【実施例】
【0040】
(一般的方法)
他に記載される場合を除いて、以下の方法を実施例において用いた。
【0041】
実施例のキャラクタリゼーションで用いられる分析HPLCおよびHPLC/MSメソッドは以下の通りである:
逆相分析HPLC/MSは、Waters ZMD質量分析計に連結した島津LC10ASシステム、またはWaters MICROMASS(登録商標)ZQ質量分析計に連結したWaters AQUITY(登録商標)システムで実施した。キラル分析LCは、Berger分析SFC装置(メソッドG)で実施した。
メソッドA:
3.2分かけて0〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで1.5分ホールド;
220 nmにてUV検出(visualization);
カラム: Ascentis Express C18 (5 X 2.1 mm, 2.7 μm);
流速: 1 mL/分;
移動相A: 10 mM NH
4COOH, 98%水, 2%アセトニトリル;
移動相B: 10 mM NH
4COOH, 2%水, 98%アセトニトリル.
メソッドB:
15分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで12分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: XBridge フェニル (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン SC/ 1072;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドC:
15分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで12分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: SUNFIRE C18 (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン SC/ 862;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドD:
2分かけて0〜100%Bの直線グラジエント;
220 nmにてUV検出;
カラム: PUROSPHER(登録商標)star RP-18 (5 X 55 mm, 3 μm);
流速: 2.5 mL/分;
バッファー: 10 mM NH
4OAc/水;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (90:10);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (10:90).
メソッドE:
23分かけて0〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで18分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: XBridge フェニル (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドF:
30分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで25分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: XBridge フェニル (4.6 x 150 mm), 3.5 ミクロン;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドG:
30分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで25分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: SUNFIRE C18 (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドH:
15分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで12分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: XBridge フェニル (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン SC/ 749;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドI:
3.2分かけて0〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで1.5分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: Ascentis Express C8 (5 X 2.1 mm, 2.7 μm);
流速: 1 mL/分;
移動相A: 10 mM NH
4COOH, 98%水, 2%アセトニトリル;
移動相B: 10 mM NH
4COOH, 2%水, 98%アセトニトリル.
メソッドJ:
30分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで25分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: SUNFIRE C18 (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン SC/ 862;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドK:
15分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで12分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: XBridge フェニル (4.6 x 150 mm) 3.5 ミクロン;
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
メソッドL:
2.5分かけて0〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで2分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: PUROSPHER@star RP-18 (4 X 55 mm, 3 μm);
流速: 2.5 mL/分;
バッファー: 20 mM NH
4OAc/水;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (90:10);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (10:90).
メソッドM:
30分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで25分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: Eclipse XDB C18 (150 X 4.6 mm, 3.5 μm);
流速: 1.0 mL/分;
移動相A: 20 mM NH
4OAc/水;
移動相B: アセトニトリル.
メソッドN:
2分かけて0〜100%Bの直線グラジエント, および0%Bで3分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: ZORBAX(登録商標) SB C18 (50 X 4.6 mm, 5 μm);
流速: 5.0 mL/分;
移動相A: 10% MeOH-90% H
2O-0.1% TFA;
移動相B: 90% MeOH-10% H
2O-0.1% TFA.
メソッドO:
15分かけて10〜100%Bの直線グラジエント, および100%Bで12分ホールド;
220 nmにてUV検出;
カラム: SUNFIRE C18 (4.6 x 150 mm, 3.5 ミクロン);
流速: 1 mL/分;
バッファー: 0.05% TFA/水 pH 2.5;
移動相A: バッファー: アセトニトリル (95:5);
移動相B: アセトニトリル: バッファー (95:5).
1H NMRスペクトルは、BrukerまたはJEOL フーリエ(FOURIER)(登録商標)変換分光計(以下の周波数にて操作して)を用いて得た :
1H NMR: 400 MHz (BrukerまたはJEOL)または500MHz(JEOL).
13C NMR: 100 MHz (BrukerまたはJEOL). スペクトルデータは、化学シフト(多重度、結合定数、および水素の数)の形式で報告する。化学シフトは、テトラメチルシラン内部標準のppm低磁場(δ単位, テトラメチルシラン = 0 ppm)で特定され、および/または溶媒ピーク(
1H NMR スペクトルにおいては、CD
2HSOCD
3について2.49 ppm、CD
2HODについて3.30 ppm、およびCHCl
3について7.24 ppmにて現れ、ならびに
13C NMR スペクトルにおいては、CD
3SOCD
3について39.7 ppm、CD
3ODについて49.0 ppm、およびCDCl
3について77.0 ppmにて現れる)に言及される。全ての
13C NMR スペクトルについてプロトンデカップルした。
【0042】
実施例1
5-(5-フェニル-4-(ピリジン-2-イルメチルアミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イルスルホニルホスホロアミド酸(2)
【化6】
5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-スルホンアミド(1)の製造はWO 2011/028741に見いだされうる。
【0043】
5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-スルホンアミド(1)(3.0 g, 6.4 mmol)/DCM(50 mL)溶液に、DIPEA(2.237 mL, 12.81 mmol)を加え、該反応混合液を20分間撹拌した。POCl
3(2.39 mL, 25.6 mmol)を0℃にて加え、該反応混合液を4時間撹拌した。DCMおよび過剰量のPOCl
3を減圧下において除去し、残渣を100 mLの水に溶解させ、1時間撹拌した。得られた固形物を濾過し、該固形物を過剰量の水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、5-(5-フェニル-4-(ピリジン-2-イルメチルアミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イルスルホニルホスホロアミド酸(2)(2.5 g, 4.6 mmol, 71%収率, 97%純度, オフホワイト色)を得た。
【0044】
再結晶化方法: アモルファスの((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2 イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(6.00 g, 10.9 mmol)(HPLC純度 97%)/DMSO(100 mL)溶液に、水(40 mL)を加え、該懸濁液を1時間撹拌した。得られた固形物を濾過し、水で数回洗浄し、減圧下で乾燥させて、純粋な結晶性の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(4.6 g, 8.4 mmol, 77% 収率)を得た。
【0045】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 4.78 (d, J =4 Hz, 2H), 6.91 (t, J =4 Hz, 1H), 7.40-7.33 (m, 3H), 7.59-7.52 (m, 5H), 7.89-7.82 (m, 1H), 7.93 (dd, J =2.4 & 8.4 Hz, 1H), 8.35-8.33 (m, 1H), 9.09 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 9.28 (t, J = 2 Hz, 1H), 9.75 (s, 1H). ESI MS+: 549. HPLC: 純度 99.3%, 保持時間 = 6.30分. メソッドB. MS条件: 質量範囲: m/z 100-1200. イオン化およびモード: ESI+ ポジティブモード. 元素分析: MF C
25H
21N
6O
5PS. 4H
2O, として計算;計算値: C, 48.57; H, 4.69; N, 13.53; S, 5.46; H
2O, 11.53; 実測値: C, 48.26; H, 4.80; N, 13.19; S, 5.53; H
2O, 12.42.
【0046】
実施例2
(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸三ナトリウム (3)
【化7】
エタノール(3 mL)中の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(0.030 g, 0.054 mmol)の懸濁液に、NaOH(6.40 mg, 0.161 mmol)/水(0.500 mL)を加えた。該反応混合液を、窒素雰囲気下において室温で2時間、撹拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮し、残渣を、酢酸エチル(2 x 8 mL)、アセトン(2 x 8 mL)およびアセトニトリル(2 x 8 mL)で洗浄して、(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸三ナトリウム (3) (0.028 g, 0.046 mmol, 85% 収率)をピンク色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, 重水) δ (ppm) 4.54 (s, 2H), 7.11 (d, J = 7.78 Hz, 1H), 7.18 - 7.26 (m, 2H), 7.28 - 7.41 (m, 5H), 7.61 - 7.79 (m, 3H), 8.28 (d, J = 4.52 Hz, 1H), 8.89 - 8.95 (m, 1H), 9.08 (d, J = 2.01 Hz, 1H), 9.20 (d, J = 1.76 Hz, 1H); LCMS メソッドD: 保持時間 1.24分, [M+1] = 469. HPLC メソッドC: 純度 95.1%, 保持時間 6.18分, HPLC メソッドE: 純度 94.0%, 保持時間 12.16分. 元素分析: 化合物は吸湿性であって、正確なEAは得られなかった。
【0047】
実施例3
(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸二ナトリウム (4)
【化8】
エタノール(5 mL)中の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(0.070 g, 0.13 mmol)の懸濁液に、NaOH(9.95 mg, 0.249 mmol)/水(1 mL)を加えた。該反応混合液を、窒素雰囲気下において室温にて、2時間撹拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮し、残渣を、酢酸エチル(2 x 10 mL)、アセトン(2 x 10 mL)およびアセトニトリル(2 x 15 mL)で洗浄して、 (5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸二ナトリウム(4)(0.040 g, 0.068 mmol, 52% 収率)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, 重水) δ (ppm) 4.46 (s, 2H), 7.04 (d, J = 7.78 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 6.27 Hz, 1H), 7.18 - 7.23 (m, 1H), 7.26 (d, J = 6.27 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 6.78 Hz, 3H), 7.57 - 7.72 (m, 3H), 8.27 (d, J = 4.27 Hz, 1H), 8.88 (br. s., 1H), 9.03 (s, 1H), 9.19 (s, 1H); 31P(162.0 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm) -5.19; LCMS メソッドI: 保持時間 1.61分, [M+1] = 549. HPLC メソッドK: 純度 94%, 保持時間 8.59分. 元素分析: MF C
25H
19N
6SPO
5・2.3 Na・3.8 H
2O, として計算;計算値: C, 45.03; H, 4.02; N, 12.60; Na, 7.79; H
2O, 10.27; 実測値: C, 44.90; H, 3.58; N, 12.40; Na, 7.79; H
2O, 10.61.
【0048】
実施例4
トリス-(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸(5)
【化9】
アセトン/水(2:2 mL)中の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(0.030 g, 0.054 mmol)の懸濁液に、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール(0.012 g, 0.11 mmol)を加えた。得られた混合液を、窒素雰囲気下において室温にて、2時間撹拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮し、残渣を酢酸エチル(2 x 8 mL)、アセトン(2 x 8 mL)で洗浄して、トリス-(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸(5)(0.028 g, 0.034 mmol, 64% 収率)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, 重水) δ ppm 3.56 (s, 12H), 4.62 (s, 2H), 7.22 (d, J = 8.03 Hz, 1H), 7.25 - 7.29 (m, 1H), 7.33 (d, J = 6.53 Hz, 1H), 7.38 - 7.45 (m, 5H), 7.71 (t, J = 7.78 Hz, 2H), 7.77 - 7.86 (m, 1H), 8.34 (d, J = 5.02 Hz, 1H), 8.96 (s, 1H), 9.09 (d, J = 2.01 Hz, 1H), 9.30 (s, 1H). LCMS メソッドA: 保持時間 1.60分, [M+1] = 549. HPLC メソッドK: 純度 94.6%, 保持時間 6.41分, HPLC メソッドC: 純度 95.0%, 保持時間 6.35分.
【0049】
実施例5
(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸三カリウム(6)
【化10】
エタノール(3 mL)中の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(0.030 g, 0.054 mmol)の懸濁液に、KOH(9.0 mg, 0.16 mmol)/水(0.5 mL)を加えた。得られた混合液を、窒素雰囲気下において室温にて、2時間撹拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮し、残渣を酢酸エチル(2 x 8 mL)、アセトン(2 x 8 mL)およびアセトニトリル(2 x 8 mL)で洗浄して、(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸三カリウム(6)(0.028 g, 0.043 mmol, 78% 収率)を茶色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, 重水) δ ppm 4.52 (s, 2H), 7.09 (d, J = 7.78 Hz, 1H), 7.19 - 7.24 (m, 2H), 7.28 - 7.40 (m, 5H), 7.61 - 7.77 (m, 3H), 8.28 (d, J = 4.27 Hz, 1H), 8.91 (t, J=1.88 Hz, 1H), 9.08 (d, J=2.26 Hz, 1H), 9.21 (d, J=1.76 Hz, 1H); LCMS メソッドA: 保持時間 1.60分, [M+1] = 549.2. HPLC メソッドB: 純度 96.0%, 保持時間 6.09分, HPLC メソッドC: 純度 96.0%, 保持時間 5.86分. 元素分析: MF C
25H
18N
6SPO
5・2.6 K・4.5 H
2O, として計算;計算値: C 41.22; H, 3.72; N, 11.54; K, 14.12; H
2O, 11.00; 実測値: C, 40.79; H, 3.56; N, 11.17; K, 13.76; H
2O, 10.49.
【0050】
実施例6
(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸カルシウム(7)
【化11】
エタノール(5 mL)中の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(0.200 g, 0.365 mmol)の懸濁液に、水酸化カルシウム(0.041 g, 0.55 mmol)/水(2 mL)を加えた。得られた混合液を、窒素雰囲気下において室温にて、2時間撹拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮し、残渣を酢酸エチル(2 x 10 mL)、アセトン(2 x 10 mL)およびアセトニトリル(2 x 15 mL)で洗浄して、(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸カルシウム(7)(0.195 g, 0.322 mmol, 88.6% 収率)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm) 4.77 (d, J = 4.27 Hz, 2H), 6.92 (t, J = 4.14 Hz, 1H), 7.26 - 7.35 (m, 2H), 7.39 (d, J = 8.03 Hz, 1H), 7.50 - 7.60 (m, 5H), 7.79 (td, J = 7.65, 1.76 Hz, 1H), 7.83 - 7.89 (m, 1H), 7.91 - 7.96 (m, 1H), 8.30 (d, J = 4.27 Hz, 1H), 9.10 (s, 1H), 9.25 (t, J = 2.13 Hz, 1H), 9.73 (d, J = 2.01 Hz, 1H); LCMS メソッドI: 保持時間 1.66分, [M-1] = 547. HPLC メソッドB: 純度 94.3%, 保持時間 6.17分, HPLC メソッドC: 純度 94.45%, 保持時間 5.97分. 元素分析: 化合物は吸湿性であって、元素分析は得られなかった。
【0051】
実施例7
(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸マグネシウム (8)
【化12】
エタノール(5 mL)中の((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸(2)(0.050 g, 0.091 mmol)の懸濁液に、水酸化マグネシウム(7.97 mg, 0.137 mmol)/水(1 mL)を加えた。得られた混合液を、窒素雰囲気下において室温にて、2時間撹拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮し、残渣を酢酸エチル(2 x 5 mL)、アセトン(2 x 10 mL)およびアセトニトリル(2 x 10 mL)で洗浄して、(5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニルホスホロアミド酸マグネシウム(8)(0.040 g, 0.069 mmol, 76% 収率)を黄色の固形物として得た。
1H NMRは、溶解性が低かったので行わなかった。 LCMS メソッドI: 保持時間 1.66分, [M-1] = 547. HPLC メソッドB: 純度 98.1%, 保持時間 6.18分, HPLC メソッドC: 純度 95.6%, 保持時間 5.98分. 元素分析: MF C
25H
20N
6SPO
5・Mg H
2O, として計算;計算値: C 46.15; H, 4.41; N, 12.92; Mg, 4.15; H
2O, 11.70; 実測値: C, 40.66; H, 4.12; N, 11.23; Mg, 4.14; H
2O, 11.70; CおよびNは一致していない。
【0052】
実施例8
((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)(ホスホノ)ホスホロアミド酸 (10)
【化13】
CHCl
3(10 mL)中の5-(5-フェニル-4-(ピリジン-2-イルメチルアミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-スルホンアミド(1)(0.150 g, 0.320 mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.268 mL, 1.92 mmol)、次いで4-ジメチルアミノピリジン(7.8 mg, 0.064 mmol)を、窒素雰囲気下において加えた。該反応混合液を0℃で5分間撹拌し、クロロリン酸ジエチル(0.331 g, 1.92 mmol)を滴下した。該反応混合液を室温まで昇温させ、終夜撹拌した。該反応混合液をDCM(20 mL)および水(20 mL)で希釈し、DCM(3 x 50 mL)で抽出した。有機層を合わせて、水および食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLC精製により精製して、ジエトキシホスホシル((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸水素エチル(9)(0.045 g, 0.063 mmol, 20% 収率)を黄色の固形物として得た。 プレパラティブ(Water mass) HPLC条件: カラム: Atlantis dc18 (19 x 250 mm) 10 μm, 移動相A : 10 mm 酢酸アンモニウム. 移動相B: アセトニトリル, グラジエント: 10分かけて10〜60%B, 流速: 15 mL/分., 保持時間: 11.35分.;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) (δ ppm) 1.20 - 1.34 (m, 9H) 4.06 - 4.22 (m, 6H) 4.60 - 4.77 (m, 2H) 6.63 (br. s., 1H) 7.09 - 7.20 (m, 3H), 7.44 - 7.54 (m, 5H) 7.61 - 7.72 (m, 2H) 7.85 - 7.96 (m, 1H) 8.42 (d, J=4.02 Hz, 1H) 9.21 (dd, J=6.78, 2.01 Hz, 2H) 9.67 (d, J=2.01 Hz, 1H).; LCMS メソッドD: 保持時間 1.56分, [M+1] = 713.2.
【0053】
DCM(5 mL)中のジエトキシホスホシル((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)ホスホロアミド酸水素エチル(9)(0.040 g, 0.056 mmol)の懸濁液に、ヨードトリメチルシラン(0.067 g, 0.34 mmol)を、窒素雰囲気下において0℃にて滴下した。該混合液を0℃で2時間撹拌し、溶媒を減圧下において除去した。残渣を0℃まで冷却し、アセトン(10 mL)およびH
2O(0.20 mL)の混合液で処理した。0℃で1時間撹拌した後、該混合液を室温にて終夜撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、固形物をアセトン(20 mL)で洗浄し、乾燥させ、プレパラティブHPLCにより精製して、((5-(5-フェニル-4-((ピリジン-2-イルメチル)アミノ)キナゾリン-2-イル)ピリジン-3-イル)スルホニル)(ホスホノ)ホスホロアミド酸(10)(0.025 g, 0.040 mmol, 71% 収率)を白色の固形物として得た。 プレパラティブHPLC条件: カラム: KROMASIL(登録商標) C-4 (250 X 21.2) mm, 5μm, 移動相A: 10 mM 酢酸アンモニウム/水, 移動相B: アセトニトリル, グラジエント: 7分かけて20〜40%B, 12.5分間100%B, 流速: 17 mL/分., 保持時間 : 9分.;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm) 4.78 (d, J = 3.76 Hz, 2H), 6.96 (br. s., 1H), 7.23 (dd, J = 6.53, 5.27 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.03, 1.25 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 7.78 Hz, 1H), 7.51 - 7.61 (m, 5H), 7.73 (td, J = 7.65, 1.76Hz, 1H), 7.80 - 7.88 (m, 1H), 7.96 (dd, J = 8.41, 1.13 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 4.27 Hz, 1H), 9.11 (d, J = 2.01 Hz, 1H) 9.17 (t, J = 2.01 Hz, 1H), 9.67 (d, J = 2.01 Hz, 1H); 31P(162.0 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm) -8.820, -8.917, -15.535, -15.629; LCMS メソッドI: 保持時間 1.56分, [M-1] = 627. HPLC メソッドH: 純度 95.0%, 保持時間 5.27分.
【0054】
本発明の化合物の溶解性試験のためのプロトコール
本発明の化合物の溶解性を、様々なpHレベルで評価した。溶解性を、以下に記載される方法を用いて、試験した。
【0055】
2 mLのガラスバイアル中において、過剰量の粉末の化合物を1 mLのバッファーと平衡を保たせ、ボルテックスした後で超音波処理を行うことによって、該化合物をバッファー中に確実に分散させた。該バイアルを300 rpmで室温にて24時間振盪させた。24時間インキュベートした後、スラリーを濾過し、濾過物を、4点検量線を用いる化合物の可溶化画分の定量化のために、HPLCによって分析した。
【0056】
注記:該インキュベート時間は、水溶液安定性データに基づいて決定された。化合物がバッファー中において最大24時間安定であった場合は24時間後に溶解性を測定し、それ以外では動的溶解性データを報告する。24時間での異なるpH条件における該溶解性データ(mg/mL)を下記の表1に提示する。
【0057】
上記の試験を用いて、以下のデータを得た。
表1
【表1】
【0058】
pH依存性溶解性の向上によって、本発明の化合物は、該化合物のpH依存性吸収を克服し得る。従って、該化合物の吸収は、患者の胃酸濃度の変動に左右されない。胃のpHの変動は、摂取された他の薬物または食物によって生じうる。該化合物は胃のpHとは独立して、より均一に吸収されうる
【0059】
(有用性)
本発明の化合物は、化合物(1)のプロドラッグとして有用である。化合物(1)はI
Kur阻害剤であることが示されており、従って、本発明の化合物はI
Kur関連障害の処置において有用である。
【0060】
I
Kur阻害剤としての化合物の活性度を決定するためのアッセイが当分野において周知であり、参考文献、例えば、J. Gen. Physiol., 101(4):513-543 (Apr. 1993), and Br. J. Pharmacol., 115(2):267-274 (May 1995)に記載されている。
【0061】
K
v1サブファミリーの他のメンバーの阻害剤としての化合物の活性度を決定するためのアッセイもまた、当分野において周知である。例えば、K
v1.1、K
v1.2およびK
v1.3の阻害は、Grissmer, S. et al., Mol. Pharmacol., 45(6):1227-1234 (Jun. 1994) により記載される方法を用いて測定することができ; K
v1.4の阻害は、Petersen, K.R. et al., Pflugers Arch., 437(3):381-392 (Feb. 1999) により記載される方法を用いて測定することができ; K
v1.6の阻害は、Bowlby, M.R. et al., J. Neurophysiol. 73(6):2221-2229 (Jun. 1995)により記載される方法を用いて測定することができ; そして、K
v1.7の阻害は、Kalman, K. et al., J. Biol. Chem., 273(10):5851-5857 (Mar. 6, 1998)により記載される方法を用いて測定することができる。
【0062】
K
v1.5 データ(IC
50 = 46nM)によって化合物1の能力が実証されており、従って本発明の化合物は化合物1のプロドラッグとして作用して、電位開口型K+チャネルのK
v1.5チャネルの阻害を顕著に高めると考えられている。電位開口型K+チャネルのK
v1.5チャネルの阻害剤としての活性を示すことにより、本発明の化合物はK
v1.5チャネルに関連するヒト疾患の処置において有用であることが予期される。
【0063】
本発明のホスホロアミド酸プロドラッグを、in-vitroアッセイ(細胞ベース(path clamp)または摘出心臓(Lagendorff))を行い、本発明の化合物が、これらのアッセイ中にあるホスファターゼの存在下において、その親化合物に変換したことが観察された。
【0064】
in vivo モデルであるウサギPDモデルを用いて、本発明の化合物を試験した。ウサギPDモデルを本発明のプロドラッグについてのブリッジング試験として選択した。その理由は、Ikurはウサギおよびヒト心房において優勢発現しているので、Ikur阻害剤についての有意義な薬力学および安全性データを得ることが可能であるからである。とりわけ、ウサギの心房有効不応期(AERP)モデルを用いて本発明の化合物を研究した。本発明の化合物を試験するために用いたin vivoモデルによって、本発明のプロドラッグがそれぞれの親化合物へと効率的に開裂して、I
Kurを阻害する目的の治療活性がもたらされることが確認された。
【0065】
さらに、ウサギにおける単一用量の薬理学的評価によって、本発明の化合物は、プロドラッグの親形態と比較した場合、ウサギにおいて同様のin vivo薬理を有することが示唆された。
【0066】
さらに、化合物1および化合物2(実施例1に記載)の、ナイーブでない雄カニクイザル(ファモチジン前処置の有無にかかわらない)への単回の経口投与後の、クロスオーバー試験。
【0067】
種: ファモチジンレスポンダーであると予め特徴付けられた雄カニクイザル(N=5)をこの試験に用いた。
【0068】
試験デザイン: 4群クロスオーバー試験(処置と処置の間に7日間の休薬期間)。試験化合物およびファモチジンを両者ともゼラチンカプセルの形態で投与した。化合物2の用量は、50 mg/カプセル/動物の化合物1に等しい、66.2 mg/カプセル/動物であった。化合物1および化合物2の両方とも物理的形状は結晶性物質であった。化合物1についてのD90、D50およびD10は、各々、12.5、4.8および1.2ミクロンであった。化合物2についてのD90、D50およびD10は、各々、13.9、4および3.3ミクロンであった。
表2
【表2】
【0069】
サンプリング時間のポイント: 血液サンプルを、投与後、0分(投与前)、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間および48時間にて採取した。
【0070】
バイオアナリシス: 血漿サンプルを、化合物1および化合物2の濃度について、科学的に検証された生物学的分析方法を用いて、分析した。
【0071】
PK分析: 薬物動態パラメーター Cmax、Tmax、およびAUC(0-t)を、ノンコンパートメント解析法を用いて算出した。
【0072】
カニクイザル(Cyno)ファモチジン研究: この研究における化合物1の観察されたバイオアベイラビリティは16%であって、プロドラッグである化合物2として投与された場合に観察された化合物1のバイオアベイラビリティは83%であった。化合物1について、カニクイザルをファモチジンで前処置した場合のCmaxの低下は66-75%であって、AUC(24時間)は21-66%低下した。化合物2(化合物1の比較用)について、カニクイザルをファモチジンで前処置した場合に、Cmaxは31〜25%の低下が観察され、AUC(24時間)は2〜15%の低下が観察された。カニクイザルファモチジン研究: DICにおける化合物1のバイオアベイラビリティが、化合物2(10 mpkにて)の投与によって16〜83%向上した。化合物1のCmaxおよびAUCにおける観察された変化は、ファモチジン処置および化合物2を用いた場合において最小であった。
【0073】
N-スルホニルホスホロアミド酸プロドラッグは、化合物1のpH依存性溶解性特性を向上させており(実施例1に示す)、ラットにおいて5 mpkおよび100 mpkの結晶性懸濁液用量にて良好な曝露を示した(バイオアベイラビリティが増大しており、観察された循環プロドラッグは有意なレベルでなかった)。高用量ラットPK研究(100 mpk)を実施したところ、<1%の循環プロドラッグが観察されたことが分かった。
【0074】
本発明の化合物は、pH依存性溶解性を緩和するために、所定のIVまたはPOで投与されることができる。これらのプロドラッグの物理的特性、化学的特性、および溶解特性は、さらに、医薬的に許容される塩の対イオンの選択によって改変され得る。
【0075】
本発明の化合物は化合物(1)のプロドラッグである。従って、本発明の化合物は治療薬としての化合物(1)を提供することにおいて有用である。
【0076】
化合物(1)は電位開口型K+チャネルのK
v1サブファミリーを阻害し、従って、様々な障害:心不整脈(上室性不整脈、心房性不整脈、心房粗動、心房細動、心虚血の合併症、および心拍数制御薬としての使用(正常洞調律を保つことを含む)を含む);狭心症(プリンツメタルの症候(Prinzmetal's symptom)、血管攣縮性症候および様々な症候の軽減を含む);胃腸疾患(逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、運動障害(便秘および下痢を含む)、および過敏性腸症候群を含む);血管および内臓平滑筋の障害(喘息、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、末梢血管疾患(間欠性跛行を含む)、静脈不全、インポテンス、脳および冠血管の攣縮ならびにレイノー病を含む);炎症性疾患および免疫疾患(炎症性腸疾患、関節リウマチ、移植片拒絶、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症およびアテローム動脈硬化症を含む);細胞増殖性の障害(再狭窄およびがん(白血病を含む)を含む);聴覚系の障害;視覚系の障害(黄斑変性および白内障を含む);糖尿病(糖尿病網膜症、糖尿病性腎症および糖尿病性神経障害を含む);筋疾患(筋強直および消耗(wasting)を含む);末梢神経障害;認知障害;片頭痛;記憶喪失(アルツハイマー病および認知症を含む);CNS媒介運動機能障害(パーキンソン病および運動失調を含む);てんかん;ならびに他のイオンチャネル媒介障害の治療および/または予防において有用であると考えられている。
【0077】
化合物(1)は電位開口型K+チャネルのK
v1サブファミリーの阻害剤である。化合物(1)は様々なさらなる障害の処置に有用であると考えられ、該障害には、including臓器もしくは組織の移植による抵抗、骨髄移植によってもたらされる移植片対宿主病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病ぶどう膜炎、若年発症糖尿病もしくは発症直後の糖尿病、後部ぶどう膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、病原微生物に起因する感染症、炎症性および過剰増殖性の皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎(seborrhoeis dermatitis)、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、じんま疹、血管性浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚性好酸球増加症(cutaneous eosinophilia)、エリテマトーデス、ざ瘡、円形脱毛症、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病に関連するぶどう膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮ジストロフィー(dystrophia epithelialis corneae)、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍強膜炎(Mooren's ulcer Scleritis)、グレーブス病の眼疾患、フォークト-小柳-原田症候群、サルコイドーシス、花粉アレルギー、可逆的閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、慢性もしくは難治性の喘息、遅発型喘息および気道過敏症(airway hyper-responsiveness)、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症に起因する血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、熱傷およびロイコトリエンB4-媒介疾患に関連した腸の病変、セリアック病(Coeliaz disease)、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、片頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multiple neuritis)、単発神経炎、神経根障害、甲状腺機能亢進症(hyperthroidism)、バセドウ病、赤芽球ろう、再生不良性貧血、低形成性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、顆粒球減少症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、サルコイドーシス、肺線維症、特発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー性過敏症、皮膚T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋症、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪過多、好酸球性筋膜炎、歯肉、歯周組織、歯槽骨、歯骨質(substantia osses dentis)の病変;糸球体腎炎、男性型脱毛症もしくは老人性脱毛症(脱毛の予防か、発毛をもたらすことおよび/または発毛および毛髪の成長を促進することによる)、筋ジストロフィー;膿皮症およびセザリー症候群、アジソン病、保存か、移植か、もしくは虚血性疾患後に生じる器官の虚血再灌流障害、エンドトキシンショック、偽膜性大腸炎、薬物もしくは放射線照射に起因する大腸炎、虚血性急性腎不全、慢性腎不全、肺酸素もしくは薬物に起因する中毒症、肺がん、肺気腫、白内障(cataracta)、鉄沈着症、網膜色素変性、老人性黄斑変性、硝子体瘢痕(vitreal scarring)、角膜アルカリ熱傷(corneal alkali burn)、多形紅斑皮膚炎(dermatitis erythema multiforme)、リニアIgA水疱性皮膚炎およびセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、環境汚染に起因する疾患、加齢、発がん(carcinogenis)、カルシノーマの転移および高山病、ヒスタミンもしくはロイコトリエン-C4放出に起因する疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎(primary biliary cirrhosis sclerosing cholangitis)、肝部分切除(partial liver resection)、急性肝壊死;毒素、ウイルス性肝炎、ショック、もしくはアノキシアに起因する壊死;B-ウイルス性肝炎、非A/非B型肝炎、硬変、アルコール性肝硬変、肝不全、劇症肝炎、遅発性肝不全、“急性憎悪”肝不全、化学療法効果の増強、サイトメガロウイルス感染症、HCMV感染症、AIDS、がん、老年認知症、外傷、および慢性細菌感染症が含まれる。
【0078】
該化合物(1)は、不整脈の予防および治療(部分的な軽減もしくは治癒を含む)において有用である抗不整脈薬と考えられる。K
v1.5のインヒビターとして、本発明の範囲内の化合物は、上室性不整脈(例えば、心房細動および心房粗動)の選択的な予防および治療において特に有用である。「上室性不整脈の選択的な予防および治療」とは、心室性の有効不応期の延長に対する心房性の有効不応期の延長の比率が1:1以上である上室性不整脈の予防もしくは治療を意味する。この比率はまた、4:1以上、さらには10:1以上であり得る。加えて、該比率は、心房性の有効な不応応答期の延長が有意に検出可能な心室性の有効不応期の延長を伴わずに達成されるような比率であってもよい。
【0079】
加えて、化合物(1)はI
Kurを遮断し、よって全てのI
Kur-関連症状の予防および治療において有用でありうる。「I
Kur-関連症状」とは、I
Kur遮断薬の投与によって予防されうるか、部分的に軽減されうるか、または治癒されうる障害である。K
v1.5遺伝子は、胃の組織、腸/大腸の組織、肺動脈、および膵臓β細胞において発現することが知られている。従って、I
Kur遮断薬の投与により、障害、例えば:逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、便秘、喘息、および糖尿病の有用な処置が提供され得る。また、K
v1.5は下垂体前葉において発現することが知られている。従って、I
Kur遮断薬の投与により、成長ホルモンの分泌を刺激することができる。I
Kur阻害剤は、さらに、細胞増殖性の障害(例えば白血病)、および自己免疫疾患(例えば関節リウマチおよび移植片拒絶)において有用であり得る。
【0080】
従って本発明は、前述の障害のうちの1つ以上の予防または治療のための方法であって、それを必要とする対象に、有効な量の少なくとも1つの式I、II、またはIIIの化合物、好ましくは実施例に例示の化合物、より好ましくは実施例1-8の化合物、さらに好ましくは実施例1の化合物を投与する工程を含む、該方法を提供する。他の治療薬(例えば以下に記載されるもの)を、本発明の方法において本発明の化合物とともに用いてもよい。本発明の方法において、そのような他の治療薬は、本発明の化合物の投与より前、同時、もしくは後で投与されうる。
【0081】
用量および製剤
本発明はまた、前述の障害のうちの1つ以上を予防もしくは治療でき、式I、II、IIIの化合物、好ましくは全ての実施例に例示の化合物、より好ましくは、実施例1のうちの少なくとも1つ(有効な量で)および医薬的に許容されるビヒクルまたは希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明の組成物は、以下に記載されるとおり他の治療薬を含んでよく、例えば、通常の固体または液体のビヒクルまたは希釈剤、ならびに目的の投与様式に適切なタイプの医薬品添加物(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、香味剤、など)を用いることによって、例えば医薬製剤の分野で周知であるような技法に従って、製剤化されうる。
【0082】
式I、II、IIIの化合物、好ましくは全ての実施例に例示の化合物、より好ましくは、実施例1を、いずれ適切な手段、例えば、経口で(例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤または粉末剤の形態で);舌下に;頬側に;非経口で(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射または注入技法(例えば、無菌の注射可能な水性または非水性の溶液または懸濁液)により);経鼻的に(例えば吸入スプレーにより);局所的に(例えばクリーム剤もしくは軟膏剤の形態で);または直腸内(例えば坐剤の形態で);によって、無毒の、医薬的に許容されるビヒクルまたは希釈剤を含む、用量単位剤形で投与してもよい。本化合物は、例えば、即時放出または持続放出に適切な形態で投与されうる。即時放出または持続放出は、本化合物を含む適切な医薬組成物を用いることによってか、あるいは、とりわけ持続放出の場合には、皮下埋込錠または浸透圧ポンプといったデバイスを用いることによって、達成されうる。式I、II、IIIの化合物、好ましくは全ての実施例に例示の化合物、より好ましくは実施例1が、不整脈を予防または治療するために投与される場合、該化合物を投与して正常洞調律への化学変換を達成してもよいか、あるいは、該化合物を適宜、電気的除細動(electrical cardioconversion)と併用して用いてもよい。
【0083】
経口投与用の組成物の例としては、懸濁剤(例えば、嵩を増すための微結晶セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および甘味剤もしくは着香剤(例えば当分野で公知のもの)を含んでいてもよい);ならびに即時放出錠剤(例えば、微結晶セルロース、リン酸ジカルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤(例えば当分野で公知のもの)を含んでいてもよい)が挙げられる。また、式I、II、IIIの化合物、好ましくは全ての実施例に例示の化合物、より好ましくは実施例1は、舌下および/または頬側投与により、口腔を介して送達されてもよい。湿製錠、圧縮錠、または凍結乾燥錠剤が、使用されうる形態の例である。組成物の例としては、本発明の化合物を速溶性希釈剤(例えば、マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデキストリン)とともに製剤化しているものが挙げられる。また、そのような製剤中に、高分子量賦形剤(例えばセルロース(AVICEL(登録商標))もしくはポリエチレングリコール(PEG))も含まれうる。そのような製剤にはまた、粘膜接着を援助するための賦形剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー(例えば、Gantrez)、および放出を制御する剤(例えばポリアクリル酸コポリマー(例えば、Carbopol 934))が含まれうる。滑沢剤、流動化剤(glidant)、香味剤、着色剤および安定化剤もまた、製造および使用を容易にするために加えられうる。
【0084】
鼻エアロゾルまたは吸入投与のための組成物の例としては、生理食塩水中の液剤(例えば、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、および/または他の可溶化もしくは分散剤(例えば当分野で公知のもの)を含んでよい)が挙げられる。
【0085】
非経口投与用の組成物の例としては、注入可能な液剤または懸濁剤が挙げられ、それは、例えば、適切な無毒で非経口的に許容される希釈剤または溶媒(例えば、マンニトール、1,3 ブタンジオール、水、リンガー液、等張性塩化ナトリウム溶液、あるいは他の適切な分散もしくは湿潤および懸濁化剤(合成モノ-もしくはジグリセリド、および脂肪酸(オレイン酸を含む)を含む)を含んでもよい。
【0086】
直腸投与用の組成物の例としては、坐剤が挙げられ、それは、例えば、適切な非刺激性の賦形剤(例えば、カカオバター、合成グリセリドエステル、またはポリエチレングリコール)(通常の温度では固体であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬物を放出する)を含んでいてよい。
【0087】
局所投与用の組成物の例としては、局所用の担体(例えば、プラスチベース(ポリエチレンを用いてゲル化した鉱物油)が挙げられる。
【0088】
本発明の化合物の有効な量は、当業者によって決定されてもよく、成人に対する投与量の例としては約0.001〜100 mg/kg体重/日の活性化合物が挙げられ、それは単一用量でか、または個々の分割用量の形態(例えば、1日あたり1〜4回)で投与されうる。好ましいヒト用量は、約1mg〜約10mg(1日1回)の範囲であり、さらに好ましくは、約2mg〜約6mg(1日1回)の範囲である。いずれの特定の対象に対する具体的な用量レベルおよび投与頻度は変化させてもよく、そして様々な因子(用いる特定の化合物の活性、該化合物の代謝安定性および活性の長さ、対象の種、年齢、体重、全般的な健康、性および食餌、投与の様式および時間、排出速度、薬物の組み合わせ、ならびに特定の症状の重篤度を含む)に依存しうることが理解されるであろう。処置のための好ましい対象としては、前述の障害に罹患している動物、最も好ましくは哺乳動物種(例えばヒト)および飼育動物(例えばイヌ、ネコ)などが挙げられる。
【0089】
本発明の化合物は、単独か、あるいは、互いに組み合わせておよび/または前述の障害もしくは他の障害の処置に有用な他の適切な治療薬と組み合わせて用いられてもよく、該他の適切な治療薬としては:他の抗不整脈薬、例えば、クラスIの薬物(例えば、プロパフェノン)、クラスIIの薬物(例えば、カルベジロール(carvadiol)およびプロプラノロール)、クラスIIIの薬物(例えば、ソタロール、ドフェチリド、アミオダロン、アジミリドおよびイブチリド)、クラスIVの薬物(例えば、ジルチアゼムおよびベラパミル)、5HTアンタゴニスト(例えば、スラムセロド(sulamserod)、セラリン(serraline)およびトロプセトロン(tropsetron))、およびドロネダロン;カルシウムチャネル遮断薬(L-タイプおよびT-タイプの両方)、例えば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびミベフラジル(mybefradil);シクロオキシゲナーゼ阻害剤(すなわち、COX-1および/またはCOX-2阻害剤)、例えば、アスピリン、インドメタシン、イブプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン、セレブレックス(登録商標)、バイオックス(登録商標)およびNSAID;抗血小板薬、例えば、GPIIb/IIIa遮断薬(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチドおよびチロフィバン)、P2Y12アンタゴニスト(例えば、クロピドグレル、カングレロール、チクロピジンおよびCS-747)、P2Y1アンタゴニスト、トロンボキサン受容体アンタゴニスト(例えば、イフェトロバン)、アスピリン、およびPDE-III阻害剤(例えば、ジピリダモール)(アスピリンと併用もしくは併用せず);利尿薬、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸、チクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムゾリミン(musolimine)、ブメタニド、トリアムテレン(triamtrenene)、アミロライド、およびスピロノラクトン;抗高血圧薬、例えば、αアドレナリン遮断薬、βアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、レニン阻害剤、ACE阻害剤(例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、ホシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラザプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル)、A II アンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、ETアンタゴニスト(例えば、シタクスセンタン、アトラセンタン(atrsentan)および米国特許第5,612,359号および第6,043,265号に記載の化合物)、デュアルET/AIIアンタゴニスト(例えば、WO 00/01389に記載の化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ(vasopepsidase)阻害剤(デュアルNEP-ACE阻害剤)(例えば、オマパトリラトおよびゲモパトリラト)、硝酸薬、およびそのような抗高血圧薬の組み合わせ;抗血栓/血栓溶解薬、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、リコンビナントtPA、テネクテプラーゼ(TNK)、ラノテプラーゼ(nPA)、第VIIa因子阻害剤、第Xa因子阻害剤(例えば、ラザキサバン)、XIa阻害剤、トロンビン阻害剤(例えば、ヒルジンおよびアルガトロバン)、PAI-1阻害剤(すなわち、組織プラスミノーゲン活性化因子阻害剤の失活剤)、α2-抗プラスミン阻害剤、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、アニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体、および動物の唾液腺プラスミノーゲン活性化因子;抗凝固薬、例えば、ワルファリンおよびへパリン(未分画へパリンおよび低分子量へパリン(例えばエノキサパリンおよびダルテパリン)を含む);HMG-CoA還元酵素阻害剤、例えば、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、NK-104(別名、イタバスタチン、またはニスバスタチン(nisvastatin)もしくはニスバスタチン(nisbastatin))およびZD-4522(別名、ロスバスタチン、アタバスタチン(atavastatin)、もしくはビサスタチン(visastatin));他のコレステロール/脂質低下薬、例えば、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、および胆汁酸捕捉剤(例えば、クエストラン(登録商標));抗増殖薬、例えば、シクロスポリンA、タキソール(登録商標)、FK506、およびアドリアマイシン;抗腫瘍薬、例えば、タキソール(登録商標)、アドリアマイシン、エポチロン、シスプラチンおよびカルボプラチン;抗糖尿病薬、例えば、ビグアナイド(例えば、メトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、インスリン、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニル尿素薬(例えば、グリメピリド、グリブリドおよびグリピジド)、ビグアナイド/グリブリドの組み合わせ(すなわち、グルコバンス(登録商標))、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPAR-γアゴニスト、aP2阻害剤、およびDP4阻害剤;甲状腺模倣薬(thyroid mimetic)(甲状腺受容体アンタゴニストを含む)(例えば、甲状腺刺激ホルモン、ポリサイロイド(polythyroid)、KB-130015、およびドロネダロン);鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、スピロノラクトンおよびエプレレノン;成長ホルモン分泌促進物質;抗骨粗鬆症薬(例えば、アレンドロネートおよびラロキシフェン);ホルモン補充療法薬、例えばエストロゲン(プレマリン中の結合型エストロゲンを含む)、およびエストラジオール;抗うつ薬、例えば、ネファゾドンおよびセルトラリン;抗不安薬、例えば、ジアゼパム、ロラゼパム、ブスピロン、およびパモ酸ヒドロキシジン;経口避妊薬;抗-潰瘍および胃食道逆流症薬、例えば、ファモチジン、ラニチジン、およびオメプラゾール;抗肥満薬、例えば、オルリスタット;強心配糖体(ジギタリスおよびウアバインを含む);ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE III阻害剤(例えば、シロスタゾール)、およびPDE V阻害剤(例えば、シルデナフィル)を含む);タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;ステロイド系抗炎症薬、例えば、プレドニゾン、およびデキサメタゾン;ならびに、他の抗炎症薬、例えばエンブレル(登録商標)が挙げられる。該組み合わせは、一緒に製剤化されるか、同時投与に適切な投与量を提供するようにパッケージングされたキットの形態であり得る。
【0090】
上記の他の治療薬は、本発明の化合物と組み合わせて用いる場合、例えば、医師用卓上参考書(PDR)に示されている量かまたはそれ以外に当業者により決定される量で用いられうる。
【0091】
本明細書に引用されている公報および文献(特許および特許出願を含むがこれに限定はされない)は、各々の公報もしくは文献が十分に記載されているものとして引用により本明細書に援用されると明確かつ個々に示されるかのように、引用された全部分の全般が引用により本明細書に援用される。本出願が優先権を主張する特許出願のいずれもまた、公報および文献について上述したように、引用により本明細書に援用される。
【0092】
本発明は特定の実施態様に重点を置いて記載されるけれども、特定の化合物および方法の変形を用いてもよいこと、ならびに、本発明は本明細書に具体的に記載される以外にも実施されうることを意図していることが、当業者には明らかであろう。従って、本発明には、特許請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲内に包含される全ての改変が含まれる。