(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
II型糖尿病を治療する方法に使用するための医薬組成物であって、{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イル−スルファニル}−酢酸または薬学的に許容されうるその塩、ならびにGLP−1類似体または薬学的に許容されうるその塩を含む組成物。
血糖コントロールを改善する方法に使用するための医薬組成物であって、{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イル−スルファニル}−酢酸または薬学的に許容されうるその塩、ならびにGLP−1類似体または薬学的に許容されうるその塩を含む組成物。
被験体における状態を治療する方法に使用するための医薬組成物であって、{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イル−スルファニル}−酢酸または薬学的に許容されうるその塩、ならびにGLP−1類似体または薬学的に許容されうるその塩を含み、該状態が、糖尿病に関連しており、そして、グルコース不耐性、糖尿病前症、インスリン耐性、高血糖症、耐糖能障害(IGT)、シンドロームXおよび空腹時血糖異常(IFG)からなる群より選択される組成物。
血糖を正常化するかまたは低下させるか;IGTからII型糖尿病までを遅延させるか;インスリン非要求性II型糖尿病のインスリン要求性II型糖尿病への進行を遅延させるか;グルコース耐性を改善するか;空腹時血漿グルコースを減少させるか;食後血漿グルコースを減少させるか;グリコシル化ヘモグロビンHbA1cを減少させるか;インスリン感受性を維持するか;インスリン感受性を改善するか;高インスリン血症を治療するか;あるいはインスリン耐性を治療する方法に使用するための医薬組成物であって、{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イル−スルファニル}−酢酸または薬学的に許容されうるその塩、ならびにGLP−1類似体または薬学的に許容されうるその塩を含む組成物。
II型糖尿病を治療する方法に使用するための医薬組成物であって、{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イル−スルファニル}−酢酸または薬学的に許容されうるその塩、およびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる組成物。
血糖コントロールを改善する方法に使用するための医薬組成物であって、{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イル−スルファニル}−酢酸または薬学的に許容されうるその塩、およびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.定義
用語「GK活性化因子」は、グルコキナーゼ(GK)センサー系を感作する(sensitize)化合物を指す。GKは、ヘキソキナーゼ・ファミリーに属する酵素であり、これは、グルコース代謝の第一段階、すなわちグルコースからグルコース−6リン酸への変換を触媒する。GKは、膵臓および肝臓において、グルコースセンサーとして機能する。1つの態様において、GK活性化因子は、グルコースの存在下で、膵臓によるインスリン分泌を増加させない、肝臓選択的活性化因子である。例示的なGK活性化因子には、FRI−1またはWO05/066145に開示されるものが含まれる。1つの態様において、GK活性化因子はFRI−1である。
【0016】
用語「FRI−1」は、化学名{2−[3−シクロヘキシル−3−(トランス−4−プロポキシ−シクロヘキシル)−ウレイド]−チアゾル−5−イルスルファニル}−酢酸によって示される。本明細書において、FRI−1は、遊離酸に限定されず、FRI−1の薬学的に許容されうる塩も含まれる。1つの態様において、FRI−1は遊離酸である。
【0017】
用語「抗糖尿病薬剤」は、文献に見られる剤を指す。本明細書において、抗糖尿病薬剤には、薬学的に許容されうる塩、プロドラッグ、および抗糖尿病薬剤のプロドラッグの薬学的に許容されうる塩が含まれる。抗糖尿病薬剤は、例えばインスリン、インスリン感作活性化剤、インスリン、スルホンアミド、ビグアニジン誘導体およびα−グルコシダーゼ阻害剤の産生を増進させる活性剤のカテゴリーに属する。インスリンは、例えば、組換え技術によって調製されるヒト・インスリンである。インスリン感作活性剤は、インスリンの効果を増進させ、これには例えば、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)ガンマ−アゴニストが含まれ、チアゾリジンジオン誘導体、例えばピオグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾンまたは他の2,4−チアゾリジンジオン誘導体が含まれる。インスリン産生を増進させる活性剤には、例えば、DPP−IV阻害剤、例えばシタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、デュトグリプチン、ゲミグリプチンまたはアログリプチン;GLP−1類似体、例えばエキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド、またはリキシセナチド;ならびにATP感受性カリウムチャネル調節剤、例えばミチグリニド、レパグリニドまたはナテグリニドが含まれる。スルホンアミドには、例えばスルホニル尿素誘導体、例えばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリピジド、グリクラジド、グリメピリド、グリキドン、グリボルヌリド、グリソキセピド、グリベンクラミド、グリセンチド、グリソラミド、グリブゾール、またはグリクロピラミドが含まれる。ビグアニジン誘導体には、例えば、メトホルミン、ブホルミン、またはフェンホルミンが含まれる。α−グルコシダーゼ阻害剤には、例えばミグリトール、アカルボースまたはボグリボースが含まれる。1つの態様において、抗糖尿病薬剤は、任意の投薬型、例えば経口、吸入または注射可能投薬型に含まれてもよい。別の態様において、抗糖尿病薬剤は、経口投薬型である。
【0018】
用語「メトホルミン」は、化学名N,N−ジメチルイミドジカルボンイミド酸ジアミドによって示される。本明細書において、メトホルミンは遊離塩基に限定されず、メトホルミンの薬学的に許容されうる塩もまた含まれる。1つの態様において、メトホルミンは塩酸メトホルミンである。
【0019】
用語「DPP−IV阻害剤」は、ジペプチジルペプチダーゼIVが、N末端プロリンまたはアラニン残基のいずれかを有する、タンパク質のN末端部分に位置するジペプチドを切断する作用を阻害する化合物を意味する。1つの態様において、DPP−IV阻害剤はシタグリプチンである。
【0020】
用語「シタグリプチン」は、化学名、(3R)−3−アミノ−1−[3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−5H−[1,2,4−]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7−イル]−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−1−オンによって示される。本明細書において、シタグリプチンは遊離塩基に限定されず、シタグリプチンの薬学的に許容されうる塩、およびシタグリプチンの異性体も含まれる。1つの態様において、シタグリプチンはリン酸シタグリプチンである。
【0021】
用語「GLP−1類似体」は、グルカゴン様ペプチド−1(プログルカゴンともまた称される)に対して、約30%〜約90%、または約40%〜約75%の配列類似性を有するグルカゴン様ペプチド−1化合物を意味する。GLP−1は、インスリン分泌促進性効果を有し、膵臓ベータ細胞からのインスリン分泌を刺激する。1つの態様において、GLP−1類似体はエキセナチドである。
【0022】
用語「エキセナチド」は、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2(配列番号1)を有する39アミノ酸ペプチドに相当する。本明細書において、エキセナチドは遊離塩基に限定されず、エキセナチドの薬学的に許容されうる塩も含まれる。1つの態様において、エキセナチドは遊離塩基である。
【0023】
用語「薬学的に許容されうる塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応等を伴わずに、ヒトおよびより低次の動物の組織と接触させて使用するために適しており、そして妥当な利益/リスク比と同等である、塩を指す。薬学的に許容されうる塩には、塩基として機能する主要化合物を、無機酸または有機酸と反応させて、塩、例えば塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ギ酸、臭化水素酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、マンデル酸、およびカルボン酸の塩を形成することによって得られるものが含まれる。薬学的に許容されうる塩にはまた、主要化合物が酸として機能し、そして適切な塩基と反応して、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびコリン塩を形成するものも含まれる。当業者は、既知の多くの方法のいずれかによって、化合物を、適切な無機酸または有機酸と反応させることによって、請求する化合物の酸付加塩を調製可能であることをさらに認識するであろう。あるいは、多様な既知の方法を通じて、本発明の化合物を適切な塩基と反応させることによって、アルカリおよびアルカリ土類金属塩を調製してもよい。
【0024】
以下は、無機酸または有機酸との反応によって得られうる酸塩のさらなる例である;酢酸塩、DIPEA塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳(camphorate)、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩およびウンデカン酸塩。1つの態様において、薬学的に許容されうる塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロギ酸(hydroformate)塩、またはマレイン酸塩であってもよい。
【0025】
用語「組み合わせて」は、別の化合物と組み合わせて化合物を投与することに対して、制限がない、すなわち、方法、型等の制限がない、薬学的組成物を意味する。例えば、いくつかの態様において、FRI−1および抗糖尿病薬剤を、単一の投薬型で、例えば固定用量の組み合わせで、一緒に投与する。他の態様において、FRI−1および抗糖尿病薬剤を別々に、別個の投薬型で投与し、例えば一方は経口調製物であってもよく、そしてもう一方は吸入用量型であってもよく、あるいは同じ投薬型として、あるいは別個の容器、例えばブリスター中であってもよい。別の態様において、FRI−1および抗糖尿病薬剤の両方を、同時に投与するか、あるいは約5分間離して、または約15分間離して、または約30分間離して、または約1時間離して、または約2時間離して、または約4時間離して、または約8時間離して、または約12時間離して、または約24時間離して、連続投与し、ここでFRI−1が抗糖尿病薬剤よりも早く投与されるか、またはその逆である。
【0026】
用語「治療することまたは治療」は、疾患、状態または障害を管理するかまたはコントロールすることを意味する。これには、疾患、障害もしくは状態または少なくとも1つのその症状の軽減、緩和、寛解、遅延、減少、逆転、または改善;疾患、障害、または状態の開始の遅延;あるいは疾患、障害、または状態およびその特徴的な症状の性質に応じた、疾患、障害、もしくは状態、またはその特徴的な症状の再発の遅延が含まれる。
【0027】
用語「被験体」は、オスおよびメスの両方を含む動物を意味する。1つの態様において、被験体は哺乳動物を意味する。別の態様において、被験体はヒトを意味する。
【0028】
用語「療法的効果」は、研究者、獣医、医師、患者または他の臨床家によって追究されている、治療されている疾患の症状の減少または緩和を含む、組織、系、または被験体における生物学的または医学的反応を誘発する活性成分(例えばGK活性化因子または抗糖尿病薬剤)の量を意味する。
【0029】
用語「血糖コントロール」は、診断パラメータまたはHbA1cおよび/またはFPGによって測定されるような糖尿病の管理を意味する。不適切なまたは不十分な血糖コントロールを有する被験体には、ベースラインの約7.5%〜約15%、ベースラインの約8%〜約13%、およびベースラインの約9%〜約12%のHbA1c値を有する被験体が含まれる。1つの態様において、不適切な血糖コントロールを有する被験体には、メトホルミンでの治療にもかかわらず、ベースラインの7.5%〜約10%のHbA1c値を有する被験体が含まれる。
【0030】
本明細書において、用語「からなる」は、絶対の制限ではなく、そしてこれには列挙されない構成要素も含まれる。典型的には、列挙されない構成要素には、元来会合していた不純物、または本発明には関連しない構成要素が含まれる。
【0031】
II.薬学的組成物
1つの態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてGK活性化因子、および少なくとも1つの薬学的に許容されうるキャリアー、希釈剤または賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。1つの態様において、薬学的に許容されうるキャリアーは、2つの別個の投薬型で存在し、一方の投薬型はGK活性化因子を含み、そして他方の投薬型は抗糖尿病薬剤を含む。別の態様において、組み合わせの活性成分は、単一の投薬型に組み合わせられる。さらに別の態様において、投薬型は経口使用のために意図される。別の態様において、薬学的組成物は、GK活性化因子および抗糖尿病薬剤からなる。
【0032】
経口使用のために意図される組成物は、任意の既知の方法にしたがって調製可能であり、そしてこうした組成物は、薬学的に洗練され、そして口当たりがよい調製物を提供するため、甘味剤、フレーバー剤、着色剤、および保存剤からなる群より選択される1またはそれより多い剤を含有してもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容されうる賦形剤と混合された活性成分を含有してもよい。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム;ならびに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってもよい。
【0033】
別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチド、または薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
【0034】
別の態様において、本発明は、メトホルミンまたは薬学的に許容されうるその塩と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を提供する。
【0035】
別の態様において、本発明は、シタグリプチンまたは薬学的に許容されうるその塩と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を提供する。
【0036】
別の態様において、本発明は、エキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を提供する。
【0037】
本発明者らは、驚くべきことに、メトホルミン、シタグリプチンまたはエキセナチドと組み合わされたFRI−1の投与が、こうした修飾を必要とする被験体において、グルコース代謝を修飾する背景において相乗的であることを見出した。別の態様において、本発明者らは、驚くべきことに、シタグリプチンと組み合わされたFRI−1の投与が、グルコース代謝障害を有する被験体において、体重をコントロールする際に相乗的であることを見出した。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、エキセナチドと組み合わされたFRI−1の投与が、グルコース代謝障害を有する被験体において、インスリン感受性を改善する背景において相乗的であることを見出した。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、メトホルミンと組み合わされたFRI−1の投与が、グルコース代謝障害を有する被験体において、体重をコントロールする背景において、ならびにグルコース代謝が改善された被験体において、インスリン感受性を改善する背景においての両方で、相乗的であることを見出した。1つの態様において、本発明は、少用量のFRI−1または抗糖尿病薬剤のいずれかまたは両方を提供し、ここで少用量は、これらが療法的効果のため、FRI−1または抗糖尿病薬剤いずれかの最適な用量未満であるようなものである。別の態様において、本発明のいずれかの活性成分の少用量を同時にまたは連続して任意の順序で投与する。
【0038】
薬学的に許容されうる成分の選択を含めて、一般の当業者に知られる方法によって、薬学的組成物を調製してもよい。
【0039】
1つの態様において、本発明は、別個の固形単位、例えばカプセル、錠剤、丸剤、粉末、顆粒等として投与される経口投薬型である、薬学的組成物を提供する。経口投薬型には、当該技術分野に知られる、任意の薬学的キャリアー、希釈剤(例えばスクロース、マンニトール、ラクトース、デンプン)または賦形剤が含まれてもよく、限定されるわけではないが、懸濁剤、可溶化剤、緩衝剤、結合剤、崩壊剤、保存剤、着色剤、フレーバー剤、潤滑剤を含む剤が使用可能である。いくつかの態様において、本発明は、GK活性化因子および抗糖尿病薬剤のいずれかまたは両方の経口投薬型を提供する。
【0040】
別の態様において、本発明は、液体型として投与される経口投薬型である薬学的組成物を提供する。例示的な液体経口投薬型は、水溶液および非水性溶液、エマルジョン、懸濁剤、シロップ、およびエリキシルである。こうした投薬型はまた、当該技術分野に知られる適切な不活性希釈剤、例えば水および当該技術分野に知られる適切な賦形剤、例えば保存剤、湿潤剤、甘味剤、フレーバー剤、ならびに本発明の化合物の乳化剤および/または懸濁剤も含有しうる。
【0041】
さらに別の態様において、本発明は、等張性無菌溶液の形の、例えば静脈内への、注射可能投薬型である薬学的組成物を提供する。さらに別の態様において、本発明は、GK活性化因子および抗糖尿病薬剤のいずれかまたは両方のための注射可能投薬型を提供する。
【0042】
別の態様において、本発明は、例えば粉末(例えば微粒子化)の形の、あるいは微粒化(atomized)溶液または懸濁物の形の、吸入可能投薬型である薬学的組成物を提供する。さらに別の態様において、本発明は、GK活性化因子および抗糖尿病薬剤のいずれかまたは両方のための吸入可能投薬型を提供する。
【0043】
いくつかの態様において、薬学的組成物は、1またはそれより多いGK活性化因子および1またはそれより多い抗糖尿病薬剤を含む単一投薬型である。他の態様において、2またはそれより多い投薬型を提供し、ここで少なくとも1つの投薬型は1またはそれより多いGK活性化因子を含み、そして少なくとも1つの他の投薬型は1またはそれより多い抗糖尿病薬剤を含む。
【0044】
III.投薬量
本発明の薬学的組成物の投薬型は、症状、望ましい治療、被験体の年齢および体重、治療しようとする障害の性質および重症度、活性成分の投与経路および薬物動態に応じて多様であろう。示す用量の頻度もまた、望ましい治療および示す障害に応じて多様であろう。
【0045】
1つの態様において、GK活性化因子を、療法効果を達成するために十分な量で、抗糖尿病薬剤と組み合わせて投与する。GK活性化因子の投薬範囲は、1日あたり約1mg〜約1000mgの範囲である。他の態様において、GK活性化因子の量は、1日あたり約5mg〜約900mg、または1日あたり約10mg〜約800mg、または1日あたり約50mg〜約700mg、または1日あたり約150mg〜約500mg、または1日あたり約200mg〜約400mgの範囲である。抗糖尿病薬剤の投薬範囲は、1日あたり約0.1μg〜約2000mgの範囲である。他の態様において、抗糖尿病薬剤の量は、1日あたり約0.5μg〜約1000mg、または1日あたり約1μg〜約750mg、または1日あたり約5μg〜約500mg、または1日あたり約20μg〜約250mg、または1日あたり約100μg〜約100mg、または1日あたり約500μg〜約10mg、または1日あたり約1mg〜約5mgの範囲である。
【0046】
さらに他の態様において、FRI−1の投薬量は、1日あたり約0.05mg/体重kg、または1日あたり約0.1mg/体重kg、または1日あたり約0.3mg/体重kg、または1日あたり約1mg/体重kg、または1日あたり約5mg/体重kg、または1日あたり約25mg/体重kg、または1日あたり約100mg/体重kg、または1日あたり約200mg/体重kg、または1日あたり約500mg/体重kgであり;そしてメトホルミン、シタグリプチン、およびエキセナチドからなる群より選択される抗糖尿病薬剤の投薬量は、1日あたり約0.005mg/体重kg、または1日あたり約0.01mg/体重kg、または1日あたり約0.05mg/体重kg、または1日あたり約0.1mg/体重kg、または1日あたり約0.3mg/体重kg、または1日あたり約5mg/体重kg、または1日あたり約25mg/体重kg、または1日あたり約100mg/体重kg、または1日あたり約200mg/体重kg、または1日あたり約500mg/体重kgである。当業者は、投与用量をヒトに同等の用量に変換可能であることを認識するであろう。
【0047】
メトホルミンは、当業者に知られ、そして1日あたり500mg〜1日あたり2550mgの量で、典型的には、500mg、850mgおよび1000mg錠剤の形で、単一療法として投与可能である。より少ない、最適以下の用量では、メトホルミンは、単一療法として投与された際、まったくまたは無視できる程度しか療法的利益を提供しない可能性もある。メトホルミンを、GK活性化因子と組み合わせて、最適以下の用量で投与して、そして療法的利益を提供することも可能である(例えば毎日500mg未満)。メトホルミンをまた、GK活性化因子と組み合わせて、最適用量で投与して、そして相乗的な療法的利益を提供することも可能である。いくつかの態様において、メトホルミンの投与用量は、1日あたり約100mg〜約2600mg、または1日あたり約250mg〜約2500mg、または1日あたり約500mg〜約1500mg、または1日あたり約250mg〜約1000mg、または1日あたり約350mg〜約850mg、または1日あたり約400mg〜約750mgであることも可能である。他の態様において、メトホルミンの投与用量は、1日あたり500mg未満、例えば1日あたり100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mgまたは475mgである。
【0048】
シタグリプチンは、当業者に知られ、そして1日あたり100mgの量で、単一療法として投与可能であり、一方、中程度、重度および末期腎疾患を有する患者では、投与量は、1日あたり25mgまたは50mgでありうる。より少ない、最適以下の用量では、シタグリプチンは、単一療法として投与された際、まったくまたは無視できる程度しか療法的利益を提供しない可能性もある。シタグリプチンを、GK活性化因子と組み合わせて、最適以下の用量で投与して、そして療法的利益を提供することも可能である(例えば腎疾患を伴わない患者に関しては、毎日100mg未満が最適以下の量であり、そして腎疾患を有する患者に関しては、毎日25mg未満が最適以下の量である)。シタグリプチンをまた、GK活性化因子と組み合わせて、最適用量で投与して、そして相乗的な療法的利益を提供することも可能である。いくつかの態様において、シタグリプチンの投与用量は、経口投与される1日あたり約0.1mg〜約500mgの範囲である。他の態様において、シタグリプチンの量は、1日あたり約0.25mg〜約400mg、または1日あたり約0.5mg〜約250mg、または1日あたり約1mg〜約100mg、または1日あたり約5mg〜約50mg、または1日あたり約10mg〜約25mgの範囲である。他の態様において、シタグリプチンの量は、1日あたり100mg未満、例えば1日あたり25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mgまたは95mgである。さらに他の態様において、シタグリプチンの量は、1日あたり約25mg未満、例えば1日あたり約0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mgまたは22.5mgである。
【0049】
エキセナチドは、当業者に知られ、そして1日あたり10μg〜20μg、または週あたり2mgの量で、単一療法として投与可能である。より少ない、最適以下の用量では、エキセナチドは、単一療法として投与された際、まったくまたは無視できる程度しか療法的利益を提供しない可能性もある。エキセナチドを、GK活性化因子と組み合わせて、最適以下の用量で投与して、そして療法的利益を提供することも可能である(例えば毎日500mg未満)。エキセナチドをまた、GK活性化因子と組み合わせて、最適用量で投与して、そして相乗的な療法的利益を提供することも可能である。1つの態様において、エキセナチドの用量は、皮下投与される1日あたり約0.1μg〜約100μgである。他の態様において、エキセナチドの量は、1日あたり約0.25μg〜約75μg、1日あたり約0.5μg〜約50μg、1日あたり約1μg〜約25μg、または1日あたり約5μg〜約10μgの範囲である。他の態様において、エキセナチドの量は、1日あたり10μg未満、例えば1日あたり約0.25μg、0.5μg、1μg、1.5μg、2μg、2.5μg、3μg、3.5μg、4μg、4.5μg、5μg、5.5μg、6μg、6.5μg、7μg、7.5μg、8μg、8.5μg、9μまたは9.5μgである。
【0050】
IV.治療法
1つの態様において、本発明は、治療が必要な被験体に、以下の方法のために、抗糖尿病薬剤と組み合わされてGK活性化因子を含む薬学的組成物を投与する工程を含む、被験体を治療する方法を提供する:
(a)I型糖尿病および/またはII型糖尿病を治療する;
(b)血糖レベルを正常化するかまたは低下させる;
(c)耐糖能を改善する;
(d)血糖コントロールを改善する;
(e)空腹時血漿グルコースを減少させる;
(f)食後血漿グルコースを減少させる;
(g)グリコシル化ヘモグロビンHbA1cを減少させる;
(h)糖尿病合併症、例えば糖尿病性腎障害、網膜症、神経障害または心臓血管疾患の進行を緩慢にするか、こうした疾患を遅延させるかまたは治療する;
(i)体重を減少させるかまたは体重増加を防止するかまたは体重減少を促進する;
(j)膵臓ベータ細胞の変性を治療する;
(k)膵臓ベータ細胞の機能性を改善し、そして/または回復させる;
(l)膵臓インスリン分泌の機能性を刺激し、そして/または回復させる;
(m)グルコースのリン酸化を増進させる;あるいは
(n)インスリン感受性を維持し、そして/または改善する;そして/または高インスリン血症および/またはインスリン耐性を治療する。
【0051】
1つの態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、被験体において、血糖レベルを正常化し、そして耐糖能を改善する方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
【0052】
別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、被験体において、血糖コントロールを改善し;そして/または空腹時血漿グルコースを減少させ、食後血漿グルコースを減少させ、そして/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを減少させる方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。1つの態様において、方法は、HbA1c量を減少させる必要がある被験体において、少なくとも0.1パーセント、または0.2パーセント、または0.3パーセント、または0.4パーセント、または0.5パーセント、または0.6パーセント、または0.7パーセント、または0.8パーセント、または0.9パーセント、または1パーセント、HbA1c量を減少させることも可能である。さらに他の態様において、方法は、HbA1cレベルを減少させる必要がある被験体において、7%未満まで、HbA1cレベルを減少させることも可能である。他の態様において、HbA1cレベルを、5〜6.5%の間のレベルまで減少させることも可能である。
【0053】
別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、被験体において、合併症(例えば糖尿病性腎障害、網膜症、神経障害または心臓血管疾患)の進行を緩慢にするか、こうした疾患を遅延させるかまたは治療する方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
【0054】
さらに別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、被験体において、体重を減少させるかまたは体重増加を防止するかまたは体重減少を促進する方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
【0055】
別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、被験体において、膵臓ベータ細胞の変性を治療し;そして/または膵臓ベータ細胞の機能性を改善し、そして/または回復させ;そして/または膵臓インスリン分泌の機能性を刺激し、そして/または回復させる方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
【0056】
別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、被験体において、インスリン感受性を維持し、そして/または改善し;そして/または高インスリン血症および/またはインスリン耐性を治療する方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。さらに別の態様において、本発明は、抗糖尿病薬剤と組み合わせてFRI−1または薬学的に許容されうるその塩を含む薬学的組成物を被験体に投与することによって、インスリンの1日用量を減少させる方法を提供し、ここで抗糖尿病薬剤は、メトホルミン、シタグリプチンおよびエキセナチドまたは薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
【0057】
さらに別の態様において、本発明は、被験体における状態を治療する方法であって、抗糖尿病薬剤と組み合わせてGK活性化因子を被験体に投与する工程を含み、状態が、代謝障害(メタボリックシンドロームを含む)、グルコース不耐性、糖尿病前症、インスリン耐性、血糖低下、高血糖症、耐糖能障害(IGT)、シンドロームX、空腹時血糖異常(IFG)、II型糖尿病、I型糖尿病、IGTからII型糖尿病への遅延、インスリン非要求性II型糖尿病のインスリン要求性II型糖尿病への進行の遅延、脂質異常症、高脂血症、高リポタンパク血症、高血圧、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、糖尿病から生じるかまたは糖尿病に関連する合併症(腎障害、網膜症、神経障害、創傷治癒障害を含む)、心臓血管疾患(動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症を含む)食物摂取低下、食欲制御、肥満、摂食行動制御、およびエンテロインクレチン分泌増進からなる群より選択される、前記方法を提供する。
【0058】
さらに別の態様において、II型糖尿病の治療には、より少ない用量、すなわち最適用量未満のGK活性化因子または抗糖尿病薬剤いずれか、または両方を、療法効果が得られるまで投与する工程が含まれる。より少ない用量において、GK活性化因子または抗糖尿病薬剤いずれかは、単独で投与された際、無視できる程度しか療法的利益を提供しないであろう。さらに別の態様において、抗糖尿病薬剤と組み合わされたGK活性化因子を、同時にまたは連続して投与して、望ましい療法効果を得る。
【0059】
他の態様において、本発明は、II型糖尿病またはI型糖尿病を有する被験体において、食餌および運動に付属したものとして、本明細書記載の治療法を提供する。
【0060】
本発明は、ここで、以下の限定されない実施例を参照することによって、より詳細に記載されるであろう。
【実施例】
【0061】
薬理学
メトホルミン、シタグリプチンまたはエキセナチドと組み合わせたGK活性化因子の有効性を、II型糖尿病に関する遺伝的機構に相当するin vivoモデル、例えばob/obマウスにおける、異なる機能的終点、例えば体重または食物摂取または耐糖能または血漿空腹時もしくは摂食時グルコースまたは血漿インスリンもしくはインスリン感受性指数に関して調べた。
【0062】
50匹のオスob/obマウス(およそ6週齢)をCharles River、イタリアから得た。標準的な食餌(Harlan Teklad Global 2018食餌)および水道水にいつでも自由にアクセスできるようにして、マウスを個々に、ポリプロピレン・ケージ中で飼育した。すべての動物を24±2℃および55±20%湿度で、逆転相の、16時間点灯/8時間消灯の明暗周期(光はほぼ17:30〜9:30に点灯)で維持した。
【0063】
動物を、動物施設に2週間慣らした。翌週(すなわち第3週)、動物に、毎日の取り扱いプロトコルを開始した(動物に投薬するように取り扱うが、実際には体重測定もまた投薬もしなかった)。1週間の取り扱いプロトコルに続いて、動物に、7日間のベースライン期間(第−6日〜第0日)、毎日1回ビヒクルを経口投薬し、すなわち投薬は、動物が施設に到着した3週間後であった。投薬は、毎日08:45に開始し、したがって、動物のほぼ半数には光が消灯される前に投薬され、そして半数には光が消灯された(9:30)後に投薬された。体重、ならびに食物および水摂取を毎日記録した。ベースライン期の間(第−6日)、動物は、側面尾静脈から血液試料採取(20μL)され、試料は、リチウム・ヘパリン・コーティング試験管(Sarstedt CB300LH)内に採取され、すなわち自由摂食動物より試料を採取した。血液試料採取は、およそ16:00に始まって、時限日程まで行われ、そして各動物から試料採取した後、直ちに食物を取り除いた。翌朝、先の試料から16時間後、さらなる(空腹時)血液試料(20μL)を、側面尾静脈からリチウム・ヘパリン・コーティング収集試験管(Sarstedt CB300LH)内に採取した。試料採取後、直ちに食物を置き換え、そして動物に投薬した。すべての血液試料を収集後直ちに遠心分離器中で回転させ、そして商業的に入手可能なキットおよび試薬:Alpcoマウス超高感度インスリンキット80−INSMSU−E10;Thermo Scientific Infinityグルコース試薬TR15421を用いて、血漿グルコース(2つ組)およびインスリン(単一複製物)を決定する前に、血漿分画を凍結保存した(−80℃)。
【0064】
続いて、ベースライン治療を続けた。ベースライン期終了に向けて、体重、ベースライン食物および水摂取、ならびに空腹時血漿グルコースおよびインスリンに基づいて、動物を6つの治療群に割り当てた。マウスに1日1回14日間、ビヒクルまたは以下の表1に詳述するような試験薬剤を投与した(最初の用量時におよそ10週齢)。
【0065】
表1:
【0066】
【表1】
【0067】
すべての治療を、1日1回強制飼養によって経口投薬した。治療期間中、食物摂取、水摂取および体重を投薬セッション時に毎日記録した。投薬完了時、動物を調べ、そしていかなる顕在行動も記録した。すべての群に関して、毎日ほぼ08:45に投薬を開始した。第6日および第7日、ベースライン期中に先に記載するように、血液試料を収集した。したがって、動物は、第6日の16:00、摂食状態で血液試料採取を受けた。続いて、各動物から食物を取り除いた。翌朝、さらなる血液試料を採取した(空腹状態)。この血液試料は、先の試料の16時間後に採取されるように時間を選んで採取された。食物を戻し、そして動物に投薬した。各場合で、およそ20μLの血液をリチウム・ヘパリン・コーティング試験管(Sarstedt Microvette CB300LH)内に採取した。各試料を直ちに遠心分離し、そして血漿をアリコット試験管内に分配した。すべての血漿試料を−80℃で凍結し、そして続いて、商業的に入手可能なキットおよび試薬:Alpcoマウス超高感度インスリンキット80−INSMSU−E10;Thermo Scientific Infinityグルコース試薬TR15421を用いて、グルコース(n=2)およびインスリン(n=1)含量に関してアッセイした。
【0068】
第13日、先に記載するように、自由摂食状態の動物から血液試料採取し(16:00)、そして試料採取に続いて、食物を取り除いた。第14日、マウスにOGTTを行った。各動物に、ビヒクルまたは試験化合物を投薬し、そして60分後、D−グルコース(2g/kg po)を投薬した。ベースライン血液試料を化合物投薬直前(B1)、およびグルコース負荷直前(B2)に採取した。さらなる血液試料を、グルコース投与の10、20、30、45、60および120分後に採取した。すべての血液試料(すべておよそ20μL)を尾静脈から採取した。血液試料をリチウム・ヘパリン処理試験管(Sarstedt Microvette CB300LH)内に採取し、そして遠心分離によって血漿を分離した。すべての血漿試料を−80℃で凍結し、そして続いて、商業的に入手可能なキットおよび試薬:Alpcoマウス超高感度インスリンキット80−INSMSU−E10;Thermo Scientific Infinityグルコース試薬TR15421を用いて、グルコース(n=2)およびインスリン(n=1)含量に関してアッセイした。OGTTの完了に続いて、動物を処分した。
【0069】
エキセナチドの評価を、メトホルミンの評価と同様に行った。
【0070】
シタグリプチンを伴うまたは伴わないFRI−1の評価を、メス食餌誘導性肥満ラットにおいて行った。68頭の食餌誘導性肥満メス・ウィスター・ラット(250〜300gの体重範囲)をCharles River(ケント州マーゲート)から得て、そして21±4℃の温度および55±20%の湿度で、硬い床およびおがくずの寝わらを含むポリプロピレン・ケージ中、ペアで飼育した。動物を、逆転相の明暗周期(光は9:30〜17:30に、8時間消灯)で維持し、この間、部屋を赤い光で照射した。動物は、粉末高脂肪食餌(VRF1+20%ラード)、挽いたチョコレート、挽いたピーナツおよび水道水にいつでも自由にアクセスできた。3つの異なる食餌は、アルミニウムの蓋が付いた、別個のガラス給餌ジャー(Solmedia Laboratory Suppliers、エセックス州ロンフォード)に含有された。各蓋には穴が空いており、食物へのアクセスが可能であった。肥満を誘導するため、動物を少なくとも14週間、ペアで飼育した。ラットに関する他の実験法は、ob/obマウスに関するものと同様であった。
【0071】
薬剤および投薬
ベースライン期の最初の5日間、動物に1%カルボキシメチルセルロース(Sigma C4888;ロット120M0216V)ビヒクルを投与した。ベースライン期の最後の2日間、動物に、蒸留水中の20% gelucire(Gattefosse;ロット103201)のビヒクルを投与した。FRI−1を、到着に際して、そして使用まで、デシケーター中で冷蔵保存した。メトホルミンをSigmaから購入した(カタログ番号D150959;ロットBCBF1484V)。エキセナチドをAmerican Peptideから購入した(カタログ番号46−3−12B;ロットY10049A1)。リン酸シタグリプチンをTocris Cookson、英国から購入した(ロットTCS9133B)。適切な量のビヒクル(蒸留水中20% gelucire)を、薬剤物質の重量測定した量を含有するバイアルに直接添加した。化合物を10秒間ボルテックスし、そして室温で投薬した。薬剤混合物(すなわち群EおよびF)を単一投薬ボーラスとして投与した。適切な量のビヒクル(蒸留水中20% gelucire)を、FRI−1およびメトホルミン両方の重量測定した量を含有するバイアルに直接添加した。生じた配合物を10秒間ボルテックスし、そして室温で投薬した。薬剤を毎日、投薬直前に配合し、そして2.5mL/kgの用量体積を用いて投与した。D−グルコースを体積2.5mL/kgで投与した。
【0072】
データ分析
第1日の体重を共変数とした共分散分析によって、体重、ならびに全体のおよび毎週の体重増加(g)を決定した。ベースライン期(第−6日〜第0日)中の平均1日食物摂取を共変数とした共分散分析によって、食物および累積食物摂取(g)を決定した。同じ方法を用いて、平均食物摂取を決定した。M概算およびHuber加重法を用い、デフォルトパラメータc=1.345を用いた、ロバスト回帰モデルによって、水摂取(g)を決定した。モデルは、因子として治療を有し、そして共変数として、ベースライン期(第−6日〜第0日)中の平均1日水摂取を有した。同じ方法を用いて、平均水摂取を分析した。ビヒクル群に対する多数の比較は、FRI−1に関してはWilliam検定、メトホルミンに関しては多重t検定、そしてメトホルミンとFRI−1の組み合わせに関してはDunnett検定によった。FRI−1およびメトホルミンの組み合わせを、William検定によってメトホルミン単独に比較し、そして多重t検定によってFRI−1単独に比較した。因子として治療を、ならびに共変数として出血順、ベースライン体重、血漿グルコースおよびインスリンを伴うロバスト回帰によって、血漿グルコースおよびインスリンデータを分析した後、適切な比較(両側)を行って、対照群からの有意な相違を決定した。統計法は、データが通常、群において、等しい分散で分布していることを仮定する。残差の正規性に関する最初のShapiro−Wilk検定は、対数(グルコース)および対数(インスリン)が、グルコースおよびインスリンよりも正規分布していることを示し、したがって、対数変換を用いた。しかし、いくつかのShapiro−Wilk検定は有意であり、したがって、ロバスト回帰を用いて、これらの変数の分析において、いかなるありうる異常値も加重を下げた(downweight)。
【0073】
OGTTのため、治療群を各投与後時点で、そして0〜60分および0〜120分の曲線下面積(AUC)(それぞれAUC
60分およびAUC
120分)によって比較した。これらは以下のように計算された:
AUC
120分=1/24(2t
0分+4t
10分+4t
20分+5t
30分+6t
45分+15t
60分+12t
120分)
AUC
60分=AUC
120分−1/2(t
60分+t
120分)
B2ベースライン上のAUC(AUCB2)をAUC
120分−2t
0時間およびAUC
60分−t
0時間として計算した。上記等式において、tは添え字によって示される特定の時間でのグルコースまたはインスリン濃度を示す。負である可能性もあるため変換しなかったAUCB以外は、対数変換を用いた。OGTTの分析は、M概算、Huber加重を用い、デフォルトパラメータc=1.345を用いたロバスト回帰モデルによった。モデルには、因子として治療およびアッセイ日が含まれ、そして共変数として、出血順、第1日の体重および第−5日(空腹時)のベースライン血漿対数(グルコース)または対数(インスリン)が含まれた。AUCBに関しては、対数(グルコース)または対数(インスリン)の代わりに、共変数として非変換第−5日のグルコースまたはインスリンを用いた。第7日の空腹時血漿グルコースおよびインスリンデータを対数変換し、そして因子として治療を、そして共変数として、出血順、第1日の体重および第−5日(空腹時)のベースライン血漿対数(グルコース)または対数(インスリン)を伴うロバスト回帰によって分析した。第6日および第13日の非空腹時血漿グルコースおよびインスリンデータを対数変換し、そして因子として治療を、そして共変数として、出血順、第1日の体重および第−6日(非空腹時)のベースライン血漿対数(グルコース)または対数(インスリン)を伴うロバスト回帰によって分析した。ビヒクルに対する比較は、FRI−1に関してはWilliam検定、メトホルミンに関しては多重t検定、そして組み合わせに関してはDunnett検定によった。組み合わせ治療を、William検定によってメトホルミンに比較し、そして多重t検定によってFRI−1の同じ用量に比較した。p<0.05が統計的相違として許容されるレベルであった。偽陽性の確率は各時点の各化合物に関して5%である。両側検定として、検定を行った。
【0074】
FRI−1/メトホルミン組み合わせを用いた体重研究の結果
FRI−1およびメトホルミンの長期投与は、
図1に示すように、オスob/obマウスにおいて、体重コントロールに対して相乗効果を示した。FRI−1(75mg/kg po)およびメトホルミン(100mg/kg po)の組み合わせでの1日1回の治療は、ビヒクル治療対照に比較して、研究第9日、第10日、第12日、第13日、および第14日に、有意に体重を減少させた(p>0.05)。研究の投薬期中、他の薬剤治療はいずれも、体重に対して統計的に有意な効果を持たなかった。
【0075】
FRI−1/メトホルミンの組み合わせを用いた血漿インスリン研究の結果
自由摂食ob/obマウスから、血漿インスリンを決定した。FRI−1およびメトホルミンの長期投与は、
図2および3に示すように、インスリン感受性の増加に対して相乗効果を示した。ビヒクル処理動物において、血漿インスリンは、およそ110ng/mLのベースラインレベルから、第13日の180ng/mLまで増加した。高用量FRI−1およびメトホルミンの組み合わせは、血漿インスリンに対して有意な効果を有した。具体的には、この組み合わせ治療は、血漿インスリンを第6日(p>0.05)および第13日(p<0.001)に有意に減少させた。インスリンのこの減少は、ビヒクル処理対照のレベルに対してだけでなく、75mg/kg FRI−1(p<0.01)またはメトホルミン(p<0.001)単独のいずれかで治療された動物の第13日のインスリンレベルに対しても有意に異なった。
【0076】
FRI−1/シタグリプチンの組み合わせを用いた体重研究の結果
FRI−1およびシタグリプチンの長期投与は、
図4に示すように、メス食餌誘導性肥満ラットにおいて、体重コントロールに対して相乗効果を示した。
【0077】
FRI−1/エキセナチドの組み合わせを用いた血漿インスリン研究の結果
ob/obマウスにおけるFRI−1およびエキセナチドの長期投与は、
図5および6に示すように、インスリン感受性の増加に対して、相乗効果を示した。ビヒクルに比較した際、第7日に血漿グルコースを減少させる、エキセナチド、およびエキセナチドにFRI−1(25mg/kg po)を加えた組み合わせの小さいが有意な効果が観察された。エキセナチド、およびエキセナチドに両方の用量のFRI−1(25mg/kg po)を加えた組み合わせには、ビヒクルに比較して、第7日に血漿インスリンを減少させる、有意な効果があった。追加の統計比較によって、どちらの組み合わせの効果も第14日に血漿インスリンを、FRI−1単独のいずれかの用量の効果よりも有意に大きく減少させることが示された。