(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オルガノシラン化合物が、ビニルシラン、アミノアルキルシラン、ウレイドアルキルシラン、メタクリルオキシシランおよびエポキシアルキルシランからなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
前記オルガノシランが、ジエチレングリコール、2−イソプロポキシエタノール(IPPE)、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート(DPGMEA)および2−エチル−1−ヘキサノールから選択される極性有機溶剤中に溶解される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】セミアディティブ法(SAP)として当該技術分野で公知の細線回路の製造方法を示す。
【
図2】例P12によるGX92基板材料の過マンガン酸塩処理後の表面を示す。
【
図3】従来技術から公知の条件に従ってアルカリ性過マンガン酸溶液で処理されたGX92基板材料の過マンガン酸塩処理後の表面を示す。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明によれば、段階(i)において、まず、オルガノシラン化合物を含有する組成物で基板を処理する。
【0018】
オルガノシラン化合物は、溶液として、好ましくは、高沸点、好ましくは60〜250℃の範囲およびより好ましくは80〜200℃の範囲の沸点を有する有機溶剤の溶液として施与される。本発明の意味における有機溶剤とは、シラン化合物を溶解するために適した極性の有機溶剤である。
【0019】
適した有機溶剤はアルコール、エーテル、アミンおよびアセテートを含む。例は、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、2−イソプロポキシエタノール(IPPE)、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート(DPGMEA)、2−エチル−1−ヘキサノール、グリセリン、ジオキシン、ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エタノールアミン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)、エチレングリコールの半エーテルおよび半エステルである。
【0020】
オルガノシラン濃度は、用途および特定のオルガノシラン化合物に依存して、広い範囲にわたって変化できる。適した濃度を通常の実験によって得ることができる。適した濃度は一般に、0.2質量%の低さ〜30質量%の間、好ましくは0.5質量%〜20質量%の間、さらにより好ましくは1質量%〜8質量%の間で変化する。
【0021】
方法の段階(i)による誘電体基板とオルガノシランを含有する溶液との接触を、基板を前記溶液中に浸漬または含浸させることによって、または基板に溶液を噴霧することによって行う。方法の段階(i)による、基板とオルガノシランを含有する溶液との接触は、少なくとも1回行われる。選択的に、前記の接触を数回、好ましくは2〜10回、より好ましくは2〜5回、さらにより好ましくは1〜3回行うことができる。最も好ましい接触は、1〜2回である。
【0022】
方法の段階(i)による、基板とオルガノシランを含有する溶液との接触を、10秒〜20分、好ましくは10秒〜10分、最も好ましくは10秒〜5分の範囲の時間で行う。
【0023】
方法の段階iによる、基板とオルガノシランを含有する溶液との接触を、15〜100℃、好ましくは20〜50℃、最も好ましくは23〜35℃の範囲の温度で行う。
【0024】
オルガノシラン化合物は、好ましくは以下の式
A
(4-x)SiB
x
[式中、
各々のAは独立して加水分解性基であり、
xは1〜3であり、且つ
各々のBは独立して、C
1〜C
20−アルキル、アリール、アミノアリール、および式
C
nH
2nX
[式中、
nは0〜15、好ましくは0〜10、さらにより好ましくは1〜8、最も好ましくは1、2、3、4であり、且つ、
Xは、アミノ基、アミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロ基、メルカプト基、カルボキシ基、カルボキシエステル基、カルボキサミド基、チオカルボキサミド基、アシル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、イソシアナト基、チオシアナト基、チオイソシアナト基、ウレイド基、チオウレイド基、グアニジノ基、チオグリシドキシ基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基からなる群から選択される、またはXは、カルボキシエステル残基である、またはXは、Si(OR)
3 [前記RはC
1〜C
5−アルキル基である]である]
によって示される官能基からなる群から選択される]
によって示される群から選択される。
【0025】
好ましくは、加水分解性基Aは、−OH、−OR
1からなる群から選択され、前記R
1はC
1〜C
5−アルキル、−(CH
2)
yOR
2であり、前記yは1、2または3であり、且つR
2はHであるかまたはC
1〜C
5−アルキル、−OCOR
3であり、且つ前記R
3はHまたはC
1〜C
5−アルキルである。
【0026】
Bがアルキル基である場合、それは好ましくはC
1〜C
10−アルキル、さらにより好ましくはC
1〜C
5−アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである。好ましいアリール基は、フェニル基およびベンジル基であって置換されているか非置換かのいずれかである。好ましいアミノアリール基は−NH(C
6H
5)である。
【0027】
本発明の意味において、官能基Xはさらに官能化されていてよい。例えばX=アルキルアミンまたはアリールアミン置換されたアミンを含むアミノ、例えば3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)である。
【0028】
Si(OR)
3である官能基Xについて、Rは好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである。
【0029】
前記式中の特定の類の化合物の例は、ビニルシラン、アミノアルキルシラン、ウレイドアルキルシランエステル、エポキシアルキルシランおよびメタクリロアルキルシランエステルであり、その際、反応性の有機官能基はそれぞれ、ビニル、アミノ、ウレイド、エポキシおよびメタクリルオキシである。ビニルシランの例は、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル−トリス−(β(2)−メトキシエトキシ)シランおよびビニルトリアセトキシシランである。本発明において使用するために好ましいオルガノシランであるアミノアルキルシランの例は、γ(3)−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN’−(β−アミノエチル)−N−(β−アミノエチル)−γ−アミノ−プロピルトリメトキシシランである。適したウレイドアルキルシランエステルは、γ−ウレイドアルキルトリエトキシシランである一方で、適したエポキシアルキルシランは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。有用なメタクリルオキシシランエステルは、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−メタクリルオキシプロピル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シランである。
【0030】
少なくとも1つのオルガノシラン化合物は、モノマーのオルガノシラン化合物であるか、または誘電体基板の表面上に堆積される前に本発明によりモノマーのオルガノシラン化合物の(部分)加水分解および縮合によって得られるオリゴマーのオルガノシラン化合物であるかのいずれかであってよい。
【0031】
オルガノシラン化合物の加水分解および縮合は当該技術分野においてよく知られている。例えば、モノマーのオルガノシラン化合物は、酸性触媒、例えば酢酸または希釈された塩酸と反応して、モノマーのオルガノシラン化合物から誘導されるオリゴマーのオルガノシラン化合物の透明な溶液がもたらされる。
【0032】
本発明によって加水分解によりモノマーのオルガノシラン化合物から誘導されたそのようなオリゴマーのシランは、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0033】
随意に、方法の段階(i)の後に基板を熱処理してよい。そのような熱処理は一般に、60〜200℃、より好ましくは80〜150℃の温度で行われる。前記の処理時間は、例えば1〜30分、好ましくは1〜10分の間で変化し得る。
【0034】
その後、段階(ii)において、過マンガン酸塩の酸性またはアルカリ性の水溶液から選択される酸化剤を含む溶液で基板を処理する。
【0035】
意外なことに、過マンガン酸塩以外の酸化剤、例えば過酸化水素および硫酸またはクロム酸の混合物は、本発明による方法のために適していないことが判明し、なぜなら、それらは基板と、次にめっきされる金属層との間の充分な密着性をもたらさないからである。これは予想外であり、なぜなら、先行技術は本質的に全ての酸化剤が同じ表面改質をもたらすことを教示しているからである。
【0036】
過マンガン酸塩のアルカリ溶液、例えば過マンガン酸ナトリウムまたは過マンガン酸カリウムが好ましい。該溶液は好ましくは20〜100g/lの過マンガン酸イオンおよび10〜40g/lの水酸化物イオンを含有する。好ましい水酸化物イオン源は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
【0037】
方法の段階(ii)による、誘電体基板と酸化剤を含有する溶液との接触を、基板を前記溶液中に浸漬または含浸させることによって、または基板に溶液を噴霧することによって行う。
【0038】
方法の段階(ii)による、基板と酸化剤を含有する溶液との接触を、30秒〜30分、好ましくは30秒〜10分の範囲の時間で行う。
【0039】
方法の段階(ii)による、基板と酸化剤を含有する溶液との接触を、20〜95℃、好ましくは50〜85℃の範囲の温度で行う。
【0040】
本発明の1つの実施態様において、該方法は以下の段階:
(i) 少なくとも1つのオルガノシラン化合物を含む溶液で前記表面を10秒から10分の時間、15〜50℃の温度で処理する段階、
(ii) 濃度20〜100g/lの過マンガン酸イオンのアルカリ性の水溶液から選択される酸化剤を含む溶液で、1〜30分の時間の間、20〜95℃の温度で前記表面を処理して、150nm未満の平均表面粗さRaを有する粗面化された表面を得る段階
を含む。
【0041】
150nm未満の表面粗さRaは、50〜150nm、好ましくは60〜130nm、さらにより好ましくは70〜120nmであってよい。
【0042】
本発明による方法を用いて、様々な種類の誘電体基板を金属化することができる。金属化は、湿式化学的なめっき法によって行われる。前記のめっき法は、無電解、浸漬、および電解めっき法を含み、通常、水溶液中で行われる。
【0043】
金属化されるべき誘電体基板を、プラスチック、プラスチック−ガラス、およびプラスチック−セラミック複合材を含む群から選択することができる。
【0044】
プラスチックは、アクリロニトロル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABSコポリマー); ポリアミド; ABSコポリマーと、ABSとは異なる少なくとも1つの他のポリマーとの混合物; ポリカーボネート(PC); ABS/PC ブレンド; エポキシ樹脂; ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT); シアネートエステル樹脂; ポリイミド; ポリエチレンテレフタレート(PET); ポリブチレンテレフタレート(PBT); ポリ乳酸(PLA); ポリプロピレン(PP); およびポリエステルを含む群から選択できる。
【0045】
プリント回路板の製造において使用される誘電体基板も使用できる。そのような材料は、典型的には、エポキシベースの材料、例えばエポキシブレンド、例えばエポキシ・ベンゾトリアゾールブレンド、エポキシ・シアネートブレンド、エポキシ・プロピレンブレンド、またはエポキシ・ポリイミドブレンドからなる。
【0046】
段階(iii)について、湿式化学的なめっき法を適用することによって基板上に金属をめっきするためのいくつかの方法は、当業者に公知である。本発明によれば、湿式化学的なめっき法は好ましくは電解めっき法、浸漬めっき法、または無電解めっき法である。
【0047】
その際、誘電体基板、例えばプラスチックの物体を、活性化後に無電解金属化法を使用することによって、または選択的には直接めっき法(電解めっき法)を使用することによって金属化することができる。物体を、まず洗浄し、次に例えば貴金属または伝導性ポリマーを施与し、その後、最終的に金属化する。
【0048】
次の金属めっきのための、誘電体基板、例えばプリント回路板の典型的な活性化を、以下のとおりに行う:
好ましくは、第一の伝導層は銅を含み、且つ、無電解めっきによって堆積される。好ましくはこの場合、銅の無電解めっきに先立って、例えば貴金属含有コロイドまたは貴金属イオン含有溶液の堆積によって基板を活性化する。最も好ましい活性化は、パラジウム・スズコロイドまたはパラジウムイオンの堆積によるものである。そのような方法は当該技術分野において確立されており、且つ当業者に公知である。
【0049】
銅の代わりに、第一の伝導層はニッケルを含むことができる。
【0050】
特にプリント回路板積層体および他の適した基板のための、例示的且つ限定されない予備処理工程は、以下の段階:
a) 基板と、コロイド状またはイオン性触媒金属、例えば貴金属、好ましくはパラジウムを含有する活性化剤溶液とを接触させて、基板表面を触媒性にする段階、
および随意に、特に活性化剤がイオン性触媒金属を含有する場合、
b) 基板と還元剤とを接触させる段階、ここで、イオン性活性化剤の金属イオンが元素状金属に還元される、
または、活性化剤がコロイド状触媒金属を含有する場合、
c) 基板と促進剤とを接触させる段階、ここで、コロイドの成分、例えば保護コロイドが触媒金属から除去される、
を含むことができる。
【0051】
本発明による方法は、細線回路の製造のために特に適している。これを
図1に示す。
【0052】
当該技術分野で公知の細線回路の製造方法は、セミアディティブ法(SAP)であり、それは、ベアの誘電体ビルドアップ層(1)から出発し、前記誘電体ビルドアップ層(1)は、裏面の少なくとも一部の上に、例えばコンタクト領域(2)であり得る銅の領域を有し、且つ誘電体ビルドアップ層(1)の裏面に施与された第二の誘電体層(3)を有する。そのような基板を
図1aに示す。少なくとも1つの開口部(4)、例えばブラインドのマイクロビアが、例えばレーザードリル加工によってビルドアップ層(1)中に形成され、それは、基板を通じてビルドアップ層(1)の裏面上の銅の領域(2)まで延びている(
図1b)。ビルドアップ層(1)の誘電体表面を、次の段階においてデスミア工程に供し、そのことによりビルドアップ層(1)の上面(5a)が粗面化され、少なくとも1つの開口部(4)の誘電体側壁の表面(5b)が粗面化される(
図1c)。
【0053】
続く銅の無電解めっきのためには、粗面化した上面(5a)および粗面化した側壁(5b)を、例えば貴金属含有活性化剤の堆積によってさらに活性化することが必要である。次に、一般には銅製である導電性のシード層(6)を、無電解めっきによって、ビルドアップ層(1)の粗面化された上面(5a)および少なくとも1つの開口部(4)の粗面化された側壁(5b)上に堆積する(
図1d)。かかる伝導層(6)は通常、0.8μm〜1.5μmの厚さを有し、それは、a) 続く銅の電気めっきのために粗面化された上面(5a)上で十分な導電性をもたらすために、且つb) 銅の無電解めっきの間、少なくとも1つの開口部(4)の粗面化された側壁(5b)に十分な導電性をもたらすことを確実にするためにも必要とされる。
【0054】
その後、より厚い銅層(8)を、粗面化され且つ活性化されたビルドアップ層(1)の上面にパターニングされたレジスト層(7)の開口部、および粗面化され且つ活性化された少なくとも1つの開孔部(4)の誘電体壁に選択的に電気めっきする(
図1e〜f)。パターニングされたレジスト層(7)を除去し(
図1g)、且つ、電気めっきされた銅(8)によって覆われていない部分の伝導層(6)をディファレンシャルエッチングによって除去する(
図1h)。そのようなプロセスは、例えばUS6278185号B1およびUS6212769号B1内に開示されている。
【0055】
プリント回路板上に細線回路を製造するための方法は、以下の段階
(i) ベアの誘電体ビルドアップ層(1)を含み、その裏面の少なくとも一部の上にコンタクト領域(2)、および、ビルドアップ層(1)の裏面に取り付けられた第二の誘電体層(3)を有する基板を提供する段階、
(ii) 基板を通ってコンタクト領域まで延びる少なくとも1つの開口部(4)を、ビルドアップ層(1)内に形成する段階、
(iii) 少なくとも1つのオルガノシラン化合物を含む溶液で前記表面を処理する段階、
(iv) 少なくとも1つの酸化剤を含む溶液で前記表面を処理する段階、
(v) 伝導性シード層(6)を誘電体ビルドアップ層(1)の上部表面(5a)および少なくとも1つの開口部(4)の誘電体側壁(5b)上に堆積させる段階、
(vi) パターニングされたレジスト層(7)の開口部中に電気めっきによって銅層(8)を選択的に堆積する段階
をこの順で含む。
【0056】
その際、誘電体基板、例えばプラスチック物体を、活性化後に無電解金属化法を使用することによって、または選択的には直接めっき法(電解めっき法)を使用することによって金属化することができる。物体を、まず洗浄し、次に例えば貴金属または伝導性ポリマーを施与し、その後、最終的に金属化する。
【0057】
次の金属めっきのための誘電体基板の活性化を、典型的には以下のとおりに行う:
プラスチックを、無電解金属化のために、貴金属を含有する活性化剤を使用して活性化し、その後、無電解金属化を行う。その後、より厚い金属層を電解的に施与することもできる。直接めっき法の場合、エッチングされた表面を通常、パラジウムコロイド溶液で処理し、その後、錯化剤と共に錯体を形成する銅イオンを含有するアルカリ性溶液で処理する。その後、該物体を直接的に、電解的に金属化することができる (EP1054081号B1)。
【0058】
段階(iii)における適した金属化シーケンスは、以下の段階:
A) コロイドの溶液で、または化合物、特に元素周期律表VIIIBまたはIB族の金属(貴金属)の塩、特にパラジウム/スズコロイドで処理する段階、および
B) 金属化溶液を使用して電解的に金属化する段階
を必要とすることがある。
【0059】
本発明の1つの実施態様においては、基板は誘電体基板であり、且つ、段階
iii. 湿式化学的めっき法を適用して基板を金属めっきする段階は、
iiia. 基板を貴金属コロイドまたは貴金属イオン含有溶液と接触させること、
iiib. 基板を無電解金属めっき溶液と接触させること、および
iiic. 基板を電解的な金属めっき溶液と接触させること
を含む。
【0060】
本発明の1つの実施態様においては、以下の追加的な方法の段階の少なくとも1つを、工程段階iii全体において実施する:
iii1. 物体または基板を予備浸漬溶液中に浸漬させる段階、
iiia1. 物体または基板を濯ぎ溶液中で濯ぐ段階、
iiia2. 物体または基板を促進溶液中または還元剤溶液中で処理する段階、
iiib1. 物体または基板を濯ぎ溶液中で濯ぐ段階、および
iiic1. 物体または基板を濯ぎ溶液中で濯ぐ段階。
【0061】
この好ましい実施態様において、物体または基板が無電解金属化法を使用して金属化されるべき場合、つまり、第一の金属層が物体または基板上に無電解法を使用して施与される場合に、前記のさらなる方法段階が行われる。
【0062】
促進溶液は、好ましくは、方法段階iiiaによるコロイド溶液の成分、例えば保護コロイドを除去するために役立つ。方法段階iiaによるコロイド溶液のコロイドがパラジウム/スズコロイドである場合、保護コロイドを除去するために、促進溶液として、好ましくは酸の溶液、例えば硫酸、塩酸、クエン酸またはテトラフルオロホウ酸が使用される。
【0063】
貴金属イオンの溶液、例えば塩化パラジウムの塩酸溶液または銀塩の酸性溶液が方法の段階(ii)aにおいて使用される場合、還元剤溶液が使用される。この場合における還元剤溶液は、塩酸溶液でもあり、且つ、例えば塩化スズ(II)を含有するか、または他の還元剤、例えばNaH
2PO
2またはボランまたはホウ化水素、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属のボランまたはジメチルアミノボランを含有する。
【0064】
他方で、物体または基板が無電解金属化されるのではなく、電解金属化法を使用して直接的に金属化される(無電解金属化を用いない)方法が好ましい。
【0065】
本発明のこの実施態様において、基板は誘電体基板であり、且つ、段階
iii. 湿式化学的めっき法を適用して基板を金属めっきする段階は、
iiia. 基板を貴金属コロイドと接触させること、
iiib. 基板を変換溶液と接触させて、直接的に電解金属化するために充分に導電性の層を基板表面上に形成すること、および
iiic. 基板を電解金属めっき溶液と接触させること
を含む。
【0066】
iiid、iiieおよびiiifの方法段階は所定の順で行われるが、互いに直続していることが必須ではない。例えば、複数の洗浄段階を前記の段階の後に行うことができる。この実施態様において、方法の段階iidおよびiieは、活性化段階として作用する。
【0067】
変換溶液は好ましくは、引き続き直接的な電解的金属化を、予め無電解金属化を行うことなく可能にするために、充分に導電性の層を物体または基板の表面上に創出するために役立つ。方法段階iidによるコロイド溶液のコロイドがパラジウム/スズコロイドである場合、錯化剤で錯化された銅イオンを含有するアルカリ溶液が、変換溶液として好ましく使用される。例えば、変換溶液は、有機錯化剤、例えば酒石酸またはエチレンジアミン四酢酸および/またはその塩、例えば銅塩、例えば硫酸銅を含有できる。
【0068】
変換溶液は、
(i) Cu(II)、Ag、AuまたはNi可溶性金属塩またはそれらの混合物、
(ii) 0.05〜5mol/lのIA族金属の水酸化物、および
(iii) 前記金属塩の金属イオンのための錯化剤
を含むことができる。
【0069】
以下に記載される処理液は、好ましくは水性である。
【0070】
本発明の好ましい実施態様において、活性化段階において使用される元素周期律表のVIIIBまたはIB族の貴金属のコロイド溶液は、パラジウム/スズコロイドを含有する活性化剤溶液である。好ましくは、このコロイド溶液は、塩化パラジウム、塩化スズ(II)および塩酸または硫酸を含有する。塩化パラジウムの濃度は、Pd
2+に対して好ましくは5〜200mg/l、特に好ましくは20〜100mg/l、および最も好ましくは30〜60mg/lである。塩化スズ(II)の濃度は、Sn
2+に対して好ましくは0.5〜20g/l、特に好ましくは1〜10g/l、および最も好ましくは2〜6g/lである。塩酸の濃度は、好ましくは100〜300ml/l(37質量%のHCl)である。さらには、パラジウム/スズコロイド溶液は、好ましくはスズ(IV)イオンも含有し、それはスズ(II)イオンの酸化を通じて生成される。コロイド溶液の温度は好ましくは20〜50℃、および特に好ましくは30〜40℃である。処理時間は好ましくは0.5〜10分、特に好ましくは2〜5分、および最も好ましくは3.5〜4.5分である。
【0071】
選択的に、コロイド溶液は、元素周期律表のVIIIB族またはIB族の他の金属、例えば白金、イリジウム、ロジウム、金または銀またはそれらの金属の混合物も含有できる。コロイドについて、保護コロイドとしてのスズイオンで安定化されるのではなく、他の保護コロイド、例えば有機保護コロイド、例えばポリビニルアルコールが代わりに使用されることも基本的には可能である。
【0072】
活性化段階においてコロイド溶液の代わりに貴金属イオンの溶液が使用される場合、好ましくは、酸、特に塩酸および貴金属塩を含有する溶液が使用される。例えば、貴金属塩は、パラジウム塩、好ましくは塩化パラジウム、硫酸パラジウムまたは酢酸パラジウムまたは銀塩、例えば酢酸銀であってよい。選択的に、貴金属錯体、例えばパラジウム錯塩、例えばパラジウム・アミノ錯体の塩を使用することもできる。貴金属化合物は、貴金属に対して、例えばPd
2+に対して、例えば20mg/lから200mg/lの濃度で存在する。貴金属化合物の溶液を、25℃で、または15℃から70℃の温度で使用できる。
【0073】
物体または基板をコロイド溶液と接触させる前に、該物体または基板を好ましくは、コロイド溶液と同一の組成を有するがコロイドの金属およびその保護コロイドを有さない(パラジウム/スズコロイド溶液の場合、コロイド溶液が塩酸も含有する場合にはこの溶液は塩酸だけを含有するという意味)予備浸漬溶液と最初に接触させる。
【0074】
該物体または基板を、予備浸漬溶液中での処理の後、物体または基板の濯ぎ落としは行わずに、直接的にコロイド溶液と接触させる。
【0075】
物体または基板をコロイド溶液で処理した後、それらを典型的には濯ぎ、その後、促進溶液と接触させて、物体または基板の表面から保護コロイドを除去する。
【0076】
物体または基板を、コロイド溶液の代わりに貴金属イオンの溶液で処理する場合、まず濯いだ後にそれらを還元処理に供する。それらの場合に使用される還元剤溶液は、典型的には塩酸および塩化スズ(II)を含有する。貴金属の溶液の場合、化合物は塩化パラジウムの塩酸溶液である。しかしながら、NaH
2PO
2の水溶液を使用することが好ましい。さらには、貴金属化合物の溶液が、錯体安定化Pd硫酸塩もしくは塩化物の中性もしくはアルカリ性溶液である場合、還元処理においてDMAB(ジメチルアミノボラン)または水素化ホウ素ナトリウムの水溶液を使用することが好ましい。
【0077】
無電解金属化のために、還元剤溶液での促進または処理の後に、物体または基板を最初に濯ぎ、その後、例えばニッケルで無電解めっきすることができる。これを行うために、従来のニッケル浴が使用され、それは例えば、硫酸ニッケル、還元剤としての次亜リン酸塩、例えば次亜リン酸ナトリウム、および有機錯化剤およびpH調節剤(例えば緩衝剤)を含む多数の物質を含有する。
【0078】
選択的に、典型的には銅塩、例えば硫酸銅または次亜リン酸銅、および還元剤、例えばホルムアルデヒドまたは次亜リン酸塩、例えばアルカリまたはアンモニウム塩、または次亜リン酸、および1つまたはそれより多くの錯化剤、例えば酒石酸、並びにpH調節剤、例えば水酸化ナトリウムを含有する無電解銅浴を使用できる。
【0079】
次の電解金属化のために、例えばニッケル、銅、銀、金、スズ、亜鉛、鉄、鉛またはそれらの合金を堆積するために、任意の金属堆積浴を使用することができる。この種の堆積浴は、当業者によく知られている。ワッツ(Watts)ニッケル浴が、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよびホウ酸並びにサッカリンを添加剤として含有する、光沢ニッケル浴として通常使用される。光沢銅浴としては、例えば硫酸銅、硫酸、塩化ナトリウム、並びに有機硫黄化合物を含有する組成物であって、添加物として、硫黄が低い酸化段階において存在する、例えば有機スルフィドまたはジスルフィドとして存在する前記組成物が使用される。
【0080】
直接的な電気めっき法が使用される場合、つまり、第一の金属層が無電解堆積されず、物体または基板を変換溶液で処理した後、随意の次の濯ぎ処理後に電解的に堆積される場合、電解金属化浴、例えばニッケルストライク浴が使用され、それは好ましくはワッツニッケル浴に基づき構成される。それらの種類の浴は、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、および添加物としてのホウ酸およびサッカリンを含有する。
【0081】
本発明による方法による物体または基板の処理は、好ましくは通常の浸漬法において実施され、その際、物体または基板を引き続き、それぞれの処理が行われる容器内の溶液中に浸漬させる。この場合、物体または基板は、ラックに固定されるか、またはドラム内に詰められ且つ溶液中に浸漬されてもよい。ラックへの固定が好ましく、なぜなら、ラックを介して、超音波エネルギーが物体または基板に対して、より方向付けられて伝搬することが可能であるからである。選択的に、物体または基板をいわゆるコンベヤー化された加工プラントにおいて処理することができ、その際、それらは例えばラックの上に置かれ、且つ、プラントを通じて水平方向に連続的に搬送されて、適宜、超音波で処理される。
【0082】
本発明の他の実施態様において、直接的な金属化は、誘電体基板表面に導電性ポリマーを用いることによって得られ、例えばUS2004/0112755号A1、US5447824号、およびWO89/08375号A内に記載されている。
【0083】
EP0457180号A2は、誘電体基板を金属化するための方法を開示しており、この方法は、最初に、二酸化マンガン層を基板上に形成し、その後、ピロールおよびメタンスルホン酸を含有する酸性溶液で表面を処理することを含む。ピロールの代わりに、該溶液はチオフェンを含有してもよい。この処理のために、導電性ポリマー層が形成される。この導電層は、最終的には電解的に金属化され得る。選択的に、チオフェンおよびアニリンをピロールの代わりに施与できる。かかる方法は、本発明によって活性化段階として使用し且つ引き続き非伝導性基板を金属化するために適している。
【0084】
本発明のこの実施態様において、基板は誘電体であり、且つ、段階iiiにおける基板の金属化のために、以下のさらなる方法の段階:
iiic. 基板を、水溶性ポリマーと接触させる段階、
iiid. 基板を、過マンガン酸塩溶液で処理する段階、
iiie. 基板を、少なくとも1つのチオフェン化合物と、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびエタンジスルホン酸を含む群から選択される少なくとも1つのアルカンスルホン酸とを含有する酸性の水溶液または水ベースの酸性のマイクロエマルションで処理する段階、
を実施し、且つ、
iv. 湿式化学めっき法を適用して基板を金属めっきする段階は、
ivb. 基板を電解金属めっき溶液と接触させる段階
を含む。
【0085】
段階icにおいて使用される水溶性ポリマーは、好ましくは、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾール、アルキルアミンエチレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。水溶性ポリマーの濃度は、20mg/l〜10g/lの範囲である。
【0086】
水溶性ポリマーの溶液は、さらに、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジオキシン、ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールの半エーテルおよび半エステルからなる群から選択される水溶性の有機溶剤を含有してよい。水溶性の有機溶剤を、純粋な形態で、または水で希釈して使用することができる。水溶性有機溶剤の濃度は、10ml/l〜200ml/lの範囲である。水溶性ポリマーの溶液を、25℃から85℃の範囲の温度で保持し、且つ、段階icの間に、誘電体基板をこの溶液中に15秒〜15分間浸漬させる。
【0087】
次に、誘電体基板を段階idにおいて過マンガン酸塩溶液で処理する。過マンガン酸イオン源は、任意の水溶性過マンガン酸塩化合物であってよい。好ましくは、過マンガン酸イオン源は、過マンガン酸ナトリウムおよび過マンガン酸カリウムから選択される。過マンガン酸イオンの濃度は、0.1mol/l〜1.5mol/lの範囲である。過マンガン酸塩溶液は、酸性であってもアルカリ性であってもよい。好ましくは、過マンガン酸塩溶液は2.5〜7の範囲のpH値を有する。段階idによって、ブラインドのマイクロビア(BMV)の側壁上にMnO
2の層が形成される。
【0088】
その後、段階ieにおいて、基板を、好ましくはチオフェン化合物とアルカンスルホン酸とを含む溶液と接触させる。
【0089】
チオフェン化合物は好ましくは、3−ヘテロ置換チオフェンおよび3,4−ヘテロ置換チオフェンから選択される。最も好ましくは、チオフェン化合物は、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。チオフェン化合物の濃度は、0.001mol/l〜1mol/l、より好ましくは0.005mol/l〜0.05mol/lの範囲である。
【0090】
アルカンスルホン酸は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタンジスルホ酸、エタンジスルホン酸およびそれらの混合物を含む群から選択される。アルカンスルホン酸の濃度は、段階ieにおいて使用される溶液の所望のpH値を調整することによって設定される。好ましくは、前記溶液のpH値は、0〜3の範囲、より好ましくは1.5〜2.1の範囲に設定される。
【0091】
本発明の目的のためには、金属としての銅のめっきが特に好ましい。プリント回路板の用途において、堆積された単数または複数の銅層の全体の厚さは一般に、1〜50μm、より好ましくは4〜30μmの範囲である。
【0092】
実施例
以下の例は、本発明の利点を説明することが意図されており、本発明の範囲を限定するものではない。
【0093】
実験において用いられた種々のシランを、表1に列挙し、且つ特定する。シランを溶解するために以下の有機溶剤が使用された: イソプロパノール(bp 82℃: 以下でIPAと記される)および2−イソプロポキシエタノール(bp 142℃、以下でIPPEと記される)。
【0094】
試料番号P1、P6〜P9、およびP11〜P20をまず、シラン組成物で処理し、その後、MnO
4イオンを含有する水溶液中で処理した。試料番号P2については、工程の順を変えた: まず、MnO
4イオンを含有する水溶液中で処理し、次に、シラン組成物中で処理した(比較例)。試料番号P3については、MnO
4イオンを含有する水溶液中での処理を省略し、且つ、シラン組成物のみ適用した(比較例)。試料番号P4は、MnO
4イオンのみを含有する水溶液中で進め、シラン処理は用いない(比較例)。試料番号P5およびP10をまず、シラン化合物を有さない溶剤マトリックスで処理し、その後、MnO
4イオンを含有する水溶液中で処理した(比較例)。過マンガン酸塩処理段階の後は常に、酸化マンガン(IV)を除去するための還元剤段階であった。相応の工程条件は表1に示される。
【0095】
組成を表1に示す。処理時間は、周囲温度で1分であった。
【0096】
使用されたベース材料は、味の素株式会社のエポキシ樹脂ABF GX92であった。実験のために、ラミネート加工され、且つ温度100℃で30分間、次に180℃で30分間、予備硬化されたパネルから、試料(7.5×15cm)を切り出した。
【0097】
全ての溶液を、噴霧前に新たに作製した。シラン含有率は質量パーセントで示し、且つ、実施された全ての実験について3質量%であった。
【0098】
シランの施与: 溶液(例P4を除く)を、Sonotek製のExactaCoat噴霧装置を使用して、基板上に噴霧した。例P5およびP10については、溶剤はシランを含有しておらず、且つ、同様に施与された。全ての調査について、以下のパラメータを設定した:
流量: 1.4ml/分(6ml/分)
ノズル距離: 4cm
ノズル速度: 40mm/秒
重なり: 14.2mm
窒素フロー: 0.8〜1.0 mPa
1回の噴霧サイクル
その後、パネルを10分間保持し、その後、それらを105℃で5分間ベークした。パネルを室温に冷却し、過マンガン酸塩エッチング液へと進めた(試料P3を除く)。
【0099】
試料P2をまず、過マンガン酸塩エッチング液および還元溶液を通じて処理し、その後、噴霧した。第二にMnO
4エッチング段階は含まれなかった。追加的な比較例P21およびP22を硫酸および過酸化水素を含有する溶液中で行った。
【0100】
例P21を、先述の工程順序に従って実施し、その際、酸化剤を含む溶液は、濃硫酸と30質量%の過酸化水素とを3:1の体積比で含有した。処理を温度60℃で10分間行った。比較的高い粗さの値が得られたにもかかわらず、次の金属めっきは、基板表面に対する密着性が非常に悪い金属層をもたらし、従って、この処理方法は、本発明の目的である密着性の金属層を製造するためには不適切であった。より長い処理時間および/またはより高い温度は、樹脂層の完全な除去および次のめっきされた金属層が密着しないことをもたらした。例P22を、先述の工程順序に従って実施し、その際、酸化剤を含む溶液は、20mL/Lの濃硫酸と、20mL/Lの30質量%の過酸化水素とを含有した。処理を温度25℃で5分間行った。処理された表面は、低い粗さを示し、且つ、次にめっきされた金属層の非常に悪い密着性を示し、この溶液は本発明の目的である密着性の金属層を製造するためには不適切であった。
【0101】
【表1-1】
【0102】
【表1-2】
【0103】
【表1-3】
【0104】
【表1-4】
【0105】
図2は、例P20によるGX92基板材料の過マンガン酸塩処理後の表面を示す。測定をZeiss Gemini SEMにおいて、電圧5kV、倍率5000倍で実施した。
【0106】
測定された粗さRaは、Olympus LEXT3000共焦点レーザー顕微鏡によって測定して、109nmであった。
【0107】
図3は、GX92基板材料に予めシランの施与を行わずに過マンガン酸塩処理した後の表面のSEM像を示す。これは、当該技術分野において公知の方法に相応し、水ベースの膨潤剤、次に過マンガン酸塩エッチングを必要とする。過マンガン酸塩濃度は60g/l、NaOH濃度45g/l、処理時間20分、および温度80℃であった。上述の共焦点レーザー顕微鏡によって測定された粗さRaは200nmであった。そのような粗さは、細線回路を製造するためには大きすぎることがある。
【0108】
その後、表2に記載される工程パラメータに従って、試料を金属めっきした。表2は、最終的にGX92基板材料上に、0.8μmの無電解銅および30μmの電解的に堆積された銅を堆積するために適用される工程の順序を含む。
【0109】
【表2-1】
【0110】
【表2-2】
【0111】
めっきされた金属層の基板に対する剥離強度測定を、最終的なアニールの後、試料を幅1cm且つ長さ3cmの片にルーター加工(routing)して実施した。剥離強度の測定を、Chatillon LTCM−6引張機構を使用し、Erichsen Wuppertal 708ひずみゲージを用いて実施した。全ての試料についての密着性の値を、表1の5番目(「剥離」)の欄に示す。
【0112】
電界効果型電子顕微鏡(FE−SEM)を加速電圧5kV、シリコンドリフト検出器(Xmas 80、Oxford)を用いて、LEO 1530を使用して実施した。画像を倍率5000倍で記録した。誘電体表面を、硫酸/過酸化水素(50ml/L濃度のH
2SO
4、53ml/LのH
2O
2、水中、40℃)を使用して、めっきされた銅をエッチングした後に測定した。試料を、測定前にイリジウムでスパッタした。
【0113】
商業的な方法、例えばフリップチップのボールグリッドアレイのためには、典型的には4〜5N/cmより大きい密着値が必要とされる。これは用途の種類に依存する。
【0114】
平均粗さの値Raは、Olympus LEXT3000共焦点形レーザー顕微鏡において測定された。粗さの値は120μm×120μmの表面領域にわたって収集された。全ての試料についての平均粗さの値(Ra)を表1の6番目の欄(平均粗さRa)に記載する。
【0115】
めっきされた金属層と基板との間の充分な密着性は、本発明による試料の処理、つまり、まず基板表面にシランベースの処理をし、次に過マンガン酸塩の処理段階をすることによってのみ得ることができた。表1に示されるとおり、工程の順序の全ての他の組み合わせは、めっきされた金属層の非常に低い密着性をもたらし、それは商業的な用途のためには受け容れられない。
【0116】
最も低い密着値の値は、シランのみで被覆され(過マンガン酸塩処理を行わずに)、次に金属化された試料P3について見出された。基板の金属めっき段階の前に過マンガン酸塩処理を適用した場合に、初期の密着性のわずかな上昇が見られた(試料番号P4)。この上昇は、過マンガン酸塩段階による表面の追加的な粗面化によって引き起こされた。しかしながら、シラン被覆後、過マンガン酸塩によって処理されていない全ての試料は最終的な銅アニール後の表面上でブリスタ−を示した。従って、シラン被覆後の過マンガン酸塩濯ぎが好ましい。
【0117】
最初の2つの主な段階の工程の順序を変更することによって、正しい順序(まずシラン処理、次に過マンガン酸塩洗浄剤)のみが著しい密着性の増加(5.5N/cmまで)をもたらすことが実証された。全ての他の組み合わせ(シランのみ、MnO
4のみ、並びにまずMnO
4、次にシラン処理)は、非常に低い密着性<1.0N/cmをもたらした。
【0118】
処理された試料の粗さの低い値により、該方法は、10μm幅未満である回路の配線(trace)の製造のために適したものとなる。そのような構造については、基板とめっきされた金属層との間の充分な密着性を達成するために、150nmを上回る表面粗さの値が従来必要とされた。しかしながら、150nmよりも大きな平均粗さの値は、10μm未満の幅の回路の配線のためには大きすぎることがある。