特許第6234440号(P6234440)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6234440IETFEVPN上での802.1AQのサポート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234440
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】IETFEVPN上での802.1AQのサポート
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/715 20130101AFI20171113BHJP
   H04L 12/723 20130101ALI20171113BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20171113BHJP
   H04L 12/751 20130101ALI20171113BHJP
   H04L 12/46 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H04L12/715
   H04L12/723
   H04L12/70 D
   H04L12/751
   H04L12/46 V
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-510916(P2015-510916)
(86)(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公表番号】特表2015-519833(P2015-519833A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】IB2013053456
(87)【国際公開番号】WO2013168054
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2016年4月1日
(31)【優先権主張番号】61/645,431
(32)【優先日】2012年5月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/594,076
(32)【優先日】2012年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】アラン、デイビッド イアン
【審査官】 衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−517382(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0130515(US,A1)
【文献】 鹿志村 康生,どうする?どうやる?データセンター間ネットワーク PBB−VPLS/PBB−EVPN,JANOG29 Meeting[オンライン],日本,2012年 1月20日,URL,https://www.janog.gr.jp/meeting/janog29/_downloads/janog29-dcdr-after-kashimura-01.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00〜12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPLS(multiprotocol label swapping)のエッジスイッチ(PE)において、802.1aq制御プレーンをEVPN(Ethernet Virtual Private Network )のBGP(Border Gateway Protocol)制御プレーンとインターワーキングさせるために実装される方法であって、
ローカルPBBN(Provider Backbone Bridged Network)内の所与のB−VID(Backbone-Virtual Local Area Network Identifier)についての指定フォワーダ(DF)の選択によって、どのPEが前記B−VIDについての特定のI−SID(I-Component Source Identifier)及びMAC(Media Access Control)情報をIS−IS(Intermediate System-Intermediate System)データベースからBGPデータベースへと一意に移動させ、及び前記BGPデータベース内のI−SID及びMAC情報を当該PEの前記IS−ISデータベースへと移動させるか、が決定されるように前記インターワーキングが行われ、
前記PEにより、IS−ISのTLV(Type Length Value)を含むIS−IS PDU(protocol data unit)を受信するステップ(401)と、
受信される前記IS−IS PDUのデータがDFの構成の変更を要するかを判定するステップ(405)と、
DFの構成の前記変更を要するという判定に応じて、前記PEが依然として1つ以上のB−VIDについてのDFであるかを判定するステップ(413)と、
前記PEがもはや前記DFではないことに応じて、前記BGPデータベースから前記DF関連のNLRI(network layer reachability information)を、前記IS−ISデータベースから前記DFについてのリモートのNLRI起源の情報を削除するステップ(415)と、
前記PEが少なくとも1つのB−VIDについての前記DFになりつつあることに応じて、前記IS−ISデータベースから前記BGPデータベースへ前記DF関連のNLRIを、前記BGPデータベースから前記IS−ISデータベースへローカルのDF関連のリモートSPBM(shortest path bridging MAC mode)サブテナントを追加するステップ(419)と、
を含む方法。
【請求項2】
DFの構成の前記変更を要しないという判定に応じて、前記PEがいずれかのB−VIDについての前記DFであるかを判定するステップ(407)と、
前記PEがいずれかのB−VIDについての前記DFであるという判定に応じて、前記IS−IS PDUが新たなSPBMサービス識別子又はユニキャストアドレスサブTLV変更情報を含むかを判定するステップ(409)と、
前記IS−IS PDUが新たなSPBMサービス識別子又はユニキャストアドレスサブTLV変更情報を含むという判定に応じて、前記IS−ISデータベースから前記BGPデータベースへ、前記変更情報をNLRIとして追加するステップ(411)と、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項3】
ピアノードから、BGP NLRIを受信するステップ(501)と、
前記BGP NLRIが新たな情報を含むかを判定するステップ(505)と、
前記PEが前記BGP NLRIに関連付けられるI−SIDについての前記DFであるかを判定するステップ(507)と、
前記BGP NLRIから前記IS−ISデータベースへ、リモート情報を追加するステップ(509)と、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項4】
受信される前記IS−IS PDUのデータがDFの構成の変更を要するかを判定することは、
SI(Ethernet Segment Identifier)内のRD(route distinguisher)がRT(route target)について変化したかを判定すること、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記IS−ISデータベースからの前記DFについてのリモートのNLRI起源の情報の削除後に前記IS−ISデータベースを前記PEのピアと同期させるステップ、をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記BGPデータベースからの前記DF関連のNLRIの削除後に前記BGPデータベースを前記PEのピアと同期させるステップ、をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項7】
前記PEが前記B−VIDについての前記DFになりつつあることに応じて、前記IS−ISデータベースを処理してNLRIを生成するステップ、をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項8】
前記I−SIDについての登録の最初のインスタンスに応じて、前記PEにより広告されるべき、SPBMサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLVの更新されたセットを生成するステップ、をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項9】
前記EVPNからフレームを受信するステップと、
前記フレームからMPLS情報を除去するステップと、
前記フレームのB−VIDを、ラベルスタックの最後尾にあるMPLSラベルからの推測による又はI−SIDルックアップによるB−VIDで更新するステップと、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記フレームのOUI(organizationally unique identifier)フィールドを、前記PEのSPソースIDで上書きするステップ、をさらに含み、
前記フレームは、マルチキャスト宛て先アドレスB−MACを有する、
請求項9の方法。
【請求項11】
802.1aq制御プレーンをEVPN(Ethernet Virtual Private Network )のBGP(Border Gateway Protocol)制御プレーンとインターワーキングさせるためのMPLS(multiprotocol label swapping)のエッジスイッチ(PE)(115)であって、
ローカルPBBN(Provider Backbone Bridged Network)内の所与のB−VID(Backbone-Virtual Local Area Network Identifier)についての指定フォワーダ(DF)の選択によって、どのPEが前記B−VIDについての特定のI−SID(I-Component Source Identifier)及びMAC(Media Access Control)情報をIS−IS(Intermediate System-Intermediate System)データベースからBGPデータベースへと一意に移動させ、及び前記BGPデータベース内のI−SID及びMAC情報を当該PEの前記IS−ISデータベースへと移動させるか、が決定されるように前記インターワーキングが行われ、
前記PEは、制御プレーンインターワーキング機能と、IS−ISモジュール(301)と、BGPモジュール(307)と、を実行するように構成されるプロセッサ(615)、を備え、
前記BGPモジュールは、前記BGPデータベースを管理するように構成され、
前記IS−ISモジュールは、IS−ISのTLV(Type Length Value)を含むIS−IS PDU(protocol data unit)を受信し、前記IS−ISデータベースを管理するように構成され、
前記制御プレーンインターワーキング機能(305)は、
受信される前記IS−IS PDUのデータがDFの構成の変更を要するかを判定し、
DFの構成の前記変更を要するという判定に応じて、前記PEが依然として1つ以上のB−VIDについてのDFであるかを判定し、
前記PEがもはや前記DFではないことに応じて、前記BGPデータベースから前記DF関連のNLRI(network layer reachability information)を、前記IS−ISデータベースから前記DFについてのリモートのNLRI起源の情報を削除し、
前記PEが少なくとも1つのB−VIDについての前記DFになりつつあることに応じて、前記IS−ISデータベースから前記BGPデータベースへ前記DF関連のNLRIを、前記BGPデータベースから前記IS−ISデータベースへローカルのDF関連のリモートSPBM(shortest path bridging MAC mode)サブテナントを追加する、
ように構成される、PE。
【請求項12】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、
DFの構成の前記変更を要しないという判定に応じて、前記PEがいずれかのB−VIDについての前記DFであるかを判定し、
前記PEがいずれかのB−VIDについての前記DFであるという判定に応じて、前記IS−IS PDUが新たなSPBMサービス識別子又はユニキャストアドレスサブTLV変更情報を含むかを判定し、
前記IS−IS PDUが新たなSPBMサービス識別子又はユニキャストアドレスサブTLV変更情報を含むという判定に応じて、前記IS−ISデータベースから前記BGPデータベースへ、前記変更情報をNLRIとして追加する、
ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項13】
前記BGPモジュールは、ピアノードからBGP NLRIを受信するようにさらに構成され、
前記制御プレーンインターワーキング機能は、
前記BGP NLRIが新たな情報を含むかを判定し、
前記PEが前記BGP NLRIに関連付けられるI−SIDについての前記DFであるかを判定し、
前記BGP NLRIから前記IS−ISデータベースへ、リモート情報を追加する、
ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項14】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、ESI(Ethernet Segment Identifier)内のRD(route distinguisher)がRT(route target)について変化したかを判定することにより、受信される前記IS−IS PDUのデータがDFの構成の変更を要するかを判定する、ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項15】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、前記IS−ISデータベースからの前記DFについてのリモートのNLRI起源の情報の削除後に前記IS−ISデータベースを前記PEのピアと同期させる、ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項16】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、前記BGPデータベースからの前記DF関連のNLRIの削除後に前記BGPデータベースを前記PEのピアと同期させる、ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項17】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、前記PEが前記B−VIDについての前記DFになりつつあることに応じて、前記IS−ISデータベースを処理してNLRIを生成する、ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項18】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、前記I−SIDについての登録の最初のインスタンスに応じて、前記PEにより広告されるべき、SPBMサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLVの更新されたセットを生成する、ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項19】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、
前記EVPNからフレームを受信し、
前記フレームからMPLS情報を除去し、
前記フレームのB−VIDを、ラベルスタックの最後尾にあるMPLSラベルからの推測による又はI−SIDルックアップによるB−VIDで更新する、
ようにさらに構成される、請求項11のPE。
【請求項20】
前記制御プレーンインターワーキング機能は、前記フレームのOUI(organizationally unique identifier)フィールドを、前記PEのSPソースIDで上書きする、ようにさらに構成され、前記フレームは、マルチキャスト宛て先アドレスB−MACを有する、請求項19のPE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2012年5月10日に提出された米国仮特許出願第61/645,431号からの優先権を主張する。
【0002】
[発明の分野]
本発明の実施形態は、コンピュータネットワーキングの分野に関する。具体的には、実施形態は、IETF EVPNとの802.1aq SPBMのインターワーキングに関する。
【背景技術】
【0003】
IEEE802.1aq標準(これ以降、802.1aqともいう)は、2012年に公開され、スパニングツリープロトコルを含む従来のルーティングソリューションを置き換える、イーサネットのためのルーティングソリューションを定義する。802.1aqは、最短パスブリッジング又はSPBとしても知られている。802.1aqは、ネイティブなイーサネット基盤上での論理的なイーサネットネットワークの生成を可能とする。802.1aqは、ネットワークトポロジー及びネットワーク内のノードの論理的なネットワークメンバシップを広告するために、リンクステートプロトコル(即ち、IS−IS(Intermediate System to Intermediate System))を採用する。リンクステート情報は、SPB領域内の全てのブリッジからの最短パスツリーを計算するために使用される。計算は、独立的かつ分散的なやり方で、各ノードで行われ、SPBの領域全体の転送におけるそのパートを実装するためにそれ自身の転送テーブルが生成される。
【0004】
データは、802.1aqを実装するネットワークのエッジノードにおいてカプセル化される。このカプセル化は、802.1ahフレーム又はタグ付き802.1Q/p802.1adフレーム内であり得る。これらフレームは、それぞれの論理ネットワークの他のメンバにのみ移送される。ユニキャスト及びマルチキャストもまた、802.1aqによりサポートされる。全てのそうしたルーティングは、対称的な最短パスを介して行われる。複数の等コストな最短パスがサポートされる。ネットワークにおける802.1aqの実装は、プロバイダネットワーク、企業ネットワーク及びクラウドネットワークを含む多様なタイプのネットワークの生成及び構成を簡素化する。構成は比較的簡素化され、従来のルーティングソリューションと比較して、エラーの可能性、特に人為的な構成エラーの可能性が減少する。また、802.1aqは、ネットワークメッシュトポロジーの改善された使用によって、帯域幅及び信頼性を増加させる。全てのパスを有効化することで、複数の等コストパスの使用を通じてより高い利用率を得ることができる。改善された収束時間とより大規模なトポロジーとをサポートすることもできる。
【0005】
EVPNは、BGPプロトコルを用いてMPLS上でL2VPNを行うための新たなアプローチである。EVPNは、以前のL2VPN技術に複数の改善をもたらし、主要な1つは、サポートするMPLS PEのセットにわたるイーサネットFDBのミラーリングのためのBGP制御プレーンの使用である。
【発明の概要】
【0006】
MPLS(multiprotocol label swapping)のプロバイダエッジスイッチ(PE)において、802.1aq制御プレーンをEVPN(Ethernet Virtual Private Network )のBGP(Border Gateway Protocol)制御プレーンとインターワーキングさせるための方法が実装される。上記方法は、ローカルPBBN(Provider Backbone Bridged Network)内の所与のB−VID(Backbone-Virtual Local Area Network Identifier)についての指定フォワーダ(DF)を選択し、それにより、上記B−VIDについての特定のI−SID(I-Component Source Identifier)及びMAC(Media Access Control)情報をIS−IS(Intermediate System-Intermediate System)データベースからBGPデータベースへと一意に移動させ、及び上記BGPデータベース内のI−SID及びMAC情報を当該PEの上記IS−ISデータベースへと移動させるか、が決定される。上記方法は、上記PEにおいて、IS−ISのTLV(Type Length Value)を含むIS−IS PDU(protocol data unit)を受信する。受信される上記IS−IS PDUのデータがB−VIDの対象のどのPEがDFかについての構成の変更を要するかの判定がなされる。上記PEが依然として1つ以上のB−VIDについてのDFであるかの判定がなされる。上記PEがもはや上記DFではないことに応じて、上記BGPデータベースから上記DF関連のNLRI(network layer reachability information)が削除され、上記IS−ISデータベースから上記DFについてのリモートのNLRI起源の情報が削除される。上記PEが少なくとも1つのB−VIDについての上記DFになりつつあることに応じて、上記IS−ISデータベースから上記BGPデータベースへ上記DF関連のNLRIが追加され、上記BGPデータベースから上記IS−ISデータベースへローカルのDF関連のリモートSPBM(shortest path bridging MAC mode)サブテナントが追加される。
【0007】
802.1aq制御プレーンをEVPN(Ethernet Virtual Private Network )のBGP(Border Gateway Protocol)制御プレーンとインターワーキングさせるためのMPLS(multiprotocol label swapping)のプロバイダエッジスイッチ(PE)である。PBBNにアタッチするPEのセットは、ローカルPBBN(Provider Backbone Bridged Network)内の所与のB−VID(Backbone-Virtual Local Area Network Identifier)についての指定フォワーダ(DF)を選択し、それにより、どのPEが上記B−VIDについての特定のI−SID(I-Component Source Identifier)及びMAC(Media Access Control)情報をIS−IS(Intermediate System-Intermediate System)データベースからBGPデータベースへと一意に移動させ、及び上記BGPデータベース内のI−SID及びMAC情報を当該PEの上記IS−ISデータベースへと移動させるか、が決定される。上記PEは、制御プレーンインターワーキング機能と、IS−ISモジュールと、BGPモジュールと、を実行するように構成されるプロセッサ、を備える。上記BGPモジュールは、上記BGPデータベースを管理し、ピアのBGPスピーカと通信するように構成され、上記IS−ISモジュールは、IS−ISのTLV(Type Length Value)を含むIS−IS PDU(protocol data unit)を受信し、上記IS−ISデータベースを管理するように構成される。上記制御プレーンインターワーキング機能は、受信される上記IS−IS PDUのデータがDFの構成の変更を要するかを判定するように構成される。また、上記制御プレーンインターワーキング機能は、上記PEが依然として1つ以上のB−VIDについてのDFであるかを判定し、上記PEがもはや上記DFではないことに応じて、上記BGPデータベースから上記DF関連のNLRI(network layer reachability information)を、上記IS−ISデータベースから上記DFについてのリモートのNLRI起源の情報を削除する、ようにも構成される。上記制御プレーンインターワーキング機能は、上記PEが少なくとも1つのB−VIDについての上記DFになりつつあることに応じて、上記IS−ISデータベースから上記BGPデータベースへ上記DF関連のNLRIを、上記BGPデータベースから上記IS−ISデータベースへローカルのDF関連のリモートSPBM(shortest path bridging MAC mode)サブテナントを追加する、ように構成される。
【0008】
MPLS PE上のデータプレーン転送機能は、EVPNからPBBNへと横断するイーサネットフレームへの特定の修正を行う。これは、ローカルの構成にI−SIDトラフィックをマッピングするためのBタグ情報の追加又は上書きと、ローカルPEへ割り当てられた値を反映するためのマルチキャストフレームのMAC宛て先アドレス内のSPソースIDの上書きと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、限定ではなく例示の手法で添付図面の図において示され、図中で類似の参照符号は同様のエレメントを指し示す。なお、本開示における「一」実施形態又は「1つの」実施形態についての異なる言及は、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、それらの言及は、少なくとも1つの実施形態を意味することに留意すべきである。さらに、一実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性が説明される場合、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性を作用させることは、明示されているか否かに係わらず、当業者の知識の範囲内であることを提示しておく。
【0010】
図1】EVPN上での802.1aqサポートを実装する例示的なPBB及びSPBM−PBBN EVPNネットワークの1つの実施形態の図である。
図2】フレームがPBBNからEVPNへ及びEVPNからPBBNへと変換される処理の1つの実施形態の図である。
図3】EVPN上の802.1aqを実装するPEの1つの実施形態の図である。
図4】PEにより受信されるIS−IS TLVをハンドリングするための処理の1つの実施形態のフローチャートである。本処理は、TLVといったIS−IS PDUの受信に応じて開始される。
図5】BGP NLRIプロセシングのための処理の1つの実施形態のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態を実装するために使用され得るネットワークエレメントの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、本発明の実施形態が、それらの具体的な詳細がなくとも実践され得ることが理解されるべきである。他の例では、本説明の理解を曖昧にすることのないように、周知の回路、構造、及び技法については詳細を示していない。しかしながら、そのような具体的な詳細がなくとも本発明が実践され得ることが、当業者によって理解されるであろう。ここに含まれる説明によって、当業者は、過度の実験をすることなく、適切な機能性を実装することができるであろう。
【0012】
フロー図の動作が、図中に示される例示的な構造上の実施形態を参照しながら説明されるであろう。しかしながら、フロー図の動作を、図面を参照して議論したもの以外の本発明の構造上の実施形態によって実行することができること、また、図面を参照して議論した実施形態が、フロー図を参照して議論したものとは異なる動作を実行することができること、が理解されるべきである。
【0013】
図示した技法は、1つ以上の電子デバイス(例えば、エンドステーション、ネットワークエレメント、又は同様のデバイス)に記憶されかつそこで実行されるコード及びデータを使用して実装されることができる。そのような電子デバイスは、非一時的な機械読取可能な若しくはコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリ)といった機械読取可能な若しくはコンピュータ読取可能な媒体を使用して、コード及びデータを記憶し並びに(内部で及び/又はネットワークを通じて他の電子デバイスとの間で)通信する。加えて、そのような電子デバイスは、典型的に、1つ以上の記憶デバイス、ユーザ入出力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、及び/又はディスプレイ)、並びにネットワーク接続等の、1つ以上の他のコンポーネントに連結された1つ以上のプロセッサのセットを含む。そのプロセッサのセットと他のコンポーネントとの連結は、典型的に、1つ以上のバス及びブリッジ(バスコントローラとも呼ばれる)を通じて行われる。記憶デバイスは、1つ以上の非一時的な機械読取可能な又はコンピュータ読取可能な記憶媒体、及び非一時的な機械読取可能な又はコンピュータ読取可能な通信媒体を表現する。よって、所与の電子デバイスの記憶デバイスは、典型的に、その電子デバイスの1つ以上のプロセッサのセット上での実行のためのコード及び/又はデータを記憶する。当然ながら、本発明の一実施形態の1つ以上の部分が、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアの異なる組合せを用いて実装されてもよい。
【0014】
ここで使用されるところでは、ネットワークエレメント(例えば、ルータ、スイッチ、ブリッジなど)とは、ネットワーク上の他の機器(例えば、他のネットワークエレメント、エンドステーションなど)を通信可能に相互に接続する、ハードウェア及びソフトウェアを含む、1つのネットワーキング機器のことである。いくつかのネットワークエレメントは、“マルチサービスのネットワークエレメント”であり、これらは、複数のネットワーキング機能(例えば、ルーティング、ブリッジング、スイッチング、レイヤ2統合、セッションボーダ制御、マルチキャスティング)、及び/又は加入者管理)についてのサポートを提供し、及び/又は、複数のアプリケーションサービス(例えば、データ、音声、及びビデオ)についてのサポートを提供する。加入者エンドステーション(例えば、サーバ、ワークステーション、ラップトップ、パームトップ、携帯電話、スマートフォン、マルチメディアフォン、VOIP(Voice Over Internet Protocol)フォン、携帯型メディアプレーヤ、GPSユニット、ゲームシステム、セットトップボックス(STB)など)は、インターネット上で提供されるコンテンツ/サービス、及び/又は、インターネットにオーバレイされる仮想プライベートネットワーク(VPN)上で提供されるコンテンツ/サービスにアクセスする。それらのコンテンツ及び/又はサービスは、典型的に、サービスプロバイダ又はコンテンツプロバイダに属する1つ以上のエンドステーション(例えば、サーバエンドステーション)により、又はピアツーピアサービスに参加するエンドステーションにより提供され、パブリックウェブページ(例えば、無料コンテンツ、ストアフロント、検索サービスなど)、プライベートウェブページ(例えば、eメールサービスを提供する、ユーザ名/パスワードによりアクセスされるウェブページなど)、VPN上の企業ネットワーク、IPTVなどを含み得る。典型的に、加入者エンドステーションは、(例えば、アクセスネットワークに(有線又は無線で)連結された顧客構内機器を通じて)エッジネットワークエレメントに連結され、それらエッジネットワークエレメントは、(例えば、1つ以上のコアネットワークエレメントを通じて他のエッジネットワークエレメントに連結されて)他のエンドステーション(例えば、サーバエンドステーション)に連結される。
【0015】
以下の略語がここで使用されており、参照のために提供される:
BCB − Backbone Core Bridge、BEB − Backbone Edge Bridge、BGP − Border Gateway Protocol、BU − Broadcast/Unknown、CE − Customer Edge、C−MAC − Customer/Client MAC Address、CP − Control Plane、DF − Designated Forwarder、ECT − Equal Cost Tree、ESI − Ethernet Segment Identifier、EVI − E-VPN Instance、EVN − EVPN Virtual Node、EVPN − Ethernet VPN、I-SID − I Component Service ID、IS−IS − Intermediate Service Intermediate Service、ISIS−SPB − IS-IS as extended for SPB、LAG − Link Aggregation Group、MAC − Media Access Conrol、PE − MPLS Edge Switch、MPLS − Multi-Protocol Label Switching、MP2MP − Multipoint to Multipoint、MVPN − Multicast VPN、NLRI − Network Layer Reachability Information、OUI − Organizationally Unique ID、PBB − Provider Backbone Bridge、PBB−PE − Co-located BEB and PE、PBBN − Provider Backbone Bridged Network、P2MP − Point to Multipoint、P2P − Point to Point、RD − Route Distinguisher、RPFC − Reverse Path Forwarding Check、RT − Route Target、SPB − Shortest Path Bridging、SPBM − Shortest Path Bridging MAC Mode、TLV − Type Length Value、VID − VLAN ID、VLAN − Virtual Local Area Network、VPN − Virtual Private Network。
【0016】
本発明の実施形態は、従来技術の上記欠点を回避するための方法及びシステムを提供する。その欠点は、プロバイダバックボーンブリッジングのイーサネット仮想プライベートネットワーク(PBB EVPN)のアプローチが、プロバイダバックボーンブリッジングネットワーク(PBBN)の可能性又は実装を考慮しておらず、従来技術が複合的にアタッチされるPBBNのための重要な要件であるコアネットワークにまたがる対称合同性を通常の状況下で保証もしていないこと、を含む。このように、PBB EVPNを実装するための必要な手続及び要件は、過去には適切に又は完全には定義されていなかった。
【0017】
本発明の実施形態は、従来技術の上記欠点を克服する。本発明の実施形態は、バックボーンエッジブリッジがネットワークレイヤ到達可能性情報(NLRI)のMAC広告ルートの情報においてバックボーンメディアアクセス制御(B−MAC)アドレス及びサービスインスタンス識別子(I−SID)を符号化すること、を提供する。さらに、このNLRIにおいてオファーされるマルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ラベルは、対向する(subtending)PBBNにおいて共通のバックボーン仮想LAN識別子(B−VID)を共有する全てのBEB/I−SID NLRIについて共通である。これは、B−VIDをローカルに推測し、EVPNから対向するPBBNへの通過の際にトラフィックについてマルチパスの対称合同性を再構築する仕組みを提供する。これは、EVPNに相互接続される様々なSPBM−PBBNの間のマルチパス設計の分離(decoupling)をも可能とする。
【0018】
[IEEE802.1aqの概要]
IEEE802.1aqでは、ネットワーク上のイーサネットフレームの転送を制御するために、リンクステートプロトコルが利用される。1つのリンクステートプロトコルであるIS−IS(Intermediate System to Intermediate System)が、ネットワークのトポロジー及び論理的なネットワークメンバシップの双方を広告するために、802.1aqネットワークにおいて使用される。
【0019】
802.1aqは、2つの動作モードを有する。VLAN(Virtual Local Area Network)ベースのネットワークのための第1のモードを、最短パスブリッジングVLAN ID(SPBV)という。MACベースのネットワークのための第2のモードを、最短パスブリッジングMAC(SPBM)という。SPBVネットワーク及びSPBMネットワークの双方は、データプレーンにおいて同時に等コスト転送ツリーのセット(ECTセット)を1つよりも多くサポートすることができる。ECTセットは、通常、複数の最短パスVLAN識別子(SPVID)に関連付けられ、SPBVのためにSPVIDセットを形成し、及び、SPBMのためにバックボーンVLAN ID(B−VID)と1対1で関連付けられる。
【0020】
802.1aqのMACモードによれば、プロバイダネットワーク内のネットワークエレメントは、同じ宛て先アドレスを宛て先としつつも異なるB−VIDにマッピングされた異なるフレームがネットワークを通じて異なるパス(“マルチパスインスタンス”という)上で転送され得るように、B−VIDによって分離されるデータトラフィックのマルチパス転送を実行するように構成される。サービスに関連付けられる顧客のデータフレームは、802.1aqに従い、別個のサービス識別子(I−SID)及びB−VIDを有するヘッダと共にカプセル化される。この分離は、ネットワークトポロジーから独立してサービスがスケーリングされることを可能とする。よって、B−VIDは、専らマルチパスインスタンスの識別子として使用されることができる。I−SIDは、B−VIDにより識別されるマルチパスインスタンスによって提供されるべき特定のサービスを識別する。802.1aqにおけるマルチパスインスタンスの実際のルーティングは、各ノードのシステムIDに基づくタイブレーキングによって決定される。
【0021】
EVPNは、BGPを用いてVPN及びMAC情報を拡散させ並びにトランスポートプロトコルとしてMPLSを使用する、MPLS上のイーサネットのVPNプロトコルソリューションである。少なくとも1つの実施形態は、BGPからそれぞれの対向SPBM−PBBNのIS−IS制御プレーンへ漏出するステート、トポロジー情報、ノードのニックネーム及びB−MACSの量を(フィルタリングを知得する必要性を介して)最小化することにより、SPBM−PBBN間を運用上で分離しつつ、対向する802.1aqネットワーク(SPBM−PBBNという)を相互接続することを追求する。これら実施形態は、各対向SPBM−PBBNにおいて別個の数のマルチパス化インスタンスを用いてネットワーク設計を分離することをも狙いとする。これら実施形態は、必要とされる構成の量も最小化する。実施形態は、一度B−VIDコンテキストが除去された後、1つよりも多くのB−VIDにおけるB−MACの存在を適切に解決するための仕組み及び手続を提供する。実施形態は、BEB B−MACがMSTP制御ネットワーク(802.11ah)内の及びIS−IS(802.1aq)制御イーサネットネットワーク内の複数のB−VIDに存在することをも可能とする。
【0022】
従来のEVPNの実装はいかなるPEにアタッチされたPBBNも有しておらず、バックボーンにてイーサネットでネットワーク化されたコンポーネントは存在しない。よって、これら従来のシステムにはB−VIDが存在せず、その機能は空(null)である。対称合同的なマルチキャストツリーについての要件は無く、EVPN自体はMPLSネットワークにわたって合同的ではない。従って、過去のネットワークにおいて、構成される負荷の分散の単位は、I−SIDである。EVPNは、“アクティブ−アクティブ”なマルチシャーシアップリンク(マルチシャーシリンクアグリゲーショングループ(MC−LAG)としても知られる)へ多くのエネルギーを注いでいる。
【0023】
従来の指定フォワーダ(DF)のアプローチは、I−SIDを特定のPEに割り振る。これは、当該I−SIDをサポートする全てのB−MACがその特定のPEに向けて通過(transit)することを要する。しかしながら、B−MACは、コアネットワークへ通過するために異なるPEを有する他のI−SIDに関連付けられることができ、即ち、それらI−SIDは異なるDFに関連付けられる。従って、B−MACは同じB−VIDの範囲内で複数のPEに関連付けられているように見える。これは、イーサネットスイッチングハードウェアの実装と整合しないという、重複MAC問題と考えられるものを産み出す。この問題は、BEBを共通して有する全てのI−SIDに共通のDFを共有することを強制し、ネットワーク内の追加、移動及び変更にわたって持続可能ではない要件を強制し、従って、究極的には、データプレーンのケイパビリティと整合しない手法で構成されるためにネットワーク内の障害を結局引き起こすことになる。
【0024】
I−SID/B−MACタプルについてDFを明示的に割り振ること(pinning)は、多量の構成オーバヘッドを引き起こす。同じPEにおいてBEBのためのB−VIDに関連付けられる全てのI−SIDを割り振るためのルールが必要となり、これは多大な運用上の複雑さをもたらす。B−MACがどのように表現されたかを、I−SID割り振り型のDFから分離すること。EVPNは、B−MACのみのために導入され、但し非合同的なユニキャスト/マルチキャストツリーを生成したために、SPBM RPFCは混乱しほとんどのマルチキャストトラフィックについて障害を起こすはずである。I−SID/B−MACタプルを広告するPEを選択するために、EVPNの仮想ノードへの最短パスの計算が導入された。しかしながら、これに伴う問題は、ISIS−SPBにおける最短パスの変更であり、その結果多くの情報の撤回と再広告とが生じる。
【0025】
実施形態では、BGPとSPBM IS−ISとの間のインターワーキングが想定される。EVPN PEは、EVPN側のBGP/MPLSとPBBN側の標準802.1aqとの間の変換をすることができる。実施形態では、PBB−EVPNモデルをSPBM−EVPNと共に動作させることが可能である。そうした実施形態では、共設されるBEB/PEがより大規模なSPBM PBBNのセットに完全に参加することができる。同実施形態は、既存のSタグでタグ付けされたPBNをEVPNインスタンスへとマッピングするためのソリューションを提供する。1つの実施形態では、B−VIDが割り振りの対象となる。個別のI−SIDへの割り振りの提供は多量の構成をもたらし、同じPBBN内の同じB−VIDにおいて複数のPEにB−MACが現れるような形でDFが構成される可能性があり、よって上手く働かないはずであった。上記実施形態は、むしろ、PBBN内の所与のB−VIDのためにPEがDFとして選択されることを提供する。所与のPEが、所与のB−VIDに関連付けられるI−SIDのセットのための通過デバイスとして指定される。PEは、B−VIDの指定を継承し、当該B−VIDのためにそのセグメント内でSPBM−PBBNにより広告される全てのI−SIDについて当該PEをDFとして広告する(なお、所与のI−SID値は、SPBM−PBBNにおいて所与の時点で単一のB−VID内にのみ存在する)。PEは、(“タイプ+2”NLRIにて広告される)全てのI−SID広告のためのB−VIDについて共通のMPLSラベルを使用し得る。よって、これはSPBM及びPBBに固有のBGP NLRI情報エレメントにて広告され、次のものを含むように構造化される:BGPにとって重要なRD(route distinguisher);イーサネットセグメント識別子(ローカルSPBM−PBBNにとっての一意の識別子);I−SIDとTx/Rx属性とを含むイーサネットタグID、Tx/Rx属性は当該I−SIDを対象として登録されたPBBN内の全てのBEBの論理ORである;I−SIDに関連付けられるBEBのB−MACアドレス;及び、当該PEに向けてフレームをカプセル化する際に使用すべきMPLSラベル値。
【0026】
上記実施形態において、PEは、論理的にはPBBN内のBEBに見える。他のEVPNに接続されたセグメントがローカルPBBN内で登録されたI−SIDに対応するI−SIDを広告し、当該PEがI−SIDに関連付けられているB−VIDのためのDFである場合、当該PEは、リモートのI−SIDの対象をISIS−SPBへと広告し、そうでない場合、当該PEは沈黙する。この処理は、グローバルのI−SIDテーブルを、個別のISIS−SPBインスタンスの外部に維持する。
【0027】
この機能性を可能とするために、ある構成が特定される。PEは、BEBとして構成され、ISISシステムIDと共に、マルチキャスト用のノードのニックネーム(SPソースID)を有する。DFの選択は、以下にさらに説明される。DFの選択の構成は、他の実施形態では、分散的な手段で選択が決定され得る限り他の手段によることができ、アルゴリズム的であるか事前設定型であるかによらず、要件は、各PEが独立的に且つ別々に(in isolation)DFを選択しそして他のノードと同じ解を得ることができることである。各PBBNには、セグメントIDが割り当てられる。より大規模なマルチサイトVPNにおけるPBBNのセットには、ルートターゲット(RT)が割り当てられる。
【0028】
ISIS−SPBとBGPとの間の制御プレーンのインターワーキング動作において、NLRIデータエレメントが、PEにより他のBGPスピーカから受信される。PEは、ここで以下に説明するDF選択手続によって、B−VIDのためのDFであるかを既に判定済みである。PEは、PBBNにおけるローカルのI−SID/B−VIDバインディングを、IS−ISから学習する。PEは、BGPから受信されるSPBM−PBB NLRI広告を受け入れる。PEがI−SIDのローカルな知識を有しない場合(ローカルPBBNにおいて登録された対象が無い)、PEは、単純に将来の使用のためにBGP情報を保持する。PEがI−SIDのためのDFである場合(当該PEがDFである対象のB−VIDにI−SIDが関連付けられている)、PEは、EVPNマッピングテーブルにエントリを追加し、B_MAC/I_SIDは使用すべきラベルスタックを指し示し、ラベルスタックは、SPBM−PBB NLRI広告からのMPLSラベルと、SPBM−PBB NLRI広告において広告されたRD(route destination)についてのFEC用ラベルと、を含む。PEは、B−MAC、BGPテーブル内の当該B−MACに関連付けられるI−SIDのリスト、及びベースVID(ISIS−SPBから学習されるI−SIDに関連付けられるB−VID)、を含む“SPBMサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLV(SPBM service identifier and unicast address sub-TLV)”を編成し、これをIS−ISデータベースへ追加する。この処理は、IS−ISデータベースを更新する手段として、既存のIS−ISサブTLVにI−SIDを追加することを包含し得る。
【0029】
SPBMのための制御プレーンのインターワーキング動作において、PBBN内の他のIS−ISスピーカからPEによりサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLVが受信される。PEは、自身がサブTLV内のB−VIDについてのDFであるかをチェックする。PEがB−VIDについてのDFである場合、PEは、当該TLV内で列挙されており以前には見られなかった各I−SIDについてBGP NLRIを編成し、ここでRDは当該PEのIPアドレスを含み、セグメントIDはローカルPBBNについてのセグメントIDであり、タグID=I−SID及びI−SIDのtx/rx属性であり、MACアドレスはサブTLVからのB−MACアドレスである。なお、NLRIスキーマは、進化する標準に基づき、B−VIDごとに複数のI−SIDの登録を広告するものといった代替のNLRI符号化を視野に入れることができ、これは、個別のエレメントの追加及び削除に対して、既存のBGPデータベースのレコードの修正を示唆する。
【0030】
EVPNのPBBNへのインターワーキングのためのデータプレーン動作において、EVPN MPLSネットワークからPEへ到来する全てのMPLSユニキャストパケットは、フレーム内に上書きすべきB−VIDを有する。これは、MPLSラベルから推測され(単一のB−VIDにおいて全てのI−SIDについて一意に広告されている場合)、又はI−SIDから推測され得る。EVPNからPEへ到来する全てのMPLSマルチキャストパケットは、I−SIDから推測されるB−VIDを有し、これは、ラベルが宛て先によって管理されるのではなくソースによって管理されるためであり、従って、B−VIDを推測する役割もラベルには課されない。イーサネットマルチキャスト宛て先アドレス(DA)を伴う全てのパケットは、DA−MACのOUI部分を有し、これはPEについてのローカルSPBMノード(nodal)ニックネーム(SPソースID)で上書きされ、SPBM PBBN内にある場合、ローカルアドレスビットが設定される。PEがPBB−PEである場合、802.1ahのI−SIDマルチキャストツリーについての標準OUIが含められ、ローカルアドレスビットはクリアである。
【0031】
PBBNのEVPNへのインターワーキングのためのデータプレーン動作において、PEへ到来するユニキャストフレームは、B−MAC/I−SIDタプルを有し、パケットに適用すべきMPLSラベルスタックを決定するためのルックアップが行われる。マルチキャストDAを伴うフレームはI−SIDを有し、ルックアップが行われ、EVPNの実装にどういったマルチキャストケイパビリティが統合されるかに依存して、I−SID内の登録された対象を伴って各PEへローカルに複製されるか、又は対象のI−SIDコミュニティに対応するマルチキャストグループへマッピングされる。
【0032】
B−VIDについてDFの変更がある場合、B−VIDについていつDFに障害が起きたのかを他のPEが知る必要がある。この通知は、素早くあるべきだが、障害に応じてのみ行われるべきである。この知らせは、BGPにて広告されるセグメントIDについてのRDと、IS−ISにて広告されるシステムIDとを相関付ける手段を有することによって推測され得る。VIDについてのバックアップDFであるノードが、セグメントID及びB−VIDに関連付けられるRDがIS−ISから消えたことを確認し、自身のピアとのループ回避ハンドシェイキングを行った場合(共通ISISデータベースダイジェスト)、当該ノードは、ステートがPBBNから離脱したことを知得し、当該VIDのためのDFの役割を想定する、ということが安全である。二重性又はループ化を回避するために、他のDFはオフラインであることが保証される。NLRIは対面するBGPのサブTLVより発し、対面するPBBNに向かう。
【0033】
実施形態は、所与のB−VID内のB−MACがPBBN内の1つのPEにおいてのみ現れることを保証するためのソリューションを提供する。これは、転送の曖昧性が無いことを保証する。実施形態は、PEがトラフィックを適切なピアPEへと誘導することができるように機能する。通常のCPのインターワーキング動作の一部としてのB−VID DF別のアルゴリズム的な割振りは、PEの潜在的な構成の量を最小化する。B−VID DF別の割振りは、個別のPBBNにおいて、“かく乱(churn)”及びルーティングの不安定さから、BGP EVPNを無縁にする。実施形態は、既存のPBB−EVPNモデルに整合しており、複雑なインターワーキングを要しない。実施形態は、完全なループ回避と共にインターワーキングを行うことができる。
【0034】
図1は、EVPN上での802.1aqサポートを実装する例示的なPBB及びSPBM−PBBN EVPNネットワークの1つの実施形態の図である。ネットワークは、いかなる数のカスタマエッジ機器(CE)ノード101を含むこともでき、CEノード101は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はカスタマデバイスの類似のセットをSPBM−PBBN103へ接続するデバイスである。CE101は、ネットワークを相互接続するための、任意のタイプのネットワークルータ、スイッチ、ブリッジ又は類似のデバイスであり得る。
【0035】
SPBM−PBBN103は、最短パスブリッジングMACモードを実装するプロバイダバックボーンネットワークを形成する、ルータ又はスイッチといったネットワークデバイスのセットである。このネットワークは、インターネットサービスプロバイダ及び類似のエンティティといったエンティティにより制御され得る。SPBN−PBBNは、IP/MPLS113ネットワーク又は類似のワイドエリアネットワーク上で、いかなる数の他のSPBN−PBBN105、(BEB111を介して)CE109、又は類似のネットワーク若しくはデバイスと接続されてもよい。これらネットワークは、いかなる数のPE115A〜Dを通じてインタフェースすることもできる。これ以降、SPBM−PBBN内でEVPN上で802.1aqをサポートするためのPE115A〜Dの修正についてさらに説明する。図1に例示したネットワークは、明瞭さのために簡略化されている。当業者は、ネットワークがいかなる数のCE101、109、PBBN103、105及びPE115A〜Dを有することもできること、その中で任意の所与のPBBNが任意の数のPE115A〜Dを通じてIP/MPLSネットワーク113と接続し得ること、を理解するであろう。
【0036】
実施形態は、ISIS−SPB情報エレメントをEVPN NLRI情報へ及びその逆のマッピングを行うPE内の制御プレーンインターワーキングを取り入れる。これに関連付けられるのは、SPBM−PBBNに対向する任意の数のEVPNを何らのトポロジー上の又はマルチパス化の依存関係も無く相互接続し得るようにPEの転送動作を構成するための手続である。このモデルは、PBB−PEがシームレスに複数のSPB−PBBNと通信することをも許容する。将来の802.1Qbp標準をサポートするようにモデルを拡張することができ、それにより802.1ah、.1aq及び.1Qbpの間のシームレスなインターワーキングが許容され、並びに対向する802.1adベースのPBNがサポートされる。
【0037】
BGPルートターゲット(BGPインスタンスにおける対象の特定のコミュニティを識別するために使用されるBGP識別子)は、通信することを可能とされるSPB−PBBN及びBEB−PEのセットを識別する。BGPは、対向するPE/PBBNのセットについてのI−SIDアタッチメントポイントの共通のリポジトリとして動作し、言うなればそれは、EVPNを介して相互接続されるPBB−PE及びSPBM−PBBNのセットである。これは、PEのローカルBGPデータベース内に記憶されるB−MACアドレス/I−SID/Tx−Rx属性のタプルの形式をとる。CPのインターワーキング機能は、ローカルに登録された対象に基づいて、ローカルPBB−PE実装又は各PBBN内のローカルISIS−SPBルーティングインスタンスへのBGPデータベース内のI−SID情報の漏出(leaking)をフィルタリングする。ここで使用されるところによれば、漏出とは、どのBGP情報をローカルIS−ISデータベースへと移動するかの選択的なフィルタリングをいう。PBBNがI−SID内にBEBの登録対象を有しない場合、他のPBBN又はPBB−PEからのそのI−SIDに関する情報は、ローカルISIS−SPBルーティングシステムへと漏出されないであろう。
【0038】
各PBBN103、105は、自身に関連付けられる関連イーサネットセグメントID(ESI)を有するように管理される。SPBM−PBBN103、105内の各B−VIDについて、当該B−VIDのための指定フォワーダとして単一のPE115A〜Dが選択される。PE115A〜Dは、1つより多くのB−VIDのためのDFであってもよい。これは、設定を介してもアルゴリズム的手段を介してもよく、アルゴリズム的な方が好適な実施形態である。いくつかの実施形態において、ネットワークは、BGP−EVPNにおけるかく乱(即ち、異なるPEをDFとして利用するためにネットワークを再構成するBGPメッセージング及び類似のアクティビティ、により引き起こされるデータ負荷)を最小化するために、PE115A〜Dの障害又はPBBN103、105若しくはMPLSネットワーク113からの断絶のケースにおいてのみ指定フォワーダにおける変更を要すること、を保証するように構成される。
【0039】
図2は、PBBNとEVPNとの間のインタワーキングの際のフレームの処理の1つの実施形態の図である。SPBMフレームがPEへ到達してEVPNにより到達可能な宛て先へと向かうように判定されると、DA B−MAC及びI−SIDがインターワーキングテーブル内でルックアップされ、フレームへプリペンドすべきMPLSラベルスタックが判定される。この時点で、フレームをパケットとして言及し始める。これは、典型的には、限定ではないものの、VPNラベル及びPSNラベルであろう。そして、パケットは、それに応じて転送される。EVPNから到来するパケットは、ラベルスタックの最後尾(bottom)にあるMPLSラベルからの推測による又はI−SIDルックアップを介するローカルB−VIDを有することになる。MPLS情報がイーサネットフレームの前面から除去され、フレーム内のB−VIDフィールドが更新される。フレームがマルチキャストDA B−MACを有する場合、OUIフィールドはSPソースIDで上書きされ、ローカルビットはフレームが転送される前にローカル値に従って更新される。
【0040】
[EVPNからISIS−SPBへの制御プレーンインターワーキング]
PEは、新たな情報を含むBGP NLRIを受信すると、自身がDFとして選択されている対象のB−VIDにイーサネットタグID内のI−SIDがマッピングされているかをチェックする。I−SIDにおいて対象を広告したSPB−PBBN内のBEBが無ければ、PEはローカルにどのB−VIDとも関連付けられておらず、従って対象外である。I−SIDがSPBM−PBBNに関してローカルの対象であってPEがそのI−SIDのためのDFであれば、SPBMサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLVが、IS−ISへの広告のために構築され/更新され、及びローカルのIS−ISデータベースへ追加される。
【0041】
ISIS−SPBへ広告されるBGPからのNLRI情報は、転送テーブルへローカルでデータ投入する(populate)ためにも使用され、SPBMフレームに課されるラベルスタックを指し示すB−MAC/I−SIDによりインデックス付けされる。最後尾のラベルは、NLRIにおいてオファーされるラベルである。
【0042】
[SPBM−PBBN又はPBB−PEからEVPNへのデータプレーンインターワーキング]
PEは、自身がDFである対象のB−VIDにてSPBM−PBBNからのフレームを受信すると、B−MAC/I−SID情報をルックアップして、EVPNにおける転送のためにフレームへ追加すべきラベルスタックを判定する。PEは、フレームへラベル情報を追加し、結果として生じるMPLSパケットを転送する。
【0043】
[EVPNからSPBM−PBBNへのデータプレーンインターワーキング]
PEは、EVPNからパケットを受信すると、SPBM内で上書きすべきB−VIDを、I−SIDから推測し、又は(MPLSスタックにおける最後尾のラベルを介するなどの)他の手段によって推測し得る。フレームがローカルマルチキャストDAを有する場合、PEは、フレーム内のニックネームを、ローカルニックネーム(SPソースID)で上書きする。
【0044】
[EVPNからPBB−PEへのデータプレーンインターワーキング]
PBB−PEは、実質的に対向するPBBNもB−VIDの概念も有しておらず、そのためフレーム処理を要しない。PBB−PEは、SPBMで符号化されたマルチキャストDAを、それらがあたかも802.1ahで符号化されたマルチキャストDAであるかのように受け入れることを要する。対象の情報は、それがマルチキャストフレームであり、I−SIDが下位24ビット内で符号化されている、ということのみである。
【0045】
図3は、EVPN上の802.1aqを実装するPEの1つの実施形態の図である。PE115は、1つのインタフェースを通じてPBBN103と接続し、第2のインタフェースを通じてIP/MPLSネットワーク115と接続される。PEは、IS−ISモジュール301、制御プレーン(CP)インターワーキング機能305、BGPモジュール307、IS−ISデータベース309及びBGPデータベース311を含む。
【0046】
IS−ISモジュール301は、PBBN103上でのデータパケットの転送を可能とするために、PBBN103上でIS−ISプロトコルデータユニット(PDU)を送受信して、トポロジーの及び類似のネットワーク情報を維持する。BGPモジュール307は、同様に、IP/MPLSネットワークインタフェース上でBGP PDU及び/又はNLRIを送受信して、IP/MPLSネットワーク115のためのトポロジーの及び類似のネットワーク情報を維持する。
【0047】
CPインターワーキング機能は、適切なデータ転送を可能とし及びEVPN上での802.1aqの実装を可能とするために、IS−ISモジュール301とBGPモジュール307との間で情報を交換305する。EVPNへのISIS−SPBのための制御プレーンインターワーキングは、SPBMサービス識別子とISIS−SPB MTケイパビリティTLVの一部としてのユニキャストアドレスサブTLVとをPEが受信した際に利用され、PEは、自身がサブTLV内のB−VIDのためのDFであるかをチェックする。PEが当該DFである場合、新たな又は変化した情報があり、MAC広告ルートNLRIがサブTLV内の各新たなI−SIDについて生成される。RD(Route Distinguisher)は、PEのそれに設定される。ESIは、PBBNのそれに設定される。イーサネットタグIDは、(Tx/Rx属性を含む)I−SIDを含む。I−SID情報の符号化は、以下の表1に従う。
【0048】
【表1】

【0049】
IS−IS TLV及びBGP NLRIの管理が、図4及び図5に関してここで以下にさらに議論される。
【0050】
PEの構成は、PBBの試験運用(commissioning)において生じ得る。PEは、サービスインスタンスについてのルートターゲットと共に構成され、サービスンスタンスはEVPNによって相互接続されるべきPBBN及びPBB−PEのセットとして定義される。また、PEは、SPBM−PBBNについての一意なESI、マルチキャストDAアドレスのアルゴリズムによる構築のために使用されるノードのニックネーム(SPソースID);PBBNにおいて使用されるB−VID及び使用すべきマルチパス化アルゴリズムIDのセット、及び、特定のESIについて使用すべきRD、と共に構成される。これは、典型的には、RFC4364に従ってタイプ1として符号化される。
【0051】
以下は、各PEにより実装される例示的なDF選択処理である。1つの実施形態において、PEは、所与のPBBNのためのB−VIDについてDFの役割を自称する(self-appoint)。本処理は、PEがESIに関連付けられるRDのセットを注記する(note)ように実装される。PBBN内の各B−VIDについて、PEは、関連付けられるECTマスク(RFC6329のセクション12参照)を、RDのセットの割当て番号サブフィールドでXOR演算し、割当て番号サブフィールドによりPEのセットをランク付けする。ローカルPEについての割当て番号サブフィールドがセット内の最小値であれば、PEは、当該B−VIDについてのDFである。なお、PEは、RDが追加され又はRTについてのESIから消滅したときはいつでも、DFの役割を再評価する必要がある。他の実施形態において、あり得るシナリオ又はアルゴリズムの構成されたテーブルを介して実装される、任意のDF選択処理を利用することができる。DF選択処理は、ESIにアタッチしている全てのPEがそれらの間で分割される負荷のいくらかを有することを保証することができ、分散的なDF選択処理は、所与のイーサネットセグメントについて当該DF選択処理を実装するPEのセットにわたって同じ結果を産み出すであろう。
【0052】
図4は、802.1aq制御プレーンをEVPN BGP制御プレーンとインターワーキングさせる処理の1つの実施形態のフローチャートであり、ローカルPBBN内で所与のB−VIDについて指定フォワーダを選択するための技法が、どのPEがB−VIDについての特定のI−SID及びMAC情報をIS−ISからBGPへと一意に移動させ、及び、当該特定のPEに関連付けられるものとして(ローカルI−SIDからB−VIDマッピングへの直接的な推測により)BGP内のどのI−SID及びMAC情報をBGPからIS−ISへ漏出させるか、を決定する。
【0053】
本方法は、PEによって、IS−IS TLVを含むIS−IS PDUが受信された際に開始される(ブロック401)。受信されたIS−IS PDUデータは、通常のIS−ISプロトコル手続において処理される(ブロック403)。受信されたIS−IS PDUデータは、が指定フォワーダ(DF)の現在の構成において変更を要するかのチェックが行われる(ブロック405)(例えば、RTについてのESI内のRDに変更がある)。変更を要する場合、1つ以上のB−VIDについてそのPEが依然としてDFであるかの判定が行われる(ブロック413)。変更を要しない場合、いずれかのB−VIDについてその時点のPEがDFであるかの判定が行われる(ブロック407)。
【0054】
変更の場合であって、その時点のPEがもはや少なくとも1つのB−VIDについてのDFでもないときは、全てのローカルの全のDF関連(DF associated)NLRI(network layer reachability information)がBGPデータベースから削除され、IS−ISデータベースから当該DFについての全てのリモートのNLRI起源の情報(NLRI sourced information)が削除される(ブロック415)。そして、IS−ISプロトコル及びBGPプロトコルは、そのそれぞれのピアとデータベースを同期させる。変更の場合であってその時点のPEがDFではないとき、又は全てのNLRIが削除された後であってPEがDFであるとき、PEが1つ以上のB−VIDについてのDFになったのかのチェックが行われる(ブロック407)。PEがDFになっていなければ、処理は完了する。PEがDFになった場合、IS−ISデータベースからBGPデータベースへ、全てのローカルのDF関連のNLRIが追加される。また、BGPからのリモートSPBMサブテナントを伴う全てのDF関連のNLRIが、IS−ISデータベースへ追加される(ブロック419)。
【0055】
一度DFステータスの確認が完了すると、その時点のPEがいずれかのB−VIDについてのDFであるかのチェックが行われる。いずれのB−VIDについてのDFでもない場合には、処理は終了する。PEが少なくとも1つのB−VIDについてのDFである場合、当該B−VIDに関連付けられる受信されたSPBMサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLVが変化したかのチェックが行われる(ブロック409)。変化していない場合、処理は完了する。上記データが変化した場合、IS−ISデータベースからローカル情報がBGPデータベース内のNLRIへ追加される(ブロック411)。そして、処理は終了する。本処理は、他のIS−IS PDU又はTLVの受信に応じて、再開され得る。
【0056】
図5は、BGP NLRIプロセシングのための処理の1つの実施形態のフローチャートである。1つの実施形態では、BGP NLRIの受信に応じて処理が開始され(ブロック501)、BGP NLRIは通常のBGPプロトコルに従って処理される(ブロック503)。新たな情報がNLRIと共に受信されたかのチェックが行われる(ブロック505)。新たな情報が受信されていなければ、処理は完了する。新たな情報が受信されていれば、その時点のPEが特定のI−SIDについてのDFであるかのチェックが行われる。PEがI−SIDについてのDFでなければ(ブロック507)、リモート情報がIS−ISデータベースへ追加され、処理は完了する(ブロック509)。
【0057】
同様に、動作中のネットワークにおいてPEがB−VIDについての選択されたDFになったというシナリオでは、PEの新たな役割に関連付けられるNLRI情報を構築する目的で、IS−ISデータベースが処理されるであろう。
【0058】
BGPデータベースがI−SIDについてのNLRI情報を有し、かつそれがSPB−PBBNからのI−SIDにおける対象の登録の最初のインスタンスである場合、そのタグを伴うNLRI情報が処理されて、PEによって広告されるべきSPBMサービス識別子及びユニキャストアドレスサブTLVの更新されたセットが構築される。
【0059】
また、ISIS−SPB情報は、その時点のローカルテーブルを、I−SIDでインデックス付けしてEVPNから受信されるフレームの処理のために関連付けられるB−VIDを示すように維持する。I−SIDが1つよりも多くのB−VIDに関連付けられる場合、テーブル内に1つのエントリのみが許容される。
【0060】
[フロー順序]
I−SID別のマルチキャストがPEのレプリケーションを介して実装される場合、安定的なネットワークは、既知のユニキャスト及びBUトラフィックの間のフレーム順序を保全するであろう(例えば、競争条件は存在しないであろう)。MVPNが利用される場合には、これを保証することはできない(個別のマルチキャストツリーが同じパスをユニキャストトラフィックとして転送しないかもしれない)。
【0061】
[トランジット]
タンデム計算に参加する必要の無いPEは、SPBMタンデムパスを排除するためにIS−ISオーバロードビットを使用し、純粋なインターワーキングプラットフォームとして振る舞うことができる。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態を実装するために使用され得るネットワークエレメントの一例を示している。ネットワークエレメント610は、上述したいずれかのPE又は類似のデバイスであってよい。
【0063】
図6に示したように、ネットワークエレメント610は、スイッチングファブリック630、複数のデータカード635、受信(Rx)インタフェース640、送信(Tx)インタフェース650及びI/Oポート655を含むデータプレーンを含む。Rx及びTxインタフェース640及び650は、I/Oポート655を通じて、ネットワーク内のリンクとインタフェースする。ネットワークエレメントがエッジノードである場合、I/Oポート655は、ネットワークの外部との間の通信を提供するための、ユーザに面する複数のポートをも含む。データカード635は、インタフェース640及び650上で受信されるデータについての機能を実行し、スイッチングファブリック660は、データカード及びI/Oカードの間でデータをスイッチングする。
【0064】
ネットワークエレメント610は、制御プレーンをも含み、制御プレーンは、データトラフィックの経路制御、転送及び処理をハンドリングするように構成される制御ロジックを収容する1つ以上のネットワークプロセッサ615を含む。ネットワークプロセッサ615は、スパニングツリールート選択のためのスプリットタイブレーカを実行し、スパニングツリーについての転送ステートを計算し及びインストールし、リンク障害の発生時にSPFツリーを計算し、並びにデータ転送のためにFDB626にデータ投入を行うようにも構成される。制御ロジック内に、他の処理もまた実装されてよい。
【0065】
ネットワークエレメント610は、FDB626及びトポロジーデータベース622を記憶するメモリ620をも含む。トポロジーデータベース622は、ネットワークのリンクステートを含む、ネットワークモデル又は類似のネットワークトポロジーの表現を記憶する。FDB626は、1つ以上の転送テーブル内にネットワークエレメント610の転送ステートを記憶させ、それらはネットワークエレメント610へのインカミングのトラフィックをどこへ転送すべきかを示す。
【0066】
1つの実施形態において、ネットワークエレメント610は、管理システム680へ連結され得る。1つの実施形態において、管理システム680は、メモリ670へ連結される1つ以上のプロセッサ660を含む。プロセッサ660は、システムID及びネットワークエレメント610の動作を構成するためのロジックを含み、当該動作は、システムIDの更新及びそれによるネットワーク内の作業の分散と、スパニングツリーのサブセットへの、ネットワークのノンブロッキング特性を少なくともそれらスパニングツリーについて維持するようなプライオリティの割り当てと、を含む。1つの実施形態において、管理システム680は、各ノードについて転送テーブルを計算し、そして転送テーブルをノードへダウンロードするという、システム管理機能を実行してもよい。システム管理機能は、(破線で示されているように)オプションであり、代替的な実施形態において、分散型のルーティングシステムは、各ノードが自身の転送テーブルを計算するように、上記計算を実行してもよい。
【0067】
本発明の多様な実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの多様な組み合わせを使用して実装されてよい。従って、図示した技法は、1つ以上の電子デバイス(例えば、エンドステーション、ネットワークエレメント)に記憶されかつそこで実行されるコード及びデータを使用して実装されることができる。そのような電子デバイスは、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリ)及び一時的なコンピュータ読取可能な伝送媒体(例えば、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形式の伝搬信号−搬送波、赤外信号、デジタル信号等)、といったコンピュータ読取可能な媒体を使用して、コード及びデータを記憶し並びに(内部で及び/又はネットワークを通じて他の電子デバイスとの間で)通信する。加えて、そのような電子デバイスは、典型的に、1つ以上の記憶デバイス(非一時的な機械読取可能な記憶媒体)、ユーザ入出力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、及び/又はディスプレイ)、並びにネットワーク接続等の、1つ以上の他のコンポーネントに連結された1つ以上のプロセッサのセットを含む。そのプロセッサのセットと他のコンポーネントとの連結は、典型的に、1つ以上のバス及びブリッジ(バスコントローラとも呼ばれる)を通じて行われる。よって、所与の電子デバイスの記憶デバイスは、典型的に、その電子デバイスの1つ以上のプロセッサのセット上での実行のためのコード及び/又はデータを記憶する。
【0068】
図面中のフロー図は本発明のある実施形態により実行される動作の特定の順序を示しているが、そうした順序は例示的であることが理解されるべきである(例えば、代替的な実施形態は、異なる順序で動作を実行し、ある動作を組み合わせ、ある動作を重複させるなどしてもよい)。
【0069】
本発明をいくつかの実施形態に関して説明してきたが、本発明が上述の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の思想および範囲内で修正及び変形と共に実践されることができることを、当業者は認識するであろう。よって、本説明は、限定ではなく例示と捉えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6