(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234445
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】英数字を入力するためのユーザ・インタフェース
(51)【国際特許分類】
H03M 11/04 20060101AFI20171113BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20171113BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20171113BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20171113BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20171113BHJP
【FI】
G06F3/023 310L
G06F3/0481 120
G06F3/0484 120
G06F3/0488 160
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-514642(P2015-514642)
(86)(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公表番号】特表2015-518225(P2015-518225A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】IB2013054268
(87)【国際公開番号】WO2013182942
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2016年4月22日
(31)【優先権主張番号】61/654,997
(32)【優先日】2012年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515166749
【氏名又は名称】ホーム コントロール シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ペー,ベン テー
(72)【発明者】
【氏名】ロンブーツ,アンドリース ジャコブ ブノワ
【審査官】
原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−531419(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0105328(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0030807(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0066405(US,A1)
【文献】
国際公開第2008/075996(WO,A1)
【文献】
特開2005−216154(JP,A)
【文献】
特開平05−035681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/023
G06F 3/048
H03M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ・モニタとユーザ・インタフェースとを有する情報処理システムであって、前記ユーザ・インタフェースは、ユーザが当該情報処理システムとインタラクトすることを可能にし、
前記ユーザ・インタフェースは、当該情報処理システムの第1の動作モードにおいて、
前記ディスプレイ・モニタに対して実質的に第1の方向に前記ディスプレイ・モニタのスクリーン上でカーソルを動かすこと
を前記ユーザが制御することを可能にする第1のコントロール・インプットを含み、
前記ユーザ・インタフェースは、当該情報処理システムの前記第1の動作モードにおいて、
前記ディスプレイ・モニタに対して前記第1の方向とは異なる実質的に第2の方向に前記スクリーン上で前記カーソルを動かすこと
を前記ユーザが制御することを可能にする第2のコントロール・インプットを含み、
当該情報処理システムは、前記ユーザが前記ユーザ・インタフェースとのインタラクションを介して英数字の文字列を当該情報処理システムに入力することを可能にする第2の動作モードを有し、
前記第2の動作モードにおいて、当該情報処理システムは、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示する前記ディスプレイ・モニタを制御するよう構成されており、前記空間的構成は、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列と、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列とを含み、
前記ディスプレイ・モニタは、前記第1の配列及び前記第2の配列を、前記第1の方向及び前記第2の方向のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示するよう動作可能であり、
前記第1のコントロール・インプットは、
前記第1の動作モードにおいて、前記カーソルを前記第1の方向の第1の向きに動かす第1のスイッチと、前記カーソルを前記第1の方向の前記第1の向きとは反対の第2の向きに動かす第2のスイッチとを含む第1のセット
を含み、
前記第2のコントロール・インプットは、
前記第1の動作モードにおいて、前記カーソルを前記第2の方向の第3の向きに動かす第3のスイッチと、前記カーソルを前記第2の方向の前記第3の向きとは反対の第4の向きに動かす第4のスイッチとを含む第2のセット
を含み、
当該情報処理システムは、さらに、前記第2の動作モードにおいて、
前記ユーザが、前記第1の英数字文字群のうちの特定の第1の英数字文字と前記第2の英数字文字群のうちの特定の第2の英数字文字との特定の組合せを選択することを可能にし、ここで、前記選択は、前記第1のコントロール・インプットの前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと、前記第2のコントロール・インプットの前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチと、のうちの一方を用いて、前記空間的構成における前記特定の組合せに対応する特定の位置にしるしを配置することにより実現され、
前記ユーザが、前記第1のコントロール・インプットの前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと、前記第2のコントロール・インプットの前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチと、のうちの他方を用いて、前記特定の第1の英数字文字と前記特定の第2の英数字文字とのうち特定の英数字文字を選択することを可能にするよう
構成されており、
前記ユーザ・インタフェースは、第3のコントロール・インプットを含み、前記第3のコントロール・インプットは、当該情報処理システムの前記第1の動作モードにおいて、メニュー・オプションに前記カーソルを配置させた後の前記ユーザによる前記メニュー・オプションの選択を確認するよう構成され、
前記第3のコントロール・インプットは、前記ユーザ・インタフェースにおいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間、及び前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとの間に配置され、
前記空間的構成は、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列を含み、
前記第3の配列は、前記第1の方向及び前記第2の方向のうちの前記同一の特定の方向に実質的に延び、
前記第3の配列は、前記第1の配列と前記第2の配列との間に配置され、
前記第2の動作モードにおいて、当該情報処理システムは、前記ユーザが、前記第3のコントロール・インプットを介して、前記特定の第1の英数字文字と前記特定の第2の英数字文字との間に配置されている、前記第3の英数字文字群のうちの特定の英数字文字を選択することを可能にするよう構成されている、情報処理システム。
【請求項2】
情報処理システムのデータ処理サブ・システムを構成する制御ソフトウェアであって、
前記情報処理システムは、ディスプレイ・モニタとユーザ・インタフェースとを有し、前記ユーザ・インタフェースは、ユーザが前記情報処理システムとインタラクトすることを可能にし、
前記データ処理サブ・システムは、前記ディスプレイ・モニタとインタフェースをとる第1のインタフェースと、前記ユーザ・インタフェースとインタフェースをとる第2のインタフェースとを有し、
前記ユーザ・インタフェースは、前記情報処理システムの第1の動作モードにおいて、
前記ディスプレイ・モニタに対して実質的に第1の方向に前記ディスプレイ・モニタのスクリーン上でカーソルを動かすこと
を前記ユーザが制御することを可能にする第1のコントロール・インプットを含み、
前記ユーザ・インタフェースは、前記情報処理システムの前記第1の動作モードにおいて、
前記ディスプレイ・モニタに対して前記第1の方向とは異なる実質的に第2の方向に前記スクリーン上で前記カーソルを動かすこと
を前記ユーザが制御することを可能にする第2のコントロール・インプットを含み、
前記第1のコントロール・インプットは、
前記第1の動作モードにおいて、前記カーソルを前記第1の方向の第1の向きに動かす第1のスイッチと、前記カーソルを前記第1の方向の前記第1の向きとは反対の第2の向きに動かす第2のスイッチとを含む第1のセット
を含み、
前記第2のコントロール・インプットは、
前記第1の動作モードにおいて、前記カーソルを前記第2の方向の第3の向きに動かす第3のスイッチと、前記カーソルを前記第2の方向の前記第3の向きとは反対の第4の向きに動かす第4のスイッチとを含む第2のセット
を含み、
当該制御ソフトウェアは、前記ユーザが前記ユーザ・インタフェースとのインタラクションを介して英数字の文字列を前記情報処理システムに入力することを可能にする第2の動作モードにおいて動作させるための前記情報処理システムを構成する第1の命令を含み、
前記第1の命令は、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示する前記ディスプレイ・モニタを制御する第2の命令を含み、前記空間的構成は、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列と、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列とを含み、
前記第1の配列及び前記第2の配列は、前記第1の方向及び前記第2の方向のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示され、
前記第1の命令は、前記第2の動作モードにおいて、前記第1の英数字文字群のうちの特定の第1の英数字文字と前記第2の英数字文字群のうちの特定の第2の英数字文字との特定の組合せを選択する第3の命令を含み、前記選択は、前記ユーザが、前記第1のコントロール・インプットの前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと、前記第2のコントロール・インプットの前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチと、のうちの一方とインタラクトしたことに応じて、前記空間的構成における前記特定の組合せに対応する特定の位置にしるしを配置することにより実現され、
前記第1の命令は、前記第2の動作モードにおいて、前記ユーザが、前記第1のコントロール・インプットの前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと、前記第2のコントロール・インプットの前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチと、うちの他方とインタラクトしたことに応じて、前記特定の第1の英数字文字と前記特定の第2の英数字文字とのうち特定の英数字文字を選択する第4の命令を含み、
前記ユーザ・インタフェースは、第3のコントロール・インプットを含み、前記第3のコントロール・インプットは、前記情報処理システムの前記第1の動作モードにおいて、メニュー・オプションに前記カーソルを配置させた後の前記ユーザによる前記メニュー・オプションの選択を確認するよう構成され、
前記第3のコントロール・インプットは、前記ユーザ・インタフェースにおいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間、及び前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとの間に配置され、
前記空間的構成は、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列を含み、
前記第3の配列は、前記第1の方向及び前記第2の方向のうちの前記同一の特定の方向に実質的に延び、
前記第3の配列は、前記第1の配列と前記第2の配列との間に配置され、
前記第1の命令は、前記第2の動作モードにおいて、前記ユーザが前記第3のコントロール・インプットとインタラクトしたことに応じて、前記特定の第1の英数字文字と前記特定の第2の英数字文字との間に配置されている、前記第3の英数字文字群のうちの特定の英数字文字を選択する第5の命令を含む、制御ソフトウェア。
【請求項3】
ディスプレイ・モニタと、前記ディスプレイ・モニタの制御のためのデータ処理サブ・システムとを有する情報処理システムにおいて使用されるインタフェースであって、
当該インタフェースは、ユーザ・インタフェースを前記データ処理サブ・システムと相互接続するよう構成され、
前記ユーザ・インタフェースは、前記情報処理システムの第1の動作モードにおいて、
前記ディスプレイ・モニタに対して実質的に第1の方向に前記ディスプレイ・モニタのスクリーン上でカーソルを動かすこと
をユーザが制御することを可能にする第1のコントロール・インプットを含み、
前記ユーザ・インタフェースは、前記情報処理システムの前記第1の動作モードにおいて、
前記ディスプレイ・モニタに対して前記第1の方向とは異なる実質的に第2の方向に前記スクリーン上で前記カーソルを動かすこと
を前記ユーザが制御することを可能にする第2のコントロール・インプットを含み、
前記第1のコントロール・インプットは、
前記第1の動作モードにおいて、前記カーソルを前記第1の方向の第1の向きに動かす第1のスイッチと、前記カーソルを前記第1の方向の前記第1の向きとは反対の第2の向きに動かす第2のスイッチとを含む第1のセット
を含み、
前記第2のコントロール・インプットは、
前記第1の動作モードにおいて、前記カーソルを前記第2の方向の第3の向きに動かす第3のスイッチと、前記カーソルを前記第2の方向の前記第3の向きとは反対の第4の向きに動かす第4のスイッチとを含む第2のセット
を含み、
当該インタフェースは、前記情報処理システムの第2の動作モードにおいて、前記ユーザが前記ユーザ・インタフェースとのインタラクションを介して英数字の文字列を前記情報処理システムに入力することを可能にするよう構成され、
当該インタフェースは、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示する前記ディスプレイ・モニタを制御するよう構成されており、前記空間的構成は、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列と、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列とを含み、
前記ディスプレイ・モニタは、前記第1の配列及び前記第2の配列を、前記第1の方向及び前記第2の方向のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示するよう動作可能であり、
当該インタフェースは、前記第2の動作モードにおいて、
前記第1の英数字文字群のうちの特定の第1の英数字文字と前記第2の英数字文字群のうちの特定の第2の英数字文字との特定の組合せを選択し、ここで、前記選択は、前記ユーザが、前記第1のコントロール・インプットの前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと、前記第2のコントロール・インプットの前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチと、のうちの一方とインタラクトしたことに応じて、前記空間的構成における前記特定の組合せに対応する特定の位置にしるしを配置することにより実現され
前記ユーザが、前記第1のコントロール・インプットの前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと、前記第2のコントロール・インプットの前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチと、のうちの他方とインタラクトしたことに応じて、前記特定の第1の英数字文字と前記特定の第2の英数字文字とのうち特定の英数字文字を選択するよう
構成されており、
前記ユーザ・インタフェースは、第3のコントロール・インプットを含み、前記第3のコントロール・インプットは、前記情報処理システムの前記第1の動作モードにおいて、メニュー・オプションに前記カーソルを配置させた後の前記ユーザによる前記メニュー・オプションの選択を確認するよう構成され、
前記第3のコントロール・インプットは、前記ユーザ・インタフェースにおいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間、及び前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとの間に配置され、
前記空間的構成は、前記複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列を含み、
前記第3の配列は、前記第1の方向及び前記第2の方向のうちの前記同一の特定の方向に実質的に延び、
前記第3の配列は、前記第1の配列と前記第2の配列との間に配置され、
当該インタフェースは、前記第2の動作モードにおいて、前記ユーザが前記第3のコントロール・インプットとインタラクトしたことに応じて、前記特定の第1の英数字文字と前記特定の第2の英数字文字との間に配置されている、前記第3の英数字文字群のうちの特定の英数字文字を選択するよう構成されている、インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ・モニタと、英数字の文字列を情報処理システムに入力するための、ユーザが情報処理システムの特定の動作モードにおいて情報処理システムとインタラクトすることを可能にするユーザ・インタフェースとを有する情報処理システムに関する。本発明は、さらに、そのような情報処理システムにおいて使用される、ユーザ・インタフェースと情報処理システムのデータ処理サブ・システムを相互接続するよう構成されたインタフェースと、ユーザが英数字の文字列を情報処理システムに入力することを可能にするための、情報処理システムを構成する制御ソフトウェアとに関する。
【背景技術】
【0002】
参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0038556号明細書は、英数字テキストの入力を提供する装置、方法、及びユーザ・インタフェースを開示している。一形態において、ユーザ・インタフェース内で選択可能な文字を提供する方法は、通信デバイスの動作モードを判定するステップと、選択された入力キーに関連付けられた入力を受信するステップとを含む。この方法は、動作モードに基づいて、選択されたキーに関連付けられた文字のグループを判定し、ユーザ・インタフェース内に文字のグループを表示する。ユーザ・インタフェースは、ユーザ・インタフェースの第1の部分内に文字のグループのうちの第1の文字を表示することができ、ユーザ・インタフェースの第2の部分内に第1の文字の近くにある文字のグループを表示することができる。米国特許出願公開第2012/0038556号明細書は、選択可能な文字のグループの周りで実質的に中央に置かれ得るカーソルを提供することを記載している。ユーザ・インタフェース内での英数字テキストの見易さを向上させるために、文字のグループは、セグメント化されて表示され得る。ユーザ・インタフェースは、選択されたキーに基づいて、文字のグループを表示することができ、さらに、文字のグループ内のハイライトされた文字に関連するように配置されたバブル・ヘルプ・カーソル(bubble help cursor)を表示することができる。バブル・ヘルプ・カーソルは、ハイライトされた文字を含み、ユーザは、文字のグループ内の次の文字又は前の文字を表示するバブル・ヘルプ・カーソルを用いて、文字のグループをスクロールさせることができる。
米国特許第5543818号明細書は、少数のキーを有する入力デバイスを用いて、英数字テキスト又は他のテキストをコンピュータ・システムに入力する方法及び装置を記述している。コンピュータ・システムは、プロセッサを含み、プロセッサは、入力デバイス上の少なくとも1つのカーソル移動キーの作動に応答して、1つのグループから別のグループへ表示されたカーソルを動かすため、且つ入力デバイス上の少なくとも2つの選択キーのうちの1つの作動に応答して、グループ内の文字を選択するために、表示された文字のグループを含む文字選択メニューを表示するようプログラムされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米国特許出願公開第2012/0038556号明細書に開示された英数字テキストの入力を提供するユーザ・インタフェースは、12個のキー又はボタンを有し、それらのキーの各特定の1つは、テキスト文字の特定のグループとの固定された関係を有する。12個のキーの各特定の1つは、その特定のキーが関連する文字の特定のグループをリストする特定のラベルを有する。
【0004】
この既知の手法の欠点は、キーの数が選択可能なテキスト文字のセットにより決定されることである。別の欠点は、各ラベルのサイズがキーの大きさにより決定されることである。ラベルのサイズは、ラベルに入れることができる文字の最大数を決定する。というのは、文字は、ユーザが選択するために、読みやすさを保つべきであるからである。さらに別の欠点は、米国特許出願公開第2012/0038556号明細書において取られた手法は、消費家電(CE:consumer electronics)機器を制御するリモート・コントロール・デバイス等のハンドヘルド電子デバイス又はスマートフォンのユーザ・インタフェースに容易に適用することができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、発明者らは、ディスプレイ・モニタ及びユーザ・インタフェースを有する情報処理システムを提案する。ユーザ・インタフェースは、ユーザが情報処理システムとインタラクトすることを可能にするよう構成されている。ユーザ・インタフェースは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、1)ディスプレイ・モニタに対して実質的に第1の方向にディスプレイ・モニタのスクリーン上でカーソルを動かすこと、及び、2)実質的に第1の方向にスクロールさせることのうちの1つをユーザが制御することを可能にする第1のコントロール・インプットを含む。ユーザ・インタフェースは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、3)ディスプレイ・モニタに対して第1の方向とは異なる実質的に第2の方向にスクリーン上でカーソルを動かすこと、及び、4)実質的に第2の方向にスクロールさせることのうちの1つをユーザが制御することを可能にする、第1のコントロール・インプットとは異なる第2のコントロール・インプットを含む。情報処理システムは、ユーザがユーザ・インタフェースとのインタラクションを介して英数字の文字列を情報処理システムに入力することを可能にする第2の動作モードを有する。第2の動作モードにおいて、情報処理システムは、複数の選択可能な英数字文字を提示するディスプレイ・モニタを制御するよう構成されている。英数字文字は、例えば、小文字、大文字、又はそれら両方のアルファベットの文字、句読点、及び自然数0,1,..,8,9を含む。ディスプレイ・モニタは、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示する。空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列と、複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列とを含む。ディスプレイ・モニタは、第1の配列及び第2の配列を第1の方向及び第2の方向のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示するよう動作可能である。第2の動作モードにおいて、情報処理システムはまた、ユーザが、第1の英数字文字群のうちの特定の第1の英数字文字と第2の英数字文字群のうちの特定の第2の英数字文字との特定の組合せを選択することを可能にするよう構成されている。選択は、第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの一方を用いることにより、ユーザが空間的構成における特定の組合せに対応する特定の位置にしるし(例えば、ハイライト、半透明のオーバレイ、又は別のマーク)を配置することにより、実現される。第2の動作モードにおいて、情報処理システムはまた、ユーザが、第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの他方を用いることにより、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字とのうち特定の英数字文字を選択することを可能にするよう構成されている。
【0006】
第2の動作モードで動作する情報処理システムにおいて、ディスプレイ・モニタは、同一方向に(例えば、水平方向又は垂直方向に)平行に実質的に延びる少なくとも第1の配列及び第2の配列を用いる特定の空間的構成で英数字文字群を提示する。第1のコントロール・インプットは、英数字文字の組合せを選択するために、空間的構成に沿ってしるしを配置するために使用され、第2のコントロール・インプットは、選択された組合せ内の英数字文字群のうち特定の英数字文字を選択するために使用される。英数字文字群は、情報処理システムの第2の動作モードにおいて、ディスプレイ・モニタ上に表示されているので、第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの各々は、ソフトウェア制御の下、便利に構成され得、ユーザ・インタフェースの能力が与えられると、それぞれの選択タスクのために最適化され得る。これは、上述した米国特許出願公開第2012/0038556号明細書に記載のユーザ・インタフェースを介して利用可能な制限されたオプションとは対照的である。
【0007】
第1のコントロール・インプットは、次のうちの少なくとも1つを含む:1)カーソルを第1の方向の第1の向きに動かす第1のスイッチ(又は、第1のボタン)と、カーソルを第1の方向の第1の向きとは反対の第2の向きに動かす第2のスイッチ(又は、第2のボタン)とを含む第1のセット、2)時計回りの回転又は反時計回りの回転に応じてそれぞれ第1の向き又は第2の向きにスクロールさせ
るスクロール・ホイール。第2のコントロール・インプットは
、カーソルを第2の方向の第3の向きに動かす第3のスイッチ(又は、第3のボタン)と、カーソルを第2の方向の第3の向きとは反対の第4の向きに動かす第4のスイッチ(又は、第4のボタン)とを含む第2のセッ
トを含む。
【0008】
例えば、第1のコントロール・インプットは、カーソルを左(又は、右)に動かす第1のボタンと、カーソルを右(又は、左)に動かす第2のボタンとにより形成され、第2のコントロール・インプットは、カーソルを上(又は、下)に動かす第3のボタンと、カーソルを下(又は、上)に動かす第4のボタンとにより形成される。第1のボタン、第2のボタン、第3のボタン、及び第4のボタンは、CE機器の制御のための標準的なリモート・コントロール・デバイスにおいて従来から存在する、例えば、方向キー又は矢印キーにより形成される。ユーザ・インタフェースの個別の要素を指すとき、「スイッチ」、「ボタン」、及び「キー」という語は、本テキスト全体を通じて、置き換え可能に使用される。
【0009】
別の例として、第1のコントロール・インプットは、左又は右にスクロールさせ
るスクロール・ホイー
ルにより形成され、第2のコントロール・インプットは、カーソルを上(又は、下)に動かす第3のボタンと、カーソルを下(又は、上)に動かす第4のボタンとにより形成される。方向キー及びスクロール・ホイールを備えた、CE機器の制御のためのリモート・コントロール・デバイスの例については、例えば、コーニンクレッカ・フィリップス・エレクトロニクスから入手可能な「Prestigo SRU8015」という一般的なリモート・コントロール・デバイス及び「Prestigo SRU9600/17」という一般的なリモート・コントロール・デバイスを参照されたい。
【0011】
ユーザ・インタフェースは、第3のコントロール・インプットを含み、第3のコントロール・インプットは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、メニュー・オプションにカーソルを配置させた後のユーザによるメニュー・オプションの選択を確認するよう構成されている。第3のコントロール・インプットは、ユーザ・インタフェースにおいて
、第1のスイッチと第2のスイッチとの間、
及び第3のスイッチと第4のスイッチとの間に配置される。空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列を含む。第3の配列は、第1の方向及び第2の方向のうち、第1の配列及び第2の配列と同一の特定の方向に実質的に延びる。第3の配列は、第1の配列と第2の配列との間に配置される。第2の動作モードにおいて、情報処理システムは、ユーザが、第3のコントロール・インプットを介して、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字との間に配置されている、第3の英数字文字群のうちの特定の英数字文字を選択することを可能にするよう構成されている。
【0012】
そのような第3のコントロール・インプットの例は、上述した、従来からの一般的なリモート・コントロール・デバイスで通常見つかり、方向キーにより囲まれる「OK」ボタンである。「OK」ボタンは、コンピュータ又はCE機器により提案されており、実行されるアクションを確認するため、又は、ユーザがディスプレイ・モニタのスクリーン上に表示されたメニュー・オプションにハイライト又はカーソルを配置させることにより、ユーザにより選択されたメニュー・オプションを確認するために、従来から使用されている。本発明は、「OK」ボタンを便利に使用して、特定の第3の英数字文字を選択する。特定の第3の英数字文字は、グループ内で特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字との間に配置され、第1の英数字文字は、方向ボタンの1つ(例えば、「上」ボタン)により選択することができ、第2の英数字文字は、方向ボタンの反対の1つ(ここでは、「下」ボタン)により選択することができることを覚えておいてください。「OK」ボタンは、「上」ボタンと「下」ボタンとの間に位置するので、「上」ボタン、「OK」ボタン、及び「下」ボタンの位置は、前に選択されたグループ内での第1の英数字文字、第3の英数字文字、及び第2の英数字文字の位置に合致する。
【0013】
したがって、本発明の単純な実施形態を参照すると、本発明は、ディスプレイ・モニタと、テキスト入力のためのユーザ・インタフェースとを有する情報処理システムに関する。ディスプレイ・モニタは、3つの平行な水平方向の行の空間的構成で英数字文字のセットを提示する。ユーザ・インタフェースにおける方向ボタンの「左」ボタン及び「右」ボタンが、英数字文字のグループの選択を制御し、3つの平行な配列の各々の1文字が、同一の列内に配置される。方向ボタンの「上」ボタン及び「下」ボタン、並びにそれらの間に位置する「OK」ボタンを使用して、選択されたグループから、英数字文字群のうち特定の英数字文字を選択する。
【0014】
本発明はまた、例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される制御ソフトウェア又はインタネットを介してダウンロード可能なファイルとして提供される制御ソフトウェアとして、商用に利用され得る。制御ソフトウェアは、データ処理サブ・システムを構成する情報処理システムのデータ処理サブ・システム上にインストールされる。情報処理システムは、ディスプレイ・モニタとユーザ・インタフェースとを有し、ユーザ・インタフェースは、ユーザが情報処理システムとインタラクトすることを可能にする。データ処理サブ・システムは、ディスプレイ・モニタとインタフェースをとる第1のインタフェースと、ユーザ・インタフェースとインタフェースをとる第2のインタフェースとを有する。ユーザ・インタフェースは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、ディスプレイ・モニタに対して実質的に第1の方向にディスプレイ・モニタのスクリーン上でカーソルを動かすこと、及び、実質的に前記第1の方向にスクロールさせることのうちの1つをユーザが制御することを可能にする第1のコントロール・インプットを含む。ユーザ・インタフェースは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、ディスプレイ・モニタに対して第1の方向とは異なる実質的に第2の方向にスクリーン上でカーソルを動かすこと、及び、実質的に第2の方向にスクロールさせることのうちの1つをユーザが制御することを可能にする第2のコントロール・インプットを含む。制御ソフトウェアは、ユーザがユーザ・インタフェースとのインタラクションを介して英数字の文字列を情報処理システムに入力することを可能にする第2の動作モードにおいて動作させるための情報処理システムを構成する第1の命令を含む。第1の命令は、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示するディスプレイ・モニタを制御する第2の命令を含み、空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列と、複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列とを含む。第1の配列及び第2の配列は、第1の方向及び第2の方向のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示される。第1の命令は、第1の英数字文字群のうちの特定の第1の英数字文字と第2の英数字文字群のうちの特定の第2の英数字文字との特定の組合せを選択する第3の命令を含む。選択は、ユーザが第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの一方とインタラクトしたことに応じて、空間的構成における特定の組合せに対応する特定の位置にしるしを配置することにより、実現される。第1の命令は、ユーザが第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの他方とインタラクトしたことに応じて、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字とのうち特定の英数字文字を選択する第4の命令を含む。
【0015】
ユーザ・インタフェース
は、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、メニュー・オプションにカーソルを配置させた後のユーザによるメニュー・オプションの選択を確認する第3のコントロール・インプットを含
む。第3のコントロール・インプットは、ユーザ・インタフェースにおいて
、第1のスイッチと第2のスイッチとの間、
及び第3のスイッチと第4のスイッチとの間に配置される。空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列を含む。第3の配列は、第1の方向及び第2の方向のうちの同一の特定の方向に実質的に延びる。第3の配列は、第1の配列と第2の配列との間に配置される。第1の命令は、ユーザが第3のコントロール・インプットとインタラクトしたことに応じて、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字との間に配置されている、第3の英数字文字群のうちの特定の英数字文字を選択する第5の命令を含む。
【0016】
本発明はまた、情報処理システムのデータ処理サブ・システムとともに、ユーザ・インタフェースを有するインタフェースとして、商用に利用され得る。本発明は、ディスプレイ・モニタと、ディスプレイ・モニタの制御のためのデータ処理サブ・システムとを有する情報処理システムにおいて使用されるインタフェースに関する。インタフェースは、ユーザ・インタフェースとデータ処理サブ・システムを相互接続するよう構成されている。ユーザ・インタフェースは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、ディスプレイ・モニタに対して実質的に第1の方向にディスプレイ・モニタのスクリーン上でカーソルを動かすこと、及び、実質的に第1の方向にスクロールさせることのうちの1つをユーザが制御することを可能にする第1のコントロール・インプットを含む。ユーザ・インタフェースは、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、ディスプレイ・モニタに対して第1の方向とは異なる実質的に第2の方向にスクリーン上でカーソルを動かすこと、及び、実質的に第2の方向にスクロールさせることのうちの1つをユーザが制御することを可能にする第2のコントロール・インプットを含む。インタフェースは、ユーザがユーザ・インタフェースとのインタラクションを介して英数字の文字列を情報処理システムに入力することを可能にするよう構成されている。インタフェースは、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示するディスプレイ・モニタを制御するよう構成されており、空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列と、複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列とを含む。ディスプレイ・モニタは、第1の配列及び第2の配列を、第1の方向及び第2の方向のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示するよう動作可能である。インタフェースは、第1の英数字文字群のうちの特定の第1の英数字文字と第2の英数字文字群のうちの特定の第2の英数字文字との特定の組合せを選択するよう構成されている。選択は、ユーザが第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの一方とインタラクトしたことに応じて、空間的構成における特定の組合せに対応する特定の位置にしるしを配置することにより、実現される。インタフェースは、ユーザが第1のコントロール・インプット及び第2のコントロール・インプットの他方とインタラクトしたことに応じて、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字とのうち特定の英数字文字を選択するよう構成されている。
【0017】
ユーザ・インタフェース
は、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、メニュー・オプションにカーソルを配置させた後のユーザによるメニュー・オプションの選択を確認する第3のコントロール・インプットを含
む。第3のコントロール・インプットは、ユーザ・インタフェースにおいて
、第1のスイッチと第2のスイッチとの間、
及び第3のスイッチと第4のスイッチとの間に配置される。空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列を含む。第3の配列は、第1の方向及び第2の方向のうちの同一の特定の方向に実質的に延びる。第3の配列は、第1の配列と第2の配列との間に配置される。インタフェースは、ユーザが第3のコントロール・インプットとインタラクトしたことに応じて、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字との間に配置されている、第3の英数字文字群のうちの特定の英数字文字を選択するよう構成されている。
【0018】
本発明におけるインタフェースは、例えば、従来からのリモート・コントロール・デバイスからコマンドを受信するIR(赤外線)受信機又はRF(無線周波数)受信機を有するドングル(dongle)、及び、リモート・コントロール・デバイスからコマンドを受信したことに応じて、ドングル内で生成される適切なコマンドをデータ処理サブ・システムに送信するIR送信機又はRF送信機を有するUSBポートとして提供されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明が、例として添付の図面を参照することにより、さらに詳細に説明される。図面全体を通じて、類似する特徴又は対応する特徴は、同一の参照番号により示される。
【
図2】本発明におけるシステムのユーザ・インタフェースの例の図。
【
図3】本発明におけるシステムのユーザ・インタフェースの例の図。
【
図4】テキスト入力のためのユーザ・インタフェースを用いる図。
【
図5】テキスト入力のためのユーザ・インタフェースを用いる図。
【
図6】テキスト入力のためのユーザ・インタフェースを用いる図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、ディスプレイ・モニタ102と、ユーザが情報処理システム100とインタラクトすることを可能にするユーザ・インタフェース104とを有する情報処理システム100のブロック図である。ユーザ・インタフェース104は、データ処理サブ・システム106を介してディスプレイ・モニタ102に接続される。ユーザ・インタフェース104とデータ処理サブ・システム106との接続は、有線であってもよいし、無線(例えば、無線周波数(RF)又は赤外線(IR)を介する)であってもよい。データ処理サブ・システム106は、ユーザとユーザ・インタフェース104とのインタラクションをディスプレイ・モニタ102のための制御コマンドに変換するよう構成されている。ユーザ・インタフェース104は、第1のコントロール・インプット108及び第2のコントロール・インプット110を含む。
【0021】
第1のコントロール・インプット108は、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、ユーザが、ディスプレイ・モニタ102に対して実質的に第1の方向112にディスプレイ・モニタ102のスクリーン上で、例えば、カーソル(図示せず)、ハイライト(図示せず)、又は別のしるし(図示せず)を動かすのを制御することを可能にするよう構成されている。示された例において、第1の方向112は水平方向であり、第1のコントロール・インプット108は、例えば、カーソルを左又は右に動かすよう構成されている。代替として、第1のコントロール・インプット108は、実質的に第1の方向112に(示された例では、左又は右に)、ディスプレイ・モニタ102上にレンダリングされる、例えばテキスト・ドキュメント又は画像をスクロールさせるよう構成される。
【0022】
第2のコントロール・インプット110は、情報処理システムの第1の動作モードにおいて、ユーザが、ディスプレイ・モニタ102に対して第1の方向112とは異なる実質的に第2の方向114にスクリーン上で、例えば、カーソルを動かすのを制御することを可能にするよう構成されている。示された例において、第2の方向114は垂直方向であり、第2のコントロール・インプットは、例えば、カーソルを上又は下に動かすよう構成されている。代替として、第2のコントロール・インプット110は、実質的に第2の方向114に(示された例では、上又は下に)、ディスプレイ・モニタ102上にレンダリングされる、例えばテキスト・ドキュメント又は画像をスクロールさせるよう構成される。第1のコントロール・インプット108及び第2のコントロール・インプット110の例は、例えば、消費家電業界における一般的なリモート・コントロール・デバイスのユーザ・インタフェース及びスマートフォンのユーザ・インタフェースではよく知られている。
【0023】
情報処理システム100はまた、ユーザが、ユーザ・インタフェース104とのインタラクションを介して、英数字の文字列を情報処理システム100に入力することを可能にする第2の動作モードも有する。第2の動作モードにおいて、情報処理システム100は、複数の選択可能な英数字文字を空間的構成で提示するディスプレイ・モニタ102を制御するよう構成されており、空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第1の英数字文字群の第1の配列116と、複数の選択可能な英数字文字のうちの第2の英数字文字群の第2の配列118とを含む。「英数字文字」という表現は、本明細書において、一連の文字又は記号の各々は、音素、語、意味ユニット(semantic unit)、又は音節、例えば、小文字、大文字、又はそれら両方のアルファベット(ギリシャ語、ラテン語、キリル文字、ヘブライ語、ヒンディ語等)の文字、句読点、及び、自然数0,1,..,8,9を表すという一般的な原理に基づいて1以上の言葉を書くために使用される一連の基本的な書き言葉の文字又は記号を指すために使用される。ディスプレイ・モニタ102は、第1の配列116及び第2の配列118を、第1の方向112及び第2の方向114のうち実質的に同一の特定の方向に平行に延びるものとして提示するよう、動作可能である。示された例において、第1の配列116及び第2の配列118は、水平方向112に真っすぐに延びており、第2の配列118は、第1の配列116の下に提示されている。
【0024】
さらに第2のモードにおいて、情報処理システム100は、ユーザが、第1の英数字文字群のうちの特定の1つと第2の英数字文字群のうちの特定の1つとの特定の組合せを選択することを可能にするよう構成されている。ここで、ユーザは、
図1の例における第1のコントロール・インプット108を用いて、空間的構成における特定の組合せに対応する特定の位置にしるし(破線の楕円120として例として図示されている)を配置することにより、特定の組合せを選択する。すなわち、示された例において、第1のコントロール・インプット108は、ユーザが、空間的構成に沿って水平方向に楕円120を動かすことを可能にし、それにより、1回に、1組の特定の第1の英数字文字(
図1では、第1の配列116中の文字「m」)及び特定の第2の英数字文字(
図1では、第2の配列118中の文字「o」)を選択することを可能にする。また、第2の動作モードにおいて、情報処理システム100は、ユーザが、この例において、第2のコントロール・インプット110を用いることにより、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字とのうち特定の1つを選択することを可能にするよう構成されている。
【0025】
したがって、本発明により、第1の配列116及び第2の配列118の空間的構成に沿った位置にしるしを配置することにより、特定の英数字文字のグループ(示された例では、グループは文字「m」及び文字「o」により形成される)を選択するために、第1のコントロール・インプット108及び第2のコントロール・インプット110の1つを使用することが可能となり、グループ内の特定の文字群のうちの1つ(例えば、示された例では、文字「o」)を選択するために、第2のコントロール・インプット110を使用することが可能となる。
【0026】
情報処理システム100の第2の動作モードにおいて、データ処理サブ・システム106は、これまで入力された英数字文字のテキストをフィールド122内に収集するディスプレイ・モニタ102を制御する。
【0027】
情報処理システム100の示された実施形態において、ユーザ・インタフェース104は、第3のコントロール・インプット124を含む。第3のコントロール・インプット124は、情報処理システム100の第1の動作モードにおいて、ディスプレイ・モニタ102上に表示されたメニュー(図示せず)内のメニュー・オプション(図示せず)にカーソルを配置させた後のユーザによるメニュー・オプションの選択を確認するよう構成されている。空間的構成は、複数の選択可能な英数字文字のうちの第3の英数字文字群の第3の配列126を含む。第3の配列126は、第1の方向112及び第2の方向114のうちの同一の特定の方向に実質的に延びる(ここでは、水平方向に延びる)。第3の配列126は、第1の配列116と第2の配列118との間に配置されている。第2の動作モードにおいて、情報処理システム100は、ユーザが、第3のコントロール・インプット124を介して、特定の第1の英数字文字と特定の第2の英数字文字との間に配置されている、第3の英数字文字群のうちの特定の1つを選択することを可能にするよう構成されている。示された例において、特定の第3の英数字文字は、特定の第1の英数字文字「m」と特定の第2の英数字文字「o」との間に位置する文字「n」である。
【0028】
図1は、水平方向の直線に沿って配置された一連の英数字文字を囲む矩形として、第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126をそれぞれ示している。配列116、第2の配列118、及び第3の配列126の矩形以外の形状、及び直線以外の英数字文字の空間的構成も可能である。例えば、第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126は、同心ブロックの円弧又はドーナッツ状として形成され、英数字文字のそれぞれの空間的構成は、曲線に沿う。また、第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126の空間的構成は、水平方向112にメイン・ディメンジョン(main dimension)を有するものとして示されている。すなわち、示された例において、第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126の各々は、水平方向の行を形成し、各英数字文字群は、水平方向に次々に配置されるものとして、ディスプレイ・モニタ102のスクリーン上に提示される。第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126の代替の空間的構成(図示せず)は、それぞれ垂直方向の列により形成される第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126を有してもよく、この構成では、各英数字文字群は、垂直方向に次々に配置されるものとして、ディスプレイ・モニタ102のスクリーン上に提示される。
【0029】
図2及び
図3は、例えば、(消費家電)機器を制御するリモート・コントロール・デバイス、スマートフォン、又は別の電子ハンドヘルド・デバイスの一部を形成し、本発明に従った情報処理システム100を促進するために使用することができるユーザ・インタフェース104の従来例を示している。
【0030】
図2は、中央の「OK」ボタン210を囲む4つの方向キー(「上」ボタン202、「下」ボタン204、「左」ボタン206、及び「右」ボタン208)を用いて実装されたユーザ・インタフェース104の第1の例200の図である。4つの方向ボタンを使用して、通常、機器の制御のためのコントロール・オプションのメニューとインタラクトするために、ディスプレイ・モニタのスクリーンにわたって、カーソル又はハイライトを操作する。「OK」ボタン210を使用して、通常、ユーザがディスプレイ・モニタ上に表示されたメニュー内の特定のメニュー・オプション上にカーソル又はハイライトを配置させた後、カーソル又はハイライトにより示される特定のメニュー・オプションの選択を確認する。
【0031】
ユーザ・インタフェース104の例200は、ユーザに、第2の動作モード(テキスト入力)において、便利で且つ直感的に明快な形で情報処理システム100とインタラクトさせる。第2の動作モードにおいて、第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126の空間的構成に沿って水平方向にしるし(例えば、楕円120)を動かすための第1のコントロール・インプット108は、「左」ボタン206及び「右」ボタン208により実装される。第2の動作モードにおいて、第2のコントロール・インプット110は、楕円120の現在位置に関連付けられた英数字文字のグループから、第1の配列116内の特定の第1の英数字文字又は第2の配列118内の特定の第2の英数字文字を選択するために使用される。第2のコントロール・インプット110は、「上」ボタン202及び「下」ボタン204により、便利に実装される。「OK」ボタン124は、「上」ボタン202と「下」ボタン204との間に位置する。したがって、「OK」ボタン124は、楕円120の現在位置に関連付けられた英数字文字のグループから、第3の配列126内の特定の第3の英数字文字を選択するために、便利に使用される。
【0032】
図3は、クリッカブル・スクロール・ホイール(clickable scroll wheel)302及びクリッカブル・スクロール・ホイール302の中央の「OK」ボタン210により実装されたユーザ・インタフェース104の第2の例300の図である。スクロール・ホイールは、ユーザ・インタフェースの分野ではよく知られており、ユーザが時計回り304又は反時計回り306にスクロール・ホイールを回転させることにより、ユーザ入力を可能にする。したがって、スクロール・ホイールは、回転のユニットによるユーザ入力の漸増的変化を可能にする。情報処理システム100の第2の動作モード(テキスト入力)において使用されるとき、第1の配列116内の特定の第1の英数字文字と第2の配列118内の特定の第2の英数字文字と第3の配列126内の特定の第3の英数字文字とから構成されるグループを選択するために、第1の配列116、第2の配列118、及び第3の配列126の空間的構成のメイン・ディメンジョンに沿ってしるし(ここでは、楕円120)の位置を制御するのに、漸増的変化は非常に適切である。
【0033】
クリッカブル・スクロール・ホイールは、1以上の関連位置においてスクロール・ホイールをクリックすることによりユーザが操作することができる1以上のスイッチとともに提供されるスクロール・ホイールである。
図3の例では、4つの方向アイコン(「上」アイコン308、「下」アイコン310、「左」アイコン312、及び「右」アイコン314)が、
図2の第1の例200における方向キーと同様のレイアウトで、クリッカブル・スクロール・ホイール302の周りに配置されている。情報処理システム100が第1の動作モードにあるとき、「上」アイコン308、「下」アイコン310、「左」アイコン312、及び「右」アイコン314それぞれの近くの位置でクリッカブル・スクロール・ホイール302をクリックすることは、
図2の第1の例200における「上」ボタン202、「下」ボタン204、「左」ボタン206、及び「右」ボタン208それぞれのボタンを押すときの効果と同様の効果を有するスイッチ(図示せず)をアクティブ化する。
【0034】
情報処理システム100の第2の動作モード(テキスト入力)において、「上」アイコン308の位置の近くでクリッカブル・スクロール・ホイール302をクリックすることは、フィールド122への次の入力として、グループから、第1の配列116内の特定の第1の英数字文字を選択させ、「下」アイコン310の位置の近くでクリッカブル・スクロール・ホイール302をクリックすることは、フィールド122への次の入力として、グループから、第2の配列118内の特定の第2の英数字文字を選択させる。「OK」ボタンは、「上」アイコン308と「下」アイコン310との間に位置するので、「OK」ボタン124は、楕円120の現在位置に関連付けられたグループから、第3の配列126内の特定の第3の英数字文字を選択するために、便利に使用される。
【0035】
ユーザ・インタフェース104は、情報処理システム100の第2の動作モード(テキスト入力)において、テキスト入力を容易にする、あるいはテキスト入力を強化するよう構成される追加の要素(例えば、ボタン、キー、又は他のウィジェット)を有することができる。例えば、消費家電機器の制御のためのリモート・コントロール・デバイスのユーザ・インタフェースについて考えてみる。通常、そのようなユーザ・インタフェースは、電子番組表(EPG)又はテレビジョン・セットの別のコントロール・メニューとインタラクトするための周知の機能を有する追加のボタン(図示せず)を含む。そのような例として、ディスプレイ・モニタ102上にコントロール・メニューを表示させる「メニュー」ボタン、ディスプレイ・モニタ102上にEPGを表示させる「ガイド」ボタン、ディスプレイ・モニタ102に階層的コントロール・メニュー若しくは呼び出されたコントロール・メニュー、又は階層的EPG若しくは呼び出されたEPGにおける以前のレベルを表示させる「戻る」ボタン等がある。第2の動作モード(テキスト入力)で動作している本発明の情報処理システム100とインタラクトするとき、データ処理サブ・システム106は、そのような追加のボタンが、例えば、大文字と小文字とを切り替えるように;最も直近に入力された英数字文字を削除するために、入力を取り消すように;URLを入力するのを促進するために、ドット(「.」)又は前方スラッシュ(「/」)を入力するように、構成され得る。
【0036】
図1に戻ると、これまでに入力されたテキストは次のようである:「Hello inventors Peh Beng Tee and Andries Rombouts, the UI works really well in the demo, and we h」。UI104とインタラクトしている人は、次のような明るいメッセージを作成したいと思っている:「Hello inventors Peh Beng Tee and Andries Rombouts, the UI works really well in the demo, and we hope that the patent is going to be granted soon. Cheers, Jerry.」。
【0037】
図4を参照すると、UI104とインタラクトしている人(Jerry)は、明るいメッセージを作成するのを進めるために、次に、テキスト文字「o」を入力する必要がある。そこで、Jerryは、「上」ボタン202、「下」ボタン204、「左」ボタン206、及び「右」ボタン208と、中央の「OK」ボタン210とを含むユーザ・インタフェース104の第1の例200を使用していると仮定する。楕円120は、すでに、文字「m」、文字「n」、及び文字「o」のグループ上に配置されているので、Jerryは、テキスト文字「o」を選択するために、「下」ボタン204を押す。楕円120内の垂直のグループにおけるテキスト文字「m」、「n」、及び「o」の相対的位置は、ユーザ・インタフェース104の第1の例200における「上」ボタン202、中央の「OK」ボタン210、及び「下」ボタン204により形成されるボタンのグループの相対的位置と対応することに留意されたい。相対的位置間のこの対応は、ユーザ・インタフェース104の第1の例200のユーザにより、直感的に理解しやすい。
【0038】
図5を参照すると、Jerryは、次の文字「p」を入力するために、次のように進める。文字「p」を入力するために、Jerryは、文字「p」を含む文字のグループ上に楕円120を配置させる。したがって、Jerryは、楕円120を右に1ステップ動かすために、「右」ボタン208を1回押す。すると、楕円120は、文字「p」、文字「q」、及び文字「r」の垂直のグループ上に配置される。次いで、Jerryは、文字「p」を選択するために、「上」ボタン202を押す。
【0039】
図6を参照すると、Jerryは、次の文字「e」を入力するために、次のように進める。文字「e」を入力するために、Jerryは、文字「e」を含む文字のグループ上に楕円120を配置させる。したがって、Jerryは、文字「d」、文字「e」、及び文字「f」の垂直のグループ上に楕円120を配置させるために、「左」ボタン206を4回押す(あるいは、楕円120が所望の位置に移動するまで、「左」ボタン206を押し続ける)。次いで、Jerryは、文字「e」を選択するために、中央の「OK」ボタン210を押す。楕円120内の垂直のグループにおけるテキスト文字「d」、「e」、及び「f」の相対的位置は、ユーザ・インタフェース104の第1の例200における「上」ボタン202、中央の「OK」ボタン210、及び「下」ボタン204により形成されるボタンのグループの相対的位置と対応することに再度留意されたい。明るいメッセージの残りの部分のテキスト文字が、
図1、
図4、
図5、及び
図6の例に示されるのと同様に入力される。