特許第6234501号(P6234501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6234501表示装置、テレビジョン受像機、表示方法、制御プログラム、および記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234501
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】表示装置、テレビジョン受像機、表示方法、制御プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/73 20060101AFI20171113BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20171113BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20171113BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H04N9/73 B
   G09G5/00 X
   G09G5/00 520W
   G09G5/00 510S
   G09G5/10 B
   G09G5/36 520A
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-52759(P2016-52759)
(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公開番号】特開2017-169052(P2017-169052A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】神田 貴史
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−109710(JP,A)
【文献】 特開平11−338407(JP,A)
【文献】 特開2013−243611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00−1/40
G06T 3/00−5/50
G06T 9/00−9/40
G09G 5/00−5/36
G09G 5/377−5/42
H04N 1/46−1/48
H04N 1/52
H04N 9/44−9/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別部と、
上記判別部が、上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御部と、を備え、
上記判別部が上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインの値であって、第1の所定の階調値よりも高い階調値におけるゲインの値を、設定された値よりも高い値に変更する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別部と、
上記判別部が、上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御部と、を備え、
上記判別部が上記画像信号は第2の画像信号であると判別し、かつ、入力された画像信号が示す画像の階調値が、第2の所定の階調値より高い場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別部と、
上記判別部が、上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御部と、を備え、
上記判別部が上記画像信号は第2の画像信号であると判別し、かつ、入力された第2の画像信号に含まれる輝度情報が示す輝度が第1の所定の輝度より高い場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別部と、
上記判別部が、上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御部と、を備え、
上記表示制御部は、表示する画像の輝度を、複数のエリアに分割された当該複数のエリアごとに調整可能であり、
上記複数のエリアのうち最も輝度が高いエリアの輝度が、第2の所定の輝度よりも高い場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
上記表示制御部は、ユーザからの操作に応じて、上記第1の所定の階調値を変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
上記表示制御部は、ユーザからの操作に応じて、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインの値を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の表示装置を含む、
ことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項8】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置に画像を表示する表示方法であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、上記第1の画像信号が示す画像のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジを有する画像を示す第2の画像信号であるかを判別する判別ステップと、
上記判別ステップにおいて、上記画像信号は第2の画像信号であると判別された場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインの値であって、第1の所定の階調値よりも高い階調値におけるゲインの値を、設定された値よりも高い値に変更する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示方法。
【請求項9】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置に画像を表示する表示方法であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、上記第1の画像信号が示す画像のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジを有する画像を示す第2の画像信号であるかを判別する判別ステップと、
上記判別ステップにおいて、上記画像信号は第2の画像信号であると判別され、かつ、入力された画像信号が示す画像の階調値が、第2の所定の階調値より高い場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示方法。
【請求項10】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置に画像を表示する表示方法であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、上記第1の画像信号が示す画像のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジを有する画像を示す第2の画像信号であるかを判別する判別ステップと、
上記判別ステップにおいて、上記画像信号は第2の画像信号であると判別され、かつ、入力された第2の画像信号に含まれる輝度情報が示す輝度が第1の所定の輝度より高い場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示方法。
【請求項11】
各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置に画像を表示する表示方法であって、
入力された画像信号が第1の画像信号であるか、上記第1の画像信号が示す画像のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジを有する画像を示す第2の画像信号であるかを判別する判別ステップと、
上記判別ステップにおいて、上記画像信号は第2の画像信号であると判別された場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御ステップと、
を含み、
上記表示制御ステップにおいて、表示する画像の輝度を、複数のエリアに分割された当該複数のエリアごとに調整可能であり、
上記表示制御ステップにおいて、上記複数のエリアのうち最も輝度が高いエリアの輝度が、第2の所定の輝度よりも高い場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する
ことを特徴とする表示方法。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記判別部、および上記表示制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置、当該表示装置を含むテレビジョン受像機、当該表示装置に画像を表示させる表示方法、当該表示装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラム、および当該制御プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、表示装置が表示する画像のホワイトバランスには個体差がある。そのため、表示装置を製造する工程において、ホワイトバランスの調整が行われる。一方、ホワイトバランスの調整には輝度低下が伴うため、当該輝度低下を抑制した技術が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、白画像を表示したときの表示色が所定の目標範囲に含まれるように、目標範囲に含まれる表示色の収束点を、輝度低下がより小さくなるように設定するホワイトバランス調整方法が記載されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、ホワイトバランス調整後の画面輝度が基準輝度未満である場合、階調が固定されていない2色のうち少なくとも1色の階調を高く再調整する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−126045号公報(2013年6月24日公開)
【特許文献2】特開2014−109710号公報(2014年6月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、高コントラスト化された画像を表示するための画像信号であるHDR(High Dynamic Range)信号を取得した場合であっても、ホワイトバランスの調整によって、表示装置が出力可能な輝度より低い輝度の画像が表示されるという問題点がある。また、HDR信号の画像を表示する場合を考慮し、輝度が高くなるようホワイトバランスを調整すると、SDR信号の画像を表示したときに色のばらつきが大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされてものであり、その目的は、SDR信号の画像の色のバラツキを抑制しつつ、ホワイトバランス調整による輝度の低下を抑制したHDR信号の画像を表示する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置であって、入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別部と、上記判別部が、上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御部と、を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示方法は、各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置に画像を表示する表示方法であって、入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが上記第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別ステップと、上記判別ステップにおいて、上記画像信号は第2の画像信号であると判別された場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、第1の画像信号(SDR信号)の画像の色のバラツキを抑制しつつ、ホワイトバランス調整による輝度の低下を抑制した画像であって、取り得る輝度のダイナミックレンジがSDR信号よりも広い第2の画像信号(HDR信号)の画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係るテレビジョン受像機の要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係るテレビの一部として実現される表示装置、パーソナルコンピュータ、および携帯型情報端末装置を示す外観図である。
図3】本発明の実施形態1に係るテレビが表示する画像の各原色に対するゲインを示すグラフである。
図4】本発明の実施形態1に係るテレビが表示する輝度優先の画像の各原色に対するゲインを示すグラフである。
図5】本発明の実施形態1に係るテレビが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態2における所定の階調値をユーザが設定可能な構成を示す図である。
図7】本発明の実施形態3における所定の階調値より高い階調値におけるゲインをユーザが設定可能な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1図5を用いて詳細に説明する。
【0013】
(テレビジョン受像機1)
図1は、実施形態1に係るテレビジョン受像機(表示装置)1の要部構成を示すブロック図である。テレビジョン受像機1(以下、単に「テレビ1」と称する)は、標準的なダイナミックレンジの画像信号であるSDR(standard dynamic range)信号(第1の画像信号)に加えて、取り得る輝度のダイナミックレンジがSDR信号よりも広いHDR(High Dynamic Range)信号(第2の画像信号)を取得し、当該画像信号に応じた画像を表示することができる。
【0014】
HDR信号が準拠する規格として、例えば、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)ST.2084−2014、CTA(Consumer Technology Association)−861−Fなどにより規定される映像フォーマットがある。また、SDR信号が準拠する規格として、例えば、Rec.ITU−R BT.709により規格される映像フォーマットがある。
【0015】
さらに、テレビ1は、入力された画像信号がHDR信号であるか、またはSDR信号であるかに応じて、表示する画像の原色である赤(R)、緑(G)、および青(B)の少なくとも何れかに対するゲインの値を変更することにより、輝度優先の画像または色度優先の画像を表示する構成を備えている。この構成ならびに輝度優先の画像および色度優先の画像の詳細については、後述する。
【0016】
テレビ1は、図1に示すように、画像信号取得部10、判別部12、表示制御部14、表示部16、記憶部18、および操作受付部20を備えている。
【0017】
画像信号取得部10は、画像信号を取得するインターフェースである。画像信号取得部10が取得する画像信号の例として、チューナを介して取得したチューナ信号、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)を介して取得したHDMI信号、またはCVBS(Composite Video, Blanking, and Sync:コンポジット映像信号)信号などが挙げられる。
【0018】
判別部12は、画像信号取得部10が取得した画像信号が、HDR信号であるかSDR信号であるかを判別する。
【0019】
表示制御部14は、後述する表示部16を制御し、表示部16に画像を表示させる。また、表示制御部14は、判別部12による判別結果に応じて、表示部16に輝度優先の画像または色度優先の画像を表示させる。
【0020】
表示部16は、画像を表示する表示デバイスである。表示部16は、バックライトを有した透過型の液晶パネルや有機EL(Electro luminescence)ディスプレイなどにより実現される。また表示部16が表示する画像のホワイトバランスは、各原色に対するゲインの値を調整することにより、調整可能である。
【0021】
記憶部18は、データを格納することができるデバイスである。具体的には、記憶部18には、ホワイトバランス調整後の各原色に対するゲインの値などが格納されている。
【0022】
操作受付部20は、ユーザの操作を受け付け、当該操作を示す操作情報を出力する。操作受付部20は、リモートコントローラから送信される赤外線信号を受光する赤外線信号受光部や、スイッチ、タッチパッドなどにより実現される。
【0023】
(テレビ1の外観)
図2は、実施形態1に係るテレビ1の一部として実現される表示装置2、パーソナルコンピュータ3、および携帯型情報端末装置4を示す外観図である。図2に示すように、表示装置2(図2の(a))、パーソナルコンピュータ3(図2の(b))、または携帯型情報端末装置4(図2の(c))は、テレビ1の一部として実現されるが、これに限定されるものではない。
【0024】
(輝度優先の画像および色度優先の画像)
テレビ1が表示する輝度優先の画像および色度優先の画像について、図3および図4を用いて説明する。図3は、実施形態1に係るテレビ1が表示する画像の各原色に対するゲインを示すグラフである。図3の(a)は、ホワイトバランス調整前の各原色に対するゲインを示すグラフであり、(b)は、ホワイトバランス調整後の各原色に対するゲインを示すグラフである。図4は、実施形態1に係るテレビ1が表示する輝度優先の画像の各原色に対するゲインを示すグラフである。図4の(a)は、輝度優先の画像の各原色に対するゲインの一例を示すグラフであり、(b)は、輝度優先の画像の各原色に対するゲインの他の例を示すグラフであり、(c)は、輝度優先の画像の各原色に対するゲインのさらに他の例を示すグラフである。
【0025】
テレビ1が備える表示部16は、表示する画像のホワイトバランスに個体差があるため、例えばテレビ1の製造工程においてホワイトバランスを調整する工程が実行される。このようなホワイトバランスを調整する工程の一例を、以下に説明する。
【0026】
まず、図3の(a)に示すように、テレビ1は、入力された画像信号の階調値が最高階調値のときに、表示する画像の輝度が最高輝度になるように設定されたゲインで画像を表示する。続いて、テレビ1が表示する画像の色度が所定の色度になるように、各原色のうちいずれかの原色のゲインの値を固定し、他の2つの原色のゲインの値を低くする。例えば、赤(R)に対するゲインを固定してホワイトバランスを調整した場合、各原色に対するゲインは、図3の(b)に示すグラフのようになる。このように調整されたホワイトバランスの画像は、輝度は低いが色度は調整されているため、テレビ1は当該画像を色度優先の画像として表示する。
【0027】
一方、ホワイトバランスの調整によって低くしたゲインの値を高くすることにより、色度は所定の色度からずれるが輝度は高い画像、すなわち輝度優先の画像をテレビ1は表示することができる。テレビ1は、輝度優先の画像を、図4の(a)に示すように、緑(G)および青(B)に対するゲインの値を高くすることにより、表示することができる。
【0028】
また、図4の(b)および(c)に示すように、テレビ1は、輝度優先の画像として、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインの値であって、所定の階調値(第1の所定の階調値)より高い階調値におけるゲインを、輝度が上がるように変更した画像を表示してもよい。
【0029】
例えば、図4の(b)に示すように、最低階調値から階調値L1までにおける緑(G)に対するゲインの値を、色度優先の画像と同じゲインの値に設定する。また、階調値L1より高い階調値における緑(G)に対するゲインの値を、最大階調値の場合に輝度が最大になるように設定する。
【0030】
青(B)のゲインについても同様に、最低階調値から階調値L2までにおける青(B)に対するゲインの値を、色度優先の画像と同じゲインの値に設定する。また、階調値L2より高い階調値における青(B)に対するゲインを、最大階調値の場合に輝度が最大になるように設定する。
【0031】
このようにゲインの値を設定することにより、テレビ1は、階調値L1および階調値L2より低い階調値の画像は色度優先の画像で表示し、階調値L1および階調値L2より高い階調値の画像は輝度優先の画像で表示することができる。
【0032】
また、他の例として、図4の(c)に示すように、最低階調値から階調値L3までにおける緑(G)に対するゲインの値を色度優先の画像と同じゲインの値に設定する。また、階調値L3より高い階調値における緑(G)に対するゲインの値を、色度優先の画像におけるゲインの値より高く、かつ、最大階調値の場合に輝度が最大より低くなる値に設定する。
【0033】
青(B)のゲインについても同様に、最低階調値から階調値L4までにおける青(B)に対するゲインの値を色度優先の画像と同じゲインの値に設定する。また、階調値L4より高い階調値における青(B)に対するゲインを、色度優先の画像におけるゲインの値より高く、かつ、最大階調値の場合に輝度が最大より低くなる値に設定する。
【0034】
このようにゲインの値を設定することにより、テレビ1は、階調値L3および階調値L4より低い階調値の画像は色度優先の画像で表示し、階調値L3および階調値L4より高い階調値の画像は、色度のずれを抑制した輝度優先の画像として表示することができる。
【0035】
なお、階調値L1〜階調値L4(以下、総称して「所定の階調値L」とも称する)は、同じ階調値であってもよい。
【0036】
また、所定の階調値Lは任意の値であるが、例えば、テレビ1に入力された画像信号のヒストグラムにおいて、輝度の高さが上位10%の階調値を所定の階調値Lとする方法が挙げられる。また、テレビ1に入力されたHDR信号に含まれる情報が示す輝度が、所定の輝度(例えば、表示部16が表示可能な輝度の50%の輝度など)より高くなる階調値を所定の階調値Lとする方法が挙げられる。
【0037】
また、テレビ1が、表示部16が複数のエリアに分割され、表示する画像の輝度を当該複数のエリアごとに調整可能な構成(いわゆる、ローカルディミング)を備えている場合、最も高い輝度が所定の輝度より高くなる階調値を所定の階調値Lとする方法が挙げられる。より具体的には、テレビ1が、全てのエリアを同じ輝度で点灯させたときに最も明るく表示できる輝度を100%の輝度とすると、複数のエリアのうち一部のエリアを明るく点灯させた場合、全てのエリアを100%の輝度で点灯させたときと比べて、当該一部のエリアに電力を集中させることができるので、当該一部のエリアでは、100%以上の輝度を表示させることができる。そのため、上記所定の輝度として、例えば、表示部16が100%の輝度を所定の輝度として、100%の輝度となる階調値を所定の階調値Lとする方法が挙げられる。
【0038】
(テレビ1が実行する処理)
図5は、実施形態1に係るテレビ1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。テレビ1が実行する処理(テレビ1に画像を表示する表示方法)について、図5を用いて説明する。
【0039】
まず、図5の処理は、テレビ1に対して輝度優先の画像のホワイトバランスの調整と、色度優先の画像のホワイトバランスの調整が実行されており、調整後のそれぞれの各原色に対するゲインの値が、記憶部18に格納されている状態において実行される。
【0040】
(ステップS2)
画像信号取得部10は、画像信号を取得する。画像信号取得部10は、取得した画像信号を判別部12に出力する。
【0041】
(ステップS4:判別ステップ)
判別部12は、画像信号取得部10から出力された画像信号は、HDR信号であるか否かを判定する。
【0042】
(ステップS6:表示制御ステップ)
ステップS4において、「画像信号はHDR信号である」と判別された場合(ステップS4:YES)、表示制御部14は、輝度優先の画像のホワイトバランス調整後の各原色に対するゲインの値を記憶部18から取得することにより、輝度優先の画像を表示部16に表示させる。
【0043】
(ステップS8)
一方、ステップS4において、「画像信号はHDR信号ではない」と判別された場合(ステップS4:NO)、表示制御部14は、色度優先の画像のホワイトバランス調整後の各原色に対するゲインの値を記憶部18から取得することにより、色度優先の画像を表示部16に表示させる。
【0044】
このように本実施形態に係るテレビ1は、入力された画像信号がHDR信号である場合、輝度優先の画像を表示する。そのため、テレビ1は、入力された画像信号がHDR信号である場合、ホワイトバランス調整による輝度の低下を抑制した画像を表示することができる。
【0045】
なお、テレビ1は、上述したステップS4の処理を実行せず、上述した図4の(b)または(c)に示すグラフのゲインの値で画像を表示する構成であってもよい。この場合、テレビ1は、入力された画像信号に関わらず、階調値が低い画像は色度を優先し、階調値が高い画像は輝度を優先する。そのため、テレビ1は、階調値が高い画像における色度のずれを抑制しつつ、高コントラスト化された画像を表示することができる。
【0046】
また、表示制御部14は、判別部12が画像信号がHDR信号であると判別し、かつ、入力された画像信号が示す画像の階調値が、所定の階調値(第2の所定の階調値)より高い場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更した輝度優先の画像を表示する構成であってもよい。この場合、テレビ1は、所定の階調値より高い階調値の画像を表示するときに、輝度優先の画像を表示するので、高コントラスト化された画像を表示することができる。所定の階調値の例として、テレビ1に入力された画像信号のヒストグラムにおいて、輝度の高さが上位10%の階調値を所定の階調値とする方法が挙げられる。
【0047】
さらに、表示制御部14は、判別部12が画像信号はHDR信号であると判別し、かつ、入力されたHDR信号に含まれる輝度情報が示す輝度が所定の輝度(第1の所定の輝度)より高い場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更した輝度優先の画像を表示する構成であってもよい。この場合、テレビ1は、所定の輝度より高い輝度で画像を表示するときに、輝度優先の画像を表示するので、高コントラスト化された画像を表示することができる。所定の輝度の例として、表示部16が表示可能な輝度の50%の輝度、などが挙げられる。
【0048】
さらに、テレビ1が上述したローカルディミングの構成を備えている場合、表示制御部14は、判別部12が画像信号はHDR信号であると判別し、かつ、複数のエリアのうち最も輝度が高いエリアの輝度が、所定の輝度(第2の所定の輝度)より高い場合、輝度優先の画像を表示する構成であってもよい。この場合、テレビ1は、表示可能な輝度が所定の輝度より高いときに、輝度優先の画像を表示するので、高コントラスト化された画像を表示することができる。所定の輝度の例として、例えば、表示部16が表示可能な輝度の100%の輝度、などが挙げられる。
【0049】
また、テレビ1では、入力信号がHDR信号であるかSDR信号であるかに応じて異なるゲインの値が設定された画像を表示するか否かを、ユーザに設定させる構成であってもよい。例えば、テレビ1は、切替ON/OFFの操作を受け付けるメニュー画面を表示する。そして、操作受付部20が、切替をONにする旨の操作を受け付けた場合、入力信号がHDR信号であるかSDR信号であるかに応じて、異なるゲインの値が設定された画像を表示する。一方、操作受付部20が、画像切替をOFFにする旨の操作を受け付けた場合、入力信号がHDR信号であってもSDR信号であっても、同じゲインの値が設定された画像を表示する構成であってもよい。
【0050】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。実施形態2では、実施形態1における所定の階調値Lをユーザが設定する構成について、図6を用いて説明する。なお、本実施形態では、所定の階調値Lをユーザが設定する構成について記載しているが、階調値L1〜階調値L4をそれぞれ個別にユーザが設定できる構成であってもよい。
【0051】
図6は、実施形態2における所定の階調値をユーザが設定可能な構成を示す図である。図6の(a)は、ユーザが所定の階調値を設定するためのメニュー画面の一例を示す図であり、(b)は、ユーザが所定の階調値L11を設定したときの各原色に対するゲインの一例を示すグラフであり、(c)は、ユーザが所定の階調値L12を設定したときの各原色に対するゲインの他の例を示すグラフであり、(d)は、ユーザが所定の階調値L13を設定したときの各原色に対するゲインのさらに他の例を示すグラフである。
【0052】
テレビ1は、例えば図6の(a)に示すメニュー画面を表示することにより、ユーザに所定の階調値を設定させることができる。図6の(a)に示すメニュー画面では、操作受付部20が、バー30を左右に移動させる旨の操作をユーザから受け付ける。そして、表示制御部14が、操作受付部20が受け付けた操作に応じて所定の階調値を変更する。
【0053】
例えば、図6の(a)に示すバー30の位置に対応して、所定の階調値が図6の(b)に示す階調値L11に設定されている状態で、操作受付部20が、バー30の位置を左の「狭い」に移動させる旨の操作を受け付けた場合、表示制御部14は所定の階調値を、図6の(c)に示すように、階調値L11より高い階調値L12に設定する。一方、操作受付部20が、バー30の位置を右の「広い」に移動させる旨の操作を受け付けた場合、表示制御部14は所定の階調値を、図6の(d)に示すように、階調値L11より低い階調値L13に設定する。
【0054】
このように、本実施形態2に係るテレビ1では、所定の階調値を設定する旨の操作を受け付けると、当該操作に応じて所定の階調値Lを変更する。そのため、テレビ1では、入力信号に応じた画像であり、かつ、ユーザが所望する画像を表示することができる。
【0055】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。実施形態3では、実施形態1における所定の階調値Lより高い階調値におけるゲインの値をユーザが設定する構成について、図7を用いて説明する。なお、本実施形態では、ゲインの値が固定されている赤(R)以外の原色である緑(G)および青(B)に対するゲインの値をユーザが設定する構成について記載しているが、緑(G)および青(B)に対するゲインの値を個別にユーザが設定できてもよい。
【0056】
図7は、実施形態3における所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値をユーザが設定可能な構成を示す図である。図7の(a)は、ユーザが所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値を調整するためのメニュー画面の一例を示す図であり、(b)は、ユーザが所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値を設定したときの各原色に対するゲインの一例を示すグラフであり、(c)は、ユーザが所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値を設定したときの各原色に対するゲインの他の例を示すグラフであり、(d)は、ユーザが所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値を設定したときの各原色に対するゲインのさらに他の例を示すグラフである。
【0057】
テレビ1は、例えば図7の(a)に示すメニュー画面を表示することにより、ユーザに所定の階調値Lより高い階調値におけるゲインの値を設定させることができる。図7の(a)に示すメニュー画面では、操作受付部20が、バー32を左右に移動させる旨の操作をユーザから受け付ける。そして、表示制御部14が、操作受付部20が受け付けた操作に応じて、所定の階調値Lより高い階調値におけるゲインの値を変更する。
【0058】
例えば、図7の(a)に示すバー32の位置に対応して、所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインが図7の(b)に示すグラフのように設定されている状態で、操作受付部20がバー32の位置を左の「色度優先」に移動させる旨の操作を受け付けた場合、表示制御部14は、図7の(c)に示すように、所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値が低くなるように設定する。一方、操作受付部20がバー32の位置を右の「輝度優先」に移動させる旨の操作を受け付けた場合、表示制御部14は、図7の(d)に示すように、所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値が高くなるように設定する。
【0059】
このように、本実施形態3に係るテレビ1では、所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値を設定する旨の操作を受け付けると、当該操作に応じて所定の階調値L20より高い階調値におけるゲインの値を変更する。そのため、テレビ1では、入力信号に応じた画像であり、かつ、ユーザが所望する画像を表示することができる。
【0060】
〔ソフトウェアによる実現例〕
テレビジョン受像機1の各ブロック(特に判別部12および表示制御部14)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0061】
後者の場合、テレビジョン受像機1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0062】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置(テレビジョン受像機1)は、各原色(R、G、B)に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置であって、入力された画像信号が第1の画像信号(SDR信号)であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが上記第1の画像信号よりも広い第2の画像信号(HDR信号)であるかを判別する判別部(12)と、上記判別部が、上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御部(14)と、を備える。
【0063】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、入力された画像信号がHDR信号である場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、ホワイトバランス調整によって設定された値よりも高い値に変更する。そのため、本態様に係る表示装置は、入力された画像信号がHDR信号である場合、ホワイトバランス調整による輝度の低下を抑制した画像を表示することができる。
【0064】
本発明の態様2に係る表示装置において、上記態様1における上記判別部が上記画像信号は第2の画像信号であると判別した場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインの値であって、第1の所定の階調値よりも高い階調値におけるゲインの値を、設定された値よりも高い値に変更してもよい。
【0065】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、第1の所定の階調値以下の階調値の画像として、ホワイトバランス調整によって設定された画像(色度優先の画像)を表示し、第1の所定の階調値よりも高い階調値の画像として、ホワイトバランス調整によって設定されたゲインの値よりも高い値が設定された画像(輝度優先の画像)を表示する。そのため、本態様に係る表示装置は、入力された画像信号がHDR信号である場合、高コントラスト化された画像を表示することができる。
【0066】
本発明の態様3に係る表示装置において、上記態様2における上記表示制御部は、ユーザからの操作に応じて、上記第1の所定の階調値を変更してもよい。
【0067】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、ユーザが所望する画像を表示することができる。
【0068】
本発明の態様4に係る表示装置において、上記態様1〜3の何れかにおける上記表示制御部は、ユーザからの操作に応じて、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインの値を変更してもよい。
【0069】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、ユーザが所望する画像を表示することができる。
【0070】
本発明の態様5に係る表示装置において、上記態様1〜4の何れかにおける上記判別部が上記画像信号は第2の画像信号であると判別し、かつ、入力された画像信号が示す画像の階調値が、第2の所定の階調値より高い場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更してもよい。
【0071】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、入力画像信号に第2の所定の階調値より高い階調値が含まれる場合、すなわち、高い輝度で表示する画像が含まれる場合、輝度優先の画像を表示する。そのため、本態様に係る表示装置は、入力された画像信号がHDR信号である場合、高コントラスト化された画像を表示することができる。
【0072】
本発明の態様6に係る表示装置において、上記態様1〜5における上記判別部が上記画像信号は第2の画像信号であると判別し、かつ、入力された第2の画像信号に含まれる輝度情報が示す輝度が第1の所定の輝度より高い場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更してもよい。
【0073】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、入力されたHDR信号に含まれる輝度情報が示す輝度が第1の所定の輝度より高い場合、すなわち、高い輝度で表示する画像が含まれる場合、輝度優先の画像を表示する。そのため、本態様に係る表示装置は、入力された画像信号がHDR信号である場合、高コントラスト化された画像を表示することができる。
【0074】
本発明の態様7に係る表示装置において、上記態様1〜6の何れかにおける上記表示制御部は、表示する画像の輝度を、複数のエリアに分割された当該複数のエリアごとに調整可能であり、上記複数のエリアのうち最も輝度が高いエリアの輝度が、第2の所定の輝度よりも高い場合、上記表示制御部は、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更してもよい。
【0075】
上記の構成によれば、本態様に係る表示装置は、表示する画像の輝度を、複数のエリアに分割された当該複数のエリアごとに調整可能であり(換言すると、ローカルディミング機能を備えている)、最も輝度が高いエリアの輝度が、第2の所定の輝度よりも高い場合、すなわち、高い輝度で表示する画像が含まれる場合、輝度優先の画像を表示する。そのため、本態様に係る表示装置は、入力された画像信号がHDR信号である場合、高コントラスト化された画像を表示することができる。
【0076】
本発明の態様8に係るテレビジョン受像機(1)は、上記態様1〜7の何れかに係る表示装置を含んでいる。
【0077】
上記の構成によれば、上記態様1〜7の何れかに係る表示装置と同等の効果を奏するテレビジョン受像機が実現できる。
【0078】
本発明の態様9に係る表示方法は、各原色に対するゲインの値を設定することによってホワイトバランスを調整した画像を表示する表示装置に画像を表示する表示方法であって、入力された画像信号が第1の画像信号であるか、取り得る輝度のダイナミックレンジが上記第1の画像信号よりも広い第2の画像信号であるかを判別する判別ステップと、上記判別ステップにおいて、上記画像信号は第2の画像信号であると判別された場合、各原色のうち少なくとも何れかの原色に対するゲインを、設定された値よりも高い値に変更する表示制御ステップと、含む。
【0079】
上記の構成によれば、本態様に係る表示方法は、上記態様1に係る表示装置と同等の効果を奏する。
【0080】
本発明の各態様に係る表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記表示装置をコンピュータにて実現させる表示装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0081】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 テレビジョン受像機(表示装置)
10 画像信号取得部
12 判別部
14 表示制御部
16 表示部
18 記憶部
20 操作受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7