更に少量の未反応HCFO−1233xf)からなり、次いでHF
回収系に供給される。HF回収系は、HCFC−244bb/HF流から始まり、相分離
装置PS−2B−1に供給する。ここで、流れは−40〜0℃に冷却される。HFが豊富
な上層(<10% HCFC−244bb)は、再利用カラムD−2B−1に再利用され
る。主にHCFC−244bbを含有する(<4% HF+少量のHCFO−1233x
f)、有機物が豊富な下層は、第三工程に送られる。任意に、第三工程に送られる前に、
流れは蒸留カラムD−2B−3に供給される。主にHCFC−244bb/HF共沸組成
物(更に少量のHCFO−1233xf)からなる流れはカラムの頂部から出て、気化器
HX−2B−1を通って、第二工程の反応器R−2B−1に再利用される。
【0037】
図6を参照して、操作7〜8の好ましい実施形態を示す。ここで、第二工程の選択肢A
またはBからの流れを含有するHCFC−244bbは、気化器HX−3A−1に供給さ
れ、次いで気相反応器R−3A−1に供給される。反応温度は約350〜550℃、反応
圧力は約0〜150psig(0〜1.03×10PaG)である。以下の触媒は、前
述の温度の範囲においてHFO−1234yfを生成するために高い選択性を有すること
を示しており、R−3A−1において使用出来る。使用可能な触媒は、活性炭素、ステン
レス鋼(例えばSS 316)、オーステナイト系ニッケル基合金(たとえばインコネル
625)、ニッケル、フッ素化された10%CsCl/MgO、および10%CsCl
/MgFである。反応器の留出物は未反応のHCFC−244bb、HCFO−123
3xf、HFO−1234yf、HCl(更に、第二工程の選択肢のいずれかが使用され
ていた場合には、HFおよび/またはCl)からなり、次いで酸吸収装置A−3A−1
に導入される。ここで、ガス流れを水または苛性溶液(およびClが存在する場合は、
その効力を消失させるための亜硫酸水素塩)と接触させ、HCl(および存在する場合に
はHF)を取り除き、そして吸湿剤で乾燥が行われる。酸吸収装置の頂部を出て行くガス
は、軽質物蒸留カラムD−3A−1に供給される。非凝縮性のガス、およびHFO−12
34yfよりも低い沸点を有する副生成物は、軽質物カラムの頂部から出て、熱酸化装置
に供給され、除去/破棄される。軽質物カラムの底部留出物は、HFO−1234yf生
成カラムD−3A−2に供給される。生産物等級のHFO−1234yfはカラムの頂部
から出て、生産物格納庫に送られる。生成カラムの底部留出物は主に未反応のHCFC−
244bbおよびHCFO−1233xfからなり、用いられている選択肢に従って、第
二工程の反応器R−2A−1またはR−2B−1に再利用される。
【0038】
図7を参照して、操作7〜8の別の好ましい実施形態を示す。ここで、第二工程の選択
肢AまたはBからの流れを含有するHCFC−244bbは気化器HX−3B−1に供給
され、次いで気相反応器R−3B−1に供給される。反応温度は約350〜550℃、反
応圧力は約0〜150psig(0〜1.03×10PaG)である。以下の触媒は、
前述の温度の範囲においてHFO−1234yfを生成するために高い選択性を有するこ
とを示しており、R−3B−1に使用可能である。使用可能な触媒は、活性炭素、ステン
レス鋼(例えばSS 316)、オーステナイト系ニッケル基合金(たとえばインコネル
625)、ニッケル、フッ素化された10%CsCl/MgO、および10%CsCl
/MgFである。反応器の留出物は未反応のHCFC−244bb、HCFO−123
3xf、HFO−1234yf、HCl(更に、第二工程の選択肢のいずれかが使用され
ていた場合には、HFおよび/またはCl)からなり、HClカラムD−3B−1に導
入される。主にHCl副生成物からなる流れは、HClから無の頂部から出て、HCl回
収系に供給される。回収されるHCl副生成物は収益のために販売可能である。主に未反
応のHCFC−244bb、HCFO−1233xf、およびHFO−1234yf(更
に、第二工程の選択肢のいずれかが使用されていた場合には、HFおよび/またはCl
)からなるHClカラムの底部留出物は、次いで軽質物蒸留カラムD−3B−2に供給さ
れる。HFO−1234yfよりも低い沸点を有する副生成物は軽質物カラムの頂部から
出て、熱酸化装置に供給され、除去/破棄される。軽質物カラムの底部留出物は、HFO
−1234yf生成カラムD−3B−3に供給される。生産物等級のHFO−1234y
fはカラムの頂部から出て、生産物格納庫に送られる。生成カラムの底部留出物は主に未
反応のHCFC−244bbおよびHCFO−1233xfからなり、用いられている選
択肢に従って、第二工程の反応器R−2A−1またはR−2B−1に再利用される。
【0039】
任意に、HFおよび/またはClがHClカラムD−3B−1において存在する場合
には、カラムの底部から出すことが出来る。底部流れは次いでHX−3B−2によって気
化され、酸吸収装置A−3B−1に供給される。ここで、ガス流れを水または苛性溶液(
およびClが存在する場合は、その効力を消失させるための亜硫酸水素塩)と接触させ
、HCl(および存在する場合にはHF)を取り除き、続いて吸湿剤で乾燥が行われる。
酸吸収装置の頂部を出て行くガスは、軽質物蒸留カラムD−3B−2に供給される。
【0040】
以下の非限定的な実施例により本発明を更に説明する。
【実施例】
【0041】
実施例1
この実施例は、第一工程の連続気相フッ素化反応である、1,1,2,3−テトラクロ
ロプロペン(TCP)+3HF→2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HC
FO−1233xf)+3HClについて説明する。本実験のためのフッ素化触媒は、フ
ッ素化されたCrであった。
【0042】
、NF、および有機物供給装置、供給物気化器、過熱器、4インチ(1×10−3
m)ID(内径、以下同じ)モネル反応器、酸スクラバー、乾燥機、ならびに生産物収集
装置からなる、連続気相フッ素化反応系を本反応の検討に用いた。反応器に、約6.5リ
ッターの触媒に相当する、9415.2グラムの前処理済みのCr触媒を充填した
。反応器を次いで一定温度のサンドバスに設置した後、触媒を通過させるようにNパー
ジを行いながら、約235℃の反応温度に加熱した。反応器は約3psig(2×10
PaG)の圧力であった。HFを同時供給物として15分間Nとともに反応器に導入し
、Nフローを停止させた。HFの流量は、1.4lb/時間(0.63kg/時間)に
調整し、次いで反応器に(気化器および過熱器を通して)1,1,2,3−テトラクロロ
プロペン(TCP)の供給を開始した。TCPの流量は、約0.8lb/時間(0.36
kg/時間)で一定に保ち、HFの流量は1.4lb/時間(0.63kg/時間)で、
HF対TCPが約15対1のモル比になるように一定に保った。反応が開始されると、触
媒床の温度は250〜260℃の範囲に上昇した。250〜260℃、3psig(2×
10PaG)および上記の流量での接触時間は、計算すると約16秒であった。材料の
平均組成は、500時間以上の運転時間にわたって集計され、GCによる面積において、
約97.2GC面積%のHCFO−1233xf、1.6GC面積%のHCFC−244
bb、0.6GC面積%のHFO−1234yf/HFC−245cb、0.1GC面積
%のHCFO−1233xd、および0.08GC面積%のHCFO−1231であった
。500時間が経過した後、触媒が活性を失い始め、HCFO−1233xfの選択性が
減少したため、フッ素化途中の中間体である2,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロ
ペン(HCFO−1232xf)が現れはじめた。運転時間が650時間を経過した後、
HCFO−1233xfの選択性が約83%にまで減少し、フッ素化途中の中間体である
HCFO−1232xfの選択性が約15%に上昇した時に、触媒の失活を理由に反応を
停止した。TCPの転化率は、全運転を通して99%より高く保持されていた。
【0043】
実施例2
実施例1において記載したような、運転時間が650時間を経過した後に失活したフッ
素化Cr触媒を、以下の手順によって再生した。
【0044】
を5000cc(ml)/分の速度で流しつつ、反応器を300℃に加熱した。反
応器温度が安定した後、合成空気を導入した。空気のフローをO0.5%の割合で開始
した。徐々に、0.25%のO増分で、空気のフローをO濃度2.0%を達成するま
で増加させた。次いで、反応器のホットスポットを360℃とした。次いで、空気のフロ
ーを徐々に、0.5〜1.0%の増分で、O濃度が5.0%を達成するまで増加させた
。380℃を超えて反応器を過熱することを避けるために、反応器加熱器の温度の注意深
い調整が必要であった。
【0045】
ホットスポットが触媒床の頂部に達するまで、5%O/Nを流しつつ、反応器の温
度を、360〜375℃の触媒床ホットスポット温度に維持した。次いで、反応器加熱器
の温度を変えることなく、反応器の温度が反応器加熱器の設定温度に到達するまでO
ローを維持した。次いで、反応器をNで5時間パージして、残留酸素および水分を取り
除いた。これで触媒の再生は完了し、反応器は、HFで再フッ素化するために200℃に
した。
【0046】
TCP+3HF→HCFO−1233xf+3HClの反応を、実施例1に説明したも
のと同じ操作条件で再開した。HCFO−1233xfの選択性は再生後には98.5%
に増加し、中間体HCFO−1232xfは反応生成物中に検出されなかった。TCPの
転化率は100%であった。
【0047】
実施例3
この実施例は、第一工程の連続気相フッ素化反応である、1,1,1,2,3−ペンタ
クロロプロパン(HCC−240db)+3HF→2−クロロ−3,3,3−トリフルオ
ロプロペン(HCFO−1233xf)+4HClについて説明する。本実験のためのフ
ッ素化触媒は、フッ素化されたCrであった。
【0048】
実施例1に説明したものと同じ連続気相フッ素化反応系を実施例3においても使用した
。HCC−240db+3HF→HCFO−1233xf+4HClの反応は、HF対H
CC−240dbの比が15対1で、15秒の接触時間、および255℃の接触温度で行
った。反応器留出物のGC分析は、モルを基準として、100%のHCC−240db転
化率、および98.3%のHCFO−1233xf選択性を示した。実施例3の詳細を表
1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
実施例4
この実施例は、第二工程の連続液相フッ素化反応である、2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロプロペン(HCFO−1233xf)+HF→2−クロロ−1,1,1,2−
テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)について説明する。本実験のためのフ
ッ素化触媒は、SbClであった。
【0051】
約5618グラムのSbClを、2インチ(5×10−2m)ID(内径)の充填カ
ラムおよびコンデンサを備え、テフロン(商標)でライニングされた液相反応器に入れた
。反応器は2.75インチ(7×10−2m)ID×36インチ(0.91m)L(長さ
)であった。最初に、モル比で5対1よりも多いHFを、触媒をフッ素化するために反応
器に加えた。触媒を五価の状態に確実に戻すために、モル比で3:1よりも多いCl
次いで反応器に加えた。この反応器を約85℃〜87℃に加熱した。最初にHFの供給を
開始した。1.5lbs(0.68kg)の追加のHFが加えられたときに、2−クロロ
−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給を開始した。2−クロロ−3,3,3−トリ
フルオロプロペンの供給原料の純度は、約97.3GC(ガスクロマトグラフィー)面積
%であった。実験は約162時間連続して行った。この運転のために、運転の間中、約4
時間ごとに塩素を回分式で供給し、触媒の活性を保った。
【0052】
転化率はすぐに98%を超え、残りの運転の間中その値を保っていた。HFおよびHC
FO−1233xfの平均供給速度は、それぞれ0.91および0.88lb/時間(0
.41および0.40kg/時間)であった。塩素の添加は、重量基準で平均有機物供給
量の約3%に達した。約123ポンド(55.8kg)の酸を含まない粗2−クロロ−1
,1,1,2−テトラフルオロプロパンを収集した。
【0053】
本実験のための反応器温度の範囲は78℃〜86℃、圧力の範囲は70psig〜10
5psig(4.8×10PaG〜7.24×10PaG)であった。反応は反応器
の留出流を定期的にサンプリングすることにより監視した。サンプルはガスクロマトグラ
フィーで分析した。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−123
3xf)の平均転化率は約98%であり、生産物の平均選択率は以下のとおり、HCFC
−244bb=90%、HCFO−1233xd=1%、およびHFC−245cb=8
%であった。
【0054】
実施例5
この実施例は、本発明のとある好ましい実施形態に従った、無水のHFの、HFおよび
HCFC−244bbの混合物からの回収について説明する。
【0055】
約75重量%のHCFC−244bbおよび約25重量%のHFからなる混合物を気化
し、充填カラムの底部に、約2.9lb/時間(1.3kg/時間)の供給速度で約4時
間供給した。約80重量%の硫酸(80/20 HSO/HO)の流れは、ここに
おいて溶解した約2%のHFとともに、同じ充填カラムの頂部に、約5.6lb/時間(
2.5kg/時間)の供給速度で、同じ時間枠の間連続的に供給した。カラムの頂部から
出て行くガス流は、ここにおいて1.0重量%より少ない量のHFとともに、HCFC−
244bbを含む。カラムの底部留出物において、硫酸中のHF濃度は、2.0重量%か
ら約15重量%に増加する。
【0056】
硫酸および約15重量%のHFを含有するカラムの底部留出物を収集し、2ガロン(7
×10−3)のテフロン(商標)容器に移す。混合物を約140℃に加熱して、HF
を気化し、フラッシュし、収集する。収集したHF生産物は、約6000ppmの水およ
び500ppmの硫黄を含有する。
【0057】
フラッシュ蒸留により収集されるHFを、蒸留カラムで蒸留し、無水HFを回収する。
回収される無水HFは、50ppmより少ない硫黄不純物および100ppmより少ない
水を含有する。
【0058】
実施例6
この実施例は、相分離によって大部分のHFを回収した後の、任意に第一工程の選択肢
Bにより行われる、HFを回収する蒸留について説明する。蒸留カラムへの供給物は、H
F、HCFO−1233xf、およびHCFC−244bbの混合物である。
【0059】
相分離の後、3重量パーセントのHF、43.1重量パーセントのHCFC−244b
b、および53.9重量パーセントのHCFO−1233xfを含有する混合物37.4
ポンド(17.0kg)を、蒸留カラムに充填した。蒸留カラムは、10ガロンのリボイ
ラー、2インチ(5×10−2m)IDで10フィートのプロパックカラム、ならびにシ
ェルアンドチューブ式コンデンサからなっていた。カラムは約30の理論段を有していた
。蒸留カラムは温度伝送機、圧力伝送機および差圧伝送機を備えていた。蒸留は、約37
.7〜39.7psia(2.60×10〜2.74×10Pa)の圧力で行った。
蒸留物をサンプリングし、HF濃度を決定するために滴定を行い、そしてGCによって標
準間隔で分析した。滴定は、HF濃度が25〜33重量%の範囲であることを示した(0
.1NのKOHを滴定に用いた)。GC面積%に基づいた有機物の濃度は、約17〜21
GC面積%のHCFC−244bb、および約79〜83GC面積%のHCFO−123
3xfであった。37.7psia(2.60×10Pa)で、カラムのオーバーヘッ
ド温度はこの組成で約23℃であった。HFが枯渇した時(これは滴定により確かめられ
るが)、カラムのオーバーヘッド温度は23psig(1.6×10PaG)で約40
℃であった。蒸留物を含有する8.0lbs(3.6kg)のHFをDITに収集し、2
9.4lbs(13.3kg)の、HFを含まないHCFO−1233xf/HCFC−
24bb混合物をリボイラーから排出した。
【0060】
実施例7
この実施例は、第二工程の選択肢AおよびBの再利用カラムを説明する。
第二工程における実験の反応からの、反応器の留出混合物を蒸留カラムに充填した。蒸
留カラムは10ガロン(3.8×10−2)のリボイラー、2インチ(5×10−2
m)IDで10フィートのプロパックカラム、ならびにシェルアンドチューブ式コンデン
サからなっていた。カラムは約30の理論段を有していた。蒸留カラムは温度伝送機、圧
力伝送機および差圧伝送機を備えていた。蒸留カラムの供給混合物は、約71.5重量%
のHFおよび28.5重量%の有機物であった。有機物はほとんどがHCFO−1233
xfおよびHCFC−244bbの混合物であったが、いくらかの軽質または重質の不純
物ならびにいくらかのHCFO−1232xf中間体を含有していた。蒸留は約100p
sig(6.89×10)の圧力で行った。蒸留物をサンプリングし、HF濃度を決定
するために滴定を行い、そしてGCによって標準間隔で分析した。滴定は、HF濃度が2
0〜30重量%の範囲であることを示した(0.1NのKOHを滴定に用いた)。全体で
蒸留物を38lbs(17kg)収集し、約20〜30重量%のHFを含有していた。残
りは有機物であり、GC分析による平均で54.5%のHCFO−1233xf、44.
5%のHCFC−244bb、および1%の軽質不純物を有し、高沸点不純物はわずかp
pmレベルであった。再沸騰器の底部留出物は、Ceodeuxのデュアルバルブアセン
ブリ、および浸漬管を用いて、別の100lb(45.4kg)シリンダーに排出した。
主としてHFを62lbs(28kg)回収した。HCFO−1232xf中間体、およ
び高沸点不純物が一部観察された。回収したHF(リボイラーの底部留出物から)を用い
て、続く第二工程の反応において再利用を行い、十分に機能した。
【0061】
実施例8
この実施例は、第二工程の選択肢Bにおける、HCFC−244bb/HCFO−12
33xf/HF混合物の相分離によるHFの回収について説明する。
【0062】
有機層およびHF層の分離は、+10℃〜−30℃の温度範囲においてテストした。有
機層において最も高い濃度のHF(2.23±0.30重量%)を+10℃で検出し、有
機層において最も低い濃度のHF(0.76±0.09重量%)を−30℃で検出した。
HF層におけるHFの濃度は、約90±5重量%であった。有機層およびHF層のGC分
析は、有機層とHF層の間で、有機物の組成に変化が無いことを示していた。
【0063】
HCFC−244bb、HCFO−1233xf、およびHFを含有する混合物の相分
離を、−30℃〜+10℃の温度範囲で実行した。500mlのSSサンプルシリンダー
を本検討に用いた。シリンダーの温度は、シリンダーの周りに巻いたコイルを通して、エ
タノールを循環させることで制御した。熱電対をシリンダーの外壁面に取り付け(冷却コ
イルとシリンダー壁面の間)、シリンダーの中間に配置して温度を測定した。シリンダー
はまた、シリンダーの底部と頂部にサンプリングバルブを備えていた。無水のHF98.
7g、および93.0GC面積%のHCFC−244bb/5.0GC面積%のHCFO
−1233xfの混合物233gをシリンダーに充填した。HF対有機物の重量比は29
.8対70.2であった。サンプリングが可能なように、シリンダーに−30℃で12p
sig(8.3×10PaG)まで窒素を詰めた。サンプルはシリンダーの底部から取
り出し、HFを吸収させるために5グラムの蒸留水を含有したTedlarガスサンプル
バッグに導入した。第一のサンプルは、シリンダーが望ましい温度に到達した後2時間後
に取り出した。この後、シリンダーの中身を混合し、第二のサンプルを混合の後5分で取
り出した。サンプルバッグの水層を0.1NのKOHにより滴定して、HFの濃度を決定
した。所定の温度で2時間経過した後に取り出したサンプルにおけるHF濃度を表2に表
す。所定の温度でシリンダーの中身を混合してから5分経過した後に取り出したサンプル
におけるHF濃度を表3に表す。
【0064】
装置から有機層を取り除いた後に、HF層におけるHF濃度を分析した。KOH滴定は
、酸の層におけるHF濃度が約90±5%であることを示した。HF層における有機物の
分布は、有機層における分布と同じであった。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
上記のHF濃度を図8に図示した。
実施例9
この実施例は、第三工程の連続気相脱塩化水素反応である、2−クロロ−1,1,1,
2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)→2,3,3,3−テトラフルオ
ロプロペン(HFO−1234yf)+HClについて説明する。本実験のための脱塩化
水素触媒は、10重量%CsCl/90重量%MgFであった。
【0068】
HCFC−244bbのHFO−1234yfへの転化は、熱伝導を高めるためにニッ
ケルメッシュを充填したモネル予熱器(ID1インチ(2.5×10−2m)、長さ32
インチ(0.81m))を備えたモネル反応器(ID2インチ(5×10−2m)、長さ
32インチ(0.81m))を用いた。反応器を2リットルのペレット化した10重量%
CsCl/90重量%MgF脱塩化水素触媒で満たした。ニッケルメッシュは、触媒を
支持するために、反応器の頂部と底部に置いた。マルチポイント熱電対を反応器の中心に
挿入した。触媒を、480℃の温度で乾燥Nフローによって6時間前処理した。次いで
、95GC%HCFC−244bb/3.1GC%HCFO−1233xf/0.35G
C%HFC−245cbの組成を持つ供給物を反応器に1.0lb/時間(0.45kg
/時間)の速度で導入した。供給物は、反応器の余熱器に導入する前に気化させた。供給
速度は、1.0lbs/時間(0.45kg/時間)で一定に維持し、温度と圧力は両方
とも変化させた。反応器全体の温度勾配は決して3〜5℃を超えなかった。触媒の生産性
は3〜6lbs/時間/ft(5〜10kg/時間/m)と見積もられた。最も高い
生産性が、470℃および45psig(3.1×10PaG)で観察され、最も低い
生産性は、480℃および3psig(2×10PaG)で観察された。反応生成物を
苛性スクラバーに供給し、HCl副生成物を取り除いた。次いで生成物流を吸湿剤を充填
したカラムに通し、残留水分を取り除いた。オイルレスコンプレッサーを用いて、圧力が
30〜45psig(2.1×10〜3.1×10PaG)に維持された蒸留カラム
に粗生産物を供給した。蒸留は、連続方式で実行し、離脱する速度は、反応器においてH
FO−1234yfが生成される速度と等しかった。蒸留されたHFO−1234yfの
純度は99.9+GC面積%であった。蒸留物のGC分析は、ppmレベルの軽質不純物
の存在を示した。蒸留カラムの底部留出物を排出し、脱塩化水素反応器に再利用した。
【0069】
480℃、3psig(2×10PaG)−HCFC−244bb転化率〜30%、
HFO−1234ygへの選択率〜97%
480℃、20psig−(1.3×10PaG)HCFC−244bb転化率〜4
7%、HFO−1234ygへの選択率〜96%
470℃、20psig−(1.3×10PaG)HCFC−244bb転化率〜3
6%、HFO−1234ygへの選択率〜97%
470℃、45psig(3.1×10PaG)−HCFC−244bb転化率〜5
3%、HFO−1234ygへの選択率〜96%
460℃、45psig(3.1×10PaG)−HCFC−244bb転化率〜3
8%、HFO−1234ygへの選択率〜98%
反応条件: 供給物:約95GC%のHCFC−244b;約3.1GC%のHCFO
−1233xf;および約0.35GC%のHFC245cb;触媒:2.0リッターの
10重量%CsCl/90重量%MgF;供給量:1.0lb/時間(0.45kg/
時間)
反応データを図9に図示する。
【0070】
これまでの説明は本発明の例証に過ぎないことは理解すべきである。本発明から逸脱す
ることなく、当業者によって様々な変更および修飾を考え出すことが出来る。従って、本
発明は、添付の特許請求の範囲に含まれる、全てのそのような変更、修飾および変化を包
含するものと意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9