特許第6234497号(P6234497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6234497エンコーダ装置及びエンコーダ装置付き運動案内装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234497
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】エンコーダ装置及びエンコーダ装置付き運動案内装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   G01D5/244 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-50530(P2016-50530)
(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-166883(P2017-166883A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年9月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】森行 良直
(72)【発明者】
【氏名】押田 敬史
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−002758(JP,A)
【文献】 特開2011−089898(JP,A)
【文献】 特開2013−255331(JP,A)
【文献】 特開2005−124376(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/078860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/244
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リファレンスマークとヘッドとを備えるエンコーダ装置であって、
前記リファレンスマークは、第一スケールコイルと、前記第一スケールコイルに電気的に接続される第二スケールコイルと、を有し、
前記ヘッドは、前記第一スケールコイルに非接触で電磁波を送信する送信コイルと、前記第二スケールコイルから非接触で電磁波を受信する受信コイルと、前記第一スケールコイルに前記送信コイルが対向し、前記第二スケールコイルに前記受信コイルが対向する場合、前記受信コイルが受信した電磁波から原点信号生成用のパルスを生成する電気回路と、を有するエンコーダ装置。
【請求項2】
前記エンコーダ装置は、インクリメンタル型磁気スケールを備え、
前記ヘッドは、前記インクリメンタル型磁気スケールの磁界を読み取る磁気センサを備えることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ装置。
【請求項3】
前記リファレンスマークと前記インクリメンタル型磁気スケールとが重ねて配置されることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ装置。
【請求項4】
前記磁気センサは、前記送信コイルと前記受信コイルとの間に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載のエンコーダ装置。
【請求項5】
前記電気回路は、
前記受信コイルが受信した電磁波を検波し、電磁波の交流を直流に整流する検波・整流回路と、
前記検波・整流回路が整流した直流電圧を所定の閾値と比較し、前記原点信号生成用のパルスを生成するコンパレータと、を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエンコーダ装置。
【請求項6】
前記エンコーダ装置は、第一部材に対して相対移動する第二部材の位置を検出し、
前記第一スケールコイルと前記第二スケールコイルとが、前記第二部材の相対移動方向に離れて配置されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエンコーダ装置。
【請求項7】
前記送信コイルが送信する電磁波の周波数は、前記インクリメンタル型磁気スケールの磁界の周波数の10倍以上であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のエンコーダ装置。
ここで、前記インクリメンタル型磁気スケールの磁界の周波数はV/Pから求められ、前記エンコーダ装置は第一部材に対して相対移動する第二部材の位置を検出し、前記Vは前記第一部材に対する前記第二部材の相対速度であり、前記Pは前記インクリメンタル型磁気スケールの磁極間ピッチである。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエンコーダ装置と、
前記リファレンスマークが取り付けられる軌道レールと、
前記ヘッドが取り付けられ、前記軌道レールに移相対動可能に組み付けられるキャリッジと、を備えるエンコーダ装置付き運動案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対移動可能な二部材の相対的な直線位置又は回転位置を検出するためのエンコーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンコーダ装置は、第一部材に対して相対移動する第二部材の直線位置又は回転位置を検出するために用いられる。エンコーダ装置には、移動量に応じた数のパルスを出力するインクリメンタル型と、検出位置の絶対位置をデータ出力するアブソリュート型がある。
【0003】
インクリメンタル型のエンコーダ装置は、第一部材に取り付けられるスケールと、第二部材に取り付けられ、スケールを読み取るヘッドと、を備える。第一部材に対する第二部材の相対移動に伴って、インクリメンタル型のエンコーダ装置は、π/2だけ位相がずれたA相信号及びB相信号を出力する。
【0004】
インクリメンタル型のエンコーダ装置は、A相信号及びB相信号に加えて原点信号(Z相信号)を出力する。インクリメンタル型のエンコーダ装置には、電源を切って再度通電しても直ちに現在位置がわからないという課題があるからである。
【0005】
原点信号を出力するために、特許文献1に記載のエンコーダ装置では、第一部材の原点位置にリファレンスマーク(磁石又は鉄からなる)を取り付け、第二部材にこのリファレンスマークを読み取る磁気センサを取り付けている。そして、磁気センサから得た信号を所定の閾値と比較して原点信号用のパルスを生成し、このパルスに基づいて原点信号を出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/053719号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のエンコーダ装置にあっては、スケールが磁気スケールであるので、磁石又は鉄からなるリファレンスマークに発生する磁界とスケールに発生する磁界とが干渉し合い、測定誤差が生ずるおそれがあるという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、リファレンスマークの磁界とスケールの磁界との干渉を低減できるエンコーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、リファレンスマークとヘッドとを備えるエンコーダ装置であって、前記リファレンスマークは、第一スケールコイルと、前記第一スケールコイルに電気的に接続される第二スケールコイルと、を有し、前記ヘッドは、前記第一スケールコイルに非接触で電磁波を送信する送信コイルと、前記第二スケールコイルから非接触で電磁波を受信する受信コイルと、前記第一スケールコイルに前記送信コイルが対向し、前記第二スケールコイルに前記受信コイルが対向する場合、前記受信コイルが受信した電磁波から原点信号生成用のパルスを生成する電気回路と、を有するエンコーダ装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電磁誘導を利用して原点信号生成用のパルスを生成することができる。電磁誘導によってリファレンスマークに発生する磁界とスケールに発生する磁界とは、周波数で切り分けることができる。したがって、リファレンスマークの磁界とスケールの磁界との干渉を低減できる。
【0011】
なお、本発明は、スケールが磁気スケールである場合に好適であるが、スケールは磁気スケールに限られることはなく、例えば光学式スケールでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態のエンコーダ装置が取り付けられたエンコーダ装置付き運動案内装置の外観斜視図である。
図2】本実施形態のエンコーダ装置の内部構造を示す斜視図である。
図3】本実施形態のエンコーダ装置の内部構造を示す側面図である。
図4】リファレンスマークの平面図である。
図5】本実施形態のエンコーダ装置のブロック図である。
図6】本実施形態と比較例とでヘッドの大きさを比較した図である(図6(a1)、図6(a2)は比較例を示し、図6(b1)、図6(b2)は本実施形態を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態のエンコーダ装置を詳細に説明する。ただし、本発明の運動案内装置のエンコーダ装置は種々の形態で具体化することができ、明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明の範囲を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
【0014】
図1は、本実施形態のエンコーダ装置が取り付けられたエンコーダ装置付き運動案内装置の外観斜視図を示す。符号3が運動案内装置、符号6がエンコーダ装置である。
【0015】
運動案内装置3は、軌道レール1と、軌道レール1にその長さ方向に移動可能に組み付けられるキャリッジ2と、を備える。軌道レール1が図示しないベースに取り付けられ、キャリッジ2が図示しないテーブル等の可動体に取り付けられる。運動案内装置3は、工作機械、半導体製造装置、液晶製造装置、ロボット等に組み込まれ、テーブル等の可動体が直線運動するのを案内する。軌道レール1とキャリッジ2との間には、転がり運動可能に多数の転動体が介在する。軌道レール1に対してキャリッジ2が移動すると、転動体がこれらの間を転がる。転動体の転がりを利用することで、キャリッジ2を高精度にかつ軽快に移動させることができる。運動案内装置3の構成は周知であるので、これ以上の詳しい説明を省略する。
【0016】
エンコーダ装置6は、インクリメンタル型磁気スケール(以下、単に磁気スケール4という)と、リファレンスマーク7(図2参照)と、ヘッド5と、を備える。エンコーダ装置6は、キャリッジ2の移動に伴って、A相、B相のインクリメンタル信号、原点信号(Z相信号)を出力する。磁気スケール4は、A相、B相のインクリメンタル信号を生成するために設けられる。リファレンスマーク7は、原点信号を生成するために設けられる。磁気スケール4とリファレンスマーク7とは、重ねた状態で、軌道レール1に取り付けられる。ヘッド5は、キャリッジ2に取り付けられる。
【0017】
磁気スケール4は、断面矩形で軌道レール1に沿って細長い。磁気スケール4の表面は、長さ方向に交互にN極及びS極が等間隔に現れるように着磁される。磁気スケール4は、軌道レール1の上面の溝に嵌められる。なお、磁気スケール4の取り付けはこれに限定されるものではなく、例えば磁気スケール4を溝のない軌道レールに取り付けることもでき、軌道レールの側面に取り付けることもできる。
【0018】
図2に示すように、磁気スケール4の上面には、リファレンスマーク7が貼り付けられる。図3の側面図に示すように、リファレンスマーク7は、磁気スケール4の平坦な上面4aに貼り付けられる。磁気スケール4の上面4aにリファレンスマーク7の厚さに相当する凹みを設けると、凹みのある部分とない部分とで磁気量が変わってしまう。このため、磁気スケール4には凹みは設けられていない。リファレンスマーク7は、磁気スケール4の長さ方向に細長い矩形状のフレキシブルプリント基板からなる。リファレンスマーク7は、絶縁体からなる基板7aと、基板7aの表面に形成された導体からなるパターン7bと、を備える。
【0019】
図4の平面図に示すように、パターン7bは、四角形の枠状の第一スケールコイル7bと、第一スケールコイル7bからヘッド5の移動方向に所定ピッチP1だけ離れて配置された四角形の枠状の第二スケールコイル7bと、第一スケールコイル7bと第二スケールコイル7bとに接続される平行配線7bと、を備える。第一スケールコイル7b、第二スケールコイル7b、及び平行配線7bは、閉回路を構成する。
【0020】
図2に示すように、ヘッド5は、送信コイル8と、受信コイル9と、を備える。送信コイル8は、第一スケールコイル7bに対向した状態で、第一スケールコイル7bに非接触で電磁波を送信する。受信コイル9は、第二スケールコイル7bに対向した状態で、第二スケールコイル7bから非接触で電磁波を受信する。図3に示すように、ヘッド5の移動方向における送信コイル8と受信コイル9との中心間ピッチは、P2である。このP2は、第一スケールコイル7bと第二スケールコイル7bとの中心間ピッチP1に等しい。送信コイル8、受信コイル9とリファレンスマーク7との間には、隙間gが設けられる。
【0021】
ヘッド5は、リファレンスマーク7に対して移動可能である。送信コイル8及び受信コイル9それぞれが第一スケールコイル7b及び第二スケールコイル7bそれぞれに対向すると、送信コイル8が放射した電磁波が受信コイル9に受信される。この対向位置からヘッド5が移動すると、受信コイル9が受信する電磁波が徐々に小さくなる。
【0022】
図2に示すように、送信コイル8と受信コイル9との間には、磁気スケール4を読み取る磁気センサ11が配置される。磁気センサ11は、磁気スケール4に隙間を空けて対向し、磁気スケール4の磁界を検出する。磁気センサ11は、MR(Magneto-Resistance)素子を備える。MR素子は、磁気スケール4の磁界の強度及び/又は方向の変化に応じてその抵抗を変化させる。ヘッド5が磁気スケール4に対して移動すると、磁気センサ11は、ヘッド5の移動に伴って90度位相が異なる2つの正弦波信号(a相信号及びb相信号)を出力する。
【0023】
図5は、エンコーダ装置6のブロック図を示す。所定の周波数を発振する発振回路12の出力は、送信コイル8に入力される。発振回路12の発振周波数は、磁気スケール4の磁界の周波数の10倍以上に設定される。磁気スケール4の磁界の周波数はV/Pから求められる。Vはキャリッジ2の速度(mm/sec)であり、Pは磁気スケール4の磁極間(N極−N極間)ピッチ(mm)である。
【0024】
送信コイル8は、発振回路12からの入力を受けて、電磁波を放射する。リファレンスマーク7の第一スケールコイル7bに送信コイル8が対向すると、電磁波は第一スケールコイル7bによって捕捉され、電磁波が第一スケールコイル7bに送信される。
【0025】
第一スケールコイル7bと第二スケールコイル7bとは、閉回路を構成する。第一スケールコイル7bが電磁波を受信すると、第二スケールコイル7bが電磁波を放射する。第二スケールコイル7bに受信コイル9が対向すると、受信コイル9が電磁波を受信する。
【0026】
受信コイル9に受信された電磁波は、検波・整流回路13によって検波・整流される。検波回路は、電磁波を検出し、フィルタを用いて電磁波によって発生する交流と磁気スケール4によって発生する交流とを周波数で切り分け、電磁波によって発生する交流を抽出する。電磁波によって発生する交流の周波数はMHzオーダであるのに対し、磁気スケール4によって発生する交流の周波数(上記のV/P)はkHzオーダである。このため、フィルタで両者を切り分けることができる。整流回路は、電磁波の交流を直流に整流する。
【0027】
コンパレータ14は、検波・整流回路13が整流した直流電圧を所定の閾値と比較し、原点信号生成用のパルスを生成する。コンパレータ14は、直流電圧が所定の閾値以上のとき、H(High)レベルの信号を生成し、直流電圧が所定の閾値未満のとき、L(Low)レベルの信号を生成する。原点信号生成用のパルスは、送信コイル8及び受信コイル9それぞれが第一スケールコイル7b及び第二スケールコイル7bそれぞれに対向している状態にあることを表す。
【0028】
原点信号生成用のパルスは、Z相生成用回路15に入力される。原点信号生成用のパルスの幅は比較的広い。Z相生成用回路15は、原点信号生成用のパルスから狭小なパルス幅の原点信号を生成するために用いられる。例えば、Z相生成用回路15は、磁気センサ11が出力するa相信号及びb相信号から磁気スケール4の極性が変化するごとに狭小な幅のパルスを生成し、この狭小な幅のパルスと原点信号生成用のパルスとの論理積によって、狭小なパルス幅の原点信号を生成する。Z相生成用回路15の一例は、出願人が提案した特許第5717787号に記載されているが、Z相生成用回路15は特に限定されるものではない。
【0029】
インターポレータ16は、磁気センサ11の分解能を向上させるために用いられる。インターポレータ16は、磁気センサ11が出力するa相信号及びb相信号それぞれをA/Dコンバータに通し、これにより得たA/D変換データに基づいてROMテーブル内のアドレスを指定し、内挿データを得る。そして、この内挿データに基づいて高分解能化されたA相、B相のインクリメンタル信号を得る。インターポレータ16の構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。
【0030】
上記のようにして得られた原点信号、A相、B相のインクリメンタル信号は、ラインドライバ17から必要な制御装置に出力される。
【0031】
以上に本発明のエンコーダ装置6の構成を説明した。本実施形態のエンコーダ装置6によれば、以下の効果を奏する。
【0032】
電磁誘導によってリファレンスマーク7に発生する磁界と磁気スケール4に発生する磁界とは、周波数で切り分けることができる。したがって、リファレンスマーク7の磁界と磁気スケール4の磁界との干渉を低減できる。
【0033】
インクリメンタル検出が磁気式(磁気スケール4と磁気センサ11とでインクリメンタル信号を生成)であり、原点検出が電磁誘導式(リファレンスマーク7と送受信コイル8,9とで原点信号を生成)なので、耐異物性に優れた(異物が検出精度に悪影響を及ぼしにくい)エンコーダ装置6が得られる。
【0034】
磁気スケール4とリファレンスマーク7とを軌道レール1に重ねて配置するので、これらの取り付けスペースを低減することができるし、ヘッド5も幅方向(軌道レール1の長さ方向に直交する左右方向)にコンパクトにすることができる。
【0035】
また、図6(b1)(b2)に示すように、軌道レール1に磁気スケール4とリファレンスマーク7とを重ねて配置することで、小型型番の運動案内装置(b1)と大型型番の運動案内装置(b2)とで、ヘッド5を共通化することができる。なお、比較例の図6(a1)(a2)に示すように、磁気スケール4´とリファレンスマーク7´とを軌道レール1´のボルト挿入穴1a´の左右に配置すると、小型型番の運動案内装置(a1)と大型型番の運動案内装置(a2)とで、ヘッド5´を共通化することができない。
【0036】
送信コイル8と受信コイル9との間に磁気センサ11を配置するので、これらを備えるヘッド5を小型にすることができると共に、送受信コイル8,9の電磁波が磁気センサ11に悪影響を及ぼすのを防止できる。
【0037】
第一スケールコイル7bと第二スケールコイル7bとがキャリッジ2の移動方向に離れているので、リファレンスマーク7の幅を小さくすることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまな実施形態に具現化可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、エンコーダ装置が運動案内装置のキャリッジの直線位置を検出しているが、モータの回転軸の回転位置を検出することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1…軌道レール、2…キャリッジ、3…運動案内装置、4…インクリメンタル型磁気スケール、5…ヘッド、6…エンコーダ装置、7…リファレンスマーク、7b…第一スケールコイル、7b…第二スケールコイル、8…送信コイル、9…受信コイル、11…磁気センサ、12…発振回路、13…検波・整流回路(電気回路)、14…コンパレータ(電気回路)

図1
図2
図3
図4
図5
図6